説明

配線コードの固定構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シート

【課題】便座本体から導出され、便座設置部内の制御部に接続される配線コードによる便座設置部内の機器への干渉を防ぐ、配線コードの固定構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シートを提供する。
【解決手段】便座設置部30に回動自在に支持される便座本体34に内設される電気機器に関連して、該便座本体から導出され、該便座設置部内の制御部32eに接続される配線コード20を、挟持するようにして、折り返した絶縁樹脂シート10を、該便座設置部内に固着させた構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線コードの固定構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シートに関し、詳しくは、便座本体から導出される配線コードを絶縁樹脂シートを使用し、便座設置部内に固定する構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時において、洋風便器装置は、種々の機能を備えたものが提供されており、例えば、便座本体の着座面を暖房する機能を備えたものが知られている。
このような暖房機能を備えたものでは、便座本体に内設されるヒーターやサーミスタなどの電気機器に関連して、便座本体から導出され、便座本体を枢支する便座設置部内の制御部に接続される配線コードが、便座本体と便座設置部との間に介在している。
便座本体は、立姿にて使用する場合や清掃等の際に開閉されるものであるが、前記した配線コードも、便座本体の開閉動作に従って、姿勢変形、揺動可能な構成とされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、このような暖房機能を備えた暖房便座が提案されている。該特許文献1では、便座本体の側部から導出された配線コードを、暖房便座装置の制御部や各種装置等を収納したケーシング(便座設置部)の側部に接続しており、ケーシングへの配線コードの接続は、図6に示すように、ケーシング1に、配線コード2の周面に設けたブッシュ3が固定される固定座4を設け、接続固定される構成とされている。また、ブッシュ3の固定フランジ3aの端面には配線コード2の軸線方向に突き出る平板状の補助ブロック5が形成されており、補助ブロック5の上端に、固定座4への嵌合方向を規制するストッパ6が図示のように形成されている。
【特許文献1】実公平7−10640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、前記のような構成とすることで、配線コードをケーシングの側部に固着し、規制しているが、このものでは、配線コードが、便座本体の側部とケーシングの側部とに、それぞれ固着されているので、便座本体の開閉動作をスムーズに行うため、また配線コードの断線を防ぐために、便器本体外部に露出する配線コードを長くする必要があり、デザイン上好ましくないものであった。
便器本体外部に露出する配線コードを短くするには、便座本体の開閉動作に従って姿勢変形、揺動する配線コードを、便座設置部の側部に固着させずに、便座設置部内で姿勢変形、揺動可能、すなわち、便座本体の開閉動作に従って便座設置部から配線コードが導出入可能となるように便座設置部内に固定保持することが考えられるが、前記したように便座設置部内には、各種装置や制御部などの機器が収納されており、便座設置部内に姿勢変形、揺動可能に配線コードを固定保持すると、便座本体の開閉動作に従って姿勢変形、揺動する配線コードが便座設置部内の機器に干渉する恐れがあった。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するために提案されたもので、便座本体から導出され、便座設置部内の制御部に接続される配線コードによる便座設置部内の機器への干渉を防ぐ、配線コードの固定構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の配線コードの固定構造は、便座設置部に回動自在に支持される便座本体に内設される電気機器に関連して、該便座本体から導出され、該便座設置部内の制御部に接続される配線コードを、挟持するようにして、折り返した絶縁樹脂シートを、該便座設置部内に固着させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2では、請求項1において、前記絶縁樹脂シートは、折り返された際に、前記配線コードを導出する配線コード導出口を形成する切り込み部が形設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3では、請求項1又は2において、前記絶縁樹脂シートは、前記便座設置部内に配設された回路基板の表面を覆うようにして該便座設置部内に固着されることを特徴とする。
【0009】
請求項4では、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記配線コードは、前記便座本体の回動支点から導出されるものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の洋風便器装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線コードの固定構造を用いたものである。
【0011】
請求項6に記載の絶縁樹脂シートは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線コードの固定構造において使用するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至4に記載の配線コードの固定構造によれば、配線コードを、挟持するようにして、折り返した絶縁樹脂シートを、便座設置部内に固着させているので、便座本体の開閉動作に従って、便座設置部内で姿勢変形、揺動する配線コードによる便座設置部内の機器への干渉を防ぐことができる。
【0013】
請求項2では、絶縁樹脂シートには、折り返された際に配線コードを導出する配線コード導出口を形成する切り込み部を形設しているので、配線コード導出口を略中心として配線コードの姿勢変形、揺動を規制することができ、単に絶縁樹脂シートを折り返して、その間に配線コードを挟持するものと比し、配線コードの姿勢変形、揺動に対して柔軟に対応できるものとなる。
【0014】
請求項3では、絶縁樹脂シートを、便座設置部内に配設された回路基板の表面を覆うようにして便座設置部内に固着しているので、絶縁樹脂シートを回路基板の保護にも兼用でき、部品点数の削減が可能となる。
【0015】
請求項4では、配線コードを便座本体の回動支点から導出されるものとしているので、便座本体の側部等から導出されるものと比し、便座設置部内での配線コードの姿勢変形、揺動が、少なく、絶縁樹脂シートを小さく形成することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の洋風便器装置によれば、便座設置部に回動自在に支持される便座本体に内設される電気機器に関連して、便座本体から導出され、便座設置部内の制御部に接続される配線コードを、挟持するようにして、折り返した絶縁樹脂シートを、便座設置部内に固着させているので、便座本体の開閉動作に従って、便座設置部内で姿勢変形、揺動する配線コードによる便座設置部内の機器への干渉を防ぐことができるものとなる。
【0017】
請求項6に記載の絶縁樹脂シートによれば、便座設置部に回動自在に支持される便座本体に内設される電気機器に関連して、便座本体から導出され、便座設置部内の制御部に接続される配線コードを、挟持するようにして、折り返して、便座設置部内に固着されて使用されるので、便座本体の開閉動作に従って、便座設置部内で姿勢変形、揺動する配線コードによる便座設置部内の機器への干渉を防ぐことができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1乃至図5は、本実施形態に係る配線コードの固定構造及びこれを用いた洋風便器装置並びにこれに使用する絶縁樹脂シートを示し、図1は、本実施形態の絶縁樹脂シート及び便座本体の実施形態の一例を示す概略裏面図、図2(a)乃至(f)は、絶縁樹脂シートを用いた配線コードの取付要領とその固定構造を説明する図、図3は、配線コードの固定構造を用いて配線コードを便座設置部内に固定した状態を示す概略裏面図、図4は、洋風便器装置の要部分解斜視図、図5は、洋風便器装置の概略斜視図である。
【0019】
図5に示す洋風便器装置Aでは、便器本体の後部に水洗タンクを備えていない、水道配管直結方式、いわゆるタンクレスタイプのものを図示しているが、水洗タンクを備えたものにも本発明の適用が可能であり、また、便蓋・便座設置部30は、便器本体と一体的に組み付けられるものを図示しているが、後付けあるいはオプションとして取付けられる、いわゆる暖房機能付の温水洗浄便座装置にも本発明の適用が可能である。
【0020】
洋風便器装置Aは、図4及び図5に示すように、ボウル部36と、ボウル部36の上端に周設されたリム部37と、ボウル部36の外周に形設されたスカート部38と、後述する各種装置や制御部32eを内蔵する便蓋・便座設置部30と、便蓋・便座設置部30に回動自在に支持された便座本体34及び便蓋35と、スカート部38の後方にボウル部36からの汚物や水洗用水を排出する際に作動させるトラップ部(不図示)などを内包するサイドカバー39を備えている。
【0021】
便蓋・便座設置部30は、下ケース33と、下ケース33に結合される上ケース31と、下ケース33及び上ケース31に配設され、各種装置や制御部32eから構成される装置ユニット32とで構成されている。
装置ユニット32は、人体の局部を洗浄するおしり洗浄ノズルやビデ洗浄ノズルを備えた局部洗浄装置32a、人体の局部を乾燥する乾燥装置32b、ボウル部36内の空気を脱臭する脱臭装置32c、リム部37への水洗用水を給水する給水ユニット32d、各種装置の作動状態を表示するLED32f、人体の在、不在を検知する人体検知センサ32g、着座を検知する着座センサ32h、トイレ室内に配設された各種装置の操作スイッチを備えるリモコン(不図示)との各種信号の送受信を無線により可能にする赤外線センサ32i、後述する配線コード20が接続され、便座本体34に内設された便座の暖房機能を構成するヒーター(不図示)や便座の温度を検知するサーミスタ(不図示)及び前記各種装置などを制御する制御部32eなどから構成されている。
【0022】
上ケース31は、便座枢軸34aと上ケース軸受け部31a、便座軸受け部34bと上ケース枢軸31bとをそれぞれ枢着して便座本体34を回動自在に支持し、便蓋軸受け部35aと上ケース枢軸31c、便蓋軸受け部35bと上ケース枢軸31dとをそれぞれ枢着して便蓋35を回動自在に支持している(図1も参照)。
また、便座本体34及び便蓋35は、それぞれ上ケース31、すなわち便蓋・便座設置部30から清掃等の際に着脱可能に構成され、便座軸受け部34b、便蓋軸受け部35bには、上ケース枢軸31b、31dとの枢着を規制・解除するロック機構(不図示)が備えられている。
【0023】
前記のように構成された洋風便器装置Aでは、人体検知センサ32gが、人体の在、すなわち、トイレ室内への使用者の入室を検知すると、便座本体34に内設されているヒーターを作動し、サーミスタからの検知温度信号に基づいてヒーターへの通電制御を行い、便座の温度調整を行う。
着座センサ32hが、着座を検知すると脱臭装置32eを作動し、ボウル部36内に臨む吸気口からボウル部36内の空気を吸い込み脱臭する。
使用者がリモコンの局部洗浄装置作動ボタンを押下げると、局部洗浄装置32aを作動し、リム部37後方側壁に開口しボウル部36内に臨むノズル出入口37aから作動ボタンに応じたノズルを突き出し、洗浄水を噴出させる。
また、使用者がリモコンの乾燥装置作動ボタンを押下げると、乾燥装置32bを作動し、リム部37後方側壁に開口しボウル部36内に臨む温風吐出口37bからボウル部36内へ加熱手段(不図示)で加熱された温風を吐出し、人体の局部を乾燥する構成としている。
人体検知センサ32gが人体の不在を検知すると、脱臭装置32cの作動を停止し、給水ユニット32d、トラップ部を作動し、リム部37への給水を行い、ボウル部36に排泄された汚物の排出を行う。
尚、暖房機器、局部洗浄装置32a、乾燥装置32b、脱臭装置32cなどの各種装置や各種センサの具体的構成は省略するが、公知のものが適用可能である。
【0024】
次に、本実施形態の絶縁樹脂シート10、配線コード20を図1に基づいて詳述する。
配線コード20は、便座本体34の便蓋・便座設置部30に枢着される回動支点、すなわち、中空に形成された便座枢軸34aから導出されており、便座本体34に内設されているヒーター、例えば電熱線、ランプヒーターなどと接続されるヒーター用配線21、21と、便座本体34に内設され、便座の温度を検知するサーミスタに接続されるサーミスタ用配線22、22と、便座本体34内の電気機器をアースするアース線23とで構成されている。
これら配線コード21、22、23は、結束筒25と、結束筒25の便座本体34側に連結され、可撓性部材で構成されたコルゲートチューブ26とに内装されており、結束筒25とコルゲートチューブ26との間からは、便座本体34内に一端が固着され、清掃等の際の便座本体34の着脱の際に、各配線コード21、22、23等の制御部32eからの抜脱を防止する抜脱防止ワイヤ24が導出されている。
抜脱防止ワイヤ24の長さは、後述する仮留め突起11cに他端が固着された状態で、便座本体34を上ケース31から脱離させた際に、配線コード20が上ケース軸受け部31aからコルゲートチューブ26の長さ以上に露出しないような長さとされている。
尚、配線コード20の構成は、前記で例示したものに限らず、便座本体34に内設される暖房機器や電気機器に応じて構成される。また、配線コード20の導出を便座本体34の回動支点とせず、便座本体34の裏面や側部などから導出させる構成としてもよい。
【0025】
絶縁樹脂シート10は、可撓性樹脂材、例えば、PET(ポリエチレンテレンテレフタレート)などから構成され、図1に示すように、略矩形状に形成されており、その上辺中央左寄りから略中央に向けて切り込み部14が形設され、その左辺略中央に後述する配線コード20の固定の際に、折り返しを容易にする凹み部15が形設され、上ケース31への固着の際に、後述する仮留め突起11cや各ネジを挿通する挿通孔11a、11d、12a、13a、13dが適所に開設されている。
【0026】
切り込み部14は、上辺中央左寄りの切り込み始点14fから分岐点14a直前まで略真っ直ぐに切り込まれ、分岐点14aから以遠、すなわち絶縁樹脂シート10の中央側は、切り込み第1終点14bから切り込み第2終点まで逆S字を描くように切り込まれて形設されており、この逆S字を描くように切り込まれた部分が配線コード導出口14gを構成し、また、この逆S字により配線コード押え片14d、14eが形成されている。
尚、絶縁樹脂シート10は、可撓性のものに限らず、折り返して配線コード20を挟持可能なものであればどのようなものでもよく、また、その形状も略矩形状に限らず、その切り込み部14の形状も前記したものに限られず、さらに、切り込み部14を形設しない構成としてもよい。
また、前記では説明を容易とするために、絶縁樹脂シート10の上辺、左寄り、左辺は、図1における紙面上の方向を指して説明している。
【0027】
次に、前記のような構成とされた絶縁樹脂シート10を用いた配線コード20の固定構造を図2及び図3に基づいて詳述する。
まず、図2(a)に示すように、絶縁樹脂シート10でLED基板32fa及び人体検知センサ基板32gaの表面を覆うようにして、絶縁樹脂シート10の仮留め突起第1挿通孔11aを、上ケース31から突設され、ネジ切された仮留め突起11cに挿通させる。次いで、上ケース31に穿設されたネジ穴12c(図1参照)と、ネジ挿通孔12aとを重合させてネジ12bを螺入し、上ケース31に絶縁樹脂シート10を仮固着させる。
次に、図2(b)、(c)に示すように、上ケース31側壁に開口した上ケース軸受け部31aから配線コード20を導入し、切り込み部14に配線コード20を挟入させる。
【0028】
次いで、図2(d)、(e)、(f)に示すように、絶縁樹脂シート10の自由端(紙面左側)を、切り込み部14線上に沿って折り返し、仮留め突起第2挿通孔11dを仮留め突起11cに挿通させ、上ケース31に穿設されたネジ穴13c(図1参照)と、ネジ挿通孔13a及び13dとを重合させ、ネジ13bを螺入する。次いで、仮留め突起11cのネジ切穴と抜脱防止ワイヤ24先端のネジ挿通孔24aとを重合させてネジ11bを螺入し、上ケース31に、絶縁樹脂シート10を、絶縁樹脂シート10に挟持された配線コード20とともに固着させる。
この状態で、配線コード導出口14gから配線コード20が導出した状態となり、配線コード20が上ケース31内に固定される。
尚、前記したように、絶縁樹脂シート10には、凹み部15を形設しているので、折り返しを容易にできる、すなわち、絶縁樹脂シート10の復元反力を、凹み部15により低減できるので、容易に折り返すことができる。
また、配線コード導出口14gから導出された配線コード20は、切り込み部14に形成された、配線コード押え片14d、14eの復元反力で、その姿勢変形、揺動が規制される。
【0029】
前記のように配線コード20を絶縁樹脂シート10で挟持するようにして固定した後に、便座本体34を、上ケース31に枢着する場合は、配線コード20を、更に、上ケース31内に導入し、上ケース軸受け部31aに便座枢軸34aを嵌め込み、便座受け部34bのロック機構を解除し、上ケース枢軸31bと便座受け部34bとを枢着させることによりなされ、図3に示すように、上ケース31に便座本体34が回動自在に支持される。
また、このように上ケース31内に固定された各配線コード21、22、23を制御部32eの適所に接続して、便座本体34の各電気機器への通電・制御がなされる。
【0030】
前記のような配線コード20の固定構造、絶縁樹脂シート10の構成、洋風便器装置Aによれば、便座本体34の開閉動作に従って、便蓋・便座設置部30内で姿勢変形、揺動する配線コード20による便蓋・便座設置部30内の各種機器や各種基板への干渉を防ぐことができる。
また、絶縁樹脂シート10には、折り返された際に配線コード20を導出する配線コード導出口14gを形成する切り込み部14を形設しているので、配線コード導出口14gを略中心として配線コード20の姿勢変形、揺動を規制することができ、単に絶縁樹脂シートを折り返して、その間に配線コード20を挟持するものと比し、配線コード20の姿勢変形、揺動に対して柔軟に対応できるものとなる。
すなわち、配線コード20は、便座本体34が開閉作動すると、それに従い便座枢軸34a近傍では、その周方向に回動し、絶縁樹脂シート10に挟持された部分は、絶縁樹脂シート10の配線コード導出口14gから折り返された部分に沿って、捩れや長手方向へ摺動するが、絶縁樹脂シート10により、その姿勢変形、揺動を規制することができる。
また、本実施形態のように、便座本体34を便蓋・便座設置部30から清掃等の際に着脱可能な構成としているものでは、便座本体34の着脱に伴う、配線コード20による便蓋・便座設置部30内の各種機器や各種基板への干渉も防ぐことができる。
【0031】
さらに、絶縁樹脂シート10を、便蓋・便座設置部30内に配設されたLED基板32fa、人体検知センサ基板32gaの表面を覆うようにして便蓋・便座設置部30内に固着しているので、絶縁樹脂シート10をLED基板32fa、人体検知センサ基板32gaの保護にも兼用でき、部品点数の削減が可能となる。
さらにまた、配線コード20を便座本体34の回動支点、すなわち便座枢軸34aから導出されるものとしているので、便座本体34の側部等から導出されるものと比し、便蓋・便座設置部30内での配線コード20の姿勢変形、揺動が、少なく、絶縁樹脂シート10を小さく形成することが可能となるとともに、通常の使用状態においては、便器外部へ配線コード20が露出されないので、デザイン上も好ましいものとなる。
【0032】
尚、本実施形態では、絶縁樹脂シート10を一箇所に設けたものを例示しているが、2箇所以上に設けてもよく、また、絶縁樹脂シート10により表面が覆われる回路基板の種類や場所も前記したものに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る絶縁樹脂シート及び便座本体の実施形態の一例を示す概略裏面図である。
【図2】(a)乃至(f)は、絶縁樹脂シートを用いた配線コードの取付要領とその固定構造を説明する図である。
【図3】本発明に係る配線コードの固定構造を用いて配線コードを便座設置部内に固定した状態を示す概略裏面図である。
【図4】本発明に係る洋風便器装置の要部分解斜視図である。
【図5】本発明に係る洋風便器装置の概略斜視図である。
【図6】従来の配線コードの固定構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 絶縁樹脂シート
14 切り込み部
14g 配線コード導出口
20 配線コード
30 便蓋・便座設置部(便座設置部)
32e 制御部
32fa LED基板(回路基板)
32ga 人体検知センサ基板(回路基板)
34 便座本体
34a 便座枢軸(回動支点)
A 洋風便器装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座設置部に回動自在に支持される便座本体に内設される電気機器に関連して、該便座本体から導出され、該便座設置部内の制御部に接続される配線コードを、挟持するようにして、折り返した絶縁樹脂シートを、該便座設置部内に固着させたことを特徴とする配線コードの固定構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記絶縁樹脂シートは、折り返された際に、前記配線コードを導出する配線コード導出口を形成する切り込み部が形設されていることを特徴とする配線コードの固定構造。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記絶縁樹脂シートは、前記便座設置部内に配設された回路基板の表面を覆うようにして該便座設置部内に固着されることを特徴とする配線コードの固定構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記配線コードは、前記便座本体の回動支点から導出されるものであることを特徴とする配線コードの固定構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線コードの固定構造を用いた洋風便器装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線コードの固定構造において使用する絶縁樹脂シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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