説明

配管内検査具

【課題】 容易に主配管内部を点検することが可能な配管内検査具を提供する。
【解決手段】 流体が充水されている発電所の主配管の内部を、流体の充水状態を維持しつつ、前記主配管から分岐されている枝配管から前記主配管内部に挿入して、前記主配管内部の検査をする配管内検査具であって、前記主配管内部を検査する検査部と、前記検査部を前記主配管内部に挿入可能にすべく、前記検査部の挿入経路に存在する異物を除去可能な除去部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管内検査具に関し、特に流体が充水されている発電所の取水設備における主配管内部の流体の充水状態を維持しつつ、主配管から分岐されている枝配管から主配管内部に挿入されて、主配管内部の検査をする配管内検査具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電所において、配管からの流体の供給量が減少した場合、流体を主配管から排出して、主配管内部の点検をしている。流体を主配管内から排出する必要があるので、点検をする系統を停止する必要がある。また、状況によっては、主配管内部を点検することを目的として、発電所の装置全体を停止する場合がある。検査の結果、主配管に異常がないこともあるので、系統を停止することは検査効率を悪くしている。そこで、流体を主配管内から排出することなく、主配管内部を点検する手法が切望されている。その場合には、主配管から分岐する枝配管から配管内検査具を主配管内に挿入可能にするべく、検査具の挿入経路を清掃する必要がある。
【0003】
ちなみに、充水状態の管路から分岐している枝配管の内面を清掃して、主配管内へピグや撮影装置を挿入可能にする枝配管部清掃装置が知られている(たとえば、特許文献1)。該枝配管部清掃装置は、円形状の除去刃と、該除去刃を回動可能にする操作ハンドルと、枝配管からの漏水を防止する接続部材とを備えている。枝配管を清掃する場合、枝配管部清掃装置は、接続部材を利用して枝配管に取り付けられる。その後、操作ハンドルを利用して除去刃を回動させることで、枝配管内に存在する錆を落としている。これにより、主配管にピグや撮影装置を挿入することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−22914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1における枝配管部清掃装置では、ピグまたは撮影装置を主配管内に挿入するには、枝配管部清掃装置を枝配管から取り外した後に、ピグまたは撮影装置を別途枝配管の開口から挿入する必要がある。主配管の充水状態を保ったまま枝配管部清掃装置を取り外して、ピグまたは撮影装置を挿入する必要があるので、検査効率が悪い。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑み、容易に主配管内部を点検することが可能な配管内検査具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る配管内検査具によれば、流体が充水されている発電所の取水設備における主配管内部の流体の充水状態を維持しつつ、主配管から分岐されている枝配管の開口から主配管内部に挿入されて、主配管内部の検査をする配管内検査具であって、主配管内部を検査する検査部と、検査部を枝配管の開口から主配管内部に挿入可能にすべく、検査部の挿入経路に存在する異物を除去可能な除去部とを備える。
【0008】
斯かる構成によれば、検査部は、枝配管の開口から挿入される。検査部の主配管への挿入経路に異物が付着している場合には、異物を除去する必要がある。除去部は、検査部の主配管への挿入とともに、挿入経路に存在する異物を除去する。これにより、検査部は、容易に主配管内部に挿入される。したがって、容易に主管内部を点検することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る配管内検査具は、枝配管の開口を閉塞する閉塞部をさらに備えてもよい。
【0010】
斯かる構成によれば、閉塞部が枝配管の開口を閉塞するので、主配管および枝配管が充水状態であっても、枝配管開口からの漏水を防止できる。
【0011】
また、本発明に係る配管内検査具は、除去部および検査部が棒状体に設けられ、閉塞部は、棒状体を挿通可能な円筒部と、棒状体と円筒部との間を水密するシール部材とを有してもよい。
【0012】
斯かる構成によれば、棒状体が枝配管開口から主配管内に挿入されることで、除去部で挿入経路に存在する異物を除去しつつ、検査部を主配管内に容易に挿入できる。シール部材が、棒状体と円筒部との間を水密するので、枝配管開口からの漏水を防止できると共に、検査部を容易に主配管内に挿入できる。
【0013】
また、本発明に係る配管内検査具は、棒状体は、除去部および検査部と閉塞部との間に、棒状体の閉塞部からの抜去を防止するストッパを有してもよい。
【0014】
斯かる構成によれば、検査部の挿入経路に存在する異物を除去するべく、棒状体を抜去方向にスライドさせる場合であっても、ストッパが閉塞部に当接することで棒状体の抜去を防止できる。これにより、棒状体が閉塞部から抜去して、閉塞部の棒状体が抜去された部分から漏水することを防止できる。
【0015】
また、本発明に係る配管内検査具は、検査部がカメラであってもよい。
【0016】
斯かる構成によれば、カメラで主配管内を視覚的にみることができるので、主配管内の状況を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の如く、本発明に係る配管内検査具よれば、容易に主配管内部を点検することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る配管内検査具の全体図を示し、図1(a)は、配管内検査具の側面図、図1(b)は、図1(a)における配管内検査具のA−A断面図を示す。
【図2】同実施形態に係る配管内検査具を枝配管に取り付ける場合の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る配管内検査具における一実施形態について、図1および図2を参酌して説明する。なお、本実施形態では、主配管内に海水が充水されている場合で説明する。
【0020】
図1は、配管内検査具100の全体図を示し、図1(a)は、配管内検査具100の側面図、図1(b)は、図1(a)における配管内検査具1のA−A断面図を示す。図2は、配管内検査具100を枝配管230に取り付ける場合の概略図を示す。
【0021】
配管内検査具100は、海水が充水されている発電所の配管210の内部を、海水の充水状態を維持しつつ検査することが可能であるように構成されている。より詳しくは、配管内検査具100は、海水が充水されている発電所の主配管220の内部の海水の充水状態を維持しつつ、主配管220から分岐されている枝配管230から主配管220内部に挿入されて、主配管220内部の検査をすることが可能に構成されている。なお、枝配管230にはゲート弁240が設けられており、配管内検査具100が枝配管230に挿入された後に、ゲート弁240が開栓される構造となっている。
【0022】
配管内検査具100は、棒状に形成される棒状体110と、棒状体110に取り付け可能に構成される閉塞部160とを備える。
【0023】
棒状体110は、円筒形状を有する。棒状体110は、閉塞部160に取り付けられ、枝配管230から主配管220に挿入された状態で筒心を中心として回動可能に構成される。
【0024】
棒状体110は、枝配管230から主配管220への棒状体110の挿入経路に存在する異物を除去可能な除去部120と、配管210内の状態を検査する検査部130と、除去部120および検査部130の挿入位置を操作可能な操作部140と、検査部130に隣接する位置に設けられる検査窓145と、棒状体110の閉塞部160からの抜去を防止するストッパ150と、検査部130からの信号を伝達する信号線155とを有する。
【0025】
除去部120は、棒状体110の挿入される方向における先端側に設けられる。除去部120は、より硬度の高い物質で、枝配管230から主配管220への棒状体110の挿入経路における異物を除去可能に構成されている。たとえば、除去部120は、枝配管230から主配管220への棒状体110の挿入経路における、ムラサキイガイ、アカフジツボなどを除去可能に金属、硬化樹脂等で構成されているのが好ましい。より詳しくは、除去部120は、ステンレス鋼で構成されているのが好ましい。本実施形態において、除去部120は、棒状体110と一体に設けられ、棒状体110の端部に当たる端面部124と、端面部124および棒状体110の周面とで形成される角部128とを含む。
【0026】
端面部124は、棒状体110において、棒状体110の枝配管230から主配管220への挿入方向における端面である。端面部124は、平面状に構成され、異物に対して棒状体110の挿入方向に力を加えることが可能な構成となっている。
【0027】
角部128は、端面部124の端縁全体に設けられ、図1(b)の断面において、棒状体110において、側面と端面とのなす角度が90度となる形状を有する。角部128は、異物に対して引っ掛かり、棒状体110の挿入方向への力で除去することが可能な構成となっている。
【0028】
検査部130は、棒状体110の挿入方向先端側に、棒状体110に埋め込まれて設けられる。検査部130は、本実施形態において、カメラである。カメラである検査部130は、棒状体110の主配管220へ挿入された状態において、棒状体110の筒心を中心とする回動により主配管220内の全方位を撮影可能に構成されている。また、検査部130は、ストロボ機能をさらに有する構成であるのが好ましい。なお、検査部130は、カメラに限らず、圧力計や流量計であってよく、それらを複合するものであってもよい。
【0029】
操作部140は、棒状体110の挿入方向と反対側の端部に設けられる。操作部140は、閉塞部160から突出する棒状体110の部分であり、把持されることが可能に構成されている。操作部140は、把持される部分から加えられる挿入方向への力および抜去方向への力を、除去部120へ伝えるように構成されている。すなわち、操作部140は、把持される部分から加えられる挿入方向および抜去方向への力で、閉塞部160を基準として、符号152で示す矢印の方向に棒状体110をスライドさせる。
【0030】
検査窓145は、検査部130の埋め込まれている棒状体110の側面に設けられている。検査窓145は、検査部130の埋め込まれている棒状体110の側面に形成されている貫通孔を、透明な樹脂部材やガラス等で覆うことで形成される。なお、図1(b)において、検査窓145は、検査部130に対応して棒状体110の側面の所定の2箇所に設けられているが、一方のみ設けられる構成であってもよい。また、検査窓145は、透明な樹脂部材やガラス等に代えて、検査部130の端部を貫通孔に嵌合する構成であってもよい。
【0031】
ストッパ150は、閉塞部160の取り付けられる位置と除去部120との間に設けられる。本実施形態において、ストッパ150は、棒状体110と同心円となる円盤形状を有し、棒状体110と一体に形成されている。ストッパ150は、挿通孔180よりも大きい直径を有している。棒状体110に抜去方向の力が加わる場合に、ストッパ150は、閉塞部160に引っ掛かることで、閉塞部160から棒状体110の抜去を防止可能に構成されている。また、配管内検査具100が枝配管230に挿入される場合に、ストッパ150は、閉塞部160に当接されることで、除去部120のゲート弁240への接触を防止可能な位置に構成されている。
【0032】
信号線155は、検査部130と外部(図示しない)とに接続されている。信号線155は、検査部130から棒状体110の内部を通って、操作部140側の端部から外部に向かって延伸されている。
【0033】
閉塞部160は、枝配管230に係止可能に形成され、枝配管230からの漏水を防止可能に構成されている。閉塞部160は、枝配管230の開口内径に対応する外形を有する円筒部170と、棒状体110と円筒部170との間を水密するシール部材200とを有する。閉塞部160は、配管内検査具100を取り付ける枝配管230の内径にあわせて、取替え可能に構成されている。
【0034】
円筒部170は、枝配管230の開口に係止されることで枝配管230と円筒部170との接合部分から漏水することを防止可能に構成されている。円筒部170は、棒状体110を挿通可能な挿通孔180と、枝配管230に係止するべく設けられる雄ネジ190とを含む。円筒部170は、漏水を防止できる素材であればよく、たとえばゴムなどで形成されてよい。
【0035】
挿通孔180は、円筒部170の筒心位置に設けられ、円筒部170の両端面を貫通して設けられる。挿通孔180は、棒状体110をスライドできるように、棒状体110よりも大きい径を有しているのが好ましい。
【0036】
雄ネジ190は、円筒部170の枝配管230への挿入側の側面に設けられている。雄ネジ190は、開口に雌ネジを有する枝配管230にネジ締めされることで、閉塞部160を枝配管230に係止可能に構成されている。また、雄ネジ190は、枝配管230にネジ締めされることで、枝配管230からの漏水を防止可能に構成されている。なお、雄ネジ190は、円筒部170と同じ材質で形成されていてよい。
【0037】
シール部材200は、挿通孔180の内面に設けられる。シール部材200は、棒状体110の挿通孔180への挿通により、棒状体110および挿通孔180の間を水密して、挿通孔180からの漏水を防止可能に構成されている。シール部材200は、グランドパッキン材料で形成されてよい。
【0038】
本実施形態に係る配管内検査具100の構成は以上の通りであり、次に、本実施形態に係る配管内検査具100の検査方法について説明する。
【0039】
信号線155および棒状体110は、操作部140側から挿通孔180に挿入される。棒状体110は、円筒部170の枝配管230への挿入側端部へストッパ150を当接させるまで挿入される。シール部材200により、棒状体110および挿通孔180は、密に係止される。
【0040】
その後、閉塞部160の円筒部170は、雄ネジ190を枝配管230にネジ締めすることで枝配管230に係止され、棒状体110も枝配管230に係止される。この状態で、ゲート弁240は、開栓される。
【0041】
操作部140は、検査部130を主配管220へ挿入する力を受け付けて棒状体110を動作させるべく、除去部120および検査部130へその力を伝達する。棒状体110は、操作部140からの力を受けて、閉塞部160を基準として挿入方向へスライドする。棒状体110の挿入方向において異物が存在する場合、すなわち、主配管220と枝配管230との間に異物が存在する場合には、検査部130を主配管220内に挿入することができない。そこで、操作部140は、棒状体110の動作に応じて端面部124および角部128に当接する異物に対して、検査部130を主配管220に挿入する力を、異物を除去する力として与える。
【0042】
端面部124および角部128は、操作部140から伝達された力を異物に与えて、主配管220および枝配管230に付着している異物を除去する。特に、異物がムラサキイガイやアカフジツボのような付着力の強い物体の場合、操作部140は、棒状体110を棒状体110の挿入方向および抜去方向に交互にスライドさせて、棒状体110の挿入経路に存在する異物を除去する。
【0043】
検査部130が主配管220内に挿入されると、検査部130は、主配管220内の検査を開始するとともに、検査状況を信号線155で外部に送信する。操作部140は、棒状体110の筒心を中心に棒状体110を回動させることで、検査部130に主配管220内の全方位を撮影させる。検査部130は、信号線155を介して、外部に存在する表示装置に撮影された映像を送信する。これにより、主配管220は、検査される。
【0044】
主配管220内の検査終了後、操作部140は、円筒部170にストッパ150を当接させるまで棒状体110を抜去する。そして、ゲート弁240は、閉栓される。棒状体110および円筒部170は、雄ネジ190を枝配管230の雌ネジから緩めることで、枝配管230から取り外される。これにより、配管内検査具100による配管210の検査は、終了する。
【0045】
以上より、本実施形態に係る配管内検査具は、容易に主配管内部を点検することができる。特に、主配管および枝配管に異物が付着しており、配管内検査部が主配管内に挿入できない場合であっても、棒状体の有する除去部で異物を除去できるので、配管内検査具のみで直ちに検査をすることができる。配管内検査具のみで検査をすることができるので、検査に掛かる費用に関してコストの削減を実現できる。
【0046】
また、閉塞部が枝配管の開口を閉塞するので、主配管および枝配管が充水状態であっても、枝配管開口からの漏水を防止できる。棒状体が枝配管開口から主配管内に挿入されることで、除去部で挿入経路に存在する異物を除去しつつ、検査部を主配管内に容易に挿入でき、シール部材が棒状体と円筒部との間を水密するので、枝配管開口からの漏水を防止できると共に、検査部を容易に主配管内に挿入できる。
【0047】
また、検査部の挿入経路に存在する異物を除去するべく、棒状体を抜去方向にスライドさせる場合であっても、ストッパが閉塞部に当接することで棒状体の抜去を防止できる。これにより、棒状体の閉塞部からの抜去による、閉塞部の棒状体が抜去された部分から漏水することを防止できる。
【0048】
また、カメラで主配管内を視覚的にみることができるので、主配管内の状況を容易に把握することができる。
【0049】
なお、本発明に係る配管内検査具は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0050】
例えば、本発明に係る配管内検査具100においては、除去部120は、操作部140から伝達される異物を除去する力が、除去部120に当接する異物に集中する形状を有しているのが好ましい。たとえば、除去部120の端面部124は、その一部または全体を突形状に構成されていてよい。また、角部128は、端面部124の形状に合わせて、様々な角度を有していて良い。除去部120には、操作部140から伝達される異物を除去する力が集中するので、主配管220および枝配管230からの異物の除去が容易になる。
【0051】
また、除去部120は、棒状体110に対して着脱自在であってもよい。たとえば、より大きさの大きい除去部120が棒状体110に内部装着されることで、検査部130が異物に触れて傷つくことを防止できる。また、より重量の重い除去部120が棒状体110に装着されることで、除去部120の重さを利用して異物を除去できるので、異物除去作業の労力を低減することができる。さらには、除去部120が着脱自在であることで、除去部120や検査部130のメンテナンスや清掃作業が容易になる。
【0052】
また、ストッパ150は、円筒部170に当接可能かつ、棒状体110の抜去を防止できる形状であればどのような形状であってもよい。また、ストッパ150は、着脱自在に構成されていてもよい。これにより、除去部120、検査部130、およびストッパ150のメンテナンスや清掃作業が容易になる。
【0053】
また、挿通孔180は、円筒部170の筒心位置でなくともよく、枝配管230が配管210に対して斜めに装着されている場合には、挿通孔180は、それに応じた位置に設けられていても良い。
【0054】
また、棒状体110は、その一部に、枝配管230の内径と同じ径を有する部分を有していても良い。この部分で枝配管230を水密可能に構成することで、閉塞部160を設けずに配管内検査具100を構成することもできる。これにより、雌ネジを有しない枝配管230であっても、配管内検査具100を利用することができる。
【0055】
また、操作部140には、滑り止めが設けられていてもよい。これにより、棒状体110がスライドされる場合に、操作部140は、把持される部分から加えられる挿入方向への力および抜去方向への力を、除去部120へと無駄なく伝えることができる。なお、滑り止めは着脱自在に構成されているのが好ましく、滑り止めは、棒状体110を閉塞部160に挿入する場合に取り外され、挿入された後に取り付けられるのが好ましい。
【0056】
また、棒状体110の閉塞部160から突出する操作部140側には、棒状体110の脱落を防止する脱落防止部が設けられていても良い。脱落防止部は、着脱自在であるのが好ましい。脱落防止部は、閉塞部160に棒状体110を挿通した後に取り付けられる。脱落防止部が棒状体110の適切な位置に取り付けられることで、検査部130は、主配管220内における挿入深さを規定しても良い。検査部130が枝配管230へと挿入されて、脱落防止部が閉塞部160と当接することで、検査部130は、主配管220内の適切な深さで主配管220を検査できる。これにより、検査部130を挿入しすぎることを防止でき、棒状体110の脱落を防止できるとともに、主配管220内壁面に付着する異物への検査部130の接触を防止できる。
【符号の説明】
【0057】
100 配管内検査具
110 棒状体
120 除去部
124 端面部
128 角部
130 検査部
140 操作部
145 検査窓
150 ストッパ
155 信号線
160 閉塞部
170 円筒部
180 挿通孔
190 雄ネジ
200 シール部材
210 配管
220 主配管
230 枝配管
240 ゲート弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が充水されている発電所の取水設備における主配管内部の流体の充水状態を維持しつつ、前記主配管から分岐されている枝配管の開口から前記主配管内部に挿入されて、前記主配管内部の検査をする配管内検査具であって、
前記主配管内部を検査する検査部と、前記検査部を前記枝配管の開口から前記主配管内部に挿入可能にすべく、前記検査部の挿入経路に存在する異物を除去可能な除去部とを備えることを特徴とする配管内検査具。
【請求項2】
前記枝配管の開口を閉塞する閉塞部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配管内検査具。
【請求項3】
前記除去部および前記検査部が棒状体に設けられ、
前記閉塞部は、前記棒状体を挿通可能な円筒部と、前記棒状体と前記円筒部との間を水密するシール部材とを有することを特徴とする請求項2に記載の配管内検査具。
【請求項4】
前記棒状体は、前記除去部および前記検査部と、前記閉塞部との間に、前記棒状体の前記閉塞部からの抜去を防止するストッパを有することを特徴とする請求項3に記載の配管内検査具。
【請求項5】
前記検査部がカメラであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配管内検査具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−88142(P2012−88142A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234418(P2010−234418)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】