説明

配線板とその製造方法

【課題】製造歩留まりの高い配線板及びその製造方法を提供する。又は、良好な電気特性を有する配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】配線板は、少なくとも片面に導体パターンを有し、開口が形成された硬質の主基板と、少なくともリジッド部とフレキシブル部とが接続されて構成され、主基板とリジッド部とが隣り合うように開口内に配置され、リジッド部もしくはフレキシブル部の少なくともいずれか一方には導体パターンが形成されているフレックスリジッドプリント配線板と、リジッド部上と主基板上とにわたって形成され、フレキシブル部上には形成されない絶縁層と、から構成される。主基板の導体パターンとフレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとは電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線板とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線板及びその製造方法の一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
また、基板の一部が剛性を持ち、他の一部が可撓性を有するフレックスリジッドプリント配線板が、例えば特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特許第3795270号公報
【特許文献2】日本国特許公開平7−193370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される装置では、1つの基板の中に、高密度導体領域と低密度導体領域とが形成され、高密度導体領域だけに欠陥がある場合であっても、正常な低密度導体領域を含めた基板全体が不良品となり、逆に低密度導体領域だけに欠陥がある場合であっても、正常な高密度導体領域を含めた基板全体が不良品となる。このため、材料のロス(損失)が大きい。
【0006】
また、こうした構造や製造方法をフレックスリジッドプリント配線板に適用した場合にも、材料のロス(損失)が大きくなる。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、製造歩留まりの高い配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、良好な電気特性を有する配線板及びその製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の配線板は、
少なくとも片面に導体パターンを有し、開口が形成された硬質の主基板と、
少なくともリジッド部とフレキシブル部とが接続されて構成され、前記主基板と前記リジッド部とが隣り合うように前記開口内に配置され、前記リジッド部もしくは前記フレキシブル部の少なくともいずれか一方には導体パターンが形成されているフレックスリジッドプリント配線板と、
前記リジッド部上と前記主基板上とにわたって形成され、前記フレキシブル部上には形成されない絶縁層と、
から構成され、
前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとは電気的に接続されている、
ことを特徴とする。
【0009】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板の前記リジッド部及び前記フレキシブル部の各々に導体パターンが形成され、前記フレックスリジッドプリント配線板の配線密度は、前記主基板の配線密度よりも高い。
例えば、前記主基板は、第1面及びその反対側の第2面と、前記第1面上に形成された第1導体パターンと、を有し、前記リジッド部は、前記第1面と同じ向きの第3面及びその反対側の第4面と、前記第3面上に形成された第2導体パターンと、を有し、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとは、前記絶縁層に形成され前記第1導体パターンに接続される第1ビアと、前記絶縁層上に形成される第3導体パターンと、前記絶縁層に形成され前記第2導体パターンに接続される第2ビアと、を介して、互いに電気的に接続されている。
【0010】
例えば、前記主基板は、硬質のコア基材と、該コア基材の表裏に形成された2層の導体パターンと、から構成され、前記開口は、前記主基板を貫通する。
例えば、前記主基板の剛性は、前記リジッド部の剛性よりも高い。
【0011】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、例えば、導体パターンを備える可撓性基材と、前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体パターンと、を備え、前記可撓性基材の導体パターンと、前記絶縁層上の導体パターンはメッキ接続されている。
【0012】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、例えば、導体パターンを備える可撓性基材と、前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体パターンと、を備え、前記絶縁層にはビアが形成されており、前記絶縁層上の導体パターンは、前記ビアを介して前記可撓性基材の導体パターンに接続されている。
【0013】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、例えば、導体パターンと該導体パターンを覆う保護層を備える可撓性基材と、前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体パターンと、を備え、前記絶縁層上の導体パターンは、前記絶縁層と前記保護層とに形成されたビアを介して前記可撓性基材の導体パターンに接続されている。
【0014】
例えば、同一の厚さにおける導体パターンの層数は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が多い。
【0015】
例えば、前記主基板は、複数の導体パターンが、該導体パターン同士を接続するためのビアが形成された絶縁層を介して、積層されて構成され、前記フレックスリジッドプリント配線板は、複数の導体パターンが、該導体パターン同士を接続するためのビアが形成された絶縁層を介して、積層されて構成され、導体パターンの存在密度は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が高く、絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が大きい。
【0016】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの絶縁層上の存在密度は、前記主基板の導体パターンの絶縁層上の存在密度よりも高い。
【0017】
また、この発明の配線板の製造方法は、
少なくとも片面に導体パターンを有する硬質の主基板を形成する工程と、
前記主基板に開口を形成する工程と、
少なくともリジッド部とフレキシブル部とが接続されて構成され、前記リジッド部もしくは前記フレキシブル部の少なくともいずれか一方が導体パターンを有するフレックスリジッドプリント配線板を形成する工程と、
前記フレックスリジッドプリント配線板を、前記主基板と前記リジッド部とが隣り合うように前記開口内に配置する工程と、
前記リジッド部上と前記主基板上とにわたって配置され、前記フレキシブル部上には配置されない絶縁層を形成する工程と、
前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとを電気的に接続する工程と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0018】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板の前記リジッド部及び前記フレキシブル部の各々に導体パターンが形成され、前記フレックスリジッドプリント配線板の配線密度が、前記主基板の配線密度よりも高くなるように、前記主基板及び前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する。
【0019】
例えば、前記形成される主基板は、第1面及びその反対側の第2面と、前記第1面上に形成された第1導体パターンと、を有し、前記形成されるリジッド部は、前記第1面と同じ向きの第3面及びその反対側の第4面と、前記第3面上に形成された第2導体パターンと、を有し、前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとを電気的に接続する前記工程では、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとが、前記第1導体パターンに接続される第1ビアと前記第2導体パターンに接続される第2ビアと前記第1ビア及び前記第2ビアの両方に接続される第3導体パターンとを介して、互いに電気的に接続されるように、前記絶縁層に前記第1ビア及び前記第2ビアを形成し、前記絶縁層上に前記第3導体パターンを形成する。
【0020】
例えば、前記形成される主基板は、硬質のコア基材と、該コア基材の表裏に形成された2層の導体パターンと、から構成され、前記形成される開口は、前記主基板を貫通する孔からなる。
例えば、前記主基板の剛性が前記リジッド部の剛性よりも高くなるように、前記主基板及び前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する。
【0021】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する工程は、導体パターンを備える可撓性基材と非可撓性基材とを並べて配置する工程と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを絶縁層で被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する被覆工程と、前記絶縁層上に導体パターンを形成する工程と、前記可撓性基材の導体パターンと、前記絶縁層上の導体パターンとをメッキ接続する工程と、を備える。
【0022】
例えば、導体パターンを備える可撓性基材と、非可撓性基材とを水平方向に並べて配置する工程と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出するように絶縁層を配置する工程と、前記絶縁層にビアを形成する工程と、前記ビアを介して前記絶縁層上の導体パターンと前記可撓性基材の導体パターンとを接続する工程と、を配置してもよい。
【0023】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板は、導体パターンと該導体パターンを覆う保護層を備える可撓性基材と、非可撓性基材とを水平方向に並べて配置する工程と、前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出するように絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層と前記保護層とにビアを形成する工程と、前記可撓性基材の導体パターンと絶縁層上の導体パターンとを、前記ビアを介して接続する工程と、を備える。
【0024】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの層数は、前記フレックスリジッドプリント配線板と同一の厚さとサイズの領域における主基板の導体パターンの層数よりも多い。
【0025】
例えば、前記主基板は、複数の導体パターンが絶縁層を介して積層され、前記絶縁層に、導体パターン同士を接続するためのビアが形成され、前記フレックスリジッドプリント配線板は、複数の導体パターンが絶縁層を介して積層され、前記絶縁層に、導体パターン同士を接続するためのビアが形成され、該主基板よりも、導体パターンの存在密度が高く、該フレックスリジッドプリント配線板に形成された前記絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値が、前記主基板の前記絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値よりも大きい。
【0026】
例えば、前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの絶縁層上の存在密度は、前記主基板の導体パターンの絶縁層上の存在密度よりも高い。
【発明の効果】
【0027】
上記構成の配線板とその製造方法によれば、主基板とフレックスリジッドプリント配線板とを別個に製造し、それらを組み合わせ製造することが可能となり、製造歩留まりを高い値に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施形態に係る多層配線板の構造を示す断面図である。
【図2A】図1に示す多層配線板の主要部の構成を示す図であり、主基板の断面図である。
【図2B】図1に示す多層配線板の主要部の構成を示す図であり、フレックスリジッドプリント配線板の断面図である。
【図3A】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、複数の主基板が形成された硬質基材を示す図である。
【図3B】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、複数の主基板が形成された硬質基材に、フレックスリジッドプリント配線板を配置するための開口を形成した状態を示す図である。
【図3C】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、複数の構造体を形成した硬質基材を示す図である。
【図3D】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、複数のフレックスリジッドプリント配線板を形成したコア基材を示す図である。
【図4A】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板を形成する工程を示す断面図である。
【図4B】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板を形成する工程を示す断面図である。
【図4C】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板を形成する工程を示す断面図である。
【図5A】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5B】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5C】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5D】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5E】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5F】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5G】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5H】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図5I】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、フレックスリジッドプリント配線板の製造工程を説明するための断面図である。
【図6A】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図6B】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図6C】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図6D】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図6E】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図6F】多層配線板の製造方法を説明するための図であり、主基板とフレックスリジッドプリント配線板を組み合わせた後の製造工程を説明するための断面図である。
【図7】主基板とフレックスリジッドプリント配線板との組み合わせ方法を説明するための図であり、主基板の表面上にフレックスリジッドプリント配線板を配置した構成を示す図である。
【図8】主基板とフレックスリジッドプリント配線板との組み合わせ方法を説明するための図であり、主基板の収容部にフレックスリジッドプリント配線板のリジッド基板を配置した構成を示す図である。
【図9】主基板とフレックスリジッドプリント配線板との組み合わせ方法を説明するための図であり、主基板にフレックスリジッドプリント配線板のリジッド基板を埋設した構成を示す図である。
【図10】フレックスリジッドプリント配線板の構成の変形例を示す図である。
【図11】フレックスリジッドプリント配線板の構成の他の変形例を示す図である。
【図12A】フレックスリジッドプリント配線板の導体密度が、主基板の導体密度より高い例を説明するための図である。
【図12B】フレックスリジッドプリント配線板の導体密度が、主基板の導体密度より高い例を説明するための図である。
【図13A】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための斜視図である。
【図13B】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための斜視図である。
【図14A】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための斜視図である。
【図14B】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための斜視図である。
【図15】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための図である。
【図16】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための図である。
【図17】フレックスリジッドプリント配線板と主基板の接続手法の変形例を説明するための図である。
【図18A】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【図18B】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【図18C】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【図18D】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【図18E】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【図18F】多層配線板の製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明に係る配線板の実施形態について説明する。
【0030】
本実施形態に係る多層配線板1は、図1に断面で示す構成を有し、剛体部2,3とフレキシブル部4とを備え、全体としてフレックスリジッドプリント配線板として機能する。
【0031】
多層配線板1は、図2Aに示す主基板21と、図2Bに示すフレックスリジッドプリント配線板31とを組み合わせて構成される。
【0032】
主基板21は、コア基材211と、コア基材211の両面に形成された回路パターン(導体パターン)212,213とから構成される。
【0033】
コア基材211は、例えば、ガラスクロス、ガラスフィラー等の無機物を含むガラスエポキシ樹脂等の非可撓性絶縁材料から構成され、フレックスリジッドプリント配線板31を嵌入するための開口2111が形成されている。回路パターン212,213は、銅などの導体の回路パターンから構成される。
【0034】
フレックスリジッドプリント配線板31は、可撓性基材311と、可撓性基材311の水平方向に配置された硬質(非可撓性)基材312とを備え、主基板21に形成された開口2111に嵌入されている。
【0035】
可撓性基材311は、絶縁性フレキシブルシート、例えば、厚さ20〜50μm程度のポリイミドシートから構成される。硬質基材312は、可撓性基材311とほぼ同一の厚さに形成され、例えば、ガラスクロス、ガラスフィラー等の無機物を含むガラスエポキシ樹脂等の非可撓性絶縁材料から構成される。
【0036】
可撓性基材311と硬質基材312とを挟持するように絶縁層313と314とが配置されている。絶縁層313と314とは、可撓性基材311の一部と硬質基材312とを被覆し、可撓性基材311の他の一部を露出する。
【0037】
絶縁層313,314に積層されて絶縁層315、316が配置されている。絶縁層313〜316は、プリプレグを硬化して構成されており、例えば、50〜100μm程度の厚さを有する。
【0038】
可撓性基材311の両面には、銅などから形成された導体パターン321、322が形成され、フレキシブル基板(可撓性基板)13を形成している。
【0039】
硬質基材312の両面には、銅等の導体から形成された導体パターン324が形成されている。
【0040】
硬質基材312の両面に形成され導体パターン324は、内部がメッキされたスルーホール325により相互に接続されている。また、各絶縁層313〜316には、導体パターン326が形成されている。異なる層の導体パターン324,326同士は、フィルドビア327を介して相互に接続されている。
【0041】
硬質基材312に積層された絶縁層、導体(回路)パターン、ビア(バイアホール)は、多層の導体パターンを備える剛性のリジッド基板11を構成する。
【0042】
また、絶縁層313,314上に形成された導体パターン326は、フィルドビア328を介して、フレキシブル基板13を構成する導体パターン321,322の端部に接続されている。
【0043】
可撓性基材311の端部には、絶縁層331〜334が積層され、接続部15を形成している。絶縁層331、332には、導体パターン321,322に接続されたフィルドビア335、336(ビルドアップフィルドビア)が形成され、最外層に接続パッド337、338が形成されている。
【0044】
主基板21と、フレックスリジッドプリント配線板31とは、図1に示すように、隣接して配置され、絶縁層41と42により挟持されている。絶縁層41と42には、導体パターン43、44が形成されており、必要に応じて、ビア45,46を介して内層の導体パターンに接続されている。
【0045】
具体的には、主基板21の回路パターン212,213とフレックスリジッドプリント配線板31の接続部15の接続パッド337,338とは、導体パターン47,48を介して相互に接続されている。また、主基板21の回路パターン212,213とは、例えば、銅メッキされたスルーホール49を介して相互に接続されている。これにより、主基板21の導体パターンと、フレックスリジッドプリント配線板31の導体パターンとが電気的に接続される。
【0046】
このような構成において、フレックスリジッドプリント配線板31の配線密度(導体パターンの層数、ビアの密度等)は、主基板21の配線密度よりも高い。
【0047】
より詳細に説明すると、図1に示す構成では、フレックスリジッドプリント配線板31における導体パターンが形成された配線層数は6であり、主基板21において、フレックスリジッドプリント配線板31の厚さと同一の厚さの領域における配線層の数2よりも多く形成されている。また、図2に示すように、フレックスリジッドプリント配線板31における導体(回路)パターン324〜328の絶縁層313〜316上の存在密度は、主基板21の絶縁層(コア基材211)上の回路パターン212,213の存在密度よりも高い。また、フレックスリジッドプリント配線板31に形成された絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値は、主基板21の絶縁層(コア基材211)の1層数当たりのビアの個数の平均値(0)よりも多い。このように、図1の構成では、フレックスリジッドプリント配線板31の方が、主基板21によりも配線密度が高い。この場合、製造段階では、主基板21よりも、フレックスリジッドプリント配線板31に欠陥が発生し易い。
【0048】
この構造及び製造方法によれば、フレックスリジッドプリント配線板31に欠陥が生じても、他の正常なフレックスリジッドプリント配線板31を使用して正常な多層配線板1を製造できる。従って、従来に比して、歩留まりの高めることができる。
【0049】
また、主基板21の剛性は、フレックスリジッドプリント配線板31の剛体(リジッド基板11及び接続部15)の剛性よりも高い。このため、高密度化されたフレックスリジッドプリント配線板31が主基板21により保護される。
【0050】
次に、上記構成を有する、多層配線板1の製造方法を説明する。
【0051】
多層配線板1は、主基板21とフレックスリジッドプリント配線板31とを個別に製造し、これらを接続して且つ一体化することにより形成される。
【0052】
主基板21の形成に際しては、例えば、図4Aに示すように、両面に銅箔221,222を有するコア基材211、例えば、樹脂付き銅箔シート(Resin Cupper Film; RCF)を用意する。コア基材211は、複数の主基板21を製造可能なサイズとすることが望ましい。
【0053】
次に、銅箔221,222をパターニングすることにより、図4Bに示すように、導体パターンを形成する。
【0054】
続いて、打ち抜き加工、レーザカットなどにより、図3B、図4Cに示すように、開口2111を形成し、主基板21を形成する。
【0055】
一方、フレックスリジッドプリント配線板31の形成に際しては、まず、図5Aに示すように、複数のフレックスリジッドプリント配線板31を製造できるサイズの硬質基材312を用意する。
【0056】
次に、図5Bに示すように、硬質基材312に、可撓性基材311配置用の矩形状の開口401と、スルーホール325を形成するための開口402を形成する。
【0057】
次に、銅メッキ及びパターニングにより、図5Cに示すように、導体パターン324,スルーホール325を形成する。
【0058】
続いて、開口401内に、可撓性基材311の両面に導体パターン321,322が形成されたフレキシブル基板13を図5Dに示すように配置する。
【0059】
続いて、図5Eに示すように、プリプレグ403,404で可撓性基材311と硬質基材312とを被覆し、図5Fに示すようにプレスし、さらに、プリプレグ403,404に含まれている樹脂を硬化する。
【0060】
続いて、レーザを照射する等して、図5Gに示すように、硬化したプリプレグ403,404にビアホール405を形成する。続いて、全体にメッキを施し、これをパターニングすることにより、図5Hに示すように、導体パターン326,及びフィルドビア327,335を形成する。
【0061】
続いて、図5Iに示すように、上層のプリプレグ406,407を配置し、上述と同様の処理を実行して、フレキシブル基板13と硬質基材312とを被覆し、さらに上層の導体パターン326と接続パッド337、338を形成し、構造体371を構成する。
【0062】
このようにして、図3Cに示すように、1枚の硬質基材312板上に複数の構造体371が形成される。
【0063】
続いて、各構造体371を切り出す。
続いて、各主基板21と構造体371とをそれぞれ検査し、正常なもの同士を選択して、図3D、図6Aに示すように、正常な主基板21に隣接する開口2111に正常な構造体371を配置する。
【0064】
続いて、図6Bに示すように、複数の組の主基板21と構造体371の上下面にプリプレグ411,412を配置し、プレスし、さらに、樹脂を硬化する。
【0065】
続いて、レーザを照射する等して、図6Cに示すように、硬化したプリプレグ411,412に適宜ビア413を形成する。また、ドリルなどでスルーホール414を形成する。
【0066】
続いて、図6Eに示すように、硬化したプリプレグ411,412のフレキシブル基板13を露出する部分にレーザLを照射し、図6Fに示すようにプリプレグ403,404,406,407、411,412,カットする。続いて、図6Fに示すように、切断された部分を除去する。
【0067】
続いて、全体にメッキを施し、これをパターニングすることにより、図1に示す構成の多層配線板1が完成する。
【0068】
以上説明したように、この実施形態に係る配線板及びその製造方法によれば、主基板21とフレックスリジッドプリント配線板31とを少なくとも途中までは別個に製造し、正常品同士を組み合わせて多層配線板を製造することが可能となる。このため、主基板21或いはフレックスリジッドプリント配線板31に不良が生じた場合であっても、多層配線板1全体を不良品とせず、不良品を正常品にして最終製品を製造できる。このため、製造歩留まりが全体を一括して製造する場合に比して上昇し、材料やエネルギーの損失を削減することができる。
【0069】
また、主基板21のコア基材211の剛性が、フレックスリジッドプリント配線板の絶縁層の剛性よりも高いため、フレックスリジッドプリント配線板31にかかる応力を抑制することができる。
【0070】
フレックスリジッドプリント配線板31の配線密度が、主基板の配線密度よりも高いため、フレックスリジッドプリント配線板31を部分的にファインピッチ化することができる。
【0071】
さらに、主基板21には、不要な導体接続部分がないため、耐落下衝撃性が向上する。
【0072】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0073】
例えば、上記実施の形態では、主基板21とフレックスリジッドプリント配線板31とを並べて配置したが、主基板21とフレックスリジッドプリント配線板31との配置は任意である。
【0074】
例えば、図7に示すように、主基板21の表面上に、フレックスリジッドプリント配線板31を配置してもよい。この場合、例えば、主基板21表面に配置された接続パッド502に、フレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11の表面(下面)に形成した接続パッド501を半田などにより固定するようにしてもよい。
【0075】
また、例えば、図8に示すように、主基板21にフレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11の一部を収容するための配置部(収容部)511を形成し、この収容部511にフレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11の一部を配置してもよい。この場合も、例えば、主基板21の収容部511に形成された接続パッド512に、フレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11に形成した接続パッド513を半田などにより固定するようにしてもよい。
【0076】
また、例えば、図9に示すように、主基板21内にフレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11を埋設(挿入・嵌入)するように配置してもよい。この場合は、例えば、主基板21のくぼみ部(収容部)521に形成した接続パッド522に、フレックスリジッドプリント配線板31のリジッド基板11に形成した接続パッド523を半田などにより固定するようにしてもよい。
【0077】
また、フレックスリジッドプリント配線板31を図10に示す構成とすることも有効である。
【0078】
図10においては、フレキシブル基板13は、基材131と、導体層132、133と、絶縁層134、135と、シールド層136、137と、カバーレイ138、139とが積層された構造を有する。
【0079】
基材131は、絶縁性フレキシブルシート、例えば、厚さ20〜50μm、望ましくは、30μm程度の厚さのポリイミドシートから構成される。
【0080】
導体層132、133は、基材131の表面と裏面にそれぞれ形成され、ストライプ状の導体パターンを構成する。
【0081】
絶縁層134、135は、厚さ5〜15μm程度のポリイミド膜などから構成され、導体層132、133を外部から絶縁する。
【0082】
シールド層136、137は、導電層、例えば、銀ペーストの硬化被膜から構成され、外部から導体層132、133への電磁ノイズ及び導体層132、133から外部への電磁ノイズをシールドする。
【0083】
カバーレイ138、139は、厚さ5〜15μm程度の、ポリイミド等の絶縁膜から形成され、フレキシブル基板13全体を外部から絶縁すると共に保護する。
【0084】
一方、リジッド基板11は、第1の絶縁層111と、非可撓性基材112と、第2の絶縁層113と、第1と第2の上層絶縁層114、115と、が積層されて構成されている。
【0085】
非可撓性基材112は、リジッド基板11に剛性を与えるものであり、ガラスエポキシ樹脂等の非可撓性絶縁材料から構成される。非可撓性基材112は、フレキシブル基板13と水平方向に離間して配置されている。非可撓性基材112は、フレキシブル基板13とほぼ同一の厚さ、例えば、50〜150μm、望ましくは、100μm程度に構成される。
【0086】
第1と第2の絶縁層111、113は、プリプレグを硬化して構成されている。第1と第2の絶縁層111、113は、それぞれ、50〜100μm、望ましくは、50μm程度の厚さを有する。
【0087】
第1と第2の絶縁層111、113は、非可撓性基材112とフレキシブル基板13とを表裏面両側から被覆し、フレキシブル基板13の一部を露出する。また、第1と第2の絶縁層111、113は、フレキシブル基板13の表面のカバーレイ138、139と重合している。
【0088】
非可撓性基材112と第1と第2の絶縁層111、113とは、リジッド基板11のコアを構成し、リジッド基板11を支持すると共にフレキシブル基板13の一端を挟み込んで支持及び固定する。
【0089】
非可撓性基材112と、フレキシブル基板13と、第1と第2の絶縁層111、113とで構成される空隙には、樹脂125が充填されている。樹脂125は、例えば、製造時に、第1と第2の絶縁層111、113を構成するローフロープリプレグからしみだしたものであり、第1と第2の絶縁層111、113と一体に硬化されている。
【0090】
さらに、第2の絶縁層113の、フレキシブル基板13の配線(導体層133)の接続パッド13bに対向する部分には、ビア(ビアホール、コンタクトホール)116が形成されている。
【0091】
フレキシブル基板13のうち、ビア116と対向する部分(接続パッド13bが形成されている部分)には、フレキシブル基板13のシールド層137とカバーレイ139とが除去されている。ビア116は、フレキシブル基板13の絶縁層135を貫通して、導体層133の接続パッド13bを露出している。
【0092】
ビア116の内面には、銅メッキ等で形成された導体パターン(導体層)117が形成されている。導体パターン117は、フレキシブル基板13の導体層133の接続パッド13bにメッキ接続している。また、ビア116には、樹脂が充填されている。
【0093】
第2の絶縁層113の上には、導体パターン117に接続された引き出しパターン118が形成されている。引き出しパターン118は、銅メッキ層などから構成されている。
【0094】
また、第2の絶縁層113の先端部、即ち、フレキシブル基材(フレキシブル基板13)と非可撓性基材112の境界を超えた位置には、他から絶縁された銅パターン124が配置されている。このため、リジッド基板11内で発生した熱を、効果的に放熱することができる。
【0095】
第1の上層絶縁層114は、第2の絶縁層113の上に積層して配置されている。第1の上層絶縁層114は、無機材料を含む材料、例えば樹脂をガラスクロス等に含浸したプリプレグ、を硬化して構成される。このような構成とすることにより、対落下衝撃性を向上させることができる。このリフレックスリジッドプリント配線板の製造段階で、このプリプレグからの樹脂でビア116が充填される。
【0096】
また、第1の上層絶縁層114上には、第2の上層絶縁層115が配置される。第2の上層絶縁層115も、樹脂をガラスクロス等に含浸したプリプレグを硬化して構成される。
【0097】
第2の絶縁層113上に配置された第1の上層絶縁層114には、引き出しパターン118に接続されたビア(第1の上層ビア)119が形成されている。ビア119は銅等の導体120により充填されている。また、第1の上層絶縁層114上に積層された第2の上層絶縁層115には、ビア119に接続されたビア(第2の上層ビア)121が形成されている。ビア121は、銅等の導体122により充填されている。即ち、ビア119と121によりフィルド・ビルドアップ・ビアが形成されている。
【0098】
第2の上層絶縁層115上には、導体パターン(回路パターン)123が適宜形成されている。ビア119も適宜これらの導体パターン123に接続されている。
【0099】
なお、接続部15とフレキシブル基板13との接続部分の構成を、図10の構成としてもよい。
【0100】
上記構成の多層配線板(フレックスリジッドプリント配線板)では、フレキシブル基板13の端部がリジッド基板11のコア部を構成する第1と第2の絶縁層111と113との間に挟み込まれ、重合している。
【0101】
さらに、第2の絶縁層113と絶縁層135に形成されたビア116内に形成された導体パターン(銅メッキ層)117を介してフレキシブル基板13の導体層133の接続パッド13bとリジッド基板11の導体パターン123とが接続される。
【0102】
このため、フレキシブル基板13が屈曲した時に、フレキシブル基板13にかかる応力が、リジッド基板11の接続部(ビア116、導体パターン117)に伝わらない。このため、リジッド基板11とフレキシブル基板13との接続部へのストレスが少なく、信頼性が高い。
【0103】
また、フレキシブル基板13の導体層133とリジッド基板11のビア116内の導体パターン117とがメッキによって接続される。このため、接続部分の信頼性が高い。
【0104】
さらに、ビア116内は、第1の上層絶縁層114の樹脂で充填されている。ビア116内の樹脂により、ビア116が固定及び支持されるため、ビア116と導体層133の接続信頼性が向上する。
【0105】
また、絶縁層113、111のフレキシブル基板に臨む端面が、第1の上層絶縁層114のフレキシブル基板に臨む端面より突出している。このため、フレキシブル基板13が屈曲した時に、フレキシブル基板13にかかる応力が、リジッド基板11の接続部(ビア116、導体パターン117)に伝わらない。このため、リジッド基板11とフレキシブル基板13との接続部へのストレスが少なく、信頼性が高い。
【0106】
上記実施例では、理解を容易にするため、リジッド基板11の上面にのみ導体パターンを形成した。この発明は、この例に限定されない。例えば、図11に示すように、リジッド基板11の下側に導体パターンを配置してもよい。
【0107】
図11の構成では、第1の絶縁層111とフレキシブル基板13の絶縁層134にビア141が形成されている。ビア141内には導体パターン142が形成され、第1の絶縁層111上に形成された引き出しパターン143に接続されている。導体パターン142と引き出しパターン143とは、銅メッキ層をパターニングして形成されている。
【0108】
第1の絶縁層111上には、第3と第4の上層絶縁層144と145とが積層して配置されている。第3と第4の上層絶縁層144と145には、それぞれ、ビア146、147が形成されている。ビア146、147は導体148、149で充填されている。第4の上層絶縁層145上に導体パターン150が形成されている。
【0109】
図1に示す構成では、フレックスリジッドプリント配線板31における導体パターンが形成された配線層数が、主基板21のフレックスリジッド基板の厚さと同領域における配線層数よりも多く形成されている例として、主基板が2層、フレックスリジッドプリント配線板31が6層の例を示した。この発明は、この例に限定されない。フレックスリジッドプリント配線板31と主基板21の配線層の数自体は任意である。例えば、図12A、12Bに例示するように、フレックスリジッドプリント配線板31の配線層の数を6、主基板21の配線層の数を4としてもよい。
【0110】
また、上述の構成では、フレックスリジッドプリント配線板31における導体パターンが形成された配線層数が、主基板21のフレックスリジッドプリント配線板31の厚さと同一の厚さの領域における配線層の数よりも多く形成されている例と、フレックスリジッドプリント配線板31における導体パターンの絶縁層上の存在密度が、主基板21の絶縁層上の導体パターンの存在密度よりも高い例を示した。この発明はこれに限定されず、図12A、12Bに例示するように、フレックスリジッドプリント配線板31に形成された絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値が、主基板21の絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値よりも多いように構成してもよい。
【0111】
上記実施形態では、製造段階で、図3Bに示すように、主基板21の一部に食い込むように開口2111を形成し、図3Dに示すように、主基板21と構造体371の一部とを組み合わせた。しかしこれに限定されず、例えば図13A、13Bに示すように、構造体371の接続部が主基板21に食い込まないように、主基板21、構造体371を配置してもよい。なお、このように配置した後の製造工程は、基本的には、上述の実施形態と同一である。
【0112】
上記実施形態では、製造段階で、基板を有効に利用するため、図3A、3B、3D、13A、13Bに示すように、隣接する主基板21を反対の向きに配列し、開口2111を互い違いに配置し、主基板21と構造体371とを高密度に組み合わせた。この発明は、これに限定されない。例えば、図14A,14Bに示すように、複数の主基板21と複数の開口2111と複数の構造体371とを同一の向きに規則的に配列してもよい。
【0113】
また、主基板21とフレックスリジッドプリント配線板31とを接続する手法も任意である。例えば、図15に示すように、主基板21上に接続パッド541を配置し、図16に示すように、フレックスリジッドプリント配線板31の接続部15を接続パッド541に重ね、図17に示すように、接続パッド541と接続部15上の接続パッド338とを接続する、等してもよい。
【0114】
また、多層配線板1を製造する工程も、上記実施形態に限定されず、変更可能である。例えば、フレックスリジッドプリント配線板31を完成してから主基板21と組み合わせる製造工程を採用することも可能である。
【0115】
この場合、例えば、図5Iに示す構造体371が完成した後、例えば、図18Aに示すように、レーザLを照射して、プリプレグ403、404、406、407の、不要部分を切断する。この際、フレックスリジッドプリント配線板31を周囲から分離し、続いて、プリプレグの不要部を除去し、図2Bに示すフレックスリジッドプリント配線板31を完成させてもよい。
【0116】
この場合には、続いて、図18Bに示すように、正常な主基板21に隣接する開口2111にフレックスリジッドプリント配線板31を配置する。続いて、図18Bに示すように、フレックスリジッドプリント配線板31のフレキシブル基板13の上下面にセパレータ409,410を配置することが望ましい。続いて、図18Bに示すように、複数の組の主基板21と構造体371の上下面にプリプレグ411,412を配置し、プレスし、さらに、樹脂を硬化する。
【0117】
続いて、レーザを照射する等して、図18Dに示すように、硬化したプリプレグ411,412に適宜ビア413を形成する。また、ドリルなどでスルーホール414を形成する。
【0118】
続いて、図18Eに示すように、硬化したプリプレグ411,412のセパレータ409,410のエッジに対応する部分にレーザLを照射し、図18Fに示すようにプリプレグ411,412,カットする。続いて、プリプレグ406,407の切断された部分及びセパレータ409,410を除去する。
【0119】
続いて、全体にメッキを施し、これをパターニングすることにより、図1に示す構成の多層配線板1が完成する。
【0120】
これらの変形例及び応用例によっても、全体を一括して製造する場合に比して製造歩留まりが上昇し、材料やエネルギーの損失を削減することができる。
【0121】
上記実施形態は、フレックスリジッドプリント配線板31に接続部15を配置したが、接続部15を配置せず、フレキシブル基板13上の導体(導体パターン321,322)を直接他の回路に接続してもよい。
【0122】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、「請求項」に記載されている発明や「発明の実施の形態」に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【0123】
本出願は、2008年5月19日に出願された米国特許仮出願第61/071789号に基づく。本明細書中に、米国特許仮出願第61/071789号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、電子デバイス等の配線板に適用可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 多層配線板
2、3 剛体部
4 フレキシブル部
11 リジッド基板
13 フレキシブル基板
13b、337、338、501、502、512、513、522、523、541 接続パッド
15 接続部
21 主基板
31 フレックスリジッドプリント配線板
41、42、313〜316、331、332 絶縁層
43、44、47、48、123、142、150、321、322、324、326 導体パターン
45、46、116、119、121、141、146、147、413 ビア
49、325、414 スルーホール
111 第1の絶縁層
112 非可撓性基材
113 第2の絶縁層
114 第1の上層絶縁層
115 第2の上層絶縁層
117 導体パターン(配線層パターン)
118、143 引き出しパターン
120、122、148、149 導体
124 銅パターン
125 樹脂
131 基材
132、133 導体層
134、135 絶縁層
136、137 シールド層
138、139 カバーレイ
144 第3の上層絶縁層
145 第4の上層絶縁層
211 コア基材(絶縁層)
212、213 回路パターン(導体パターン)
221、222 銅箔
311 可撓性基材
312 硬質基材
327、328、335、336 フィルドビア
371 構造体
401、402、2111 開口
403、404、406、407、411、412 プリプレグ
405 ビアホール
409、410 セパレータ
511 配置部(収容部)
521 くぼみ部(収容部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に導体パターンを有し、開口が形成された硬質の主基板と、
少なくともリジッド部とフレキシブル部とが接続されて構成され、前記主基板と前記リジッド部とが隣り合うように前記開口内に配置され、前記リジッド部もしくは前記フレキシブル部の少なくともいずれか一方には導体パターンが形成されているフレックスリジッドプリント配線板と、
前記リジッド部上と前記主基板上とにわたって形成され、前記フレキシブル部上には形成されない絶縁層と、
から構成され、
前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとは電気的に接続されている、
ことを特徴とする配線板。
【請求項2】
前記フレックスリジッドプリント配線板の前記リジッド部及び前記フレキシブル部の各々に導体パターンが形成され、
前記フレックスリジッドプリント配線板の配線密度は、前記主基板の配線密度よりも高い、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線板。
【請求項3】
前記主基板は、第1面及びその反対側の第2面と、前記第1面上に形成された第1導体パターンと、を有し、
前記リジッド部は、前記第1面と同じ向きの第3面及びその反対側の第4面と、前記第3面上に形成された第2導体パターンと、を有し、
前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとは、前記絶縁層に形成され前記第1導体パターンに接続される第1ビアと、前記絶縁層上に形成される第3導体パターンと、前記絶縁層に形成され前記第2導体パターンに接続される第2ビアと、を介して、互いに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線板。
【請求項4】
前記主基板は、硬質のコア基材と、該コア基材の表裏に形成された2層の導体パターンと、から構成され、
前記開口は、前記主基板を貫通する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項5】
前記主基板の剛性は、前記リジッド部の剛性よりも高い、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項6】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、
導体パターンを備える可撓性基材と、
前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体パターンと、
を備え、
前記可撓性基材の導体パターンと前記絶縁層上の導体パターンとはメッキ接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項7】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、
導体パターンを備える可撓性基材と、
前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体パターンと、
を備え、
前記絶縁層にはビアが形成されており、
前記絶縁層上の導体パターンは、前記ビアを介して前記可撓性基材の導体パターンに接続されている、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項8】
前記フレックスリジッドプリント配線板は、
導体パターンと該導体パターンを覆う保護層を備える可撓性基材と、
前記可撓性基材の水平方向に配置された非可撓性基材と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体パターンと、
を備え、
前記絶縁層上の導体パターンは、前記絶縁層と前記保護層とに形成されたビアを介して前記可撓性基材の導体パターンに接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項9】
同一の厚さにおける導体パターンの層数は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が多い、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項10】
前記主基板は、複数の導体パターンが、該導体パターン同士を接続するためのビアが形成された絶縁層を介して、積層されて構成され、
前記フレックスリジッドプリント配線板は、複数の導体パターンが、該導体パターン同士を接続するためのビアが形成された絶縁層を介して、積層されて構成され、
導体パターンの存在密度は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が高く、
絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値は、前記主基板よりも前記フレックスリジッドプリント配線板の方が大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項11】
前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの絶縁層上の存在密度は、前記主基板の導体パターンの絶縁層上の存在密度よりも高い、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の配線板。
【請求項12】
少なくとも片面に導体パターンを有する硬質の主基板を形成する工程と、
前記主基板に開口を形成する工程と、
少なくともリジッド部とフレキシブル部とが接続されて構成され、前記リジッド部もしくは前記フレキシブル部の少なくともいずれか一方が導体パターンを有するフレックスリジッドプリント配線板を形成する工程と、
前記フレックスリジッドプリント配線板を、前記主基板と前記リジッド部とが隣り合うように前記開口内に配置する工程と、
前記リジッド部上と前記主基板上とにわたって配置され、前記フレキシブル部上には配置されない絶縁層を形成する工程と、
前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとを電気的に接続する工程と、
を備える、
ことを特徴とする配線板の製造方法。
【請求項13】
前記フレックスリジッドプリント配線板の前記リジッド部及び前記フレキシブル部の各々に導体パターンが形成され、前記フレックスリジッドプリント配線板の配線密度が、前記主基板の配線密度よりも高くなるように、前記主基板及び前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の配線板の製造方法。
【請求項14】
前記形成される主基板は、第1面及びその反対側の第2面と、前記第1面上に形成された第1導体パターンと、を有し、
前記形成されるリジッド部は、前記第1面と同じ向きの第3面及びその反対側の第4面と、前記第3面上に形成された第2導体パターンと、を有し、
前記主基板の導体パターンと前記フレックスリジッドプリント配線板の導体パターンとを電気的に接続する前記工程では、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとが、前記第1導体パターンに接続される第1ビアと前記第2導体パターンに接続される第2ビアと前記第1ビア及び前記第2ビアの両方に接続される第3導体パターンとを介して、互いに電気的に接続されるように、前記絶縁層に前記第1ビア及び前記第2ビアを形成し、前記絶縁層上に前記第3導体パターンを形成する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の配線板の製造方法。
【請求項15】
前記形成される主基板は、硬質のコア基材と、該コア基材の表裏に形成された2層の導体パターンと、から構成され、
前記形成される開口は、前記主基板を貫通する孔からなる、
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項16】
前記主基板の剛性が前記リジッド部の剛性よりも高くなるように、前記主基板及び前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項17】
前記フレックスリジッドプリント配線板を形成する工程は、
導体パターンを備える可撓性基材と非可撓性基材とを並べて配置する工程と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを絶縁層で被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出する被覆工程と、
前記絶縁層上に導体パターンを形成する工程と、
前記可撓性基材の導体パターンと、前記絶縁層上の導体パターンとをメッキ接続する工程と、
を備える、
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項18】
導体パターンを備える可撓性基材と、非可撓性基材とを水平方向に並べて配置する工程と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出するように絶縁層を配置する工程と、
前記絶縁層にビアを形成する工程と、
前記ビアを介して前記絶縁層上の導体パターンと前記可撓性基材の導体パターンとを接続する工程と、
を備える、
ことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項19】
導体パターンと該導体パターンを覆う保護層を備える可撓性基材と、非可撓性基材とを水平方向に並べて配置する工程と、
前記可撓性基材の少なくとも一部と前記非可撓性基材の少なくとも一部とを被覆し、前記可撓性基材の少なくとも一部を露出するように絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層と前記保護層とにビアを形成する工程と、
前記可撓性基材の導体パターンと絶縁層上の導体パターンとを、前記ビアを介して接続する工程と、
を備える、
ことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項20】
前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの層数は、前記フレックスリジッドプリント配線板と同一の厚さとサイズの領域における主基板の導体パターンの層数よりも多い、
ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項21】
前記主基板は、複数の導体パターンが絶縁層を介して積層され、前記絶縁層に、導体パターン同士を接続するためのビアが形成され、
前記フレックスリジッドプリント配線板は、複数の導体パターンが絶縁層を介して積層され、前記絶縁層に、導体パターン同士を接続するためのビアが形成され、該主基板よりも、導体パターンの存在密度が高く、
該フレックスリジッドプリント配線板に形成された前記絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値が、前記主基板の前記絶縁層1層数当たりのビアの個数の平均値よりも大きい、
ことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
【請求項22】
前記フレックスリジッドプリント配線板における導体パターンの絶縁層上の存在密度は、前記主基板の導体パターンの絶縁層上の存在密度よりも高い、
ことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【公開番号】特開2012−114482(P2012−114482A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−66428(P2012−66428)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2010−512907(P2010−512907)の分割
【原出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】