説明

配線体,その製造方法および電子機器

【課題】さらなる低背化が可能な配線体、およびこれを配置した電子機器を提供する。
【解決手段】配線体Aは、FPC10にLED20を実装して構成されている。FPC10は、ベースフィルム11と、導体層12と、カバーフィルム13とを備えている。FPC10には、貫通穴である凹部17が設けられており、凹部17にLED20が配置されている。LED20は、発光領域を有するチップ本体21と、P型電極22aおよびN型電極22bとを有している。P型電極22aは、半田層(接合部材)30によって、高電圧側電源線12aに接続されている。N型電極22bは、半田層30によって、低電圧側電源線12bに接続されている。LED20(実装部品)が、その接続端を側方または上方に向けて配置されているので、実装部品をFPCの奥深くまで配置することができ、配線体Aの低背化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末,PDA,パソコン等に用いられるフレキシブルプリント配線板にチップ状の実装部品を搭載した配線体および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit)は、柔軟性のあるベースフィルム上に、回路層を形成したものである。一般に、フレキシブルプリント配線板は、「FPC」と略記されることが多い。そこで、本明細書においても、「フレキシブルプリント配線板」と、「FPC」という用語を併用する。
【0003】
FPCは、携帯端末,PDA,パソコン等において、電子部品間を接続する配線板として汎用されている。また、FPCの導体層に、チップ状の実装部品を搭載した配線体が知られている。実装部品としては、抵抗素子,LED,ダイオード,コンデンサなどがある。たとえば、特許文献1の技術では、FPCに、実装部品としてLEDを実装した配線体の構造が開示されている。
【0004】
最近では、FPCが配置される電子機器の薄型化に伴い、この配線体にも低背化が要求されている。そこで、同文献では、カバーフィルムおよび接着剤層を除去し、その周囲の導体層上にランド部を設け、ランド部の上に半田層を形成してLEDを搭載している。これにより、LEDの電極と,導体層とを接合している(同文献の図1,図2参照)。
図7は、上記特許文献1の配線体aの構造を詳しく表示する断面図である。FPC110は、主要な層として、ベースフィルム111と、導体層112と、カバーフィルム113とを備えている。これらの各層は、接着剤層115によって接着されている。導体層112は、制御信号線や電源線を含む層である。図7には、導体層112のうち、高電圧側電源線112aと、低電圧側電源線112bとが示されている。FPC110には、カバーフィルム113及び上側の接着剤層115を除去し、その周囲の導体層112の上にランド部109が設けられている。そして、ランド部109の上に半田層130を形成してLED120が配置されている。LED120は、発光領域を有するチップ本体121と、P型電極122aおよびN型電極122bとを有している。P型電極122aは、半田層130によって、高電圧側電源線112aに接続されている。N型電極122bは、半田層130によって、低電圧側電源線112bに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−250765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構造では、FPC110の上方に突出したLED120の厚みによって、配線体aの厚みHの低減に限度がある。そのため、上記従来の配線体aを配置した電子機器では、さらなる薄型化の要請に応えることが困難である。
【0007】
本発明者は、FPCによるチップ状の実装部品の支持構造を工夫すれば、なお低背化を進める余地があることを着想した。
本発明の目的は、上記着想に基づいて、さらなる低背化が可能な配線体、およびこれを配置した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の配線体は、FPCの一部に凹部を設け、凹部に実装部品を配置したものである。凹部には、導体層の少なくとも2つの部位が露出している。また、実装部品は、少なくとも2つの接続端を有し、該接続端を側方または上方に向けて配置されている。この状態で、接合部材により、実装部品の各接続端と導体層の各部位とを接合している。
FPCは、周知のフレキシブルプリント配線板でよい。片面回路タイプの基本的な構造は、ベースフィルムと、ベースフィルム上の回路層(導体層)と、これを覆うカバーフィルムとからなる。回路層がベースフィルムの両面に形成された両面回路タイプのFPCであってもよい。
実装部品としては、抵抗素子,ダイオード,LED,コンデンサなどがある。典型的な例としては、導体層が高電圧側電源線と低電圧側電源線とである場合がある。このとき、LEDのP型電極(接続端)が高圧側電源線に、N型電極が低電圧側電源線にそれぞれ接合される。一方、抵抗素子の2つの接続端は、1つの配線(導体層)中に介設されていてもよいし、相異なる配線に接続されていてもよい。ダイオードやコンデンサの両電極も、1つの配線(導体層)中に介設されていてもよいし、相異なる配線に接続されていてもよい。
また、実装部品中の多数の電極(接続端)が、FPCの多数の信号配線に接合されている構造も可能である。
【0009】
本発明により、以下の作用効果が得られる。
実装部品が、その接続端を側方または上方に向けて配置されているので、実装部品をFPCの奥深くまで配置することができる。その結果、配線体全体の低背化が可能となる。一方、このような構造の場合、半田層等の接合部材によって、実装部品をぶら下げるように支持することになる。そのため、従来は、このような構造では実装部品の支持が困難であるという観念が存在していた。それに対し、本発明者は、かかる支持構造でも、十分な信頼性が得られることを確認している。
以上のように、本発明により、上記従来の配線体では困難であった配線体全体の低背化を実現することができる。
【0010】
凹部は、FPCの最上層から、最下層の少なくとも一部に亘って形成されていることが好ましい。片面回路タイプのFPCの最下層はベースフィルムまたはカバーフィルムである。両面タイプのFPCの最下層はカバーフィルムである。
典型的な凹部の例は、貫通穴であるが、底付き穴であってもよい。また、FPCの一部を側方から切り欠いた切欠部であってもよい。
これにより、従来の構造においてはランド部に残存していた下側の接着剤層や最下層の少なくとも一部が除去される。よって、確実に配線体の厚みを低減することができる。
【0011】
特に、凹部がFPCを厚み方向に貫通する貫通穴である場合、実装部品の縦方向における配置部位を広く選択することができる。たとえば、FPCの厚みの範囲内に、実装部品を収納することも可能である。また、FPCが配置される電子機器内の他の部材と実装部品との距離を最適範囲にすることもできる。
【0012】
実装部品が横発光型LEDである場合、凹部をFPCの側面から幅方向に延びる切欠部とすることが好ましい。これにより、FPCの側面方向から光を取り出すことができる。
【0013】
FPCが多層型構造を有していてもよい。その場合には、実装部品の位置を適宜選択すれば、配線体全体の厚みをFPCの厚みと同程度またはそれ以下にすることができる。
【0014】
本発明の電子機器は、上記配線体を備えたものである。これにより、低背化された配線体を配置することで、電子機器のさらなる薄型化が可能となる。
【0015】
本発明の配線体の製造方法は、以下の各工程を含んでいる。まず、FPCの一部に、導体層の少なくとも2つの部位を露出させる凹部を形成する。次に、凹部に、少なくとも2つの接続端を有する実装部品を、接続端を側方または上方に向けて設置する。そして、実装部品の各接続端と導体層の各部位とを接合部材により接合する。
本発明の配線体の製造方法により、上述のような低背化された配線体を得ることができる。
【0016】
接合部材としては、スクリーニング印刷またはディペンサーにより塗布された半田を用いるのが一般的である。ただし、この方法に限定されるわけではない。
【0017】
上記製造方法において、接合する際、各接続端とこれに接続される導体層とが、実質的に同じ高さにあるように支持する治具を用いることができる。これにより、半田等の接合部材を各接続端と各導体層とにまたがって形成することが容易となる。
【0018】
また、実装部品と凹部側面との間隙に、接合部材をはじくスペーサを介在させて、接合を行うことが好ましい。この方法によって、半田等が実装部品と凹部側面との間隙に侵入するのを阻止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の配線体またはその製造方法によると、より低背化された配線体を得ることができる。よって、配線体が配置される電子機器のさらなる薄型化を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る配線体の断面図である。
【図3】実施の形態1の変形例に係る配線体の断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、実施の形態2に係る配線体の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、実施の形態3に係る配線体の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a),(b)は、実施の形態4に係る配線体の平面図、および側面図である。
【図7】特許文献1の配線体の構造を詳しく表示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。
携帯端末1は、各種情報を表示するための表示部3と、入力部4と、ヒンジ部5とを備えている。表示部3には、液晶表示パネルを用いた表示装置6やスピーカ等が設けられている。入力部4には、入力キーやマイクが設けられている。ヒンジ部5は、入力部4と表示部3とを回動自在に連結している。
【0022】
同図の部分拡大図に示すように、入力部4には、機能選択キー4aを中心として、各種機能キー4bが配置されている。また、これらのキー4a,4bを明るく表示させるためのLED20(実装部品)が、分散して配置されている。また、入力部4には、制御回路(図示せず)と、各キー4a,4bやLED20とを電気的に接続するFPC10が配置されている。
【0023】
FPC10と各キー4a,4bとの間の構造は、本発明には関わりがないので、説明を省略する。そして、本実施の形態では、FPC10とLED20との間の構造についてのみ説明する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る配線体Aの一部における断面図である。配線体Aは、FPC10に、LED20を搭載して構成されている。
FPC10は、主要な層として、ベースフィルム11と、導体層12と、カバーフィルム13とを備えている。これらの各層は、接着剤層15によって接着されているが、接着剤層のない構造も可能である。導体層12は、制御信号線や電源線を含む層である。図2には、導体層12のうち、高電圧側電源線12aと、低電圧側電源線12bとが示されている。
【0025】
FPC10には、凹部17(本実施の形態では、貫通穴)が設けられており、凹部17にLED20が配置されている。LED20は、発光領域を有するチップ本体21と、P型電極22aおよびN型電極22bとを有している。P型電極22aは、半田層(接合部材)30によって、高電圧側電源線12aに接続されている。N型電極22bは、半田層30によって、低電圧側電源線12bに接続されている。
【0026】
各電源線12a,12bから各電極22a,22bに順方向の電圧が印加されると、周知の作用によりLED20が発光する。本実施の形態では、光はチップ本体21の上方または下方から出光される。そして、たとえば、図1に示す各キー4a,4bを照らす照明部材として機能する。
【0027】
FPC10に搭載する実装部品は、LED20に限らず、ダイオード,抵抗素子,コンデンサなどであってもよい。その場合、導体層12中の1つの配線中に、実装部品が介在する構造であってもよい。
【0028】
ベースフィルム11の厚みは、25μm程度(12.5〜25μm)である。ベースフィルム11の材料としては、ポリイミド樹脂,ポリエステル樹脂,ガラスエポキシ樹脂等がある。カバーフィルム13の厚みは、ベースフィルム11と同程度である。カバーフィルム13の材料としては、一般的には、ベースフィルム11と同じ材料が用いられる。その他、エポキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂などが用いられる。
【0029】
ベースフィルム11−導体層12間の接着剤層15の厚みは、10μm程度(10〜25μm)である。導体層12−カバーフィルム13間の接着剤層15の厚みは、20μm程度(10〜25μm)である。接着剤層15の材料としては、エポキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリイミド樹脂,ポリウレタン樹脂等があり、いずれの樹脂を用いてもよい。
【0030】
導体層12の厚みは、35μm程度(5〜70μm)である。導体層12の材料としては、CuまたはCu合金等の金属線が用いられるが、これに限定されるものではない。各電源線12a,12bには、制御信号線よりも厚い金属線が用いられる。
【0031】
したがって、本実施の形態では、FPC10の厚みは、25+20+35+10+25=115(μm)である。
【0032】
本実施の形態の配線体Aにおいては、各電極22a,22b(接続端)を上方に向けて、凹部17にLED20を配置している。これにより、配線体Aの低背化を実現することができることを以下に説明する。具体的には、本実施の形態の配線体Aと、図7に示す特許文献1の配線体aの厚みHとを比較する。LEDの厚みは200μmとし、電極22の厚みは20μmとし、半田層30の厚みは70μmとする。
【0033】
図7に示す特許文献1に係る配線体aの厚みH は、200+20+70+35+10+25=360(μm)である。それに対し、本実施の形態の配線体Aの厚みHは、70+20+200=290(μm)である。つまり、LED20の厚みに等しい。
すなわち、本実施の形態の配線体Aにより、特許文献1の配線体aよりも、さらに70μm程度薄くすることができる。つまり、導体層12,接着剤層15,およびベースフィルム11の合計厚み(35+10+25)(μm)だけ薄くすることができる。
【0034】
ここで、凹部17は、貫通穴に限定されるものではなく、底付き穴であってもよい。その場合でも、LED20を凹部17の奥深くに配置できれば、配線体Aの低背化が可能である。特に、凹部17が、最下層の一部に亘って形成されていれば、確実に、配線体Aの低背化が可能である。
従来、凹部17が貫通穴である場合、LED20等の実装部品を支持できないという固定観念があった。そのために、上記特許文献1のように、ベースフィルムおよび導体層の上に実装部品を搭載していた。
しかし、本発明者の実験により、図2に示す構造において、半田層30によってLED20を確実に支持しうることが判明した。そこで、従来下方に向けていた電極22a,22bを上方に向けて、半田層30でLED20を上方から支持している。電極22a、22bは側方を向いていてもよい。
以上のように,本発明により、配線体Aのさらなる低背化を実現することができる。また、配線体Aを配置した電子機器(本実施の形態では、形態端末1)の薄型化を実現することができる。
【0035】
−変形例−
図3は、実施の形態1の変形例に係る配線体Aの断面図である。同図において、図2に示す部材と同じ部材は、同じ符号を付して説明を省略する。この変形例では、ベースフィルム11の上下面に、導体層12と、カバーフィルム13と、接着剤層15、信号導体層16とが設けられている。つまり、多層構造のFPC10を用いている。導体層12は、高電圧側電源線12aと、低電圧側電源線12bとに分かれている。信号導体層16は、第1信号線16aと第2信号線16bとに分かれている。高電圧側電源線12aと第1信号線16aとは、スルーホールを介して電気的に接続されている。低電圧側電源線12bと第2信号線16bとも、スルーホールを介して電気的に接続されている。
【0036】
この変形例では、凹部17内にLED20を収納できるので、配線体Aの厚みHは、FPC10の厚みと同じである。
従来構造を採用したと仮定すると、上側の高電圧側電源線12aと、低電圧側電源線12bの上に、LED20が搭載されることになる。つまり、LED10の厚みに加えて、導体層12,信号導体層16,3層の接着剤層15,ベースフィルム11,および下側のカバーフィルム13の厚みを加算した値となる。それに対し、本発明を多層構造のFPC10に適用することにより、大幅な低背化が可能となる。
【0037】
本変形例においても、凹部17は、貫通穴に限定されるものではなく、底付き穴であってもよい。その場合でも、LED20を凹部17の奥深くに配置できれば、配線体Aの低背化が可能である。特に、凹部17が、最下層(下側のカバーフィルム13)の一部に亘って形成されていれば、確実に、配線体Aの低背化が可能である。
【0038】
また、FPC10が3層以上の導体層を有するものであってもよい。特に、多層構造のFPC10を用いる場合、最下層を除去しなくても、凹部17内にLED等の実装部品を収納できる場合もある。したがって、本発明の凹部は、必ずしも最下層の一部に亘っている必要はない。
【0039】
次に、配線体の製造方法に関する実施の形態2,3について、順次説明する。
(実施の形態2)
図4(a)〜(c)は、実施の形態2に係る配線体Aの製造工程を示す断面図である。
図4(a)〜(c)において、図2に示す部材と同じ部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
まず、図4(a)に示す工程で、FPC10に凹部17(貫通穴)を形成する。凹部17の形成は、一般には、レーザ加工で行うことができる。ドリル加工等の機械加工や、成型加工であってもよい。
【0040】
次に、図4(b)に示す工程で、治具40により、FPC10とLED20とを、異なる高さ位置で支持する。つまり、LED20の各電極22a,22bと、各電源線12a,12bとをほぼ同一平面上に位置させる。
【0041】
次に、図4(c)に示す工程で、半田を塗布した後、リフロー炉に通して、半田層30を形成する。その後、治具40を除去することにより、配線体Aが得られる。半田の塗布方法としては、スクリーン印刷,ディスペンサーを用いた塗布、などがある。
【0042】
図2に示す配線体Aにおいては、ベースフィルム11の下面とLED20の下面とがほぼ同一平面上に位置している。つまり、FPC10とLED20とを平坦な治具の上に設置して、半田層30を形成している。
一方、実施の形態2においては、各電極22a,22bと各電源線12a,12bとをほぼ同一平面上に位置させている。これにより、半田の塗布が容易となる。特に、スクリーン印刷を用いる場合、凹凸の小さな面に、精度よく半田を塗布することができる。
【0043】
本実施の形態に係る配線体Aの厚みHは、基本的には図2に示す配線体Aの厚みHと変わらない。LED20が下方に突出するものの、上方の電極22a,22b及び半田層30が下方に移動するからである。半田層30の厚みが70μm、接着剤層15の厚みが20μm、カバーフィルム13の厚みが25μmであれば、半田層30はカバーフィルム13よりも上方に突出する。したがって、配線体Aの厚みHは、LED20,電極22a,22b及び半田層30の合計厚みとなる。つまり、図2に示す配線体Aの厚みHと同じである。図4(c)では、構造をわかりやすく表示するために、Hが図2のHよりも厚く描かれているにすぎない。
ただし、半田層30の厚みが、接着剤層15およびカバーフィルム13の合計厚みよりも小さい場合には、HはHよりも少し厚くなる。その場合でも、図7に示す配線体aの厚みHと比べると、本実施の形態の配線体Aは低背化されている。
【0044】
(実施の形態3)
図5(a)〜(c)は、実施の形態3に係る配線体の製造工程を示す断面図である。図5(a)〜(c)において、図2に示す部材と同じ部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
まず、図5(a)に示す工程で、実施の形態2と同様に、FPC10に凹部17(貫通穴)を形成する。
【0045】
次に、図5(b)に示す工程で、治具40により、FPC10とLED20とを、異なる高さ位置で支持する。実施の形態2と同様に、各電極22a,22bと、各電源線12a,12bとをほぼ同一平面上に位置させる。
ここで、本実施の形態では、LED20と凹部17の側面との間に、スペーサ50を介在させる。スペーサ50は、半田とぬれが悪い(はじく性質を有する)ものが好ましい。このような材料としては、フッ素樹脂,シリコン樹脂,セラミックス,ガラスなどがある。そして、この状態で、半田を塗布した後、リフロー炉に通して、半田層30を形成する。半田の塗布方法としては、スクリーン印刷,ディスペンサーを用いた塗布、などがある。
【0046】
次に、図5(c)に示す工程で、治具40及びスペーサ50を除去することにより、配線体Aが得られる。
【0047】
本実施の形態では、半田を塗布する際に、LED20と凹部17の壁面との間にスペーサ50を介在させている。これにより、半田等の接合部材が、実装部品と凹部の側面との間に浸入するのが阻止される。よって、半田の浸入に起因する電気的ショートや、LED等の実装部品の特性劣化を防止することができる。
【0048】
(実施の形態4)
図6(a),(b)は、実施の形態4に係る配線体の平面図、および側面図である。図6(a),(b)において、図2に示す部材と同じ部材については、同じ符号を付して説明を省略する。なお、図6(a)においては、見やすくするために、半田層30の図示を省略している。
【0049】
本実施の形態においては、凹部17が穴ではなく、切り欠き部(溝でもある)である点が特徴である。そして、実装部品であるLED20は、横発光型のものである。また、P型電極22aおよびN型電極22bは、チップ本体21の側面に設けられている。そして、LED20が凹部17に嵌め込まれ、各電極22a,22bと各電源線12a,12bとに跨る半田層30が形成されている。
【0050】
このように、実装部品が配置される凹部17が、切り欠き部であってもよいことがわかる。すなわち、凹部17は、穴(貫通穴および底付き穴)に限定されるものではない。本実施の形態は、特に、横発光型のLED20に必要な構造であるが、横発光型LEDでなくてもよい。つまり、縦発光型LEDなどの実装部品にも適用することができる。
【0051】
(他の実施の形態)
上記各実施の形態では、実装部品としてLED20を用いたが、本発明の実装部品はLEDに限定されるものではない。実装部品が、ダイオード,抵抗素子,コンデンサなどであっても、上記各実施の形態と同じ構造の配線体Aを得ることができる。
【0052】
上記各実施の形態では、接合部材として半田層30を用いたが、本発明の接合部材は半田層に限定されるものではない。たとえば、半田層以外の低融点金属ろうや、Auワイヤ、金属リボンなどの接合部材を用いてもよい。
【0053】
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示である。したがって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示される範囲を含む。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の配線体は、携帯端末,PDA,パソコン,デジタルカメラなどの電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 FPC
11 ベースフィルム
12 導体層
12a 高電圧側電源線
12b 低電圧側電源線
13 カバーフィルム
15 接着剤層
16 信号導体層
16a 第1信号線
16b 第2信号線
17 凹部
20 LED(実装部品)
21 チップ本体
22a P型電極(接続端)
22b N型電極(接続端)
30 半田層(接合部材)
40 治具
50 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体層を有するフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の一部において、前記導体層の少なくとも2つの部位を露出させる凹部と、
前記凹部に配置され、少なくとも2つの接続端を有する実装部品と、
前記実装部品の各接続端と前記導体層の各部位とを接合する接合部材と、
を備えた配線体であって、
前記実装部品は、前記接続端を側方または上方に向けて前記凹部に配置されている、配線体。
【請求項2】
請求項1記載の配線体において、
前記凹部は、前記フレキシブルプリント配線板の最上層から、最下層の少なくとも一部に亘って形成されている、配線体。
【請求項3】
請求項2記載の配線体において、
前記凹部は、フレキシブルプリント配線板を縦方向に貫通する貫通している、配線体。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の配線体において、
前記実装部品は、抵抗素子,ダイオード,LED,およびコンデンサから選ばれる少なくとも1つの部材である、配線体。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の配線体において、
前記実装部品は、横発光型LEDであり、
前記凹部は、フレキシブルプリント配線板の側面から幅方向に延びる切欠部である、配線体。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の配線体において、
前記フレキシブルプリント配線板は、多層型構造を有している、配線体。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の配線体を備えた電子機器。
【請求項8】
フレキシブルプリント配線板の一部に、導体層の少なくとも2つの部位をそれぞれ露出させる凹部を形成する工程(a)と、
前記凹部に、少なくとも2つの接続端を有する実装部品を設置する工程(b)と、
前記実装部品の各接続端と前記導体層の各部位とを接合部材により接合する工程(c)とを含み、
前記工程(b)では、前記実装部品を、前記接続端を側方または上方に向けて前記凹部に設置する、配線体の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の配線体の製造方法において、
前記工程(c)では、前記接合部材として、スクリーニング印刷またはディペンサーにより塗布された半田を用いる、配線体の製造方法。
【請求項10】
請求項8または9記載の配線体の製造方法において、
前記工程(c)では、前記各接続端とこれに接合される導体層とが、実質的に同じ高さにあるように支持する治具を用いる、配線体の製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のうちいずれか1つに記載の配線体の製造方法において、
前記工程(c)では、実装部品と凹部側面との間隙に、接合部材をはじくスペーサを介在させて、接合を行う、配線体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−251376(P2010−251376A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96301(P2009−96301)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】