説明

配線及び層間接続ビアの形成方法

【課題】電気めっきによって、基板上に配線又は層間接続ビアを形成するとき、不要な金属層を除去する作業を軽減化する。
【解決手段】電気めっきで使用するめっき液に、添加剤を添加する。添加剤は、めっき反応を抑制する機能を有するが、めっき反応の進行と共に、めっき反応を抑制する機能が減少する特性を有する。添加剤は、金属の析出過電圧を大きくする機能を有するが、反応の進行と共に、金属の析出過電圧を小さくする特性を有する。それによって、基板に形成した溝及び凹部に選択的に金属を析出させることができる。基板上に配線又は層間接続ビアを形成するとき、所定の表面粗さを有する溝及び凹部を基板に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっきによって基板上に微細な配線及び層間接続孔(ビア)を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化によりチップオンフィルム(COF)や半導体パッケージ基板などにおいても銅配線の配線ピッチを20μm以下とする微細化要求が強くなっている。微細化に伴って配線形成や配線間のマイグレーション耐性確保も困難となっている。
【0003】
近年、基板上に微細な配線及び層間接続孔(ビア)を形成する方法として、電気めっき法が用いられる。電気めっき法は、物理的気相成長(PVD)法、化学的気相成長(CVD)法と比べて、コストが安い、スループットが高い、量産性に優れている等の利点がある。電気めっきによって基板上に配線及び層間接続ビアを形成する法には、様々な方法が知られているが、その1つにダマシン法がある。ダマシン法では、基板上に、適当な方法によって、溝及び凹部を形成する。溝は、配線パターンに対応する形状に形成し、凹部は、ビアを配置すべき位置に形成する。次に、電気めっきによって、基板の表面に金属を析出させる。この析出金属によって溝及び凹部が埋められる。こうして、溝及び凹部に埋め込まれた析出金属によって、配線及び層間接続孔が形成される。
【0004】
【特許文献1】特開2006−210565号公報
【特許文献2】特開2006−206950号公報
【特許文献3】特開2002−155390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダマシン法では、電気めっきによって析出した金属によって、基板上に配線又はビアを形成する。しかしながら、電気めっきによって析出した金属は、基板上の溝及び凹部ばかりでなく、溝及び凹部以外の部分も覆う。従って、電気めっきを行ったのち、不要な金属層を除去する工程が必要である。この作業は煩雑である。また、この金属層を正確に除去するのは困難である。
【0006】
本発明の目的は、電気めっきによって、基板上に配線又は層間接続ビアを形成するとき、不要な金属層を除去する作業を軽減化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、電気めっきで使用するめっき液に、添加剤を添加する。添加剤は、めっき反応を抑制する機能を有するが、めっき反応の進行と共に、めっき反応を抑制する機能が減少する特性を有する。それによって、基板に形成した溝及び凹部に選択的に金属を析出させることができる。
本発明によると、電気めっきで使用するめっき液の分極曲線において、電位が第1の電位E1と第2の電位E2の間にあるとき、回転数が1000rpmのとき、電位をより負へシフトさせると、電流密度は急激に増加する。電位が、第1の電位E1と第2の電位E2の間にあるとき、回転数が1000rpmのときの分極曲線は、回転数がゼロのときの分極曲線と交差する。
【0008】
本発明によると、ダマシン法によって、基板上に配線又は層間接続ビアを形成するとき、所定の表面粗さを有する溝及び凹部を基板に形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電気めっきによって、基板上に配線又はビアを形成するとき、不要な金属層を除去する作業を軽減化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
先ず、本発明の概要を説明する。本発明によると、電気めっきで使用するめっき液に、添加剤を添加する。めっき液には、酸性硫酸銅溶液が用いられてよい。電気めっきに用いられる酸性硫酸銅溶液は、既知であり、ここでは詳細に説明しない。尚、酸性硫酸銅溶液を用いると、配線及びビアは銅によって形成される。配線及びビアは、銅以外の金属によって形成してもよい。例えば、ニッケル、アルミニウム等も可能である。この場合には、めっき液として、配線及びビアの原料となる金属の溶液が用いられる。電気めっきの下地である導電層に用いられる金属は、銅であってもよいが、銅以外の金属、例えば、ニッケル、コバルト、クロム、タングステン、パラジウム、チタン、又は、これらの金属の少なくとも1つを含む合金が用いられる。
【0011】
本発明によると、添加剤は、めっき反応を抑制する機能を有するが、めっき反応の進行と共に、めっき反応を抑制する機能が減少する特性を有する。添加剤は、このような機能及び特性を有するものであれば、どのようなものであってもよい。本願の発明者は、シアニン色素及びその誘導体が、このような機能及び特性を有することを見出した。シアニン色素は、次の式によって表される。但し、nは0,1,2,3のいずれかである。
【0012】
【化1】

【0013】
このような銅めっきに用いる添加剤としては、めっき反応を抑制し、めっき反応の進行と同時にめっき反応抑制効果を失う物質が良い。添加剤のめっき反応を抑制する効果は、めっき液中に添加剤を加えることで金属の析出過電圧が大きくなることで確認できる。添加剤がめっき反応の進行と同時にめっき反応抑制効果を失う効果は、めっき液の流速が速い程、めっきする金属の析出過電圧が大きくなることで確認できる。このことは、添加剤の第1の金属層表面への供給速度が速い程、めっき反応の抑制効果が高くなることを示している。添加剤がめっき反応抑制効果を失うときには、添加剤は分解されて別の物質に変化する、あるいは、還元されて酸化数の異なる物質に変化する場合がある。
【0014】
このような添加剤を含むめっき液でめっきを行うことで凹部内にほぼ選択的にめっきを析出させることができる理由を以下に述べる。このような添加剤を用いてめっきを行うと、めっき反応の進行と共に第1の金属層表面で添加剤がその効果を失う。その結果、第1の金属層表面でめっき反応に関与する実効的な添加剤濃度が減少する。添加剤の濃度が減少すると、添加剤は溶液中からの拡散によって供給される。このとき、凹部内と基板表面とでは添加剤濃度の減少速度が異なる。凹部内では第1の金属層に凹凸が形成されているため、基板表面に比べて相対的に表面積が大きい。したがって、凹部内では添加剤濃度の減少速度が速い。また、凹部内はめっき液沖合いからの距離も基板表面に比べて長い。したがって、凹部内では添加剤の供給が遅くなり、拡散による添加剤濃度の増加速度が遅い。このため、凹部内では基板表面に比べて添加剤濃度が低い状態が維持される。この添加剤はめっき反応を抑制する効果を持つので、添加剤濃度が低い凹部内ではめっき反応は抑制されず、めっき膜が凹部内で選択的に成長することができる。
【0015】
このような特性を持つめっき液としては、回転ディスク電極で測定した分極曲線において、電極が静止時に対して電極は1000rpmで回転した時の電流値が1/100以下となる電位領域を有する特性を有することが好ましい。このようなめっき液では、図7に示すように、ある電位E’において静止時(0rpm)の電流密度Aに対して1000rpm時の電流密度Bが1/100以下となる。
【0016】
このような分極曲線を有するめっき液は、上述のように、基板上の溝及び凹部内に選択的に金属を析出させることができる。
【0017】
本発明によると、ダマシン法によって、基板に、配線及び層間接続ビアを形成する。ここでは、ダマシン法を説明しながら、基板に形成された溝及び凹部内の表面粗さについて説明する。粗さの指標として、JISB0601で規定する算術平均粗さRa、及びJISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmが知られている。ダマシン法によると、基板上に、適当な方法によって、溝及び凹部を形成する。溝は、配線パターンに対応する形状に形成し、凹部は、層間接続ビアを配置すべき位置に形成する。本発明によると、溝及び凹部内が所定の表面粗さを有するように、溝及び凹部を形成する。次に、溝及び凹部が形成された基板に、電気めっきの下地である第1の金属層を形成する。次に、電気めっきによって、基板の表面に第2の金属層を形成する。
【0018】
電気めっきを実行する前に、第1の金属層を形成した基板の表面粗さを測定した。その結果、溝及び凹部内における、算術平均粗さRaは、0.01〜4μmであり、好ましくは、0.01〜1.0μmである。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.005〜8μmであり、好ましくは、0.01〜2.0μmである。溝及び凹部以外の領域、即ち、基板の表面における、算術平均粗さRaは、好ましくは、0.001〜0.002μmである。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、10〜50μmであり、好ましくは、20〜40μmである。
【0019】
以上より、溝及び凹部内の算術平均粗さRaは、溝及び凹部以外の領域、即ち、基板の表面の算術平均粗さRaより、大きい。溝及び凹部内の算術平均粗さRaは、溝及び凹部以外の領域の算術平均粗さRaの10倍以上である。溝及び凹部内の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、溝及び凹部以外の領域、即ち、基板の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmより小さい。溝及び凹部内の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、溝及び凹部以外の領域の粗さ曲線要素の平均長さRSmの1/10以下である。
【0020】
基板上の溝及び凹部内の表面粗さは、第1の金属層を形成する前と後では、殆ど変化しなかった。従って、基板上に、所望の表面粗さを有する溝及び凹部を形成することによって、第1の金属層を形成した後に、所望の表面粗さを有する溝及び凹部を得ることができる。
【0021】
こうして、基板に、所望の表面粗さを有する溝及び凹部を形成し、その上に、第1の金属層を形成し、更に、本発明による添加剤が添加されためっき液を用いて、電気めっきを行うことによって、基板上の溝及び凹部内に選択的に金属を析出させることができる。基板上の溝及び凹部以外の領域には、即ち、基板の表面には、金属が析出しない。従って、基板の表面上に析出した金属を除去する作業が軽減される。本発明は、LSI内の銅配線やSi貫通電極の形成への適用が可能である。
【0022】
以下、本願の発明者が実施した電気めっきの実施例を説明する。本願の発明者は、実施例1〜8と比較例1の電気めっき実験を実施した。実施例1〜8は、本発明による添加剤が添加されためっき液を用いた電気めっき実験であり、比較例1は、従来のめっき液を用いた電気めっき実験である。めっき液は、濃度が150g/dmの硫酸銅五水和物に濃度が180g/dmの硫酸を加えて作成した。このめっき液に、本発明による添加剤を添加することにより、本発明によるめっき液を作成した。
【0023】
図8は、実施例1〜8及び比較例1の実験条件と実験結果を示す。添加剤の種類の欄に記載された記号は、次の化学物質を示す。
A-1:2-[(1,3-Dihydro-1,3,3-trimethyl-2H-indol-2-ylidene)-methyl]-1,3,3-trimethyl-3H-indolium perchlorate
A-2:2-[3-(1,3-Dihydro-1,3,3-trimethyl-2H-indol-2-ylidene)-1-propenyl]-1,3,3-trimethyl-3H-indolium chloride
A-3:2-[5-(1,3-Dihydro-1,3,3-trimethyl-2H-indol-2-ylidene)-1,3-pentadienyl]-1,3,3-trimethyl-3H-indolium iodide
A-4:2-[7-(1,3-Dihydro-1,3,3-trimethyl-2H-indol-2-ylidene)-1,3,5-heptatrienyl]-1,3,3-trimethyl-3H-indolium iodide
B:3-Ethyl-2-[5-(3-ethyl-2(3H)-benzothiazolylidene)-1,3-pentadienyl]benzothiazolium iodide
C:Janus Green B
JISB0601で規定する算術平均粗さRa、及び、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、第1の金属層を形成した後に測定した、基板上の溝及び凹部における表面粗さの測定値である。
【0024】
[実施例1]
図1を参照して、本発明による配線の形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例1を説明する。図1(a)に示すように、基板1として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製カプトンEN)を用意した。
【0025】
図1(b)に示すように、基板1の表面を粗面化処理した。粗面化処理には、アルミナ微粒子を基板1の表面に吹き付けるサンドブラスト処理を用いた。粗面化処理には、化学的粗面化処理、電気的粗面化処理、又は、機械的粗面化処理のいずれか、又は、これらの組み合わせが用いられてよい。化学的粗面化処理には、NaOH水溶液等のアルカリ液を用いるアルカリエッチング処理、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過硫酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩等の酸性塩を用いる酸化処理、ヒドラジンなどを用いたエッチング、等がある。電気的粗面化処理には、真空中プラズマ処理、大気中コロナ処理等がある。機械的粗化処理には、ワイヤブラシを用いたブラッシング等がある。
【0026】
粗面化処理後に、表面粗さ測定装置によって、基板1の表面の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.4μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、1.1μmであった。
【0027】
図1(c)に示すように、粗面化した基板1の表面に、レジスト膜2を形成した。レジストには新日鐵化学社製V-259PAを用いた。レジストとしては、日立化成社製RY−3219、旭化成エレクトロニクス社製SPG−202などを用いることができる。レジスト膜の厚さは10μmであった。
【0028】
図1(d)に示すように、フォトリソグラフィー法によってレジスト膜2に、幅7〜100μmの溝2aを、配線パターンに沿って形成した。
【0029】
図1(e)に示すように、電気めっきの下地である第1の金属層3を形成した。金属層3は、基板の表面に、即ち、溝3a内と溝3a以外の領域3cに形成した。本例では、第1の金属層3は、無電解ニッケルめっきによって形成したニッケル膜である。無電解ニッケルめっき液には、奥野製薬社製トップケミアロイ66を用いた。ニッケルの膜厚は200nmであった。下地の形成方法には、無電解ニッケルめっき法ばかりでなく、蒸着法、スパッタ法、化学的気相成長(CVD)法等を用いてもよい。また、第1の金属層としては、ニッケル膜ばかりでなく、クロム、タングステン、パラジウム、チタン及びこれらの合金の膜を用いることができる。
【0030】
第1の金属層3を形成した後に、表面粗さ測定装置によって、溝3a内の表面粗さ、及び、溝3a以外の領域3cの表面粗さを測定した。溝3a内の表面粗さは、粗面化処理後に測定した基板1の表面の表面粗さと同じであった。また、溝3a以外の領域3cでは、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは、0.001μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、34μmであった。
【0031】
図1(f)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。また、めっき時間は10分、電流密度は1.0A/dm、めっき液の温度は25℃であった。
【0032】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。図6に示すように、溝3a内における銅めっき膜厚をT1とし、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚をT3とする。実施例1では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、10μmであった。また、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例1では、銅めっき膜は、基板上の溝3a内にて選択的に成長し、溝3a以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0033】
図1(g)に示すように、レジスト膜2の表面の第1の金属層3、即ち、ニッケル膜を除去した。ニッケル膜の除去には、メック社製のCH-1935を用いた。ニッケル膜の除去には、メルテックス社製メルストリップ、荏原ユージライト社製シードロンプロセス等を用いてもよい。レジスト膜2の表面に形成された僅かな銅めっき膜は、ニッケル膜と同時に除去することができた。
【0034】
こうして実施例1では、レジスト膜2の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、深さ10μm、幅7〜100μmの銅配線を有する配線板の製造が容易になった。
【0035】
[実施例2]
図2を参照して、本発明による層間接続ビアの形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例2を説明する。図2(a)に示すように、基板1として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製カプトンEN)を用意し、その表面に、厚さ12μmの銅箔5を貼り付けた。
【0036】
図2(b)に示すように、銅箔5の表面を粗面化処理した。粗面化処理は、実施例1と同様である。
【0037】
粗面化処理後に、表面粗さ測定装置によって、銅箔5の表面の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.4μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.8μmであった。
【0038】
図2(c)に示すように、粗面化した銅箔5の表面に、レジスト膜2を形成した。レジストには新日鐵化学社製V-259PAを用いた。レジスト膜の厚さは10μmであった。
【0039】
図2(d)に示すように、フォトリソグラフィー法によってレジスト膜2に、直径20〜200μmの凹部2aを、層間接続ビアを配置すべき位置に形成した。
【0040】
図2(e)に示すように、電気めっきの下地である第1の金属層3を形成した。金属層3は、基板の表面に、即ち、凹部3b内と凹部3b以外の領域3cに形成した。本例では、第1の金属層3は、無電解ニッケルめっきによって形成したニッケル膜である。無電解ニッケルめっき液には、奥野製薬社製トップケミアロイ66を用いた。ニッケルの膜厚は200nmであった。
【0041】
第1の金属層3を形成した後に、表面粗さ測定装置によって、凹部3b内の表面粗さ、及び、凹部3b以外の領域3cの表面粗さを測定した。凹部3b内の表面粗さは、粗面化処理後に測定した基板1の表面の表面粗さと同じであった。また、凹部3b以外の領域3cでは、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは、0.002μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、27μmであった。
【0042】
図2(f)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。また、めっき時間は10分、電流密度は1.0A/dm、めっき液の温度は25℃であった。
【0043】
図2(g)に示すように、レジスト膜2の表面の第1の金属層3、即ち、ニッケル膜を除去した。ニッケル膜の除去は、実施例1と同様な方法による。
【0044】
こうして実施例2では、レジスト膜2の表面、即ち、凹部3b以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、直径20〜200μmの層間接続ビアを有する配線板の製造が容易になった。
【0045】
[実施例3]
図3を参照して、本発明による層間接続ビアの形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例3を説明する。実施例3は、銅箔の粗化処理工程をレジスト凹部形成後に行ったこと以外は実施例2と同様である。図3(a)に示すように、基板1として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製カプトンEN)を用意し、その表面に、厚さ12μmの銅箔5を貼り付けた。
【0046】
図3(b)に示すように、銅箔5の表面に、レジスト膜2を形成した。レジストには新日鐵化学社製V-259PAを用いた。レジスト膜の厚さは10μmであった。
【0047】
図3(c)に示すように、フォトリソグラフィー法によってレジスト膜2に、直径20〜200μmの凹部2aを、層間接続ビアを配置すべき位置に形成した。
【0048】
図3(d)に示すように、銅箔5の表面を粗面化処理した。即ち、レジスト膜2の凹部2aに露出した銅箔5を粗面化処理した。粗面化処理は、実施例1と同様である。図3(e)から図3(g)は、図2(e)から図2(g)と同様である。即ち、図3(e)に示すように、電気めっきの下地である第1の金属層3を形成した。図3(f)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。
【0049】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。図6に示すように、凹部3b内における銅めっき膜厚をT2とする。実施例3では、凹部3b内における銅めっき膜厚T2は、10μmであった。また、凹部3b以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例3では、銅めっき膜は、基板上の凹部3b内にて選択的に成長し、凹部3b以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0050】
図3(g)に示すように、レジスト膜2の表面の第1の金属層3、即ち、ニッケル膜を除去した。こうして実施例3では、レジスト膜2の表面、即ち、凹部3b以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、直径20〜200μmの層間接続ビアを有する配線板の製造が容易になった。
【0051】
[実施例4]
図4を参照して、本発明による配線の形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例4を説明する。図4(a)に示すように、基板1として、厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレックス)を用意した。
【0052】
図4(b)に示すように、基板1の表面に、エキシマレーザーを用いて、深さ7μm、幅7〜100μmの溝1aを、配線パターンに沿って形成した。
【0053】
表面粗さ測定装置によって、基板1の溝1a内の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.05μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.2μmであった。
【0054】
図4(c)に示すように、スパッタ法を用いて第1の金属層3を形成した。金属層3は、基板の表面に、即ち、溝3a内と溝3a以外の領域3cに形成した。第1の金属層は、クロムを25%含有するニッケル膜である。膜厚は100nmであった。
【0055】
第1の金属層3を形成した後に、表面粗さ測定装置によって、溝3a内の表面粗さ、及び、溝3a以外の領域3cの表面粗さを測定した。溝3a内の表面粗さは、第1の金属層3の形成前の表面粗さと同じであった。また、溝3a以外の領域3cでは、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは、0.001μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、34μmであった。
【0056】
図4(d)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。また、めっき時間は5分、電流密度は2.0A/dm、めっき液の温度は25℃であった。
【0057】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。実施例4では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、7μmであった。また、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例4では、銅めっき膜は、基板上の溝3a内にて選択的に成長し、溝3a以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0058】
図4(e)に示すように、基板1の表面の第1の金属層3、即ち、ニッケル膜を除去した。ニッケル膜の除去には、メック社製のCH-1935を用いた。レジスト表面に形成された僅かな銅めっき膜は、ニッケル膜と同時に除去することができた。
【0059】
こうして実施例4では、基板1の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、深さ7μm、幅7〜100μmの銅配線を有する配線板の製造が容易になった。
【0060】
[実施例5]
図5を参照して、本発明による配線及び層間接続ビアの形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例5を説明する。図5(a)に示すように、基板1として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(帝人デュポンフィルム社製テフレックス)を用いた。このフィルムは銅箔5を含む。
【0061】
図5(b)に示すように、ニッケル製金型6を用いたナノインプリント処理によって、基板1の表面に、深さ5μm、幅5〜100μmの溝7を形成し、同時に、溝7の底面に、深さ5μm、直径5μmの凹部8を形成した。溝7は、配線パターンに沿って形成し、凹部8は、層間接続ビアを形成すべき位置に形成した。
【0062】
ナノインプリント処理後に、表面粗さ測定装置によって、溝7及び凹部8の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.4μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、1.1μmであった。
【0063】
図5(c)に示すように、凹部8の底の樹脂をエッチングによって除去し、銅箔5を露出させた。図5(d)に示すように、露出した銅箔5の表面を粗面化処理した。粗面化処理は、実施例1と同様である。
【0064】
粗面化処理後に、表面粗さ測定装置によって、露出した銅箔5の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.4μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、1.1μmであった。
【0065】
図5(e)に示すように、スパッタ法を用いて第1の金属層3を形成した。金属層3は、基板の表面に、即ち、溝3b及び凹部3a内とそれ以外の領域3cに形成した。実施例5の第1の金属層3は、チタン膜で、膜厚は50nmであった。
【0066】
第1の金属層3を形成した後に、表面粗さ測定装置によって、凹部3a、溝部3b、及び、それ以外の領域3cの表面粗さを測定した。溝部3b及び凹部3aの銅箔の表面粗さは、第1の金属層3を形成する前に測定した表面粗さと同じであった。また、溝部及び凹部以外の領域3c、即ち、基板の表面では、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは、0.001μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、30μmであった。
【0067】
図5(f)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。また、めっき時間は20分、電流密度は0.5A/dm、めっき液の温度は25℃であった。
【0068】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。実施例5では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、5μm、凹部内における銅めっき膜厚T2は、10μであった。ナノインプリント加工部以外の領域、即ち、基板の表面における銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例5では、銅めっき膜は、基板上の溝3a内にて選択的に成長し、溝3a以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0069】
図5(g)に示すように、基板1の表面の第1の金属層3、即ち、ニッケル膜を除去した。ニッケル膜の除去には、メック社製のCH-1935を用いた。レジスト表面に形成された僅かな銅めっき膜は、ニッケル膜と同時に除去することができた。
【0070】
こうして実施例5では、基板1の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、深さ5μm、幅5〜100μmの銅配線と、直径5μmの層間接続ビアを一括して有する配線板の製造が容易になった。
【0071】
[実施例6]
再び、図1を参照して、本発明による配線の形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例6を説明する。図1(a)に示すように、基板1として、厚さ50μmの液晶ポリマーフィルム(ジャパンゴアテックス社製BIAC)を用意した。
【0072】
図1(b)に示すように、基板1の表面を粗面化処理した。粗面化処理には、アルミナ微粒子を基板1の表面に吹き付けるサンドブラスト処理を用いた。
【0073】
粗面化処理後に、表面粗さ測定装置によって、基板1の表面の表面粗さを測定した。図8に示すように、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは0.6μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、1.5μmであった。
【0074】
図1(c)に示すように、粗面化した基板1の表面に、レジスト膜2を形成した。レジストには、日立化成社製RY−3219を用いた。レジスト膜の厚さは5μmであった。
【0075】
図1(d)に示すように、フォトリソグラフィー法によってレジスト膜2に幅5〜100μmの溝2aを形成した。
【0076】
図1(e)に示すように、電気めっきの下地である第1の金属層3を形成した。第1の金属層3は、無電解めっきによって形成した銅膜である。無電解めっき液には、日立化成社製CUST−201を用いた。銅の膜厚は100nmであった。
【0077】
第1の金属層3を形成した後に、表面粗さ測定装置によって、溝3a内の表面粗さ、及び、溝3a以外の領域3cの表面粗さを測定した。溝3a内の表面粗さは、粗面化処理後に測定した基板1の表面の表面粗さと同じであった。また、溝3a以外の領域3cでは、JISB0601で規定する算術平均粗さRaは、0.001μm、JISB0601で規定する粗さ曲線要素の平均長さRSmは、31μmであった。
【0078】
図1(f)に示すように、電気銅めっきによって第2の金属層4を形成した。第2の金属層4は銅めっき膜である。めっき条件は図8に示した通りである。また、めっき時間は10分、電流密度は1.0A/dm、めっき液の温度は25℃であった。
【0079】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。実施例6では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、10μmであった。また、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例6では、銅めっき膜は、基板上の溝3a内にて選択的に成長し、溝3a以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0080】
図1(g)に示すように、レジスト膜2の表面の第1の金属層3、即ち、銅膜を除去した。銅膜の除去には、メック社製のCH-1935を用いた。ニッケル膜の除去には、メック社製メックブライトVE−7100シリーズを用いた。レジスト表面に形成された僅かな銅めっき膜は、ニッケル膜と同時に除去することができた。
【0081】
こうして実施例6では、レジスト膜2の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、深さ10μm、幅5〜100μmの銅配線を有する配線板の製造が容易になった。
【0082】
[実施例7]
再び、図1を参照して、本発明による配線の形成方法を説明する。ここでは、本願の発明者による実施例7、8を説明する。実施例7〜8は、添加剤の種類、添加剤の濃度、及び、めっき電流密度が、実施例1とは異なるが、それ以外は、実施例1と同様である。めっき条件は図8に示した通りである。
【0083】
電気銅めっき後に配線断面観察を行った。実施例7及び8では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、10μmであった。また、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、0.001μm以下であった。従って、実施例7及び8では、銅めっき膜は、基板上の溝3a内にて選択的に成長し、溝3a以外の領域3c、即ち、基板の表面では、殆ど銅が析出しないことが判った。
【0084】
こうして実施例7及び8では、レジスト膜2の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が不要となり、深さ10μm、幅7〜100μmの銅配線を有する配線板の製造が容易になった。
【0085】
[比較例1]
比較例1は、めっき液中に添加剤を含まないこと以外は実施例1と同様である。めっき条件は図8に示した通りである。電気銅めっき後に配線断面観察を行った。比較例では、溝3a内における銅めっき膜厚T1は、2.1μmであった。また、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜厚T3は、2.2μmであった。比較例では、銅めっき膜は、基板上の溝3aと溝3a以外の領域3cにて殆ど均一に成長した。即ち、基板の表面にて、溝3aと殆ど同一厚さの銅が析出したことが判った。
【0086】
比較例では、レジスト膜2の表面、即ち、溝3a以外の領域3cにおける銅めっき膜の除去が必要となり、深さ10μm、幅7〜100μmの銅配線を有する配線板の製造が困難になった。
【0087】
以上、本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者によって容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明による配線の形成方法を説明する図である。
【図2】本発明による層間接続ビアの形成方法を説明する図である。
【図3】本発明による層間接続ビアの形成方法を説明する図である。
【図4】本発明による配線の形成方法を説明する図である。
【図5】本発明による配線及び層間接続ビアの形成方法を説明する図である。
【図6】本発明による配線及び層間接続ビア板の銅めっき膜厚の評価位置を示した断面図である。
【図7】本発明によるめっき液の特性を説明する図である。
【図8】本発明による配線及びよる層間接続ビアの形成方法の実施例のめっき条件を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1…基板、2…レジスト、3…第1の金属層(下地)、4…第2の金属層(銅めっき膜)、5…銅箔、6…金型、7…溝、8…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に、配線パターンに対応した溝を形成し、層間接続ビアを形成すべき位置に凹部を形成する溝及び凹部形成工程と、前記溝及び前記凹部が形成された基板の表面に電気めっきの下地である第1の金属層を形成する下地形成工程と、電気めっきによって前記溝及び前記凹部に第2の金属層を形成する電気めっき工程と、を有し、前記電気めっき工程に用いるめっき液には、めっき反応を抑制する機能を有し、めっき反応の進行と共に、該めっき反応を抑制する機能が減少する特性を有する添加剤が添加されていることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記添加剤は、次の式によって表されるシアニン色素又はその誘導体の少なくとも1種類を含むことを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。但し、nは0,1,2,3のいずれかである。
【化1】

【請求項3】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記添加剤は、金属の析出過電圧を大きくする機能を有することを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項4】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記めっき液は、ディスク電極の回転数毎に、ディスク電極の電位と電流密度の関係を示す分極曲線を求めると、第1の電位の領域において、ディスク電極の回転数が1000rpmのときの電流密度は、ディスク電極の回転数がゼロのときの電流密度より小さくなり、前記第1の電位の領域より負である第2の印加電位の領域において、ディスク電極の回転数が1000rpmのときの電流密度は、ディスク電極の回転数がゼロのときの電流密度より大きくなる特性を有することを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項5】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記めっき液は、ディスク電極の回転数毎に、ディスク電極の電位と電流密度の関係を示す分極曲線を求めると、電位が標準水素電極電位に対して+100〜200mVの範囲では、ディスク電極の回転数が1000rpmのときの電流密度は、ディスク電極の回転数がゼロのときの電流密度の1/100以下となり、電位が、標準水素電極電位に対して-100mVより負の範囲では、ディスク電極の回転数が1000rpmのときの電流密度は、ディスク電極の回転数がゼロのときの電流密度より大きくなる特性を有することを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項6】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記めっき液は、酸性硫酸銅液であり、前記第2の金属層は銅によって形成されていることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項7】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記第1の金属層は、銅、ニッケル、コバルト、クロム、タングステン、パラジウム、チタンまたはニッケル、コバルト、クロム、タングステン、パラジウム、チタン、又は、これらの少なくとも1つを含む合金によって形成されていることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項8】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記溝及び前記凹部のみに粗面化処理が施されていることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項9】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記下地形成工程の後であって且つ前記電気めっき工程の前において、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される算術平均粗さRaは、前記溝及び前記凹部以外の領域におけるJISB0601で規定される算術平均粗さRaより大きいことを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項10】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記下地形成工程の後であって且つ前記電気めっき工程の前において、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、前記溝及び前記凹部以外の領域におけるJISB0601で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmより小さいことを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項11】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記下地形成工程の後であって且つ前記電気めっき工程の前において、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される算術平均粗さRaは、前記溝及び前記凹部以外の領域におけるJISB0601で規定される算術平均粗さRaの10倍以上であり、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、前記溝及び前記凹部以外の領域におけるJISB0601で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmの1/10倍以下であることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項12】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記下地形成工程の後であって且つ前記電気めっき工程の前において、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される算術平均粗さRaは0.01〜4μmであり、前記溝及び前記凹部におけるJISB0601で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは0.005〜8μmであることを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項13】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記溝及び凹部形成工程では、前記基板上に前記溝と前記凹部を同時に形成することを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。
【請求項14】
請求項1記載の配線及び層間接続ビアの形成方法において、前記溝及び前記凹部は、フォトリソグラフィー法、レーザ照射法、ナノインプリント法のいずれかによって形成されたことを特徴とする配線及び層間接続ビアの形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−57582(P2009−57582A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223617(P2007−223617)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】