説明

配線体、配線体の配設構造、および電子機器

【課題】 一体化成形用の複雑な金型を用いることなく、また金型を用いる場合は、高精度の寸法制御が不要な部品に限定して、安価かつ迅速に、電子機器の筐体内外にわたって配線しながら防水性を得ることができる配線体、配線体の配設構造、および電子機器を提供する。
【解決手段】 筐体の貫通部Hに通され、該筐体の内外にわたって配設される配線体10であって、平板状のFPC21と、FPC21と貫通部Hとの間をシールする、FPCとは別体のシール装置15とを備え、シール装置が、FPC21に取り付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線体、配線体の配設構造、および電子機器に関し、より具体的には、携帯電話等の電子機器に組み込まれて防水作用または防塵作用を奏する配線体、配線体の配設構造、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノート型パソコン等は、ヒンジ等で連結された2つの筐体間にフレキシブルプリント配線板等の配線体を架け渡す構造が用いられる。近年、これら電子機器に防水性が求められる趨勢にあるが、とくに携帯電話は、プールやバスルーム等での使用機会が増えるに伴い、防水性を備えることが必要とされる。この目的のために、2つの筐体にわたるフレキシブルプリント配線板等の配線部材にシール部を射出成形によって熱圧着しながら形成し、各筐体の挿入口に水密に嵌め合わせる配線部材一体型ガスケットが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3127071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシール部またはパッキン部分は、しかしながら、水密性を保持するため、いずれも精密な金型を用いた射出成形加工が必要である。また、上記の配線部材一体型ガスケットのように、配線部材を金型にセットしておき、樹脂を射出して一体化成形する場合は、金型が複雑になり、かつ製造条件および材料選択に関する制約が増え、製造の難易度が高い。製造条件については、圧力、温度等が高すぎると配線部材を傷め、圧力、温度等が低すぎると配線部材と樹脂とが密着せず、防水作用を得ることができない。このため、圧力、温度等の制御を厳格に行う必要がある。さらに配線部材と樹脂とについて、相互の密着性が高い材料を選択しなければならず、材料選択の制約も大きい。携帯電話は季節ごとにモデル変更を行うことが多く、金型の変更も頻繁に行われる。さらに、金型の製作には所定のリードタイムを必要として、緊急的な注文に対する迅速な出荷をすることができない。携帯端末等では、一つの金型による製造は短期間であり、その製造個数は十分多くなく、製造コストに占める金型費用の比率が高くなる傾向にある。このため、一体化成形用の複雑な金型を用いることなく、十分な防水性を得ることができる、配線体の配設構造の開発が要求されている。
電子機器において、2つの筐体間に限らず、一般に、1つの筐体内の配線基板等に筐体外からフレキシブルプリント配線板等の配線体によって信号を伝達する場合にも、当然、防水性を求められる場合がある。このような1つの筐体内に配線する場合にも、一体化成形用の複雑な金型を用いないで、防水性を確保しながら配線体の配設構造を設けることが要求される。一体化成形用の複雑な金型の要不要は、シール装置が配線部材と別体かどうかによって判断することができる。
【0005】
本発明は、一体化成形用の複雑な金型を用いることなく、一般的な金型を用いて安価かつ迅速に、防水性または防塵性を得ることができる、配線体、配線体の配設構造、および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線体は、筐体の貫通部に通され、該筐体の内外にわたって配設される配線体であって、平板状の配線部材と、配線部材と貫通部との間をシールする、配線部材とは別体のシール装置とを備え、シール装置が、配線部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、シール装置は配線部材とは別の物として準備して、配線部材に取り付ける。このため、配線部材を含んだ形態で樹脂を射出成形するような一体化成形加工は不要なので、一体化成形用の複雑な金型は不要である。また、製造条件、材料選択の制約も少なくなる。この結果、設計から製造までの期間を短縮して、防水性の配線体を得ることができる。上述のように、別体とは、シール装置は配線部材とは別個に製造されたものであり、一体成形加工物ではないことを意味する。
【0008】
上記のシール装置がゴム弾性を持つ成形品であり、配線部材に接着されることができる。これによって、配線部材とは別個の成形品を、簡易な金型を用いて、容易に量産することができる。配線部材に取り付けられるゴム弾性を持つ成形品は、貫通部の寸法より少しプラス側にあれば、その寸法について許容範囲は広い。また、貫通部をふさぐ簡単な形状の場合が多い。このため、高精度金型は不要である。ゴム弾性を持つ成形品はシール作用を奏するので、別にシール部材を必要としない。この結果、安価な防水性の配線体を得ることができる。また、製造工程も非常に簡単である。なお、接着には、防水性接着剤、防水性両面接着テープ等を用いることができる。
【0009】
上記のシール装置が、Oリング状部分と板状部とが一体成形加工された成形品であり、配線部材に接着されている構造をとることができる。これによれば、シール装置である一体成形加工品内のOリング状部分が確実なシール作用を奏する。製造上、一体化成形用の複雑な金型が不要であることは上記の成形品と同じである。このため、堅固なシール作用を得ながら、安価な配線体を得ることができる。
【0010】
上記の成形品は、配線部材が挿通する一つの部材か、または配線部材を上下から挟む二つの部材からなり、配線部材および成形品には、当該配線部材と成形品との相互の位置ずれを防止するための係合部を設けることができる。これによって、配線部材におけるシール装置の確実な位置取りを実現することができ、電子機器への本配線体の装着を確実に遂行することができ、かつ、それによって確実な防水作用および防塵作用を得ることができる。係合部には、位置決め孔、位置決めピンまたは突起、相互に係合する凹部と凸部、などを挙げることができる。
【0011】
上記の成形品の硬さを、デュロメータによる硬さタイプA(JIS K 6253)で、20〜80の範囲とすることができる。上記硬さが20未満の場合、変形が容易に生じ、日常的な衝撃等によって貫通部との間に隙間を生じて防止性が劣化する。一方、上記硬さが80を超えると、弾性変形が生じにくく、貫通部の内壁への密着性が不十分となり、安定した防水性を得ることができない。
【0012】
成形品で形成されない場合、上記シール装置は、配線部材の少なくとも一方の面に接着された補強板または成形板と、リング状または筒状のシール部材とで、形成されており、配線部材、補強板または成形板の少なくとも一つに、配線部材と、補強板または成形板と、シール部材との相互の位置ずれを防止するための係合部が設けられている構成をとることができる。これによれば、配線部材と、補強板または成形板と、シール部材との、相互間の積層ずれを抑止することができ、防水性等を向上することができ、かつ、配線体の組み立て作業の能率向上も得ることができる。係合部としては、位置決め孔、位置決めピンまたは突起、相互に係合する凹部と凸部、平板体の側部への凹状切れ込みなどを挙げることができる。補強板は厚みが一定なため、側部の切れ込みが主であるが、成形板の場合は、係合部として、厚み方向の自由度があるので、表面にOリングを安定係合する窪みや、凸部堤をもつ溝などを形成することができる。また、配線部材に接着された補強板等の係合部にOリング等を係合させて、Oリング等のずれを防止することができる。なお、補強板は、市販の樹脂板(シート)等から所定の平面形状を、打ち抜き等によって加工したものである。成形板は、一般的な金型を用いて樹脂原料を板状体に成形加工したものである。成形板は、したがって、配線部材に接着される部分は平面状であるが、その他の部分は任意形状に加工することができる。また、成形板と成形品との相違は、成形品がシール面やOリング状部分などのシール部分を持つのに対して、成形板はシール部分を含まない点にある。
【0013】
成形品で形成されない場合かつ補強板等で形成されない場合、上記のシール装置が、リング状シール部材であり、配線部材に、リング状シール部材を係合するための係合部が設けられている構成をとることができる。これによれば、配線部材の側部に切れ込みや、溝等の係合部を形成して、その係合部にOリング等を係合させてずれを防止することができる。配線部材の係合部としては、U溝、引っ込み凹部、出っ張り凹部、開口部などがある。
【0014】
上記のいずれかの配線部材、いずれかの成形品、または補強板もしくは成形板に、筐体内における当該配線体の位置決めをするための位置決め部、が設けられている構成をとることができる。これによって、配線部材、成形品または補強板もしくは成形板に形成された、位置決め用の、切れ込み、小孔、突起、ピンなどを用いて、配線体の筐体への組み込みに際しての位置決め、仮止め、または組み込んだ後、位置や姿勢を保持するための強度補強をすることができる。また、位置決め部を用いて、配線部材、成形品または成形板もしくは補強板を積層することができ、これによって積層ずれが小さくなり、防水性または防塵性を向上することができる。
【0015】
上記の配線部材をフレキシブルプリント配線板とすることができる。これによって、配線部材を長手方向に沿って容易に曲げ変形することができ、防水性を確保しながら、複雑な配線を形成することができる。
【0016】
本発明の配線体の配設構造は、上記のいずれかの配線体が、貫通部に通され、シール装置が貫通部の内壁に防水性を得るように密着している構造とすることができる。これによって、リードタイムが短く、組み立てが容易な、防水性および防塵性の配線体配設構造を得ることができる。
【0017】
本発明の電子機器は、防水性または防塵性の電子機器であって、上記のいずれかの配線体を用いたことを特徴とする。これによって、頻繁なモデルチェンジがあっても追随して、防水性または防塵性の携帯情報端末等を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の配線体等によれば、一般的な金型を用いて、寸法制御が厳しくない部品に限定して、安価かつ迅速に、防水性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯端末(電子機器)を示す斜視図である。
【図2】図1の携帯端末のヒンジ軸線に直交する断面図である。
【図3】図2の携帯端末の配線体を示す斜視図である。
【図4】図3の配線体のシール装置部分の横断面図であり、(a)は成形品が継ぎ目を有しない筒体、(b)は継ぎ目が一つの筒体、(c)は継ぎ目が2つの筒体、の場合を示す。
【図5】図4の各種筒体に共通の図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は変形例を示す平面図、である。
【図6】図4のシール装置において、成形品の継ぎ目に接着剤を配置しない断面構造を示す図であり、(a)および(c)は、継ぎ目に接着剤を用いないで隙間をあけた場合、(b)および(d)は、FPCの側端部に対応する成形品の部分を除去して、隙間を大きくした場合である。
【図7】実施の形態1の変形例1の配線体の分解斜視図である。
【図8】図7の配線体を示し、(a)は平面図、(b)は当該平面図におけるVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。
【図9】実施の形態1の変形例2の成形品を示し、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。
【図10】実施の形態1の変形例3の成形品を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。
【図11】本発明の実施の形態2における配線体を示す斜視図である。
【図12】図11の配線体のシール装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図、(c)は縦断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3における配線体を示す斜視図である。
【図14】図13の配線体を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はXIVB−XIVB線に沿う断面図、(c)は、FPC21の平面図、(d)は成形板4の平面図である。
【図15】実施の形態3の変形例1の配線体のシール装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は(a)のXVC−XVC線に沿う断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3の変形例2の配線体のシール装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する横断面図、(c)は縦断面図である。
【図17】本発明の実施の形態4における配線体を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はXVIIB−XVIIB線に沿う断面図、(c)はFPCの平面図、(d)は補強板の平面図である。
【図18】実施の形態4の変形例1における配線体を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する線に沿った横断面図、(c)はFPCの平面図、(d)は補強板の平面図である。
【図19】実施の形態4の変形例2における配線体を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する横断面図、(c)は(a)のXIXC−XIXC線に沿う断面図である。
【図20】図19のシール装置のOリング装着前の図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図である。
【図21】実施の形態4の変形例3を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリング13を環状に二分割する横断面図である。
【図22】本発明の実施の形態5における配線体のシール装置の部分を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを二分割する横断面図である。
【図23】Oリングを装着する前のFPCを示す平面図である。
【図24】Oリング装着前のFPCを示す図であり、(a)は係合部の底(幅端)位置が、残余の部分の幅端位置と揃っているFPC、(b)は底位置が、残余の部分の幅端位置よりも内側に位置するFPC、を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1−Oリング状シール部付き成形品−)
図1は、実施の形態1における携帯端末(電子機器)を示す斜視図である。携帯端末50は、入力部54と、その入力部54とヒンジ55によって連結される表示部53とを備える。入力部54と表示部53とは、ヒンジ55を軸として回転することにより開閉可能となっている。表示部53にはLCD(Liquid Crystal Display)を用いた表示画面56が設けられている。表示部53の表示画面56より上方(ヒンジ55から遠ざかる方向)にスピーカ58が設けられている。入力部54には、電話番号やアルファベットなどの記号を入力するための入力キー57が複数個配置されている。また、入力部54から見て、ヒンジ55と反対側の端にマイク59が配置されている。
【0021】
図2は、図1に示す携帯端末50のヒンジ55の軸線に直交する断面図である。この携帯電話50には、入力部54に位置する入力部筐体41と、表示部53に位置する表示部筐体31とが設けられ、両者はヒンジ55によって連結されている。入力部筐体41は、互いに連結された第1筐体41aと第2筐体41bとを有しており、第1筐体41aと第2筐体41bとの間に貫通部Hが設けられている。同様に、表示部筐体31は、互いに連結された第1筐体31aと第2筐体31bとを有しており、第1筐体31aと第2筐体31bとの間に貫通部Hが設けられている。
入力部筐体41には、携帯電話の入力部基板45が収納され、また表示部筐体31には、表示部基板35が収納されている。入力部基板45において入力された情報は、配線部材21を経て、表示部基板35に届けられる。配線部材21は、ヒンジ55の軸を回って、入力部筐体41の内部と表示部筐体31の内部とを接続するように配置されている。入力部筐体41の入力部基板45が収納されている空間は、配線部材挿入口である貫通部H以外の部分は、実質的に封鎖されている。また、表示部筐体31の表示部基板35が収納されている空間は、貫通部H以外の部分は、実質的に封鎖されている。
表示部53および入力部54の貫通部Hは、両方とも、配線部材21が通っているが、配線部材21には、配線部材21とは別部材のシール装置15が取り付けられている。シール装置15/配線部材21の間は防水性を有し、かつ、シール装置15/貫通部Hの間も防水性を有する。このため、両方の貫通部Hは、配線部材21を通しながら、防水性の蓋をされることになる。水中等に入れられた場合、水が表示部基板35の収納空間、および入力部基板45の収納空間への水の侵入は完全に防止される。
【0022】
図3は、配線体10を示す斜視図である。配線部材21は、本実施の形態では、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略記する)であり、端に端子部25a,25bを有している。FPC21に取り付けられるシール装置15は、本実施の形態では、貫通部Hに内接するOリング状部分3a、および板状部3bが一体成形加工された成形品3である。成形品3は、その板状部3bが、FPC21に接着されている。接着は、上述のように、防水性の、接着剤、両面接着テープ等により行う。配線体10は、FPC21と、シール装置15とで形成され、本実施の形態では、FPC21と、成形品3とで形成される。
【0023】
図4はシール装置15である、種々の成形品3の板状部3bにおける横断面図であり、(a)は成形品3が筒状であり、縦方向に筒状孔3mが設けられているもの、(b)は継ぎ目3fが接着されると、筒状体になり、筒状孔3mが形成されるもの、(c)は、上下に分かれて継ぎ目3fが2箇所あって、それらが接着されると筒状孔3mが形成されるもの、である。本実施の形態における成形品3は、上記のどれでもよい。また、図5は、上記の3種類の成形品3に共通する部分の図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図である。
シール装置15は、板状部3bとOリング状部分3aとが一体成形加工で形成された成形品3によって構成される。Oリング状部分3aは、貫通部が長方形の貫通孔Hの場合は、図4(a)〜(c)に示すように、その長方形の貫通孔Hの内壁に沿って密着する外形を持つ。成形品3の筒状孔3mの内壁(筒内面)とFPC21との間には、防水性の接着をするための、接着剤または両面テープ14が配置される。また、図5(c)は、変形例を示す平面図であり、図5(b)に対応する。成形品3の板状部3bの幅はFPC21の幅と同じでもよく、防水性はOリング状部分3aで確保することができる。
継ぎ目3fの接着には、筒状孔3mとFPC21との接着と同様に、防水性の、接着剤または両面接着テープを用いるのがよい。接着層14は、薄く、成形品3に、とくにOリング状部分3aに追随して弾性変形できるので、防水性は、継ぎ目3fにおいても、確実に確保することができる。接着層14には、防水性等に優れるアクリル樹脂等を用いるのがよい。
図6は、図4のシール装置15において、成形品3の継ぎ目3fに接着剤を配置しない場合における断面構造を示す。図6(a)および(c)は、それぞれ、図4(b)および(c)において継ぎ目3fに接着剤を用いないで、隙間gをあけた場合である。また、図6(b)および(d)は、さらに、FPC21の側端部に対応する成形品3の部分を除去して、隙間gを大きくした場合である。このようにシート装置15において、接着剤を用いずに隙間gをあけた状態であっても、FPC21は薄いので、FPC21の側端部に接着剤がなくても、貫通部Hにおいて成形品3を圧縮させることで、隙間gを確実に閉じることができ、防水性を得ることができる。
【0024】
シール装置15を構成する一体成形品3の製造はつぎの方法で行う。材料には、エラストマーの範疇に属する、ゴムまたは熱可塑性エラストマーを用いる。ゴムとしては、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM,FFKM)、シリコーンゴム(VMQ,FVMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、ウレタンゴム(AU,EU)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、多硫化ゴム(T)、ノルボルネンゴム(NOR)、などを用いることができる。携帯情報端末の場合、耐熱性はそれほど大きく重視されないので、ニトリルゴム、天然ゴム、ウレタンゴム等を用いるのがよい。
また、熱可塑性エラストマー(TPE)としては、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(PU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)などがあり、市販されているが、商品名は販売会社によってそれぞれである。
製造方法は、プレス成形または射出成形によって形状を出すのがよい。金型の設計に際しては、型割り面または金型の分割境界の線(パーティングライン)が、Oリング状部分3aの頂部(接触線)にかからないようにするのがよい。成形品3はゴム弾性を持ち弾性変形しやすいので、剛体では金型から抜けなくても、この成形品3では、断面の小さい分割開口から、奥の断面の大きい部分を弾性変形させながら容易に取り出すことができる。
製造した後の成形品の硬さは、デュロメータによる硬さタイプA(JIS K 6253)で、20〜80の範囲とするのがよい。上記硬さが20未満の場合、容易に変形が生じ、衝撃等によって貫通部で隙間が生じて防止性が劣化する。一方、上記硬さが80を超えると、弾性変形が生じにくく、貫通部の内壁への密着性が不十分となり、安定した防水性を得ることができない。
【0025】
(実施の形態1の変形例1)
図7および図8は、実施の形態1の変形例1の配線体10を示す図である。図7は、配線体10の分解斜視図であり、図8(a)は配線体の平面図、(b)は当該平面図におけるVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。変形例1の配線体10の第1の特徴は、FPC21と、それを上下から挟む2つの成形品3とに、相互の位置ずれを抑止する係合部3h,21h,3pが設けられている点にある。FPC21と、成形品3との相互の位置ずれを抑止するための係合部は、回転ずれをなくすために2箇所設けるのがよい。この変形例1では、相互の位置ずれ抑止のための係合部は、FPC21の側部張り出し部21wに設けた位置決め孔21hと、2つの成形品3の板状部3bの張り出し部3wに設けた、突起3pおよび位置決め孔3hと、によって形成される。位置決め孔3h,21hと突起3pとの隙間は接着剤14で充填される。この相互の位置ずれ抑止の係合部によって、積層ずれが抑止され、確実な防水作用を得ることができる。また、配線体10の組み立て能率を向上させることができる。
本実施の形態の変形例1における、第2の特徴は、成形品3のOリング状部分3aが、上下に2分割されており、FPC21を上下から挟むようにして、板状部3bがFPC21に接着されるとき、Oリング状部分同士が接着剤14で接着されることである。これによって、簡単な構造の成形品3のみを用いて、Oリング等のシール部材を別に用いずに、確実な防水構造を、簡単な内容の組み立て作業により得ることができる。
【0026】
(実施の形態1の変形例2)
図9は、実施の形態1の変形例2の配線体10を示す図である。配線体10の筐体内における位置を決める位置決め部である位置決め孔3hを除いて、実施の形態1の配線体10と同じである。変形例2における位置決め孔3hの目的は次の点にある。
(A1)配線体10を電子機器の筐体内に配設するとき、位置合わせを、位置決め孔3hを用いて迅速かつ容易に行う。
(A2)配線体10の配設が完了したあと、配線体10が筐体内で移動やずれを生じないように位置決め孔3hに突起またはピンを差し込んで、姿勢や位置をしっかり保持する。
上記の(A1)および(A2)の場合、位置決め孔3hに差し込む突起またはピンは、筐体の内壁等に固定して設けることができる。上記の位置決め孔3hによって、簡単な機構に基づき、組み立て作業を容易にし、また携帯端末50の防水性の耐久性を向上させることができる。この後の実施の形態において順次説明するが、位置決め部は、孔3hに限定されず、切り欠き凹部などであってもよい。
【0027】
(実施の形態1の変形例3)
図10は、実施の形態1の変形例3の配線体10を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は、係合部3c,21kを通るXB−XB線に沿う断面図である。変形例2は、筒状シール部材である一体成形品3をFPC21に係合する係合部3c,21kを備える点で、実施の形態1の配線体10と相違しており、その他の点では同じである。係合部3c,21kは次のようにして形成される。
(B1)FPC21の側端に矩形状の切り欠き部21kを形成する。
(B2)成形品3の貫通孔内壁に柱状部または凸部3cを形成する。
(B3)成形品3の貫通孔を弾性変形させて広げながら、FPC21を通し、その切り欠き部21kに凸部3cを係合させる。
上記の構造によれば、FPC21の切り欠き部21kに、成形品の凸部3cが嵌り込んで、相互に係合されている。この結果、シール装置15である成形品3のFPC21に対するずれを防止して、安定して確実な防水性を得ることができる。また、FPC21と成形品3との位置合わせを、正確、迅速、かつ容易に行うことが可能になる。
【0028】
(実施の形態2−フラットシール部付き成形品−)
図11は、本発明の実施の形態2における配線体10を示す斜視図である。配線部材21は、実施の形態1と同様に、FPCである。本実施の形態では、シール装置15に、Oリング状部分を持たない、筐体の貫通部Hにフラットな外面が接触する成形品3を用いる点に第1の特徴を有する。したがって、図8において、FPC21は、平板状の直方体3を貫通している。
図12は、平板状直方体の成形品3をFPC21に接着した配線体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図、(c)は縦断面図である。平面図にみられるように、成形品3には、側端に、位置決め用の切り欠き凹部3kが設けられている(第2の特徴)。成形品3は、上下2つに分かれており、継ぎ目3fが2箇所形成される。筐体の貫通部Hとは、外周面3sが接触して防水性を得る。接着については、成形品3の筒状孔3mとFPC21との接着、継ぎ目3fにおける接着、ともに、実施の形態1に説明した接着方法を用いる。
第2の特徴である位置決め用の切り欠き凹部3kは、実施の形態1の図9に示す成形品3における位置決め孔3hと同じ目的を有する。すなわち、(1)配線体10を電子機器の筐体内に配設するとき、位置合わせを、切り欠き凹部3kを用いて迅速かつ容易に行う。(2)配線体10の配設が完了したあと、配線体10が筐体内で移動やずれを生じないように切り欠き凹部3kに突起またはピンを差し込んで、姿勢や位置をしっかり保持する。
成形品3の製造は、実施の形態1で説明した方法で行うが、形状がより簡単なので、金型は、迅速かつ安価に得ることができる。
【0029】
(実施の形態3−Oリング+成形板によるOリング係合部の形成−)
図13は、本発明の実施の形態3における配線体10を示す斜視図である。配線部材21は、実施の形態1と同様に、FPCである。本実施の形態では、シール装置15を、Oリング13と、それをずれが生じないように取り付けるための、すなわちシール部材係合部のための成形板4,4とで形成する点に特徴を有する。また、それに加えて、FPC21と成形板4との相互の位置ずれ抑止のための係合部4h,21hを有する。
図14は、Oリング13と成形品4とで形成されるシール装置15がFPC21に取り付けられた配線体10を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はXIVB−XIVB線に沿う断面図、(c)は、FPC21の平面図、(d)は成形板4の平面図である。FPC21のOリング係合部21bは、2つの張り出し部21wの間に位置し、成形板4によってより確実にOリングの位置固定が実現される。
成形板4の位置決め孔4hと、FPC21の位置決め孔21hとは、共通になるように重ねられ、図示しないピン等で係合される。また、FPC21の一方面側に位置する2つの位置決め孔の代わりに、図7に示すように、ピンを設けてもよい。安定して確実な防水性を得ることができ、かつ組み立て能率を向上できる点では、上述の相互の位置ずれ抑止の係合部と同じである。
【0030】
(実施の形態3の変形例1)
図15は、実施の形態3の変形例1における配線体10を示す図であり、(a)は平面図、(b)は位置決め孔4hを通る縦断面図、(c)は、上記平面図におけるXVC−XVC線に沿う断面図である。Oリング13は、成形板4,4に挟まれて係合部の位置が定まる。2つの成形板4,4の間隔がOリング13のための係合溝を形成している。成形板4,4は、継ぎ目を1箇所または2箇所持ってもよいし、また継ぎ目を持たず、継ぎ目無し筒状体(上下の成形板が筒状に一体化したとみる)であってもよい。筒状に一体化したものでなく、2枚の成形板でFPCを挟むタイプとしたほうが、金型の設計などの簡単化という点で好ましい。成形板4のFPC21への接着には、上述の接着方法を用いることができる。
成形板4の一方には、位置決め孔4hが設けられ、実施の形態1の変形例2で説明した、(A1)および(A2)の作用を得ることができる。
また、成形板4およびFPC21には、相互の位置ずれ抑止のための係合部4c,21kが設けられる。この係合部4c,21kについては、上述のように、次の構成を有する。
(B1)FPC21の側端に矩形状の切り欠き部21kを形成する。
(B2)成形品4の上部および下部に柱状部または凸部4cを形成する。一つの成形品4にのみ凸部4cを設けてもよいが、両方の成形品に設けるほうがずれ防止という点で好ましい。
(B3)FPC21の切り欠き部21kに凸部4cを嵌め入れながら係合させる。
係合部4c,21kを設けることで、成形板4とFPC21の相互の位置ずれを防止し、この結果、Oリング13のFPC21に対する位置ずれを防止することができる。また、FPC21と、Oリング13と、成形板4との位置合わせを、正確、迅速、かつ容易に行うことが可能になる。
【0031】
本実施の形態によれば、シール装置15として、Oリング13を用いながら、Oリングの安定位置(係合部)形成に、成形板4を用いる。これによって、多くのサイズ、材料種類がある既存の入手容易なシール部材を用いて、そのFPC21への取り付けに、成形板4を用いることができる。さらに成形板であるがゆえに、位置決め孔4hや、係合部4c,21kの形成を容易に行うことができ、配線体10の配設作業を容易にし、かつ完成した製品(電子機器)において、配設構造の耐久性を向上させることができる。
【0032】
(実施の形態3の変形例2)
図16は、実施の形態3の変形例2における配線体10を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリング13位置での横断面図、(c)は縦断面図である。本変形例は、Oリング13の安定位置を1つの成形板4で形成している点に特徴を有する。成形板4は、Oリング13の位置に係合部の凹溝4qを有し、その凹溝4qにOリング13が収まる。成形板4において凹溝4qを有する形状を得ることは容易である。成形板4に設けた位置決め孔4hは、図9に示す配線体10の成形品3に設けた位置決め孔3hと同じ目的および作用(A1)および(A2)を有する。図16(b)に示すように、上下の成形板4は、幅広のU字形状を持つが、FPC21は薄いので、このようなU字状断面を持つ板状体も成形板4には含まれる。「成形板4」は、上記のように、上下2つの成形板4が筒状に一体化されたもの、および幅広のU字状断面の形態も含み、FPCなどの平板面に接着される平面部分を有するものをすべて対象とする。成形品3との相違は、成形品3がシール部分(Oリング状部分3a、シール面3s)を持つのに対して、成形板4はシール部分を含まず、別部材とする点にある。
【0033】
(実施の形態4−Oリング+補強板によるOリング係合部の形成−)
図17は、本発明の実施の形態4における配線体10を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はXVIIB−XVIIB線に沿う断面図、(c)はFPCの平面図、(d)は補強板の平面図である。本実施の形態における特徴は、Oリング13の係合部5bを持つ補強板5を、FPC21の片面に接着することで、シール装置15を形成する点に特徴を有する。FPC21の、補強板5が接着される部分は、2つの張り出し部21wが設けられ、その間にOリング係合部21bが形成されている。Oリング13は、FPC21と補強板5のOリング係合部21b,5bに固定される。補強板5とFPC21との相互の位置ずれを抑止するために、FPC21には張り出し部21wに位置決め孔21hが、また補強板5には張り出し部5wに位置決め孔5hが設けられ、これらの孔21h,5hを共通に重ねて、図示しないピン等で位置決めと位置ずれ防止を行うことができる。
【0034】
(実施の形態4の変形例1)
図18は、本発明の実施の形態4の変形例1における配線体10を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する線に沿った横断面図、(c)はFPCの平面図、(d)は補強板の平面図である。本実施の形態における特徴は、図17に示す配線体10と同じであるが、Oリング係合部5b,21bの底が、FPC21の側端部よりも外側に位置する点で相違する。図17の配線体10では、Oリング係合部5b,21bの底は、FPC21の側端部と同じに位置する。電子機器の筐体における貫通部Hの幅が大きい場合など、その幅に合わせて防水性を得ることができる。
【0035】
(実施の形態4の変形例2)
図19は、本発明の実施の形態4の変形例2における配線体10を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する横断面図、(c)は(a)のXIXC−XIXC線に沿う断面図である。配線部材21は、実施の形態1と同様に、FPCである。本実施の形態では、シール装置15を、Oリング13と、当該OリングがずれないようにするためのOリング係合部5bを有する補強板5とで形成する点に特徴を有する。補強板5に設けたOリング係合部5bは、補強板5の側端に設けた凹部であり、その凹部5bにOリング13が収納され、安定状態を保つ。補強板5は、図13(b)に示すように、FPC21の片面に接着されている。接着手法は、上述の方法による。
図20(a)は、Oリング13をOリング係合部5bに収納する前に、補強板5をFPC21に接着した状態を示す平面図であり、(b)は横断面図である。
【0036】
本実施の形態の変形例2におけるもう一つの特徴は、図19(a)、(c)および図20(a)に示すように、FPC21と補強板5との相互の位置ずれを抑止するための係合部21d,5hが形成されている点にある。FPC21に突起21dを設け、その突起21dが補強板5の孔5hに嵌合する。上述の構成(B1)〜(B3)と同様であり、突起21dおよび孔5hによって、補強板5のFPC21への位置合わせ、および係合による接着固定の補助(位置ずれ抑止)をすることができる。上記の孔を設ける部材および突起を設ける部材は、逆にしてもよい。すなわち、突起を補強板5に設け、その突起が嵌る孔をFPC21に設けて、孔に突起を嵌合させてもよい。
本実施の形態の補強板5には、図19(a)および図20(a)に示すように、補強板5のFPC21と重ならない箇所に、位置決め用切り欠き5kを設けている。この位置決め用切り欠き5kは、上述の位置決め孔3h(図9等参照)や位置決め用切り欠き3k(図12参照)と同じ目的を持つものであり、上述の作用(A1)および(A2)を得ることができる。
【0037】
FPC21は、通常はシート状であるが、微小な突起を設けることは、スクリーン印刷法、その他の方法を用いて容易に行うことができる。孔や切り欠きの形成も容易である。また補強板5は市販の平板状製品なので、複雑な外形を与えることはできないが、スクリーン印刷による突起、穿孔や切り欠き凹部等は簡単に設けることができる。
補強板5は、ガラスエポキシ樹脂等の平板を機械加工して、凹部5bを含む、上記の形状に仕上げるのがよい。機械加工は、本実施の形態における補強板5の場合、打ち抜き加工などを用いるのがよい。
【0038】
(実施の形態4の変形例3)
図21、実施の形態4の変形例3を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリング13を環状に二分割する横断面図である。本変形例では、補強板5を2枚用いて、FPC21を上下から挟むようにした配線体10である点に特徴を有する。これによって、Oリング13がFPC21の中心に対して上下対称になり、防水性の水密なシールをしやすくなる。また、この場合、2枚の補強板5の相互に位置ずれを抑止するために、位置決め孔5hを上下で共通に重なるように設けるのがよい。これによって積層ずれを抑止して、安定して確実な防水性を得ることができる。
【0039】
(実施の形態5−Oリング+配線部材自体によるOリング係合部の形成−)
図22は、本発明の実施の形態5における配線体のシール装置15の部分を示す図であり、(a)は平面図、(b)はOリングを環状に二分割する横断面図である。また、図23は、Oリング13を装着する前のFPC21を示す平面図である。Oリング13は、FPC21の側端において、外側へと突き出る係合部21bに収納されている。Oリング13の原寸および弾性率、FPC係合部21bの幅寸法、FPC21の縦曲げ剛性などが均衡すれば、シール部材のOリング13と、係合部21b付きFPC21とのみで、他に部品を用いずに、シール装置15が完成する。Oリング13の形状は、FPCの扁平断面に合わせて、扁平形状にすることが望ましいが、円状のOリングであっても太さ、径等を調節することで、その円状のOリング13は、容易に図22に示す状態に係合されることを確認している。
本実施の形態のシール装置15は、非常に簡単であり、接着することもない。このため、部品コストおよび製造コストは安価であり、注文受付から納品までの期間も短い。
図22および図23に示す係合部21bでは、係合部21bの底(幅端)の位置が、FPC21の残りの部分の幅端の位置よりも、外側に位置している。これに対して、図24(a)に示す係合部21bの底(幅端)位置は、残余の部分の幅端位置と揃っており、また図24(b)の底位置は、残余の部分の幅端位置よりも内側に位置する。FPC21の配線に影響を及ぼさない範囲で、係合部21bは、どのような形態であってもよい。
【0040】
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、配線部材と樹脂等によるパッキン等との一体成形加工を要しないので、金型を用いるとしても一般的な金型であり、製造条件の制約も高くなく、一般的な条件で製造することができる。また部品点数が少なく、簡単な構造のシール装置を用いるので、安価かつ迅速に防止性の配線体、配線体の配設構造、およびそれを用いた電子機器を得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
3 一体成形品(Oリング状シール部付き)、3a Oリング状シール部、3b 板状部、3c 係合凸部、3f 継ぎ目、3h 位置決め孔、3k 切り欠き凹部 、3m 筒状孔、3s 外面(シール面)、3w 張り出し部、4 成形板、4a シール形成面(外面)、4c 係合凸部、4f 継ぎ目、4h 位置決め孔、4q Oリング係合凹部、5 補強板、5b Oリング係合部、5h 位置決め孔、5k 切り欠き凹部、5w 張り出し部、10 配線体、13 Oリング、14 接着層、15 シール装置、21 配線部材(FPC)、21b Oリング係合部、21d 係合突起、21k 係合切り欠き、21w 張り出し部、25a,25b 端子部、31 表示部筐体、31a 第1筐体、31b 第2筐体、35 表示部基板、41 入力部筐体、41a 第1筐体、41b
第2筐体、45 入力部基板、50 携帯端末(電子機器)、53 表示部、54 入力部、55 ヒンジ、56 表示画面、57 キー、58 スピーカ、59 マイク、H 貫通部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の貫通部に通され、該筐体の内外にわたって配設される配線体であって、
平板状の配線部材と、
前記配線部材と前記貫通部との間をシールする、前記配線部材とは別体のシール装置とを備え、
前記シール装置が、前記配線部材に取り付けられていることを特徴とする、配線体。
【請求項2】
前記シール装置がゴム弾性を持つ成形品であり、前記配線部材に接着されていることを特徴とする、請求項1に記載の配線体。
【請求項3】
前記シール装置が、Oリング状部分と板状部とが一体成形加工された成形品であり、前記配線部材に接着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線体。
【請求項4】
前記成形品は、前記配線部材が挿通する一つの部材か、または前記配線部材を上下から挟む二つの部材からなり、前記配線部材および成形品には、当該配線部材と成形品との相互の位置ずれを防止するための係合部が設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の配線体。
【請求項5】
前記成形品の硬さが、デュロメータによる硬さタイプA(JIS K 6253)で、20〜80の範囲にあることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の配線体。
【請求項6】
前記シール装置が、前記配線部材の少なくとも一方の面に接着された補強板または成形板と、リング状または筒状のシール部材とで、形成されており、前記配線部材、補強板または成形板の少なくとも一つに、前記配線部材と、前記補強板または成形板と、前記シール部材との相互の位置ずれを防止するための係合部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の配線体。
【請求項7】
前記シール装置が、リング状シール部材であり、前記配線部材に、前記リング状シール部材を係合するための係合部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の配線体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の前記配線部材、請求項2〜5のいずれか1項に記載の成形品、または請求項6に記載の補強板または成形板に、前記筐体内における当該配線体の位置決めをするための位置決め部、が設けられていることを特徴とする、配線体。
【請求項9】
前記配線部材がフレキシブルプリント配線板であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の配線体。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の配線体が、前記貫通部に通され、前記シール装置が前記貫通部の内壁に防水性または防塵性を得るように接触していることを特徴とする、配線体の配設構造。
【請求項11】
防水性または防塵性が必要な電子機器であって、請求項1〜9のいずれか1項に記載の配線体を用いたことを特徴とする、電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−161230(P2010−161230A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2869(P2009−2869)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】