配線層レイアウトデータの改版方法
【課題】配線層レイアウトデータの改版を行なうとき、改版層数を削減して改版コストを低減し、かつ改版による回路特性の劣化を防止し得るレイアウトデータの改版方法を提供する。
【解決手段】修正された新ネットリストを読み込む工程と、レイアウトデータと新ネットリストを比較する工程と、比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、改版前ネットと浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、改版ネットの枝きり処理を行う工程とを備えた。
【解決手段】修正された新ネットリストを読み込む工程と、レイアウトデータと新ネットリストを比較する工程と、比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、改版前ネットと浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、改版ネットの枝きり処理を行う工程とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体集積回路装置の配線層レイアウトデータの改版方法に関するものである。
半導体集積回路装置の設計に際し、一旦設計されたチップに対しセルの追加等の小規模な回路変更を施して再設計することが行なわれている。このような場合には、回路変更にともなって、チップ基板上の多数層の配線層にレイアウトされる配線の繋ぎ替えが必要となる。そこで、配線の繋ぎ替えを行なうために各配線層を形成するためのマスクあるいはレチクルの改版が行なわれる。多数の配線層を形成するレチクルの改版には多くの労力が必要となるため、改版層数を削減して、改版作業に要する時間及びコストを削減することが必要となっている。
【背景技術】
【0002】
従来、ツール(自動配線装置)を使用した配線層の改版を自動配線装置で行う場合には、すべての配線層について改版を行なう必要がない場合にも、ツールの制限等により全配線層に亘って改版が行なわれている。このような改版方法では、すべての改版層においてマスクの改版が必要となるため、改版コストが上昇する。そこで、小規模な回路変更に際し、ツールを使用しながら、改版層数を削減して、改版コストを低減するための種々の試みが実施されている。
【0003】
特許文献1,2には、各配線層に迂回配線(ダミー配線)をあらかじめレイアウトし、回路変更による配線層の改版時には、その迂回配線を使用して配線の繋ぎ替えを行なうことにより、改版層数を削減する方法が開示されている。
【0004】
一方、迂回配線をあらかじめレイアウトすることなく、作業者による入力作業により改版層を作成する改版方法も実施されている。その改版方法を図61に従って説明する。
まず、CAD装置の表示装置に表示されたレイアウトデータと、新たに修正された新ネットリストとを作業者が目視で比較して修正する箇所を確認し(ステップ101)、作業者が改版層を決定する(ステップ102)。次いで、CAD装置に新ネットリストを読み込み(ステップ103)、改版層の設定を入力し(ステップ104)、画面上で新ネットリストに対しエラーとなる配線を作業者が修正する(ステップ105)。
【0005】
次いで、修正されたレイアウトデータと新ネットリストとが一致するか否かをチェックする(ステップ106)。そして、エラーがない場合には改版処理を終了し、エラーがある場合にはステップ101に戻って同様な作業を繰り返す。
【0006】
このような処理により、すべての配線層を改版することなく、新ネットリストに対応するレイアウトデータが生成される。
【特許文献1】特開平11−176939号公報
【特許文献2】特開2000−252360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に記載された改版方法では、迂回配線を使用して配線層の改版を行なっても、その迂回配線が修正用の配線として必ずしも最適ではなく、冗長な配線となって当該迂回配線が接続される回路の特性を劣化させる原因となる。このため、迂回配線を使用することができず、結果的に改版層数を削減することができない。
【0008】
また、迂回配線の利用率を向上させるために、各配線層の空き領域に迂回配線をできるだけ形成し、その迂回配線の一部を修正用の配線として使用する方法も考えられているが、修正用の配線として使用した迂回配線には、不要な配線が付加された状態となるため、配線容量が増大して回路特性を劣化させてしまう。
【0009】
図61に示す改版方法では、作業者の入力に基づく処理が多く、その作業の難易度も高い。このため、改版作業に時間を要するという問題点がある。
この発明の目的は、配線層レイアウトデータの改版を行なうとき、改版層数を削減して改版コストを低減し、かつ改版による回路特性の劣化を防止し得るレイアウトデータの改版方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、修正された新ネットリストを読み込む工程と、前記レイアウトデータと前記新ネットリストを比較する工程と、前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、前記改版ネットの枝きり処理を行う工程とを備えた配線層レイアウトデータの改版方法により達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配線層レイアウトデータの改版を行なうとき、改版層数を削減して改版コストを低減し、かつ改版による回路特性の劣化を防止し得るレイアウトデータの改版方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。図2は、半導体集積回路装置の多層配線層のレイアウトをネットリストに基づいて自動的に生成し、あるいは各配線層の改版処理を自動的に行う自動配線装置を示す。
【0013】
この自動配線装置は、CPU1と、メモリ2と、記憶装置3と、表示装置4と、入力装置5と、ドライブ装置6を備え、これらはバス7を介して相互に接続されている。また、ドライブ装置6は外部の記録媒体8にアクセス可能である。
【0014】
CPU1は、メモリ2を利用してプログラムを実行し、半導体集積回路装置の配線層のレイアウト及び改版処理を実行する。メモリ2には、各種処理を実行するためのプログラム及びデータが格納されている。
【0015】
表示装置4は、レイアウト表示、パラメータ入力画面等の表示に用いられ、CRT、LCD、PDPなどで構成される。入力装置5は、作業者が操作するキーボード、マウス等である。
【0016】
記憶装置3は、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等で構成され、プログラムデータ、ネットリストやレイアウトデータ等の各種データが格納されている。CPU1は、入力装置5等からの指令信号に応答してプログラム、データをメモリ2に転送し、それを実行する。
【0017】
CPU1が実行するプログラムは、ドライブ装置6を介して記録媒体8から記憶装置3に取り込まれる。記録媒体8は、磁気テープ、メモリーカード、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどで構成される。
【0018】
図3は、上記のような自動配線装置による配線層の改版処理を示す。この改版処理に先立って、半導体集積回路装置の回路設計と、ネットリストの生成が行なわれ、そのネットリストに基づいて回路セルのレイアウト設計及び各回路セルを接続する多数層の配線レイアウト設計が行なわれている。そして、回路セルの小規模な変更により配線層を改版する必要が生じたとき、自動配線装置で図3に示す改版処理が行われる。
【0019】
改版処理が開始されると、CPU1は回路セルの変更にともなって生成された新ネットリストを読み込む(ステップ1)。
次いで、新ネットリストから追加セルの有無を確認し(ステップ2)、結線チェックを行う(ステップ3)。ステップ3の結線チェックは、新ネットリストと旧ネットリストとの比較を行い、変更されたネットや追加されたセルが存在する部分で発生するエラーネットを検出する。
【0020】
次いで、CPU1は各エラーネットの範囲(X−Y座標上での最大値と最小値)を確認し、エラーネットを浮き配線候補としてメモリ2に格納する(ステップ4)。浮き配線は、いずれのネット名(又はネット番号)を持たない配線要素(配線、ビア、コンタクト)である。
【0021】
次いで、CPU1はエラーネットの情報に基づいて、レイアウトを修正するマスクの層(改版対象層)を設定する(ステップ5)。このとき、CPU1はエラーと判断したネットの要素(配線、ビア)が含まれるマスク層をレイアウトデータに基づいて確認し、新ネットリストに基づいてエラーネットを修正するために必要となる配線層を改版対象層として設定する。
【0022】
また、CPU1は非改版対象層(改版対象層以外の配線層)のデータの変更を禁止する。このデータの変更は、形状や位置の変更、削除を禁止するものである。非改版対象層の変更を禁止することにより、不用意なデータの変更、削除を未然に防止する。なお、ネット名やネット番号の変更は可能とする。
【0023】
次いで、改版対象層においてメモリ2に記憶した浮き配線候補のデータのうち、設定された改版対象層に存在するデータを削除する(ステップ6)。このとき、浮き配線候補のデータが改版対象層以外の層に存在する場合、そのデータを浮き配線データとして設定し、メモリ2に記憶する。
【0024】
レイアウトデータに含まれる配線要素(配線、ビア)は座標値、形状、ネット番号マスクの層番号を備えている。CPU1は、配線層の層番号に基づいて、当該配線要素が改版対象層に存在するか否かを判断する。
【0025】
次いで、CPU1は新ネットリストに基づいて、メモリ2に記憶した浮き配線にネット番号を割り当てる(ステップ7)。その割り当て方法については、複数の方法を詳細に後述する。
【0026】
次いで、CPU1はステップ6で削除した改版対象層の浮き配線の復元処理を行う(ステップ8)。その復元方法についても詳細に後述する。そして、改版対象層の浮き配線を利用しながらエラー配線の修正を行う(ステップ9)。この修正において、CPU1はステップ4で確認したエラーネットに対して、配線、ビア等を追加し、新ネットリストに対応する配線データを作成し、レイアウトデータに格納する。このとき、ステップ2において追加セルが必要となった場合、空き領域にセルを追加し、既存のセルと追加セルとを接続する配線を作成する。
【0027】
そして、浮き配線の枝きり処理を行い(ステップ10)、次に新ネットリストとレイアウトデータとが一致するか否かをチェックし(ステップ11)、エラーがない場合には処理を終了し、エラーが存在する場合にはステップ5に復帰する。
【0028】
上記のような改版処理では、エラーネットの修正に際し、改版対象層及び非改版対象層の浮き配線を利用して修正を行なって、改版層数の削減を図るとともに、ステップ9でのエラー配線の修正時に、冗長な配線の発生を防止する。
【0029】
すなわち、図1(a)に示すように、ステップ4で確認されたエラーネットの範囲内に、浮き配線D,E,Cが存在し、新ネットリストに基づくエラー配線の修正によりコンタクトAと同Bを接続する必要がある場合について説明する。
【0030】
ステップ7で、浮き配線の割り当てを行なうとき、エラーネットの範囲内に存在する浮き配線D,E,Cにすべて同一のネット番号を付し、図1(b)に示すように、コンタクトAと浮き配線D,Eを追加配線10aで接続し、コンタクトBと浮き配線E,Cを追加配線10bで接続すると、浮き配線D,Cは冗長な配線となる。
【0031】
そこで、図1(c)に示すように、浮き配線Eだけを使用してコンタクトA,Bを追加配線10c,10dで接続すれば、冗長な配線は発生しないので、ステップ7ではこのような浮き配線の割り当てを行なう。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例)
図4〜図9は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第一の例を示す。図4は、旧ネットリストに基づいて基板上にレイアウトされた多数のセル11と、各セルを接続するための多層の配線層のうち、第一層配線M1〜第三層配線M3からなる原レイアウトを示す。ここでの原レイアウトでは、AとB,C,Dが接続され、EとFが接続され、GとHが接続されている。なお、第一層と第二層の配線を接続するビアを黒丸で表示し、第二層と第三層の配線を接続するビアを黒三角で表示している。
【0032】
ここで、他の部分でセルの追加があり、新ネットリストに基づいてエラーネットが確認され、第一層及び第二層配線M1,M2を改版層とし、第三層配線M3を非改版層とする。そして、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続するように繋ぎ替えを行なう場合について説明する。
【0033】
まず、図5に示すように、第三層配線M3において上記繋ぎ替えにより浮き配線となった配線M3f1〜M3f4を抽出して配線存在域とし、その配線存在域の周囲1グリッドを含む範囲を配線可能領域とし、その他の部分を配線禁止領域として、各領域をメモリ2に格納する。図5において、4本の第三層配線が浮き配線M3f1〜M3f4となる。なお、エラーネットに属さない第三層配線M3は、浮き配線とならない。
【0034】
次いで、図6に示すように、図4に示す原レイアウトから改版対象層である第一層及び第二層配線M1,M2を削除する。このとき、エラーネットに含まれない配線は削除しない。
【0035】
次いで、図7に示すように、第一層及び第二層配線M1,M2と第三層の配線可能領域を使用して、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続するように仮配線を行なう。すると、図5で示した浮き配線M3f1,M3f2は新たなネットA−F上に位置し、浮き配線M3f4の一部はネットG−CDH上に位置する。また、浮き配線M3f3は新たなネット上には位置しないので、使用しない。そして、このような仮配線をメモリ2に格納する。
【0036】
次いで、図8に示すように、図4に示す原レイアウト上で新ネットリストに対しエラーとなる第一層及び第二層配線M1,M2を削除し、図7の仮配線で割り当てた浮き配線M3f1,M3f2,M3f4を配置する。そして、図9に示すように、割り当てた浮き配線M3f1,M3f2,M3f4が新ネットリストを構成するように再配線を行う。このとき、浮き配線M3f3はいずれのネットにも使用しない。以上で、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続する新ネットが形成される。
【0037】
上記のような浮き配線の割り当て方法では、非改版層の浮き配線部分を配線可能領域として設定し、その浮き配線を削除した状態で非改版層に新ネットに対応する仮配線を行い、その仮配線に一致部分の多い浮き配線を新ネットに利用する。従って、仮配線に一致しない浮き配線を新ネットの配線として使用しないようにすることができるので、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第二の例)
図10〜図17は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す。この例は、図10に示すように、新ネットで端子A,Bを接続しようとするとき、端子A,B間で広範囲に多数の浮き配線L〜Vが存在する場合、その中から新ネットに割り当てる浮き配線を選択する方法を示すものである。浮き配線L〜Vは、改版層及び非改版層のいずれかに位置し、両端にビアがあるものとする。
【0038】
図11は、図10に示す端子A,Bを含む領域12を拡大して示す。図11に示す配線禁止領域13は、マクロセル等が搭載されていて配線できない領域、あるいは改版対象層において配線占有率(配線密度)の高くて配線できない領域を示す。
【0039】
図12は手順1を示す。まず、端子Aから全方向に一定区画分(図12では4区画分)の配線領域WAを設定し、この配線領域WA内に浮き配線の一部が含まれるか否かを判別する。ここで、浮き配線が含まれない場合には、さらに広い配線領域を設定して、同様に判別する。また、設定した配線領域に複数の浮き配線が含まれる場合には、優先順位はないものとする。図12では、浮き配線N,Tが含まれていることになる。
【0040】
図13は、手順2を示す。手順1で配線領域WAに含まれた浮き配線N,Tを取り囲む一定区画分(図13では1区画分)を加えて新たな配線領域WAとする。
次いで、図14に示すように、設定された配線領域WAが1つの矩形でない場合には配線領域WAを複数の矩形領域WA1〜WA3に分割する。次いで、図15に示すように、矩形領域WA2,WA3の最大座標位置を起点14a,14bとして手順1と同様に新たな配線領域WA4,WA5を拡大する。すると、浮き配線Sが配線領域WA5に含まれるため、図16に示すように、配線領域WA4を配線領域候補から外す。
【0041】
次いで、配線領域WA5の最大座標位置から配線領域を拡大していく。そして、拡大した配線領域が配線禁止領域13に達した場合には、その方向への拡大を中止する。
このようにして、配線領域WAを拡大していき、最終的に図17に示す配線領域WA6が得られる。そして、配線領域WA6内に位置する浮き配線T,S,Lを端子A,Bを接続する新ネットに割り当てる。
【0042】
このような割り当て方法によれば、浮き配線を繋いでいくことにより配線領域WA6が生成されるため、配線領域WA6内の浮き配線T,S,Lを新ネットに割り当てれば、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第三の例)
図18〜図29は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す。この例は、図18に示す端子A,Bを新ネットで接続しようとするとき、端子A,Bの双方から配線領域を検索する方法を示す。この例では、配線禁止領域13が2箇所設定されている。
【0043】
図19〜図22に示すように、端子Aから配線領域を検索する方法は、前記第三の例と同様である。図22では、矩形領域WA2,WA3の最大座標位置を起点14a,14bとして配線領域を拡大する手順を示す。
【0044】
図23は、端子B側から配線領域を検索する手順を示す。端子Aの場合と同様に端子Bから全方向に一定区画分(図12では6区画分)の配線領域WA6を設定し、この配線領域WA6内に浮き配線Pの一部が含まれている。
【0045】
そして、配線領域WA6に含まれた浮き配線Pを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域を設定する。そして、その配線領域が矩形でない場合には矩形に分割し、その起点15a,15bから配線領域を拡大する。
【0046】
図24は、前記起点14aからそれぞれ一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線L,Sを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域WA7を設定した状態を示す。
図25は、前記起点14bからそれぞれ一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線Sを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域WA8を設定した状態を示す。拡大した配線領域が配線禁止領域13に達した場合には、その方向への拡大を中止する。
【0047】
そして、図26に示すように、配線領域WA7と同WA8を重ね合わせた配線領域WA9を設定する。
図27は、起点15aから一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線Xを取り囲む1区画分を加えたとき、浮き配線Mの一部を含んだため、浮き配線Mを取り囲む1区画分がさらに加えられた配線領域WA10が設定された状態を示す。
【0048】
そして、図28に示すように、配線領域WA10を矩形領域に分割し、その矩形領域の起点16a,16bからさらに配線領域を拡大する。なお、配線領域WA9を分割した矩形領域の起点17からは、配線禁止領域13に阻まれてそれ以上の拡大はできない。
【0049】
この結果、端子A,Bは図29に示す配線領域WA11で接続される。そして、配線領域WA11内に位置する浮き配線を端子A,Bを接続する新ネットに割り当てる。
このような割り当て方法によれば、浮き配線を繋いでいくことにより配線領域WA11が生成されるため、配線領域WA11内の浮き配線を新ネットに割り当てれば、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第四の例)
図30〜図36は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す。この例は、改版層の配線密度を考慮に入れ、かつ最短経路となる浮き配線を割り当てる方法を示す。
【0050】
図30に示すように、まず端子A,Bを両角部とする矩形の割り当て対象範囲18を設定する。端子A,B間には多数の浮き配線C〜Jが存在している。なお、改版対象層は2層とする。
【0051】
次いで、各改版対象層の配線占有率の平均値と、区画毎の配線占有率とを求め、図31に示すように、まず第一の改版対象層について、配線占有率が平均値より高い第一の領域19aを抽出してマッピングする。
【0052】
次いで、図32に示すように、第二の改版対象層について、配線占有率が平均値より高い第二の領域19bを抽出してマッピングする。
そして、図33に示すように、第一及び第二の領域19a,19bの重複領域を禁止領域20としてマッピングする。
【0053】
次いで、端子Aから端子Bに向かって新ネットに割り当てる浮き配線の検索を行う。このとき、割り当て対象となる浮き配線は、検索対象範囲内に浮き配線の両端が包含され、かつ浮き配線の両端が禁止領域20に包含されていない浮き配線である。図34において、浮き配線E,F,Hは割り当て対象外である。
【0054】
ここで、図35に示すように、まず端子Aに最も近い浮き配線Cが選択され、次いで浮き配線Cの右端から端子Bまでの割り当て対象範囲18aを設定し、同様に検索する。図35において、浮き配線Dが新たに割り当て対象外となる。そして、浮き配線Cに最も近い浮き配線Gが選択され、次いで浮き配線Gの右端から端子Bまでの割り当て対象範囲を設定し、同様に検索する。
【0055】
このような処理により、図36に示すように、端子A,B間の新ネットに割り当てる浮き配線C,G,Jが検索される。
上記のような割り当て方法によれば、端子A,B間の新ネットに割り当てる浮き配線を、最短経路でかつ配線密度を考慮に入れながら効率的に選択することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第五の例)
図37〜図40は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す。この例は、浮き配線を基にして改版ネットを検索することにより、浮き配線を改版ネットに割り当てる方法を示す。
【0056】
図37に示すように、浮き配線21の周囲に浮き配線領域22を設定する。そして、その浮き配線領域22がネットの改版が生じている改版ネット領域23a,23bと重なるか否か判別する。浮き配線領域22が改版ネット領域23a,23bのいずれにも重ならない場合には、図38に示すように、浮き配線領域22を全方向に均等に拡大する。
【0057】
前記浮き配線領域22は、図39に示すように、浮き配線21を上下左右に数グリッドずつ拡大する事により設定され、その浮き配線領域22をさらに拡大する場合には、上下左右にさらに数グリッドずつ拡大する。
【0058】
図40は、前記改版ネット領域23a,23bの設定方法を示す。同図に示すように、改版ネット25が接続される各セルの端子24a〜24cのX−Y座標の最大値と最小値を求め、この最大値と最小値で設定される4点から改版ネット領域が設定される。
【0059】
図38において、浮き配線領域22が改版ネット領域23aのいずれかに重なる場合には、浮き配線領域22内の浮き配線に改版ネット番号を割り当て、トライアル配線を施して結線可能か否かを判定する。結線可能である場合には、改版ネットの動作タイミング、配線長、改版ネットの各接続端子をセルで駆動可能か否か等を検証する。そして、検証結果が良好であれば、浮き配線21を改版ネットに割り当てる。
【0060】
また、図38に示すように、浮き配線領域22に複数の改版ネット領域23a,23bが重なる場合には、原則としてまず浮き配線領域22に対し距離が近い方を選択して、上記のような処理を行う。
【0061】
上記のような割り当て方法によれば、浮き配線21を基に改版ネットを検索するので、改版ネット領域から浮き配線を検索する方法に比して、浮き配線の利用率を向上させることができる。
【0062】
従って、改版層における配線トラックのスペースを空けて、配線の結線率を向上させることが可能となる。
(ステップ10の浮き配線の枝きり処理の例)
図41〜図46は、ステップ10の浮き配線の枝きり処理の例を示す。図41は、浮き配線を利用して接続した改版ネットを示す。この改版ネットは、第一層配線層M1〜第四層配線層M4の浮き配線を利用している。
【0063】
図41では、端子A,B,Eを接続する改版ネットが生成されているが、線分3−6、線分6−7は枝配線であり、線分10−11は未利用浮き配線である。
ここで、枝配線及び未利用浮き配線を判別するために、各端子A,B,C間で接続トレースを行なう。すなわち、図42に示すように、例えば、端子Aから他の端子B,Eに向かってトレースを行い、端子B,Eに達した場合には、各線分に到達フラグ(○で示す)を付与する。
【0064】
また、端子B,Eに到達しなかった場合には、バックトレースして到達フラグが付与されている線分するまでの線分に未到達フラグ(×で示す)を付与する。また、トレースされなかった線分にも未到達フラグを付与する。
【0065】
このような処理により、線分3−6、線分6−7、線分10−11が枝配線あるいは未利用浮き配線であることが判別される。
次いで、図43に示すように、枝配線のうち、改版対象層の線分3−6は無条件で削除する。さらに、図44に示すように、改版ネットを構成するために不要と判断できる枝配線をネット配線対象から外し、他の改版ネット生成時に使用可能とする。ここでは線分6−7が改版ネット配線対象から除外される。
【0066】
次いで、図45に示すように、未利用浮き配線を改版ネット配線対象から除外し、他の改版ネット生成時に使用可能とする。ここでは、線分10−11が除外される。
この結果、図46に示すように、端子A,B,Eを接続する改版ネットから線分6−7、10−11が除外され、これらの線分は、他の改版ネット作成時に利用可能な浮き配線となる。
【0067】
上記のような処理により、改版ネットの枝配線を削除して、冗長となる配線を削除することができる。従って、改版ネットの配線容量を削減し、改版対象から外した浮き配線を他の改版ネットで使用することができるので、浮き配線の利用効率を向上させることができる。
(ステップ8の改版前配線の復元処理の第一の例)
図47〜図53は、ステップ8の改版前配線の復元処理の第一の例を示す。図47は、改版前ネットを示し、端子A,B,Cが接続されるとともに、端子D,Eが接続されている。そして、この改版前ネットを、端子A,B,Eを接続し、端子D,Eは利用しないような繋ぎ替えを行なう場合について説明する。
【0068】
図48に示すように、まず改版対象ネットを構成する配線やビアを認識し、メモリ2に記憶する。次いで、図49に示すように、改版対象層の配線を仮削除し、改版ネット領域内の浮き配線の仮割り当てを行なう。
【0069】
すなわち、第二層及び第四層配線層M2,M4が改版対象層であると、仮削除される線分は、1−2、4−5、3−6、7−8、9−10、11−12となる。また、端子A,B,Eを含む改版ネット領域26内の浮き配線は、線分2−3、3−4、6−7であり、これらを改版ネットに仮割り当てする。
【0070】
次いで、図50に示すように、改版ネット領域26内の改版対象層を復元する。復元される線分は、1−2、4−5、3−6、7−8となる。
次いで、図50に示すデータを基にして端子A,B,Eが接続されるように改版ネットを生成する。すると、図51に示すように、線分2−12が追加され、線分3−6、7−8は端子Cに接続する配線であるので、例えば線分7−8を削除する。すると、図52に示す改版前ネットに対し、図53に示す改版ネットが生成される。
【0071】
上記のような処理により、改版前のネットを改版ネットに利用するので、改版前ネットに対する改版ネットの動作タイミングの変化等を抑制することができる。また、既に配線されているネットを利用して改版ネットを生成するため、改版ネットの生成処理時間を短縮することができる。
(ステップ8の改版前配線の復元処理の第二の例)
図54〜図60は、ステップ8の改版前配線の復元処理の第二の例を示す。図54は、改版前ネットを示し、端子A,B,Cが接続されるとともに、端子D,Eが接続されている。そして、この改版前ネットを、端子A,B,Dを接続する改版ネットと、端子CEを接続する改版ネットに繋ぎ替える場合について説明する。なお、ここではM2,M4を改版層とし、M1,M3を非改版層とする。
【0072】
図55に示すように、まず改版前ネットの改版対象層M2,M4にある配線を削除し、その配線をメモリ2に記憶する。ここで、削除される配線は、線分1−2、3−6、4−5、7−8、9−10、11−12である。
【0073】
次いで、図56に示すように、非改版層M1,M3の浮き配線を改版ネットに割り当てる。ここでは、線分A−1、2−3、3−4、5−B、6−7、9−Dが端子A,B,Dを接続する改版ネットに割り当てられ、線分E−12、10−11、C−8が端子C,Eを接続する改版ネットに割り当てられる。
【0074】
次いで、図57に示すように、改版対象層M2,M4にあった改版前ネットを復元する。すると、同図に二重線で示す線分1−2、4−5、3−6、7−8、9−10、11−12で改版前ネットが復元される。
【0075】
次いで、改版前ネットの復元により、端子A,B,Dを接続する改版ネットで、端子A,B,D以外に接続されていないかをチェックする。すると、図58に示すように、線分7−8と線分9−10がバイオレーションとなる。
【0076】
そこで、図59に示すように、線分7−8と線分9−10を削除すると、非改版層M1,M3での浮き配線を改版ネットに割り当てる作業が終了する。この状態では、図60に示すように、非改版層M1,M3の浮き配線を端子A,B,Dを接続する改版ネットに割り当てられる。そして、線分7−9は改版層で生成され、端子E,Cを接続する改版ネットの線分8−10も改版層で生成される。
【0077】
上記のような処理により、改版前のネットを改版ネットに利用するので、改版前ネットに対する改版ネットの配線容量、配線抵抗等の変化を抑制することができる。従って、動作タイミングの変化等を抑制して、動作タイミングの不適合による動作不良の発生を防止することができる。また、既に配線されているネットを利用して改版ネットを生成するため、改版ネットの生成処理時間を短縮することができる。
(付記1)半導体集積回路装置の配線層のレイアウトデータを改版する改版方法であって、
修正された新ネットリストを読み込む工程と、
レイアウトデータ前記新ネットリストを比較する工程と、
前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、
前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、
前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、
改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程と
を備えたことを特徴とする配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記2)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
改版対象層と非改版対象層の浮き配線とで仮配線を行い、その仮配線と改版前の浮き配線を照合して、合致する浮き配線を改版ネットに割り当てることを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記3)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
前記浮き配線をベースとして経路探索を行なうことを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記4)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
浮き配線領域と改版ネット領域の重なりを検出し、前記浮き配線領域内の浮き配線を、重なりが検出された改版ネット領域に割り当てることを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記5)前記改版ネットの枝きり処理を行う工程は、
改版ネットの端子から他の端子への接続トレースを行なって、枝配線であるか否かを判別することを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記6)前記改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程は、
改版ネットと改版前ネットで接続の変わらない配線を改版前ネットから復元して改版ネットの配線として利用することを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の作用を示す説明図である。
【図2】自動配線装置を示すブロック図である。
【図3】自動配線装置の配線層改版処理を示すフローチャートである。
【図4】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図5】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図6】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図7】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図8】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図9】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図10】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図11】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図12】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図13】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図14】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図15】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図16】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図17】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図18】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図19】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図20】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図21】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図22】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図23】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図24】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図25】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図26】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図27】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図28】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図29】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図30】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図31】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図32】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図33】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図34】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図35】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図36】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図37】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図38】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図39】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図40】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図41】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図42】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図43】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図44】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図45】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図46】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図47】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図48】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図49】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図50】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図51】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図52】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図53】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図54】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図55】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図56】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図57】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図58】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図59】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図60】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図61】従来の改版処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
M3f1〜M3f4,21 浮き配線
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体集積回路装置の配線層レイアウトデータの改版方法に関するものである。
半導体集積回路装置の設計に際し、一旦設計されたチップに対しセルの追加等の小規模な回路変更を施して再設計することが行なわれている。このような場合には、回路変更にともなって、チップ基板上の多数層の配線層にレイアウトされる配線の繋ぎ替えが必要となる。そこで、配線の繋ぎ替えを行なうために各配線層を形成するためのマスクあるいはレチクルの改版が行なわれる。多数の配線層を形成するレチクルの改版には多くの労力が必要となるため、改版層数を削減して、改版作業に要する時間及びコストを削減することが必要となっている。
【背景技術】
【0002】
従来、ツール(自動配線装置)を使用した配線層の改版を自動配線装置で行う場合には、すべての配線層について改版を行なう必要がない場合にも、ツールの制限等により全配線層に亘って改版が行なわれている。このような改版方法では、すべての改版層においてマスクの改版が必要となるため、改版コストが上昇する。そこで、小規模な回路変更に際し、ツールを使用しながら、改版層数を削減して、改版コストを低減するための種々の試みが実施されている。
【0003】
特許文献1,2には、各配線層に迂回配線(ダミー配線)をあらかじめレイアウトし、回路変更による配線層の改版時には、その迂回配線を使用して配線の繋ぎ替えを行なうことにより、改版層数を削減する方法が開示されている。
【0004】
一方、迂回配線をあらかじめレイアウトすることなく、作業者による入力作業により改版層を作成する改版方法も実施されている。その改版方法を図61に従って説明する。
まず、CAD装置の表示装置に表示されたレイアウトデータと、新たに修正された新ネットリストとを作業者が目視で比較して修正する箇所を確認し(ステップ101)、作業者が改版層を決定する(ステップ102)。次いで、CAD装置に新ネットリストを読み込み(ステップ103)、改版層の設定を入力し(ステップ104)、画面上で新ネットリストに対しエラーとなる配線を作業者が修正する(ステップ105)。
【0005】
次いで、修正されたレイアウトデータと新ネットリストとが一致するか否かをチェックする(ステップ106)。そして、エラーがない場合には改版処理を終了し、エラーがある場合にはステップ101に戻って同様な作業を繰り返す。
【0006】
このような処理により、すべての配線層を改版することなく、新ネットリストに対応するレイアウトデータが生成される。
【特許文献1】特開平11−176939号公報
【特許文献2】特開2000−252360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に記載された改版方法では、迂回配線を使用して配線層の改版を行なっても、その迂回配線が修正用の配線として必ずしも最適ではなく、冗長な配線となって当該迂回配線が接続される回路の特性を劣化させる原因となる。このため、迂回配線を使用することができず、結果的に改版層数を削減することができない。
【0008】
また、迂回配線の利用率を向上させるために、各配線層の空き領域に迂回配線をできるだけ形成し、その迂回配線の一部を修正用の配線として使用する方法も考えられているが、修正用の配線として使用した迂回配線には、不要な配線が付加された状態となるため、配線容量が増大して回路特性を劣化させてしまう。
【0009】
図61に示す改版方法では、作業者の入力に基づく処理が多く、その作業の難易度も高い。このため、改版作業に時間を要するという問題点がある。
この発明の目的は、配線層レイアウトデータの改版を行なうとき、改版層数を削減して改版コストを低減し、かつ改版による回路特性の劣化を防止し得るレイアウトデータの改版方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、修正された新ネットリストを読み込む工程と、前記レイアウトデータと前記新ネットリストを比較する工程と、前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、前記改版ネットの枝きり処理を行う工程とを備えた配線層レイアウトデータの改版方法により達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配線層レイアウトデータの改版を行なうとき、改版層数を削減して改版コストを低減し、かつ改版による回路特性の劣化を防止し得るレイアウトデータの改版方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。図2は、半導体集積回路装置の多層配線層のレイアウトをネットリストに基づいて自動的に生成し、あるいは各配線層の改版処理を自動的に行う自動配線装置を示す。
【0013】
この自動配線装置は、CPU1と、メモリ2と、記憶装置3と、表示装置4と、入力装置5と、ドライブ装置6を備え、これらはバス7を介して相互に接続されている。また、ドライブ装置6は外部の記録媒体8にアクセス可能である。
【0014】
CPU1は、メモリ2を利用してプログラムを実行し、半導体集積回路装置の配線層のレイアウト及び改版処理を実行する。メモリ2には、各種処理を実行するためのプログラム及びデータが格納されている。
【0015】
表示装置4は、レイアウト表示、パラメータ入力画面等の表示に用いられ、CRT、LCD、PDPなどで構成される。入力装置5は、作業者が操作するキーボード、マウス等である。
【0016】
記憶装置3は、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等で構成され、プログラムデータ、ネットリストやレイアウトデータ等の各種データが格納されている。CPU1は、入力装置5等からの指令信号に応答してプログラム、データをメモリ2に転送し、それを実行する。
【0017】
CPU1が実行するプログラムは、ドライブ装置6を介して記録媒体8から記憶装置3に取り込まれる。記録媒体8は、磁気テープ、メモリーカード、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどで構成される。
【0018】
図3は、上記のような自動配線装置による配線層の改版処理を示す。この改版処理に先立って、半導体集積回路装置の回路設計と、ネットリストの生成が行なわれ、そのネットリストに基づいて回路セルのレイアウト設計及び各回路セルを接続する多数層の配線レイアウト設計が行なわれている。そして、回路セルの小規模な変更により配線層を改版する必要が生じたとき、自動配線装置で図3に示す改版処理が行われる。
【0019】
改版処理が開始されると、CPU1は回路セルの変更にともなって生成された新ネットリストを読み込む(ステップ1)。
次いで、新ネットリストから追加セルの有無を確認し(ステップ2)、結線チェックを行う(ステップ3)。ステップ3の結線チェックは、新ネットリストと旧ネットリストとの比較を行い、変更されたネットや追加されたセルが存在する部分で発生するエラーネットを検出する。
【0020】
次いで、CPU1は各エラーネットの範囲(X−Y座標上での最大値と最小値)を確認し、エラーネットを浮き配線候補としてメモリ2に格納する(ステップ4)。浮き配線は、いずれのネット名(又はネット番号)を持たない配線要素(配線、ビア、コンタクト)である。
【0021】
次いで、CPU1はエラーネットの情報に基づいて、レイアウトを修正するマスクの層(改版対象層)を設定する(ステップ5)。このとき、CPU1はエラーと判断したネットの要素(配線、ビア)が含まれるマスク層をレイアウトデータに基づいて確認し、新ネットリストに基づいてエラーネットを修正するために必要となる配線層を改版対象層として設定する。
【0022】
また、CPU1は非改版対象層(改版対象層以外の配線層)のデータの変更を禁止する。このデータの変更は、形状や位置の変更、削除を禁止するものである。非改版対象層の変更を禁止することにより、不用意なデータの変更、削除を未然に防止する。なお、ネット名やネット番号の変更は可能とする。
【0023】
次いで、改版対象層においてメモリ2に記憶した浮き配線候補のデータのうち、設定された改版対象層に存在するデータを削除する(ステップ6)。このとき、浮き配線候補のデータが改版対象層以外の層に存在する場合、そのデータを浮き配線データとして設定し、メモリ2に記憶する。
【0024】
レイアウトデータに含まれる配線要素(配線、ビア)は座標値、形状、ネット番号マスクの層番号を備えている。CPU1は、配線層の層番号に基づいて、当該配線要素が改版対象層に存在するか否かを判断する。
【0025】
次いで、CPU1は新ネットリストに基づいて、メモリ2に記憶した浮き配線にネット番号を割り当てる(ステップ7)。その割り当て方法については、複数の方法を詳細に後述する。
【0026】
次いで、CPU1はステップ6で削除した改版対象層の浮き配線の復元処理を行う(ステップ8)。その復元方法についても詳細に後述する。そして、改版対象層の浮き配線を利用しながらエラー配線の修正を行う(ステップ9)。この修正において、CPU1はステップ4で確認したエラーネットに対して、配線、ビア等を追加し、新ネットリストに対応する配線データを作成し、レイアウトデータに格納する。このとき、ステップ2において追加セルが必要となった場合、空き領域にセルを追加し、既存のセルと追加セルとを接続する配線を作成する。
【0027】
そして、浮き配線の枝きり処理を行い(ステップ10)、次に新ネットリストとレイアウトデータとが一致するか否かをチェックし(ステップ11)、エラーがない場合には処理を終了し、エラーが存在する場合にはステップ5に復帰する。
【0028】
上記のような改版処理では、エラーネットの修正に際し、改版対象層及び非改版対象層の浮き配線を利用して修正を行なって、改版層数の削減を図るとともに、ステップ9でのエラー配線の修正時に、冗長な配線の発生を防止する。
【0029】
すなわち、図1(a)に示すように、ステップ4で確認されたエラーネットの範囲内に、浮き配線D,E,Cが存在し、新ネットリストに基づくエラー配線の修正によりコンタクトAと同Bを接続する必要がある場合について説明する。
【0030】
ステップ7で、浮き配線の割り当てを行なうとき、エラーネットの範囲内に存在する浮き配線D,E,Cにすべて同一のネット番号を付し、図1(b)に示すように、コンタクトAと浮き配線D,Eを追加配線10aで接続し、コンタクトBと浮き配線E,Cを追加配線10bで接続すると、浮き配線D,Cは冗長な配線となる。
【0031】
そこで、図1(c)に示すように、浮き配線Eだけを使用してコンタクトA,Bを追加配線10c,10dで接続すれば、冗長な配線は発生しないので、ステップ7ではこのような浮き配線の割り当てを行なう。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例)
図4〜図9は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第一の例を示す。図4は、旧ネットリストに基づいて基板上にレイアウトされた多数のセル11と、各セルを接続するための多層の配線層のうち、第一層配線M1〜第三層配線M3からなる原レイアウトを示す。ここでの原レイアウトでは、AとB,C,Dが接続され、EとFが接続され、GとHが接続されている。なお、第一層と第二層の配線を接続するビアを黒丸で表示し、第二層と第三層の配線を接続するビアを黒三角で表示している。
【0032】
ここで、他の部分でセルの追加があり、新ネットリストに基づいてエラーネットが確認され、第一層及び第二層配線M1,M2を改版層とし、第三層配線M3を非改版層とする。そして、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続するように繋ぎ替えを行なう場合について説明する。
【0033】
まず、図5に示すように、第三層配線M3において上記繋ぎ替えにより浮き配線となった配線M3f1〜M3f4を抽出して配線存在域とし、その配線存在域の周囲1グリッドを含む範囲を配線可能領域とし、その他の部分を配線禁止領域として、各領域をメモリ2に格納する。図5において、4本の第三層配線が浮き配線M3f1〜M3f4となる。なお、エラーネットに属さない第三層配線M3は、浮き配線とならない。
【0034】
次いで、図6に示すように、図4に示す原レイアウトから改版対象層である第一層及び第二層配線M1,M2を削除する。このとき、エラーネットに含まれない配線は削除しない。
【0035】
次いで、図7に示すように、第一層及び第二層配線M1,M2と第三層の配線可能領域を使用して、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続するように仮配線を行なう。すると、図5で示した浮き配線M3f1,M3f2は新たなネットA−F上に位置し、浮き配線M3f4の一部はネットG−CDH上に位置する。また、浮き配線M3f3は新たなネット上には位置しないので、使用しない。そして、このような仮配線をメモリ2に格納する。
【0036】
次いで、図8に示すように、図4に示す原レイアウト上で新ネットリストに対しエラーとなる第一層及び第二層配線M1,M2を削除し、図7の仮配線で割り当てた浮き配線M3f1,M3f2,M3f4を配置する。そして、図9に示すように、割り当てた浮き配線M3f1,M3f2,M3f4が新ネットリストを構成するように再配線を行う。このとき、浮き配線M3f3はいずれのネットにも使用しない。以上で、AとF、EとB、GとC,D,Hを接続する新ネットが形成される。
【0037】
上記のような浮き配線の割り当て方法では、非改版層の浮き配線部分を配線可能領域として設定し、その浮き配線を削除した状態で非改版層に新ネットに対応する仮配線を行い、その仮配線に一致部分の多い浮き配線を新ネットに利用する。従って、仮配線に一致しない浮き配線を新ネットの配線として使用しないようにすることができるので、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第二の例)
図10〜図17は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す。この例は、図10に示すように、新ネットで端子A,Bを接続しようとするとき、端子A,B間で広範囲に多数の浮き配線L〜Vが存在する場合、その中から新ネットに割り当てる浮き配線を選択する方法を示すものである。浮き配線L〜Vは、改版層及び非改版層のいずれかに位置し、両端にビアがあるものとする。
【0038】
図11は、図10に示す端子A,Bを含む領域12を拡大して示す。図11に示す配線禁止領域13は、マクロセル等が搭載されていて配線できない領域、あるいは改版対象層において配線占有率(配線密度)の高くて配線できない領域を示す。
【0039】
図12は手順1を示す。まず、端子Aから全方向に一定区画分(図12では4区画分)の配線領域WAを設定し、この配線領域WA内に浮き配線の一部が含まれるか否かを判別する。ここで、浮き配線が含まれない場合には、さらに広い配線領域を設定して、同様に判別する。また、設定した配線領域に複数の浮き配線が含まれる場合には、優先順位はないものとする。図12では、浮き配線N,Tが含まれていることになる。
【0040】
図13は、手順2を示す。手順1で配線領域WAに含まれた浮き配線N,Tを取り囲む一定区画分(図13では1区画分)を加えて新たな配線領域WAとする。
次いで、図14に示すように、設定された配線領域WAが1つの矩形でない場合には配線領域WAを複数の矩形領域WA1〜WA3に分割する。次いで、図15に示すように、矩形領域WA2,WA3の最大座標位置を起点14a,14bとして手順1と同様に新たな配線領域WA4,WA5を拡大する。すると、浮き配線Sが配線領域WA5に含まれるため、図16に示すように、配線領域WA4を配線領域候補から外す。
【0041】
次いで、配線領域WA5の最大座標位置から配線領域を拡大していく。そして、拡大した配線領域が配線禁止領域13に達した場合には、その方向への拡大を中止する。
このようにして、配線領域WAを拡大していき、最終的に図17に示す配線領域WA6が得られる。そして、配線領域WA6内に位置する浮き配線T,S,Lを端子A,Bを接続する新ネットに割り当てる。
【0042】
このような割り当て方法によれば、浮き配線を繋いでいくことにより配線領域WA6が生成されるため、配線領域WA6内の浮き配線T,S,Lを新ネットに割り当てれば、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第三の例)
図18〜図29は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す。この例は、図18に示す端子A,Bを新ネットで接続しようとするとき、端子A,Bの双方から配線領域を検索する方法を示す。この例では、配線禁止領域13が2箇所設定されている。
【0043】
図19〜図22に示すように、端子Aから配線領域を検索する方法は、前記第三の例と同様である。図22では、矩形領域WA2,WA3の最大座標位置を起点14a,14bとして配線領域を拡大する手順を示す。
【0044】
図23は、端子B側から配線領域を検索する手順を示す。端子Aの場合と同様に端子Bから全方向に一定区画分(図12では6区画分)の配線領域WA6を設定し、この配線領域WA6内に浮き配線Pの一部が含まれている。
【0045】
そして、配線領域WA6に含まれた浮き配線Pを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域を設定する。そして、その配線領域が矩形でない場合には矩形に分割し、その起点15a,15bから配線領域を拡大する。
【0046】
図24は、前記起点14aからそれぞれ一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線L,Sを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域WA7を設定した状態を示す。
図25は、前記起点14bからそれぞれ一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線Sを取り囲む1区画分を加えて新たな配線領域WA8を設定した状態を示す。拡大した配線領域が配線禁止領域13に達した場合には、その方向への拡大を中止する。
【0047】
そして、図26に示すように、配線領域WA7と同WA8を重ね合わせた配線領域WA9を設定する。
図27は、起点15aから一定区画分ずつ配線領域を拡大し、さらに浮き配線Xを取り囲む1区画分を加えたとき、浮き配線Mの一部を含んだため、浮き配線Mを取り囲む1区画分がさらに加えられた配線領域WA10が設定された状態を示す。
【0048】
そして、図28に示すように、配線領域WA10を矩形領域に分割し、その矩形領域の起点16a,16bからさらに配線領域を拡大する。なお、配線領域WA9を分割した矩形領域の起点17からは、配線禁止領域13に阻まれてそれ以上の拡大はできない。
【0049】
この結果、端子A,Bは図29に示す配線領域WA11で接続される。そして、配線領域WA11内に位置する浮き配線を端子A,Bを接続する新ネットに割り当てる。
このような割り当て方法によれば、浮き配線を繋いでいくことにより配線領域WA11が生成されるため、配線領域WA11内の浮き配線を新ネットに割り当てれば、新ネットでの冗長な配線の発生を防止することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第四の例)
図30〜図36は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す。この例は、改版層の配線密度を考慮に入れ、かつ最短経路となる浮き配線を割り当てる方法を示す。
【0050】
図30に示すように、まず端子A,Bを両角部とする矩形の割り当て対象範囲18を設定する。端子A,B間には多数の浮き配線C〜Jが存在している。なお、改版対象層は2層とする。
【0051】
次いで、各改版対象層の配線占有率の平均値と、区画毎の配線占有率とを求め、図31に示すように、まず第一の改版対象層について、配線占有率が平均値より高い第一の領域19aを抽出してマッピングする。
【0052】
次いで、図32に示すように、第二の改版対象層について、配線占有率が平均値より高い第二の領域19bを抽出してマッピングする。
そして、図33に示すように、第一及び第二の領域19a,19bの重複領域を禁止領域20としてマッピングする。
【0053】
次いで、端子Aから端子Bに向かって新ネットに割り当てる浮き配線の検索を行う。このとき、割り当て対象となる浮き配線は、検索対象範囲内に浮き配線の両端が包含され、かつ浮き配線の両端が禁止領域20に包含されていない浮き配線である。図34において、浮き配線E,F,Hは割り当て対象外である。
【0054】
ここで、図35に示すように、まず端子Aに最も近い浮き配線Cが選択され、次いで浮き配線Cの右端から端子Bまでの割り当て対象範囲18aを設定し、同様に検索する。図35において、浮き配線Dが新たに割り当て対象外となる。そして、浮き配線Cに最も近い浮き配線Gが選択され、次いで浮き配線Gの右端から端子Bまでの割り当て対象範囲を設定し、同様に検索する。
【0055】
このような処理により、図36に示すように、端子A,B間の新ネットに割り当てる浮き配線C,G,Jが検索される。
上記のような割り当て方法によれば、端子A,B間の新ネットに割り当てる浮き配線を、最短経路でかつ配線密度を考慮に入れながら効率的に選択することができる。
(ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第五の例)
図37〜図40は、ステップ7の浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す。この例は、浮き配線を基にして改版ネットを検索することにより、浮き配線を改版ネットに割り当てる方法を示す。
【0056】
図37に示すように、浮き配線21の周囲に浮き配線領域22を設定する。そして、その浮き配線領域22がネットの改版が生じている改版ネット領域23a,23bと重なるか否か判別する。浮き配線領域22が改版ネット領域23a,23bのいずれにも重ならない場合には、図38に示すように、浮き配線領域22を全方向に均等に拡大する。
【0057】
前記浮き配線領域22は、図39に示すように、浮き配線21を上下左右に数グリッドずつ拡大する事により設定され、その浮き配線領域22をさらに拡大する場合には、上下左右にさらに数グリッドずつ拡大する。
【0058】
図40は、前記改版ネット領域23a,23bの設定方法を示す。同図に示すように、改版ネット25が接続される各セルの端子24a〜24cのX−Y座標の最大値と最小値を求め、この最大値と最小値で設定される4点から改版ネット領域が設定される。
【0059】
図38において、浮き配線領域22が改版ネット領域23aのいずれかに重なる場合には、浮き配線領域22内の浮き配線に改版ネット番号を割り当て、トライアル配線を施して結線可能か否かを判定する。結線可能である場合には、改版ネットの動作タイミング、配線長、改版ネットの各接続端子をセルで駆動可能か否か等を検証する。そして、検証結果が良好であれば、浮き配線21を改版ネットに割り当てる。
【0060】
また、図38に示すように、浮き配線領域22に複数の改版ネット領域23a,23bが重なる場合には、原則としてまず浮き配線領域22に対し距離が近い方を選択して、上記のような処理を行う。
【0061】
上記のような割り当て方法によれば、浮き配線21を基に改版ネットを検索するので、改版ネット領域から浮き配線を検索する方法に比して、浮き配線の利用率を向上させることができる。
【0062】
従って、改版層における配線トラックのスペースを空けて、配線の結線率を向上させることが可能となる。
(ステップ10の浮き配線の枝きり処理の例)
図41〜図46は、ステップ10の浮き配線の枝きり処理の例を示す。図41は、浮き配線を利用して接続した改版ネットを示す。この改版ネットは、第一層配線層M1〜第四層配線層M4の浮き配線を利用している。
【0063】
図41では、端子A,B,Eを接続する改版ネットが生成されているが、線分3−6、線分6−7は枝配線であり、線分10−11は未利用浮き配線である。
ここで、枝配線及び未利用浮き配線を判別するために、各端子A,B,C間で接続トレースを行なう。すなわち、図42に示すように、例えば、端子Aから他の端子B,Eに向かってトレースを行い、端子B,Eに達した場合には、各線分に到達フラグ(○で示す)を付与する。
【0064】
また、端子B,Eに到達しなかった場合には、バックトレースして到達フラグが付与されている線分するまでの線分に未到達フラグ(×で示す)を付与する。また、トレースされなかった線分にも未到達フラグを付与する。
【0065】
このような処理により、線分3−6、線分6−7、線分10−11が枝配線あるいは未利用浮き配線であることが判別される。
次いで、図43に示すように、枝配線のうち、改版対象層の線分3−6は無条件で削除する。さらに、図44に示すように、改版ネットを構成するために不要と判断できる枝配線をネット配線対象から外し、他の改版ネット生成時に使用可能とする。ここでは線分6−7が改版ネット配線対象から除外される。
【0066】
次いで、図45に示すように、未利用浮き配線を改版ネット配線対象から除外し、他の改版ネット生成時に使用可能とする。ここでは、線分10−11が除外される。
この結果、図46に示すように、端子A,B,Eを接続する改版ネットから線分6−7、10−11が除外され、これらの線分は、他の改版ネット作成時に利用可能な浮き配線となる。
【0067】
上記のような処理により、改版ネットの枝配線を削除して、冗長となる配線を削除することができる。従って、改版ネットの配線容量を削減し、改版対象から外した浮き配線を他の改版ネットで使用することができるので、浮き配線の利用効率を向上させることができる。
(ステップ8の改版前配線の復元処理の第一の例)
図47〜図53は、ステップ8の改版前配線の復元処理の第一の例を示す。図47は、改版前ネットを示し、端子A,B,Cが接続されるとともに、端子D,Eが接続されている。そして、この改版前ネットを、端子A,B,Eを接続し、端子D,Eは利用しないような繋ぎ替えを行なう場合について説明する。
【0068】
図48に示すように、まず改版対象ネットを構成する配線やビアを認識し、メモリ2に記憶する。次いで、図49に示すように、改版対象層の配線を仮削除し、改版ネット領域内の浮き配線の仮割り当てを行なう。
【0069】
すなわち、第二層及び第四層配線層M2,M4が改版対象層であると、仮削除される線分は、1−2、4−5、3−6、7−8、9−10、11−12となる。また、端子A,B,Eを含む改版ネット領域26内の浮き配線は、線分2−3、3−4、6−7であり、これらを改版ネットに仮割り当てする。
【0070】
次いで、図50に示すように、改版ネット領域26内の改版対象層を復元する。復元される線分は、1−2、4−5、3−6、7−8となる。
次いで、図50に示すデータを基にして端子A,B,Eが接続されるように改版ネットを生成する。すると、図51に示すように、線分2−12が追加され、線分3−6、7−8は端子Cに接続する配線であるので、例えば線分7−8を削除する。すると、図52に示す改版前ネットに対し、図53に示す改版ネットが生成される。
【0071】
上記のような処理により、改版前のネットを改版ネットに利用するので、改版前ネットに対する改版ネットの動作タイミングの変化等を抑制することができる。また、既に配線されているネットを利用して改版ネットを生成するため、改版ネットの生成処理時間を短縮することができる。
(ステップ8の改版前配線の復元処理の第二の例)
図54〜図60は、ステップ8の改版前配線の復元処理の第二の例を示す。図54は、改版前ネットを示し、端子A,B,Cが接続されるとともに、端子D,Eが接続されている。そして、この改版前ネットを、端子A,B,Dを接続する改版ネットと、端子CEを接続する改版ネットに繋ぎ替える場合について説明する。なお、ここではM2,M4を改版層とし、M1,M3を非改版層とする。
【0072】
図55に示すように、まず改版前ネットの改版対象層M2,M4にある配線を削除し、その配線をメモリ2に記憶する。ここで、削除される配線は、線分1−2、3−6、4−5、7−8、9−10、11−12である。
【0073】
次いで、図56に示すように、非改版層M1,M3の浮き配線を改版ネットに割り当てる。ここでは、線分A−1、2−3、3−4、5−B、6−7、9−Dが端子A,B,Dを接続する改版ネットに割り当てられ、線分E−12、10−11、C−8が端子C,Eを接続する改版ネットに割り当てられる。
【0074】
次いで、図57に示すように、改版対象層M2,M4にあった改版前ネットを復元する。すると、同図に二重線で示す線分1−2、4−5、3−6、7−8、9−10、11−12で改版前ネットが復元される。
【0075】
次いで、改版前ネットの復元により、端子A,B,Dを接続する改版ネットで、端子A,B,D以外に接続されていないかをチェックする。すると、図58に示すように、線分7−8と線分9−10がバイオレーションとなる。
【0076】
そこで、図59に示すように、線分7−8と線分9−10を削除すると、非改版層M1,M3での浮き配線を改版ネットに割り当てる作業が終了する。この状態では、図60に示すように、非改版層M1,M3の浮き配線を端子A,B,Dを接続する改版ネットに割り当てられる。そして、線分7−9は改版層で生成され、端子E,Cを接続する改版ネットの線分8−10も改版層で生成される。
【0077】
上記のような処理により、改版前のネットを改版ネットに利用するので、改版前ネットに対する改版ネットの配線容量、配線抵抗等の変化を抑制することができる。従って、動作タイミングの変化等を抑制して、動作タイミングの不適合による動作不良の発生を防止することができる。また、既に配線されているネットを利用して改版ネットを生成するため、改版ネットの生成処理時間を短縮することができる。
(付記1)半導体集積回路装置の配線層のレイアウトデータを改版する改版方法であって、
修正された新ネットリストを読み込む工程と、
レイアウトデータ前記新ネットリストを比較する工程と、
前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、
前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、
前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、
改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程と
を備えたことを特徴とする配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記2)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
改版対象層と非改版対象層の浮き配線とで仮配線を行い、その仮配線と改版前の浮き配線を照合して、合致する浮き配線を改版ネットに割り当てることを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記3)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
前記浮き配線をベースとして経路探索を行なうことを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記4)前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
浮き配線領域と改版ネット領域の重なりを検出し、前記浮き配線領域内の浮き配線を、重なりが検出された改版ネット領域に割り当てることを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記5)前記改版ネットの枝きり処理を行う工程は、
改版ネットの端子から他の端子への接続トレースを行なって、枝配線であるか否かを判別することを特徴とする付記1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
(付記6)前記改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程は、
改版ネットと改版前ネットで接続の変わらない配線を改版前ネットから復元して改版ネットの配線として利用することを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の作用を示す説明図である。
【図2】自動配線装置を示すブロック図である。
【図3】自動配線装置の配線層改版処理を示すフローチャートである。
【図4】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図5】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図6】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図7】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図8】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図9】浮き配線の割り当て処理及び改版前配線の復元方法の第一の例を示す配線図である。
【図10】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図11】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図12】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図13】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図14】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図15】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図16】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図17】浮き配線の割り当て処理の第二の例を示す配線図である。
【図18】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図19】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図20】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図21】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図22】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図23】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図24】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図25】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図26】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図27】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図28】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図29】浮き配線の割り当て処理の第三の例を示す配線図である。
【図30】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図31】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図32】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図33】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図34】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図35】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図36】浮き配線の割り当て処理の第四の例を示す配線図である。
【図37】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図38】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図39】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図40】浮き配線の割り当て処理の第五の例を示す配線図である。
【図41】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図42】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図43】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図44】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図45】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図46】浮き配線の枝きり処理の例を示す配線図である。
【図47】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図48】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図49】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図50】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図51】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図52】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図53】改版前配線の復元処理の第一の例を示す配線図である。
【図54】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図55】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図56】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図57】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図58】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図59】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図60】改版前配線の復元処理の第二の例を示す配線図である。
【図61】従来の改版処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
M3f1〜M3f4,21 浮き配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路装置の配線層のレイアウトデータを改版する改版方法であって、
修正された新ネットリストを読み込む工程と、
前記レイアウトデータと前記新ネットリストを比較する工程と、
前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、
前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、
前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、
改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程と
を備えたことを特徴とする配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項2】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
改版対象層と非改版対象層の浮き配線とで仮配線を行い、その仮配線と改版前の浮き配線を照合して、合致する浮き配線を改版ネットに割り当てることを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項3】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
前記浮き配線をベースとして経路探索を行なうことを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項4】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
浮き配線領域と改版ネット領域の重なりを検出し、前記浮き配線領域内の浮き配線を、重なりが検出された改版ネット領域に割り当てることを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項5】
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程は、
改版ネットの端子から他の端子への接続トレースを行なって、枝配線であるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項1】
半導体集積回路装置の配線層のレイアウトデータを改版する改版方法であって、
修正された新ネットリストを読み込む工程と、
前記レイアウトデータと前記新ネットリストを比較する工程と、
前記比較結果に基づいてエラーネットを確認する工程と、
前記エラーネットの配線要素に基づいて改版対象層と非改版対象層を設定する工程と、
前記エラーネットの配線要素を浮き配線として設定する工程と、
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程と、
改版前ネットと前記浮き配線に基づいて改版ネットを生成する工程と、
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程と
を備えたことを特徴とする配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項2】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
改版対象層と非改版対象層の浮き配線とで仮配線を行い、その仮配線と改版前の浮き配線を照合して、合致する浮き配線を改版ネットに割り当てることを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項3】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
前記浮き配線をベースとして経路探索を行なうことを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項4】
前記浮き配線を改版ネットの配線要素として割り当てる工程は、
浮き配線領域と改版ネット領域の重なりを検出し、前記浮き配線領域内の浮き配線を、重なりが検出された改版ネット領域に割り当てることを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【請求項5】
前記改版ネットの枝きり処理を行う工程は、
改版ネットの端子から他の端子への接続トレースを行なって、枝配線であるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の配線層レイアウトデータの改版方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図17】
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【図30】
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【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
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【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
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【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【公開番号】特開2008−250490(P2008−250490A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88916(P2007−88916)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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