説明

配車方法

【課題】 乗客の待ち時間を減らし、効率よく移動局を配車する配車システムの配車方法を提供すること。
【解決手段】 配車システム10の配車方法は、少なくとも第1の地点である配車地点610に移動する移動局200aと、第2の地点である配車地点620に移動する移動局200bとを備えている。この配車方法は、移動局200aの現在位置から配車地点610までの距離Aを算出する第1の距離算出ステップと、移動局200bの現在位置から配車地点610までの距離Bを算出する第2の距離算出ステップと、第1の距離算出ステップにより算出された距離Aと第2の距離算出ステップにより算出された距離Bとを比較し、移動局200a,200bの配車先変更の要否を判別する判別ステップとを具備し、判別ステップにより配車先変更が要であると判別された場合、移動局200bを配車地点610へ配車し、移動局200aを配車地点620へ配車する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客に移動局を配車するための配車システムの配車方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばタクシー等の移動局の配車を管理するシステムには、Automatic Vehicle Monitoring(以下、AVM)システム等がある。このAVMシステムは、移動局の配車を管理する管理センタに用いられている。
【0003】
移動局は、現在の位置情報をGlobal Positioning System(以下、GPS)によって把握している。また各移動局は、GPSによって把握した位置情報と、実車、空車、待機といった移動局の状態を示す動態情報と、そのほかの情報(例えば移動方向、移動速度、事故情報)とをポーリング信号によって基地局を介して定期的に管理センタに送信している。
【0004】
管理センタは、AVMシステムによって移動局の現在位置情報と動態情報とその他の情報とを収集し、配車のためにこれらを管理している。詳細には管理センタが、全ての移動局に対して順番にポーリングを行い、全ての移動局の現在位置情報と動態情報とその他の情報とを収集する。収集された位置情報と動態情報とその他の情報とは、例えばAVMシステムによって管理センタにて以前に利用した乗客の名前と住所と電話番号と配車要求場所(以下、配車地点)とを有する乗客情報と共に管理されている。
【0005】
このように管理センタが現在位置情報と動態情報とその他の情報と乗客情報とを管理することで、移動局の配車を管理する配車システムが構築される。
乗客が管理センタに配車を依頼した際に、管理センタは、管理している移動局の現在位置情報及び動態情報を基にして乗客から依頼されている配車場所に最も速く到達することが可能で、且つ乗客が乗車していない空車状態の移動局を探索する。そして管理センタは、該当する移動局にポーリング信号にて配車を指示する。指示を受けた移動局は、ACK(返送信号)を基地局を介して管理センタに送信する。管理センタは、ACKを受信した移動局に対して乗客情報を指示し、乗客が依頼している配車(移動局を来させる)地点に向かわせる。
【0006】
なお例えば特許文献1には、空車状態の移動局が見出せない場合でも、既に乗客を乗せている(実車状態の)移動局の送り先位置(乗客の目的地、乗客を降車させる場所)が新たに配車を依頼した新規乗客が依頼している配車場所、またはその近辺であり、新規乗客から依頼されている配車場所に最も速く到達することができるのであれば、この実車状態の移動局を新規乗客のための配車候補とする配車システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−78784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した一般的な配車システムにおける配車方法を図6A乃至図6Cに示す。図6A乃至図6Cでは、図示の簡略化のために管理センタと基地局との図示を省略している。
図6Aに示すように、配車を要求した乗客aと、空車状態の移動局20aと、移動局20aよりも乗客aに近い位置に配置しているが他の乗客を乗せて実車状態の移動局20bとが存在するとする。このとき、移動局20aは、乗客aが配車を要求した配車地点61に向うように、図示しない管理センタによって図6Aに示すように配車を指示される。つまり移動局20は、図示しない管理センタによって乗客aのために配車地点61に配車される。
【0009】
しかしながら配車を要求した乗客aに対して配車される移動局が移動局20aに一度決まると、図6Bに示すように移動局20aよりも乗客aに近い位置に配置している移動局20bが空車となり配車可能となっても、配車される移動局は、移動局20aから移動局20bに変更はされない。
そのため図6Bに示すように、乗客bが乗客aよりも後に、乗客aが配車を要求した配車地点61と同一の地域63における配車地点62に配車を要求すると、空車となっている移動局20bは、乗客bが配車を要求した配車地点62に向うように、図示しない管理センタによって配車を指示される。つまり移動局20bは、図示しない管理センタによって乗客bのために配車地点62に配車される。
【0010】
よって図6Cに示すように乗客aよりも後に配車を要求した乗客bに先に移動局20bが配車される。つまり、図6Bに示すように移動局20bは移動局20aよりもこの同一地域63の近い位置に位置しているために、移動局20aが乗客aに到達する前に、移動局20bが図6Cに示すように乗客aよりも後に配車を要求した乗客bに到達する場合が発生する。このように配車の食い違いが生じる。
【0011】
イベント等が開催される会場、朝夕または雨天時において、図6Bに示すように同一地域から多数の配車が要求されると、上述したように配車の食い違いが生じ、図6Cに示すように後に配車を要求した乗客bよりも先に配車を要求した乗客aの配車のための待ち時間が長くなり、配車に対する乗客(この場合、乗客a)への心証が低下してしまう虞が生じる。
【0012】
また仮に乗客bが存在しない状態で、乗客aの配車のための待ち時間を減らす観点から、乗客aに配車される移動局が移動局20aから移動局20bに変更すると、配車を取り消された移動局20aの業務効率が低下し効率よく配車ができない虞が生じる。
【0013】
そのため本発明は、上記事情に鑑み、乗客の待ち時間を減らし、効率よく移動局を配車する配車システムの配車方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は目的を達成するために、少なくとも第1の地点に移動する第1の移動局と、第2の地点に移動する第2の移動局とを備えた配車システムの配車方法であって、前記第1の移動局の現在位置から前記第1の地点までの距離を算出する第1の距離算出ステップと、前記第2の移動局の現在位置から前記第1の地点までの距離を算出する第2の距離算出ステップと、前記第1の距離算出ステップにより算出された距離と、前記第2の距離算出ステップにより算出された距離とを比較し、配車先変更の要否を判別する判別ステップと、を具備し、前記判別ステップにより配車先変更が要であると判別された場合、前記第2の移動局を前記第1の地点へ配車し、前記第1の移動局を前記第2の地点へ配車することを特徴とする配車システムの配車方法を提供する。
【0015】
また本発明は目的を達成するために、先に配車を要求した第1の乗客のために第1の配車地点に既に第1の移動局を配車し、前記第1の配車地点と同一の地域の周辺において、前記第1の移動局よりも前記地域の近くに空車状態の第2の移動局が存在し、前記第1の乗客の後に第2の乗客から前記地域における第2の配車地点に配車が要求された際、空車状態の前記第2の移動局を先に配車を要求した前記第1の乗客のために前記第1の配車地点に配車し、既に配車が決まっている前記第1の移動局を前記第1の乗客よりも後から配車を要求した前記第2の乗客のための前記第2の配車地点に配車するように前記第1の移動局の配車先を変更することを特徴とする配車システムの配車方法を提供する。
【0016】
また本発明は目的を達成するために、前記第2の配車地点が前記第1の配車地点と同一の前記地域に含まれ、前記第1の移動局が前記第1の配車地点に到達していない、または前記第1の移動局が前記第1の配車地点から所望な距離離れている場合に、前記第1の配車地点から前記第1の移動局の現在位置までの第1の距離と、前記第1の配車地点から前記第2の移動局の現在位置までの第2の距離とが比較され、前記第2の距離が前記第1の距離よりも所定の距離以上短い場合に、前記第2の移動局を前記第1の配車地点に配車し、前記第1の移動局を前記第2の配車地点に配車するように前記第1の移動局の配車先を変更することを特徴とする上記に記載の配車システムの配車方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、乗客の待ち時間を減らし、効率よく移動局を配車する配車方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に係る第1の実施形態における配車システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、管理センタの構成を詳細に示した図である。
【図3】図3は、表示部の一例を示す図である。
【図4A】図4Aは、配車システムの配車方法を示す図である。
【図4B】図4Bは、配車システムの配車方法を示す図である。
【図4C】図4Cは、配車システムの配車方法を示す図である。
【図4D】図4Dは、配車システムの配車方法を示す図である。
【図5】図5は、配車システムの配車方法を示すフローチャートである。
【図6A】図6Aは、一般的な配車システムの配車方法を示す図である。
【図6B】図6Bは、一般的な配車システムの配車方法を示す図である。
【図6C】図6Cは、一般的な配車システムの配車方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお図示の簡略化のために、図4A乃至図4Dでは基地局100と管理センタ300とを含む一部の図示を省略している。また図4Bに示す移動局の動態情報は、図3に反映されている。また基地局100は少なくとも1つ以上、また移動局200は少なくとも2台以上で構成されており、本実施形態では簡略化のために図1ではそれぞれを3つのみ記載している。
【0020】
また移動局200は、GPSを使用して、現在位置を把握している。なお本実施形態における配車地点とは、移動局200の配車を依頼した乗客が、移動局200を来させる場所である。また送り先位置とは、移動局200に乗車する乗客の目的地である。
【0021】
図1に示すように配車システム10は、基地局100の圏内に配置される例えばタクシー等である移動局200と、移動局200と例えば文字と音声とを有するデータを例えばSCPC方式のデンタル無線により送受信するデータ通信(無線通信)を行う基地局100と、基地局100を介して移動局200とデータ通信を行う管理センタ300とから構成される。管理センタ300は、電話回線400と接続しており、乗客が使用する例えば電話機、FAX等の乗客情報端末500から電話回線400を介して配車を依頼される。
【0022】
各移動局200には、GPSを利用して現在位置を把握するために、1つまたは複数の人工衛星150から発せられた電波151を受信部であるアンテナ201aにて受信することで現在位置情報をリアルタイムで生成するGPS部201と、送受信部であるアンテナ202aを通じて基地局100と無線信号(ポーリング信号Po1と、ポーリング応答信号Po2)を送受信する例えばデジタル無線機である無線通信部202とが搭載されている。無線通信部202は、無線信号を基地局100と送受信することで、例えば現在位置情報と動態情報と管理センタ300からの配車要求を了解したことを示す了解信号とをポーリング応答信号Po2によって管理センタ300に送信し、管理センタ300から例えば配車要求をポーリング信号Po1によって受信する。
【0023】
また本実施形態における各移動局200には、GPS部201と無線通信部202とに接続している操作部203が搭載されている。操作部203は、乗務員が例えば配車要求に対する応答操作を行うための情報端末である。また操作部203は、例えば乗客の送り先位置(目的地)情報と乗客から配車を依頼(要求)される配車地点と管理センタ300からの配車要求とを、管理センタ300から基地局100とアンテナ202aと無線通信部202とを介して取得する。そのため操作部203は、例えば目的地情報と配車地点と配車要求と現在位置情報とを例えば音声と文字とで表示する図示しない表示部と、例えば配車要求に対して後述する了解信号を送信するための応答操作を行う操作ボタンを有する図示しない操作本体部とを有する。なお表示部は、GPS部201によって生成された現在位置情報を表示する例えばカーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)を有しても良い。
【0024】
管理センタ300は、基地局100を介して一部または全ての移動局200に対してポーリングを行う(ポーリング信号Po1とポーリング応答信号Po2とを送受信する)。これにより管理センタ300は、基地局100の圏内に配置される移動局200の現在位置情報と動態情報と例えば移動方向といったその他の情報とを、基地局100を介して所定の順番にて収集し、管理する。この順番とは、例えば図3に示す移動局リスト321aに記憶されている移動局200の車両番号の順、またはポーリングにより予め設定された応答順である(詳細については後述する)。この移動局リスト321aは、後述する図2に示す位置サーバ302におけるデータベース302aに格納されている。
【0025】
管理センタ300は、基地局100を介してポーリングを行うたびに、順次更新された例えば移動局200の動態情報及び現在位置情報を収集し、管理する。更新された動態情報及び現在位置情報は、順次書き換えられ、管理センタ300内部に設けられている後述する制御部310にて管理される。
【0026】
図1では、基地局100は、管理センタ300とは独立した形態であるが、配車システム10の規模に応じて基地局100と管理センタ300とを一体に構成することもできる。また基地局100は少なくとも1つであり、基地局100は有線にてそれぞれ管理センタ300に接続されている。
【0027】
このように配車システム10では、管理センタ300は基地局100を介して移動局200に配車要求(ポーリング信号Po1)を送信し、且つ管理センタ300は基地局100を介して移動局200からACK信号と現在位置情報と動態情報と(ポーリング応答信号Po2)を順次受信する、ポーリングが行われている。
【0028】
次に本実施形態における管理センタ300について図2と図3とを参照して詳細に説明する。
管理センタ300には、図2に示すようにComputer Telephony Integration(以下、CTI)サーバ301と、位置サーバ302と、Automatic Vehicle Monitoringサーバ(以下、AVMサーバ)303と、通話録音部304と、操作端末305と、制御部310とが設けられている。
【0029】
CTIサーバ301は、電話回線400と接続している。CTIサーバ301には、電話回線400を介して接続している乗客情報端末500を通じて得られた例えば、乗客の名前と、電話番号と、住所と、配車地点と、これまで乗車した主たる区間(例えば、自宅と病院との間)と、送り先位置と、といった乗客情報307bが登録されている。この乗客情報307bは、後述する操作端末305に設けられている表示部307にて図3に示すように表示される。
【0030】
格納部である位置サーバ302には、移動局200のためのデータベース302aと、迎車状態の移動局200のための迎車データベース302bとが格納されている。
データベース302aには、制御部310によって移動局情報を記憶された移動局リスト321aが格納されている。データベース302aは、乗客情報端末500と電話回線400とを介して乗客から管理センタ300に配車依頼があった際に、図3に示すように表示部307に移動局リスト321aを表示させる。この移動局情報には、例えば移動局200ごとに割り振られた車両番号と、各移動局200の現在の動態情報と、各移動局200の現在位置情報とが含まれている。なお移動局情報には、例えば、各移動局200の進行方向情報と、各移動局200の速度情報と、乗客の送り先位置をコード化した送り先現在位置情報と、乗客の送り先位置を文字にて表記した送り先位置地区情報と、配車地点と、乗客名と、迎車を指示した時刻とが含まれていてもよい。
移動局リスト321aは、ポーリングによって後述する制御部310にて管理されている例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を基に、制御部310によって作成されている。
【0031】
迎車データベース302bには、データベース302a(移動局リスト321a)から動態情報が迎車となっている移動局200の移動局情報が制御部310によって抽出され、制御部310によってこの移動局情報を記憶された迎車リスト321bが格納されている。迎車リスト321bに記憶されたこの移動局情報は、迎車となっている移動局200に関するものに限定しているために、迎車移動局情報と称する。つまり迎車データベース302bには、動態情報が迎車となっている移動局200の迎車移動局情報が含まれている。この迎車移動局情報には、移動局200ごとに割り振られた車両番号と、各移動局200の現在位置情報と、配車地点(乗客が依頼する移動局200の配車地点)とが含まれている。なお迎車移動局情報には、例えば各移動局200に配車を要求した乗客の名前と、各移動局200に迎車を指示した時刻とが含まれていてもよい。これら迎車移動局情報は、図3に示すように表示部307に表示される。
【0032】
なお位置サーバ302は、例えば約200台の移動局200を有する中小規模の配車システム10において、設けられていなくても良い。その際、AVMサーバ303が位置サーバ302の機能を有していれば良い。
【0033】
管理部であるAVMサーバ303は、基地局100を介して得られた例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を管理している。本実施形態では、ポーリング方式によってこれら情報が基地局100を介してAVMサーバ303に収集される。
【0034】
通話録音部304には、配車を依頼する乗客とオペレータとの電話における通話内容(通信記録)が録音されている。
【0035】
操作端末305には、入力部306と表示部307とが設けられている。
表示部307は、例えば、図3に示すように配車地点と移動局200の現在位置とを示す地図情報307aと、予めCTIサーバ301に登録されている乗客から乗客情報端末500と電話回線400を介して管理センタ300に配車依頼があった際、CTIサーバ301に登録されているこの乗客に関する乗客情報307bとを表示する。また表示部307は、図3に示すようにデータベース302aに格納されている移動局リスト321aと、迎車データベース302bに格納されている迎車リスト321bとを表示する。
【0036】
入力部306は、例えば配車を依頼した乗客が、予めCTIサーバ301に登録されていない新規であれば、新規乗客に関する乗客情報を入力する。また入力部306は、後述する配車先の変更を指示する指示部でもある。また入力部306は、乗客が依頼する移動局200の配車地点等を入力する。入力された配車地点は、例えば移動局リスト321aに格納されたり、配車要求を了解した移動局200の表示部203aに表示される。またオペレータと乗客との配車依頼に関する通話内容は通話録音部304に録音されているために、入力部306は、オペレータが後日通話内容を聞き返した際に、乗客情報等を入力することもできる。
【0037】
制御部310には、例えばポーリングといった所望するタイミングにて基地局100を介して収集した例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等が記憶(管理)されている。
制御部310は、CTIサーバ301と、位置サーバ302と、AVMサーバ303と、通話録音部304と、操作端末305とを制御し、下記における動作を行う。
【0038】
制御部310は、図4Aに示すように例えば管理センタ300に乗客Aから配車が依頼された際、データベース302aに格納されている移動局リスト321aに記憶された移動局情報における例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を基に、例えば空車状態で、移動局200の現在位置から乗客Aが配車を要求した配車地点610までの距離または道のりが最も短い位置に位置する移動局200を探索する。この移動局200を、車両番号1を有する移動局200aと称する。なおここでは、移動局200aよりも配車地点610に近い例えば移動局200bの動態情報は、例えば実車としている。そのため制御部310は、乗客Aのために配車する候補から移動局200bを削除している。移動局200bは、車両番号2を有している。
【0039】
制御部310は、この移動局200aに、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて配車要求(配車指示)を行う。つまり制御部310は、乗客Aのために、この移動局200aを配車地点610に配車する。
【0040】
制御部310は、この移動局200aから、基地局100を介してポーリング応答信号Po2を受信する。なおこの場合のポーリング応答信号Po2は、配車要求に対して了解であることを示すACK信号(返送信号)を含む了解信号である。制御部310が、この了解信号を、予め設定された受付時間(例えば略5秒〜略7秒)内に、移動局200aから受け取ると、配車が完了となる。
【0041】
このとき、移動局200aの動態情報は、空車から乗客Aのために図3と図4Bとに示すように迎車となる。
また動態情報が迎車となっている移動局200が存在すると、制御部310は迎車データベース302bに迎車移動局情報を記憶した迎車リスト321bを格納する。
【0042】
また図4Bに示すように例えば管理センタ300に乗客Aよりも後に乗客Bから配車が依頼された際、制御部310は、データベース302aに格納されている移動局リスト321aに記憶された移動局情報における例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を基に、例えば空車状態で、移動局200の現在位置から乗客Bが配車を要求した配車地点620までの距離または道のりが最も短い位置に位置する移動局200を探索する。この移動局200を移動局200bと称する。この移動局200bは、図4Aに示すように乗客Aが配車を要求した際に動態情報が実車で、図3と図4Bに示すように乗客Bが配車を要求した際に動態情報が空車となっている移動局である。
【0043】
このとき制御部310は、配車地点620が配車地点610と同じ地域(同一地域630)に含まれるか否かを、例えば、配車地点610に対応する迎車データベース302bに格納されている迎車リスト321bに記憶された迎車移動局情報における配車地点と、配車地点620に対応する乗客情報307bにおける配車地点と、地図情報307aとを基に判別する。
この同一地域630とは、例えば先に配車を要求した乗客Aの配車地点610から例えば半径100m以内などの所望の範囲に、配車地点620が位置することを示す。つまり同一地域630には、乗客Aの配車地点610と乗客Bの配車地点620とが含まれる。
【0044】
また制御部310は配車地点620が配車地点610と同一地域630であると判別すると、制御部310は、データベース302aに格納されている移動局リスト321aに記憶された移動局情報における移動局200aの現在位置情報、または迎車データベース302bに格納されている迎車リスト321bに記憶された迎車移動局情報における移動局200aの現在位置情報と、地図情報307aとを基に、移動局200aが配車地点610に到達したか否かを判別する。
【0045】
また制御部310は移動局200aが配車地点610に到達していないと判別すると、図4Cに示すように制御部310は、例えば移動局200aの現在位置情報と、移動局200bの現在位置情報と、地図情報307aとを基に、例えば配車地点610から移動局200aの現在位置までの距離Aと、配車地点610から移動局200bの現在位置までの距離Bとを算出する。
このとき制御部310は、データベース302aに格納されている移動局リスト321aに記憶された移動局情報または迎車データベース302bに格納されている迎車リスト321bに記憶された迎車移動局情報を基に移動局200aの現在位置情報を算出し、データベース302aに格納されている移動局リスト321aに記憶された移動局情報を基に移動局200bの現在位置情報を算出する。
【0046】
そして図4Cに示すように制御部310は、距離Aと距離Bとを比較し、距離Bが距離Aよりも短いか否か、つまり移動局200bの現在位置が移動局200aの現在位置よりも配車地点610に近いか否かを判別する。
【0047】
制御部310は距離Bが距離Aよりも一定の距離(例えば1km)以上短いと判別すると、図4Dに示すように、制御部310は、移動局200aに、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて、配車変更要求(配車変更指示)、つまり乗客の変更と配車先の変更を指示する。より具体的には、制御部310は、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて、移動局200aに、迎車のための乗客が乗客Aから乗客Bに変更し、配車先も配車地点610から配車地点620に変更する旨を伝える。つまり制御部310は、乗客Bのために、この移動局200aを配車地点620に配車するように移動局200aに配車変更を指示する。
【0048】
また制御部310は、この移動局200bに、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて配車要求(配車指示)を行う。つまり制御部310は、乗客Aのために、この移動局200bを配車地点610に配車する。
【0049】
そして制御部310は、この移動局200a,200bから、それぞれポーリング応答信号Po2を基地局100を介して受信する。なおこの場合のポーリング応答信号Po2は、配車要求に対して了解であることを示すACK信号(返送信号)を含む了解信号である。制御部310が、この了解信号を、了解信号を受け付けるために予め所望に設定された受付時間(例えば略5秒〜略7秒)内に、移動局200a,200bから受け取ると、配車が完了となる。
【0050】
なお移動局200aの動態情報は乗客Bのために迎車となり、移動局200bの動態情報は空車から乗客Aのために迎車となる。
【0051】
このように制御部310は、先に配車を要求した乗客Aのために配車地点610に既に移動局200aを配車し、配車地点610と同一の地域である同一地域630の周辺において、移動局200aよりも同一地域630の近くに空車状態の移動局200bが存在し、同一地域630からこの乗客Aが配車を要求した後に他の乗客Bから同一地域630における配車地点620に配車が要求された際、空車状態の移動局200bを最初に配車を要求した乗客Aのための配車地点610に配車し、既に配車が決まっている移動局200aを乗客Aよりも後から配車を要求した乗客Bのための配車地点620に配車するように移動局200aの配車先を変更する。
【0052】
また配車地点620が配車地点610と同一の地域である同一地域630に含まれ、移動局200aが配車地点610に到達していない場合、制御部310は、配車地点610から移動局200aの現在位置までの距離Aと、配車地点610から移動局200bの現在位置までの距離Bとを比較し、距離Bが距離Aよりも所定の距離以上短い場合に、制御部310は、上述したように移動局200bを配車地点610に配車し、移動局200aを配車地点620に配車するように移動局200aの配車先を変更する。
【0053】
上記を言い換えると、制御部310は、少なくとも第1の地点である配車地点610に移動する移動局200aと、第2の地点である配車地点620に移動する移動局200bとにおいて、移動局200aの現在位置から配車地点610までの距離Aを算出し、移動局200bの現在位置から配車地点610までの距離Bを算出し、距離Aと距離Bとを比較し、移動局200a,200bの配車先変更の要否を判別し、配車先変更が要であると判別した場合、移動局200bを配車地点610へ配車し、移動局200aを配車地点620へ配車する。
なお配車先変更の要否とは、上述したように、例えば距離Bが距離Aよりも短いか否か、つまり移動局200bの現在位置が移動局200aの現在位置よりも配車地点610に近いか否かを示す。
【0054】
次に本実施形態における配車システム10による配車方法について図3乃至図5を参照して説明する。
図4Aに示すように、乗客情報端末500と電話回線400とを経由して乗客Aから配車先である配車地点610への配車が管理センタ300に依頼される(Step1)。
【0055】
管理センタ300において、表示部307は、制御部310によって、図3に示すように、データベース302aに格納され、移動局情報が記憶された移動局リスト321aと、CTIサーバ301に登録されている乗客に関する乗客情報307bとを表示する。このとき表示部307は、地図情報307aを表示してもよい。またこのとき配車地点610は、乗客情報307bと地図情報307aとに含まれる。
【0056】
次に図4Aに示すように制御部310は、移動局リスト321aにおける例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を基に、例えば空車状態で、移動局200の現在位置から配車地点610までの距離または道のりが最も短い位置に位置する移動局200を探索する(Step2)。この探索に該当する移動局200を、車両番号1を有する移動局200aと称する。
【0057】
なおこのとき本実施形態では、図4Aに示すように、移動局200aよりも配車地点610に近い例えば移動局200bの動態情報は、例えば実車としている。そのため制御部310は、乗客Aのために配車する候補から移動局200bを削除している。移動局200bは、車両番号2を有している。
【0058】
そして図4Aに示すように制御部310は乗客Aのためにこの移動局200aを配車地点610に配車するように移動局200aに配車を指示し、移動局200aの動態情報は空車から乗客Aのために迎車となる(Step3)。またこのとき、移動局リスト321aには、移動局200aの配車地点が配車地点610であることが記憶される。
【0059】
このとき制御部310は、図3に示すように迎車データベース302bに迎車移動局情報を記憶した迎車リスト321bを格納する(Step4)。そして表示部307は、制御部310によって、図3に示すように迎車データベース302bに格納されている迎車リスト321bを表示する。またこのとき、迎車リスト321bには、移動局200aの配車地点が配車地点610であることが記憶される。
【0060】
次に図4Bに示すように、乗客情報端末500と電話回線400とを経由して乗客Bから配車先である配車地点620への配車が管理センタ300に依頼される(Step5)。このとき配車地点620は、乗客情報307bと地図情報307aとに含まれる。
【0061】
このとき、実車であった移動局200bの動態情報は、図3と図4Bとに示すようにすでに空車となっているものとする。
【0062】
図4Bに示すように、制御部310は、移動局リスト321aにおける例えば移動局200の現在位置情報及び動態情報等を基に、例えば空車状態で、移動局200の現在位置から配車地点620までの距離または道のりが最も短い位置に位置する移動局200を探索する(Step6)。この探索に該当する移動局200を上述した移動局200bと称する。またこの時点では、移動局200bは、配車候補である。
【0063】
次に図4Bに示すように、制御部310は、配車地点620が配車地点610と同じ地域(同一地域630)に含まれるか否かを、例えば、配車地点610に対応する移動局リスト321aと、配車地点620に対応する乗客情報307bと、地図情報307aとを基に判別する。(Step7)。つまり制御部310は、配車地点620が配車地点610から例えば半径100m以内などの所望の範囲に位置するか否かを判別する。
【0064】
配車地点620が配車地点610と同一の地域である、と制御部310が判別した場合(Step7:YES)、図4Bに示すように、制御部310は、移動局200aが配車地点610に到達したか否かを判別する(Step8)。制御部310は、この判別を、移動局リスト321aにおける移動局200aの現在位置情報、または迎車リスト321bにおける移動局200aの現在位置情報と、地図情報307aとを基にしている。
【0065】
移動局200aが配車地点610に到達していない、と制御部310が判別した場合(Step8:NO)、図4Cに示すように、制御部310は、例えば移動局200aの現在位置情報と、移動局200bの現在位置情報と、地図情報307aとを基に、距離Aと距離Bとを算出する。(Step9)。
このStep9は、移動局200aの現在位置から配車地点610までの距離Aを算出する第1の距離算出ステップと、移動局200bの現在位置から配車地点610までの距離Bを算出する第2の距離算出ステップとであることを示す。
【0066】
そして図4Cに示すように、制御部310は、距離Aと距離Bとを比較し、距離Bが距離Aよりも所定の距離短いか、つまり移動局200bの現在位置が移動局200aの現在位置よりも配車地点610に近いか否かを判別する(Step10)。
このStep10は、第1の距離算出ステップにより算出された距離Aと、第2の距離算出ステップにより算出された距離Bとを比較し、配車先変更の要否を判別する判別ステップであることを示す。
【0067】
距離Bが距離Aよりも短い、と制御部310が判別した場合(Step10:YES)、図4Dに示すように、制御部310は、移動局200aに、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて配車変更要求(配車変更指示)、つまり乗客の変更と配車先の変更を指示する。より具体的には、制御部310は、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて、移動局200aに、迎車のための乗客が乗客Aから乗客Bに変更し、配車先も配車地点610から配車地点620に変更する旨を伝える。この旨は、移動局200の図示しない表示部において、例えば音声と文字とで伝達される。(Step11)。
【0068】
また図4Dに示すように、制御部310は、この移動局200bに、基地局100を介してポーリング信号Po1を用いて配車要求(配車指示)を行う。つまり制御部310は、乗客Aのために、この移動局200bを配車地点610に配車する(Step12)。
【0069】
そして移動局200aの動態情報は乗客Bのために迎車となり、移動局200bの動態情報は空車から乗客Aのために迎車となる。
Step11とStep12とは、Step10における判別ステップにより配車先変更が要であると判別された場合(Step10:Yes)、移動局200bを配車地点610へ配車し、移動局200aを配車地点620へ配車することを示す。
【0070】
なおStep7において配車地点620が配車地点610と同一地域630でない場合(Step7:NO)と、Step8において移動局200aがすでに配車地点610に到達した場合(Step8:YES)と、Step10において移動局200aが素早く移動し、距離Bが距離Aよりも長くなってしまった場合(Step10:NO)とにおいて、Step11,Step12に示すように制御部310は、移動局200aの配車先を変更せず、移動局200bを配車地点620に配車する(Step13)。
【0071】
このように本実施形態では、先に配車を要求した乗客Aのために配車地点610に既に移動局200aを配車し、配車地点610と同一の地域である同一地域630の周辺において、移動局200aよりも同一地域630の近くに空車状態の移動局200bが存在し、同一地域630からこの乗客Aが配車を要求した後に他の乗客Bから同一地域630における配車地点620に配車が要求された際、制御部310によって、空車状態の移動局200bを最初に配車を要求した乗客Aのための配車地点610に配車し、既に配車が決まっている移動局200aを乗客Aよりも後から配車を要求した乗客Bのための配車地点620に配車するように移動局200aの配車先を変更する。
また本実施形態では、配車地点620が配車地点610と同一の地域である同一地域630に含まれ、移動局200aが配車地点610に到達していない場合に、制御部310によって距離Aと距離Bとが比較され、距離Bが距離Aよりも所定の距離以上短い場合に、制御部310によって移動局200bを配車地点610に配車し、移動局200aを配車地点620に配車するように移動局200aの配車先を制御部310によって変更する。
【0072】
つまり本実施形態では、距離Aと距離Bとを算出し、距離Aと距離Bと比較し、比較結果を基に配車先変更の要否を判別し、配車先変更が要であると判別した場合、移動局200bを配車地点610へ配車し、移動局200aを配車地点620へ配車する。
【0073】
これにより本実施形態では、イベント等が開催される会場や駅前のタクシー乗り場などといった同一地域から多数の配車が要求された場合に、配車の食い違いを防止でき、つまり先に配車を要求した乗客Aよりも先に、後に配車を要求した乗客Bに移動局200が配車されることを防止できる。
これにより本実施形態では、乗客Aには移動局200aではなく移動局200bが配車されるために、移動局200aが配車されるよりも結果的に乗客Aの待ち時間を減らすことができる。
【0074】
そしてこれにより本実施形態では、乗客Bに先に配車されることを防止できるために、配車に対する乗客(この場合、乗客A)への心証が低下してしまうことを防止できる。
【0075】
また、仮に乗客Bが存在しない状態で、乗客Aに配車される移動局200が移動局200aから移動局200bに変更すると、配車を取り消された移動局200aの業務効率が低下してしまう。しかしながら本実施形態では、配車地点610と、配車地点610と同一の地域(同一地域630)に含まれる配車地点620とに配車が要求された場合にのみ、配車する移動局200を変更し、乗客の数と配車の数とを一致させている。
また本実施形態では、乗客Bから配車を要求されて移動局を探索した際に、配車地点610に最も近い位置に位置している移動局200bを配車地点610に配車し、移動局200bの次に配車地点610、配車地点620または同一地域630に近い位置に位置している移動局200を配車地点620に配車し、移動局200aの配車を取り消すわけではない。本実施形態では、移動局200aの配車を取り消さず、移動局200aの配車を維持した状態で、移動局200bを探索し、移動局200aと移動局200bとの配車を変更及び指示している。
よって本実施形態では、配車が取り消されてしまう移動局200が現れることを防止でき、無駄なく効率よく移動局200を配車することができ、移動局200の業務効率を向上させることができる。
【0076】
また本実施形態では、乗客の数を乗客Aと乗客Bとの2人、移動局200の数を移動局200aと移動局200bとの2台で説明したが、これらの数は互いに同数であれば限定されない。
【0077】
また本実施形態では、移動局200aの配車先を乗客B,配車地点620に変更し、移動局200bの配車先を乗客A,配車地点610に設定した後に、さらに乗客Cから同一地域630における図示しない配車地点に配車要求があるとする。この場合、移動局200bの時と同様に、制御部310は、新たに現在位置からこの配車地点までの距離が最短に位置し、空車状態の移動局200cを探索する。移動局200a,200bが配車地点620,610にそれぞれ到達していなければ、制御部310は、各移動局の現在位置から例えば乗客Cが要求した配車地点までの距離をそれぞれ算出し、上記同様に配車を変更すれば良い。
【0078】
なお本実施形態では、制御部310によって距離Aと距離Bとを比較したが、これに限定する必要はなく、例えば移動局200aと移動局200bとが配車地点610にそれぞれ到着するそれぞれの予想到着時間を比較してもよい。このように比較する対象は、特に限定されない。
【0079】
また本実施形態では、距離Bが距離Aよりも短いと判別した場合、配車を入れ替えたが、距離Aが例えば150m、距離Bが100mといったように距離A,Bそれぞれが所望な距離以下のように、移動局200a,200bが配車地点610に近づいている場合、配車の入れ替えをせず、移動局200bを乗客Bに配車することで、業務効率を向上させることができる。もちろんこの点は、距離を上述した予想時間に置き換えても同様である。
【0080】
また本実施形態では、距離Aと距離Bとの差が例えば50mといったように所望な距離以下の場合、上記同様に配車の入れ替えをせず、移動局200bを乗客Bに配車することで、業務効率を向上させることができる。もちろんこの点は、距離を上述した予想時間に置き換えても同様である。
【0081】
また本実施形態では、制御部310が配車を変更した後に、制御部310が例えば移動局200の現在地情報と速度情報とを基に例えば渋滞などを認識した際に、再び配車を変更しても良い。
【0082】
また本実施形態では、乗客A,Bが配車を要求した際に、空車状態(動態情報)の移動局200を探索したが、これに限定する必要はなく、例えば空車予定の車両など、実車状態であっても配車先が同一地域630であれば、探索候補に加えてもよい。
【0083】
また本実施形態では、Step8において、移動局200aが配車地点610に到達していなくても、移動局200aが配車地点610に所望な距離近づいていると、制御部310は配車を変更しなくても良い。言い換えると、移動局200aが配車地点610から所望な距離離れていると、Step8:Noとなり、Step9に進み、制御部310は配車を変更する。
【0084】
なお本実施形態では、移動局200aに配車変更を指示した後に移動局200bに配車を指示しているが、この順序に限定はされない。
本実施形態では、配車地点610に近い側に位置する移動局200bへ配車を指示するよりも先に、配車地点610よりも遠い位置に位置する移動局200aへの配車変更を指示することで、移動局200aに配車の変更を早めに知らせることができ、移動局200aに余裕を持たせて配車地点620に移動させることができる。
また本実施形態では、配車地点610よりも遠い位置に位置する移動局200aへの配車変更を指示よりも先に、配車地点610に近い側に位置する移動局200bへ配車を指示することで、移動局200bを素早く配車地点610に配車できるために乗客Aの待ち時間をより短くすることができる。
【0085】
なお本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0086】
10…配車システム、100…基地局、200,200a,200b…移動局、300…管理センタ、301…CTIサーバ、302a…データベース、302b…迎車データベース、302…位置サーバ、303…AVMサーバ、304…通話録音部、305…操作端末、306…入力部、307…表示部、307a…地図情報、307b…乗客情報、310…制御部、321a…移動局リスト、321b…迎車リスト、400…電話回線、500…乗客情報端末、610…配車地点、620…配車地点、630…同一地域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の地点に移動する第1の移動局と、第2の地点に移動する第2の移動局とを備えた配車システムの配車方法であって、
前記第1の移動局の現在位置から前記第1の地点までの距離を算出する第1の距離算出ステップと、
前記第2の移動局の現在位置から前記第1の地点までの距離を算出する第2の距離算出ステップと、
前記第1の距離算出ステップにより算出された距離と、前記第2の距離算出ステップにより算出された距離とを比較し、配車先変更の要否を判別する判別ステップと、
を具備し、
前記判別ステップにより配車先変更が要であると判別された場合、前記第2の移動局を前記第1の地点へ配車し、前記第1の移動局を前記第2の地点へ配車することを特徴とする配車システムの配車方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2011−81717(P2011−81717A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235336(P2009−235336)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】