説明

配線板接合体およびその製造方法

【課題】電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】配線板接合体1は、基材11上に形成された電極14と、折り曲げ部15とを備えるフレキシブルプリント配線板10と、基材21上に形成された電極22を備えるリジッドプリント配線板20により構成される。配線板接合体1は、電極14が外側になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10が折り曲げられた状態で、電極14と電極22が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20が接合されたものである。そして、電極14と電極22が、導電性粒子を含有する導電性接着剤40を介して、電気的に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げて使用されるフレキシブルプリント配線板と配線板により構成される配線板接合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器分野においては、電子機器類の高密度化に伴い、例えば、折り畳み型電子機器の可動部における配線などの用途に、フレキシブルプリント配線板が広く用いられている。このようなフレキシブルプリント配線板は、電子機器類の筐体に収容されている配線板と接続されることにより、配線板接合体を形成している。
【0003】
ここで、上述の配線板接合体としては、例えば、第1の基材上に形成された第1の電極と第1のコネクタと折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極と第2のコネクタを備える配線板により構成される配線板接合体が知られている。このような配線板接合体は、第1の電極が外側になるように、折り曲げ部において、フレキシブルプリント配線板が折り曲げられた状態で、第1の電極に電気的に接続された第1のコネクタと、第2の電極に電気的に接続された第2のコネクタとが接続される。そして、第1,第2のコネクタが接続されることにより、フレキシブルプリント配線板と配線板が接合されている。また、一般に、フレキシブルプリント配線板の第1のコネクタが実装される箇所には、補強板が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した配線板接合体は以下のような手順で製造される。即ち、図7(a)に示すように、フレキシブルプリント配線板110の、第1のコネクタが実装される箇所の基材111(第1の基材)上に補強板160を設けて、さらに、基材111上に両面テープ等の接着部材130を設ける。次いで、図7(b)に示すように、基材111上に形成された導体配線層112を構成する電極114(第1の電極)に、半田によりコネクタ117を接続する。そして、図7(c)に示すように、コネクタ117(第1のコネクタ)をフレキシブルプリント配線板110上に実装した後に、折り曲げ部115においてフレキシブルプリント配線板110を折り曲げて、接着部材130によりフレキシブルプリント配線板110を接着する。このように折り曲げられた状態のフレキシブルプリント配線板110のコネクタ117を、図7(d)に示すように、配線板120の基材121(第2の基材)上に形成された電極122(第2の電極)に接続されるとともに、配線板120上に実装されているコネクタ123(第2のコネクタ)に差し込む。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板110と、配線板120により構成される配線板接合体は、フレキシブルプリント配線板110が折り曲げられた状態で、電極114と電極122が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板110と配線板120が接合されている。
【特許文献1】特開2004−135012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の配線板接合体においては、電極114と電極122を接続するためにコネクタ117及びコネクタ123が使用されているため、これらコネクタ117,123の厚みによるスペースが電子機器の筐体に必要となる。また、フレキシブルプリント配線板110のコネクタ117が実装される箇所には、補強板160が設けられているため、この補強板160によるスペースも電子機器の筐体に必要となる。その結果、配線板接合体の全体の厚みが厚くなり、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応できないという問題があった。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、第1の電極が外側になるように、折り曲げ部において、フレキシブルプリント配線板が折り曲げられた状態で、第1の電極と第2の電極が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板と配線板が接合された配線板接合体であって、第1の電極と第2の電極が、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して、電気的に接続されていることを特徴とする。
【0008】
同構成によれば、第1の電極と第2の電極が導電性接着剤を介して、電気的に接続されているため、第1,第2の電極間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。従って、第1,第2の電極間を接続する際に、コネクタ及び補強板が不要になるため、配線板接合体の全体の厚みを薄くすることができ、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線板接合体であって、フレキシブルプリント配線板と配線板の各々には、フレキシブルプリント配線板を折り曲げ部において折り曲げる際の位置決めと、第1の電極と第2の電極を接続する際の位置決めを行うためのマークが形成されていることを特徴とする。
【0010】
同構成によれば、フレキシブルプリント配線板を折り曲げ部において折り曲げるための位置合わせと、第1の電極と第2の電極を接続するための位置合わせとを、容易に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、第1の電極と第2の電極が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板と配線板が接合された配線板接合体の製造方法であって、第1の電極と第2の電極の間に、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介在させる工程と、第1の電極と第2の電極を、導電性接着剤を介して、電気的に接続する工程と、第1の電極が外側になるように、折り曲げ部において、フレキシブルプリント配線板を折り曲げる工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、第1の電極と第2の電極が導電性接着剤を介して、電気的に接続されるため、第1,第2の電極間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。従って、第1,第2の電極間を接続する際に、コネクタ及び補強板が不要になるため、配線板接合体の全体の厚みを薄くすることができ、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体を得ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、第1の電極と第2の電極が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板と配線板が接合された配線板接合体の製造方法であって、第1の基材上に、接着部材を設ける工程と、第1の電極と第2の電極の間に、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介在させる工程と、第1の電極が外側になるように、折り曲げ部において、フレキシブルプリント配線板を折り曲げることにより、接着部材を介して、フレキシブルプリント配線板を接着させると同時に、第1の電極と第2の電極を、導電性接着剤を介して、電気的に接続する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0014】
同構成によれば、第1の電極と第2の電極が導電性接着剤を介して、電気的に接続されるため、第1,第2の電極間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。従って、第1,第2の電極間を接続する際に、コネクタ及び補強板が不要になるため、配線板接合体の全体の厚みを薄くすることができ、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体を得ることができる。また、折り曲げられたフレキシブルプリント配線板と配線板が接合された配線板接合体を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明に係る配線板接合体を説明するための断面図であり、図2は配線板接合体の上面図である。また、図3は配線板接合体を構成するフレキシブルプリント配線板と配線板の上面図である。なお、本実施形態においては、フレキシブルプリント配線板10と、配線板としてのリジッドプリント配線板20により構成されている配線板接合体1を例に挙げて説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態における配線板接合体1は、フレキシブルプリント配線板10が折り曲げられた状態で、第1の電極としての電極14と、第2の電極としての電極22が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20が接合されている。
【0018】
フレキシブルプリント配線板10は、図1に示すように、柔軟な樹脂フィルムにて形成されたフレキシブルな第1の基材としての基材11の片面に、複数の配線パターンを形成する導体配線層12を設けた、いわゆる片面板である。そして、フレキシブルプリント配線板10の導体配線層12が設けられたその片面には、導体配線層12を覆うように、接着剤と樹脂フィルムにより構成された絶縁層13が設けられている。
【0019】
また、フレキシブルプリント配線板10は、図1及び図3に示すように、基材11上に形成された電極14と、折り曲げ部15とを備えている。電極14は、複数個設けられるとともに、それぞれ、複数の配線パターンを形成する導体配線層12を構成している。
【0020】
折り曲げ部15を備えているフレキシブルプリント配線板10は、図1に示すように、電極14が外側(図中の矢印Zの方向)になるように、折り曲げ部15において折り曲げられた状態となっている。そして、折り曲げられた状態を維持するために、両面テープや熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とした接着剤等の接着部材30により、フレキシブルプリント配線板は接着されている。
【0021】
リジッドプリント配線板20は、図1及び図3に示すように、ガラスエポキシ基材により形成されたリジッドな第2の基材としての基材21の片面に、電極22を備えている。電極22は、複数個設けられるとともに、それぞれ、複数の電極14と電気的に接続されている。
【0022】
ここで、本実施形態においては、電極14と電極22が、導電性粒子を含有する導電性接着剤40を介して、電気的に接続されている点に特徴がある。このような構成により、フレキシブルプリント配線板10及びリジッドプリント配線板20の電極14,22間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。
【0023】
また、本実施形態においては、図2及び図3に示すようにフレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20の各々には、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げ部15において折り曲げる際の位置決めと、電極14と電極22を接続する際の位置決めを行うためのマーク50が形成されている。
【0024】
基材11を構成する樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルムなどの、フレキシブルプリント配線板用として汎用性のある樹脂のフィルムがいずれも使用可能である。また、特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているのが好ましく、このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムやポリエチレンナフタレ−トが好適に使用される。
【0025】
また、導体配線層12を構成する電極14としては、例えば、基材11の表面に、銅箔等の金属箔を積層し、この金属箔を、常法により、露光、エッチング、メッキ処理することにより形成された金属製の金メッキが施された銅電極が使用される。また、電極22としては、例えば、上述の金属製の金メッキが施された銅電極や、基材21上に形成された金属製のITO電極が使用される。
【0026】
また、導電性粒子を含有する導電性接着剤40としては、例えば、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、ニッケル、銅、銀、金あるいは黒鉛等の導電性粒子の粉末が分散されたものを使用できる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、導電性接着剤40のフィルム形成性、耐熱性、および接着力を向上させることが可能になる。
【0027】
なお、使用するエポキシ樹脂は、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
【0028】
また、エポキシ樹脂の分子量は、導電性接着剤40に要求される性能を考慮して、適宜選択することができる。高分子量のエポキシ樹脂(即ち、上述のフェノキシ樹脂)を使用すると、フィルム形成性が高く、また、接続温度における樹脂の溶解粘度を高くでき、後述の導電性粒子の配向を乱すことなく接続できる効果がある。一方、低分子量のエポキシ樹脂を使用すると、架橋密度が高まって耐熱性が向上するという効果が得られる。また、加熱時に、上述の硬化剤と速やかに反応し、接着性能を高めるという効果が得られる。従って、分子量が15000以上の高分子量エポキシ樹脂と分子量が2000以下の低分子量エポキシ樹脂とを組み合わせて使用することにより、性能のバランスが取れるため、好ましい。なお、高分子量エポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂の配合量は、適宜、選択することができる。また、ここでいう「平均分子量」とは、THF展開のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)から求められたポリスチレン換算の重量平均分子量のことをいう。
【0029】
また、本発明に使用される導電性接着剤40として、潜在性硬化剤を含有する接着剤が使用できる。この潜在性硬化剤は、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応を起こさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤である。この潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、酸無水物系、フェノール系、および、これらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
【0030】
また、これらの潜在性硬化剤中でも、低温での貯蔵安定性、および速硬化性に優れているとの観点から、イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系潜在性硬化剤を使用することができる。より具体的には、イミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが例示される。
【0031】
また、特に、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜およびケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立を図ることができるため、好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が、特に好ましい。
【0032】
また、導電性接着剤40として、導電性粒子を含有する異方導電性接着剤も使用することができる。より具体的には、当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、図4に示す、微細な金属粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する金属粉末により形成された導電性粒子41が分散されたものを使用することができる。なお、ここで言うアスペクト比とは、図4に示す、導電性粒子41の短径(導電性粒子41の断面の長さ)Rと長径(導電性粒子41の長さ)Lの比のことを言う。
【0033】
このような導電性粒子41を使用することにより、異方導電性接着剤として、導電性接着剤40の面方向(厚み方向Xに直交する方向であって、図1の矢印Yの方向)においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、厚み方向Xにおいては、複数の電極14,22間を、一度にかつ各々を独立して接続し、低抵抗を得ることが可能になる。
【0034】
また、導電性粒子41のアスペクト比が5以上であることが好ましい。このような導電性粒子41を使用することにより、導電性接着剤40として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子41間の接触確率が高くなる。従って、導電性粒子41の配合量を増やすことなく、電極14,22を電気的に接続することが可能になる。
【0035】
また、この異方導電性接着剤において、導電性粒子41の長径Lの方向を、フィルム状の異方導電性接着剤を形成する時点で、異方導電性接着剤の厚み方向Xにかけた磁場の中を通過させることにより、当該厚み方向Xに配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、上述の、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、複数の電極14,22間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
【0036】
また、本発明に使用される金属粉末は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて導電性粒子41を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらを含む2種類以上の合金等を挙げることができる。
【0037】
なお、導電性粒子41のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性粒子41の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性粒子41は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性粒子41の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
【0038】
また、導電性接着剤40である異方導電性接着剤によって電極14と電極22が電気的に接続されている配線板接合体1の製造方法としては、異方導電性接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、異方導電性接着剤における熱硬化性樹脂を硬化させる方法が採用できる。
【0039】
より具体的には、図5(a)に示すように、上述の構成を有するフレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20を用意し、電極22の表面上に、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、上述の導電性粒子41を含有する導電性接着剤40である異方導電性接着剤を載置する。次いで、異方導電性接着剤を所定の温度に加熱した状態で、リジッドプリント配線板20の方向へ所定の圧力で加圧し、異方導電性接着剤をリジッドプリント配線板20上に仮接着する。なお、異方導電性接着剤は、ペースト状で使用することができるが、フィルム形状を有する異方導電性接着剤も好適に使用できる。
【0040】
次いで、図5(b)に示すように、フレキシブルプリント配線板10を下向きにして、電極14と電極22の間に、導電性粒子41を含有する異方導電性接着剤を導電性接着剤40である異方導電性接着剤を介在させる。次いで、所定の温度に加熱した状態で、フレキシブルプリント配線板10を介して、異方導電性接着剤をリジッドプリント配線板20の方向(即ち、図5(b)に示す、矢印Aの方向)へ所定の圧力で加圧することにより、異方導電性接着剤を加熱溶融させる。なお、上述のごとく、異方導電性接着剤は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分としているため、異方導電性接着剤は、上述の温度にて加熱をすると、一旦、軟化するが、加熱を継続することにより、硬化することになる。そして、予め設定した異方導電性接着剤の硬化時間が経過すると、異方導電性接着剤の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始することにより、電極14と電極22を、異方導電性接着剤を介して、電気的に接続する。
【0041】
次いで、図5(c)に示すように、フレキシブルプリント配線板10の表面上に両面テープや熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とした接着剤等の接着部材30を載置する。接着部材30が熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とした接着剤である場合は、当該接着剤を所定の温度に加熱した状態で、フレキシブルプリント配線板10の方向へ所定の圧力で加圧し、当該接着剤をフレキシブルプリント配線板10上に仮接着する。
【0042】
次いで、図5(d)に示すように、電極14が外側になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げて、接着部材30と接着させる。この際、接着部材30が熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とした接着剤である場合は、上述の異方導電性接着剤と同様に、当該接着剤を所定の温度に加熱した状態で、所定の圧力で加圧することにより、当該接着剤を加熱溶融させる。上述の温度にて加熱をすると、一旦、軟化するが、加熱を継続することにより、硬化することになる。そして、予め設定した接着剤の硬化時間が経過すると、接着剤の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始することにより、フレキシブルプリント配線板10が接着される。
【0043】
以上の製造方法により、電極14が外側になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10が折り曲げられた状態で、電極14と電極22が電気的に接続されることにより、フレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20が接合された配線板接合体1を得ることができる。
【0044】
上記実施形態の配線板接合体およびその製造方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の配線板接合体1においては、図1に示すように、電極14と電極22が、導電性粒子41を含有する導電性接着剤40を介して、電気的に接続されている。このため、電極14,22間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。従って、電極14,22間を接続する際に、コネクタ及び補強板が不要になるため、配線板接合体1の全体の厚みを薄くすることができ、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応することができる。
【0045】
(2)本実施形態の配線板接合体1においては、図2及び図3に示すように、フレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20の各々には、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げ部15において折り曲げる際の位置決めと、電極14と電極22を接続する際の位置決めを行うためのマーク50が形成されている。従って、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げ部15において折り曲げるための位置合わせ、電極14と電極22を接続するための位置合わせとを、容易に行うことができる。
【0046】
(3)本実施形態の配線板接合体1の製造方法においては、電極14と電極22の間に、導電性粒子41を含有する導電性接着剤40を介在させる工程と、電極14と電極22を、導電性接着剤40を介して、電気的に接続する工程と、電極14が外側になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げる工程とを含む。このため、電極14,22間を接続するためのコネクタが不要になるとともに、コネクタを使用する場合に必要な補強板を設ける必要もなくなる。従って、電極14,22間を接続する際に、コネクタ及び補強板が不要になるため、配線板接合体1の全体の厚みを薄くすることができ、携帯電話等の電子機器類の小型化に対応することができる配線板接合体1を得ることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0048】
・以下のような手順で配線板接合体1を製造してもよい。即ち、図6(a)に示すように、基材11上に、接着部材30を設け、次いで、図6(b)に示すように、電極14,22の間に導電性粒子41を含有する導電性接着剤40を介在させる。そして、図6(c)に示すように、電極14が外側になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10を折り曲げることにより、接着部材30を介してフレキシブルプリント配線板10を接着させると同時に、電極14と電極22を、導電性接着剤40を介して、電気的に接続する。このようにしてもすれば、上述の効果(2)の効果を得ることができる。さらに、折り曲げられたフレキシブルプリント配線板10とリジッドプリント配線板20が接合された配線板接合体1を容易に得ることができる。
【0049】
・上記実施形態においては、フレキシブルプリント配線板10は、いわゆる片面板(片面フレキシブルプリント配線板)であったが、両面板(両面フレキシブルプリント配線板)または多層板(多層フレキシブルプリント配線板)であってもよい。即ち、例えば、フレキシブルプリント配線板10として、いわゆる両面板を使用する場合は、基材11の一方の面に、導体配線層12が設けられ、基材11の他方の面に、他の導体配線層(不図示)が設けられる。そして、基材11の導体配線層12が設けられたその面には、絶縁層13が設けられるとともに、基材11の他の導体配線層が設けられたその面には、他の導体配線層を覆うように、接着剤と樹脂フィルムにより構成された他の絶縁層(不図示)が設けられる構成とすることができる。この場合、上述の製造方法において、接着部材30は、フレキシブルプリント配線板10の表面である他の絶縁層上に載置され、上述の製造方法と同様に、電極14が外側(即ち、他の導体配線層が内側)になるように、折り曲げ部15において、フレキシブルプリント配線板10が折り曲げられ、接着部材30と接着される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の活用例としては、電子機器類の部品として用いられる配線板接合体およびその製造方法が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態における配線板接合体を示す断面図。
【図2】本発明の実施形態における配線板接合体を示す上面図。
【図3】本発明の実施形態における配線板接合体を構成するフレキシブルプリント配線板と配線板を示す上面図。
【図4】本発明の実施形態に係る導電性接着剤に含有される導電性粒子を説明するための概略図。
【図5】(a)〜(d)本発明の実施形態に係る配線板接合体の製造方法を説明するための断面図。
【図6】(a)〜(c)本発明の別例に係る配線板接合体の製造方法を説明するための断面図。
【図7】(a)〜(d)従来の配線板接合体の製造方法を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0052】
1…配線板接合体、10…フレキシブルプリント配線板、11…基材(第1の基材)、14…電極(第1の電極)、15…折り曲げ部、20…リジッドプリント配線板(配線板)、21…基材(第2の基材)、22…電極(第2の電極)、30…接着部材、40…導電性接着剤、41…導電性粒子、50…マーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、前記第1の電極が外側になるように、前記折り曲げ部において、前記フレキシブルプリント配線板が折り曲げられた状態で、前記第1の電極と前記第2の電極が電気的に接続されることにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記配線板が接合された配線板接合体であって、
前記第1の電極と前記第2の電極が、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して、電気的に接続されていることを特徴とする配線板接合体。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント配線板と前記配線板の各々には、前記フレキシブルプリント配線板を前記折り曲げ部において折り曲げる際の位置決めと、前記第1の電極と前記第2の電極を接続する際の位置決めを行うためのマークが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線板接合体。
【請求項3】
第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、前記第1の電極と前記第2の電極が電気的に接続されることにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記配線板が接合された配線板接合体の製造方法であって、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介在させる工程と、
前記第1の電極と前記第2の電極を、前記導電性接着剤を介して、電気的に接続する工程と、
前記第1の電極が外側になるように、前記折り曲げ部において、前記フレキシブルプリント配線板を折り曲げる工程とを少なくとも含むことを特徴とする配線板接合体の製造方法。
【請求項4】
第1の基材上に形成された第1の電極と、折り曲げ部とを備えるフレキシブルプリント配線板と、第2の基材上に形成された第2の電極を備える配線板により構成され、前記第1の電極と前記第2の電極が電気的に接続されることにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記配線板が接合された配線板接合体の製造方法であって、
前記第1の基材上に、接着部材を設ける工程と、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に、導電性粒子を含有する導電性接着剤を介在させる工程と、
前記第1の電極が外側になるように、前記折り曲げ部において、前記フレキシブルプリント配線板を折り曲げることにより、前記接着部材を介して、前記フレキシブルプリント配線板を接着させると同時に、前記第1の電極と前記第2の電極を、前記導電性接着剤を介して、電気的に接続する工程とを少なくとも含むことを特徴とする配線板接合体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−235594(P2008−235594A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73351(P2007−73351)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】