説明

配線基板および配線基板を有する半導体装置

【課題】バンプピッチおよびバンプ高さの変更なくアンダーバンプメタルとバンプ電極の接触面積を増加させアンダーバンプメタルとバンプ電極の密着性を向上する配線基板を提供する。
【解決手段】所定ピッチのバンプ電極7を接続する複数のアンダーバンプメタル25のパターンはパターン本体部とパターン延長部を有し、距離の短い方のパターンの重心C同士を結んだ第1線K1の第1パターン長さL(W+W)と、距離の長い方のパターンの重心C同士を結んだ第2線K2の第2パターン長さM(R+R)を有し、L<Mで、パターン延長部は第2線上にそって形成され、パターン延長部との2つの交点をパターン本体部の輪郭線上に有し、構成する1辺が第1線と直交するパターン本体部の外接矩形の辺上に位置せずパターン延長部は第2線に沿って延長して形成され、パターン延長部の輪郭線がパターン本体部の外接矩形範囲に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板および配線基板を有する半導体装置に関し、特にバンプ電極とアンダーバンプメタルを有する配線基板および配線基板を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置の配線基板には、バンプ電極が配置されている。このバンプ電極を形成するための金属として、錫―銅はんだを用いた例を説明する。
【0003】
図7は、錫―銅の球欠形のバンプ電極117を有する配線基板を模式的に示す斜視図である。図8と図9は、図7に示すバンプ電極117の形成工程を示している。
【0004】
図8(A)と図8(B)示すように、シリコン基板114上には、アルミニウム配線115が内部配線として形成されている。このアルミニウム配線115の上には、絶縁層としての例えば二酸化ケイ素116が形成され、バンプ電極を形成する部分にのみ二酸化ケイ素116が除去されて開口部116Bが形成される。
【0005】
アルミニウム配線115上にバンプ電極117を形成する場合には、図8(C)に示すように、二酸化ケイ素116とアルミニウム配線115上の開口部116Bにアンダーバンプメタル(以下、UBMと呼称する。)125を形成する。その後、図8(D)に示すように、UBM125上にはフォトレジスト122を形成して、図9(E)に示すように、フォトレジスト122の開口部122B内には、錫および銅からなる電解めっき層118を形成する。
【0006】
図8(C)と図8(D)に示すUBM125としては、アルミニウム配線115に接する側から順に、例えばチタン層119/ニッケル層120/パラジウム層121の各薄膜を積層したものを使用する。チタン層119はアルミニウム配線115との密着性を確保するために用いられ、ニッケル層119は錫や銅のアルミニウム配線115への拡散を抑制するために用いられ、そしてパラジウム層120はニッケル層119の表面の酸化を防止するためにそれぞれ形成される。チタン層119/ニッケル層120/パラジウム層121の各薄膜は例えばスパッタリング法により形成される。
【0007】
電解めっき層118を電解めっきにより形成する場合には、上記UBM125を給電層に用いて通電を行う。電解めっき層118は、錫―銅合金層として直接析出させる方式でも、錫および銅を積層してめっきする方式でも良い。
【0008】
このように、図8(D)に示すUBM125上にフォトレジスト122を塗布し、露光して、そして現像することによってパターニングして開口部122Bを形成した後に、図9(E)に示すように電解めっき法によりフォトレジスト122の開口部122B内に上記電解めっき層118を析出する。
【0009】
次いで、図9(F)から図9(G)に示すように、フォトレジスト122を剥離後、上記電解めっき層118のマスクとして用いられて不要となったUBM125の部分をエッチング液により除去する。最後に、図9(H)に示すように、リフロー処理により円柱状の電解めっき層118を溶融して、バンプ電極117を球欠状に整形する。
【0010】
また、別の従来技術としては、はんだバンプ電極とパッドとの間に複数のフィレットを形成することで、はんだバンプの接続強度を向上させる試みが、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平8―264928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来のバンプ電極の形成技術は、フリップチップ接続を行う半導体装置、あるいはウェハレベルパッケージのように、インターポーザもしくはプリント配線板に実装を行うための電極としてバンプ電極を有する半導体装置に適用される。フリップチップ接続のためのバンプ電極117をUBM125上に形成する際には、例えばUBM125の最表層がパラジウム層121でありバンプ電極117が錫―銅はんだである場合に、UBM125とバンプ電極117との界面での密着性が良好ではなく、バンプ電極117が剥離する問題がある。
【0012】
図10に示すように、図8(D)に示すようにフォトレジストの開口部122Bの断面形状を円形とした場合では、円形のUBM125に形成される電解めっき層118は図10に示すように円柱状になる。また、図10に示す隣接するバンプ電極117間のバンプピッチ130および各バンプ電極117のバンプ高さ131を変更せずに、フォトレジストの開口部122Bの断面形状を矩形とすれば、図11に示すように矩形のUBM125Bに形成される電解めっき層118は立方体形状になる。図11においてこの電解めっき層118をリフロー処理すると、図11に示すリフロー処理後のバンプ電極117Bは、図10に示すバンプ電極117に比べて大きくなり、UBM125とバンプ電極117Bの接触面積が増大して密着力が向上できる。
【0013】
しかし、バンプ117Bの直径が増大してしまうので、隣接するバンプ117B同士が部分133において接触する可能性が増大し、バンプピッチ130を狭ピッチ化しようとするとバンプ117B同士が部分133において接触する可能性がさらに増大する。このため、UBM125Bとバンプ電極117Bの接触面積を増大させて密着力を向上させようとすると、隣接するバンプ117B同士が接触しないように隣接するバンプ117B間のピッチを大きくして配置する必要があり、半導体装置の配線基板が大型化してしまう。
【0014】
また、上記特許文献1に開示されたバンプ電極の形成技術では、隣接するバンプ電極のフィレット同士が接触するおそれがあるので、隣接するバンプ電極を離して配置する必要があるので、半導体装置が大型化してしまう。
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、従来の丸型のバンプ電極を形成する場合に比べてバンプピッチおよびバンプ高さを変更することなく、アンダーバンプメタルとバンプ電極との接触面積を増加させてアンダーバンプメタルとバンプ電極との密着性を向上することができる配線基板および配線基板を有する半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の配線基板は、所定ピッチでアレイ状に配列されて金属を堆積して熱処理で整形してバンプ電極を配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板であって、隣接する前記複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方の前記パターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方の前記パターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMにおいて、前記第1パターン長さL<前記第2パターン長さMとなる形状に形成された前記アンダーバンプメタルのパターンを具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の配線基板では、前記アンダーバンプメタルのパターンは、パターン本体部と、パターン延長部から成る形状であり、前記パターン延長部と前記パターン本体部の2つの交点は前記パターン本体部の輪郭線上に位置し、かつ構成する1辺が前記第1線と直交する前記パターン本体部の外接矩形の辺上に位置せず、前記パターン延長部は前記第2線に沿って延長して形成され、前記パターン延長部の輪郭線が前記外接矩形の範囲内に位置することを特徴とする。さらに、本発明の配線基板では、前記バンプ電極は、前記パターン本体部上に形成されるバンプ本体部と、前記パターン延長部上に形成されて前記バンプ本体部から突出した複数のフィレットと、を有しており、前記矩形の範囲内において前記フィレットが形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の配線基板を有する半導体装置は、所定ピッチでアレイ状に配列されて金属を堆積して熱処理で整形してバンプ電極を配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板であって、隣接する前記複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方の前記パターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方の前記パターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMにおいて、前記第1パターン長さL<前記第2パターン長さMとなる形状に形成された前記アンダーバンプメタルのパターンを有する前記配線基板と、前記配線基板に搭載された半導体チップと、前記配線基板と前記半導体チップとを封止する封止部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、従来のバンプ電極を形成する場合に比べてバンプピッチおよびバンプ高さを変更することなく、アンダーバンプメタルとバンプ電極との接触面積を増加させてアンダーバンプメタルとバンプ電極との密着性を向上することができる配線基板および配線基板を有する半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、半導体装置の配線基板の好ましい実施形態を模式的に示す断面を有する斜視図である。図1に示す半導体装置の配線基板50はバンプ電極7を有するが、このバンプ電極7を形成する金属材料の一例としては錫―銅はんだを用いている。
【0022】
まず、図1を参照して、配線基板50とバンプ電極7の構造例を説明する。図1は配線基板50上の1つのバンプ電極7を代表して示している。
【0023】
図1に示す配線基板50は、シリコン基板1と、このシリコン基板1上に形成された絶縁層3と、複数個のバンプ電極7と、複数箇所のアンダーバンプメタル(バンプ電極を電気的に接続するための下部金属、以下、UBMと呼称する。)25を有している。
【0024】
図1では、1つのバンプ電極7とUBM25のパターンを一例として示している。シリコン基板1上には、アルミニウム配線2が内部配線として形成されている。このシリコン基板1とアルミニウム配線2の上には、絶縁層3としての二酸化ケイ素が形成されている。ただし、絶縁層3の内のバンプ電極7を形成する部分のみが除去されて、絶縁層3の開口部3Pが形成されている。
【0025】
図1に示すように、アルミニウム配線2上の絶縁層3の開口部3Pには、UBM25のパターンが形成されている。UBM25のパターン上には、バンプ電極7がZ方向に突出して形成されている。バンプ電極7は、複数のフィレット10を有している。これらのフィレット10は、バンプ電極7から半径方向外側に突出して形成された突起状部分である。バンプ電極7およびバンプ電極7の各フィレット10は、UBM25のパターン上に密着して形成されている。バンプ電極7は、例えば電解めっき法により形成される。電解めっき浴としては、錫および銅イオンを所定の比率で混合して、一定の合金組成により析出させる電解めっき浴を用いる。また、錫および銅の単純浴を用いて、錫および銅を積層して析出させても良い。
【0026】
図2は、図1に示す配線基板50を示す平面図であり、配線基板50には、複数個のバンプ電極7が所定のピッチPで2次元アレイ状に配列されている。すなわち、複数個のバンプ電極7は、X方向とX方向と直交するY方向に沿って所定のピッチPごとに配列されている。
【0027】
各バンプ電極7には、それぞれ4つのフィレット10が、X方向とY方向の両方に対して45度の角度で形成される形成方向Sに沿って、バンプ電極7の半径方向外側に向けて突出して形成されている。図2において、ハンダ電極7は実線で示しており、ハンダ電極25の下側に配置されているUBM25のパターンは破線で示している。
【0028】
図2において破線で示すUBM25のパターンの形状は、図1においては実線で示している。図1に示すように、各UBM25のパターンは、円形状のパターン本体部25Bと4つのパターン延長部分9を有している。図1に示すように、4つのパターン延長部分9は、パターン本体部25Bの輪郭線上に2つ交点を有し。かつパターン本体部25Bに外接する外接矩形25Dの辺上に位置せず、パターン本体部25Bからそれぞれ放射状に延びており、パターン延長部分9の輪郭線が外接矩形25Dの範囲内に位置する。例えば、UBM25の中心Gから各パターン延長部分9の先端部までの距離Rは、パターン本体部25Bに外接する外接矩形25Dの対角線長さ2Rの半分に等しくなっている。パターン本体部25Bの半径Wは、距離Rよりも小さい。
【0029】
図2を参照すると、隣接するUBM25のパターンの内、距離の短い方のUBM25のパターンの重心C同士を結んだ第1線K1上にある第1パターン長さL(第1パターン長さLは、UBM25のパターンのパターン本体部25Bの半径Wと半径Wを足した長さに相当する。)と、距離の長い方のUBM25のパターンの重心C同士を結んだ第2線K2上にある第2パターン長さM(第2パターン長さMは、パターン本体部25Bの重心Cからパターン延長部分9の先端部までの距離Rと距離Rを足した長さに相当する。)を有している。そして、UBM25のパターンは、各UBM25のパターンの第1パターン長さLが第2パターン長さMより小さい(第1パターン長さL<第2パターン長さM)となる形状に形成されている。
【0030】
図3は、上記配線基板50を具備する半導体装置の例を示している。この半導体装置60は、配線基板50と、この配線基板50の配線導体に対してバンプ電極61を介して接続された半導体チップ51と、半導体チップ51を封止する樹脂封止部材52を有している。
【0031】
次に、図4〜図6を参照して、上記配線基板50の製造方法を説明する。
【0032】
図4は、バンプ電極7の形成プロセスを示す斜視図である。図5は、図4のバンプ電極7の形成プロセスの続きを示す斜視図である。図6は、各UBM25のパターン上に形成された電解めっき層13と、この電解めっき層13がリフロー処理により加熱されることで球欠形に整形されたバンプ電極7を示す斜視図である。
【0033】
まず、図4(A)と図4(B)を参照すると、シリコン基板1の一方の面には内部配線としてアルミニウム配線2が形成され、さらにシリコン基板1の一方の面とアルミニウム配線2の上には、二酸化ケイ素のような絶縁層3が形成される。ただし、バンプ電極が形成される部位では絶縁膜3が除去されることで、絶縁膜3の開口部3Pが形成される。
【0034】
次に、図4(C)に示すように、絶縁層3上と開口部3Pに露出したアルミニウム配線2の上には、UBM25が形成される。このUBM25は、アルミニウム配線2に接する側から順に、例えばチタン層4/ニッケル層5/パラジウム層6の各薄膜を積層したものを使用する。チタン層4はアルミニウム配線2との密着性を確保するために用いられ、ニッケル層5は錫や銅のアルミニウム配線2への拡散を抑制するために用いられる。そしてパラジウム層6はニッケル層5の表面の酸化を防止するために形成され、チタン層4/ニッケル層5/パラジウム層6の各薄膜は例えばスパッタリング法により形成される。
【0035】
次に、図4(D)に示すように、フォトレジスト11をUBM25のパラジウム層6の上に塗布、露光、現像することでパターニングする。このパターニングにより、フォトレジスト11は、Z方向に沿って形成された円柱状の開口部12Bと、バンプ電極のフィレットを形成するためにZ方向に沿って形成された4つの切り込み状の開口部分12Cを有する。この切り込み状の開口部分12Cは、断面三角形状であり開口部分12Cの先端部が尖っている。
【0036】
次に、図5(E)に示すように、UBM25を給電層としてフォトレジスト11の円柱状の開口部12Bと4つの突起形状の開口部分12C内に、錫および銅からなる電解めっき層13を形成する。この電解めっき層13を形成する方法は、合金めっき法でも、銅および錫の積層めっきであっても良い。電解めっき層13は、フォトレジスト11の円柱状の開口部12Bにより形成される円柱状の本体部13Bと、4つの突起形状の開口部分12Cにより形成される突起部分13Cを有する。
【0037】
図5(E)から図5(F)に示すように、電解めっき層13の形成が終了すると、フォトレジスト11を剥離し、次いで図5(F)から図5(G)に示すように、エッチング液を用いてUBM25の不要部分を溶解して除去する。UBM25の不要部分は、先に形成した電解めっき層13がマスクとなって除去される。フォトレジスト11の開口部12Bと4つの開口部分12Cが、UBM25のパターンの残すべきパターン形状部分、すなわち図1に示すUBM25のパターンのパターン本体部25Bと4つのパターン延長部分9として転写されている。つまり、UBM25のパターンのパターン本体部25Bと4つのパターン延長部分9は、電解めっき層13の本体部13Bの下部と突起部分13Cの下部にあるので、除去されずに残っている。
【0038】
上述のようにUBM25のパターンを残すためにエッチングした後に、図5(G)と図5(H)および図6に示すように、電解めっき層13のリフロー処理を行って加熱し、電解めっき層13を球欠形のバンプ電極7に整形する。これにより、図6に示す電解めっき層13の円柱状の本体部13Bは、バンプ電極7の球欠状のバンプ本体部7Bに整形されるとともに、電解めっき層13の4つの突起部分13Cは、4つのフィレット10に整形される。なお、電解めっき層13を錫および銅を積層して形成した場合には、このリフロー処理で積層めっき層の合金化を同時に行う。
【0039】
図6に示すように、UBM25のパターン本体部25Bは、リフロー処理時の表面張力によってバンプ電極7の球欠形のバンプ本体部7Bに寄与するが、UBM25の4つのパターン延長部分9は、バンプ電極7の側方に延びるフィレット10の形成に寄与する。
【0040】
なお、バンプ電極7のバンプ本体部7Bは、UBM25のパターン本体部25Bに密着している部分は球形ではなく平坦面になっていることから、バンプ本体部7Bの形状を球欠形と呼ぶことにする。
【0041】
上述した本発明の実施形態では、図2に示すように、複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方のパターンの重心C同士を結んだ第1線K1上にある第1パターン長さL(第1パターン長さLは、半径Wと半径Wを足した長さに相当する。)と、距離の長い方のパターンの重心C同士を結んだ第2線K2上にある第2パターン長さM(第2パターン長さMは、距離Rと距離Rを足した長さに相当する。)を有している。この第1パターン長さLが第2パターン長さMによりも小さいことから、従来の丸型のバンプ電極を形成する場合に比べて、バンプピッチおよびバンプ高さを変更することなく、アンダーバンプメタルとバンプ電極の接触面積を増加させてアンダーバンプメタルとバンプ電極との密着性を向上することができる。
【0042】
しかも、図6に示すように、電解めっき層13をリフロー処理により加熱してバンプ電極7を形成する際に、電解めっき層13がUBM25のパターン延長部分9に沿って濡れ広がってバンプ本体部7Bから複数のフィレット10が形成される。このため、複数のフィレット10は、応力の掛かりやすいUBM25のパターンとバンプ電極7との界面を補強することができ、バンプ電極7の耐応力性を高めることができる。
【0043】
また、図1に示すように、UBM25のパターンのパターン本体部25Bに外接する矩形25Dの範囲内においてUBM25のパターンのパターン延長部分9が形成されており、このパターン延長部分9に沿ってはんだが濡れ広がるようにしてフィレット10が形成される。このため、複数のフィレット10が形成されていても、隣接するバンプ電極7のフィレット10同士が接触しないように配置できる。
【0044】
本発明の配線基板および配線基板を有する半導体装置は、所定ピッチ状でアレイ状に配列されてバンプ電極を接続して配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板である。配線基板は、複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方のパターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方のパターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMを有しており、第1パターン長さL<第2パターン長さMとなる形状に形成されたアンダーバンプメタルのパターンを具備する。
【0045】
これにより、第1パターン長さLが第2パターン長さMによりも小さいことから、従来のバンプ電極を形成する場合に比べて、バンプピッチおよびバンプ高さを変更することなく、アンダーバンプメタルとバンプ電極の接触面積を増加させてアンダーバンプメタルとバンプ電極との密着性を向上することができる。
【0046】
また、本発明の配線基板では、アンダーバンプメタルのパターンは、パターン本体部と、パターン延長部から成る形状であり、パターン延長部とパターン本体部の2つの交点はパターン本体部の輪郭線上に位置し、かつ構成する1辺が第1線と直交するパターン本体部の外接矩形の辺上に位置せず、パターン延長部は第2線に沿って延長して形成され、パターン延長部の輪郭線が外接矩形の範囲内に位置する。これにより、隣接するバンプ電極のフィレット同士が接触しないように配置できる。
【0047】
さらに、本発明の配線基板では、バンプ電極は、パターン本体部上に形成されるバンプ本体部と、パターン延長部上に形成されてバンプ本体部から突出した複数のフィレットと、を有しており、矩形の範囲内においてフィレットが形成されている。これにより、複数のフィレットは限られた範囲内で形成することができ、従来のバンプ電極を形成する場合に比べて、バンプピッチおよびバンプ高さを変更することなく、アンダーバンプメタルとバンプ電極の接触面積を増加させてアンダーバンプメタルとバンプ電極との密着性を向上することができる。
【0048】
本発明の配線基板を有する半導体装置は、所定ピッチでアレイ状に配列されて金属を堆積して熱処理で整形してバンプ電極を配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板であって、隣接する複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方のパターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方のパターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMにおいて、第1パターン長さL<第2パターン長さMとなる形状に形成されたアンダーバンプメタルのパターンを有し、パターン本体部と、パターン延長部から成る形状であり、パターン延長部とパターン本体部の2つの交点はパターン本体部の輪郭線上に位置し、かつ構成する1辺が第1線と直交するパターン本体部の外接矩形の辺上に位置せず、パターン延長部は第2線に沿って延長して形成され、パターン延長部の輪郭線が外接矩形の範囲内に位置するアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板と、配線基板に搭載された半導体チップと、配線基板と半導体チップとを封止する封止部と、を具備する。
【0049】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。形成されたバンプ電極は、球欠形のバンプ本体部と、このバンプ本体部から突出して形成された複数のフィレットを有しているが、フィレットの数は4つに限らず、例えば2つあるいは3つであっても良い。
【0050】
また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】半導体装置の配線基板の好ましい実施形態を模式的に示す断面を有する斜視図である。
【図2】複数のバンプ電極がアレイされた配線基板を示す平面図である。
【図3】配線基板を具備する半導体装置の例を示す図である。
【図4】バンプ電極の形成プロセスを示す斜視図である。
【図5】図4のバンプ電極の形成プロセスの続きを示す斜視図である。
【図6】各UBMのパターン上に形成された電解めっき層と、電解めっき層がリフロー処理されることで形成されたフィレットを有するバンプ電極を示す斜視図である。
【図7】従来の丸型のバンプ電極を有する配線基板を示す斜視図である。
【図8】従来のバンプ電極の形成プロセスを示す斜視図である。
【図9】図8の従来のバンプ電極の形成プロセスの続きを示す斜視図である。
【図10】円形状のアンダーバンプメタルである場合に、リフロー処理前後の従来のバンプ電極を示す斜視図である。
【図11】矩形状のアンダーバンプメタルである場合に、リフロー処理前後の従来のバンプ電極を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1…シリコン基板、2…アルミニウム配線、3…絶縁層、7…バンプ電極、10…フィレット、11…フォトレジスト、13…電解めっき層、25…アンダーバンプメタル(UBM)、50…配線基板、60…半導体装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ピッチでアレイ状に配列されて金属を堆積して熱処理で整形してバンプ電極を配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板であって、
隣接する前記複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方の前記パターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方の前記パターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMにおいて、前記第1パターン長さL<前記第2パターン長さMとなる形状に形成された前記アンダーバンプメタルのパターンを具備することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記アンダーバンプメタルのパターンは、パターン本体部と、パターン延長部から成る形状であり、
前記パターン延長部と前記パターン本体部の2つの交点は前記パターン本体部の輪郭線上に位置し、かつ構成する1辺が前記第1線と直交する前記パターン本体部の外接矩形の辺上に位置せず、前記パターン延長部は前記第2線に沿って延長して形成され、
前記パターン延長部の輪郭線が前記外接矩形の範囲内に位置することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記バンプ電極は、前記パターン本体部上に形成されるバンプ本体部と、
前記パターン延長部上に形成されて前記バンプ本体部から突出した複数のフィレットと、を有しており、前記矩形の範囲内において前記フィレットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の配線基板。
【請求項4】
所定ピッチでアレイ状に配列されて金属を堆積して熱処理で整形してバンプ電極を配置する複数のアンダーバンプメタルのパターンを有する配線基板であって、隣接する前記複数のアンダーバンプメタルのパターンの内、距離の短い方の前記パターンの重心同士を結んだ第1線上にある第1パターン長さLと、距離の長い方の前記パターンの重心同士を結んだ第2線上にある第2パターン長さMにおいて、前記第1パターン長さL<前記第2パターン長さMとなる形状に形成された前記アンダーバンプメタルのパターンを有する前記配線基板と、
前記配線基板に搭載された半導体チップと、
前記配線基板と前記半導体チップとを封止する封止部と、
を具備することを特徴とする配線基板を有する半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−118448(P2010−118448A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289851(P2008−289851)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】