説明

配向フルオロポリマーを使用した蓋材料

【課題】優れた防湿性および気体遮断性を備え、開封時に剥離可能で良好な引裂き特性を有する食品、非食品および医薬品パッケージ用の蓋用フィルムを提供する。
【解決手段】上部開口部および開口部の周囲の周縁を有する容器と、縁の周囲に接着された、開口部の形状に適合する剥離可能な蓋とを含むパッケージであって、蓋は、周縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、フィルムは、フルオロポリマー層に接着された少なくとも1つのポリマー層を含む多層フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、非食品および医薬品パッケージ用のフルオロポリマー含有蓋用フィルムに関する。より詳細には、本発明は、互いに分離可能である容器部と蓋部とを含むツーピース密封パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
食品、非食品および医薬関係の品物を包装し、配送し、供給するのに有用であるタブ、カップ、ジャー、バケツ(pail)のような容器を提供することは、当該技術分野で知られている。典型的には、当該容器には、その開口を密閉するが、容器内容物を取り出すために容易に剥離される蓋材が設けられる。蓋は、所望の形状に打ち抜かれるか、または基部となるカップ材料にヒートシールされ、次いで包装処理の最終プロセスとして打ち抜かれる、多層シートから通常作製される。
【0003】
多くの蓋は、ある所望の特性、特に防湿性および酸素遮断性を達成するためにポリマーの1つまたは複数の層で構成される。例えば、多層蓋用フィルムは、水分または溶媒遮断層として機能する1つのポリマー層と、酸素または空気遮断層として機能する第2のポリマー層とを有することができる。典型的な水分または溶媒遮断ポリマーは、ポリプロピレンまたはポリエチレンのようなポリオレフィンであり、典型的な酸素遮断ポリマーは、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリアクリロニトリルまたはポリエステルである。アルミニウム箔のような箔層をポリマー層に貼り合わせて(積層して)、他の所望の特性を付加することも知られている。これらの積層体を製造する方法は、良く知られている。2つの熱可塑材が相溶性を有する場合は、それらを共押出によって合体させて、複合構造体を形成するか、または互いに接触させながら層の表面を溶融させ、圧力を加えることによって貼り合わせることができる。2つの熱可塑材が相溶性を有さない場合は、相溶性のない層の間に接着剤を塗布することによってそれらを積層体にすることができる。
【0004】
多くのフルオロポリマー材料、特にポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)ホモポリマーおよびコポリマーで形成されたフィルムは、それらの優れた防湿性および気体遮断性により広く知られているため、包装フィルムの望ましい構成要素である。配向フルオロポリマーフィルムは、無配向フルオロポリマーフィルムに比べて、防湿性が改善されていることも示されている。PCTFEポリマーおよびコポリマーからフィルムおよびフィルム構造体を製造する方法は、当該技術分野で知られている。これらは、例えば、米国特許第6,555,190号;同第6,432,542号;同第6,306,503号;同第5,945,221号;同第5,874,035号;同第6,238,607号;同第6,465,103号および同第5,139,878号に示されている。
【0005】
Levyの米国特許第4,544,721号には、PCTFEホモポリマーおよびコポリマーの延伸または配向フィルムが開示されている。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,677,017号には、接着性ポリマーを使用することによって接合されるフルオロポリマーと熱可塑性フィルムとを含む共押出多層フィルムが開示されている。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,659,625号には、酢酸ビニルポリマー接着剤層を利用したフルオロポリマー多層フィルム構造体が開示されている。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,139,878号には、改質ポリオレフィンの接着層を使用したフルオロポリマーフィルム構造体が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのフィルム、およびそれらから形成された構造体は、包装用途に使用されてきたが、これまで蓋用のフィルム用途に使用されたことがなかった。容器の開口部の形状に適合する形状を有する蓋であって、容器用の、フルオロポリマーを含有する蓋を有することが特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器用の蓋であって、容器は、上部開口部および開口部の周囲の周縁を有し、蓋は、周縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含有する層を含む蓋を提供する。
【0008】
本発明は、また、上部開口部および開口部の周囲の周縁を有する容器と、縁の周囲に接着された、開口部の形状に適合する剥離可能な蓋とを含むパッケージであって、蓋は、縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有する複合フィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含有する層を含むパッケージを提供する。
【0009】
本発明は、さらに、パッケージされた製品を製造する方法であって、
a)中央の空洞を定める、取り囲む側壁、床および上部開口部を有する容器であって、開口上部が周縁を有する容器を設ける工程;
b)中央の空洞に製品を充填する工程;および
c)縁の周囲に剥離可能な蓋を接着することによって開口上部を密閉する工程であって、蓋は、縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含む、前記工程;
を含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の蓋は、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含有する層(少なくとも1つのフルオロポリマー含有層)を有するフィルムを含む。本発明のフィルムは、容器に対する使用に好適であり、好ましくは、剥離可能で、良好な引裂き特性を有する。
【0011】
フルオロポリマー層は、当該技術分野で良く知られており、米国特許第4,510,301号;同第4,544,721号;および同第5,139,878号に記載されているホモポリマーもしくはコポリマーまたはそれらのブレンドで構成されていてもよい。これらのうち、本発明の多層遮断フィルムを形成するのに好適な特に好ましいフルオロポリマーとしては、クロロトリフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマー;エチレン−クロロトリフルオロエチレンのコポリマー;クロロトリフルオロエチレンとフッ化ビニリジンのコポリマー;およびクロロトリフルオロエチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマーが挙げられる。当該クロロトリフルオロエチレンのコポリマーは、フッ化ビニリジンおよびテトラフルオロエチレンのような他のコモノマーを10重量%まで、好ましくは8重量%まで含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、コポリマーは、2つ以上のモノマー成分を有するポリマーを含む。最も好ましいのは、クロロトリフルオロエチレンホモポリマーである。それらは、ニュージャージー州MorristownのHoneywell International Inc.のACLON(登録商標)として入手可能である。
【0012】
本発明の蓋は、少なくとも1つのさらなるポリマー層または非ポリマー層がフルオロポリマー層に接着された多層フィルムであってもよい。好適なさらなる層としては、非限定的に、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー、直鎖状または分枝鎖状ポリオレフィンホモポリマーを含むポリオレフィン、直鎖状または分枝鎖状ポリオレフィンコポリマー、環状オレフィンホモポリマー、環状オレフィンコポリマー、環状オレフィンと直鎖
状または分枝鎖状ポリオレフィンホモポリマーのコポリマーおよび環状オレフィンと直鎖状または分枝鎖状ポリオレフィンコポリマーとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリウレタン、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸コポリマー、フルオロポリマー、ならびに先述の材料のブレンドが挙げられる。本発明のフルオロポリマー層を箔、例えばアルミニウム箔、または当該技術分野で知られている紙のような非ポリマー層に接着してもよい。
【0013】
本発明の範囲内の好適なポリアミド(ナイロン)としては、非限定的に、分子量が約10000から約100000の脂肪族ポリアミドおよび脂肪族/芳香族ポリアミドから選択されるホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。ポリアミドの調製に有用な一般的な手順は、当該技術分野で良く知られている。それらは、二酸とジアミンの反応生成物を含む。ポリアミドを製造するための有用な二酸としては、以下の一般式で表されるジカルボン酸が挙げられる:
HOOC−Z−COOH
式中、Zは、アジピン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸およびグルタル酸の如き、少なくとも2個の炭素原子を含む二価の脂肪族基を表す。該ジカルボン酸は、脂肪族酸、またはイソフタル酸およびテレフタル酸のような芳香族酸であってもよい。ポリアミドを製造するための好適なジアミンとしては、式:
N(CHNH
(式中、nは、1〜16の整数値である)が挙げられ、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン;p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンのような芳香族ジアミン;2,2−ジメチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび2,4,4−トリメチルペンタメチレンジアミンのようなアルキル化ジアミン;ならびにジアミノジシクロヘキシルメタンのような脂環式ジアミン、および他の化合物の如き成分が挙げられる。他の有用なジアミンとしては、ヘプタメチレンジアミンおよびノナメチレンジアミン等が挙げられる。
【0014】
有用なポリアミドホモポリマーとしては、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6、ポリ(カプロラクタム)としても知られる)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)、ナイロン4,6、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(ナイロン6,9)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−シュウ酸)(ナイロン4,2)、n−ドデカン二酸およびヘキサメチレンジアミンのポリアミド(ナイロン6,12)ならびにドデカメチレンジアミンおよびn−ドデカン二酸のポリアミド(ナイロン12,12)等が挙げられる。有用な脂肪族ポリアミドコポリマーとしては、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6,6/6)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(ナイロン6/6,6)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミドコポリマー(ナイロントリメチル6,2/6,2)およびヘキサ
メチレンアジパミド−ヘキサメチレン−アゼライアミドカプロラクタムコポリマー(ナイロン6,6/6,9/6)等が挙げられる。特にここに記載されない他のナイロンも含まれる。
【0015】
これらのポリアミドのうち、好ましいポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらのうち、ナイロン6が最も好ましいポリアミドである。
【0016】
本発明の実施に使用する脂肪族ポリアミドを商業的供給源から得るか、または既知の調製技術に従って調製することができる。例えば、ポリ(カプロラクタム)をニュージャージー州MorristownのHoneywell International Inc.から商品名CAPRON(登録商標)として得ることができる。
【0017】
脂肪族/芳香族ポリアミドの代表例としては、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−イソフタル酸)(ナイロン4,I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6,I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(ナイロン6,6/6I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6,6/6T)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)、ポリ(p−キシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6/MXDT/IおよびポリアミドMXDI等が挙げられる。2つ以上の脂肪族/芳香族ポリアミドのブレンドを使用することもできる。脂肪族/芳香族ポリアミドを既知の調製技術によって調製するか、または商業的供給源から得ることができる。他の好適なポリアミドは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,826,955号および同5,541,267号に記載されている。
【0018】
本明細書で使用される好適なポリオレフィンとしては、約3個から約20個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーのポリマーが挙げられ、アルファ−オレフィンのホモポリマー、コポリマー(グラフトコポリマーを含む)およびターポリマーが挙げられる。例示的なホモポリマーの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−ペンテン−1、ポリ−4,4ジメチルペンテン−1、ポリ−3−メチルペンテン−1、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチルヘキセン−1、ポリ−5−エチルヘキセン−1、ポリ−6−メチルヘプテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリノネン−1、ポリデセン−1およびポリドデセン−1等が挙げられる。
【0019】
例示的なコポリマーおよびターポリマーとしては、エチレン−プロピレンコポリマー;エチレン−ブテンコポリマー;エチレン−ペンテンコポリマー;エチレン−ヘキセンコポリマー;およびエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)の如き、アルファ−オレフィンと他のオレフィンのコポリマーおよびターポリマーが挙げられる。本明細書で使用されるポリオレフィンという用語は、アクリロニトリルブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー、ならびに酢酸ビニル、アクリレートおよびメタクリレートとのコポリマー等も含む。好ましいポリオレフィンは、アルファ−オレフィンから調製されたポリオレフィン、最も好ましくはエチレンポリマー、コポリマーおよびターポリマーである。上記ポリオレフィンを任意の既知の方法で得ることができる。該ポリオレフィンは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定された重量平均分子量が約1000から約1000000、好ましくは約10000から約500000であってもよい。好ましいポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ならびにそれらのコポリマ
ーおよびブレンドである。最も好ましいポリオレフィンは、ポリエチレンである。最も好ましいポリエチレンは、低密度ポリエチレンである。
【0020】
好適な環状(シクロ)オレフィンポリマー(ホモポリマー、コポリマーまたはブレンド)は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,218,049号;同5,783,273号;および同5,912,070号に記載されている。米国特許第5,218,049号には、環状オレフィンからなるフィルムが開示されている。米国特許第5,783,273号には、環状オレフィンコポリマーのシートを含むプレススルーブリスターパッケージ材料が開示されている。米国特許第5,921,070号には、環状オレフィンの層、ポリエステルの層および中間接着剤を含む包装材料が開示されている。本発明の最も好ましい実施形態において、熱可塑性ポリマー層14が環状オレフィンコポリマーを含む。環状オレフィンは、東京(日本)の三井石油化学工業株式会社、またはニュージャージー州SummitのTicona社から商業的に得ることができる。
【0021】
エチレンビニルアルコール化合物は、当該技術分野で良く知られており、商業的に容易に入手可能である。本発明における使用に好適なエチレンとビニルアルコールのコポリマーを、例えば、米国特許第3,510,464号;同第3,560,461号;同第3,847,845号;同第3,595,740号および同第3,585,177号に開示されている方法によって調製することができる。エチレンビニルアルコールコポリマーは、加水分解エチレン酢酸ビニルコポリマーであり得る。加水分解の度合いは、約85%から約99.5%の範囲であり得る。エチレンビニルアルコールコポリマーは、好ましくは、約15から65モル%のエチレン、より好ましくは約25から約50モル%のエチレンを含む。エチレンが15モル%未満のコポリマーは、押出が困難な傾向があり、一方、エチレンが65モル%を超えるコポリマーは、酸素遮断性能が低下する。「エチレン/ビニルアルコールコポリマー」または「EVOH」という用語は、加水分解または鹸化エチレン/酢酸ビニルコポリマーを含むことを意図しており、例えば、エチレン/酢酸ビニルコポリマーの加水分解、またはエチレンモノマーとビニルアルコールの化学反応によって得ることができる、エチレンコモノマーを有するビニルアルコールコポリマーを指す。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、隣り合う層は、当該技術分野では、各フィルム層の間の「結着」層(a “tie” layer)とも称される中間に介在する接着層を介して接着
される。本明細書では、任意の従来の既知の接着性材料を使用できる。好適な接着性ポリマーとしては、不飽和ポリカルボン酸およびそれらの無水物からなる群から選択される少なくとも1つの官能成分を有する改質ポリオレフィン組成物が挙げられる。当該不飽和カルボン酸および無水物としては、マレイン酸および無水物、フマル酸および無水物、クロトン酸および無水物、シトラコン酸および無水物、イタコン酸および無水物が挙げられる。これらのうち、最も好ましいのは、無水マレイン酸である。本発明における使用に好適な改質ポリオレフィンとしては、米国特許第3,481、910号;同第3,480,580号;同第4,612,155号および同第4,751,270号に記載されている組成物が挙げられる。他の接着層としては、非限定的に、オレフィンのアルキルエステルコポリマー、および米国特許第5,139,878号に記載されているもののようなα、β−エチレン不飽和カルボン酸のアルキルエステルが挙げられる。好ましい改質ポリオレフィン組成物は、改質ポリオレフィンの全重量に対して、約0.001から約20重量%の官能成分を含む。より好ましくは、官能成分は、約0.05から約10重量%、最も好ましくは約0.1から約5重量%含まれる。改質ポリオレフィン組成物は、米国特許第5,139,878号に記載されているように、約40重量%までの熱可塑性エラストマーおよびアルキルエステルを含んでいてもよい。
【0023】
好ましい多層蓋用フィルムは、三ないし五層構造を含み、隣り合う層は、好ましくは、接着性結着層(an adhesive tie layer)によって接着される。しかし、本発明の多層蓋
用フィルムは、三ないし五層構造に限定されない。特に好ましい三層フィルムは、フルオロポリマーが蓋の最外層であり、ポリオレフィンが例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたは環状オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーである、フルオロポリマー/接着剤/ポリオレフィン構造;およびフルオロポリマーが最外フィルム層であり、ポリアミドが例えばナイロン6、ナイロン6,6またはナイロン6,6,6ポリマーであるフルオロポリマー/接着剤/ポリアミド構造;を含む。他の好ましい構造としては、例えば、フルオロポリマー/接着剤/ポリ塩化ビニルおよびフルオロポリマー/接着剤/ポリ塩化ビニリデンが挙げられる。フルオロポリマー/接着剤/ポリオレフィンまたはポリアミド/接着剤/フルオロポリマー、フルオロポリマー/接着剤/ポリオレフィンまたはポリアミド/接着剤/ポリオレフィンもしくはポリアミド等の五層構造も好ましい。好ましくは、外層の少なくとも1つが印刷可能面を有する。当該構造は、単なる例にすぎず、非限定的であり、本発明の多層構造内の層の各々は、一般には、少なくとも1つのフィルム層がフルオロポリマー含有層を含む限り、多層フィルムにおける使用に好適である任意のポリマーまたは非ポリマー材料を含んでいてもよい。したがって、フィルム積層体は、少なくとも三つの層を有し、当業者の要望に応じて四つの層、五つの層またはそれ以上の層を含んでいてもよい。
【0024】
本発明の蓋用フィルムの層の各々は、その使用が当業者に良く知られている1つまたは複数の従来の添加剤を場合によって含んでいてもよい。当該添加剤の使用は、組成物の加工性を向上させるとともに、それから形成される製品または物品を改善する上で望ましい。それらの例としては、酸化および熱安定剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、酸化抑制剤、酸化掃去剤、染料、顔料および他の着色剤、紫外線吸収剤および安定剤、粒状のおよび繊維状の充填剤を含む有機または無機充填剤、補強剤、核剤、可塑剤、ならびに当該技術分野で知られている他の従来の添加剤が挙げられる。それらを、例えば、層組成物全体の約10重量%の量まで使用することができる。代表的な紫外線安定剤としては、様々な置換レゾルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノン等が挙げられる。適切な潤滑剤および離型剤としては、ステアリン酸、ステアリルアルコールおよびステアラミドが挙げられる。代表的な難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル等を含む有機ハロゲン化化合物、ならびに無機化合物が挙げられる。染料および顔料を含む好適な着色剤としては、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、二酸化チタニウム、フタロシアニン、ウルトラマリンブルー、ニグロシンおよびカーボンブラック等が挙げられる。代表的な酸化および熱安定剤としては、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化リチウムのような元素周期律表の第1族金属のハロゲン化物;ハロゲン化銅;およびさらには塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられる。ヒンダードフェノール(hindered phenol)、ヒドロキノン、芳香族アミン、ならびに上述の族の置換されたもの、およびそ
れらの組合せも含まれる。代表的な可塑剤としては、カプロラクタムおよびラウリルラクタムのようなラクタム、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドおよびN−エチルベニレンスルホンアミド、N−ブチルベニレンスルホンアミド、および上記のもののいずれかの組合せ、ならびに当該技術分野で知られている他の可塑剤が挙げられる。
【0025】
貼合せ(積層;lamination)および共押出を含む従来の任意のフィルム形成技術によって、本発明の蓋を形成することができる。最も好ましい方法では、多層フィルムを共押出によって形成する。例えば、個々の層の材料が、同様の数の押出機の送り込みホッパーに供給され、各押出機が1つまたは複数の層の材料を処理する。個々の押出機からの溶融され可塑化された流体が、単一の分岐管共押出ダイに送り込まれる。ダイに存在する間に、層は並列化されて合体され、次いでポリマー材料の単一の多層フィルムとしてダイから出る。ダイから出た後に、フィルムは、第1の制御された温度のキャスティングロール上に流延され、第1のロールを通過し、次いで、通常は第1のロールより低温の第2の制御された温度のロール上に達する。制御された温度のロールは、主として、フィルムがダイを
出た後にフィルムの冷却速度を制御する。それぞれのロールの温度は、フィルムの所望の特性を達成するように選択され、採用されるポリマーの種類に基づくものでもある。典型的には、第1のキャスティングロール温度は、約10から約121℃(約50から約250°F)の範囲、好ましくは約24から約93℃(約75から約200°F)の範囲、より好ましくは約38から約79℃(約100から約175°F)の範囲である。第2の制御された温度のロール(予熱ロールとも称される)の温度は、典型的には約10から約121℃(約50から約250°F)の範囲、好ましくは約24から約93℃(約75から約200°F)の範囲、より好ましくは約38から約79℃(約100から約175°F)の範囲である。これらのロールの温度は同じである必要ない。冷却ロールは、フィルムに寸法安定性を与えるように選択され得る。典型的には、このロールの温度は、約10から約149℃(約50から約300°F)の範囲、好ましくは約38から約121℃(約100から約250°F)の範囲、より好ましくは約66から約107℃(約150から約225°F)の範囲である。
【0026】
他の方法において、フィルム成形装置は、当該技術分野で「インフレートフィルム(blown film)」装置と称するものであってもよく、バブルインフレートフィルムのための多岐管循環ダイヘッドを含み、可塑化フィルム組成物が、そのヘッドに通され、究極的に崩壊し、フィルムに成形できるフィルムの“バブル(bubble)”に成形される。フィルムおよびシート積層体を成形するための共押出の方法は、広く知られている。例えば、「Modern Plastics Encyclopedia」、第56巻、第10A号、131〜132頁、McGraw Hill、1979年10月を参照されたい。
【0027】
あるいは、まず個々の層を個別的な層として形成し、次いで、中間に介在する接着層を用いて、または用いずに加熱および加圧下で貼り合わせることができる。貼合せ技術は、当該技術分野で良く知られている。典型的には、貼合せ(積層;laminating)は、個々の層を十分な熱および圧力条件下で重ねて、それらの層を合体させて一体のフィルムにすることによって行われる。典型的には、個々の層を重ね、当該技術分野で良く知られている技術によってその合体物を一対の加熱された貼合せロールのニップに通す。貼合せ加熱は、約120℃から約175℃、好ましくは約150℃から約175℃の範囲の温度、および約0.034MPa(約5psi)から約0.69MPa(約100psi)の範囲の圧力で、約5秒間から約5分間、好ましくは約30秒間から約1分間にわたって行うことができる。
【0028】
それが望ましい場合は、当業者に知られている方法を用いて、本発明のフィルムを任意の方向に場合によって延伸または配向させることができる。当該延伸処理において、得られたフィルムが「一軸」配向される場合は、フィルムを、当該技術分野では「機械方向」とも称する、キャスティングロールから引き出されるフィルムの移動方向と一致する方向、すなわち機械方向に垂直であり、当該技術分野では「横方向」と称する方向に延伸してもよいし;あるいは得られたフィルムが「二軸」配向される場合は、機械方向ならびに横方向に延伸してもよい。本発明における使用では、典型的には、本発明の組成物から成形される配向フィルムは、好ましくは約1.5:1から約10:1の延伸倍率、好ましくは約1.5:1から約4:1の延伸倍率で製造される。「延伸倍率(draw ratio)」という用語は、本明細書で用いられるように、延伸方向の寸法の増加を指す。したがって、2:1の延伸倍率を有するフィルムは、延伸プロセスを通じて長さが二倍になる。一般に、フィルムは、一連の予熱ロールおよび加熱ロールを通過することによって延伸される。加熱されたフィルムは、上流位置でフィルムがニップロールに入るよりも大きい速度で、一連のニップロールを下流に移動する。速度の変化は、フィルムにおける延伸によって補償される。
【0029】
一軸延伸配向ポリアミドフィルムに対する典型的なプロセスおよび条件範囲が、例えば
、米国特許第4,362,385号に開示されている。インフレートチューブ(blown tube)装置または幅出機を使用して本発明のフィルム積層体を二軸延伸することができ、逐次または同時的に二軸延伸することができる。配向後に、本発明のフィルム積層体をエンボス加工することもできる。
【0030】
本発明のフィルムは、任意の所望の厚さを有することができる。例えば、フィルムは、配向後の厚さが約2.5μm(約0.1mil)から約381μm(約15mil)、より好ましくは約5.1μm(約0.2mil)から約127μm(約5mil)、最も好ましくは約12.7μm(0.5mil)から約50.8μm(約2mil)であってもよい。当該厚さに言及したが、特定のニーズを満たし、さらに本発明の範囲を逸脱しないように他の層厚をもたらしてもよいことを理解されたい。延伸前のフィルムの厚さは、当該技術分野で知られているように、延伸後の所望の厚さが、採用される延伸倍率に基づいて達成されるように選択される。
【0031】
本発明の当該フィルムの透湿度(WVTR;water vapor transmission rate)をAS
TM F1249に記載されている手順により測定することができる。好ましい実施形態において、本発明によるフィルムは、例えばMocon社から入手可能な透湿度測定装置によって測定されたフィルム25.4μm(1mil)当たりのWVTRが37.8℃、100%RHで好ましくは約0.775g/m/日(約0.05g/100in/日)未満、より好ましくは約0.465g/m/日(約0.03g/100in/日)未満、最も好ましくは約0.233g/m/日(約0.015g/100in/日)未満である。好ましくは、本発明のフィルムは、無配向の同様のフィルムの透湿度の少なくとも約20%未満、より好ましくは少なくとも約25%未満、最も好ましくは少なくとも約30%未満の透湿度を有する。
【0032】
本発明の蓋用フィルムはまた、好ましくは相対湿度(RH)90%で良好な酸素遮断性を有する。ASTM D−3985の手順を用いて、酸素遮断性を測定することができる。概して、上記方法を用いると、本発明のフィルムは、相対湿度90%における酸素透過度(OTR)が23℃で約0.5cm/645cm(100in)/24時間/Atm以下である。好ましくは、蓋フィルムは、容器原料の酸素透過度と同等、またはより低い酸素透過度を有する。本発明の蓋用フィルムは、酸素遮断性が優れているために、食品の蓋用途に特に有用である。
【0033】
食品の容器蓋を製造するために、好ましくは打ち抜き(die cut)で、所望の大きさお
よび形状に1枚のフィルムを切り取る。好ましくは、蓋は、指による剥離除去を容易にするために、プルタブを有する。好ましくは、フィルムは、不透明で、エンボス加工されている。蓋は、接着された容器を引き裂かずに容易に剥離することを可能にする、厚さおよび剛性を有するべきである。
【0034】
本発明は、中央の空洞を定める、取り囲む側壁、床および上部開口部を有するコップ状容器であって、その開口上部が周縁を有するコップ状容器と、縁の周囲に接着された、開口部の形状に適合する上記の剥離可能な蓋とを含むパッケージをさらに含む。縁は、好ましくは、実質的に平坦であるか、または起伏を有するが、蓋用フィルムをその上に接着するのに好適な任意の形状を有することができる。容器は、厚紙、板紙、ボードストック、プラスチックおよびそれらの組合せのような材料を含んでいてもよい。好ましいプラスチックは、いずれも蓋用材料にシールすることが可能であるいくつかの熱硬化性または熱可塑性樹脂のいずれか1つを含む。材料の例としては、アクリロニトリル、アクリルポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、「PET」のコポリマー、ポリスチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。
【0035】
容器の縁に接着するために、蓋の周縁の周囲に配置されたヒートシール可能な材料によって蓋をヒートシールすることができる。熱可塑性熱溶融型接着剤のような接着剤、例えば、石油ワックス−エチレン酢酸ビニル、または後に包装機によって熱および圧力が加えられると熱活性化接着剤またはシール材として機能する任意の好適なポリオレフィンコポリマー組成物の層によって、蓋を容器の縁に接着することができる。典型的には、容器が満たされた後に、熱および圧力を加えながら蓋を容器の縁に対し押しつけて、その間に剥離可能なシールを設ける。
【0036】
本発明のパッケージの有意な利点は、完成パッケージが、従来技術のパッケージより安価に製造され、なおもパッケージされた製品がその保存寿命を延ばすために同等の優れたシール性を与えることである。また、本発明のパッケージは、消費者による容易な開封を促すように構成されており、消費者は、蓋を容器から迅速に剥がして、パッケージを開封することができる。
【0037】
使用に際して、上記のコップ状容器に、開口上部から食品のような製品をその中央の空洞を通じて充填する。次いで、縁の周囲に剥離可能な蓋を接着することにより開口上部をシールすることによって上部を閉じる。あるいは、蓋を容器に接着した後にコップ状容器に製品を充填することによって、後に蓋以外の手段によって容器をシールするようにしてもよい。容器は、食品を保持することが想定されているが、医薬組成物、電子部品または医療デバイスも同様に保持することが可能である。
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0038】
実施例1
単位経口投与量をPVCブリスターパッケージの空洞に入れた後に、25.4μm(1mil)のエチレンアクリル酸(EAA)層とともに押出コートされた、ホモポリマー層である25.4μm(1mil)の配向PCTFE(Honeywell International社のAclon(登録商標)HP1120)を、このプッシュ−スルーPVCブリスターパッケージ(a push through PVC blister package)にヒートシールする。このPCTFE/EAA蓋材を107℃(225°F)から143℃(290°F)の温度でブリスターシートにシールして、このブリスターパッケージの内容物のために透明で柔軟な亀裂抵抗性の防湿層を設ける。
【0039】
実施例2
PCTFEホモポリマー(Aclon(登録商標)HP1120)、ポリオレフィンプラストマー結着層(tie layer)および直鎖状低密度ポリエチレンによる三層多層フィル
ムを共押出する。直鎖状低密度ポリエチレンを熱成形トレイにシールして、医療デバイスのために透明で耐破壊性の防湿層を設ける。
【0040】
本発明を好ましい実施形態に関して具体的に示し、説明したが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えることができることを当業者なら容易に理解するであろう。請求項は、開示された実施形態、上述した代替物およびそれらのすべての均等物を包括するものと解釈されることを意図する。
[本発明の態様]
1.容器用の蓋であって、容器は、上部開口部および開口部の周囲の周縁を有し、蓋は、周縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含有する層を含む、前記蓋。
2.フィルムが、前記フルオロポリマー層に接着された少なくとも1つのポリマー層を含む多層フィルムを含み、それらの層は、中間に介在する接着性の結着層を介して場合によって接合される、1に記載の蓋。
3.フィルムが共押出フィルムを含む、2に記載の蓋。
4.フィルムが積層体を含む、2に記載の蓋。
5.前記少なくとも1つのポリマー層が、フルオロポリマー、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー、ポリオレフィン、環状オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリウレタン、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸コポリマー、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、2に記載の蓋。
6.前記多層フィルムが、前記フルオロポリマー層に接着された複数のポリマー層を含み、隣り合う層が、中間に介在する接着性の結着層を介して場合によって接合される、2に記載の蓋。
7.前記フルオロポリマー層が、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、パーフルオロアルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される材料を含む1に記載の蓋。
8.前記フルオロポリマー層が、クロロトリフルオロエチレンホモポリマーまたはポリ(クロロトリフルオロエチレン)含有コポリマーを含む、1に記載の蓋。
9.フィルムが、一軸もしくは二軸配向されたフィルム、またはインフレートフィルムである、1に記載の蓋。
10.容器の縁に接着するために蓋の周縁の周囲にヒートシール可能な材料をさらに含む、1に記載の蓋。
11.容器の縁に接着するために蓋の周縁の周囲に接着剤をさらに含む、1に記載の蓋。
12.上部開口部および開口部の周囲の周縁を有する容器と、縁の周囲に接着された、開口部の形状に適合する剥離可能な蓋とを含むパッケージであって、蓋は、縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有する複合フィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含有する層を含むパッケージ。
13.フィルムが、前記フルオロポリマー層に接着された少なくとも1つのポリマー層を含む多層フィルムを含み、それらの層は、中間に介在する接着性の結着層を介して場合によって接合される、12に記載のパッケージ。
14.前記少なくとも1つのポリマー層が、フルオロポリマー、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー、ポリオレフィン、環状オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリウレタン、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸コポリマー、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、13に記載のパッケージ。
15.前記多層フィルムが、前記フルオロポリマー層に接着された複数のポリマー層を含み、隣り合う層が、中間に介在する接着性の結着層を介して場合によって接合される、13に記載のパッケージ。
16.フィルムが、共押出によって製造される、13に記載のパッケージ。
17.フィルムが、積層によって製造される、13に記載のパッケージ。
18.前記フルオロポリマー層が、クロロトリフルオロエチレンホモポリマーまたはポリ(クロロトリフルオロエチレン)含有コポリマーを含む、12に記載のパッケージ。
19.フィルムが、配向される、12に記載のパッケージ。
20.蓋が、蓋の周縁の周囲のヒートシール可能な材料によって容器の縁に接着される、12に記載のパッケージ。
21.蓋が、蓋の周縁の周囲の接着剤によって容器の縁に接着される、12に記載のパッケージ。
22.製品を収容する、12に記載のパッケージ。
23.食品、医薬組成物、電子部品または医療デバイスを含む製品を収容する、12に記載のパッケージ。
24.容器がブリスターパッケージを含む、12に記載のパッケージ。
25.パッケージされた製品を製造する方法であって、
a)中央の空洞を定める、取り囲む側壁、床および上部開口部を有する容器であって、開口上部が周縁を有する容器を設ける工程;
b)中央の空洞に製品を充填する工程;および
c)縁の周囲に剥離可能な蓋を接着することによって開口上部を密閉する工程であって、蓋は、縁に接着されると開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、フィルムは、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含む、前記工程;
を含む方法。
26.製品が食品である、25に記載の方法。
27.前記フィルムが、前記フルオロポリマー層に接着される少なくとも1つのポリマー層をさらに含み、それらの層は、中間に介在する接着性の結着層を介して場合によって接合される、25に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口部および前記開口部の周囲の周縁を有する容器と、前記周縁の周囲に接着された前記開口部の形状に適合する剥離可能な蓋とを含むパッケージであって、前記蓋は、前記周縁に接着されると前記開口部の形状に適合する形状を有するフィルムを含み、前記フィルムは、1つのフルオロポリマー層、および前記フルオロポリマー層と、中間に介在する接着性の結着層を介して接着された1つのポリマー層から成り、
ここで、前記フルオロポリマー層がポリ(クロロトリフルオロエチレン)ホモポリマーを含み、前記ポリマー層が、エチレンアクリル酸コポリマーおよび直鎖状低密度ポリエチレンから成る群から選択される材料を含み、
前記フィルムは、ASTM F1249により測定したフィルム25.4μm当たりの透湿度が、37.8℃、100%相対湿度で、0.233g/m/日未満であるパッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージであって、前記ポリマー層が直鎖状低密度ポリエチレンを含むパッケージ。
【請求項3】
請求項1に記載のパッケージであって、前記フィルムが共押出フィルムを含むパッケージ。
【請求項4】
請求項1に記載のパッケージであって、前記フィルムが積層体を含むパッケージ。
【請求項5】
請求項1に記載のパッケージであって、前記ポリマー層が、フルオロポリマー、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー、ポリオレフィン、環状オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリウレタン、エチレンアクリル酸エチル、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含むパッケージ。
【請求項6】
請求項1に記載のパッケージであって、前記フルオロポリマー層が、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、パーフルオロアルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される材料をさらに含むパッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載のパッケージであって、前記フルオロポリマー層が、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)含有コポリマーをさらに含むパッケージ。
【請求項8】
請求項1に記載のパッケージであって、前記フィルムが、一軸もしくは二軸配向されたフィルム、またはインフレートフィルムであるパッケージ。

【公開番号】特開2013−91526(P2013−91526A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−177(P2013−177)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2008−527063(P2008−527063)の分割
【原出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】