説明

配信ネットワークとサーバ及び配信方法

【課題】配信サーバへのアクセスの集中を回避し、ユーザのQoEを損なうことを回避する配信ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】モバイルネットワーク上に2台以上のサーバ(キャッシュサーバ又はプロキシサーバ)を備える。各サーバは、配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部113と、蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部118と、自サーバの蓄積するコンテンツリストと、自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部116とを有す。収集部で収集されたコンテンツリストを用い、端末から要求されたコンテンツを有するサーバを判別する判別部117と、判別されたサーバから端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームをサーバ間の連携を考慮して読み出す確保部112とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信サーバからコンテンツを配信する技術に関し、特に配信ネットワークとサーバ及び配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルネットワークは、LTE(Long Term Evolution)やEPC(Evolved Packet Core)技術などにより、高速・大容量化されていく予定であり、この進展に伴い、今後、コンテンツを、前記ネットワークをとおして、携帯端末を含む種々の端末に配信するコンテンツ配信が普及すると予想される。
【0003】
特許文献1には、移動ノードによって要求されたキャッシュ可能なストリーミング・コンテンツの管理方法として、第1サブネット内に位置する移動ノードの要求に応じて、キャッシング・プロキシを用いて、ストリーミング・コンテンツを供給するステップと、前記キャッシング・プロキシによって供給された前記ストリーミング・コンテンツをキャッシュするステップと、前記移動ノードが第2サブネットに移動した場合、前記キャッシング・プロキシとは異なる他のキャッシング・プロキシに前記要求をハンドオフするステップと、前記キャッシング・プロキシを用いた前記ストリーミング・コンテンツのキャッシングを中断するステップと、前記キャッシング・プロキシにキャッシュされた前記ストリーミング・コンテンツの断片を、単一のサイズにするために、定量化するステップとを備えることを特徴とするキャッシュ可能なストリーミング・コンテンツの管理方法が開示されている(後述されるように、本発明とは課題、構成が全く相違している)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−289327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下に、本発明によって与えられる分析を示す。
【0006】
今後、モバイルネットワークにおいて、2013年にかけデータ系のトラヒック量が現状の8倍から10倍以上に増大しその中の大部分を映像コンテンツが占めるという予測がある。加えて映像コンテンツのサイズも、スマートフォンの急速な普及にともなう端末能力の高性能化により、ますます大容量化しており、近い将来モバイルネットワークでハイビジョン解像度による大容量のコンテンツが配信されることも予想される。
【0007】
一方、モバイルネットワークでコンテンツ配信を行う場合に、インターネット上のコンテンツの配信を行うための従来の構成では、全ての端末からのコンテンツ要求は、パケット転送装置を介してインターネット網の配信サーバに伝えられ、配信サーバは全ての端末に対し、パケット転送装置を介して、コンテンツを配信していた。
【0008】
しかしながら、このような関連技術では以下の問題がある。
【0009】
インターネット上の人気コンテンツなどにより、インターネット上の配信サーバにアクセスが集中すると、ネットワークのトラヒックが集中化するためネットワークが輻輳状態になる恐れがあるという問題がある。
【0010】
また、ネットワークが輻輳状態になると、端末で映像などを再生するまでの遅延が長くなったり、端末再生している映像が停止してしまったり、パケットロスが多発して画像がおおきく乱れることなどで、ユーザのQoE(Quality of Experience)を損なうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、端末を改造することなしに、前述の問題点を解決する配信ネットワークシステム、サーバ、配信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの側面によれば、モバイルネットワーク上に2台以上のキャッシュサーバ又はプロキシサーバが配置され、インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成出力するコンテンツリスト作成部と、自身が蓄積するコンテンツリスト、ならびに自身以外のキャッシュサーバ又はプロキシサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部と、前記端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部の出力信号を用い要求されたコンテンツを有するキャッシュサーバ又はプロキシサーバを判別する判別部と、前記判別されたキャッシュサーバ又はプロキシサーバから、要求されたコンテンツのファイル又はストリームをキャッシュサーバ間の連携又はプロキシサーバ間の連携を考慮して読み出す確保部と、前記読み出したファイル又はストリームを、予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、をキャッシュサーバ又はプロキシサーバに有する、ことを特徴とする配信ネットワークシステムが提供される。
【0013】
本発明の別の側面によれば、モバイルネットワークに接続されるネットワークノードにそれぞれ接続され、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバであって、インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部と、自サーバで蓄積するコンテンツリストと、自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部と、端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストを用い、前記端末から要求されたコンテンツを有するサーバを判別する判別部と、前記判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出す確保部と、前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、を備えたサーバが提供される。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、モバイルネットワーク上に複数台以上設けられ、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバにより、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を蓄積部に一時的に蓄積し、
前記蓄積するコンテンツのリストを作成し、
自サーバで蓄積するコンテンツリストと、前記複数のサーバのうち自サーバ以外のサーバで蓄積するコンテンツリストを収集し、
端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記コンテンツリストを用い要求されたコンテンツを有するサーバを判別し、
前記判別されたサーバから、要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出し、
前記読み出したファイル又はストリームを、予め定められたプロトコルにより出力して配信する配信方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、インターネット上の配信サーバにアクセスが集中によるネットワークが輻輳状態の発生、QoEの低下を回避可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態の接続構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態におけるキャッシュサーバの構成例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の接続構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によれば、配信ネットワークは、動画、静止画、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーションなどを含むコンテンツをモバイルネットワークでキャッシュした上で、種々の端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、PC、ゲーム機など)に配信する。
【0018】
本発明のいくつかの好ましい形態の1つによれば、モバイルネットワーク上に2台以上のサーバを備え、前記サーバは、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能し、インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部(113)と、前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部(118)と、自サーバの前記蓄積部が蓄積する前記コンテンツリストと、自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストと、を収集する収集部(116)と、端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストとを用い、前記端末から要求されたコンテンツを有するサーバを判別する判別部(117)と、前記判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携を考慮して読み出す確保部(112)と、前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部(114)とを備えている。
【0019】
別の好ましい形態の方法によれば、モバイルネットワーク上に複数台以上設けられ、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバにより、以下のステップが実行される。インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対して前記コンテンツの複製を蓄積部に一時的に蓄積し(ステップ1)、
前記蓄積するコンテンツのリストを作成し(ステップ2)、
自サーバで蓄積するコンテンツリストと、前記複数のサーバのうち自サーバ以外のサーバで蓄積するコンテンツリストを収集し(ステップ3)、
端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記コンテンツリストを用い要求されたコンテンツを有するサーバを判別し(ステップ4)、
前記判別されたサーバから、要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出し(ステップ5)、
前記読み出したファイル又はストリームを、予め定められたプロトコルにより出力して配信する(ステップ6)。
【0020】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、コンテンツの例として、動画像の構成例に即して説明するが、静止画、オーディオ、音声、ソフトウェア、アプリケーション、データ等の場合も、同様な構成を用いることができる。
【0021】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の配信ネットワークの構成を示す図である。こ第1の実施形態では、モバイルネットワークとしては3Gモバイルパケットネットワークを用い、パケット転送装置として、xGSN装置を用いる場合の構成を示している。なお、xGSN(serving/gateway General packet radio support node)は、サービングGPRSサポートノード(SGSN: Serving GPRS(General Packet Radio Service) Support Node)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN: Gateway GPRS Support Node)の機能を統合したノードである。また、図1ではキャッシュサーバを用いる構成を示している。図1において、インターネット網145上の配信サーバ121は、インターネット上の種々のコンテンツを蓄積している。以降の説明ではこれらのコンテンツを「OTT(Over The Top)コンテンツ」と呼ぶこととする。コンテンツとしては、動画像、静止画、オーディオ、音声などのうちの少なくとも1種を含むコンテンツの圧縮符号化ビットストリーム又は前記圧縮符号化ビットストリームを格納したファイルとするが、Web画面やソフトウェアやアプリケーション、データなどでもよい。また、端末としては携帯端末を用いることとするが、他の端末を用いることも出来る。
【0022】
モバイルネットワーク150上にN台(N≧2)のxGSN装置190_1〜190_Nが配備されている。xGSN装置190_1には、RNC(Radio Network Controller:)装置(無線基地局制御装置)195_1〜195_L(L≧2)が接続され、xGSN装置190_Nには、RNC装置197_1〜197_Lが接続されている。同様に、xGSN装置190_2にも、RNC装置がL台接続されている。ただし、図1では、単に、図面作成上の都合で、xGSN装置190_2に接続するL台のRNC装置は省略されている。
【0023】
さらに、RNC装置1台当たり、M台(M≧2)の基地局が接続されている。例えば、RNC装置195_1には、M台の基地局装置180_1〜180_Mが接続され、RNC装置195_Lには、M台の基地局装置181_1〜181_Mが接続されている。またRNC装置197_1には、M台の基地局装置182_1〜182_Mが接続され、RNC装置197_Lには、M台の基地局装置183_1〜183_Mが接続されている。
【0024】
各xGSN装置のGGSN機能部に1台のキャッシュサーバが接続されている。例えば、xGSN装置190_1には、キャッシュサーバ110_1が接続されている。ここで、xGSN装置はSGSN機能部とGGSN機能部とが同一場所に設置された装置構成である。
【0025】
携帯端末170は、要求するコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)を記載して配信の接続要求メッセージを発すると、在圏している基地局(図1の場合、181_1〜181_Mのいずれか)が、前記接続要求メッセージを受信し、当該基地局を管理しているRNC装置(図1の場合、195_L)に前記接続要求メッセージが送られる。
【0026】
RNC装置195−Lは、前記接続要求メッセージを前記基地局から受信し、GTP(General Packet Radio Service (GPRS) Tunneling Protocol)パケットのペイロード部分に、前記接続要求メッセージと、前記配信サーバのIP(Internet Protocol)アドレス、携帯端末170のIPアドレス等を格納し、RNC装置195_1〜195_LをとりまとめているxGSN装置190_1に対しGTPパケットを転送する。
【0027】
次に、xGSN装置190_1は、前記GTPパケットを受信する。
【0028】
キャッシュサーバ110_1は、例えばxGSN装置190_1のGGSN機能部のGiインタフェースに接続され、キャッシュサーバ110_NはxGSN装置190_NのGGSN機能部のGiインタフェースに接続されている。またキャッシュサーバ同士は、コンテンツの連携ができるように、互いに接続されている。
【0029】
キャッシュサーバの代表的な構成として、図2に、xGSN装置190_1に接続されたキャッシュサーバ110_1の構成を示す。他のキャッシュサーバ110_2〜110_Nは、キャッシュサーバ110_1と同一の構成であることから、110_1で代表して説明し、他のキャッシュサーバ110_2〜110_Nの説明は省略する。
【0030】
図2において、制御信号送受信部111は、
携帯端末170からの接続要求メッセージと、
携帯端末170の受信IPアドレスと、
要求コンテンツのURL等を格納したGTPパケットと、
をxGSN装置190_1から受信する。
【0031】
またxGSN装置から携帯端末170の在圏情報を受信する。
【0032】
解析部115は、受信した前記GTPパケットに対し、当該パケットのペイロード部分に格納された接続要求メッセージの内容を読み出し、携帯端末170の受信IPアドレスと、要求されたコンテンツのURL等の情報を抽出し、
要求されたコンテンツのURLや携帯端末170の受信IPアドレス等を、配信部114と判別部117に出力する。
【0033】
収集部116は、自装置(自キャッシュサーバ)が蓄積するコンテンツのコンテンツリストと、自装置以外のキャッシュサーバが蓄積するコンテンツのコンテンツリストとを入力し判別部117に出力する。
【0034】
ここで、コンテンツリストの収集は、予め定められた時間間隔毎(定期的)に行っても良いし、携帯端末170から接続要求があったときに行っても良いし、あるいは、他のキャッシュサーバから収集要求があったとき等、所定のイベント発生時に行っても良い。
【0035】
判別部117は、
携帯端末170の受信IPアドレスと、
要求されたコンテンツのURL等の情報と、
自装置上に蓄積するコンテンツのコンテンツリストと、
自装置以外のキャッシュサーバが蓄積するコンテンツのコンテンツリストと、
を入力し、
携帯端末170が要求するコンテンツを自装置で蓄積するか、他のキャッシュサーバが蓄積しているかを判別する。自キャッシュサーバで蓄積する場合、
コンテンツ一時蓄積部113と、
配信部114と、
に対して、読み出し・配信指示を出す。
【0036】
一方、他のキャッシュサーバが蓄積する場合は、コンテンツ確保部112に対し、要求されたコンテンツのURLと、当該他キャシュサーバのIPアドレスを伝え、キャッシュサーバ間の連携により、当該他のキャッシュサーバから、コンテンツを確保するよう指示を出す。
【0037】
なお、自キャッシュサーバも、自キャッシュサーバ以外の他のキャシュサーバのいずれも、要求されたコンテンツを蓄積していない場合、配信サーバ装置121からコンテンツを確保するようコンテンツ確保部112に、指示を出す。
【0038】
コンテンツ確保部112は、判別部117から要求されたコンテンツのURL、コンテンツ確保指示、他のキャッシュサーバの場合には、当該他のキャッシュサーバのIPアドレス、配信サーバ装置121の場合は、当該配信サーバ装置121のIPアドレスを入力し、要求されたコンテンツの複製を確保した上で、コンテンツ一時蓄積部113に出力する。コンテンツ一時蓄積部113で、当該コンテンツを蓄積する。
【0039】
コンテンツ一時蓄積部113は、判別部117から、コンテンツ読み出し指示を入力すると、要求されたコンテンツのURLに、該当するコンテンツファイルを読み出し、配信部114に出力する。
【0040】
コンテンツリスト作成部118は、コンテンツ一時蓄積部113が蓄積している全てのコンテンツのリストを随時作成しておき、
予め定められた時間間隔毎に、又は、
他のキャッシュサーバから要求があったときに、又は、
収集部116から要求があったときに、
コンテンツリストを出力する。
【0041】
配信部114は、
要求されたコンテンツのURL情報を解析部115から入力し、
判別部117からコンテンツの配信指示を入力し、
要求されたコンテンツのファイルを、コンテンツ一時蓄積部113から入力し、
予め定められたプロトコル(例えばTCP(Transmission Control Protocol))のパケットを生成し、xGSN装置に送出し、xGSN装置を介して前記携帯端末170に配信する。
【0042】
以上で第1の実施の形態の説明を終えるが、種々の変形が可能である。図1では、一つのxGSN装置に対し一つのキャッシュサーバを接続させる場合の構成を示したが、複数のxGSN装置に対し一つのキャッシュサーバを接続させる構成をとることもできるし、一つのxGSN装置に対し、複数のキャッシュサーバを接続させる構成とすることもできる。
【0043】
配信サーバ装置121が、キャッシュサーバ装置110_1〜110_Nと接続する構成をとることもできる。
【0044】
さらに、図1では、SGSN装置とGGSN装置を一体化したxGSN装置を用いる構成としたが、SGSN装置とGGSN装置を分離した構成をとることもできる。この構成の場合、SGSN装置、又はGGSN装置のいずれかにキャッシュサーバを少なくとも1台、接続する構成をとることができる。
【0045】
また、携帯端末170は、携帯電話でもよいし、スマートフォンでもよいし、あるいはタブレットでもよいし、PC(パソコン)にデータ通信カードを搭載したものでもよいし、さらに、モバイル3G網(第3世代移動通信網)と通信ができる端末であれば、他のいかなる端末をも使用することが出来る。
【0046】
<実施形態1の変形例>
図3は、第1の実施形態の変形例を示す図である。この変形例では、図1のキャッシュサーバ110_1〜110_Nのかわりに、プロキシサーバ120_1〜120_Nを備えている。図3において、図1と同じ番号を付した構成要素は図1と同じ動作をするので説明は省略する。
【0047】
ここで、プロキシサーバ120_1には、透過型と完全透過型の2種の形態が考えられる。透過型の場合、携帯端末170からのメッセージ信号をプロキシサーバで一旦終端し、メッセージ信号を解析する。プロキシサーバで一時蓄積しているコンテンツに対しては、プロキシサーバから携帯端末170に配信する。必要があれば、プロキシサーバがxGSN装置経由で配信サーバ121に対し要求やアクセスを行う。
【0048】
一方、完全透過型の場合には、プロキシサーバは、携帯端末170からの信号を終端せずに、DPI(Deep Packet Inspection)技術(インターネット利用者とサーバ間でやりとりされるパケットの制御情報を第三者が検査する)を用いて、パケットのヘッダ部等をチェックし、要求されたコンテンツのURLや携帯端末170のIPアドレス等の情報を抽出し、要求されたコンテンツがプロキシサーバにキャッシュされている場合は、プロキシサーバがxGSN装置経由で配信サーバ121に対して配信停止の指示を出した上で、要求されたコンテンツをプロキシサーバから配信する。
【0049】
なお、プロキシサーバの構成(本発明の主題に関連する主要部)は、図2のキャッシュサーバの構成と同一構成とされるため、その説明は省略する。
【0050】
<実施形態2>
次に、第2の実施の形態について図4を用いて説明する。図4は、モバイルネットワーク250として、図1に示した3Gモバイルネットワーク150ではなく、3.9世代のモバイル網であるLTE(Long Term Evolution)/EPC(Evolved Packet Core)ネットワーク250を使用する構成を示している。
【0051】
LTEでは基地局装置とRNC装置の機能が縮退し、eNodeB装置のみとなる。また、EPCではS/P−GW(Serving/Packet Data−GateWay)装置がeNodeB(evolved NodeB)装置に接続される。ここで、S/P−GW(Serving Packet data network gateway)装置は、S−GW(Serving-Gateway)装置とP−GW(Packet data network gateway)装置が一体化された構成である。
【0052】
また、図4では、M台のeNodeB装置が1台のS/P−GW装置に接続される構成を示している。例えば、S/P−GW装置290_1にはeNodeB装置260_1〜260_Mが接続されている。
【0053】
図4の例では、S/P−GW装置290_1〜290_Nの各々に対して、1台のキャッシュサーバ410が接続されている。例えばS/P−GW装置290_1にはキャッシュサーバ410_1が接続されている。キャッシュサーバ同士は、コンテンツを連携できるよう接続されている(一のキャッシュサーバは他のキャッシュサーバの蓄積部に蓄積されているコンテンンツを確保して配信することが可能である)。
【0054】
携帯端末170は、配信サーバ装置121のIPアドレスを指定して配信の接続要求メッセージを発すると、在圏しているeNodeB装置(図4では、261_1〜261_Mのいずれか)が、前記接続要求メッセージを受信する。
【0055】
eNodeB装置261_1〜261Mのいずれかは、前記接続要求メッセージを受信すると、GTPプロトコルのペイロード部分に、前記接続要求メッセージと前記配信サーバのIPアドレス、前記携帯端末のIPアドレス等を格納し、S/P−GW装置に対しGTPパケットを転送する。
【0056】
キャッシュサーバ410_1は、図2に示した構成と同じ構成であるが、本実施形態では、図2において、制御信号送受信部111の接続先が、S/P−GW装置290_1となる。
【0057】
携帯端末170からの接続要求メッセージと、
IPアドレス等を格納したGTPパケットと、
携帯端末170のロケーション情報と、
をS/P−GW装置290_1から受信する。なお、他のキャッシュサーバ410_2〜410_Nについても、同様とされ、それぞれに接続されるS/P−GW装置290_2〜290_Nと上記のやりとりを行う。
【0058】
以上で、第3の実施の形態の説明を終えるが、種々の変形が可能である。図4では、S−GW装置とP−GW装置を一体化したS/P−GW装置を用いる構成としたが、S−GW装置とP−GW装置とを分離した構成をとることもできる。この構成の場合は、S−GW装置又はP−GW装置のいずれかに、キャッシュサーバを少なくとも1台、接続する構成をとることができる。
【0059】
また、携帯端末170は、携帯電話でもよいし、スマートフォンでもよいし、PCにデータ通信カードを搭載したものでもよいし、さらに、モバイル3.9G網と通信ができる端末であれば、他のいかなる端末をも使用することが出来る。
【0060】
<実施形態2の変形例>
図5は、第2の実施形態の変形例を示す図である。この変形例では、図4のキャッシュサーバ410_1〜410_Nのかわりに、プロキシサーバ120_1〜120_Nを備えている。図5において、図4と同じ番号を付した構成要素は図1と同じ動作をするので説明は省略する。この変形例において、プロキシサーバについては、図3を参照して説明したものと同一の構成とされるため、説明は省略する。
【0061】
<作用効果>
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0062】
(1)インターネット上のコンテンツに対し、キャッシュサーバ又はプロキシサーバが前記コンテンツの複製を一時蓄積し、自装置(キャッシュサーバ又はプロキシサーバ)が蓄積するコンテンツリスト、及び自装置以外が蓄積するコンテンツリストを収集する。そして、前記端末が要求したコンテンツに対し、キャッシュサーバ間の連携又はプロキシサーバ間の連携を考慮した上で要求されたコンテンツを有するキャッシュサーバ又はプロキシサーバを判別する。さらに、判別されたキャッシュサーバ又はプロキシサーバから要求されたコンテンツを読み出して配信する。こうすることにより、ネットワーク上のトラヒックを削減し、人気コンテンツへのアクセスの集中によるトラヒックを削減しネットワークの輻輳を防ぐことができるという効果がある。
【0063】
(2)トラヒックを削減することにより、端末で映像などを再生するまでの遅延を短く抑え、端末で再生している映像が停止することなく、ユーザのQoE(Quality of Experience)を良好に保つことができるという効果を奏する。
【0064】
さらに上記(1)の効果は、端末を一切改造する必要がなく得られる。
【0065】
<特許文献1との対比>
上記特許文献1には、移動ノードが第1サブネットから第2サブネットにする場合に、ストリーミングを継続実施することができる構成として、第1キャッシンッグプロキシから第2キャッシングプロキシへストリーミングコンテンツを引き渡すための構成が開示されている。これに対して、本発明によれば、端末から要求されたコンテンツを配信するさいに、複数のキャッシュサーバ又は複数のプロキシサーバが連携して要求されたコンテンツを確保するために、自身以外のキャッシュサーバ又はプロキシサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部と、端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と前記収集部の出力信号を用い要求されたコンテンツを有するキャッシュサーバ又はプロキシサーバを判別する判別部と、前記判別されたキャッシュサーバ又はプロキシサーバから要求されたコンテンツのファイル又はストリームをキャッシュサーバ間の連携又はプロキシサーバ間の連携を考慮して読み出す確保部と、前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部とを有するキャッシュサーバ又はプロキシサーバの構成を開示しており、上記特許文献1の発明とは目的及び構成が全く相違している。
【0066】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0067】
上記実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0068】
(付記1)
モバイルネットワーク上に複数のサーバを備え、
前記サーバは、
キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能し、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対して、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部と、
前記コンテンツリスト作成部で作成された、自サーバの前記蓄積部が蓄積する前記コンテンツリストと、前記複数のサーバのうちの自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストと、を収集する収集部と、
端末から前記モバイルネットワークを介して送信されたコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストとを用いて、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に有するサーバを判別する判別部と、
前記判別部で判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により自サーバに読み出す確保部と、
前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、
を備えた、ことを特徴とする配信ネットワークシステム。
【0069】
(付記2)
前記判別の結果、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に蓄積するサーバが、自サーバである場合には、前記判別部は、前記蓄積部と、前記配信部に対して、読み出し・配信指示を出し、
前記端末から要求されたコンテンツを他のサーバが蓄積する場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)と、前記他のサーバのIPアドレスを伝え、前記他のサーバから、コンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記他のサーバから確保した前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積し、
前記自サーバと他のサーバのいずれも、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積していない場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURLと、前記配信サーバのIPアドレスを伝え、前記配信サーバからコンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記配信サーバから確保した、前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積する、ことを特徴とする付記1記載の配信ネットワークシステム。
【0070】
(付記3)
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする付記1又は2記載の配信ネットワークシステム。
【0071】
(付記4)
前記サーバは、
サービングGPRS(General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN)、
ゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)、
サービングGPRSサポートノード(SGSN)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)を1つに統合したノード、
サービングゲートウエイ(S−GW)、
パケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)、
サービングゲートウエイ(S−GW)とパケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)を1つに統合したノード、
のいずれかのノード、
又は、
前記配信サーバに接続される、付記1乃至3のいずれか一に記載の配信ネットワークシステム。
【0072】
(付記5)
1台の前記サーバが1台の前記ノードに対して1:1で接続されるか、
1台の前記サーバが複数台(N台)の前記ノードに対して1:Nで接続される、付記4記載の配信ネットワークシステム。
【0073】
(付記6)
モバイルネットワークに接続されるネットワークノードにそれぞれ接続され、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバであって、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部と、
自サーバで蓄積するコンテンツリストと、自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部と、
端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストを用い、前記端末から要求されたコンテンツを有するサーバを判別する判別部と、
前記判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出す確保部と、
前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、
を備えた、ことを特徴とするサーバ。
【0074】
(付記7)
前記判別の結果、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に蓄積するサーバが、自サーバである場合には、前記判別部は、前記蓄積部と、前記配信部に対して、読み出し・配信指示を出し、
前記端末から要求されたコンテンツを他のサーバが蓄積する場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)と、前記他のサーバのIPアドレスを伝え、前記他のサーバから、コンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記他のサーバから確保した前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積し、
前記自サーバと他のサーバのいずれも、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積していない場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURLと、前記配信サーバのIPアドレスを伝え、前記配信サーバからコンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記配信サーバから確保した、前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積する、ことを特徴とする付記6記載のサーバ。
【0075】
(付記8)
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする付記6記載のサーバ。
【0076】
(付記9)
前記ネットワークノードは、サービングGPRS(General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN)、
ゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)、
サービングGPRSサポートノード(SGSN)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)を1つに統合したノード、
サービングゲートウエイ(S−GW)、
パケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)、
サービングゲートウエイ(S−GW)とパケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)を1つに統合したノード、
のいずれかのノード、又は、
前記配信サーバ
のいずれかを含む、付記6乃至8のいずれか一に記載のサーバ。
【0077】
(付記10)
1台の前記サーバが1台の前記ノードに対して1:1で接続されるか、
1台の前記サーバが複数台(N台)の前記ノードに対して1:Nで接続される、付記9記載のサーバ。
【0078】
(付記11)
モバイルネットワーク上に複数台以上設けられ、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバが、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対し、前記コンテンツの複製を蓄積部に一時的に蓄積し、
前記蓄積するコンテンツのリストを作成し、
自サーバで蓄積するコンテンツリストと、前記複数のサーバのうち自サーバ以外のサーバで蓄積するコンテンツリストを収集し、
端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記コンテンツリストを用い要求されたコンテンツを有するサーバを判別し、
前記判別されたサーバから、要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出し、
前記読み出したファイル又はストリームを、予め定められたプロトコルにより出力して配信する、ことを特徴とする配信方法。
【0079】
(付記12)
前記判別の結果、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積するサーバが、自サーバである場合には、前記蓄積部からの読み出し・配信指示を出し、
前記端末から要求されたコンテンツを他のサーバが蓄積する場合には、前記端末から要求されたコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)と、前記他のサーバのIPアドレスに基づき、前記他のサーバから、前記コンテンツを確保するように指示を出し、前記他のサーバから確保した前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積し、
前記自サーバと他のサーバのいずれも、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積していない場合には、前記端末から要求されたコンテンツのURLと、前記配信サーバのIPアドレスに基づき、前記配信サーバからコンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記配信サーバから確保した、前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積する、ことを特徴とする付記11記載の配信方法。
【0080】
(付記13)
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする付記11又は12記載の配信方法。
【0081】
(付記14)
前記サーバは、
サービングGPRS(General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN)、
ゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)、
サービングGPRSサポートノード(SGSN)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)を1つに統合したノード、
サービングゲートウエイ(S−GW)、
パケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)、
サービングゲートウエイ(S−GW)とパケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)を1つに統合したノード、
のいずれかのノード、又は
前記配信サーバ
に接続される、付記11乃至13のいずれか一に記載の配信方法。
【0082】
(付記15)
1台の前記サーバが1台の前記ノードに対して1:1で接続されるか、
1台の前記サーバが複数台(N台)の前記ノードに対して1:Nで接続される、付記14記載の配信方法。
【符号の説明】
【0083】
110_1〜110_N、410_1〜410_N キャッシュサーバ
111 制御信号送受信部
112 コンテンツ確保部
113 コンテンツ一時蓄積部
114 配信部
115 解析部
116 収集部
117 判別部
118 コンテンツリスト作成部
120_1〜120_N プロキシサーバ
121 配信サーバ
145 インターネット網
150 モバイルネットワーク
170 携帯端末
180_1〜180_M、181_1〜181_M、182_1〜182_M、183_1〜183_M 基地局装置
190_1〜190_N xGSN装置
195_1〜195_L、197_1〜197_L RNC装置
250 モバイルLTE/EPCネットワーク
260_1〜260_M、261_1〜261_M、262_1〜262_M eNodeB装置
290_1〜290_N S/P−GW装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルネットワーク上に複数のサーバを備え、
前記サーバは、
キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能し、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に対して、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部と、
前記コンテンツリスト作成部で作成された、自サーバの前記蓄積部が蓄積する前記コンテンツリストと、前記複数のサーバのうちの自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストと、を収集する収集部と、
端末から前記モバイルネットワークを介して送信されたコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストとを用いて、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に有するサーバを判別する判別部と、
前記判別部で判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により自サーバに読み出す確保部と、
前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、
を備えた、ことを特徴とする配信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記判別の結果、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に蓄積するサーバが、自サーバである場合には、前記判別部は、前記蓄積部と、前記配信部に対して、読み出し・配信指示を出し、
前記端末から要求されたコンテンツを他のサーバが蓄積する場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)と、前記他のサーバのIPアドレスを伝え、前記他のサーバから、コンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記他のサーバから確保した前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積し、
前記自サーバと他のサーバのいずれも、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積していない場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURLと、前記配信サーバのIPアドレスを伝え、前記配信サーバからコンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記配信サーバから確保した、前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積する、ことを特徴とする請求項1記載の配信ネットワークシステム。
【請求項3】
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1又は2記載の配信ネットワークシステム。
【請求項4】
前記サーバは、
サービングGPRS(General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN)、
ゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)、
サービングGPRSサポートノード(SGSN)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)を1つに統合したノード、
サービングゲートウエイ(S−GW)、
パケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)、
サービングゲートウエイ(S−GW)とパケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)を1つに統合したノード、
前記配信サーバ、
のいずれかに接続される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配信ネットワークシステム。
【請求項5】
モバイルネットワークに接続されるネットワークノードにそれぞれ接続され、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバであって、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に関して、前記コンテンツの複製を一時的に蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部が蓄積するコンテンツのリストを作成するコンテンツリスト作成部と、
自サーバで蓄積するコンテンツリストと、自サーバ以外のサーバが蓄積するコンテンツリストを収集する収集部と、
端末からのコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記収集部で収集されたコンテンツリストを用い、前記端末から要求されたコンテンツを有するサーバを判別する判別部と、
前記判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームを、サーバ間の連携により読み出す確保部と、
前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力する配信部と、
を備えた、ことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
前記判別の結果、前記端末から要求されたコンテンツを前記蓄積部に蓄積するサーバが、自サーバである場合には、前記判別部は、前記蓄積部と、前記配信部に対して、読み出し・配信指示を出し、
前記端末から要求されたコンテンツを他のサーバが蓄積する場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)と、前記他のサーバのIPアドレスを伝え、前記他のサーバから、コンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記他のサーバから確保した前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積し、
前記自サーバと他のサーバのいずれも、前記端末から要求されたコンテンツを蓄積していない場合には、前記判別部は、前記確保部に対して、前記端末から要求されたコンテンツのURLと、前記配信サーバのIPアドレスを伝え、前記配信サーバからコンテンツを確保するように指示を出し、前記確保部は、前記配信サーバから確保した、前記要求されたコンテンツの複製を前記蓄積部に蓄積する、ことを特徴とする請求項5記載のサーバ。
【請求項7】
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項5又は6記載のサーバ。
【請求項8】
前記ネットワークノードは、
サービングGPRS(General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN)、
ゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)、
サービングGPRSサポートノード(SGSN)とゲートウエイGPRSサポートノード(GGSN)を1つに統合したノード、
サービングゲートウエイ(S−GW)、
パケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)、
サービングゲートウエイ(S−GW)とパケットデータネットワークゲートウエイ(P−GW)を1つに統合したノード、
前記配信サーバ
のいずれかを含む、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項9】
モバイルネットワーク上に複数台以上設けられ、キャッシュサーバ又はプロキシサーバとして機能するサーバにより、
インターネット上でコンテンツを配信する配信サーバが保有するコンテンツの少なくとも一部に関して、前記コンテンツの複製を蓄積部に一時的に蓄積し、
自サーバで蓄積するコンテンツのリストを作成し、
前記自サーバのコンテンツリストと、前記複数のサーバのうち自サーバ以外のサーバで蓄積するコンテンツリストを収集し、
端末から送信されたコンテンツ要求メッセージに含まれる情報と、前記コンテンツリストを用いて、要求されたコンテンツを有するサーバを判別し、
前記判別されたサーバから、前記端末から要求されたコンテンツのファイル又はストリームをサーバ間の連携により読み出し、
前記読み出したファイル又はストリームを予め定められたプロトコルにより出力して配信する、ことを特徴とする配信方法。
【請求項10】
前記コンテンツは、動画、静止画、音声、オーディオ、ソフトウェア、アプリケーション、データの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項9記載の配信方法。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−48327(P2013−48327A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185643(P2011−185643)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】