説明

配車支援システム

【課題】簡単かつ正確に、しかも効率の良い配車処理を可能にする配車支援システムを提供する。
【解決手段】この配車支援システムは、車両情報を各車両別にまとめた車両カルタ50・・を第1の表示画面35に表示する車両勢力表示手段40と、配送先情報及び物量情報を各配送先別にまとめた配送先カルタ51・・を第2の表示画面36に表示する配送先物量表示手段41と、第1の表示画面35において、車両カルタ50に対して配送先カルタ51を割り付けて表示するとともに、第2の表示画面36において、割り付け後の配送先カルタ51を消去する配車処理手段43と、割り付け時において車両カルタ50の積載可能カート数と配送先カルタ51の配送カート数とを比較して、差異が生じているときに配送先カルタ51の配送カート数の調整を行う物量調整手段47とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば物流センター等の物流拠点において、複数の車両に対して複数の配送先の荷物を割り当てるための配車支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物流センター等の物流拠点においては、車両の有効利用や配送時間の短縮化を図るために、各種の配車支援システムが導入されている。
【0003】
この種の配車支援システムとしては、例えば特許文献1及び2にも開示されているように、車両の最大積載量、配送先の場所や納品時間、物量等の各種条件に基づいて、複数の車両に対して複数の配送先の荷物を自動的に割り当てた後、配送順序の変更、配送先の追加や削除、複数の車両間での配送先の交換等の調整を可能としたものがある。このような配車支援システムにおいては、完全自動化したものと比べて状況に応じたきめ細かい対応が可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特許第3305616号公報
【特許文献2】特許第2710573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の配車支援システムにおいては、各配送先の荷物が比較的少量であって、1台の車両に対して複数の配送先の荷物を1回の配送分として割り当てるような処理を対象としている。
【0006】
一方、1台の車両の最大積載重量を超えるような多量の荷物が納品される大型店舗等の配送先への配送に際しては、1台の車両では荷物を積み込み切れないので、1箇所の配送先の荷物でありながら複数の車両に割り当てたり、1台の車両を数回往復させるといった対応が必要となる。
【0007】
ところが、従来の配車支援システムにおいては、このような状況に対して十分な配慮がなされておらず、1箇所の配送先の荷物を分散させながら車両にいかにして割り当てるかは配車マンの判断にまかせていることが多く、このため経験の少ない配車マンが処理した場合、荷物のトータル数量が合わなくなったり、積載効率が悪くなるといった不具合が生じていた。
【0008】
この発明は、上記不具合を解消して、車両の最大積載量を超えるような多量の荷物の配送を必要とする配送先があっても、簡単かつ正確に、しかも効率の良い配車処理を可能にする配車支援システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の配車支援システムは、コンピュータによって複数の車両に対して複数の配送先の荷物を割り当てるためのものであって、複数の車両に関する車両情報、複数の配送先に関する配送先情報及び各配送先へ配送する荷物の物量情報を記録する記憶手段10と、前記記憶手段10に記録されている車両情報を、各車両別にカルタ状にまとめた車両カルタ50・・として第1の表示画面35に選択的に並べて表示する車両勢力表示手段40と、前記記憶手段10に記録されている配送先情報及び物量情報を、各配送先別にカルタ状にまとめた配送先カルタ51・・として第2の表示画面36に選択的に並べて表示する配送先物量表示手段41と、ポインティングデバイス等の画面操作手段31によって前記車両カルタ50及び前記配送先カルタ51を夫々指定することにより、前記第1の表示画面35において、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51を割り付けて表示するとともに、前記第2の表示画面36において、割り付け後の前記配送先カルタ51を消去する配車処理手段43と、指定された前記車両カルタ50の車両情報のうちの1つである積載可能カート数と、指定された前記配送先カルタ51の物量情報のうちの1つである配送カート数とを比較して、積載可能カート数と配送カート数とに差異が生じているときに、その差異分に応じて配送先カルタ51の配送カート数の調整を行う物量調整手段47とを備えている。
【0010】
そして、この物量調整手段47は、積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、前記第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数と差異分とを比較して、前記同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数が差異分を上回っているときには、前記同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数から差異分を差し引いて表示するとともに、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能と、前記同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数が差異分を下回っているときには、前記同一配送先の配送先カルタ51を前記第2の表示画面36から消去するとともに、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51の配送カート数に前記同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を加えて割り付ける機能と、積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、前記第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51をそのまま割り付ける機能と、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えて表示するとともに、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能と、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、差異分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を前記第2の表示画面36に追加表示するとともに、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能を有する。
【0011】
また、前記配送先物量表示手段41は、前記配送先カルタ51の表示に際して、前記配送先情報の1つである配車許容車両の積載可能カート数が前記物量情報の1つである配送カート数よりも下回るときに、配車許容車両の積載可能カート数を配送カート数とした1又は複数の配送先カルタ51と、配車許容車両の積載可能カート数よりも少ない余剰分を配送カート数とした配送先カルタ51とに分けて表示する。
【0012】
さらに、前記物量調整手段47は、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えると、その加算後の配送カート数が前記同一配送先の配送先カルタ51における配車許容車両の積載可能カート数を上回る場合、その上回った超過分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を前記第2の表示画面36に追加表示し、さらに前記同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を配車許容車両の積載可能カート数として表示するとともに、指定された前記車両カルタ50に対して指定された前記配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能を有する。
【0013】
さらにまた、前記車両勢力表示手段40は、前記車両カルタ50・・を前記第1の表示画面35の縦方向又は横方向に並べて表示するとともに、それら車両カルタ50・・に対応した前記配送先カルタ51・・の割り付け欄37・・を前記第1の表示画面35の横方向又は縦方向に並べて表示し、前記配送先物量表示手段41は、前記配送先カルタ51・・を前記第2の表示画面36にマトリクス表示する。
【発明の効果】
【0014】
この発明の配車支援システムを用いた配車処理においては、車両勢力である第1の表示画面上の車両カルタに対して、配送先物量である第2の表示画面上の配送先カルタを順次割り付けて、第2の表示画面から配送先カルタがなくなると配車処理が完了するので、見た目に解り易く、経験の少ない配車マンでも簡単に配車処理を行うことができる。
【0015】
しかも、車両の最大積載量を超えるような多量の荷物の配送を必要とする配送先があっても、その配送先における配送先カルタの割り付け時に、割り付け前と割り付け後のトータル配送カート数が同じになるように、配送先カルタの配送カート数を車両カルタの積載可能カート数を基準として調整しながら、配送先カルタを効率良く割り付けるので、正確で且つ積載効率の良い配車処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る配車支援システムは、物流センターに導入され、複数の荷主からの配送依頼に基づいて、各荷主の店舗へ配送する荷物を複数の車両に対して効果的に割り当てるために使用される。
【0017】
図1は、配車支援システムの全体構成を示すブロック図を示している。1は、物流センターの事務所に設けたサーバであって、荷主側コンピュータシステム2・・が通信ネットワークを介してデータの収受可能に接続されている。また、サーバ1には、物流センターの構内に設けた構内端末3、物流センターの事務所に設けた配車処理端末4、同じく事務所に設けた受付端末5、物流センターの事務所及び構内に設けた掲示板用端末6、7が、通信ネットワークを介してデータの収受可能に接続されている。
【0018】
サーバ1は、大容量記憶装置10、入力装置11、表示装置12及びこれらを統括的に制御する制御装置13等を備えるコンピュータシステムにより構成されている。
【0019】
大容量記憶装置10は、複数の車両に関する各種車両情報、複数の配送先に関する各種配送先情報及び各配送先へ配送する物量情報を記録するこの発明の記憶手段として機能するもので、各種マスタ及び各種データベースを備える。各種マスタは、荷主マスタ20、配送先マスタ21、車両マスタ22、ドライバーマスタ23、ルートマスタ24、カート数算出指標管理マスタ25、予想時間算出パターンマスタ26等を備えている。また、データベースは、物量データベース27、車両勢力データベース28、配車結果データベース29、作業状況データベース30等を備えている。
【0020】
荷主マスタ20には、各荷主別の名称、住所、連絡先等の各種情報が記録されている。配送先マスタ21には、各荷主の店舗別の店舗名、住所、連絡先、センター標準出発時間、センター出発限界時間、店舗荷受け可能開始時間、店舗荷受け可能終了時間、配車許容(納品指定)車両、配車許容車両の積載可能カート数等の各種情報が記録されている。なお、車両に荷物を積み込む際には、荷物を収容したカートごと積み込むようにしており、積載可能カート数とは、車両の最大積載重量や積載容量等に基づいて求められる車両に積載することができる最大カート数を示している。
【0021】
車両マスタ22には、各車両別の所属運送会社名、車両番号、最大積載重量、積載可能カート数、拘束時間等の各種情報が記録されている。ドライバーマスタ23には、各ドライバー別のドライバー名、所属運送会社名、搭乗する車両番号等の各種情報が記録されている。ルートマスタ24には、各配送先の方面、各車両の配送担当方面等の各種情報が記録されている。
【0022】
カート数算出指標管理マスタ25には、荷物の物量から荷物積み込に必要なカート数を算出するための指標等の各種情報が記録されている。予想時間算出パターンマスタ26には、各車両別のセンター積み込み作業時間、センター・各配送先間の移動時間、各配送先間の移動時間、各車両別の配送先積み下ろし作業時間、センター帰着作業時間等の各種情報が記録されている。
【0023】
物量データベース27には、荷主側コンピュータシステム2・・において入力された配送先別の物量予測情報、カート数算出指標管理マスタ25の指標を利用して物量予測情報から得られた配送先別の予測配送カート数情報が随時記録されるとともに、構内端末3において入力された配送先別の実績配送カート数情報等が随時記録される。なお、予測配送カート数情報は実績配送カート数情報に更新される。車両勢力データベース28には、配車処理端末4において作成された車両勢力情報が随時記録される。配車結果データベース29には、配車処理端末4において作成された配車結果情報が随時記録される。作業状況データベース30には、配車処理端末4や受付端末5において入力された実績時間情報が随時記録される。
【0024】
構内端末3、受付端末5及び掲示板用端末6、7は、入力装置、表示装置、記憶装置及びこれらを統括的に制御する制御装置を備えた周知のパーソナルコンピュータからなる。そして、構内端末3は、構内作業員がハンディターミナルを使用して当日配送予定の配送先別の実績カート数情報を入力すると、この配送先別の実績カート数情報をサーバ1へ送信するようになっている。受付端末5は、ドライバーや構内作業員から連絡を受けた各種の実績時間情報を入力すると、これら実績時間情報をサーバ1へ送信するようになっている。掲示板用端末6、7は、表示装置として大型のディスプレイを備え、サーバ1の大容量記憶装置10における配車結果データベース29に記録されている配車結果情報等を大型のディスプレイに表示するようになっており、これによって構内や事務所において業務状況を逐次確認することができる。
【0025】
配車処理端末4は、図1に示すように、入力装置31、表示装置32、記憶装置33及びこれらを統括的に制御する制御装置34を備えた周知のパーソナルコンピュータからなる。入力装置31は、この発明の画面操作手段としてのポインティングデバイス及びキーボードを備えている。表示装置32は、4つのディスプレイを備えており、そのうちの1つがこの発明の第1の表示画面35として利用され、残りの3つがこの発明の第2の表示画面36として利用されている。記憶装置33は、ハードディスク等の記録媒体からなり、配車プログラム及びその他各種プログラムが保持されている。
【0026】
制御装置34は、CPU、ROM、RAMからなり、記憶装置33に保持されている配車プログラムを読み込んで実行することにより、車両勢力表示手段40、配送先物量表示手段41、特別カルタ表示手段42、配車処理手段43、方面確認手段44、割り付け確認手段45、時間確認手段46、物量調整手段47、時間調整手段48、カルタ情報更新手段49として機能するようになっている。
【0027】
車両勢力表示手段40は、サーバ1の大容量記憶装置10における車両マスタ22及びドライバーマスタ23に記録されている車両情報(所属運送会社名、車両番号、最大積載重量、積載可能カート数、ドライバー名)を各車両別にカルタ状にまとめた車両カルタ50・・を作成して、これらを第1の表示画面35に選択的に並べて表示する機能を有している。また、車両勢力表示手段40は、入力装置31によって入力された各車両のセンター接車時間を、各車両カルタ50・・に夫々表示する。
【0028】
具体的には、図2に示すように、当日の配送に使用する車両の車両カルタ50・・を第1の表示画面35に縦方向に並べて表示するとともに、それら車両カルタ50・・に対応した配送先カルタ51・・の割り付け欄37・・を第1の表示画面35に横方向に並べて表示している。図3は、車両カルタ50の一例を示しており、この車両カルタ50には、所属運送会社名として「S社」、車両番号として「0123」、最大積載重量として「10t(積載可能カート数にすると35)」、ドライバー名として「小林一郎」、センター接車時間として「05:00」が表示されている。
【0029】
この車両勢力表示手段40は、サーバ1の大容量記憶装置10における車両勢力データベース28に記録されている前週同曜日の車両勢力情報に基づいて、当日必要とされる車両を自動若しくは入力装置31のポインティングデバイスによって選定し、それら車両情報を車両カルタ50・・として第1の表示画面35に表示するようになっている。また、必要により入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている車両追加ボタン80、車両変更ボタン81、車両削除ボタン82を指定(クリック)することで、第1の表示画面35に表示されていない新たな車両カルタ50を追加、第1の表示画面35に表示されている車両カルタ50の初期設定の内容を変更、第1の表示画面35に表示されている車両カルタ50の削除を可能としている。
【0030】
配送先物量表示手段41は、サーバ1の大容量記憶装置10における荷主マスタ20、配送先マスタ21、ルートマスタ24に記録されている配送先情報(荷主の名称、荷主の店舗名、センター標準出発時間、センター出発限界時間、店舗荷受け可能開始時間、店舗荷受け可能終了時間、配送先の方面)、及び、サーバ1の大容量記憶装置10における物量データベース27に記録されている物量情報(配送カート数)を各配送先別にカルタ状にまとめた配送先カルタ51・・を作成して、これらを第2の表示画面36に選択的に並べて表示する機能を有している。
【0031】
また、この配送先物量表示手段41は、個々の配送先カルタ51の表示に際して、サーバ1の大容量記憶装置10における配送先マスタ21に記録されている配車許容車両の積載可能カート数が物量データベース27に記録されている配送カート数よりも下回るときには、配車許容車両の積載可能カート数を配送カート数とした1又は複数の配送先カルタ51と、配車許容車両の積載可能カート数よりも少ない余剰分を配送カート数とした配送先カルタ51とに分けて表示する機能を有している。
【0032】
具体的には、図4に示すように、当日配送予定の配送先の配送先カルタ51・・を第2の表示画面36にマトリクス表示している。図5は、配送先カルタ51の一例を示しており、この配送先カルタ51・・には、荷主の名称として「A社」、荷主の店舗名として「A−1店」、センター標準出発時間として「04:00」、センター出発限界時間として「07:40」、店舗荷受け可能開始時間として「12:00」、店舗荷受け可能終了時間として「20:00」、配送先の方面として「L−1」、配送カート数として「20」が表示されている。この配送先の配送カート数は「20」であり、これに対してこの配送先の配車許容車両である10t車両の積載可能カート数は「35」であって、積載可能カート数が配送カート数を上回っているので、この配送先の配送先カルタ51としては、第2の表示画面36に一枚のみ表示されて、枚数番号として「1/1」が表示されている。
【0033】
一方、図6は、別の配送先の配送先カルタ51、51の一例を示しており、この配送先カルタ51、51には、荷主の名称として「B社」、荷主の店舗名として「B−1店」、センター標準出発時間として「05:00」、センター出発限界時間として「09:32」、店舗荷受け可能開始時間として「09:00」、店舗荷受け可能終了時間として「19:00」、配送先の方面として「L−2」が夫々表示されている。そして、この配送先の配送カート数はトータル「46」であり、これに対してこの配送先の配車許容車両である10t車両の積載可能カート数は「35」であって、積載可能カート数が配送カート数を下回っているので、この配送先の配送先カルタ51、51としては、配車許容車両の積載可能カート数を配送カート数すなわち「35」とする配送先カルタ51が1枚と、配車許容車両の積載可能カート数よりも少ない余剰分すなわち「11」を配送カート数とした配送先カルタ51が1枚の合計2枚の配送先カルタ51、51が第2の表示画面36に表示されて、これら配送先カルタ51の枚数番号として「1/2」「2/2」が夫々表示される。このように、車両の最大積載量を超えるような多量の荷物の配送を必要とする配送先については、同一配送先の配送先カルタ51が複数枚表示されることがあるが、これら複数枚の配送カート数の合計がその配送先の実際の配送カート数となっている。
【0034】
また、配送先物量表示手段41は、必要により入力装置31のポインティングデバイスによって第2の表示画面36に表示されているオーダー追加ボタン83、オーダー複写ボタン84、オーダー変更ボタン85、オーダー削除ボタン86、オーダー分割ボタン87を指定(クリック)することで、第2の表示画面36に表示されていない新たな配送先カルタ51の追加、第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51と同一の配送先カルタ51の追加、第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51の初期設定の内容を変更、第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51の配送カート数を分割して2枚の配送先カルタ51、51での表示を可能としている。
【0035】
さらに、配送先物量表示手段41は、必要により第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51・・を、センター標準出発時間の早いものから順に並べて表示するようになっている。さらにまた、配送先物量表示手段41は、現在時間がセンター標準出発時間を上回っているときに、配送先カルタ51・・のセンター標準出発時間表示欄の背景色を例えば「赤色」等に着色し、現在時間がセンター出発限界時間の30分前を上回っているときに、配送先カルタ51・・のセンター出発限界時間表示欄の背景色を例えば「黄色」等に着色して、警告を発するようになっている。
【0036】
特別カルタ表示手段42は、休憩用カルタ53やマテハン貸出・回収用カルタ54、55を作成して、第2の表示画面36に特別カルタとして一覧表示する機能を有している。なお、マテハンとは、商品の配送に用いるカートや折り畳みコンテナ等のことを意味しており、マテハン貸出とは、物流センターから配送先へ機材としてマテハンを貸し出す行為であり、マテハン回収とは、配送先に貸し出したマテハンを物流センターへ回収する行為である。
【0037】
図7は、休憩用カルタ53の一例を示しており、この休憩用カルタ53には、休憩用カルタであることを示す絵文字、休憩時間として「60」、枚数番号として「1/1」が表示されている。図8は、マテハン貸出・回収用カルタ54、55の一例を示しており、マテハン貸出用カルタ54には、マテハン貸出用カルタであることを示す絵文字、貸し出し先として「P−1」、マテハン数として「25」、枚数番号として「1/1」が表示され、マテハン回収用カルタ55には、マテハン回収用カルタであることを示す絵文字、回収先として「P−2」、マテハン数として「20」、枚数番号として「1/1」が表示されている。
【0038】
配車処理手段43は、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている車両カルタ50を指定(車両カルタ50に対応する割り付け欄37をクリック)し、入力装置31のポインティングデバイスによって第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51や必要に応じて休憩用カルタ53、マテハン貸出・回収用カルタ54、55を指定(クリック)することにより、第1の表示画面35の割り付け欄37・・において、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51や休憩用カルタ53、マテハン貸出・回収用カルタ54、55を割り付けて表示するとともに、前記第2の表示画面において、割り付け後の配送先カルタ51や休憩用カルタ53、マテハン貸出・回収用カルタ54、55を消去する機能を有している。また、配車処理手段43は、割り付け後の配送先カルタ51の配送カート数が車両カルタ50から得られる積載可能カート数を下回っているときに、配送先カルタ51の配送カート数表示欄の背景色を例えば「青色」等に着色し、積載効率が悪い旨の警告を発するようになっている。
【0039】
図9は、所定の車両カルタ50に対して配送先カルタ51、51を割り付けたときの一例を示しており、割り付け後の車両カルタ50には、割り付け前の車両カルタ50に表示されていなかったセンター戻り時間、業務終了時間、拘束時間が表示される。なお、センター戻り時間、業務終了時間、拘束時間の表示は、後述する時間調整手段48によってなされる。また、割り付け後の配送用カルタ51、51には、割り付け前の配送先カルタ51、51に表示されていなかった便数、センター出発時間、店着時間が表示される。通常の配送形態としては、「物流センター→1件目の配送先→物流センター→2件目の配送先」といったように、1回の配送毎に物流センターに戻るようになっている。従って、便数については、1件目の配送先の配送先カルタ51に「1便」、2件目の配送先の配送先カルタ51に「2便」といった表示がなされる。なお、センター出発時間、店着時間の表示は、後述する時間調整手段48によってなされる。
【0040】
また、配車処理手段43は、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている混載ボタン88を指定(クリック)することで、図10に示すように、第1の表示画面35の割り付け欄37に横方向に連続表示されている指定された配送先カルタ51、51のうち、後の配送先の配送先カルタ51における便数の表示を「混載」に変更して表示するようになっている。この混載とは、「物流センター→1件目の配送先→2件目の配送先」といったように、物流センターに戻ることなく連続して配送先への配送を行う配送形態を意味している。この混載処理を行うことで、車両カルタ50のセンター戻り時間、業務終了時間、拘束時間の表示、後の配送先の配送先カルタ51のセンター出発時間、店着時間の表示が、後述する時間調整手段48によって変更されるようになっている。この混載処理を行うと、横方向に連続表示されている指定された配送先カルタ51、51の外枠が例えば「緑色」等に着色する。なお、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている混載解除ボタン89を指定(クリック)することで、混載処理が解除されて通常の配送形態での表示に戻るようになっている。
【0041】
さらに、配車処理手段43は、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている割り付け欄37及び割り付け後の配送先カルタ51を指定(クリック)することで、指定した割り付け欄37へ指定した配送先カルタ51を移動させたり、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている割り付け後の2枚の配送先カルタ51、51を指定(クリック)することで、これら配送先カルタ51、51を入れ換えたり、さらに入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されている割り付け後の2枚の車両カルタ50、50を指定(クリック)することで、これら車両カルタ50、50に対して割り付けたカルタ群を入れ換えるようになっている。なお、このような移動や入れ換えを行った場合にも、車両カルタ50のセンター戻り時間、業務終了時間、拘束時間の表示、配送先カルタ51のセンター出発時間、店着時間の表示が、後述する時間調整手段48によって変更されるようになっている。さらにまた、配車処理手段43は、入力装置31のポインティングデバイスによって第1の表示画面35に表示されているモード指定ボタン90を指定(クリック)することで、ポインティングデバイスによる各種カルタの移動や入れ換えモードを変更するようになっている。
【0042】
方面確認手段44は、配車処理手段43による配送先カルタ51・・の割り付けに際して、指定された車両カルタ50の車両の配送担当方面と指定された配送先カルタ51の配送先の方面とを比較して、これら方面に不一致が生じているときに、配車処理を続行するか中断するかのいずれかの選択を促す図11に示すような選択画面60を第1の表示画面35に表示する機能を有している。入力装置31のポインティングデバイスによって選択画面60の「OK」を選択すると、そのまま配送先カルタ51の割り付けがなされて配車処理が続行され、「キャンセル」を選択すると、配送先カルタ51の割り付けがなされず配車処理が中断されるようになっている。
【0043】
割り付け確認手段45は、配車処理手段43による配送先カルタ51・・の割り付けに際して、指定された車両カルタ50の積載可能カート数と指定された配送先カルタ51の配送カート数とを比較して、積載可能カート数と配送カート数とに差異が生じているときに、そのまま割り付けを行う第1の割り付け方法か、配送カート数を調整して割り付けを行う第2の割り付け方法のいずれかの選択を促す図12に示すような選択画面61を第1の表示画面35に表示する機能を有している。入力装置31のポインティングデバイスによって選択画面61の「はい」すなわち第1の割り付け方法を選択すると、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51をそのまま割り付け、選択画面61の「いいえ」すなわち第2の割り付け方法を選択すると、後述する物量調整手段47によって配送先カルタ51の配送カート数の調整が行われるようになっている。
【0044】
時間確認手段46は、配車処理手段43による配送先カルタ51・・の割り付けに際して、指定された配送先カルタ51の店着時間と店舗荷受け可能開始・終了時間とを比較して、店着時間が店舗荷受け可能時間外であったときに、配車処理を続行するか中断するかのいずれかの選択を促す図13に示すような選択画面62を第1の表示画面35に表示する機能を有している。入力装置31のポインティングデバイスによって選択画面62の「OK」を選択すると、そのまま配送先カルタ51の割り付けがなされて配車処理が続行され、「キャンセル」を選択すると、配送先カルタ51の割り付けがなされず配車処理が中断されるようになっている。
【0045】
物量調整手段47は、配車処理手段43による配送先カルタ51・・の割り付けに際して、指定された車両カルタ50の積載可能カート数と、指定された配送先カルタ51の配送カート数とを比較して、積載可能カート数と配送カート数とに差異が生じているときに、割り付け確認手段45によって表示された選択画面61において第2の割り付け方法が選択されると、積載可能カート数と配送カート数との差異分に応じて配送先カルタ51の配送カート数の調整を行うようになっている。
【0046】
この物量調整手段47は、積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数と差異分とを比較して、同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数が差異分を上回っているときには、同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数から差異分を差し引いて表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける第1の機能を有している。また、同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数が差異分を下回っているときには、同一配送先の配送先カルタ51を第2の表示画面36から消去するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数に同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を加えて割り付ける第2の機能を有している。さらに、積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51をそのまま割り付ける第3の機能を有している。
【0047】
さらにまた、物量調整手段47は、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えると、その加算後の配送カート数が同一配送先の配送先カルタ51における配車許容車両の積載可能カート数を上回るか否かを判断して、上回らない場合、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えて表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける第4の機能を有している。また、上回る場合、その上回った超過分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を第2の表示画面36に追加表示し、さらに同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を配車許容車両の積載可能カート数として表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける第5の機能を有している。さらに、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、差異分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を第2の表示画面36に追加表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける第6の機能を有している。
【0048】
図14は、第1の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数(10t車であるため「35」)が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「28」を上回っていて、第2の表示画面36上に表示されている割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数「20」が差異分「7」を上回っているから、同一配送先の配送先カルタ50は配送カート数「20−7=13」で表示されて、指定された配送先カルタ51が配送カート数「35」に変更して割り付けられている。
【0049】
図15は、第2の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数「35」が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「28」を上回っていて、第2の表示画面36上に表示されている割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数「5」が差異分「7」を下回っているから、この同一配送先の配送先カルタ50が第2の表示画面36から消去されて、指定された配送先カルタ51が配送カート数「28+5=33」に変更して割り付けられている。
【0050】
図16は、第3の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数「35」が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「28」を上回っていて、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しないから、指定された配送先カルタ51が配送カート数「28」でそのまま割り付けられている。
【0051】
図17は、第4の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数(8t車であるため「28」)が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「35」を下回っていて、第2の表示画面36上に表示されている割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数「20」に差異分「7」を加えると、その加算後の配送カート数「27」が同一配送先の配送先カルタ51における配車許容車両の積載可能カート数「35」を上回らないから、同一配送先の配送先カルタ51は配送カート数「20+7=27」で表示されて、指定された配送先カルタ51が配送カート数「28」に変更して割り付けられている。
【0052】
図18は、第5の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数「28」が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「35」を下回っていて、第2の表示画面36上に表示されている割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数「30」に差異分「7」を加えると、その加算後の配送カート数「37」が同一配送先の配送先カルタ51における配車許容車両の積載可能カート数「35」を上回るから、その上回った超過分「37−35=2」を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51が第2の表示画面36に追加表示され、同一配送先の配送先カルタ50は配送カート数「35」で表示されて、指定された配送先カルタ51が配送カート数「28」に変更して割り付けられている。
【0053】
図19は、第6の機能を実行したときの第1及び第2の表示画面35、36の状態を示している。すなわち、指定された車両カルタ50における積載可能カート数「28」が、指定された配送先カルタ51における配送カート数「35」を下回っていて、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しないから、差異分「7」を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51が第2の表示画面36に追加表示され、指定された配送先カルタ51が配送カート数「28」に変更して割り付けられている。
【0054】
時間調整手段48は、配車処理手段43による配送先カルタ51・・の割り付けに際して、サーバ1の大容量記憶装置10における予想時間算出パターンマスタ26に記録されている各種情報に基づいて、割り付け後の配送先カルタ51に対してセンター出発時間、店着時間を計算して表示するとともに、割り付け後の車両カルタ50に対してセンター戻り時間、業務終了時間、拘束時間を計算して表示する機能を有している。
【0055】
具体的に、センター出発時間は、割り付け前の車両カルタ50のセンター接車時間にセンター積み込み作業時間を加えて求めるようにしている。店着時間は、センター出発時間にセンター・配送先間の移動時間及び配送先積み下ろし作業時間を加えて求めるようにしている。センター戻り時間は、店着時間にセンター・配送先間の移動時間及びセンター帰着作業時間を加えて求めるようにしている。なお、複数の配送先カルタ51・・が割り付けられている場合には、配送完了分を除く最も早い便の店着時間を基準として求められる。業務終了時間は、店着時間にセンター・配送先間の移動時間及びセンター帰着作業時間を加えて求めるようにしている。なお、複数の配送先カルタ51・・が割り付けられている場合には、最終便の店着時間を基準として求められる。拘束時間は、センター接車時間から業務終了時間に至るまでの所要時間として求められる。
【0056】
例えば、図9に示す割り付け状況においては、指定された車両カルタ50のセンター戻り時間が「13:08」、業務終了時間が「18:09」、拘束時間が「11:09」となっており、指定された配送先カルタ51、51のうち1便のセンター出発時間が「07:30」、店着時間が「09:52」となっており、2便のセンター出発時間が「13:38」、店着時間が「15:41」となっている。
【0057】
また、時間調整手段48は、配車処理手段43によって混載処理、配送先カルタ51・・の移動や入れ換えがなされたときに、上記の各時間を再計算して更新表示するようになっている。さらに、時間調整手段48は、車両カルタ50に表示した拘束時間がサーバ1の大容量記憶装置10における車両マスタ22に記録されている拘束時間を上回っているときに、車両カルタ50の拘束時間表示欄の背景色を例えば「赤色」等に着色し、現在時間が車両カルタ50のセンター戻り時間を上回っているときに、車両カルタ50のセンター戻り時間表示欄の背景色を例えば「赤色」等に着色して、警告を発するようになっている。
【0058】
カルタ情報変更手段49は、ドライバーや構内作業員から連絡を受けた各種の実績時間情報を入力装置31によって入力するか、受付端末5において各種の実績時間情報が入力されると、それら実績時間情報に基づいて車両カルタ50・・及び配送先カルタ51・・に表示されている各種時間を再計算して更新し、適宜警告を発する機能を有している。なお、実績時間情報としては、物流センターにて荷物を車両に積み込む作業に入る時点で入力される積み込み開始時間、積み込み作業が完了して物流センターを出発する時点で入力されるセンター出発時間、配送が完了した時点で入力される配送完了時間、車両が物流センターに戻ってきた時点で入力されるセンター戻り時間、当日の配送業務が全て完了した時点で入力される業務終了時間等がある。
【0059】
次に、上記の配車支援システムにおける配車処理端末4の第1及び第2の表示画面35、36上での配車処理の流れについて、図20に基づいて説明する。まず、車両勢力表示手段40によって第1の表示画面35上に車両カルタ50・・を当日の車両勢力として表示するとともに、配送先物量表示手段41によって第2の表示画面36上に配送先カルタ51・・を当日の配送先物量として表示する(S1)。
【0060】
そして、入力装置31のポインティングデバイスによって表示画面35、36に表示されている車両カルタ50及び配送先カルタ51を夫々指定すると(S2)、方面確認手段44によって方面チッェクが行われた後(S3)、割り付け確認手段45によって指定された車両カルタ50の積載可能カート数と指定された配送先カルタ51の配送カート数とが比較されて(S4)、積載可能カート数と配送カート数とに差異が生じていなければ、配車処理手段43によって指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51をそのまま割り付ける(S5)。差異が生じていると、図12に示す選択画面61を第1の表示画面35に表示して、入力装置31のポインティングデバイスによって選択画面61の「はい」を選択すると、配車処理手段43によって指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51をそのまま割り付け、選択画面61の「いいえ」を選択すると、物量調整手段47によって配送先カルタ51の配送カート数の調整が行われる(S6)。
【0061】
配送カート数の調整に際して、積載可能カート数が配送カート数を上回っていているか否かが判断されて(S7)、上回っていて第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば(S8)、その同一配送先の配送先カルタ50の配送カート数と差異分とを比較する(S9)。同一配送先の配送先カルタ50の配送カート数が差異分を上回っているときには、同一配送先の配送先カルタ50の配送カート数から差異分を差し引いて表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける(S10)。一方、(S9)において同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数が差異分を下回っているときには、同一配送先の配送先カルタ50を第2の表示画面36から消去するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数に同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を加えて割り付ける(S11)。さらに、(S8)において第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51をそのまま割り付ける(S12)。
【0062】
また、(S7)において積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在すれば(S13)、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えると、その加算後の配送カート数が同一配送先の配送先カルタ51における配車許容車両の積載可能カート数を上回るか否かを判断して(S14)、上回らない場合、その同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数に差異分を加えて表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける(S15)。また、(S14)において上回る場合、その上回った超過分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を第2の表示画面36に追加表示し、さらに同一配送先の配送先カルタ51の配送カート数を配車許容車両の積載可能カート数として表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタの配送カート数51を積載可能カート数に変更して割り付ける(S16)。さらに、(S13)において第2の表示画面36上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ51が存在しなければ、差異分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ51を第2の表示画面36に追加表示するとともに、指定された車両カルタ50に対して指定された配送先カルタ51の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける(S17)。
【0063】
そして、(S10)(S11)(S12)(S15)(S16)(S17)を終えると、時間確認手段46によって店着時間チッェクが行われた後(S18)、再び(S2)に戻って(S19)、第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51・・の割り付けを上記と同様に順次行い、第2の表示画面36に表示されている配送先カルタ51・・がすべてなくなれば、当日の配車処理が完了する。
【0064】
なお、配車処理端末4で処理後の配車結果情報は、物流センターの事務所及び構内に設けた掲示板用端末6、7によって大型ディスプレイに表示され、また各種の実績時間情報に基づいて適宜更新され、構内や事務所において業務状況を逐次確認することができるようになっている。
【0065】
このように、上記の配車支援システムを用いた配車処理においては、当日の車両勢力である第1の表示画面35上の車両カルタ50・・に対して、当日の配送先物量である第2の表示画面36上の配送先カルタ51・・を順次割り付けて、第2の表示画面36から配送先カルタ51・・がなくなると配車処理が完了するので、見た目に解り易く、経験の少ない配車マンでも簡単に配車処理を行うことができる。しかも、車両の最大積載量を超えるような多量の荷物の配送を必要とする配送先があっても、その配送先における配送先カルタ51・・の割り付け時に、割り付け前と割り付け後のトータル配送カート数が同じになるように、配送先カルタ51・・の配送カート数を車両カルタ50の積載可能カート数を基準として調整しながら、配送先カルタ51・・を効率良く割り付けるので、正確且つ積載効率の良い配車処理を行うことができる。
【0066】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の一実施形態に係る配車支援システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の表示画面を示す図である。
【図3】車両カルタを示す図である。
【図4】第2の表示画面を示す図である。
【図5】配送先カルタを示す図である。
【図6】別の配送先の配送先カルタを示す図である。
【図7】休憩用カルタを示す図である。
【図8】マテハン貸出・回収用カルタを示す図である。
【図9】車両カルタに対して配送先カルタを割り付けたときの一例を示す図である。
【図10】混載処理を行ったときの状態を示す図である。
【図11】方面チェック用の選択画面を示す図である。
【図12】配送カート数調整用の選択画面を示す図である。
【図13】店着時間チェック用の選択画面を示す図である。
【図14】第1の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図15】第2の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図16】第3の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図17】第4の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図18】第5の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図19】第6の機能実行時の第1及び第2の表示画面の状態を示す図である。
【図20】配車処理端末の第1及び第2の表示画面上での配車処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10・・記憶手段、31・・画面操作手段、35・・第1の表示画面、36・・第2の表示画面、37・・割り付け欄、40・・車両勢力表示手段、41・・配送先物量表示手段、43・・配車処理手段、47・・物量調整手段、50・・車両カルタ、51・・配送先カルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって複数の車両に対して複数の配送先の荷物を割り当てるための配車支援システムであって、
複数の車両に関する車両情報、複数の配送先に関する配送先情報及び各配送先へ配送する荷物の物量情報を記録する記憶手段(10)と、
前記記憶手段(10)に記録されている車両情報を、各車両別にカルタ状にまとめた車両カルタ(50)・・として第1の表示画面(35)に選択的に並べて表示する車両勢力表示手段(40)と、
前記記憶手段(10)に記録されている配送先情報及び物量情報を、各配送先別にカルタ状にまとめた配送先カルタ(51)・・として第2の表示画面(36)に選択的に並べて表示する配送先物量表示手段(41)と、
ポインティングデバイス等の画面操作手段(31)によって前記車両カルタ(50)及び前記配送先カルタ(51)を夫々指定することにより、前記第1の表示画面(35)において、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)を割り付けて表示するとともに、前記第2の表示画面(36)において、割り付け後の前記配送先カルタ(51)を消去する配車処理手段(43)と、
指定された前記車両カルタ(50)の車両情報のうちの1つである積載可能カート数と、指定された前記配送先カルタ(51)の物量情報のうちの1つである配送カート数とを比較して、積載可能カート数と配送カート数とに差異が生じているときに、その差異分に応じて配送先カルタ(51)の配送カート数の調整を行う物量調整手段(47)とを備え、
この物量調整手段(47)は、積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、前記第2の表示画面(36)上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ(51)が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数と差異分とを比較して、前記同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数が差異分を上回っているときには、前記同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数から差異分を差し引いて表示するとともに、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能と、
前記同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数が差異分を下回っているときには、前記同一配送先の配送先カルタ(51)を前記第2の表示画面(36)から消去するとともに、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)の配送カート数に前記同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数を加えて割り付ける機能と、
積載可能カート数が配送カート数を上回っていて、且つ、前記第2の表示画面(36)上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ(51)が存在しなければ、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)をそのまま割り付ける機能と、
積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面(36)上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ(51)が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数に差異分を加えて表示するとともに、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能と、
積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面(36)上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ(51)が存在しなければ、差異分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ(51)を前記第2の表示画面(36)に追加表示するとともに、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能を有することを特徴とする配車支援システム。
【請求項2】
前記配送先物量表示手段(41)は、前記配送先カルタ(51)の表示に際して、前記配送先情報の1つである配車許容車両の積載可能カート数が前記物量情報の1つである配送カート数よりも下回るときに、配車許容車両の積載可能カート数を配送カート数とした1又は複数の配送先カルタ(51)と、配車許容車両の積載可能カート数よりも少ない余剰分を配送カート数とした配送先カルタ(51)とに分けて表示する請求項1記載の配車支援システム。
【請求項3】
前記物量調整手段(47)は、積載可能カート数が配送カート数を下回っていて、且つ、前記第2の表示画面(36)上に割り付けがなされていない同一配送先の配送先カルタ(51)が存在すれば、その同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数に差異分を加えると、その加算後の配送カート数が前記同一配送先の配送先カルタ(51)における配車許容車両の積載可能カート数を上回る場合、その上回った超過分を配送カート数とした同一配送先の新規配送先カルタ(51)を前記第2の表示画面(36)に追加表示し、さらに前記同一配送先の配送先カルタ(51)の配送カート数を配車許容車両の積載可能カート数として表示するとともに、指定された前記車両カルタ(50)に対して指定された前記配送先カルタ(51)の配送カート数を積載可能カート数に変更して割り付ける機能を有する請求項2記載の配車支援システム。
【請求項4】
前記車両勢力表示手段(40)は、前記車両カルタ(50)・・を前記第1の表示画面(35)の縦方向又は横方向に並べて表示するとともに、それら車両カルタ(50)・・に対応した前記配送先カルタ(51)・・の割り付け欄(37)・・を前記第1の表示画面(35)の横方向又は縦方向に並べて表示し、前記配送先物量表示手段(41)は、前記配送先カルタ(51)・・を前記第2の表示画面(36)にマトリクス表示する請求項1乃至3のいずれかに記載の配車支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−276292(P2008−276292A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115722(P2007−115722)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000108155)センコー株式会社 (3)