説明

配線板の製造方法

【課題】電解めっき工程の生産性を向上させた配線板の製造方法を提供する。また、金属薄膜と絶縁性基板との密着性が高い配線を有する配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基板上に金属薄膜を形成して配線基板102とし、該配線基板102の金属薄膜2上に電解めっき法によってめっき膜を形成する配線板の製造方法である。めっき膜を形成する工程は、めっき液9に浸漬させていない状態の配線基板102の金属薄膜2とめっき液9に浸漬した状態のダミーカソード6を電気的に並列接続し、金属薄膜2とダミーカソード6に電圧が印加された状態を準備する準備工程と、配線基板102をめっき液9に浸漬して、配線基板102の金属薄膜2に電解めっきを行う電解めっき工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミドおよびガラスエポキシなどの絶縁性基板上に、金属配線を形成する配線板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配線板の製造工程において絶縁性基板にめっき膜を形成するめっき方法としては、絶縁性基板に無電解めっき法や直接めっき法(特許文献1,2参照)の工程により金属薄膜を形成して配線基板にした後、電解めっき法により選択的に配線を形成して配線板にするセミアディティブ法がある。
【0003】
電解めっき法による銅配線の形成の際には、めっき液の管理が簡便であるなどの理由により、一般に硫酸銅めっき液が用いられる。
【0004】
この硫酸銅めっき液を用いた電解めっき法の場合は、めっき速度を高くするために硫酸銅めっき液の濃度を高くして電流密度を上げることにより、めっき膜の析出量を増加させて配線板の生産効率を上げることができる。
【0005】
ところが、均一電着性を上げるために電解めっき液の硫酸濃度を上げると、Cu、Cr、Niなどの金属からなる金属薄膜を溶解してしまうという問題がある。
【0006】
例えば、スパッタリング法により膜厚1000Åの金属薄膜を設けた配線基板に、例えば硫酸銅60〜100g/L、硫酸170〜220g/L、塩素40〜80mg/Lの組成を有するめっき液により電解めっきしていくと、めっき膜が電着される前に金属薄膜が溶解して給電不良となり、特に両面めっき製品の場合はバイポーラ現象が発生してめっき膜が成膜されないという致命的な欠点がある。
【0007】
このため、薄い金属薄膜に、硫酸銅めっき液を用いてめっき膜を形成する場合は、硫酸濃度を下げたり、電流密度を下げるなどしなければならないため、配線板の生産性を高めることができない。
【0008】
この問題に対処する方法としては、めっき液に浸漬させる前から金属薄膜に電圧をかけることで、金属薄膜をめっき液に浸漬した直後から電解めっきを開始するという方法が考えられる。ところが、この場合は、配線基板をめっき液に浸漬する過程では、金属薄膜をめっき液に浸漬した面積がアノードをめっき液に浸漬している面積よりもはるかに小さいため、金属薄膜の電流密度が高くなり、めっき膜質が悪くなる。
【0009】
このような問題を防止するために、配線基板をめっき液に浸漬させる過程で、金属薄膜のめっき液に浸漬している面積が増加すると共に、電流源の電流値を増やしていくことも方法として考えられる。しかし、この場合、めっき厚を面内で均一にするためには、短時間で配線基板をめっき液に浸漬させなければならないので、前述した方法の制御は非常に難しい。
【0010】
特許文献3には、光沢剤無添加の硫酸銅めっき液によるめっき工程と光沢剤添加の硫酸銅めっき液によるめっき工程を組み合わせたものが提案されているが、2つのめっき工程の切り換え、めっき液の温度や電流密度の変更等により、装置構成や制御が複雑である。
【0011】
特許文献4には、回路基板と並列に格子板(ダミーカソード)を接続してめっき液に浸漬する電気めっき方法が記載されているが、これは大小のパッドが混在する回路基板を電気めっきする場合に大パッドと小パッドの領域でめっき厚さが均一になるようにするもので、上記課題を解決するものではないし、回路基板や格子板の浸漬、電流の印加のタイミングについては考慮されていない。また、特許文献5には、被めっき物と並列にダミーカソードを接続してめっき液に浸漬するめっき装置が記載されているが、これは被めっき物をめっき液に投入したときにまだ電圧が印加されていないことにより被めっき物に金属元素が置換析出するのを防止するもので、上記課題を解決するものではない
【特許文献1】特開2001−73159号公報
【特許文献2】特開2004−6584号公報
【特許文献3】特開2005−256159号公報
【特許文献4】特開平5−263288号公報
【特許文献5】特開平5−263288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電解めっき工程の生産性を向上させた配線板の製造方法を提供することを課題とする。また、金属薄膜と絶縁性基板との密着性が高い配線を有する配線板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は、
絶縁性基板上に金属薄膜を形成して配線基板とし、該配線基板の金属薄膜上に電解めっき法によってめっき膜を形成する配線板の製造方法であって、
前記めっき膜を形成する工程は、
めっき液に浸漬させていない状態の前記配線基板の金属薄膜とめっき液に浸漬した状態のダミーカソードを電気的に並列接続し、前記金属薄膜と前記ダミーカソードに電圧が印加された状態を準備する準備工程と、
前記配線基板をめっき液に浸漬して、前記配線基板の金属薄膜に電解めっきを行う電解めっき工程とからなるものである。
【0014】
前記製造方法において、前記準備工程は、ダミーカソードのめっき液への浸漬と電圧の印加はいずれが先になってもよい。
すなわち、前記準備工程は、
前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードを電気的に並列接続し、前記ダミーカソードをめっき液に浸漬する工程と、
めっき液に浸漬させていない状態の前記配線基板の金属薄膜とめっき液に浸漬した状態のダミーカソードに電圧を印加する工程とからなるものでもよい。
また、前記準備工程は、
前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードを電気的に並列接続し、前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードをめっき液に浸漬させない状態で、前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードに電圧を印加する工程と、
前記ダミーカソードをめっき液に浸漬する工程とからなるものでもよい。
【0015】
また、本発明は、前記製造方法において、
前記絶縁性基板はポリイミドからなり、
金属薄膜を形成する工程は、
前記絶縁性基板をアルカリ溶液で処理し、前記絶縁性基板表面にポリイミド改質層を形成する改質工程と、
前記ポリイミド改質層を金属イオン含有溶液に浸漬し、該金属イオン含有溶液に含まれる金属イオンをポリイミド改質層に吸着させる金属イオン吸着工程と、
前記ポリイミド改質層に吸着された金属イオンを、還元剤溶液を用いて還元することによって、ポリイミド改質層の内部および表面上に金属薄膜を形成する金属イオン還元工程とからなるものである。
【0016】
さらに、本発明は、前記製造方法において、
前記めっき膜を形成後、前記ポリイミド改質層を加熱処理によりイミド環を有する構造に再改質する熱処理工程と、
前記めっき膜上にレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、
前記めっき膜上に第2のめっき膜を形成する第2のめっき工程と、
前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、
前記めっき膜および前記金属薄膜を選択的にエッチングするエッチング工程とをさらに含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、めっき液に浸漬させていない状態の金属薄膜とめっき液に浸漬した状態のダミーカソードを電気的に並列接続し、金属薄膜とダミーカソードに電圧が印加された状態を準備する準備工程を設けたので、配線基板をめっき液に浸漬した直後に電解めっきを開始でき、めっき液による金属薄膜の溶出を抑制できる。また、金属薄膜を溶かさずに電流密度を一定にしてめっき工程を実施することが可能であることから、電解めっき不良や、金属薄膜に発生するジュール熱による絶縁性基板へのダメージ抑制、絶縁性基板と配線の密着強度向上、配線板の機械強度の確保をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図12を参照して説明する。
【0019】
図1は、直接めっき法によるポリイミド配線基板の製造方法を示すフロー図の一例であり、図2は、図1のフロー図に引き続いて実施される配線板の製造方法を示すフロー図の一例である。図3〜図5は、直接めっき法によるポリイミド配線基板の製造工程を説明するためのポリイミド基板の概略断面図の一例である。図6〜図11は、本発明に係る配線板の製造工程を説明するための概略断面図の一例である。図12は、本発明で提案する電解めっき方法を説明するためのものである。
【0020】
本発明に係る配線板の製造方法は以下に示す工程を含むものである。
【0021】
1.改質工程
本工程では、ポリイミド基板をアルカリ溶液で処理し、イミド環が開環されたポリイミド改質層を形成する(図1の工程S1)。詳しくは、図3に示すようなポリイミド基板1をアルカリ溶液に浸漬し、その後水洗する。図4に示すように、両面に改質層11が形成されたポリイミド基板1を得る。この工程により、ポリイミド基板1表面におけるポリイミド分子のイミド環が、加水分解によって開環し、カルボキシル基が生成する。
このとき、アルカリ溶液中に、金属イオンが高濃度で含まれる場合は、カルボキシル基に、該金属イオンが配位する。
【0022】
例えば、化1で表されるポリイミド基板を、KOH水溶液で処理する場合、生成したカルボキシル基にカリウムイオンが配位し、化2で表される構造を有するようになる。
【0023】
【化1】

【0024】
【化2】

【0025】
アルカリ溶液はポリイミドのイミド環を開環できる限り、特に制限されるものではなく、例えば、K、Na等のアルカリ金属の水酸化物を含有する水溶液、アンモニアやアミノアルコール類などの水溶液も使用可能である。アルカリ溶液に含有され、金属イオンを以下、金属イオンAと呼ぶものとする。
【0026】
この時、改質処理条件は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液はpH12〜14、溶液温度は室温〜50℃、浸漬時間は1〜10分間が好適である。
【0027】
ポリイミド基板としては、特に制限されず、可撓性を有するフィルム状のものから剛性を有するボード状のものまで、いかなるポリイミドも使用可能であるが、フレキシブル配線板を製造する観点からは、厚み10〜200μmのものが好ましく使用される。
【0028】
ポリイミド基板は市販のものを使用することができ、例えば、アピカル(R)(カネカ製)、カプトン(R)(東レデュポン製)等として入手可能である。
【0029】
2.金属イオン吸着工程
本工程では、図4に示すような改質層11が形成されたポリイミド基板1を、特定の金属をイオン形態で含有する金属イオン含有溶液で処理して、当該金属イオンを前記改質層11に吸着させる(図1の工程S2)。詳しくは、改質層11を有するポリイミド基板1を、金属イオン含有溶液に浸漬して、改質層11中の金属イオンAを、当該金属イオン含有溶液中の金属イオンと置換させ、水洗する。
【0030】
金属イオン含有溶液中に含まれる金属イオンは、Cuイオン、Niイオン、Feイオン、Crイオン、Coイオンが挙げられる。
【0031】
本工程で使用される金属イオン含有溶液として、例えば、上記金属イオンの硫酸塩水溶液、塩化物水溶液、硝酸塩水溶液等が挙げられる。金属イオン含有溶液に含有され、本工程で金属イオンAと置換する金属イオンを以下、金属イオンBと呼ぶものとする。
【0032】
金属イオン吸着処理条件は特に制限されず、例えば、金属イオン含有溶液濃度は、0.05〜5M、溶液温度は10〜40℃、浸漬時間は1〜10分間が好適である。
【0033】
本工程の前に、ポリイミド基板1をイソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いて洗浄を行ってもよい。その場合には、ポリイミド基板1の表面に付着している難水溶性のアミン、ポリイミド原料、もしくは改質工程によりポリイミド分子から分離した低分子量不純物などが除去できるため、金属イオン含有溶液のpHを変化させないという利点がある。
【0034】
3.金属イオン還元工程
本工程では、改質層11中に含まれる金属イオンBを還元処理することにより、図5に示すように、改質層11上に金属薄膜2を析出・形成する(図1の工程S3)。
【0035】
還元処理は、金属イオン吸着工程で吸着された金属イオンBを還元して、表面に金属薄膜2を析出・形成できる限り特に制限されるものではない。例えば、金属イオン吸着工程で得られたポリイミド基板1を、(1)還元剤を含む水溶液に浸漬する方法、(2)還元性ガス雰囲気下で加熱処理する方法等が挙げられる。
【0036】
(1)の方法では、例えば、NaBH、ジメチルアミンボラン溶液、NaHPO、NHNHおよびHCHO等の還元剤の水溶液に、ポリイミド基板1を浸漬する。
(2)の方法では、例えば、水素ガス気流中にポリイミド基板を加熱しながら放置する。
【0037】
特に(1)の方法で還元処理を行う場合の処理条件は、金属薄膜2の形成を達成できる限り特に制限されず、例えば、還元剤水溶液にジメチルアミンボランを用いた場合、濃度は0.001〜0.5M、水溶液温度は20〜50℃、浸漬時間は1〜30分間が好適である。
【0038】
以上の金属イオン吸着工程〜金属イオン還元工程を1回ずつ行うと、通常は100〜500nmの厚みの金属薄膜2が形成可能である。金属イオン吸着工程〜金属イオン還元工程を2回以上繰り返して行うことによって、金属薄膜2をさらに厚くすることができる。
【0039】
金属薄膜2は直径数十nmの金属粒子の集合体である。金属薄膜2を形成させる方法としては、直接めっき法以外にもスパッタ法など、どのような方法を用いてもよい。
【0040】
4.電解めっき工程
本工程では、図6に示すように、前記金属薄膜2上にめっき膜3を、電解めっき法により析出させる(図2の工程S4)。ここでは、後に記述するレジスト形成工程などでのハンドリングに耐えるために、配線基板102を強固にする目的で実施する。
【0041】
また、金属配線2を直接めっき法で形成する場合は、活性な金属粒子を厚膜化することによって、後工程で、酸化膜除去処理を容易にする目的で、本工程を行う。
【0042】
電解めっきの実施の順序を図12(a)〜(c)に示す。図12(a)に示すように、配線基板102の金属薄膜2とダミーカソード6を電気的に並列接続し、ダミーカソード6のみめっき液9に浸漬しておく。
【0043】
ここで用いる電解めっき液9は、硫酸塩浴やスルファミン浴などが挙げられる。めっき液9として、硫酸濃度の高い硫酸銅めっき液を用いた場合、被めっき物である金属薄膜2の厚さが200nm程度の極薄膜であるため、溶けてしまい、電解めっきを実施できない可能性がある。
【0044】
ダミーカソード6には、めっき液9に溶出しても問題がない銅板、もしくはほとんど溶出する可能性のない白金などを用いることが望ましい。このダミーカソード6は、同じカソードである配線基板102と同じように、金属が電析するが、あくまで、配線基板102がめっきされるための補助としての役割を担うものである。アノード7は、めっき液9内でダミーカソード6と広い面が平行になるように設置する。
【0045】
この状態で電流源8から電流を流す。金属薄膜2上の電流密度が高すぎると金属薄膜2にダメージを与えたり、めっき膜3が不均一となるので、電流値は電流密度0.5A/dm〜2A/dmとする。この状態では、ダミーカソード6のみめっき液9に浸かっているので、電流はダミーカソード6を通して流れる。
【0046】
次に、図12(b)に示すように配線基板102の一部をめっき液9に浸漬させる。このとき、配線基板102を浸漬する位置は、ダミーカソード6とアノード7の間で、かつ、ダミーカソード6におけるめっき膜成長を妨げる位置に配置する。配線基板102をめっき液9に浸漬させる量は、めっき液9に浸漬した部分の金属薄膜2の面の法線方向からみた面積Sがダミーカソード6の面積SD(配線基板102と対向する面の面積)の20〜300%、好ましくは100%程度にする。
【0047】
また、ダミーカソード6と配線基板102の表面の形を同じにして、配線基板102をダミーカソード6がアノード7から見て重なるようにして浸漬させると、カソード6全体としては電流密度が一定になるので、なおよい。
【0048】
配線基板102を一部浸漬させると同時に、配線基板102とアノード7はめっき液9を介して閉回路になる。このとき、電流はダミーカソード6を通してだけでなく、金属薄膜2も通して流れるようになる。めっき液9に浸漬した部分の金属薄膜2の面積Sはダミーカソード6の面積SDよりも十分小さいため、電流の大部分はダミーカソード6を通して流れている。
【0049】
そして、ついに図12(c)のように配線基板102をめっき液9に完全に浸漬させる(図12(c))。このとき、配線基板102はアノード7からみてダミーカソード6と重なり、ダミーカソード6が配線基板102の後に隠れるので、電流の大部分は金属薄膜2を通して流れる。このとき、金属薄膜2はダミーカソード6とアノード7の中間に挿入していれば、ダミーカソード上6の電析を妨げるため、効率よく金属薄膜2を通して電流が流れる。
【0050】
図6に示すように、必要な厚さのめっき膜3を析出させた後は、配線基板102をめっき液9から取り出し、水洗を行う。金属薄膜2およびめっき膜3からなる金属膜23は、配線基板102全面に形成されているため、本工程で、電解めっきの給電用電極は基板上のどの位置に設定しても良い。めっき膜3は通常、500nm〜5μm程度の厚みで形成される。
【0051】
なお、以上説明した電解めっき行程は、配線基板102を次々と新しいものに交換して生産性を高めることを前提に、ダミーカソード6を常時浸漬しておき、配線基板102を浸漬する前に電流を印可するものである。すなわち、「ダミーカソード6の浸漬→電流の印可→配線基板102の浸漬」の手順で行っている。この場合、電流をオンオフするスイッチを設置する必要がある。このようにダミーカソード6を常時浸漬しておく代わりに、電流を常時印可しておき、ダミーカソード6を浸漬してから、配線基板102を浸漬する方法も考えられる。すなわち、「電流の印可→ダミーカソード6の浸漬→配線基板102の浸漬」の手順で行ってもよい。いずれの手順でも、配線基板102の金属薄膜2の溶解、大電流による金属薄膜2の損傷、めっき厚むらが少ないため、配線密着性が向上し、機械的強度が確保できるメリットがある。また、配線基板102の浸漬直後にダミーカソード6と重ね合わせることで、電流密度を一定にできるというメリットもある。
【0052】
5.熱処理工程
本工程では加熱によってポリイミド改質層11を閉環処理する(図2の工程S5)。詳しくは、前工程で得られたポリイミド基板1を加熱することで、ポリイミド改質層11は完全に再イミド化され、図7に示すような構造となる。ここで、図7と図6の違いは、改質層11が再イミド化され、基板1のポリイミドとの境界がなくなっていることである。結果として、脆弱な改質層11のない図7の構造が達成されることで、金属薄膜2とめっき膜3とからなる金属膜23とポリイミド基板1との密着強度は格段に向上する。
【0053】
6.レジスト形成工程
本工程では、図8に示すように、金属膜23の上にフォトリソグラフィ法などによってレジストパターン4を形成し、前記金属膜23を選択的に露出させる(図2の工程S6)。その結果として、図8に示すようなレジストパターン4が形成され、金属膜23の露出する部分が後の配線領域となる。
【0054】
フォトレジスト材料としては特に限定されることなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、ノボラック樹脂を主成分とし、感光剤、乳酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどの溶剤を含有する液状ポジレジストを使用することができる。そのような液状ポジレジストは例えば、市販のOFPR(東京応化製)として入手可能である。
【0055】
次に、露光を行った後、約3%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)に1分間浸漬して現像を行い水洗する。現像の際は、TMAH浸漬と水洗とを2〜3回繰返すことで、高精細パターンの形成を確実に行うことができる。その場合には、TMAHの浸漬時間の合計が1分程度になるように条件設定する。その後、ホットプレートで再度、加熱(ポストベーク工程)し、レジストパターン部の樹脂硬化を行う。この結果、1μm幅のレジストパターンを形成できるので、高精細の配線パターン107を形成できる。
【0056】
液状ポジレジストを用いる場合、まず、ポリイミド基板をスピンコータに載置し、液状ポジレジストを滴下または塗布して、回転させた後、ホットプレートで加熱(プリベーク工程)し、3〜4μm厚程度のレジスト膜を得る。次に、露光を行った後、約3%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)に1分間浸漬して現像を行い水洗する。現像の際は、TMAH浸漬と水洗とを2〜3回繰返すことで、高精細パターンの形成を確実に行うことができる。その場合には、TMAHの浸漬時間の合計が1分程度になるように条件設定する。その後、ホットプレートで再度、加熱(ポストベーク工程)し、レジストパターン部の樹脂硬化を行う。この結果、25μm幅のレジストパターンを形成できるので、高精細の配線パターンを形成できる。
【0057】
フォトレジスト材料としてフォトレジストフィルムを貼付してもよい。フォトレジスト材料としては特に限定することなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、旭化成製SUNFORT(R) ASG−253を用いる場合には、市販のフィルムラミネータを用いて、110℃で加熱しながら、0.4MPa程度の圧力でポリイミド基板上に貼り付けを行う。現像に際しては、炭酸ナトリウム水溶液を用いて、非露光部分の除去を行うことができる。
【0058】
レジスト形成工程は配線基板102片面の金属膜23に対して実施してもよいし、同時に、両面の金属膜に対して実施してもよい。
【0059】
7.第2の電解めっき工程
本工程では、図9に示すように、前記金属膜23の露出部に第2のめっき膜5を電解めっき法により析出させる(図2の工程S7)。ここでの工程の目的は、前記金属膜23を電解めっき法によって選択的に厚膜化し、配線としての役割を果たすことができるような導電性、強度の配線を有するポリイミド配線板を作製することである。
【0060】
前記金属膜23を給電膜として用いて電解めっきを行い、図9に示すように、前記金属膜23の露出部に第2のめっき膜5を析出させる。金属膜23上の非配線領域にはレジストパターン4が存在するため、配線領域としての露出部のみに第2のめっき膜5が選択的に析出する。
【0061】
電解めっきは、図12(a)〜(c)に従って説明した上記電解めっき工程と同じ方法で実施する。
【0062】
必要な厚さの第2のめっき膜5を析出させた後は、配線基板102をめっき液9から取り出し、水洗を行う。金属膜23は配線基板102全面に形成されているため、本工程で電解めっきの給電用電極は、基板上のどの位置に設定しても良い。第2のめっき膜5は通常、1〜30μm程度の厚みで形成される。
【0063】
8.レジスト除去工程
本工程では、図10に示すように配線基板102からレジストパターン4を除去する(図2の工程S8)。
【0064】
この方法としては、剥離液に浸漬し、フォトレジスト5を剥離または溶解すればよい。具体的には、例えば上記の旭化成製フィルムレジストを用いた場合には、2〜3%程度の水酸化ナトリウムか水酸化カリウムの水溶液、もしくは、有機アミン系の剥離液を用いてレジストの除去を行うことができる。また例えば、いわゆるノボラック系樹脂を主成分とする液状レジストの場合には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートやアルキルベンゼンスルホン酸などの有機溶剤を含む剥離液を用いることができる。
【0065】
剥離液への浸漬を行うことにより、レジスト除去工程はポリイミド基板1の両面のフォトレジストに対して同時に実施できる。
【0066】
9.エッチング工程
本工程では、第2のめっき膜5をマスクとして用い、図11に示すように、前記レジスト除去工程で露出した金属薄膜2およびめっき膜3をエッチング除去する(図2の工程S9)。詳しくは、図10に示すようなレジストを除去した配線基板102をエッチング液に浸し、第2のめっき膜5が形成されなかった領域の金属薄膜2およびめっき膜3を除去する。この結果、配線基板102の第2のめっき膜5を形成することができる。
【0067】
エッチング液は金属薄膜2、めっき膜3の金属および第2のめっき膜5の金属に依存して決定する。金属薄膜2およびめっき膜3は除去するが、第2のめっき膜5は除去しない選択性を有するエッチング液を用いることが好ましい。ただし、金属薄膜2およびめっき膜3の露出部さえエッチング除去できる液であれば、第2のめっき膜5との選択性がなくても構わない。金属膜23と第2のめっき膜5との間には1桁程度の厚さの差がある。よって、エッチング時間を調整することにより、第2のめっき膜5を残した状態で、金属膜23を完全除去することが可能である。
【0068】
例えば、金属膜23がNiからなり、第2のめっき膜5がCuからなる場合、エッチング液はFeCl水溶液、HNO、またはHNOを含む酸が使用できる。特にHNOの場合は、Niを溶解できるが、Cuを溶解しないため、特に望ましい。
【0069】
上記までの工程で、第2のめっき膜5および金属膜23が形成された配線板105が完成している場合は、他方の面に対してもレジスト形成工程以降の工程を実施して、両面への配線形成を終えることができる。また、上記パターニング法によって配線パターン107を形成すると、サイドエッチングの問題がなく、微細化した配線パターン107を形成できる。
【0070】
10.カバーレイ工程その他
配線パターン107を形成した後は、通常、配線パターン107が形成された配線板105に対して、カバーレイを形成するカバーレイ形成工程(図2の工程S10)、配線パターン107の端子部分にAuめっきなどの表面処理を行う端子部表面処理工程、および得られた大面積のシート状基板を所定寸法に分割する基板分割工程などを実施して、配線板を完成させる。
【実施例】
【0071】
本発明に係る方法によりポリイミド基板1上に金属薄膜2の形成を行った。被めっき物であるポリイミドとしては、100μm厚、50cm×50cmの面積のカネカ製のアピカルNPSを使用した。
【0072】
(改質工程)
まず、ポリイミド基板1を50℃のKOH水溶液に5分間浸漬し、10分間の水洗を行うという改質工程を実施した。この際、KOH水溶液は、5M(5mol/l)の濃度に設定した。この工程により、ポリイミド基板1の両面についてのイミド環の加水分解が行われ、ポリイミド基板1表面には、カルボキシル基にカリウムイオンが配位したカルボン酸カリウム塩からなる改質層11が形成された(図4)。ポリイミド基板1は表面の湿潤を保った状態で次工程に送った。
【0073】
(金属イオン吸着工程)
次に30℃のCuSO水溶液にポリイミド基板1を12分間浸漬し、10分間の水洗を行うという金属イオン吸着工程を実施した。この際、CuSO水溶液は0.05Mの濃度に設定した。この工程により、改質層11のカルボン酸カリウム塩のカリウムイオンを銅イオンに置換する反応が進行し、カルボン酸銅塩が形成された。
【0074】
以上の工程により、ポリイミド基板1の両面に表面から5μm程度の深さまで、ポリイミド基板1の分子にカルボン酸銅塩を導入した構造が実現した。
【0075】
(金属イオン還元工程)
次に、50℃のジメチルアミンボラン水溶液(濃度;0.5M)にポリイミド基板1を10分間浸漬し、10分間の水洗を行うという金属イオン還元工程を実施した。この工程により、銅イオンが還元されることでCu薄膜12(図5の2)が形成される。この工程を終えた後、配線基板102断面をSEM観察したところ、Cu薄膜12は膜厚に50nm〜200nmのばらつきはあるが、平均膜厚が150nm程度であり、給電層としては十分な膜厚が得られていた。
【0076】
ここで、便宜上、Cu薄膜12を金属薄膜2として説明する。
【0077】
(電解めっき工程)
次に銅の電解めっきを実施した。図12(a)に示す、アノード側には50cm×50cmの銅製のアノード7に接続し、また、カソード側には、50cm×50cmの銅製のダミーカソード6と絶縁基板1上に析出させた金属薄膜2に接続しておく。電源には電流源8を用いる。
【0078】
そして、金属薄膜2はめっき液9に浸漬させず、アノード7およびダミーカソード6は20cmの間隔でお互い対向させてめっき液9(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社製)に浸漬させる。ここで、めっき液9の温度は28℃に調節しておく。
【0079】
この状態で、最終的に金属第2のめっき膜23に電流密度1(A/dm)流すために、金属薄膜2をめっき液9に浸漬させる面積2500(cm)に電流密度1A/dmを乗じた電流25(A)を電流源8から流した。
【0080】
次に、配線基板102をダミーカソード6に沿わせた状態でアノード7に対向させ、めっき液9に浸漬させた。図12(b)のように配線基板102を一部浸漬させると同時に、金属薄膜2とアノード7はめっき液9を介して閉回路になる。電流はダミーカソード6を通してだけでなく、金属薄膜2も通して流れるようになる。配線基板102をめっき液9に浸漬させる速度は50cm/secとした。
【0081】
この時、配線基板102はアノード7から見て、ダミーカソード6と重なっており、めっき液9に配線基板102を浸漬させていっても、カソード全体の電流密度は一定であった。
【0082】
そして、ついに図12(c)のように配線基板102をめっき液9に完全に浸漬した(図12(c))。このとき、配線基板102はアノード7からみてダミーカソード6と重なり、ダミーカソード6が配線基板102の後に隠れるので、電流の大部分は金属薄膜2を通して流れる。
【0083】
この状態で、5分間放置し、めっき膜3の形成を行った(図6)。必要な厚さのめっき膜3を析出させた後は、配線基板102をめっき液9から取り出し、水洗を行った。配線基板102の断面をSEM観察したところ、めっき膜の厚さは2μmであることがわかった。
【0084】
ここで、金属薄膜2およびめっき膜3をあわせて、第2のめっき膜23と呼ぶことにする。
【0085】
(熱処理工程)
その後、配線基板102を窒素雰囲気中で120℃、1時間の条件で乾燥させた後、350℃の窒素雰囲気中で1時間熱処理を施し、改質層11を再イミド化させた(図7)。それを確認するため、加熱が終了した後のポリイミド基板1における深さが2〜4μmの部位を基板をFT−IRで分析したところ、1647cm−1付近に表れる開環アミド(C=O)吸収スペクトル、1538cm−1付近に表れる開環アミド(N−H)吸収スペクトルが消失していた。よって、熱処理により完全にイミド環を完全に閉環出来ていることがわかった。
【0086】
この後、配線パターン107の形成を行った。詳しくは、以下のレジスト形成工程、第2の電解めっき工程、レジスト除去工程、エッチング工程、カバーレイ形成工程、端子部表面処理工程、および基板分割工程を行った。
【0087】
(レジスト形成工程)
表面にめっき膜3を有する絶縁性基板1の両面に、厚さ25μmのドライフィルムレジストをホットロール式ラミネータAL−70(旭化成製)により貼り付け、露光、現像を行って、レジストパターン4を形成した。
【0088】
貼り付け工程においては、上記のラミネータを用い、115℃に加熱した上で、0.4MPaの圧力を印加し、2m/分の速度でドライフィルムレジスト(フォテックRY−3310;日立化成社製)の貼付を行った。
【0089】
露光工程においては、4.5kW水銀ショートアークランプHMW−801(オーク製作所製)を用いて、80mJ/cmの露光を実施した。
【0090】
現像工程においては、1%のNaCO水溶液を用い、28℃にて30秒程度のスプレー照射を実施した後、水洗を行った。
【0091】
以上の工程により、レジストパターン4を形成した(図8)。
【0092】
以上の工程で、片面のレジスト形成工程が終わるため、その後他面に対しても同様の工程を実施して、両面にレジストパターン4形成を終えた。
【0093】
(第2の電解めっき工程)
配線基板上の金属膜23を給電層として銅の電解めっきを再度、実施する。この場合、給電層は金属膜23であり、すでに十分に厚膜化されているので、ここで用いるめっき液9は均一電着性を上げるために、硫酸濃度が高いめっき液を用いた方がよい。
【0094】
手順は上記の通りで、電解めっきを45分間実施し、レジストパターン4に覆われていない部分に18μmの第2のめっき膜を形成させた(図9)。第2のめっき膜5を析出させた後は、配線基板102をめっき液9から取り出し、10分間、水洗を行う。
【0095】
(レジスト除去工程)
次に、配線基板102の表面に、NaOH水溶液(濃度1%、50℃)をスプレー塗布して、レジストパターン4を剥離し(図10)、その後で、5分間の水洗を行った。この工程は2回繰り返し、配線基板102の両面のレジストパターン4を剥離した。
【0096】
(エッチング工程)
次に、絶縁性基板1をCuのエッチング液(FeCl水溶液、濃度35g/L、60℃)に3分間浸漬し、第2のめっき膜5が形成されていない領域のめっき膜3および金属薄膜2を除去した(図11)。この後、10分間の水洗を行った。
【0097】
(カバーレイ形成工程および端子部表面処理工程)
この後、絶縁性基板1の第2のめっき膜5が形成された面にカバーレイを形成し、第2のめっき膜5のランド部にあたる部分にAuフラッシュめっきなどの表面処理を行った。
【0098】
(基板分割工程)
さらに、個々の配線板ごとの形状に打ち抜く工程を行って、配線板105を作製した。
【0099】
(評価)
以下の評価では、エッチング工程直後の配線板105を用いた。
【0100】
絶縁基板1について、JIS C 6471の方法に則り、金属膜の90°方向引き剥がし試験を実施した。25℃において1.1kN/m以上、240℃において0.8kN/m以上の数値を示し、良好な結果を得た。
【0101】
配線板105を電子顕微鏡により観察した。25μmピッチの微細配線パターン107が形成されていた。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は配線板の製造に利用可能であり、ガラスエポキシ基板などの硬質基板とも合わせて積層したリジッド−フレキシブル配線板の製造などにも広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】ポリイミド配線板の製造工程を示すフロー図である。
【図2】本発明による配線板の製造工程を示すフロー図の一例である。
【図3】直接めっき法による配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図4】直接めっき法による配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図5】直接めっき法による配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図6】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図7】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図8】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図9】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図10】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図11】配線板の製造工程を説明する概略断面図である。
【図12】本発明における電解めっき開始前から直後までのめっき槽の状態の説明図である。
【符号の説明】
【0104】
1:絶縁性基板
2:金属薄膜
3:めっき膜
4:レジストパターン
5:第2のめっき膜
6:ダミーカソード
7:アノード
8:電流源
9:めっき液
11:改質層
12:Cu薄膜
23:金属膜
102:配線基板
105:配線板
107:配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性基板上に金属薄膜を形成して配線基板とし、該配線基板の金属薄膜上に電解めっき法によってめっき膜を形成する配線板の製造方法であって、
前記めっき膜を形成する工程は、
めっき液に浸漬させていない状態の前記配線基板の金属薄膜とめっき液に浸漬した状態のダミーカソードを電気的に並列接続し、前記金属薄膜と前記ダミーカソードに電圧が印加された状態を準備する準備工程と、
前記配線基板をめっき液に浸漬して、前記配線基板の金属薄膜に電解めっきを行う電解めっき工程とからなることを特徴とする配線板の製造方法。
【請求項2】
前記準備工程は、
前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードを電気的に並列接続し、前記ダミーカソードをめっき液に浸漬する工程と、
めっき液に浸漬させていない状態の前記配線基板の金属薄膜とめっき液に浸漬した状態のダミーカソードに電圧を印加する工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の配線板の製造方法。
【請求項3】
前記準備工程は、
前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードを電気的に並列接続し、前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードをめっき液に浸漬させない状態で、前記配線基板の金属薄膜と前記ダミーカソードに電圧を印加する工程と、
前記ダミーカソードをめっき液に浸漬する工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の配線板の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁性基板はポリイミドからなり、
金属薄膜を形成する工程は、
前記絶縁性基板をアルカリ溶液で処理し、前記絶縁性基板表面にポリイミド改質層を形成する改質工程と、
前記ポリイミド改質層を金属イオン含有溶液に浸漬し、該金属イオン含有溶液に含まれる金属イオンをポリイミド改質層に吸着させる金属イオン吸着工程と、
前記ポリイミド改質層に吸着された金属イオンを、還元剤溶液を用いて還元することによって、ポリイミド改質層の内部および表面上に金属薄膜を形成する金属イオン還元工程とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配線板の製造方法。
【請求項5】
前記めっき膜を形成後、前記ポリイミド改質層を加熱処理によりイミド環を有する構造に再改質する熱処理工程と、
前記めっき膜上にレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、
前記めっき膜上に第2のめっき膜を形成する第2のめっき工程と、
前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、
前記めっき膜および前記金属薄膜を選択的にエッチングするエッチング工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−91490(P2008−91490A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268762(P2006−268762)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】