説明

配管診断装置

【課題】 埋設管の腐食や損傷等の欠陥の発生、およびその発生位置を確実に直接的に把握して、その埋設管の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】 この発明の配管診断装置100は、配管(埋設管)20の腐食、損傷等による欠陥の有無を診断する装置であり、埋設管20の2カ所に配置する、それぞれ先端に電極端子1a,2aを有する2本のケーブル1,2と、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2a間に交流電圧を印加し電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段31と、そのインピーダンス計測手段31の計測結果から埋設管20の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定する欠陥有無推定手段32と、を備えることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土中や水中、海中の配管の腐食、損傷等による欠陥の有無の診断、その欠陥位置の特定、また酸化、腐食、損傷の状態の推定を行う配管診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス配管は、例えばLPガスボンベから家屋内のガス機器までの間で、土壌中に埋設されている場合がある。このため、土壌中で腐食や損傷が発生していても、外部からは観察できず、ガス漏れ等の原因となっていた。
【0003】
この埋設管の腐食、損傷の状態は、土を埋設管まで掘削することで直接観察することができるが、それでは費用と労力を要するため、掘削せずに観察する方法が、例えば下記の特許文献1で提案されている。
【特許文献1】特開平5−128973号公報
【0004】
この特許文献1では、土壌中に埋設されたガス管の近傍に試験片を埋設しておき、試験片のACインピーダンスの測定結果から瞬時に解析して測定時における平均腐食速度を得、埋設ガス管の管理を行うようにしている。
【0005】
しかし、上記従来技術では、確かに掘削することなく腐食の管理を行うことができるが、測定対象は埋設ガス管ではなく、試験片であるため、埋設ガス管が腐食していても、その腐食が必ず試験片で観察できるとは限らず、埋設ガス管の腐食を確実に直接的に把握することができないという問題点を有していた。
【0006】
また、試験片の測定であるため、埋設ガス管に腐食が発生してもその位置を特定するには至らず、埋設ガス管の管理を十分に行うことができないという問題点も有していた。
【0007】
さらに、ガス管を埋設する際に、同時に試験片も埋設しなければならず、またその試験片と測定回路とを接続するケーブルも予め地表まで延出しておかなければならないという手間を要し、この点で労力を要していた。
【0008】
そして、上記のガス配管(埋設ガス管)に対して言えることは、水中や海中の外部からは直視できない種々の配管に対しても同様であり、それらの維持管理も困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、外部からは直視できない配管の腐食や損傷等の欠陥の発生、およびその発生位置を確実に直接的に把握して、その配管の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができる配管診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、土中や水中、海中の配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を診断する配管診断装置において、上記配管の2カ所に配置する、それぞれ先端に電極端子を有する2本のケーブルと、上記2本のケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、上記インピーダンス計測手段の計測結果から配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定する欠陥有無推定手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、上記2本のケーブルは、双方とも配管の近傍に配置するか、双方とも配管に接触させて配置するか、一方は配管に接触させ他方は配管の近傍に配置するかのいずれかである、ことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1または2に記載の発明の構成に加えて、上記インピーダンス計測手段は、配管のインピーダンス周波数特性を求め、そのインピーダンス周波数特性に基づいて配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記した請求項から3の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記インピーダンス計測手段により配管に欠陥があると推定されたとき、2本のケーブルの電極端子の内、一方の位置を固定し、他方を配管に沿って移動させつつインピーダンスを計測し、インピーダンスが最小となるときの他方の電極端子位置に配管の欠陥があると推定する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1から4の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記配管はプラスチック被覆鋼ガス管あるいは防食テープ巻白ガス管である、ことを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、土中や水中、海中の配管の酸化、腐食、損傷の状態を診断する配管診断装置において、上記配管の2カ所に配置する、それぞれ先端に電極端子を有する2本のケーブルと、上記2本のケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、上記インピーダンス計測手段の計測結果から配管の酸化、腐食、損傷の状態を推定する状態推定手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記した請求項6に記載の発明の構成に加えて、上記状態推定手段は、計測して得られたインピーダンスからインピーダンス複素数線図を求め、そのインピーダンス複素数線図に基づいて配管の酸化、腐食、損傷の状態を推定する、ことを特徴としている。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、上記した請求項6または7に記載の発明の構成に加えて、上記配管は白ガス管あるいは亜鉛メッキを施した白ガス管である、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明の配管診断装置では、配管の2カ所に配置したケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測し、その計測結果から配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定するようにしたので、配管の腐食や損傷の発生を確実に直接的に把握することができ、その配管の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができる。
【0019】
また、配管に欠陥があると推定されたとき、2本のケーブルの電極端子の内、一方の位置を固定し、他方を配管に沿って移動させつつインピーダンスを計測し、インピーダンスが最小となるときの他方の電極端子位置に配管の欠陥があると推定するようにしたので、配管の欠陥位置を特定することができ、欠陥位置の特定を簡単に行うことができるとともに、その修復工事等も的確に行うことができる。
【0020】
また、この発明の配管診断装置では、配管の2カ所に配置したケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測し、その計測結果から配管の腐食、損傷の状態を推定するようにしたので、配管の腐食や損傷の発生を確実に直接的に把握することができ、配管の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1はこの発明の配管診断装置による測定の説明図である。この発明の配管診断装置100は、土中や水中、海中の配管20の腐食、損傷等による欠陥部21の有無を診断する装置であり、2本のケーブル1,2と装置本体3とを有している。なお、ここでは、配管20は、土中に埋設されたガス供給用配管(埋設管)であるとする。
【0023】
埋設管20は、プラスチック被覆鋼ガス管あるいは防食テープ巻白ガス管であり、例えば高圧ガス容器91とガスメータ92との間の土中に設けられ、高圧ガス容器91およびガスメータ92の近傍では地表に露出して配管されている。
【0024】
2本のケーブル1,2は、各一端側が上記の装置本体3に電気的に接続され、また各他端側の電極端子1a,2aは埋設管20の2カ所に配置されている。ケーブル1の電極端子1aは、埋設管20のガスメータ92側の地表露出部分22に接触して固定され、ケーブル2の電極端子2aは、土中の埋設管20の近傍に配置されている。
【0025】
装置本体3は、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2a間に交流電圧を印加し電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段31と、このインピーダンス計測手段31の計測結果から埋設管20の腐食、損傷等による欠陥部21の有無を推定する欠陥有無推定手段32とを備えている。
【0026】
このインピーダンス計測手段31および欠陥有無推定手段32は、例えばマイコンを中心に構築され、メモリに格納された本発明に係るソフトウェアに従ってCPUが動作する機能を含めて構成されている。
【0027】
図2は配管診断装置によるインピーダンス計測結果を示す図である。配管診断装置3のインピーダンス計測手段31は、上記のように、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2a間に印加された交流電圧に基づいて、電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測し、図2に示すような、交流電圧の周波数を変化させたときのインピーダンス周波数特性を求める。図2の横軸は周波数、縦軸はインピーダンス絶対値である。
【0028】
このインピーダンス周波数特性において、埋設管20に欠陥がなく正常な場合は、図2の計測線Aに示すように、傾きが略「−1」の左上がりの直線に近い軌跡を描くようになる。一方、埋設管20に腐食、損傷等による欠陥があれば、図2の計測線B,Cに示すように、周波数の低い領域でフラットに近い軌跡を描くようになる。このような軌跡を描くのは概略次のような理由によるものである。
【0029】
図3は埋設管の等価回路を示す図、図4はインピーダンス周波数特性計測の概念を説明するための図である。ここで、埋設管20がプラスチック被覆鋼ガス管であり欠陥を有しているとすると、この埋設管20の等価回路は、浮遊容量(配管診断装置3と埋設管20との間の電気容量)、直列体M、および直列体Nの並列回路となる。ここで、直列体Mは、欠陥がない場合のプラスチック被覆の電気容量CH、および電極端子2aから埋設管20までの最短距離における土壌抵抗RS1が直列に接続されて構成されている。また、直列体Nは、欠陥がある場合のその欠陥部21での分極抵抗RPと欠陥部21の電気容量CPとが並列に接続された並列体N1と、電極端子2aから埋設管20の欠陥部21までの最短距離における土壌抵抗RS2とが直列に接続されて構成されている。
【0030】
そして、インピーダンス周波数特性の計測において、周波数が高い領域では、等価回路の電気容量CHおよび土壌抵抗RS1からなるインピーダンス[{1/(ωCH)}+RS1]が測定され、周波数が低く、(RS2)>[{1/(ωCH)}+RS1]が成立する領域では、欠陥部21に起因する直列体Nによるインピーダンスが測定され、その結果、インピーダンス周波数特性は、図2の計測線B,Cに示すように、周波数の低い領域でフラットに近い軌跡を描くようになる。
【0031】
上記の欠陥有無推定手段32は、計測して得られたインピーダンス周波数特性において、周波数が低い領域、例えば1〜100Hzの間で、インピーダンス絶対値が106Ω以上であれば、埋設管20に欠陥は存在しないと判定し、インピーダンス絶対値が106Ω以下であれば、埋設管20に欠陥が存在すると判定する。
【0032】
埋設管20に腐食、損傷等による欠陥部21が存在すると判定されたとき、その欠陥部21の位置は次のようにして特定する。
【0033】
図5は埋設管の欠陥部位置を特定する場合の説明図である。図の横軸は埋設管の長さ方向での位置を示し、縦軸はインピーダンス絶対値である。埋設管20に欠陥部21が存在すると判定されたとき、図1において、電極端子2aを埋設管20の長さ方向(管路)に沿って、所定間隔(例えば1m間隔や2m間隔)で移動させ、それぞれの位置でインピーダンスを測定する。この場合の周波数は低い値、例えば1〜100Hzの間の一定の値に設定しておく。欠陥部21が存在する場合、低い周波数で測定すると、インピーダンスは電極端子2aと欠陥部21との間の土壌抵抗RS2に支配され、欠陥部21の存在する位置の真上付近に電極端子2aが移動してきたときに、その土壌抵抗RS2は最小となる。したがって、電極端子2aを埋設管20の管路に沿って移動させつつインピーダンスを測定したときに、そのインピーダンス絶対値が最小となる位置(図5のP点)に、欠陥部21が存在していることになる。
【0034】
以上述べたように、この発明の配管診断装置100では、埋設管20の2カ所に配置したケーブル1,2の電極端子1a,2a間に交流電圧を印加し電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測し、その計測結果から埋設管20の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定するようにしたので、埋設管20の腐食や損傷の発生を確実に直接的に把握することができ、その埋設管20の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができる。
【0035】
また、埋設管20に欠陥があると推定されたとき、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2aの内、一方の電極端子1aの位置を固定し、他方の電極端子2aを埋設管20に沿って移動させつつインピーダンスを計測し、インピーダンス絶対値が最小となるときの他方の電極端子2aの位置に埋設管20の欠陥があると推定するようにしたので、埋設管20の欠陥位置を特定することができ、欠陥位置の特定を簡単に行うことができるとともに、その修復工事等も的確に行うことができる。
【0036】
次にこの発明の配管診断装置の第2の実施形態を図6および図7を用いて説明する。
【0037】
図6はこの発明の配管診断装置の第2の実施形態による測定の説明図である。図において、上記の第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
この第2の実施形態における配管診断装置100Aは、白ガス管あるいは亜鉛メッキを施した白ガス管からなる埋設管20の酸化、腐食、損傷の状態を診断する装置であり、この点において、上記の第1の実施形態と相違している。装置本体3Aは、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2a間に交流電圧を印加し電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段31Aと、そのインピーダンス計測手段31Aの計測結果から埋設管20の酸化、腐食、損傷の状態を推定する状態推定手段32Aと、を備えている。
【0039】
この状態推定手段32Aは、計測して得られたインピーダンスからインピーダンス複素数線図を求め、そのインピーダンス複素数線図に基づいて埋設管の酸化、腐食、損傷の状態を推定する。
【0040】
このインピーダンス計測手段31Aおよび状態推定手段32Aは、例えばマイコンを中心に構築され、メモリに格納された本発明に係るソフトウェアに従ってCPUが動作する機能を含めて構成されている。
【0041】
図7は第2の実施形態の配管診断装置によるインピーダンス計測結果を示す図である。配管診断装置3Aのインピーダンス計測手段31Aは、上記のように、2本のケーブル1,2の電極端子1a,2a間に印加された交流電圧に基づいて、電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測し、図7に示すような、交流電圧の値を変化させたときのインピーダンス複素数線図を求める。図7の横軸はインピーダンス実数部、縦軸はインピーダンス虚数部である。
【0042】
このインピーダンス複素数線図において、埋設管20に酸化、腐食、損傷等の欠陥がなく正常な場合は、図7の計測線Xに示すように、緩やかに上昇し緩やかに下降する曲線を描くようになる。一方、埋設管20に酸化が発生していれば、図7の計測線Yに示すように、右肩上がりの略直線の軌跡を描くようになる。また、埋設管20に腐食が発生していれば、図7の計測線Zに示すように、一旦上昇した後急な勾配で下降する軌跡を描き、インピーダンス実数部、インピーダンス虚数部が双方ともに小さな値に留まる結果となる。このように、埋設管20のインピーダンス複素数線図は、埋設管の酸化等の状態に応じて特徴ある軌跡を描く。
【0043】
以上述べたように、この発明の第2の実施形態における配管診断装置100Aでは、埋設管20の2カ所に配置したケーブル1,2の電極端子1a,2a間に交流電圧を印加し電極端子1a,2a間のインピーダンスを計測し、その計測結果から埋設管20の酸化、腐食、損傷の状態を推定するようにしたので、埋設管20の酸化や腐食、損傷の発生を確実に直接的に把握することができ、埋設管の管理を十分に行うことができ、また測定も労力を要さず簡単に行うことができる。
【0044】
なお、上記の説明では配管を土中に埋設されたガス配管であるとしたが、本発明は、ガス配管だけでなく、水中や海中の種々の配管に対しても同様に適用することができる。水中や海水中の場合は、土壌抵抗を水や海水の抵抗値に置換することで、同様の結果が得られた。
【0045】
また、ガス配管だけでなく、灯油タンクやガソリンタンク、水タンク等から延出され埋設された配管に対しても、同様に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の配管診断装置による測定の説明図である。
【図2】配管診断装置によるインピーダンス計測結果を示す図である。
【図3】埋設管の等価回路を示す図である。
【図4】インピーダンス周波数特性計測の概念を説明するための図である。
【図5】図5は埋設管の欠陥部位置を特定する場合の説明図である。
【図6】この発明の配管診断装置の第2の実施形態による測定の説明図である。
【図7】第2の実施形態の配管診断装置によるインピーダンス計測結果を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ケーブル
1a 電極端子
2 ケーブル
2a 電極端子
3 装置本体
3A 装置本体
20 埋設管
21 欠陥部
22 地表露出部分
31 インピーダンス計測手段
31A インピーダンス計測手段
32 欠陥有無推定手段
32A 状態推定手段
91 高圧ガス容器
92 ガスメータ
100 配管診断装置
100A 配管診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土中や水中、海中の配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を診断する配管診断装置において、
上記配管の2カ所に配置する、それぞれ先端に電極端子を有する2本のケーブルと、
上記2本のケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、
上記インピーダンス計測手段の計測結果から配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定する欠陥有無推定手段と、
を備えることを特徴とする配管診断装置。
【請求項2】
上記2本のケーブルは、双方とも配管の近傍に配置するか、双方とも配管に接触させて配置するか、一方は配管に接触させ他方は配管の近傍に配置するかのいずれかである、請求項1に記載の配管診断装置。
【請求項3】
上記インピーダンス計測手段は、配管のインピーダンス周波数特性を求め、そのインピーダンス周波数特性に基づいて配管の腐食、損傷等による欠陥の有無を推定する、請求項1または2に記載の配管診断装置。
【請求項4】
上記インピーダンス計測手段により配管に欠陥があると推定されたとき、2本のケーブルの電極端子の内、一方の位置を固定し、他方を配管に沿って移動させつつインピーダンスを計測し、インピーダンスが最小となるときの他方の電極端子位置に配管の欠陥があると推定する、請求項1から3の何れかに記載の配管診断装置。
【請求項5】
上記配管はプラスチック被覆鋼ガス管あるいは防食テープ巻白ガス管である、請求項1から4の何れかに記載の配管診断装置。
【請求項6】
土中や水中、海中の配管の酸化、腐食、損傷の状態を診断する配管診断装置において、
上記配管の2カ所に配置する、それぞれ先端に電極端子を有する2本のケーブルと、
上記2本のケーブルの電極端子間に交流電圧を印加し電極端子間のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、
上記インピーダンス計測手段の計測結果から配管の酸化、腐食、損傷の状態を推定する状態推定手段と、
を備えることを特徴とする配管診断装置。
【請求項7】
上記状態推定手段は、計測して得られたインピーダンスからインピーダンス複素数線図を求め、そのインピーダンス複素数線図に基づいて配管の酸化、腐食、損傷の状態を推定する、請求項6に記載の配管診断装置。
【請求項8】
上記配管は白ガス管あるいは亜鉛メッキを施した白ガス管である、請求項6または7に記載の配管診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−313098(P2006−313098A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135565(P2005−135565)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係わる特許出願(平成14年度、通商産業省、石油ガス供給事業安全管理技術開発・指導普及事業(技術開発事業)に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000168643)高圧ガス保安協会 (92)
【Fターム(参考)】