説明

配列型表示装置

【課題】表示装置間の非表示領域の視認が大幅に低減され、画像の連続性が高く、良好な画像を表示可能な配列型表示装置を提供する。
【解決手段】配列型表示装置100は、表示装置10A〜10Dを配列して形成されている。表示装置10A〜10Dは、それぞれ、表示部11A〜11Dの外周側に非表示部12A〜12Dを有し、また、表示部11A〜11Dより観察側に、表示部11A〜11D及び非表示部12A〜12Dを被覆する複数の透明板20A〜20Dを備えている。透明板20A〜20Dは、隣り合う透明板20A〜20Dと接している。表示部11A〜11Dの正面方向から見て非表示部12A〜12Dに対応する周縁部は、外周端の厚みが内側より薄くなるように形成された第1斜面部22A〜22Dとなっており、第1斜面部22A〜22Dから出射した光の少なくとも一部は、表示部11A〜11Dに直交する方向に出射するものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示装置を配列して表示画面を形成する配列型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背面投射型表示装置、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)(有機LED(light−emitting diode))表示装置等を配列して、画面サイズを拡大した配列型表示装置は、数十インチ以上の大型の表示画面が必要なデジタルサイネイジや制御監視等に広く用いられている。
このような配列型表示装置に関しては、より良好な画像を表示するために、その画面の耐候性や画面の平面性、視認性の向上等が図られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−192977号公報
【特許文献2】特開2000−122571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば、背面投射型表示装置では、背面投射型スクリーンを保持するための枠構造が必要であり、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置では、表示装置の表示部がガラス製のパネルであるので、パネルを保持するための枠構造が必要である。
そのため、これらの枠構造によって、いずれの表示装置においても表示装置の周辺部に画像の表示できない非表示領域ができてしまう。そして、これらを平面上に配列して配列型表示装置を構成すると表示装置間に画像の表示できない非表示領域によって枠状の継目部分(目地部分)ができてしまうという問題点がある。この表示装置間の継目部分は、映像が表示されないため、画像の連続性が低下してその画質が低下する等の問題がある。
プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機LED表示装置等では、表示部のパネルの端面に保持部材を接着して保持部材の幅をできるだけ狭くして、非表示領域を小さくすることも考えられている。しかし、これらの表示装置では周辺部に電極を配置しなければならないので、そのようにしても非表示領域が数ミリ程度生じてしまい、画像の連続性は改善されていない。
【0005】
特許文献1では、継目部分の上に、有機LEDを配置するという手法が開示されている。しかし、有機LEDの周辺部には電極が必要なので、実際には、その電極部分が非表示領域となってしまう。また、特許文献1に開示される構成は、構造が複雑であり、生産コストの増加を招く。
また、特許文献2では、FED(Field Emission Display)等の電極及び配線を工夫し、非表示領域となる継目部分の幅を小さくする手法が開示されている。しかし、封着剤や側面接続配線等によって生じる非表示領域が存在するため、画面の連続性の改善は不十分である。
【0006】
本発明の課題は、表示装置間の非表示領域の視認が大幅に低減され、画像の連続性が高く、良好な画像を表示可能な配列型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、複数の表示装置(10A〜10D)を配列して形成された配列型表示装置であって、前記複数の表示装置は、それぞれ、画像を表示可能な表示部(11A〜11D)の外周側に画像を表示しない非表示部(12A〜12D)を有し、前記複数の表示装置は、それぞれ、前記表示部より観察側に、前記表示部及び前記非表示部を被覆する透明板(20A〜20D)を備え、前記各透明板は、隣り合う透明板と接しており、表示部の正面方向から見て非表示部に対応する周縁部は、外周端の厚みが内側より薄くなるように形成された第1斜面部(22A〜22D)となっており、前記各透明板の前記第1斜面部から出射した光の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向に出射すること、を特徴とする配列側表示装置(100)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の配列側表示装置において、前記表示部(11A〜11D)に直交する方向から見て、前記第1斜面部(22A〜22D)の最も外周側となる点(T1)から出射した光の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向に出射すること、を特徴とする配列側表示装置(100)である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の配列型表示装置において、前記透明板(20A〜20D)の厚み方向において、前記第1斜面部(22A〜22D)の最も前記表示装置側となる点を点T1とし、前記点T1を通り前記表示部(11A〜11D)に直交する直線が、前記表示部と前記非表示部(12A〜12D)の境界における前記非表示部の観察側表面の点を含み前記表示部に平行な平面と交わる点をT2とし、前記表示部に直交する方向における点T1と点T2との距離をHとし、前記点T1から前記表示部に直交する方向へ出射する光が点T1に入射したときに、前記透明板内において点T1を通り前記表示部に直交する方向となす角度をβとし、点T1を通り前記第1斜面部及び前記表示部に直交する方向に平行な平面が、前記非表示部と交わる距離をWとするとき、H≧W/tanβという関係を満たすこと、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の配列型表示装置において、前記距離Hは、H≦1.1×W/tanβという関係を満たすこと、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の配列型表示装置において、前記各表示装置(10A〜10D)の前記表示部(11A〜11D)は、前記表示部の正面方向から見て多角形状であり、前記各表示装置の観察側に配置される前記各透明板(20A〜20D)は、前記各表示装置の形状に対応した形成であり、前記表示装置の前記非表示部(12A〜12D)及び前記表示部を被覆すること、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の配列型表示装置において、前記各透明板(20A〜20D)の角部には、前記第1斜面部(22A〜22D)とは異なる第2斜面部(23A〜23D)が形成されており、前記第2斜面部が前記表示部に直交する方向となす角度(α2)は、前記第1斜面部が前記表示部に直交する方向となす角度(α1)よりも小さいこと、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
【0010】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の配列型表示装置において、前記各透明板(20A〜20D)の外周面の少なくとも一部には、光を反射する反射層(30)が形成されていること、を特徴とする配列型表示装置である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の配列型表示装置において、前記反射層(30)の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向及び前記表示部の平面方向に対して角度をなしていること、を特徴とする配列型表示装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示装置間の非表示領域(継目部分)が視認されて画像の連続性を低下させることがない、良好な配列型表示装置とすることができる。また、このような良好な画像を表示できる配列型表示装置を簡易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の配列型表示装置100を説明する図である。
【図2】実施形態の配列型表示装置100の断面図である。
【図3】表示装置10A及び透明板20Aから出射する光の様子を説明する図である。
【図4】実施形態の表示装置10A及び透明板20Aの角部を示す図である。
【図5】透明板20A〜20Dの変形形態を示す図である。
【図6】配列型表示装置100の各種変形形態を説明する図である。
【図7】従来の配列型表示装置90を示す斜視図である。
【図8】従来の配列型表示装置90に用いられる表示装置90A(90A1〜90A3)の構成を示す図である。
【図9】点T1,T2及び距離Hを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉は、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、透明板は、透明シートとしてもよいし、透明フィルムとしてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0014】
(従来の配列型表示装置について)
まず、従来の配列型表示装置について説明する。
図7は、従来の配列型表示装置90を示す斜視図である。図7に示す従来の配列型表示装置90は、表示画面が矩形状であり、同サイズである4つの表示装置90A,90B,90C,90Dを備えており、それらの画像を表示可能な表示部91A,91B,91C,91Dが1つの平面状に位置するように、縦横に2個ずつ配列されている。
なお、表示装置90A〜90Dは、背面投射型表示装置や、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置(有機LED表示装置)や、その他の表示装置等が使用されている。また、配列型表示装置90を形成する表示装置の数は、図7に示すような4つに限らず、2つや、6つや8つ等としているものもある。
【0015】
図8は、従来の配列型表示装置90に用いられる表示装置90A(90A1〜90A3)の構成を示す図である。図8では、代表として、表示装置90A(90A1〜90A3)のみを示し、かつ、表示装置90A(90A1〜90A3)の表示画面(表示部91A)に法線方向に平行な断面の一部を示している。
図8(a)は、表示装置として背面投射型表示装置が用いられる例を示し、図8(b)は、表示装置としてプラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置(有機LED表示装置)等が用いられる例を示し、図8(c)は、表示装置として用いられるプラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置(有機LED表示装置)等の図8(b)とは異なる形状の例を示している。
背面投射型表示装置である表示装置90A1は、図8(a)に示すように、背面投射型スクリーン91を保持するための枠構造92を備えている。背面投射型スクリーン91の観察者側表面の周縁部は、この枠構造92の観察者側の枠部材92aに被覆される。従って、その領域は、画像が表示できない非表示部(継目部分)になる。
【0016】
また、図8(b)に示すように、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置等である表示装置90A2は、表示パネル93を保持するための枠構造94を備えている。表示パネル93の観察者側表面は、枠構造94の観察者側の枠部材94aによりその周縁部が被覆され、その領域が非表示部(継目部分)となる。
さらに、図8(c)に示すように、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置等である表示装置90A3は、表示パネル95の端面に保持部材96を接着し、保持部材96の幅を狭くする構成としている。しかし、表示パネル95では、その周縁部分に電極部や配線部等を設ける領域97を設ける必要がある。従って、その領域97となる部分が、非表示部となる。
【0017】
そのため、図7に示すように、表示装置90A〜90Dのそれぞれの表示部91A〜91Dの外周側には、画像を表示できない非表示部92A〜92Dが存在する。
このような従来の配列型表示装置90に画像を表示すると、各表示装置90A〜90Dの間の非表示部92A〜92Dが継目のように暗線として認識され、画像の連続性、視認性を著しく損ない、画質の低下が生じるという問題があった。
本発明は、これを改善し、画像の連続性があり、良好な視認性を有する配列型表示装置とするものである。
【0018】
(実施形態)
図1は、実施形態の配列型表示装置100を説明する図である。図1(a)は、配列型表示装置100の構成を説明する斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す矢印A1−A2に沿って配列型表示装置100の厚み方向に平行に切断した断面を示した図であり、図1(c)表示装置10Aの観察者側正面方向から見た平面図であり、図1(d)は、透明板20Aを観察者側正面方向から見た平面図である。なお、理解を容易にするために、図1(c),(d)では、代表として表示装置10A,透明板20Aのみを示しているが、他の表示装置10B〜10D及び透明板20B〜20Dでも表示装置10A及び透明板20Aと同様の形状を有している。
本実施形態の配列型表示装置100は、表示装置部10と、透明板部20とを備えている。この透明板部20は、表示装置部10の観察者側に設けられており、本実施形態では、透明板部20と表示装置部10との間に設けられた不図示の接合層を介して表示装置部10に一体に接合されている。透明板部20と表示装置部10とを接合する接合層は、光透過性が高く、透明板部20と屈折率が等しく、光学的に等価であるものを用いることが好ましい。
【0019】
表示装置部10は、図1(a)に示すように、映像を表示する表示装置が複数配列されて形成される部分である。本実施形態の表示装置部10は、表示装置10A,10B,10C,10Dが、その映像を表示可能な表示部11A〜11Dの観察側表面(表示画面)が1つの平面上に位置するように互いに隣接して配列され、配列型表示装置100としての表示画面を形成している。
また、表示装置10A〜10Dは、縦横(使用状態における配列型表示装置の画面上下方向及び画面左右方向)に2つずつ配列されている。なお、配列型表示装置100を形成する表示装置の数は、所望される画面サイズの大きさに伴い変更可能であり、4つに限らず、2つとしてもよいし、6つや8つ等としてもよい。
【0020】
表示装置10A〜10Dは、図1(c)に示すように、その表示画面の法線方向(表示装置10A〜10Dの正面方向)から見て、映像を表示可能な表示画面となる表示部11A〜11Dと、表示部11A〜11Dの周囲に位置し、枠部材や電極部等によって映像を表示できない非表示部12A〜12Dとを有する。本実施形態では、表示部11A〜11Dは、略矩形状であり、その外周側に隣接して非表示部12A〜12Dが位置している。
この表示装置10A〜10Dは、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置(有機LED表示装置)等としてもよいし、背面投射型表示装置としてもよい。
【0021】
透明板部20は、表示装置部10の表示画面の観察者側に配置された透明な略平板状の部材である。この透明板部20は、図1(a)に示すように、透明板20A,20B,20C,20Dが、縦横(使用状態における配列型表示装置の画面上下方向及び画面左右方向)に2つずつ隣接して配列され、略平板状を形成している。この透明板20A,20B,20C,20Dは、それぞれ、表示装置10A,10B,10C,10Dの観察者側に、各表示装置対応する位置に配置されている。また、配列型表示装置100の表示画面の正面方向から見て、透明板20A,20B,20C,20Dの大きさは、表示装置10A,10B,10C,10Dの大きさに略一致している。
この透明板20A〜20Dは、いずれも、略平板状の部材である。透明板20A〜20Dの表示装置部10側の面は、略平面状であるが、観察者側の面は、表示装置10A〜10Dの表示部11A〜11Dに対応する平面部21A〜21Dと、非表示部12A〜12Dに対応する第1斜面部22A〜22D及び第2斜面部23A〜23Dとを備えている。
【0022】
平面部21A〜21Dは、表示部11A〜11Dの表面に平行な平面状であり、その大きさ及び形状が表示部11A〜11Dに対応している。
図1(a),(d)に示すように、第1斜面部22A〜22Dは、透明板20A〜20Dの画面上下端及び画面左右端に位置し、平面部21A〜21D(表示部11A〜11D)に平行な平面に対して所定の角度をなす。この第1斜面部22A〜22Dは、透明板20A〜20Dの外周側の方が内周側(平面部21A側)よりも、透明板20A〜20Dの厚みが薄くなるように形成されている。
第2斜面部23A〜23Dは、透明板20A〜20Dの観察者側表面の角部に形成されており、平面部21A〜21D(表示部11A〜11D)に平行な平面に対して所定の角度(前述の第1斜面部22A〜22Dとは異なる角度)をなす。この第2斜面部23A〜23Dは、透明板20A〜20Dの外周側の方が内周側(平面部21A側)よりも、透明板20A〜20Dの厚みが薄くなるように形成されている。
【0023】
透明板部20の透明板20A〜20Dは、光透過性の高い部材を用いることが好ましく、透明な部材を用いることが好ましい。透明板20A〜20Dの材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリル系樹脂、スチレン樹脂、オレフィン系樹脂、ガラス、セラミック等を適宜選択して用いることができる。
【0024】
図2は、実施形態の配列型表示装置100の断面図である。図2では、図1に示すA1−A2ラインに沿って配列型表示装置100の厚み方向に平行に切断した断面の一部を拡大しており、理解を容易にするために、表示装置10A及び透明板20Aのみを示し、かつ、表示装置10Aの構成に関しては大幅に簡略化して示している。
なお、本実施形態では、透明板20A〜20Dは、表示装置10A〜10Dの観察側表面に、透明板20A〜20Dと屈折率が等しい粘着材や接着材からなる接合層により接合されている。従って、この接合層は、透明板20Aと光学的に等価であるので、理解を容易にするために、図2等では省略して示している。
【0025】
表示装置10Aは、前述のように、画像を表示可能な領域(画像を表示する表示光が出射する領域)である表示部11Aと、画像を表示しない領域である非表示部12Aとを有する。非表示部12Aは、前述のように、スクリーンや表示パネルの枠部材や、表示パネルの電極部や配線部等によって生じる部分であり、表示部11の外周側に位置する。
表示装置10Aの観察者側に透明板20Aが配置されている。図2に示すように、透明板20Aの第1斜面部22Aは、表示装置10Aの非表示部12Aに対応する位置に設けられており、平面部21Aは、表示部11Aに対応する領域に設けられている。
【0026】
ここで、図2に示す断面において、表示装置10Aの非表示部12Aの幅Wは、透明板20Aの第1斜面部22Aの幅に等しい。
また、第1斜面部22Aの下端(最も表示装置10A側)となる点を点T1とし、点T1を通り表示部11Aの表面(表示画面)に直交する直線が、表示部11Aと非表示部12Aの境界における非表示部12Aの観察側表面上の点(非表示部12Aの観察側表面において最も表示部11A側の点)を含み表示部11Aに平行な平面と交わる点を点T2とする。そして、表示部11Aに直交する方向における点T1と点T2との距離を距離Hとする。この距離Hは、H>0であり、第1斜面部22Aの下端となる点T1は、表示装置10Aの非表示部12Aの観察者側表面には接していない。
【0027】
本実施形態のように、非表示部12Aの観察側表面が、表示部11Aの観察側表面に平行な平面状である場合(図2等参照)には、点T1を通り表示部11A(表示画面)に直交する直線と、非表示部12Aの観察側表面との交点が、点T2となる。そして、表示部11Aに直交する方向にいける点T1と点T2との距離を距離Hとする。
また、スクリーンや表示パネルを保持する枠部材の形状等により、図9に示すように、非表示部12Aの観察者側表面が表示部11Aの観察側表面(表示画面)に対して角度をなす等、平行な平面ではない場合には、点T1を通り表示部11Aに直交する直線が、表示部11Aと非表示部12Aの境界における非表示部12Aの観察側表面上の点を含み表示部11Aに平行な平面と交わる点を点T2とし、表示部11Aに直交する方向における点T1と点T2との距離を距離Hとする。
【0028】
図2に示す断面において、第1斜面部22Aと、表示装置10Aの表示部11Aの表示画面に直交する直線とがなす角度が、角度α1である。
この角度α1が小さすぎると、第1斜面部22Aと表示部11Aの表示画面とがなす角度が大きくなり、図2や図3に示す断面において、第1斜面部22Aへ入射する光の入射角γ1が大きくなり、臨界角を超えてしまい、第1斜面部22Aで全反射してしまう。従って、表示部11Aの正面方向に出射する光が少なくなるので好ましくない。
また、この角度α1が大きすぎると、第1斜面部22Aと表示部1Aの表示画面とがなす角度が小さくなり、図2や図3に示す断面において、第1斜面部22Aへ入射する光の入射角γ1が小さくなる。従って、スネルの法則等から、第1斜面部22Aへの入射角γ1に対する出射角δ1の大きさ(比率)が小さくなる。そのため、多くの光が第1斜面部22Aから表示部11Aに対する垂直方向に対して角度をなす方向へ出射し、第1斜面部22Aから出射した光が表示部11Aに対して垂直方向に進行する光量が少なくなるので好ましくない。
以上のことから、この角度α1は、20〜70°とすることが好ましい。
【0029】
図3は、表示装置10A及び透明板20Aから出射する光の様子を説明する図である。図3では、図2に示す断面と同じ断面における光の様子を示してる。
表示装置10Aの表示部11Aの外周端近傍(非表示部12A近傍)から出射した光(表示光)のうち、表示装置10Aに垂直に出射した光L1は、進行方向を変えずにそのまま透明板20Aを透過し、表示部11Aの表示画面に直交する方向(透明板20Aの平面部21Aの法線方向)に進む。
一方、表示装置10Aの表示部11Aの外周端近傍から、非表示部12A側に斜めに出射した光L2は、透明板20Aの第1斜面部22Aに入射し、第1斜面部22Aと空気との界面で屈折し、表示部11Aの表示画面に垂直な方向、即ち、表示装置10Aの正面方向に進む。
【0030】
本実施形態の配列型表示装置100では、上述のように非表示部12A〜12Dの観察者側に位置する第1斜面部22A〜22Dから表示光が出射する。そして、配列型表示装置100を観察する観察者には、非表示部12A〜12Dに相当する領域からも表示光が出射しているように認識され、画像が表示されているように認識される。従って、本実施形態のような第1斜面部22A〜22Dを備えることにより、表示装置10A〜10Dの非表示部12A〜12Dが暗線として認識され、その暗線によって配列型表示装置100の画面の画像が分断されることがない。即ち、枠部材や電極部等といった表示装置10A〜10D間の継目部分(目地部分)が視認されることによる画像の劣化を大幅に改善することができる。
【0031】
ここで、透明板20Aの第1斜面部22Aから表示装置10Aの表示画面の垂直方向(表示装置10Aの正面方向)に光を出射させるためには、前述の距離Hが所定の条件を満たす必要がある。
図2に示す断面において、表示装置10Aの表示部11Aの最も非表示部12A側となる点T1から出射し、透明板20A内において、表示部11Aの表示画面に直交する方向に対して非表示部12A側へ角度βで斜めに進む光が、第1斜面部22Aに入射角γ1で入射し、第1斜面部22Aに対して出射角δ1で出射することにより、表示装置10Aの正面方向(表示部11Aに表示画面の法線方向)に出射するものとする。
ここで、前述した点T1と点T2との距離Hと非表示部12Aの幅Wは、tanβ=W/Hである。従って、H≧W/tanβを満たすことが好ましい。
【0032】
図2に示す断面において、角度βを一定とした場合、距離Hが、上記の式を満たさず、H<W/tanβとなる場合には、透明板20Aの最外周側となる点T1に、表示装置10Aの表示部11Aの最も非表示部12A側となる点から出射し、透明板20A内において、表示部11Aの表示画面に直交する方向に対して非表示部12A側へ斜めに角度βで進む光が入射しない。これにより、透明板20Aの最外周側である点T1から正面方向へ表示光が出射しないこととなり、非表示部12Aが観察者に映像が表示されない継目(目地)として認識されてしまう。従って、配列型表示装置の画像の連続性及び視認性が低下し、画質が低下するため好ましくない。従って、距離Hは、H≧W/tanβを満たすことが好ましい。
【0033】
また、図2に示す断面において、角度βを一定とした場合、距離Hが、W/tanβよりも大きくなる大きくなればなるほど、透明板20Aの第1斜面部22Aに入射して表示画面の正面方向(表示部11Aに直交する方向)に出射する光の表示部11Aから出射する位置が、表示部11Aの外周側(非表示部12A側)からより内側(表示画面中央側)に移動する。そのため、Hの値がW/tanβよりも余りに大きな値となった場合には、第1斜面部22Aから表示画面に直交する方向に出射した光の表示する画像と、表示部11Aの非表示部12Aに隣接する領域が表示する画像とが異なってしまい、配列型表示装置100の画面としての画像の連続性が損なわれるので好ましくない。
【0034】
従って、良好な画像を表示するという観点から、距離Hは、H≧W/tanβを満たしつつも、あまり大きくしすぎないことが好ましい。具体的には、H≦1.1×W/tanβであることが好ましい。距離Hが、1.1×W/tanβよりも大きくなると、上述のように、表示部11Aの非表示部12Aに隣接する領域が表示する画像とが異なってしまい、画像の連続性が損なわれるからである。
よって、表示装置10A〜10D間の非表示部12A〜12Dの視認が大幅に低減され、画像の連続性が高く、良好な画像を表示可能な配列型表示装置100を提供するという観点から、距離Hは、H≧W/tanβ、かつ、H≦1.1×W/tanβを満たすことが好ましい。
【0035】
図4は、実施形態の表示装置10A及び透明板20Aの角部を示す図である。図4(a)は、角部の斜視図であり、図4(b)は、角部を表示部11Aの正面方向から見た図である。
図4に示す角部は、例えば、図1に示す配列型表示装置100の画面中央に相当する位置等に在るが、理解を容易にするために、表示装置10A及び透明板20Aのみを示し、他の表示装置及び透明板は省略して示している。また、図4(a)は、表示装置10A及び透明板20Aの角部の斜視図であり、図4(b)は、角部を表示部に直交する方向から見た図である。
なお、ここでは、一例として表示装置10A及び透明板20Aを挙げて説明するが、他の表示装置10B〜10D及び透明板20B〜20Dでも同様である。
【0036】
透明板20Aは、上述のように、その観察者側の角部には、第2斜面部23Aが形成されている。この第2斜面部23Aは、透明板20Aの4つの角部全てに形成されている。
このように、角部に第2斜面部23A〜23Dを形成すると、この第2斜面部23A〜23Dからも観察者側に表示光が出射し、観察者に画像が表示されているように認識されるので、表示装置10A〜10D間の継目(非表示部領域)が目立たず、画像の連続性が高く、好ましい。
また、第2斜面部23A〜23Dが表示部11Aに直交する直線となす角はα2(図4(a)参照)であるが、この角度α2は、第1斜面部22Aが表示部11Aに直交する直線となす角α1と同様に、20〜70°とすることが、好ましい。
さらに、角部全体に第2斜面部23Aを形成するためには、図4からもわかるように、α2<α1であることが好ましい。このとき、第2斜面部23Aの下端となる点T3は、点T1よりも表示装置10A側に位置する。
【0037】
(実施例)
本実施形態の実施例となる配列型表示装置100を作成し、実際に映像を表示してその視認性を評価した。
実施例に使用した表示装置部10(表示装置10A〜10D)は、有機EL表示装置であり、前述の図8(c)の形態のものである。
透明板部20(透明板20A〜20D)は、透明なアクリル樹脂製であり、その屈折率が1.49である。また、透明板部20は、表示装置部10の観察者側表面に、透明板部20を形成する樹脂と同じく、屈折率が1.49のアクリル系粘着材を介して接合されている。
透明板20Aにおいて、第1斜面部22Aが表示部11Aに直交する方向(透明板20Aの平面部21Aの法線方向)となす角度α1=45°であり、第1斜面部22Aに直交する方向と表示部11Aに直交する方向とがなす角度δ1=45°である。
また、非表示部12Aの幅W=3mmである。
【0038】
このとき、図2に示す断面において、表示部11Aの非表示部12Aとの境界部分から出射し、第1斜面部22Aの点T1を通り、表示部11Aに直交する方向(表示装置10Aの正面方向)に出射する表示光、即ち、第1斜面部22Aから出射角δ1で出射する表示光を考える。
上述のように、角度α1=45°であり、角度δ1=45°であり、透明板20Aの屈折率は1.49である。従って、図2に示す断面において、点T1を通り、表示部11A(表示画面)の法線方向(表示装置10Aの正面方向)に進む表示光は、透明板20A内において、表示部11Aに直交する方向に対して、角度β=16.67°をなし、第1斜面部22Aに対して角度γ1=28.33°で入射し、界面で屈折して、第1斜面部22Aから出射角δ1=45°で出射する。
【0039】
ここで、H≧W/tanβ≒3.34×Wである。本実施例では、W=3mmであるので、上記の式から、H≧10.0mmとなる。
また、H≦1.1×W/tanβ=1.1×W×3.34=11.022であることから、H≦11.022mmとなる。
透明板20Aは、軽量化や生産コストの低減等の観点から、必要な条件を満たしながらも薄い方がこのましい。
従って、本実施例では、H=10.0mmとすれば、軽量であり、安価に精算することができ、かつ、画像の連続性の良好な透明板20Aとすることができる。
【0040】
次に、本実施形態の実施例の表示装置10A及び透明板20Aの角部では、図4に示すように第2斜面部23Aが角部全体に形成されている。
この実施例において、第2斜面部23Aと表示部11Aに垂直な直線とがなす角度α2(図4(a)参照)は、α2=35.26°である。したがって、表示部11Aに直交する方向に対して、角度21.51°をなす表示光は第2斜面部23Aに入射角33.23°で入射して、界面で屈折して、第2斜面部23Aに対して出射角54.74°で出射する、即ち、表示部11Aに対して直交する方向に出射する。
第2斜面部23Aと表示部11Aに垂直な直線とがとなす角度α2は、第1斜面部22Aと表示部11Aに垂直な直線とがなす角α1よりも小さくする(α1>α2)ことが好ましい。このような第2斜面部23Aとすることにより、透明板20Aの角部全体に第2斜面部23Aを形成することができ、角部において、非表示部12Aによって継目として視認される領域を大幅に低減し、角部における画面の連続性をよくすることができる。
上述のように、第2斜面部23Aを形成することにより、角部においても、画面の連続性の良好な透明板20Aとすることができる。
【0041】
従って、本実施形態の配列型表示装置100では、表示装置10Aの第1斜面部22A及び第2斜面部23Aから光(表示光)が出射し、配列型表示装置100の正面方向に位置する観察者には、非表示部12A〜12Dに相当する領域には、画像が観察され、継目部分が観察されない。従って、配列型表示装置としての画像の連続性が向上する。従って、良好な画像が得られる。
【0042】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
図5は、透明板20A〜20Dの変形形態を示す図である。
図6は、配列型表示装置100の各種変形形態を説明する図である。
なお、図5及び図6や以下の説明において、理解を容易にするために、透明板20Aや表示装置10Aを例に挙げて示しているが、透明板20B〜20Dや表示装置10B〜10Dにおいても同様に適用可能である。
(1)本実施形態において、第1斜面部22A及び第2斜面部23Aは、平面状である例を示したが、これに限らず、例えば、第1斜面部22A及び第2斜面部23Aは、曲面状としてもよいし、凹凸形状を有する面であってもよい。
例えば、第1斜面部22A及び第2斜面部23Aの外周側になればなるほど、その接線と表示画面とのなす角が大きくなるような曲面とした場合には、この曲面部分から表示画面の法線方向に出射する表示光が表示部11Aから出射される領域を狭くすることができる。従って、非表示部12Aに相当する曲面状の第1斜面部22A及び第2斜面部23Aに表示される画像と、これに隣接する平面部21Aに表示される画像の差を、より少なくすることができ、画像の連続性を向上させることができる。
【0043】
(2)本実施形態において、透明板20A〜20Dの第1斜面部22A〜22Dよりも表示装置部10側の側面部分は、表示画面の法線方向に平行な平面状である例を示したが、これに限らず、曲面状としてもよいし、複数の平面等を組み合わせて形成される形状としてもよい。また、透明板20A〜20Dの第1斜面部22A〜22Dよりも表示装置部10側の側面部分には、反射層を形成してもよい。
図5(a)に示すように、透明板20Aの第1斜面部22Aよりも表示装置部10側の側面24Aに、光を反射可能な反射層30を形成してもよい。このような形状とすることにより、側面24Aに入射する光が反射され、一部が第1斜面部22Aから出射するので、非表示部(継目部分)の視認性をさらに低減することができ、画像の連続性を向上することができる。この反射層30は、その側面24A側に凹凸形状を有する形態としてもよい。このような形状とすることにより、側面24Aに入射する光が拡散反射されるため、側面24Aで反射されて第1斜面部22Aから出射する光の量を増大させ、画像の連続性を向上させることができる。
【0044】
また、図5(b)に示すように、側面24Aの少なくとも一部を斜面25Aとしてもよいし、この斜面25A及び側面24Aに反射層30を形成してもよい。このような形状とすることにより、斜面25A及び側面24Aで反射して、第1斜面部22Aから出射する光を増やすことができ、画像の連続性を向上させることができる。このとき、反射層30は,上述のように、側面24A及び斜面25A側に凹凸形状を有していてもよい。
さらに、図5(c)に示すように、側面24Aを曲面状としてもよい。このような形状とすることにより、側面24Aで反射して、第1斜面部22Aから出射する光を増やすことができ、画像の連続性を向上させることができる。このとき、反射層30は,上述のように、側面24A側に凹凸形状を有していてもよい。
なお、反射層30に凹凸形状を賦形する例を例に挙げて説明したが、これに限らず、凹凸形状は、側面24A及び斜面25Aに形成してもよい。
【0045】
(3)本実施形態において、透明板部20(透明板20A〜20D)と表示装置部10(表示装置10A〜10D)は、不図示の接合層を介して一体に接合される例を示したが、これに限らず、例えば、図6(a)に示すように透明板20Aの側面24Aと表示装置の側面とを片面又は両面に粘着性を有する接合テープ等のテープ状の部材40により接合することにより、透明板20Aと表示装置10Aとを接合してもよい。
この場合、テープ状の部材40の厚み部分が非表示部分(継目)となるが、その幅は小さく、画像の連続性に与える影響は小さい。また。透明板20Aと表示装置10Aとの接合を容易に行うことができる。
なお、透明板部20と表示装置部10は、接合層を介さずに一体に積層してもよいし、透明板部20と表示装置部10との間に空気層が存在していてもよい。
【0046】
(4)本実施形態において、透明板部20は、複数の透明板20A〜20Dが隣接して配列されて形成される例を示したが、これに限らず、1枚の板状の部材から形成してもよい。図6(b)は、透明板部20が1枚の板状の部材である場合の図1(a)のA1−A2での断面に相当する断面図である。このような形状とすることにより、観察者には表示画面がより1つの画面として認識されやすくなり、より画像の連続性を高めることができる。
【0047】
(5)本実施形態において、配列型表示装置100は、表示装置10A〜10D及び透明板20A〜20Dが平面配列される例を示したが、これに限らず、例えば、図6(c)に示すように、各表示装置及び透明板が、その表示画面が互いに角度をなすように配列してもよい。このような形状とすることにより、配列型表示装置の利便性や意匠性を高め、観察者Oに対して、用途に適した画像表示を行うことができる。
【0048】
(6)本実施形態において、表示装置10A〜10Dの表示部11A〜11Dの表示画面が平面状である例を示したが、これに限らず、表示画面は、円筒面状や球面状等のように曲面状であってもよい。このような形態とする場合、透明板20A〜20Dは、表示装置10A〜10Dの表示部11A〜11Dに追従した形状としてもよい。なお、この場合に、第1斜面部22A〜22D及び第2斜面部23A〜23Dにおける表示画面の法線方向とは、表示装置10A〜10Dの表示部11Aの外周部において、表示装置10A〜10Dの観察側表面に接する平面に対して垂直な方向となる。
【0049】
(7)透明板20A〜20Dは、適宜所望する光学性能等に応じて、内部に拡散剤を含有する形態としてもよいし、その表面にマット形状が形成されていてもよい。さらに、透明板20A〜20Dの観察者側に、防眩層や、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層、紫外線吸収層、タッチパネル層等の各種機能を有する層を適宜設けてもよい。
【0050】
(8)本実施形態において、配列型表示装置100として複数の表示装置10A〜10Bが配列され、それに対応した透明板20A〜20Dが配列される例を示したが、これに限らず、例えば、通常の表示装置においても、適用可能であり、その枠部材等による非表示部の視認性を低減することができる。
【0051】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0052】
10 表示装置部
10A,10B,10C,10D 表示装置
11A,11B,11C,11D 表示部
12A,12B,12C,12D 非表示部
20 透明板部
20A,10B,20C,20D 透明板
21A,21B,21C,21D 平面部
22A,22B,22C,22D 第1斜面部
23A,23B,23C,23D 第2斜面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置を配列して形成された配列型表示装置であって、
前記複数の表示装置は、それぞれ、画像を表示可能な表示部の外周側に画像を表示しない非表示部を有し、
前記複数の表示装置は、それぞれ、前記表示部より観察側に、前記表示部及び前記非表示部を被覆する透明板を備え、
前記各透明板は、隣り合う透明板と接しており、表示部の正面方向から見て非表示部に対応する周縁部は、外周端の厚みが内側より薄くなるように形成された第1斜面部となっており、
前記各透明板の前記第1斜面部から出射した光の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向に出射すること、
を特徴とする配列側表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配列側表示装置において、
前記表示部に直交する方向から見て、前記第1斜面部の最も外周側となる点から出射した光の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向に出射すること、
を特徴とする配列側表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配列型表示装置において、
前記透明板の厚み方向において、前記第1斜面部の最も前記表示装置側となる点を点T1とし、
前記点T1を通り前記表示部に直交する直線が、前記表示部と前記非表示部の境界における前記非表示部の観察側表面の点を含み前記表示部に平行な平面と交わる点をT2とし、
前記表示部に直交する方向における点T1と点T2との距離をHとし、
前記点T1から前記表示部に直交する方向へ出射する光が点T1に入射したときに、前記透明板内において点T1を通り前記表示部に直交する方向となす角度をβとし、
点T1を通り前記第1斜面部及び前記表示部に直交する方向に平行な平面が、前記非表示部と交わる距離をWとするとき、
H≧W/tanβ
という関係を満たすこと、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の配列型表示装置において、
前記距離Hは、
H≦1.1×W/tanβ
という関係を満たすこと、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の配列型表示装置において、
前記各表示装置の前記表示部は、前記表示部の正面方向から見て多角形状であり、
前記各表示装置の観察側に配置される前記各透明板は、前記各表示装置の形状に対応した形成であり、前記表示装置の前記非表示部及び前記表示部を被覆すること、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の配列型表示装置において、
前記各透明板の角部には、前記第1斜面部とは異なる第2斜面部が形成されおり、
前記第2斜面部が前記表示部に直交する方向となす角度は、前記第1斜面部が前記表示部に直交する方向となす角度よりも小さいこと、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の配列型表示装置において、
前記各透明板の外周面の少なくとも一部には、光を反射する反射層が形成されていること、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の配列型表示装置において、
前記反射層の少なくとも一部は、前記表示部に直交する方向及び前記表示部の平面方向に対して角度をなしていること、
を特徴とする配列型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−72980(P2013−72980A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211493(P2011−211493)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】