説明

配線基板のコネクタ接続用端子の製造方法

【課題】コネクタ接続用端子に、鉛を使用しない安価なはんだペーストを印刷してはんだ層を形成するに際して、はんだ層の厚みを薄く均一に形成したコネクタ接続用端子の製造方法を提供する。
【解決手段】プリント配線基板10に設けられた複数の接触片14からなるコネクタ接続用端子20であって、該コネクタ接続用端子20の終端部は所定長さLよりも延長され、この延長部分21の相互間を接続する連結領域22を設ける。そして、接触片14の相互間および連結領域22を含む延長部分21の全体にはんだペースト16を印刷し、印刷されたはんだペースト16をフュージングしてはんだプリコート層17を形成する。然る後に、前記連結領域22を含む延長部分21を切断除去して、所定長さLのコネクタ接続用端子20を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板側端部に形成されるコネクタ接続用端子の製造方法に関するものであり、特に、ZIF型コネクタや圧入式コネクタなどに嵌合されるコネクタ接続用端子をより安価に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、コネクタ接続用端子の表面には、コネクタとの接触抵抗の低減、端子自体の摩耗防止、端子を形成する金属材料の酸化防止、などの理由により導電性皮膜が形成されることが多い。この導電性皮膜は、金属材料から剥離しないこと、均等かつ厚みの薄い皮膜であること、酸化による腐食がないこと、などの特性が要求される。
【0003】
従来は、安価であることから、銅の表面に有鉛共晶はんだメッキを施す方法が多く採られていたが、昨今の環境汚染の問題から、鉛を使用しない導電性皮膜が要求されるようになった。前記特性を満足する導電性皮膜として、金メッキまたはニッケルメッキを施した上に金メッキを施すことが行われている。金メッキはコスト的に高価であるので、ニッケルメッキを施した上に金メッキを施すことが一般的である。しかし、異なる2つの皮膜が必要になって処理が煩雑になり、金メッキ単体のコストよりは廉価ではあるが、依然高価となる。金メッキに代わって、純錫または錫系合金(いわゆる鉛フリーはんだ)をメッキすることも行われているが、この場合、錫のウイスカーが発生しやすく、漏れ電流や短絡の発生するおそれがある。
【0004】
また、純錫または錫系合金のメッキ部分に予め薄い樹脂皮膜層を形成して、ウイスカーの発生を防止した配線基板も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−302575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の発明は、純錫または錫系合金のメッキ部分に樹脂皮膜層を形成することによって、鉛による環境問題とウイスカーの発生とを防止している。コネクタの挿入時に前記樹脂皮膜が擦れによって破られて電気接触がなされるが、樹脂皮膜層が柔らかいため位置ずれを起こすおそれがある。また、何度も抜き差しするような状況や長時間の使用には不向きであり、安定性および信頼性に欠けるという問題がある。
【0006】
安定性および信頼性の点では金メッキが優れているが、前述したようにコストが高いことと、配線基板に、はんだ皮膜と樹脂皮膜との異なる2つの皮膜が必要になって処理が煩雑になる。
【0007】
銅端子の表面に鉛フリーのはんだペーストを印刷してはんだ層を形成する方法であれば、錫のウイスカーが発生しにくく、しかも安価であるが、はんだペーストはフュージングによって厚みにばらつきが生じやすい。また、はんだペーストにより形成するはんだ層はメッキ皮膜よりも厚くなる。コネクタの共用化の点から、メッキ皮膜の端子と同じ厚みとなるようにはんだ層を形成する必要があるが、はんだペーストの厚みを薄く印刷すると、フュージングしたときに、はんだの溶け広がりにむらが生じるため、従来は、はんだ層の厚みを薄く均一に形成することが困難であった。
【0008】
そこで、本発明はコネクタ接続用端子に、鉛を使用しない安価なはんだペーストを印刷してはんだ層を形成するに際して、はんだ層の厚みを薄く均一に形成したコネクタ接続用端子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、配線基板に設けられた複数の接触片からなるコネクタ接続用端子であって、該コネクタ接続用端子の終端部は所定長さよりも延長され、この延長部分相互間を接続する連結領域を設け、前記連結領域を含むコネクタ接続用端子の表面に、はんだペーストを印刷し、印刷された前記はんだペーストをフュージングしてはんだプリコート層を形成し、然る後に、前記連結領域を含む延長部分を切断除去して所定長さに形成することを特徴とする配線基板のコネクタ接続用端子の製造方法を提供する。
【0010】
この構成によれば、コネクタ接続用端子の終端部は所定長さよりも延長されており、この延長部分相互間を接続して連結領域が設けられている。コネクタ接続用端子の表面に、はんだペーストを印刷してフュージングすると、溶融したはんだが面積の広い連結領域に集中するように流出し、連結領域でのはんだ層の厚みが厚くなり、コネクタ接続用端子の部分でははんだ層の厚みが薄くかつ均一の厚みとなる。然る後に、前記延長部分を切断除去してコネクタ接続用端子を所定長さに形成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、コネクタ接続用端子の終端部を延長して面積の広い連結領域を設け、はんだペーストを印刷してフュージングしたときに、溶け広がるはんだを延長部分の連結領域に集中させることにより、端子部分のはんだ層の厚みを薄く均一に形成できる。したがって、鉛フリーのはんだ層をメッキ皮膜の端子と同じ厚みで、かつ、均一厚みに形成でき、環境汚染とウイスカーの発生を防止しつつ、安価な材料を使用することによりコストダウンにも寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る配線基板のコネクタ接続用端子の製造方法について、好適な実施例をあげて説明する。コネクタ接続用端子に、鉛を使用しない安価なはんだペーストを印刷してはんだ層を形成するに際して、はんだ層の厚みを薄く均一に形成したコネクタ接続用端子の製造方法を提供するという目的を達成するために、本発明は配線基板に設けられた複数の接触片からなるコネクタ接続用端子であって、該コネクタ接続用端子の終端部は所定長さよりも延長され、この延長部分相互間を接続する連結領域を設け、前記連結領域を含むコネクタ接続用端子の表面に、はんだペーストを印刷し、印刷された前記はんだペーストをフュージングしてはんだプリコート層を形成し、然る後に、前記連結領域を含む延長部分を切断除去して所定長さに形成することにより実現した。
【実施例1】
【0013】
図1はプリント配線基板10を示し、絶縁ベース材11の表面に銅箔などの導電体が設けられ、エッチングにより導電体の不要部分を除去して配線パターン12を形成し、さらに、カバーレイ13にて被蔽してある。複数の接触片14からなるコネクタ接続用端子20は、カバーレイの開口部15の一端から露出して、二点鎖線で示す所定長さLに形成される。コネクタ接続用端子20は、他の配線パターン12よりも幅広に形成されている。
【0014】
コネクタ接続用端子20の終端部は前記所定長さLよりも延長されており、この延長部分21はカバーレイの開口部15内で収めてもよいが、図示例では延長部分21が開口部15の他端を超えてカバーレイ13の下面にまで形成されている。そして、この延長部分21の相互間を接続する連結領域22が設けられている。
【0015】
図2は前記プリント配線基板10のカバーレイの開口部15に、はんだペースト16を印刷した後の状態を示し、はんだペースト16はコネクタ接続用端子20の所定長さLの部分だけではなく、接触片14の相互間および連結領域22を含む延長部分21の全体を一括して印刷する。
【0016】
図3はフュージング後の状態を示し、導電体以外の部分のはんだペースト16は加熱溶融されて導電体の表面に流れ込み、冷却硬化してはんだプリコート層17が形成される。通常は、はんだプリコート層17が導電体の表面全体に均一な厚みで形成されるが、図示したように、前記連結領域22を含む延長部分21の面積が、コネクタ接続用端子20の接触片14の面積よりも大きいため、連結領域22を含む延長部分21上に形成されたはんだプリコート層17の厚みが厚くなり、コネクタ接続用端子20の接触片14上には、厚みが薄くかつ均一厚みのはんだプリコート層17が形成される。
【0017】
従来は、はんだペーストを薄く印刷して、薄いはんだプリコート層を形成しようとしても、はんだの溶け広がりにむらが生じて、均一な厚みのはんだプリコート層を形成することができなかったが、上記のように、面積の大きい連結領域22を含む延長部分21を形成しておくことにより、コネクタ接続用端子20の接触片14上に、薄くかつ均一厚みのはんだプリコート層17を形成することができる。
【0018】
そして、図4の二点鎖線で示す所定長さLの部分を切断し、連結領域22を含む延長部分21を除去する。かくして、図5に示すように、プリント配線基板10には複数の接触片14からなる所定長さLのコネクタ接続用端子20が形成される。
【0019】
このように、前記コネクタ接続用端子20の表面には、鉛フリーのはんだペースト16を印刷およびフュージングして、厚みが薄くかつ均一厚みのはんだプリコート層17を形成してあるので、ウイスカーの発生や環境汚染を防止しつつ、安価にコネクタ接続用端子20を製造することができる。
【0020】
また、純錫または錫系合金のメッキを施す方法と比較して、プリント配線基板10に、はんだ皮膜と樹脂皮膜との異なる2つの皮膜が不必要になり、処理が簡素化される。実験の結果、前記はんだプリコート層17の厚みは5〜6μmであり、ニッケルメッキを施した上に金メッキを施したときの皮膜の合計厚み(3〜5μm)とほぼ近似した厚みとなっている。したがって、本発明のコネクタ接続用端子20は、ニッケルメッキを施した上に金メッキを施した皮膜のコネクタ接続用端子と同等の特性を実現することができる。
【0021】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るコネクタ接続用端子の製造過程を示す説明図。
【図2】本発明に係るコネクタ接続用端子の製造過程を示す説明図。
【図3】本発明に係るコネクタ接続用端子の製造過程を示す説明図。
【図4】本発明に係るコネクタ接続用端子の製造過程を示す説明図。
【図5】本発明に係るコネクタ接続用端子の製造過程を示す説明図。
【符号の説明】
【0023】
10 プリント配線基板
11 絶縁ベース材
12 配線パターン
13 カバーレイ
14 接触片
15 開口部
16 はんだペースト
17 はんだプリコート層
20 コネクタ接続用端子
21 延長部分
22 連結領域
L 所定長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板に設けられた複数の接触片からなるコネクタ接続用端子であって、
該コネクタ接続用端子の終端部は所定長さよりも延長され、この延長部分相互間を接続する連結領域を設け、
前記連結領域を含むコネクタ接続用端子の表面に、はんだペーストを印刷し、印刷された前記はんだペーストをフュージングしてはんだプリコート層を形成し、
然る後に、前記連結領域を含む延長部分を切断除去して所定長さに形成することを特徴とする配線基板のコネクタ接続用端子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−47471(P2008−47471A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223496(P2006−223496)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(000230249)日本メクトロン株式会社 (216)
【Fターム(参考)】