配線板用の検査装置
【課題】検査作業の簡素化や迅速化を図ることができ、しかも、最終形態の電極パターン層の良否を検査できる配線板用の検査装置を提供する。
【解決手段】静電容量センサ1の基材層2に複数の電極5が形成されるとともに、各電極5から導電ライン6が伸長する電極パターン層4の良否を検査する配線板用の検査装置であり、最終形態の静電容量センサ1を支持してその電極パターン層4に導電部11を対向させる検査支持板10と、検査支持板10に電気的に接続される静電容量検出回路20とを備える。そして、静電容量センサ1の複数本の導電ライン6を静電容量検出回路20のグランドライン21に直接間接に接続し、検査支持板10に静電容量センサ1を支持させて検査支持板10の導電部11、基材層2、及び電極パターン層4の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層4の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出回路20で検査する。
【解決手段】静電容量センサ1の基材層2に複数の電極5が形成されるとともに、各電極5から導電ライン6が伸長する電極パターン層4の良否を検査する配線板用の検査装置であり、最終形態の静電容量センサ1を支持してその電極パターン層4に導電部11を対向させる検査支持板10と、検査支持板10に電気的に接続される静電容量検出回路20とを備える。そして、静電容量センサ1の複数本の導電ライン6を静電容量検出回路20のグランドライン21に直接間接に接続し、検査支持板10に静電容量センサ1を支持させて検査支持板10の導電部11、基材層2、及び電極パターン層4の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層4の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出回路20で検査する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量センサ等の検査に使用される配線板用の検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、指のタッチ操作で簡単に入力できる静電容量センサが注目され、開発されている。この種の静電容量センサは、図示しない絶縁性の基材層を備え、この基材層に電極パターン層が形成して積層されており、基材層の表面に、電極パターン層を被覆するカバー保護層が接着して積層されている(特許文献1、2、3、4、5参照)。
【0003】
このような静電容量センサは、基材層の表面に複数の電極が印刷されるとともに、各電極に細い導電ラインが印刷して接続されることにより電極パターン層が積層され、この電極パターン層の露出した全ての導電ラインの断線の有無がプローブ等で検査された後、基材層の表面にカバー保護層が積層されることにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010‐86385号公報
【特許文献2】特開2010‐49618号公報
【特許文献3】特開2010‐86026号公報
【特許文献4】特開2006‐275859号公報
【特許文献5】特開2003‐185695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来における静電容量センサは、以上のように構成され、複数本の細い導電ラインの断線の有無をプローブ等で順次検査しなければならないので、検査作業が実に煩雑で時間を要するという問題がある。また、カバー保護層の積層前に露出した導電ラインの断線の有無を検査することができるものの、カバー保護層の積層後、換言すれば、完成後の最終形態の導電ラインの断線を検査することができないので、製造作業に不都合を来たしたり、品質の向上を図ることができないおそれがある。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、検査作業の簡素化や迅速化を図ることができ、しかも、最終形態の電極パターン層の良否を検査することのできる配線板用の検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、配線板の基材層に複数の電極が形成されるとともに、各電極から導電ラインが伸びる電極パターン層の良否を検査するものであって、
配線板を支持してその電極パターン層に導電部を対向させる検査支持板と、この検査支持板に電気的に接続される静電容量検出手段とを含み、配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続し、検査支持板に配線板を支持させて検査支持板の導電部、基材層、及び電極パターン層の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出手段で検査するようにしたことを特徴としている。
【0008】
なお、検査支持板に配線板を押圧する誘電率の低い変形可能な押圧体を含むことができる。
また、配線板は、絶縁性の基材層と、この基材層に積層される電極パターン層と、これら基材層と電極パターン層のうち少なくとも電極パターン層を被覆するカバー保護層とを含み、基材層の周縁部にテール部を突出形成し、このテール部に電極パターン層の複数の導電ラインの端部を間隔をおいて配列することができる。
【0009】
また、配線板のテール部を支持し、複数の導電ラインの端部と静電容量検出手段のグランドとを電気的に接続する受け板を含むことができる。
また、検査支持板の導電部を、検査支持板に導電性を有する複数の検査ラインをXY方向に配列することにより略メッシュ構造に構成し、この複数の検査ラインを静電容量検出手段に電気的に接続することが可能である。
【0010】
さらに、検査支持板の導電部を、検査支持板に、配線板の複数の電極に対向する検査電極を形成するとともに、各検査電極に検査導電ラインを接続することにより構成し、この複数の検査導電ラインを静電容量検出手段に電気的に接続することが可能である。
【0011】
ここで、特許請求の範囲における配線板には、少なくとも完成前後の静電容量センサや各種のプリント配線板、配線された薄い電気コネクタ等が含まれる。電極パターン層は、基材層の表面、裏面、あるいは表裏面に形成することができる。この電極パターン層の良否は、電極の欠けや導電ラインの断線の有無により検査することができる。
【0012】
配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続する場合、直接的に接続しても良いし、間接的に接続しても良い。また、静電容量検出手段は、少なくとも検査支持板の導電部からの静電容量値を入力して読み取る機能と、静電容量値と基準値とを比較し、電極パターン層の良否を検出する機能とを有すると良い。押圧体は、配線板に接触するが、少なくとも配線板に接触する面が平坦であることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、配線板の電極パターン層の良否を検査する場合には、検査支持板に配線板を搭載してその姿勢を安定させれば良い。すると、検査支持板の導電部、配線板の基材層、及び電極パターン層の電極や導電ラインの間にキャパシタが形成され、電極や導電ラインの損傷の有無により静電容量が変化するので、この変化した静電容量値に基づき、静電容量検出手段が電極や導電ラインの損傷部等を検出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線板の検査作業の簡素化や迅速化を図ることができ、しかも、最終形態の電極パターン層の良否をも有効に検査することができるという効果がある。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、検査支持板に対する電極パターン層の距離や姿勢を簡単に安定させることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、配線板のカバー保護層に被覆された電極の損傷や導電ラインの断線を検査することができるので、配線板の品質向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明によれば、複数の検査ラインがメッシュ構造で汎用的に使用することができるので、導電ラインの断線の有無だけではなく、導電ラインのどの部分に断線が存在するのかを把握することが可能になる。また、特定の配線板の他、他種類の配線板をも検査することが可能になる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、検査支持板に配線板を支持させれば、配線板の電極と検査支持板の検査電極とが対向するので、配線板の電極に損傷がある場合には、静電容量の変化によりその電極の損傷を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態における製造後の最終形態の静電容量センサを模式的に示す平面説明図である。
【図3】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態における製造後の最終形態の静電容量センサを模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る配線板用の検査装置の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における配線板用の検査装置は、図1ないし図3に示すように、配線板である製造後の静電容量センサ1を支持してその電極パターン層4に導電部11を対向させる検査支持板10と、この検査支持板10に電気的に接続される静電容量検出回路20と、静電容量センサ1の電極パターン層4の導電ライン6と静電容量検出回路20のグランドライン21とを電気的に接続する受け板30とを備え、検査支持板10に静電容量センサ1を支持させて検査支持板10の導電部11、基材層2、及び電極パターン層4の間にキャパシタを形成することにより、電極5の損傷や導電ライン6の断線を静電容量検出回路20で検査するようにしている。
【0019】
静電容量センサ1は、図1ないし図3に示すように、例えば絶縁性を有する平面略長方形の基材層2を備え、この基材層2の表面に、電極パターン層4が印刷して積層されるとともに、この電極パターン層4を被覆するカバー保護層8が接着して積層され、このカバー保護層8が積層された最終形態で検査装置により検査される。
【0020】
静電容量センサ1の基材層2としては、特に限定されるものではないが、例えば寸法安定性、耐熱性、強度等に優れるポリエチレンテレフタレート製の薄いフィルム等があげられる。この基材層2の周縁部には、導電ライン6集約用のテール部3が平面矩形に突出形成される。また、電極パターン層4は、基材層2の表面に複数の電極5が所定の間隔で形成されるとともに、各電極5の周縁部に細長い線条の導電ライン6が接続形成される。
【0021】
電極パターン層4の材料としては、特に限定されるものでは無いが、例えばスクリーン印刷法に好適な銀粒子やカーボン、導電性ポリマー、金属箔等があげられる。複数本の導電ライン6は、基材層2のテール部3に直線的あるいは屈曲して伸長し、テール部3の表面に端部が間隔をおいて一列に配列されており、この複数の端部が静電容量検出手段である静電容量検出回路20のグランドライン21に受け板30を介し間接的に接続される。この複数本の導電ライン6は、断線しないよう細心の注意を払って形成されるが、何らかの理由で図1や図2に示す断線部7が部分的に生じることがある。
【0022】
カバー保護層8は、限定されるものではないが、例えばABS樹脂やポリエチレンテレフタレート製の透明のシートやフィルム等からなる。このカバー保護層8は、基材層2の表面に接着剤や接着層を介して接着される。
【0023】
検査支持板10は、図1に示すように、例えば相互に重なる上下一対の積層基板12を備え、一方の積層基板12の表面にX方向に指向する複数本の検査ライン13がY方向に間隔をおいて配列形成され、他方の積層基板12の表面にY方向に指向する複数本の検査ライン13がX方向に間隔をおいて配列形成されており、各積層基板12の複数本の検査ライン13が静電容量検出手段である静電容量検出回路20に電気的に接続される。
【0024】
積層基板12としては、例えば静電容量センサ1の大きさ以上の大きさを有するガラスエポキシ製の基板、汎用のプリント基板やフレキシブルプリント基板等が使用される。また、複数本の検査ライン13は、各種の印刷法や銅箔のエッチング法により配列形成されることにより、略メッシュ構造の導電部11として静電容量センサ1に対向し、各検査ライン13が低抵抗の細長い直線の線条に形成される。この複数本の検査ライン13の配列ピッチは、検査装置に求められる検査精度により適宜変更される。
【0025】
静電容量検出回路20は、例えば図示しないCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、コンピュータとして所定の機能を実現する。この所定の機能としては、検査支持板10の導電部11からの静電容量値を入力して読み取る機能と、この入力して読み取った静電容量値と基準の静電容量値とを比較して電極パターン層4の良否、すなわち導電ライン6の断線部7の有無を少なくとも検出する機能とがあげられる。
【0026】
静電容量検出回路20は、複数本の検査ライン13がXY方向に配列されたメッシュ構造の場合、実用性を重視する観点から相互容量方式であることが好ましい。これは、自己容量方式の場合には、検査対象の配線板である静電容量センサ1に複数の電極5が存在するときに、ゴーストの問題が生じるおそれがあるからである。これに対し、相互容量方式の場合には、例え複数の電極5が存在しても、各電極5を検出することが可能となる。
【0027】
受け板30は、図1に示すように、基材層2のテール部3を位置決めして支持可能な大きさを有する平面矩形の絶縁板を備え、この絶縁板の表面に、導電性を有する銅箔等のグランドパターン31が形成されており、このグランドパターン31が静電容量検出回路20のグランドライン21に電気的に接続される。グランドパターン31は、複数本の導電ライン6の端部に対向して電気的に接続、例えば静電接続したり、あるいは誘電接続する。
【0028】
ここでいう誘電接続とは、誘電体を挟んで二つの導電体が配置された構成の接続をいう。二つの導電体は、例えば一方が静電容量センサ1の導電ライン6であり、他方が静電容量検出回路20のグランドライン21である。
【0029】
上記構成において、最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7の有無を検査する場合には、通電した検査支持板10と受け板30の表面に静電容量センサ1を位置決め搭載して上方から所定の力で押圧し、検査支持板10の導電部11に対する電極パターン層4の距離や姿勢を安定させて検査すれば良い。この際、静電容量センサ1に誘電率の低い弾性変形可能な押圧体40、例えば、平面略板形の発泡スチロールやスポンジ、風船等を適宜押圧すれば、電極パターン層4の距離や姿勢をきわめて容易に安定させることができる。
【0030】
静電容量センサ1を位置決め搭載すると、検査支持板10の複数本の検査ライン13、基材層2、及び電極パターン層4の電極5の間にキャパシタが形成され、導電ライン6の断線部7の有無により静電容量が変化し、この変化した静電容量値を静電容量検出回路20が読み取る。静電容量値を静電容量検出回路20が読み取ると、静電容量検出回路20は、静電容量値と基準の静電容量値とを比較し、電極5の位置、電極5の損傷、導電ライン6の断線部7の有無を検出することとなる。
【0031】
こうして電極パターン層4の検査が終了し、全ての導電ライン6に断線部7がない場合には、最終形態の静電容量センサ1をそのまま出荷すれば良い。これに対し、導電ライン6に断線部7が有る場合には、静電容量センサ1を補修したり、廃棄すれば良い。
【0032】
上記構成によれば、全ての導電ライン6の断線の有無を静電容量の変化を用いて検査するので、細長い導電ライン6の断線の有無をプローブ等で順次検査する必要がなく、検査作業の著しい簡素化、迅速化、容易化を図ることができる。また、カバー保護層8に被覆された最終形態の導電ライン6の断線を検査することができるので、製造作業に不都合を来たすことがなく、品質の向上を図ることができる。
【0033】
また、複数本の検査ライン13がメッシュ構造で汎用的に使用可能なので、検査ライン13の配列ピッチを小さくすれば、導電ライン6の断線部7の有無だけではなく、導電ライン6のどの部分に断線部7が存在するのかを把握することが可能になる。加えて、大きさの異なる他種の静電容量センサ1や配線板をも容易に検査することが可能になる。また、検査支持板10と受け板30とを面一に揃え、これら検査支持板10と受け板30とに静電容量センサ1の全面を搭載すれば、検査時における静電容量センサ1の姿勢を安定させることが可能になる。
【0034】
また、相互容量方式の静電容量検出回路20の出力処理の設定を適宜変更すれば、特定の静電容量センサ1や配線板の他、多種多様の静電容量センサ1や配線板をも容易に検査することができる。また、ゴーストなしで静電容量センサ1の複数の電極5を一度に検出できるが、電極5を検出できる場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に、先端部が電極5に接続している導電ライン6が断線していないということを併せて同時に検査することができる。
【0035】
また、任意の電極5を検出できない場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に接続された導電ライン6がどこまで良好に接続しているかを併せて同時に検査することが可能となる。さらに、電極5の大きさも検出することができるので、電極5の損傷の容易な検査が大いに期待できる。
【0036】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、製造後の静電容量センサ1における複数本の導電ライン6を静電容量検出回路20のグランドライン21にプローブ等を介して電気的に接続し、検査支持板10の表面に導電性の検査パターン層14を形成して専用の導電部11とするようにしている。
【0037】
検査パターン層14は、静電容量センサ1の電極パターン層4に対応するよう、検査支持板10の表面に、静電容量センサ1の複数の電極5にそれぞれ対向する検査電極15が配列形成され、かつ各検査電極15の周縁部に線条の検査導電ライン16が接続されることで形成される。これら複数の検査電極15や検査導電ライン16は、例えば銀粒子、カーボン、導電性ポリマー、弾性の導電ゴム、銅箔、金属メッシュ等を用いて形成される。
【0038】
各検査電極15は、検査精度を向上させる観点から、静電容量センサ1の電極5の大きさ以上の大きさに形成される。また、複数本の検査導電ライン16は、静電容量センサ1の導電ライン6に選択的に対向し、静電容量検出回路20に電気的に接続される。
【0039】
上記構成において、最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7の有無を検査する場合には、通電した検査支持板10の表面に静電容量センサ1を位置決め搭載して上方から押圧体40等で均一に押圧し、検査パターン層14に対する電極パターン層4の距離や姿勢を安定させて検査すれば良い。
【0040】
すると、検査支持板10の検査パターン層14、基材層2、及び電極パターン層4の電極5の間にキャパシタが形成され、導電ライン6の断線部7の有無により静電容量が変化し、この変化した静電容量値を静電容量検出回路20が読み取り、導電ライン6の断線部7の有無を検出する。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0041】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、検査装置の構成の多様化を図ることができる他、静電容量センサ1の電極5に検査電極15が対向するので、電極5の欠け等の一部損傷をも静電容量の変化により容易に検出することができるのは明らかである。
【0042】
また、複数の電極5を一度に検出可能であるが、電極5を検出できる場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に、先端部が電極5に接続している導電ライン6が断線していないということを併せて検査することが可能になる。さらに、電極5の大きさも容易に検出することができるので、電極5の損傷をも容易に検査することが可能になる。
【0043】
なお、上記実施形態では最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7を検査したが、最終形態前の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7を検査しても良い。また、基材層2の表面XY方向に複数の電極5を配列形成しても良いし、各電極5を平面楕円形、矩形、多角形等に形成しても良い。さらに、電極パターン層4の良否を、電極5の欠けの有無により検査するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る配線板用の検査装置は、各種のセンサやプリント配線板等を用いる分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 静電容量センサ(配線板)
2 基材層
3 テール部
4 電極パターン層
5 電極
6 導電ライン
7 断線部
8 カバー保護層
10 検査支持板
11 導電部
12 積層基板
13 検査ライン
14 検査パターン層
15 検査電極
16 検査導電ライン
20 静電容量検出回路(静電容量検出手段)
21 グランドライン(グランド)
30 受け板
31 グランドパターン
40 押圧体
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量センサ等の検査に使用される配線板用の検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、指のタッチ操作で簡単に入力できる静電容量センサが注目され、開発されている。この種の静電容量センサは、図示しない絶縁性の基材層を備え、この基材層に電極パターン層が形成して積層されており、基材層の表面に、電極パターン層を被覆するカバー保護層が接着して積層されている(特許文献1、2、3、4、5参照)。
【0003】
このような静電容量センサは、基材層の表面に複数の電極が印刷されるとともに、各電極に細い導電ラインが印刷して接続されることにより電極パターン層が積層され、この電極パターン層の露出した全ての導電ラインの断線の有無がプローブ等で検査された後、基材層の表面にカバー保護層が積層されることにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010‐86385号公報
【特許文献2】特開2010‐49618号公報
【特許文献3】特開2010‐86026号公報
【特許文献4】特開2006‐275859号公報
【特許文献5】特開2003‐185695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来における静電容量センサは、以上のように構成され、複数本の細い導電ラインの断線の有無をプローブ等で順次検査しなければならないので、検査作業が実に煩雑で時間を要するという問題がある。また、カバー保護層の積層前に露出した導電ラインの断線の有無を検査することができるものの、カバー保護層の積層後、換言すれば、完成後の最終形態の導電ラインの断線を検査することができないので、製造作業に不都合を来たしたり、品質の向上を図ることができないおそれがある。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、検査作業の簡素化や迅速化を図ることができ、しかも、最終形態の電極パターン層の良否を検査することのできる配線板用の検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、配線板の基材層に複数の電極が形成されるとともに、各電極から導電ラインが伸びる電極パターン層の良否を検査するものであって、
配線板を支持してその電極パターン層に導電部を対向させる検査支持板と、この検査支持板に電気的に接続される静電容量検出手段とを含み、配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続し、検査支持板に配線板を支持させて検査支持板の導電部、基材層、及び電極パターン層の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出手段で検査するようにしたことを特徴としている。
【0008】
なお、検査支持板に配線板を押圧する誘電率の低い変形可能な押圧体を含むことができる。
また、配線板は、絶縁性の基材層と、この基材層に積層される電極パターン層と、これら基材層と電極パターン層のうち少なくとも電極パターン層を被覆するカバー保護層とを含み、基材層の周縁部にテール部を突出形成し、このテール部に電極パターン層の複数の導電ラインの端部を間隔をおいて配列することができる。
【0009】
また、配線板のテール部を支持し、複数の導電ラインの端部と静電容量検出手段のグランドとを電気的に接続する受け板を含むことができる。
また、検査支持板の導電部を、検査支持板に導電性を有する複数の検査ラインをXY方向に配列することにより略メッシュ構造に構成し、この複数の検査ラインを静電容量検出手段に電気的に接続することが可能である。
【0010】
さらに、検査支持板の導電部を、検査支持板に、配線板の複数の電極に対向する検査電極を形成するとともに、各検査電極に検査導電ラインを接続することにより構成し、この複数の検査導電ラインを静電容量検出手段に電気的に接続することが可能である。
【0011】
ここで、特許請求の範囲における配線板には、少なくとも完成前後の静電容量センサや各種のプリント配線板、配線された薄い電気コネクタ等が含まれる。電極パターン層は、基材層の表面、裏面、あるいは表裏面に形成することができる。この電極パターン層の良否は、電極の欠けや導電ラインの断線の有無により検査することができる。
【0012】
配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続する場合、直接的に接続しても良いし、間接的に接続しても良い。また、静電容量検出手段は、少なくとも検査支持板の導電部からの静電容量値を入力して読み取る機能と、静電容量値と基準値とを比較し、電極パターン層の良否を検出する機能とを有すると良い。押圧体は、配線板に接触するが、少なくとも配線板に接触する面が平坦であることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、配線板の電極パターン層の良否を検査する場合には、検査支持板に配線板を搭載してその姿勢を安定させれば良い。すると、検査支持板の導電部、配線板の基材層、及び電極パターン層の電極や導電ラインの間にキャパシタが形成され、電極や導電ラインの損傷の有無により静電容量が変化するので、この変化した静電容量値に基づき、静電容量検出手段が電極や導電ラインの損傷部等を検出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線板の検査作業の簡素化や迅速化を図ることができ、しかも、最終形態の電極パターン層の良否をも有効に検査することができるという効果がある。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、検査支持板に対する電極パターン層の距離や姿勢を簡単に安定させることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、配線板のカバー保護層に被覆された電極の損傷や導電ラインの断線を検査することができるので、配線板の品質向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明によれば、複数の検査ラインがメッシュ構造で汎用的に使用することができるので、導電ラインの断線の有無だけではなく、導電ラインのどの部分に断線が存在するのかを把握することが可能になる。また、特定の配線板の他、他種類の配線板をも検査することが可能になる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、検査支持板に配線板を支持させれば、配線板の電極と検査支持板の検査電極とが対向するので、配線板の電極に損傷がある場合には、静電容量の変化によりその電極の損傷を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態における製造後の最終形態の静電容量センサを模式的に示す平面説明図である。
【図3】本発明に係る配線板用の検査装置の実施形態における製造後の最終形態の静電容量センサを模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る配線板用の検査装置の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における配線板用の検査装置は、図1ないし図3に示すように、配線板である製造後の静電容量センサ1を支持してその電極パターン層4に導電部11を対向させる検査支持板10と、この検査支持板10に電気的に接続される静電容量検出回路20と、静電容量センサ1の電極パターン層4の導電ライン6と静電容量検出回路20のグランドライン21とを電気的に接続する受け板30とを備え、検査支持板10に静電容量センサ1を支持させて検査支持板10の導電部11、基材層2、及び電極パターン層4の間にキャパシタを形成することにより、電極5の損傷や導電ライン6の断線を静電容量検出回路20で検査するようにしている。
【0019】
静電容量センサ1は、図1ないし図3に示すように、例えば絶縁性を有する平面略長方形の基材層2を備え、この基材層2の表面に、電極パターン層4が印刷して積層されるとともに、この電極パターン層4を被覆するカバー保護層8が接着して積層され、このカバー保護層8が積層された最終形態で検査装置により検査される。
【0020】
静電容量センサ1の基材層2としては、特に限定されるものではないが、例えば寸法安定性、耐熱性、強度等に優れるポリエチレンテレフタレート製の薄いフィルム等があげられる。この基材層2の周縁部には、導電ライン6集約用のテール部3が平面矩形に突出形成される。また、電極パターン層4は、基材層2の表面に複数の電極5が所定の間隔で形成されるとともに、各電極5の周縁部に細長い線条の導電ライン6が接続形成される。
【0021】
電極パターン層4の材料としては、特に限定されるものでは無いが、例えばスクリーン印刷法に好適な銀粒子やカーボン、導電性ポリマー、金属箔等があげられる。複数本の導電ライン6は、基材層2のテール部3に直線的あるいは屈曲して伸長し、テール部3の表面に端部が間隔をおいて一列に配列されており、この複数の端部が静電容量検出手段である静電容量検出回路20のグランドライン21に受け板30を介し間接的に接続される。この複数本の導電ライン6は、断線しないよう細心の注意を払って形成されるが、何らかの理由で図1や図2に示す断線部7が部分的に生じることがある。
【0022】
カバー保護層8は、限定されるものではないが、例えばABS樹脂やポリエチレンテレフタレート製の透明のシートやフィルム等からなる。このカバー保護層8は、基材層2の表面に接着剤や接着層を介して接着される。
【0023】
検査支持板10は、図1に示すように、例えば相互に重なる上下一対の積層基板12を備え、一方の積層基板12の表面にX方向に指向する複数本の検査ライン13がY方向に間隔をおいて配列形成され、他方の積層基板12の表面にY方向に指向する複数本の検査ライン13がX方向に間隔をおいて配列形成されており、各積層基板12の複数本の検査ライン13が静電容量検出手段である静電容量検出回路20に電気的に接続される。
【0024】
積層基板12としては、例えば静電容量センサ1の大きさ以上の大きさを有するガラスエポキシ製の基板、汎用のプリント基板やフレキシブルプリント基板等が使用される。また、複数本の検査ライン13は、各種の印刷法や銅箔のエッチング法により配列形成されることにより、略メッシュ構造の導電部11として静電容量センサ1に対向し、各検査ライン13が低抵抗の細長い直線の線条に形成される。この複数本の検査ライン13の配列ピッチは、検査装置に求められる検査精度により適宜変更される。
【0025】
静電容量検出回路20は、例えば図示しないCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、コンピュータとして所定の機能を実現する。この所定の機能としては、検査支持板10の導電部11からの静電容量値を入力して読み取る機能と、この入力して読み取った静電容量値と基準の静電容量値とを比較して電極パターン層4の良否、すなわち導電ライン6の断線部7の有無を少なくとも検出する機能とがあげられる。
【0026】
静電容量検出回路20は、複数本の検査ライン13がXY方向に配列されたメッシュ構造の場合、実用性を重視する観点から相互容量方式であることが好ましい。これは、自己容量方式の場合には、検査対象の配線板である静電容量センサ1に複数の電極5が存在するときに、ゴーストの問題が生じるおそれがあるからである。これに対し、相互容量方式の場合には、例え複数の電極5が存在しても、各電極5を検出することが可能となる。
【0027】
受け板30は、図1に示すように、基材層2のテール部3を位置決めして支持可能な大きさを有する平面矩形の絶縁板を備え、この絶縁板の表面に、導電性を有する銅箔等のグランドパターン31が形成されており、このグランドパターン31が静電容量検出回路20のグランドライン21に電気的に接続される。グランドパターン31は、複数本の導電ライン6の端部に対向して電気的に接続、例えば静電接続したり、あるいは誘電接続する。
【0028】
ここでいう誘電接続とは、誘電体を挟んで二つの導電体が配置された構成の接続をいう。二つの導電体は、例えば一方が静電容量センサ1の導電ライン6であり、他方が静電容量検出回路20のグランドライン21である。
【0029】
上記構成において、最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7の有無を検査する場合には、通電した検査支持板10と受け板30の表面に静電容量センサ1を位置決め搭載して上方から所定の力で押圧し、検査支持板10の導電部11に対する電極パターン層4の距離や姿勢を安定させて検査すれば良い。この際、静電容量センサ1に誘電率の低い弾性変形可能な押圧体40、例えば、平面略板形の発泡スチロールやスポンジ、風船等を適宜押圧すれば、電極パターン層4の距離や姿勢をきわめて容易に安定させることができる。
【0030】
静電容量センサ1を位置決め搭載すると、検査支持板10の複数本の検査ライン13、基材層2、及び電極パターン層4の電極5の間にキャパシタが形成され、導電ライン6の断線部7の有無により静電容量が変化し、この変化した静電容量値を静電容量検出回路20が読み取る。静電容量値を静電容量検出回路20が読み取ると、静電容量検出回路20は、静電容量値と基準の静電容量値とを比較し、電極5の位置、電極5の損傷、導電ライン6の断線部7の有無を検出することとなる。
【0031】
こうして電極パターン層4の検査が終了し、全ての導電ライン6に断線部7がない場合には、最終形態の静電容量センサ1をそのまま出荷すれば良い。これに対し、導電ライン6に断線部7が有る場合には、静電容量センサ1を補修したり、廃棄すれば良い。
【0032】
上記構成によれば、全ての導電ライン6の断線の有無を静電容量の変化を用いて検査するので、細長い導電ライン6の断線の有無をプローブ等で順次検査する必要がなく、検査作業の著しい簡素化、迅速化、容易化を図ることができる。また、カバー保護層8に被覆された最終形態の導電ライン6の断線を検査することができるので、製造作業に不都合を来たすことがなく、品質の向上を図ることができる。
【0033】
また、複数本の検査ライン13がメッシュ構造で汎用的に使用可能なので、検査ライン13の配列ピッチを小さくすれば、導電ライン6の断線部7の有無だけではなく、導電ライン6のどの部分に断線部7が存在するのかを把握することが可能になる。加えて、大きさの異なる他種の静電容量センサ1や配線板をも容易に検査することが可能になる。また、検査支持板10と受け板30とを面一に揃え、これら検査支持板10と受け板30とに静電容量センサ1の全面を搭載すれば、検査時における静電容量センサ1の姿勢を安定させることが可能になる。
【0034】
また、相互容量方式の静電容量検出回路20の出力処理の設定を適宜変更すれば、特定の静電容量センサ1や配線板の他、多種多様の静電容量センサ1や配線板をも容易に検査することができる。また、ゴーストなしで静電容量センサ1の複数の電極5を一度に検出できるが、電極5を検出できる場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に、先端部が電極5に接続している導電ライン6が断線していないということを併せて同時に検査することができる。
【0035】
また、任意の電極5を検出できない場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に接続された導電ライン6がどこまで良好に接続しているかを併せて同時に検査することが可能となる。さらに、電極5の大きさも検出することができるので、電極5の損傷の容易な検査が大いに期待できる。
【0036】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、製造後の静電容量センサ1における複数本の導電ライン6を静電容量検出回路20のグランドライン21にプローブ等を介して電気的に接続し、検査支持板10の表面に導電性の検査パターン層14を形成して専用の導電部11とするようにしている。
【0037】
検査パターン層14は、静電容量センサ1の電極パターン層4に対応するよう、検査支持板10の表面に、静電容量センサ1の複数の電極5にそれぞれ対向する検査電極15が配列形成され、かつ各検査電極15の周縁部に線条の検査導電ライン16が接続されることで形成される。これら複数の検査電極15や検査導電ライン16は、例えば銀粒子、カーボン、導電性ポリマー、弾性の導電ゴム、銅箔、金属メッシュ等を用いて形成される。
【0038】
各検査電極15は、検査精度を向上させる観点から、静電容量センサ1の電極5の大きさ以上の大きさに形成される。また、複数本の検査導電ライン16は、静電容量センサ1の導電ライン6に選択的に対向し、静電容量検出回路20に電気的に接続される。
【0039】
上記構成において、最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7の有無を検査する場合には、通電した検査支持板10の表面に静電容量センサ1を位置決め搭載して上方から押圧体40等で均一に押圧し、検査パターン層14に対する電極パターン層4の距離や姿勢を安定させて検査すれば良い。
【0040】
すると、検査支持板10の検査パターン層14、基材層2、及び電極パターン層4の電極5の間にキャパシタが形成され、導電ライン6の断線部7の有無により静電容量が変化し、この変化した静電容量値を静電容量検出回路20が読み取り、導電ライン6の断線部7の有無を検出する。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0041】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、検査装置の構成の多様化を図ることができる他、静電容量センサ1の電極5に検査電極15が対向するので、電極5の欠け等の一部損傷をも静電容量の変化により容易に検出することができるのは明らかである。
【0042】
また、複数の電極5を一度に検出可能であるが、電極5を検出できる場合には、末端部が静電容量検出回路20のグランドライン21に、先端部が電極5に接続している導電ライン6が断線していないということを併せて検査することが可能になる。さらに、電極5の大きさも容易に検出することができるので、電極5の損傷をも容易に検査することが可能になる。
【0043】
なお、上記実施形態では最終形態の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7を検査したが、最終形態前の静電容量センサ1における導電ライン6の断線部7を検査しても良い。また、基材層2の表面XY方向に複数の電極5を配列形成しても良いし、各電極5を平面楕円形、矩形、多角形等に形成しても良い。さらに、電極パターン層4の良否を、電極5の欠けの有無により検査するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る配線板用の検査装置は、各種のセンサやプリント配線板等を用いる分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 静電容量センサ(配線板)
2 基材層
3 テール部
4 電極パターン層
5 電極
6 導電ライン
7 断線部
8 カバー保護層
10 検査支持板
11 導電部
12 積層基板
13 検査ライン
14 検査パターン層
15 検査電極
16 検査導電ライン
20 静電容量検出回路(静電容量検出手段)
21 グランドライン(グランド)
30 受け板
31 グランドパターン
40 押圧体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線板の基材層に複数の電極が形成されるとともに、各電極から導電ラインが伸びる電極パターン層の良否を検査する配線板用の検査装置であって、
配線板を支持してその電極パターン層に導電部を対向させる検査支持板と、この検査支持板に電気的に接続される静電容量検出手段とを含み、配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続し、検査支持板に配線板を支持させて検査支持板の導電部、基材層、及び電極パターン層の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出手段で検査するようにしたことを特徴とする配線板用の検査装置。
【請求項2】
検査支持板に配線板を押圧する誘電率の低い変形可能な押圧体を含んでなる請求項1記載の配線板用の検査装置。
【請求項3】
配線板は、絶縁性の基材層と、この基材層に積層される電極パターン層と、これら基材層と電極パターン層のうち少なくとも電極パターン層を被覆するカバー保護層とを含み、基材層の周縁部にテール部を突出形成し、このテール部に電極パターン層の複数の導電ラインの端部を間隔をおいて配列した請求項1又は2記載の配線板用の検査装置。
【請求項4】
検査支持板の導電部を、検査支持板に導電性を有する複数の検査ラインをXY方向に配列することにより略メッシュ構造に構成し、この複数の検査ラインを静電容量検出手段に電気的に接続した請求項1、2、又は3記載の配線板用の検査装置。
【請求項5】
検査支持板の導電部を、検査支持板に、配線板の複数の電極に対向する検査電極を形成するとともに、各検査電極に検査導電ラインを接続することにより構成し、この複数の検査導電ラインを静電容量検出手段に電気的に接続した請求項1、2、又は3記載の配線板用の検査装置。
【請求項1】
配線板の基材層に複数の電極が形成されるとともに、各電極から導電ラインが伸びる電極パターン層の良否を検査する配線板用の検査装置であって、
配線板を支持してその電極パターン層に導電部を対向させる検査支持板と、この検査支持板に電気的に接続される静電容量検出手段とを含み、配線板の複数の導電ラインを静電容量検出手段のグランドに接続し、検査支持板に配線板を支持させて検査支持板の導電部、基材層、及び電極パターン層の間にキャパシタを形成することにより、電極パターン層の良否を静電容量の変化を用いて静電容量検出手段で検査するようにしたことを特徴とする配線板用の検査装置。
【請求項2】
検査支持板に配線板を押圧する誘電率の低い変形可能な押圧体を含んでなる請求項1記載の配線板用の検査装置。
【請求項3】
配線板は、絶縁性の基材層と、この基材層に積層される電極パターン層と、これら基材層と電極パターン層のうち少なくとも電極パターン層を被覆するカバー保護層とを含み、基材層の周縁部にテール部を突出形成し、このテール部に電極パターン層の複数の導電ラインの端部を間隔をおいて配列した請求項1又は2記載の配線板用の検査装置。
【請求項4】
検査支持板の導電部を、検査支持板に導電性を有する複数の検査ラインをXY方向に配列することにより略メッシュ構造に構成し、この複数の検査ラインを静電容量検出手段に電気的に接続した請求項1、2、又は3記載の配線板用の検査装置。
【請求項5】
検査支持板の導電部を、検査支持板に、配線板の複数の電極に対向する検査電極を形成するとともに、各検査電極に検査導電ラインを接続することにより構成し、この複数の検査導電ラインを静電容量検出手段に電気的に接続した請求項1、2、又は3記載の配線板用の検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−32221(P2012−32221A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170669(P2010−170669)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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