説明

配線基板の製造方法

【課題】配線と基板との密着性が良好で、配線幅を拡げずに配線厚みを大きくでき、短時間で配線を描画形成できかつ製造コストが低廉な配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】溶剤中に金属微粒子を混入した金属ナノインクの液滴をインクジェットヘッドにより吐出し、絶縁材料からなる基板上に所定の配線パターンを描画するように金属ナノインクの液滴を着滴させ、溶剤を飛散させて乾燥させることにより配線を形成する配線基板の製造方法であって、基板Kに対する濡れ性が良い(θ1≒6°)金属ナノインクの液滴(標準液滴Dp1)を基板K上に着滴させ、所定の配線幅dを有する配線の下地層L1を形成する工程と、金属ナノインクの液滴(大形液滴Dp2)を下地層L1からはみ出ない範囲で下地層L1上に重ねて着滴させる重ね層形成工程と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に配線パターンを形成する配線基板の製造方法に関し、より詳細には、インクジェット装置を用いて配線パターンを描画する配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の配線パターンを有する配線基板は、各種の電子制御装置や電子通信装置、コンピュータなどを製造するときに基となる重要な部材である。この配線基板の製造方法として、従来からメッキ法や真空蒸着法、スパッタ法などにより基板上に金属薄膜を形成する方法が用いられてきた。しかしながら、これらの従来の方法はいずれも難点があるため、インクジェット装置やディスペンサ装置を用いて配線パターンを描画する方法が広まりつつある。インクジェット装置は、大量に配置されたノズルから極微量の液滴を吐出できるため、一度に大きな面積の極細配線を高速で印刷できるが、あまり粘度の大きなインクは使用できず、一度の描画で十分な配線厚みを得ることが難しいという一般的特性を有している。一方、ディスペンサ装置は、粘度の大きなインクでも塗布することができるが、一度に吐出できる液滴量が大きいため極細配線の描画が難しいこと、大量のノズルは使用できないために印刷速度はインクジェット装置よりも小さくなるのが一般的である。
【0003】
インクジェット装置を用いた配線基板の製造方法の例が特許文献1および2に開示されている。特許文献1に開示される配線基板の製造方法は、絶縁基材上に配線パターンに沿って導電パターンと絶縁パターンとを少なくとも1層形成する方法であって、絶縁基材と絶縁パターンの少なくとも一つを半硬化状態としてその上部に導電パターンを形成し、熱処理によって前記少なくとも一つを完全硬化するとともに導電パターンを焼成するようにしている。さらに、請求項2および3には、導電パターンおよび絶縁パターンがインクジェット方式で形成される態様が開示され、請求項12には、絶縁基材、第1導電パターン、層間通電部、および絶縁パターンがインクジェット方式で形成される態様が開示されている。発明の効果として、半硬化された絶縁層と導電パターンとを同時熱処理して両者の間の接着力(密着性)を改善することができる、とされている。
【0004】
また、特許文献2の請求項11に開示される膜パターンの製造方法は、基体上に機能性材料を有した液滴を吐出して固化させ、加熱等の処理を施して、複数種類の機能性ドットアレイを混在して形成することを特徴としている。第1の実施形態には、密着性機能を持つドットアレイを離隔形成し、その上に導電性機能を持つドットを一部重ねて連結するように形成する例が示されている。発明の効果として、ドットアレイを組み合わせて形成することで膜パターンを容易に形成できる、とされている。
【0005】
この種のインクジェット装置を用いた配線基板の製造方法では、溶剤中に金属微粒子を混入した金属ナノインクを用いるのが一般的であり、微細な配線と基板との密着性や、配線幅および配線厚みの制御が課題となる。配線と基板との密着性を良くするには、基板に対して濡れ性の良いインクを使用することに加え、基板に表面処理を施して微細な凹凸を設けインクとの接触面積を増加させて密着力を増加させる方法や、インクに添加剤を加えて改質する方法などを併用する。また、所定の配線幅を確保するために、微細な配線幅では微小なインク液滴を基板に着滴させ、或る大きさ以上の配線幅ではインク液滴を複数条にわたって基板に着滴させている。さらに、所定の配線厚みを確保するために、特許文献2に例示される如くインクを多層に塗り重ねている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−158352号公報
【特許文献2】特開2007−88382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、密着性を良くするために基板に表面処理を施す方法やインクを改質する方法は、その分だけ手間がかかって製造コストが増加する。加えて、密着性を良くすると基板上にインクが濡れ拡がり過ぎるため、所定の配線幅を超えて拡がらないように微小なインク液滴を使用する必要が生じる。ところが、微小なインク液滴では所定の配線厚みを確保するために非常に多数の液滴が必要となり、さらには塗り重ね回数も多数回となりがちで、配線描画工程に時間がかかり過ぎるという弊害が生じる。
【0008】
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、配線と基板との密着性が良好で、配線幅を拡げずに配線厚みを大きくでき、短時間で配線を描画形成できかつ製造コストが低廉な配線基板の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1に係る配線基板の製造方法の発明は、溶剤中に金属微粒子を混入した金属ナノインクの液滴をインクジェットヘッドにより吐出し、絶縁材料からなる基板上に所定の配線パターンを描画するように前記金属ナノインクの液滴を着滴させ、前記溶剤を飛散させて乾燥させることにより配線を形成する配線基板の製造方法であって、前記基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクの液滴を前記基板上に着滴させ、所定の配線幅を有する配線の下地層を形成する下地層形成工程と、前記金属ナノインクの液滴を前記下地層からはみ出ない範囲で前記下地層上に重ねて着滴させる重ね層形成工程と、を備えた。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記基板上に連続して着滴させ、前記重ね層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記下地層上に重ねて連続して着滴させる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記基板上に着滴させ、前記重ね層形成工程で最後の重ね層を形成するときに前記金属ナノインクの液滴を連続して着滴させる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記下地層形成工程で着滴させる液滴より大きい大形液滴を、前記下地層上に重ねて一条もしくは複数条着滴させる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記大形液滴を前記下地層上に重ねて前記配線の延在方向に連続して一条もしくは複数条着滴させる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記下地層形成工程時のインクジェットヘッドを用いずに、前記大形液滴を吐出する大形インクジェットヘッドを用いる。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項4または5に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、複数の液滴を連続的に吐出可能なマルチドロップ形インクジェットヘッドを用い、一位置あたりに複数の金属ナノインクの液滴を着滴させて合一させることにより前記大形液滴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記金属ナノインクの液滴を前記下地層上に重ねて前記配線の延在方向に連続して複数条着滴させる。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程の前に、前記絶縁材料に対する濡れ性が良い溶剤に前記金属微粒子を混入して前記基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクを作成するインク作成工程をさらに備えた。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の配線基板の製造方法であって、前記インク作成工程における前記基板に対する前記金属ナノインクの濡れ性は、接触角を10°以下とした。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る配線基板の製造方法の発明では、基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクの液滴を基板上に着滴させて所定の配線幅を有する配線の下地層を形成し、次に、金属ナノインクの液滴を下地層からはみ出ない範囲で下地層上に重ねて着滴させる。ここで、基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクは、基板上の配線幅の範囲に小さな接触角で拡がって接触面積が確保されるので、溶剤が飛散して金属微粒子が結合された下地層と基板との密着性が良好になる。また、下地層上に重ねて着滴された金属ナノインクにより重ね層が形成されるので、配線幅を拡げずに配線厚みを大きくでき、配線基板に所定の電気的性能を付与できる。さらに、基板の表面処理やインクの改質などが不要であるので、製造コストは低廉である。
【0020】
請求項2に係る発明では、金属ナノインクの液滴を基板上に連続して着滴させて下地層を形成し、次に、金属ナノインクの液滴を下地層上に重ねて連続して着滴させる。つまり、金属ナノインクの多数の液滴同士が互いに接触するように基板上に連続して着滴させるので、多数の液滴がひとつにつながって滑らかな下地層が形成される。同様に滑らかな重ね層が形成され、最終的に滑らかな配線パターンが形成されて、インクの乾燥時にクラックを生じず配線基板の電気的特性が良好になる。
【0021】
請求項3に係る発明では、下地層および最後以外の重ね層を形成するときの金属ナノインクの着滴方法に自由度を持たせ、最後の重ね層を形成するときは金属ナノインクの液滴を連続して着滴させる。つまり、下地層および最後以外の重ね層を形成するときに、例えば特許文献2に例示されるように離隔した着滴方法を採用してもよい。この場合に、配線パターンの形成途中で配線厚みに多少の凹凸が生じ得るが、最後の重ね層を形成するときの連続着滴により凹所に金属ナノインクが集中し、最終的に凹凸の少ない滑らかな配線パターンが形成される。
【0022】
請求項4に係る発明では、重ね層形成工程で、下地層形成工程で着滴させる液滴より大きい大形液滴を下地層上に重ねて着滴させ、さらに層数を増やす場合には乾燥と着滴を繰り返す。この態様では、金属ナノインクの大形液滴を下地層上に着滴させても、下地層が受容層になって金属ナノインクが濡れ拡がらないので、配線幅を超えない。したがって、大形液滴の少ない液滴数で重ね層を形成でき、大形液滴を用いない場合と比較して短時間で配線を描画形成できる。また、大形液滴により重ね層を厚く形成できるので重ね層の層数を低減でき、大形液滴を用いない場合と比較して短時間で配線を描画形成できる。
【0023】
請求項5に係る発明では、大形液滴を下地層上に重ねて配線の延在方向に連続して一条もしくは複数条着滴させるので、大形液滴同士が配線の延在方向につながり確実に重ね層が形成される。これにより、配線パターンのパターン形状が安定して確実なものとなり、インクの乾燥時にクラックを生じず配線基板の電気的特性が良好になる。
【0024】
請求項6に係る発明では、重ね層形成工程で、下地層形成工程時のインクジェットヘッドを用いずに、大形液滴を吐出する大形インクジェットヘッドを用いる。つまり、本発明は大小2組のインクジェットヘッドを備えたインクジェット装置を用いて実施できる。これにより、請求項3および4に記載した効果が生じる。
【0025】
請求項7に係る発明では、重ね層形成工程で、複数の液滴を連続的に吐出可能なマルチドロップ形インクジェットヘッドを用いて大形液滴を作成する。つまり、本発明は、マルチドロップ形インクジェットヘッドを用い、一位置あたりの金属ナノインクの液滴数を下地層形成工程よりも重ね層形成工程で多数とすることにより実施できる。これにより、請求項3および4に記載した効果が生じる。
【0026】
請求項8に係る発明では、重ね層形成工程で、金属ナノインクの液滴を下地層上に重ねて配線の延在方向に連続して複数条着滴させる。これにより、金属ナノインクの液滴の複数条が配線の延在方向につながり確実に重ね層が形成され、配線パターンのパターン形状が安定して確実なものとなり、配線基板の電気的特性が良好になる。
【0027】
請求項9に係る発明では、絶縁材料に対する濡れ性が良い溶剤に金属微粒子を混入して基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクを作成する。さらに、請求項10に係る発明では、基板に対する金属ナノインクの濡れ性を良くして接触角を10°以下としている。これにより、下地層と基板との密着性が確実に良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態で用いるインクジェット装置の主要部位であるインクジェットヘッドの構成および動作を説明する側面断面図であり、(1)〜(4)は動作順序を示している。
【図2】インクジェットヘッドの駆動電源が印加する交流電圧の波形を例示説明する図であり、(1)〜(5)は波形のバリエーションを示している。
【図3】第1実施形態の配線基板の製造方法の工程図である。
【図4】第1実施形態の配線基板の製造方法の工程実施状況図であり、(1)は下地層形成工程の実施状況平面図、(2)は(1)のX1方向から見た側面図、(3)は重ね層形成工程の実施状況平面図、(4)は(3)のX2方向から見た側面図である。
【図5】第2実施形態の配線基板の製造方法の工程実施状況図であり、(1)は下地層形成工程の実施状況平面図、(2)は(1)のX1方向から見た側面図、(3)は重ね層形成工程の実施状況平面図、(4)は(3)のX2方向から見た側面図である。
【図6】スライドガラス上に銀ナノインクの液滴を着滴させた第1基礎実験の結果を示す平面図である。
【図7】スライドガラス上に銀ナノインクの液滴を着滴させ、下地層および重ね層を重ねて形成した第2基礎実験の結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法について、図1〜図4を参考にして説明する。まず、第1実施形態で用いるインクジェット装置の構成について説明する。インクジェット装置は、インクジェットヘッドの他に基板搬入出装置やX−Y駆動機構を含んで構成されている。図1は、第1実施形態で用いるインクジェット装置の主要部位であるインクジェットヘッド1の構成および動作を説明する側面断面図であり、(1)〜(4)は動作順序を示している。このインクジェットヘッド1は撓みモードピエゾヘッドと呼ばれ、ノズル3が穿設されたインク室2、振動板4、ピエゾ圧電素子5、上部電極6、駆動電源7などにより構成されている。
【0030】
インク室2は、底板21、側板22、23、および上側の振動板4により区画された空間を隔壁24で左右に二分したうちの大きい側の空間(図では右側の空間)によって形成されている。また、二分したうちの小さい側の空間(図では左側の空間)によってリザーバ室25が形成されている。底板21および側板22、23は、変形を許容しないように堅固な板材を用いて構成されている。一方、振動板4は、凹凸撓み変形できるとともに下部電極を兼ねることができるように、可撓性を有する金属製の薄板材で構成されている。隔壁24はインク室2とリザーバ室25とを完全には隔絶しておらず、両室2、25は細隙流路26で連通している。インク室2を形成する底板21の細隙流路26から離れた端部寄り(図中の右方寄り)には、下方に開口するノズル3が穿設されている。
【0031】
また、リザーバ室25を区画形成する振動板4の一部は、凹凸撓み変形可能なダイアフラム27になっている。さらに、リザーバ室25を区画形成する振動板4を突き抜けて、図略のインクタンクに連通する供給流路28が形成されている。インク室2およびリザーバ室25は、インクタンクから供給されるインクが常時充満された状態で使用される。
【0032】
インク室2を形成する振動板4の上面には、ピエゾ圧電素子5が広く貼設されている。さらに、ピエゾ圧電素子5の上面には、可撓性を有する金属製薄板からなる上部電極6が広く貼設されている。下部電極を兼ねる振動板4、ピエゾ圧電素子5、および上部電極6は三層構造になっている。駆動電源7は、振動板4と上部電極6との間に交流電圧を印加してピエゾ圧電素子5を駆動するように接続されている。交流電圧の印加により、ピエゾ圧電素子5は逆ピエゾ効果によって凹凸撓み変形し、振動板4もピエゾ圧電素子5と同じ形状に凹凸撓み変形する。
【0033】
次に、インクジェットヘッド1の動作について説明する。図2は、インクジェットヘッド1の駆動電源7が印加する交流電圧の波形を例示説明する図であり、(1)〜(5)は波形のバリエーションを示している。図2の(1)は、振幅E1の単一正弦波波形が間隔時間t1で繰返す交流電圧の波形例である。以下、この単一正弦波波形を印加したときのインクジェットヘッド1の動作について、図1を参考にして説明する。
【0034】
図1の(1)の初期状態で単一正弦波波形の正の半波が印加されると(2)の凹状態に移行する。凹状態では、矢印Aで示されるように振動板4が凹変形してインク室2の内容積が減少する。これにより、インク室2内のインクの一部がノズル3の下端開口から下方に突出するが(矢印B)、表面張力が作用するため切り離されず吐出されない。またインクの別の一部はリザーバ室25に移動し(矢印C)、ダイアフラム27は凸変形する。
【0035】
次に、単一正弦波波形の負の半波が印加されると(3)の凸状態に移行する。凸状態では、矢印Dで示されるように振動板4が凸変形してインク室2の内容積が増加する。これにより、ノズル3の中間部分のインクがインク室2内に引きこまれ(矢印E)、下方に突出していた分のインクが切り離されて液滴Dpとなり吐出される。またリザーバ室25のインクの一部がインク室2に移動して(矢印F)、ダイアフラム27は凹変形する。
【0036】
次に、単一正弦波波形が無くなると(4)のフラット状態に移行する。フラット状態では、振動板4がフラット状態に戻り、インク室2の内容積がわずかに減少する。これに伴い、ノズル3の中間部分まで再度インクが充満される(矢印G)。一方、ダイアフラム27は凹変形状態からフラット状態に戻り、リザーバ室25の内容積がわずかに増加する。これにより、インクタンクからリザーバ室25にインクが供給され(矢印H)、(1)の初期状態に戻る。以下、単一正弦波波形が繰返して印加されると、同様に繰返して動作し、単一正弦波波形ごとに液滴Dpが吐出される。
【0037】
なお、図2の(1)に示される間隔時間t1は、吐出の駆動波形に要する時間以上の予め設定した一定値とすることができ、あるいは適宜調整可能な可変値とすることもできる。また、交流電圧の波形を図2の(2)に示される振幅E2の矩形波形や図略の台形波形、あるいはそれらを組み合わせてインクの残留振動を抑制するような波形に変更しても、インクジェットヘッド1は同様に動作する。さらに、図2の(3)に示されるように、単一正弦波波形の振幅E3を(1)の振幅E1よりも大きくすると(E3>E1)、振動板4の凹凸撓み変形量が増加するので液滴Dpの体積を大きくすることができる。なお、単一正弦波波形の振幅E1、E3を可変に調整することもできる。
【0038】
また、図2の(4)に示されるように、連続した正弦波波形を用いれば、連続的に液滴Dpを吐出できる。さらに、図2の(5)に例示されるように、正弦波波形3波を連続して印加した後に小休止し、これを間隔時間t2で繰返すようにしてもよい。この態様によれば、或る位置で3滴の液滴を吐出し、次にX−Y駆動機構により別の位置に移動した後に3滴の液滴を吐出するというマルチドロップ形インクジェットヘッドを構成することができる。なお、正弦波波形の連続数すなわち連続して吐出する液滴数および間隔時間t2は一定値とすることができ、あるいは可変値とすることもできる。
【0039】
本第1実施形態では、標準的な大きさの標準液滴Dp1を吐出する標準インクジェットヘッドおよび、より大きな大形液滴Dp2(Dp2>Dp1)を吐出する大形インクジェットヘッドを備えたマルチヘッド形のインクジェット装置を用いる。なお、これに限定されず、マルチドロップ形インクジェットヘッドを1つだけ備えたインクジェット装置を用いるようにしてもよい。この場合、後述する重ね層形成工程P4における一位置あたりの金属ナノインクの液滴Dpの数を下地層形成工程P2よりも多数とする。これにより、重ね層形成工程P4で、多数の液滴Dpを合一させて大形液滴Dp2を作成することができる。
【0040】
なお、配線描画対象となる基板Kは、図略の基板搬入出装置によって搬入および位置決めされるようになっている。また、インクジェットヘッド1の全体は、図略のX−Y駆動機構により駆動され、位置決めされた基板K上の任意の位置に移動されるようになっている。
【0041】
次に、第1実施形態の配線基板の製造方法の各工程の内容について、図3の工程図および図4の工程実施状況図を参考にして説明する。図3に示されるように、第1実施形態の配線基板の製造方法は、準備工程P1、下地層形成工程P2、下地層乾燥工程P3、重ね層形成工程P4、および重ね層乾燥工程P5の5工程を含んでいる。このうち重ね層形成工程P4および重ね層乾燥工程P5は、十分な配線厚みが得られるまで必要に応じて繰り返される。図4は、第1実施形態の配線基板の製造方法の工程実施状況図であり、(1)は下地層形成工程P2の実施状況平面図、(2)は(1)のX1方向から見た側面図、(3)は重ね層形成工程P4の実施状況平面図、(4)は(3)のX2方向から見た側面図である。
【0042】
準備工程P1では、インクおよび基板を準備し、インクジェット装置のインクタンクにインクを充填し、基板搬入出装置の搬入口に基板をセットする。インクとしては、溶剤中に金属微粒子を混入した金属ナノインクを用いるが、基板に対する濡れ性が良いことが条件となる。ここで、溶剤にテトラデカン(C1430 )を用いると、ガラスやガラス系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリイミド樹脂などの多くの絶縁材料に対する濡れ性が良くなり、テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂に対する濡れ性が悪くなる。なお、「濡れ性が良い」とは、一般的に、絶縁材料上に拡がるインクの端面の成す接触角が10°以下である場合を言う。
【0043】
したがって、フッ素系樹脂以外の絶縁材料を用いて基板を製造する。また、金属微粒子に例えば直径nm(ナノメータ)オーダの銀ナノ粒子を用いる。そして、溶剤であるテトラデカンに銀ナノ粒子を適量混入して銀ナノインクを作成する。金属微粒子の材質は、銀に限定されず、金やその他の金属であってもよい。基板を製造する基板製造工程および銀ナノインクを作成するインク作成工程は、準備工程P1の一部に含まれており、必ずしも自社で実施する必要はない。つまり、基板製造工程およびインク作成工程を他社に依頼して、基板および銀ナノインクを半製品の形で購入するようにしてもよい。
【0044】
次の下地層形成工程P2では、図4の(1)および(2)に示されるように、基板Kに対する濡れ性が良い銀ナノインクの液滴Dp1を基板K上に着滴させ、所定の配線幅dを有する配線の下地層L1を形成する。このとき、標準インクジェットヘッドを用いて体積V1の標準液滴Dp1を吐出し、基板K上に配線の延在方向に一条だけ連続して着滴させる。すると、銀ナノインクの濡れ性が良いので、図4の(2)に示されるように、銀ナノインクの標準液滴Dp1は基板K上に拡がり、接触角θ1は10°以下になる。例えば、ガラス製あるいはガラス系樹脂製の基板Kに対する銀ナノインクの接触角θ1は6°程度になる。また、銀ナノインクの多数の標準液滴Dp1同士が基板K上でひとつにつながり、配線の延在方向に帯状に連なる。
【0045】
次の下地層乾燥工程P3では、着滴された銀ナノインクの標準液滴Dp1から溶剤であるテトラデカンを飛散させて乾燥させる。下地層乾燥工程P3は自然乾燥により実施してもよいが、所要時間を短縮するために、印刷時に基板を予熱する方法や、印刷後に加熱する方法、温風を送風する方法、可視光や赤外光などを照射する方法などを用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。乾燥により、基板Kの上面で銀ナノ粒子が連結され、配線幅dの帯状の下地層L1が形成される。
【0046】
次の重ね層形成工程P4では、図4の(3)および(4)に示されるように、銀ナノインクの液滴Dp2を下地層L1からはみ出ない範囲で下地層L1上に重ねて着滴させる。このとき、大形インクジェットヘッドを用いて体積V2(V2>V1)の大形液滴Dp2を吐出し、下地層L1上に重ねて配線の延在方向に連続して一条だけ着滴させる。すると、下地層L1が受容層になって銀ナノインクが濡れ拡がらず、図4の(4)に示されるように、下地層L1に対する大形液滴Dp2の接触角θ2は55°程度と非常に大きくなる。これにより、大形液滴Dp2は配線幅dを超えず、下地層L1上でひとつにつながり、配線の延在方向に帯状に連なる。
【0047】
本発明では、配線幅dを超えない範囲で、大形液滴Dp2の体積V2をできるだけ大きくすることが好ましい。一般的に、配線幅dを超えないことを条件とした場合、大形液滴Dp2(体積V2)の標準液滴Dp1(体積V1)に対する体積比率Rは次の数式1および数式2により求められる。
【数1】

これに、接触角θ1=6°、接触角θ2=55°を代入すると、体積比率R=10.8倍が得られる。したがって、或る程度の裕度を見込み、大形液滴Dp2の体積V2を標準液滴Dp1の体積V1の10倍弱程度の大きさにすることが実用的に好ましい。
【0048】
次の重ね層乾燥工程P5では、着滴された銀ナノインクの大形液滴Dp2から溶剤であるテトラデカンを飛散させて乾燥させる。この重ね層乾燥工程P5にも、自然乾燥や温風乾燥などの方法を適宜用いることができる。乾燥により、下地層L1の上面で銀ナノ粒子が連結され、帯状の重ね層L2が下地層L1の上側に一体的に形成され、下地層L1および重ね層L2によって配線パターンが構成される。
【0049】
次の工程P6では、配線パターンの配線厚みが十分であるか否かを判定する。配線厚みの判定は、例えば、重ね層L2の層数のカウントによって行うことができる。例えば、重ね層の層数を2層に設定した場合、重ね層形成工程P4および重ね層乾燥工程P5の実施回数が1回のとき条件不成立、2回のとき条件成立と判定できる。また、重ね層乾燥工程P5の後に配線パターンの配線厚みを実測して判定するようにしてもよい。条件不成立のとき重ね層形成工程P4に戻り、条件成立のとき第1実施形態の配線基板の製造方法の全工程を終了する。
【0050】
第1実施形態の配線基板の製造方法によれば、基板Kに対する濡れ性が良い銀ナノインクは、基板K上の配線幅dの範囲に小さな接触角θ1(≒6°)で拡がって接触面積が確保される。したがって、溶剤であるテトラデカンが飛散して銀ナノ粒子が結合された下地層L1と基板Kとの密着性が良好になる。また、下地層L1上に重ね層L2が形成されるので、配線幅dを拡げずに配線厚みを大きくでき、配線基板に所定の電気的性能を付与できる。さらに、基板Kの表面処理や銀ナノインクの改質が不要であるので、製造コストは低廉である。
【0051】
さらに、銀ナノインクの標準液滴Dp1を基板K上に配線の延在方向に連続して一条だけ着滴し、次に、銀ナノインクの大形液滴Dp2を下地層L1上に重ねて配線の延在方向に連続して一条だけ着滴させるので、多数の液滴Dp1、Dp2同士がひとつにつながって滑らかな下地層L1および重ね層L2が形成される。これにより、最終的に滑らかな配線パターンが形成され、パターン形状も安定して確実なものとなり、インクの乾燥時にクラックを生じず配線基板の電気的特性が良好になる。
【0052】
また、重ね層形成工程P4で、標準液滴Dp1より大きい大形液滴Dp2を下地層L1上に重ねて一条だけ着滴させるので、大形液滴Dp2の少ない液滴数で重ね層を形成でき、大形液滴Dp2を用いない場合と比較して短時間で配線を描画形成できる。また、大形液滴Dp2により重ね層L2を厚く形成できるので重ね層L2の層数を低減でき、大形液滴Dp2を用いない場合と比較して短時間で配線を描画形成できる。
【0053】
次に、第2実施形態の配線基板の製造方法について、図5を参考にして説明する。第2実施形態で用いるインクジェット装置は、インクジェットヘッドを1つだけ備えて体積V1の標準液滴Dp1を吐出する。また、第2実施形態における工程図は、第1実施形態と同様に図3で示され、重ね層形成工程の内容のみが異なる。図5は、第2実施形態の配線基板の製造方法の工程実施状況図であり、(1)は下地層形成工程の実施状況平面図、(2)は(1)のX1方向から見た側面図、(3)は重ね層形成工程の実施状況平面図、(4)は(3)のX2方向から見た側面図である。なお、図5の(1)および(2)は、図4の(1)および(2)と同一である。
【0054】
第2実施形態の重ね層形成工程では、図5の(3)および(4)に示されるように、銀ナノインクの標準液滴Dp1を下地層L1からはみ出ない範囲で下地層L1上に重ねて着滴させる。このとき、標準インクジェットヘッドを用いて標準液滴Dp1を吐出すると、下地層L1が受容層になって銀ナノインクが濡れ拡がらない。このため、下地層L1上に重ねて配線の延在方向に連続して3条だけ標準液滴Dp1着滴させることができる。
【0055】
第2実施形態の配線基板の製造方法によれば、重ね層形成工程で、銀ナノインクの液滴Dp1を下地層L1上に重ねて配線の延在方向に連続して3条着滴させる。これにより、銀ナノインクの液滴Dp1の複数条が配線の延在方向につながり確実に重ね層が形成され、配線パターンのパターン形状が安定して確実なものとなり、配線基板の電気的特性が良好になる。
【0056】
次に、本発明の裏付けとなった第1および第2基礎実験の結果について説明する。図6は、スライドガラスSG上に銀ナノインクの液滴Dp3を着滴させた第1基礎実験の結果を示す平面図である。また、図7は、スライドガラスSG上に銀ナノインクの液滴Dp3を着滴させ、下地層L3および重ね層L4を重ねて形成した第2基礎実験の結果を説明する図である。
【0057】
図6に示される第1基礎実験では、東芝テック株式会社製のインクジェットヘッドCA5を搭載したインクジェット装置EK−1FJを用い、テトラデカンに銀ナノ粒子を適量混入したアルバックマテリアル株式会社製の銀ナノインクAg1TeHの3pl(ピコリットル)の液滴Dp3をスライドガラスSG(便宜的に斜線を付して表示)上に5滴だけ着滴させている。5滴の液滴Dp3は、同程度の大きさの円形に濡れ拡がり、再現性の良い結果となっている。液滴Dp3が拡がった平均直径Davは66μm(マイクロメータ)であり、接触角は約6°と濡れ性の良いことが確認された。
【0058】
また、図7に示される第2基礎実験では、インクジェット装置を用いて、スライドガラスSG上に銀ナノインクの3plの液滴Dp3を着滴させ、下地層L3および重ね層L4を形成した。図7の(1)は下地層L3の形成状況を示し、(2)は重ね層L4の形成状況を示し、(3)は実験終了後の光学顕微鏡による撮像図を示している。図7の(1)に示されるように、スライドガラスSG上に銀ナノインクの液滴Dp3を2条だけ連続して着滴させると、幅d3の帯状の下地層L3が形成された。さらに、図7の(2)に示されるように、下地層L3上に重ねて銀ナノインクの液滴Dp3を2条だけ連続して着滴させると、幅d4の帯状の重ね層L4が形成された。また、図7の(3)の撮像図によれば、下地層L3の幅d3≒150μm、重ね層L4の幅d4≒70μmであることが確認された。
【0059】
第2基礎実験の結果から、銀ナノインクの液滴Dp3で形成した下地層L3上に同じ液滴Dp3で重ね層L4を形成すると、重ね層L4の幅d4が下地層L3の幅d3まで濡れ拡がらずに狭くなることが判明した。これは、請求項4に記載したように重ね層形成工程で大形液滴を着滴できること、および請求項8に記載したように重ね層形成工程で標準液滴を複数条着滴できること、を示唆している。
【0060】
なお、第1実施形態で大形液滴Dp2の標準液滴Dp1に対する体積比率Rをあまり大きく設定する必要が無い場合には、マルチヘッド形やマルチドロップ形のインクジェットヘッド装置を用いる必要はなく、1つのインクジェットヘッドに印加する交流電圧の振幅Eを可変に制御するだけでよい。その他、本発明はさまざまな応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1:インクジェットヘッド
2:インク室
21:底板 22、23:側板 24:隔壁 25:リザーバ室
26:細隙流路 27:ダイアフラム 28:供給流路
3:ノズル
4:振動板
5:ピエゾ圧電素子
6:上部電極
7:駆動電源
P1:準備工程(基板製造工程およびインク作成工程を含んでいる)
P2:下地層形成工程 P3:下地層乾燥工程
P4:重ね層形成工程 P5:重ね層乾燥工程
E1〜E3:交流電圧の振幅 t1、t2:間隔時間 K:基板
Dp1:標準液滴 Dp2:大形液滴 L1:下地層 d:配線幅
SG:スライドガラス Dp3:液滴 L3:下地層 L4:重ね層
d3:下地層の幅 d4:重ね層の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤中に金属微粒子を混入した金属ナノインクの液滴をインクジェットヘッドにより吐出し、絶縁材料からなる基板上に所定の配線パターンを描画するように前記金属ナノインクの液滴を着滴させ、前記溶剤を飛散させて乾燥させることにより配線を形成する配線基板の製造方法であって、
前記基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクの液滴を前記基板上に着滴させ、所定の配線幅を有する配線の下地層を形成する下地層形成工程と、
前記金属ナノインクの液滴を前記下地層からはみ出ない範囲で前記下地層上に重ねて着滴させる重ね層形成工程と、
を備えた配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記基板上に連続して着滴させ、前記重ね層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記下地層上に重ねて連続して着滴させる配線基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程で前記金属ナノインクの液滴を前記基板上に着滴させ、前記重ね層形成工程で最後の重ね層を形成するときに前記金属ナノインクの液滴を連続して着滴させる配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記下地層形成工程で着滴させる液滴より大きい大形液滴を、前記下地層上に重ねて一条もしくは複数条着滴させる配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記大形液滴を前記下地層上に重ねて前記配線の延在方向に連続して一条もしくは複数条着滴させる配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記下地層形成工程時のインクジェットヘッドを用いずに、前記大形液滴を吐出する大形インクジェットヘッドを用いる配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項4または5に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、複数の液滴を連続的に吐出可能なマルチドロップ形インクジェットヘッドを用い、一位置あたりに複数の金属ナノインクの液滴を着滴させて合一させることにより前記大形液滴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記重ね層形成工程で、前記金属ナノインクの液滴を前記下地層上に重ねて前記配線の延在方向に連続して複数条着滴させる配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、前記下地層形成工程の前に、前記絶縁材料に対する濡れ性が良い溶剤に前記金属微粒子を混入して前記基板に対する濡れ性が良い金属ナノインクを作成するインク作成工程をさらに備えた配線基板の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の配線基板の製造方法であって、前記インク作成工程における前記基板に対する前記金属ナノインクの濡れ性は、接触角を10°以下とした配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77673(P2013−77673A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216117(P2011−216117)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】