説明

配線基板

【課題】コンデンサ素子接続パッド間で電気的な短絡が発生することがなく、搭載する半導体素子を正常に作動させることが可能な配線基板を提供すること。
【解決手段】上面中央部に半導体素子搭載部1aを有する絶縁基板1の半導体素子搭載部1a周辺の上面にコンデンサ素子Cの電極T2が半田B3を介して接続される少なくとも一対のコンデンサ素子接続パッド5a,5bが、半導体素子搭載部1aに近い側の第一のコンデンサ素子接続パッド5aと半導体素子搭載部1aから遠い側の第二のコンデンサ素子接続パッド5bとに分かれて配置されている配線基板10であって、第一のコンデンサ素子接続パッド5aは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するために用いられる配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すように、半導体集積回路素子等の半導体素子Sを搭載するために用いられる配線基板20は、例えばガラス−
エポキシ板等から成る絶縁板やエポキシ樹脂等から成る絶縁層が複数層積層された絶縁基板11の内部および表面に銅箔や銅めっき膜等の導体層から成る配線導体12が配設されている。配線導体12には半導体素子Sに接地電位を供給するための接地用の配線導体12と、電源電位を供給するための電源用の配線導12と、半導体素子Sとの間で信号の入出力を行なうための信号用の配線導体12とがある。
【0003】
配線基板20には、その上面中央部に半導体素子Sが搭載される半導体素子搭載部11aがある。この半導体素子搭載部11aには、半導体素子Sの電極T1が半田バンプB1を介して電気的に接続される半導体素子接続パッド13が例えば格子状の配列に複数形成されている。また、絶縁基板11の下面には、外部電気回路基板の配線導体に半田ボールB2を介して電気的に接続される外部接続パッド14が例えば格子状の配列に複数形成されている。これらの半導体素子接続パッド13および外部接続パッド14は、接地用、電源用および信号用の半導体素子接続パッド13および外部接続パッド14を有しており、それぞれ対応する接地用、電源用および信号用の配線導体12に電気的に接続されている。
【0004】
さらに、近時の高集積化および高速化した半導体素子Sを搭載する配線基板20においては、例えば絶縁基板11上面の半導体素子搭載部11a周辺にセラミックチップコンデンサ等の表面実装型のコンデンサ素子Cを接続するためのコンデンサ素子接続パッド15が設けられている。そして、これらのコンデンサ素子接続パッド15には、コンデンサ素子Cの電極T2が半田B3を介して接続されている。
【0005】
コンデンサ素子接続パッド15は、コンデンサ素子Cの電極T2よりも若干大きめに形成されており、図5に示すように、例えば半導体素子搭載部11aに沿う方向に長い少なくとも一対のコンデンサ素子接続パッド15a,15bが半導体素子搭載部11aに近い側と半導体素子搭載部11aから遠い側とに分かれて配置されている。これらのコンデンサ素子接続パッド15a,15bは、その一方が接地用の配線導体12に電気的に接続されており、他方が電源用の配線導体12に電気的に接続されている。これらのコンデンサ素子接続パッド15a,15bの間に接続されたコンデンサ素子Cは、接地用の配線導体12と電源用の配線導体12との間に電気的に接続されることにより接地電位や電源電位の変動を抑制して半導体素子Sの誤動作を防止するためのデカップリングコンデンサとして機能する。コンデンサ素子Cの接続は、例えばコンデンサ素子接続パッド15に予め半田B3を付与しておき、その半田B3の上にコンデンサ素子Cの電極T2を当接させてリフローさせることにより行なわれる。このコンデンサ素子Cの接続は、通常は半導体素子Sの搭載前に行なわれる。
【0006】
半導体素子Sの搭載は、半導体素子接続パッド13に半田バンプB1を予め溶着させておき、その半田バンプB1と半導体素子Sの電極T1とを当接させ、その状態で半田バンプB1の溶融温度以上の温度に加熱して半導体素子接続パッド13と半導体素子Sの電極T1とを半田バンプB1を介して接続する方法が採用される。
【0007】
半導体素子Sを搭載した後は、図6に示すように、配線基板20と半導体素子Sとの隙間にアンダーフィルと呼ばれる樹脂充填材Uを充填する。さらに、配線基板20と半導体素子Sとの間を樹脂充填材Uで充填した後、外部接続パッド14上に半田ボールB2を載置するとともにその半田ボールB2を加熱溶融させることによって外部接続パッド14上に半田ボールB2が溶着される。そして、この半田ボールB2を外部電気回路基板の配線導体上に接触させた状態で加熱溶融させることによって、配線基板20が外部電気回路基板に実装されるとともに、配線基板20に搭載された半導体素子Sが外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0008】
しかしながら、このような従来の配線基板によると、一般的に外部接続パッド14に溶着される半田ボールB2とコンデンサ素子接続パッド15に付与された半田B3とは、ともに同じ融点を有する鉛フリー半田が使用されている。したがって、外部接続パッド14に半田ボールB2を溶着する際に、コンデンサ素子接続パッド15に付与させた半田B3が再溶融してしまう。すると、図7に示すように、半田ボールB2を溶着する際の熱で樹脂充填材Uが軟化流動してコンデンサ素子接続パッド15aまで到達するとともに、コンデンサ素子接続パッド15a上で溶融している半田B3を対となっている他方のコンデンサ素子接続パッド15bまで押しやってしまうことがある。そしてこの場合、対となっているコンデンサ素子接続パッド15a,15b間で電気的な短絡が発生してしまい、搭載する半導体素子Sを正常に作動させることができなくなってしまうという問題点を誘発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−294555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、外部接続パッドに半田ボールを溶着する際にコンデンサ素子接続パッドの半田が溶融するとともに樹脂充填材が軟化流動してコンデンサ素子接続パッドまで到達したとしても、樹脂充填材がコンデンサ素子接続パッド上の溶融半田を対となっている他方のコンデンサ素子接続パッドまで押しやることを有効に防止し、それにより対となっているコンデンサ素子接続パッド間で電気的な短絡が発生することがなく、搭載する半導体素子を正常に作動させることが可能な配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の配線基板は、上面中央部に半導体素子の電極が半田バンプを介して接続される複数の半導体素子接続パッドが配列形成された半導体素子搭載部を有するとともに下面に外部電気回路基板に接続するための半田ボールが溶着される外部接続パッドが配列形成された絶縁基板の前記半導体素子搭載部周辺の上面にコンデンサ素子の電極が半田を介して接続される少なくとも一対のコンデンサ素子接続パッドが、前記半導体素子搭載部に近い側の第一のコンデンサ素子接続パッドと前記半導体素子搭載部から遠い側の第二のコンデンサ素子接続パッドとに分かれて配置されている配線基板であって、前記第一のコンデンサ素子接続パッドは、前記半導体素子搭載部に沿う方向の長さが前記コンデンサ素子の前記半導体素子搭載部に沿う方向の長さよりも短いことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配線基板によれば、一対のコンデンサ素子接続パッドのうち、半導体素子搭載部に近い側の第一のコンデンサ素子接続パッドは、半導体素子搭載部に沿う方向の長さがコンデンサ素子の半導体素子搭載部に沿う方向の長さよりも短いことから、外部接続パッドに半田ボールを溶着する際にコンデンサ素子接続パッドの半田が溶融するとともに樹脂充填材が軟化流動してコンデンサ素子接続パッドまで到達したとしても、樹脂充填材がコンデンサ素子接続パッド上の溶融半田を対となっている他方のコンデンサ素子接続パッドまで押しやることを有効に防止し、それにより対となっているコンデンサ素子接続パッド間で電気的な短絡が発生することがなく、搭載する半導体素子を正常に作動させることが可能な配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示す配線基板の概略上面図である。
【図3】図3は、図1に示す配線基板に半導体素子を実装するとともに半田ボールを溶着した場合を示す概略断面図である。
【図4】図4は、従来の配線基板の例を示す概略断面図である。
【図5】図5は、図4に示す配線基板の概略上面図である。
【図6】図6は、図5に示す配線基板に半導体素子を実装するとともに半田ボールを溶着した場合を示す概略断面図である。
【図7】図7は、従来の配線基板における問題点を説明するための要部拡大概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づき説明する。図1は、本発明の配線基板10の実施形態の一例を示す概略断面図であり、図中、1は絶縁基板、2は配線導体、3は半導体素子接続パッド、4は外部接続パッド、5はコンデンサ素子接続パッドである。
【0015】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラス織物にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る板状のコア用の絶縁板1aの上下面にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成るビルドアップ用の絶縁層1bをそれぞれ複数層ずつ積層して成る。絶縁基板1は、その上面中央部に半導体素子Sが搭載される搭載部1aが形成されており、その下面が外部電気回路基板と接続するための外部接続面となっている。そして、その上面から下面にかけて銅箔や銅めっき膜等の導体層から成る複数の配線導体2が形成されている。
【0016】
絶縁基板1を構成するコア用の絶縁板1aは、厚みが0.3〜1.5mm程度であり、その上面から下面にかけて直径が0.2〜1.0mm程度の複数のスルーホール6を有している。そして、その上下面および各スルーホール6の内面には配線導体2の一部が被着されており、上下面の配線導体2がスルーホール6を介して電気的に接続されている。
【0017】
このような絶縁板1aは、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたシートを熱硬化させた後、これに上面から下面にかけてドリル加工を施すことにより製作される。なお、絶縁板1a上下面の配線導体2は、絶縁板1a用のシートの上下全面に厚みが5〜50μm程度の銅箔を貼着しておくとともに、この銅箔をシートの硬化後にエッチング加工することにより所定のパターンに形成される。また、スルーホール6内面の配線導体2は、絶縁板1aにスルーホール6を設けた後に、このスルーホール6内面に無電解めっき法および電解めっき法により厚みが5〜50μm程度の銅めっき膜を析出させることにより形成される。
【0018】
さらに、絶縁板1aのスルーホール6の内部には、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る孔埋め樹脂7が充填されている。孔埋め樹脂7は、スルーホール6を塞ぐことによりスルーホール6の直上および直下にビルドアップ用の絶縁層1bを形成可能とするためのものであり、未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂をスルーホール6内にスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を平坦に研磨することにより形成される。そして、この孔埋め樹脂7を含むコア用の絶縁板1aの上下面にビルドアップ用の絶縁層1bが積層されている。
【0019】
コア用の絶縁板1aの上下面に積層されたビルドアップ用の絶縁層1bは、それぞれの厚みが20〜50μm程度であり、各層の上面から下面にかけて直径が30〜100μm程度の複数のビアホール8を有している。これらの絶縁層1bは、配線導体2を高密度に配線するための絶縁間隔を提供するためのものであり、各絶縁層1bにはその表面およびビアホール8内に配線導体2の一部が被着されている。そして、上層の配線導体2と下層の配線導体2とをビアホール8の内部を介して電気的に接続することにより高密度配線を立体的に形成可能としている。
【0020】
このようなビルドアップ用の絶縁層1bは、厚みが20〜50μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂フィルムをコア用の絶縁板1aの上下面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザ加工によりビアホール8を穿孔し、さらにその上に同様にして次のビルドアップ用の絶縁層1bを順次積み重ねることによって形成される。なお、各絶縁層1b表面およびビアホール8内に被着された配線導体2は、各絶縁層1bを形成する毎に各絶縁層1bの表面およびビアホール8内に5〜50μm程度の厚みの銅めっき膜を公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により所定のパターンに被着させることによって形成される。
【0021】
絶縁基板1の上面から下面にかけて形成された配線導体2は、半導体素子Sの各電極T1を外部電気回路基板に接続するための導電路として機能する。なお、配線導体2には半導体素子Sに接地電位を供給するための接地用の配線導体2と、電源電位を供給するための電源用の配線導体2と、半導体素子Sとの間で信号の入出力を行なうための信号用の配線導体2とがある。
【0022】
配線導体2の一部は、半導体素子搭載部1aにおいて複数の半導体素子接続パッド3を形成している。半導体素子接続パッド3は、直径が50〜100μm程度の円形のパターンから成り、例えば格子状に配列されている。半導体素子接続パッド3には、半導体素子Sの各電極T1が半田バンプB1を介して接続される。また、配線導体2の一部は、絶縁基体1の下面において複数の外部接続パッド4を形成している。外部接続パッド4は、直径が300〜500μm程度の円形のパターンから成り、例えば格子状に配列されている。外部接続パッド4は、外部電気回路基板に半田ボールB2を介して接続される。そして、これらの半導体素子接続パッド3および外部接続パッド4は、接地用、電源用および信号用の半導体素子接続パッド3および外部接続パッド4を有しており、それぞれ対応する接地用、電源用および信号用の配線導体2に接続されている。なお、半田バンプB1としては、鉛−錫共晶合金等の半田含有半田が使用され、半田ボールB2としては、錫−銀−銅合金等の鉛フリー半田が使用される。
【0023】
さらに、本例の配線基板10においては、絶縁基板1の半導体素子搭載部1a周辺の上面にセラミックチップコンデンサ等の表面実装型のコンデンサ素子Cを接続するためのコンデンサ素子接続パッド5が設けられている。そして、これらのコンデンサ素子接続パッド5には、コンデンサ素子Cの電極T2が半田B3を介して接続されている。なお、半田B3としては、半田ボールB2と実質的に同一組成の鉛フリー半田が使用されている。
【0024】
コンデンサ素子接続パッド5は、図2に示すように、少なくとも一対のコンデンサ素子接続パッド5a,5bが半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aと半導体素子搭載部1aから遠い側のコンデンサ素子接続パッド5bとに分かれて配置されている。これらのコンデンサ素子接続パッド5a,5bは、その一方が接地用の配線導体2に電気的に接続されており、他方が電源用の配線導体2に電気的に接続されている。そして、コンデンサ素子Cは、接地用の配線導体2と電源用の配線導体2との間に電気的に接続されることにより接地電位や電源電位の変動を抑制して半導体素子Sの誤動作を防止するためのデカップリングコンデンサとして機能する。
【0025】
なお、本例の配線基板10においては、一対のコンデンサ素子接続パッド5a,5bのうち、半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも短くなっており、半導体素子搭載部1aから遠い側のコンデンサ素子接続パッド5bは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL2がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも長くなっている。
【0026】
そして、コンデンサ素子Cの接続は、例えばコンデンサ素子接続パッド5a,5bに予め半田B3を付与しておき、その半田B3の上にコンデンサ素子Cの電極T2を当接させてリフローさせることにより行なわれる。このとき、半導体素子搭載部1aから遠い側のコンデンサ素子接続パッド5bは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL2がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも長くなっていることから、半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも短いものであったとしても、コンデンサ素子Cの電極T2との間に十分な接合面積を確保してコンデンサ素子Cを強固に接合することができる。このコンデンサ素子Cの接続は、通常は半導体素子Sの搭載前に行なわれる。
【0027】
半導体素子Sを搭載した後は、図3に示すように、配線基板10と半導体素子Sとの隙間にアンダーフィルと呼ばれる樹脂充填材Uを充填する。さらに、配線基板10と半導体素子Sとの間を樹脂充填材Uで充填した後、外部接続パッド4上に半田ボールB2を載置するとともにその半田ボールB2を加熱溶融させることによって外部接続パッド4上に半田ボールB2が溶着される。そして、この半田ボールB2を外部電気回路基板の配線導体上に接触させた状態で加熱溶融させることによって、配線基板10が外部電気回路基板に実装されるとともに、配線基板10に搭載された半導体素子Sが外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0028】
このとき、本例の配線基板10によれば、一対のコンデンサ素子接続パッド5a,5bのうち、半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも短いことから、その上に溶着された半田B3の量が少ないとともに他方のコンデンサ素子接続パッド5bまでのコンデンサ素子Cの外周に沿った距離が長いものとなる。したがって、外部接続パッド4に半田ボールB2を溶着する際にコンデンサ素子接続パッド5a,5bの半田B3が溶融するとともに樹脂充填材Uが軟化流動してコンデンサ素子接続パッド5aまで到達してコンデンサ素子接続パッド5a上の半田B3をコンデンサ素子接続パッド5aから押し出そうとしたとしても、押し出された半田B3は、コンデンサ素子接続パッド5aの側の電極T2に捕捉されてコンデンサ素子接続パッド5bまで到達することが有効に防止される。その結果、本例の配線基板10によると、対となっているコンデンサ素子接続パッド5a,5b間で電気的な短絡が発生することがなく、搭載する半導体素子Sを正常に作動させることが可能な配線基板10を提供することができる。
【0029】
なお、半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aは、半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも両側で0.5mm以上ずつ短いことが好ましい。これは、半導体素子搭載部1aに近い側のコンデンサ素子接続パッド5aの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL1がコンデンサ素子Cの半導体素子搭載部1aに沿う方向の長さL3よりも両側で0.5mm未満ずつ短いと、外部接続パッド4に半田ボールB2を溶着する際にコンデンサ素子接続パッド5a,5bの半田B3が溶融するとともに樹脂充填材Uが軟化流動してコンデンサ素子接続パッド5aまで到達してコンデンサ素子接続パッド5a上の半田B3をコンデンサ素子接続パッド5aから押し出そうとした場合に、押し出された半田B3がコンデンサ素子接続パッド5aの側の電極T2に十分に捕捉されずにコンデンサ素子接続パッド5bまで到達する危険性が高くなるからである。
【符号の説明】
【0030】
1 絶縁基板
1a 半導体素子搭載部
3 半導体素子接続パッド
4 外部接続パッド
5 コンデンサ素子接続パッド
5a 第一のコンデンサ素子接続パッド
5b 第二のコンデンサ素子接続パッド
10 配線基板
B1 半田バンプ
B2 半田ボール
B3 半田
C コンデンサ素子
S 半導体素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面中央部に半導体素子の電極が半田バンプを介して接続される複数の半導体素子接続パッドが配列形成された半導体素子搭載部を有するとともに下面に外部電気回路基板に接続するための半田ボールが溶着される外部接続パッドが配列形成された絶縁基板の前記半導体素子搭載部周辺の上面にコンデンサ素子の電極が半田を介して接続される少なくとも一対のコンデンサ素子接続パッドが、前記半導体素子搭載部に近い側の第一のコンデンサ素子接続パッドと前記半導体素子搭載部から遠い側の第二のコンデンサ素子接続パッドとに分かれて配置されている配線基板であって、前記第一のコンデンサ素子接続パッドは、前記半導体素子搭載部に沿う方向の長さが前記コンデンサ素子の前記半導体素子搭載部に沿う方向の長さよりも短いことを特徴とする配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26583(P2013−26583A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162698(P2011−162698)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】