説明

配送伝票

【課題】 ゴミとなる第3基材31を、他の用途に使用できる配送伝票を提供する。
【解決手段】 受領記録部J、配達先情報部H及び熨斗部Nとが切り離し可能に連設された第1基材11、第2基材21及び第3基材31とからなり、伝票本体部D及び熨斗部N領域に対応する第2基材21の前記第3基材31面側へ粘着剤層23、離型層25が積層され、前記領域以外に対応する第2基材21の第3基材31面側へ離型層25’、粘着剤層23’が積層され、前記離型層25と前記粘着剤層23’の各面へ第3基材31が積層されてなり、受領記録部J領域と配達先情報部H領域との間にハーフカットC21が設けられ、伝票本体部D及び熨斗部Nの周囲又は両端にはハーフカットC11が設けられ、第3基材31は第1基材11及び第2基材21から剥離し分離可能、かつ物品に貼着可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送伝票に関し、さらに詳しくは、単に配送伝票としての目的以外に簡易包装に用いれる簡易包装紙を内蔵した配送伝票に関するものである。
【0002】
本明細書において、「EDI」は「Electronic Data Interchange」、「NIP」は「ノンインパクトプリンタ」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)宅配事業などに用いられている伝票は、いわゆる1Part式の配送伝票の需要が益々増加している。特に、通信販売の分野では、顧客からの注文を受けた後、顧客の住所、氏名と注文内容といった情報をデータ化した上で、配送伝票とピッキングリストや納品明細書といった付属帳票をプリンタで出力している。その後、配送物を揃え確認した上で、配送伝票を貼付し、宅配業務を行なっている。コンバーティング技術の向上とEDI化の発展により、宅配事業に用いられるいわゆる配送伝票の複写伝票型からいわゆる1パート型やラベル型への転換が加速し、利便性の向上が図られている。更に通信販売等の拡大により、宅配便の取扱い個数も伸びている。1パート型の配送伝票としては次のようなタイプがある。(1)剥離紙にパターン粘着加工を施しNIP印字基材を貼り合せた2層式では、コスト面では安価であるものの落伝が発生しやすい問題がある。(2)ベース基材に部分的に離型層を設け、同一パターンに粘着剤を塗布し、その他の部分は強接着もしくは剥離可能とし、貼付の際は離型基材を部分的に剥離して使用する2.5層式では、宣伝広告が入れられ、比較的落伝のリスクも少なく、費用対効果で見るとコスト面でも比較的優位である。(3)タック基材/粘着剤層/剥離紙から構成されるタック紙にNIP印字基材を貼り合わせ一部を剥離可能とした3層式では、コストが高く、厚手になるためプリンタ適性が悪いというデメリットがあるが、使い勝手が良く、宣伝広告の印刷も可能であり、落伝も発生し難いというメリットがある。しかしながら、3層式の1パート型の配送伝票においても、配送伝票としての目的を果たした後の剥離紙(本願発明の第3基材(31)に相当する)は、単に粘着剤層を保護するためだけでゴミとして処分されているのを、簡易包装紙として使用することで、環境的観点においても廃棄物の有効活用という視点でも問題があった。そこで、配送伝票は、3層式の1パート型の配送伝票においても、配送伝票としての目的を果たした後の剥離紙は、単に粘着剤層を保護するためだけでゴミとして処分されているのを、簡易包装紙として使用でき、なおかつ、熨斗を内熨斗、外熨斗として選択できる付加価値のついた配送伝票が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−91264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(従来技術)従来、3層式の1パート型の配送伝票は、宛先表示票と引渡確認受領票とを切り離し可能に区画する切断予定線とを備える表面基材と、前記表面基材の下に形成され、少なくとも前記引渡確認受領票を剥離可能に接着する接着剤層と、前記接着剤層の下に形成され、前記表面基材を保持する中間基材と、前記中間基材の下に形成され、荷物に貼付可能な粘着剤層とを有する(以上請求項1)、前記粘着剤層の下に形成され、前記粘着剤層を保護する剥離基材をさらに備える(以上請求項3)ことを特徴とする配送伝票が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、剥離基材(本願発明の第3基材(31)に相当する)は配送伝票としての目的を果たした後には、単に粘着剤層を保護するためだけであったので、不要になってゴミとして処分される。環境的にも廃棄物が増加し、廃棄物の有効活用というという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、3層式の1パート型の配送伝票において、単に粘着剤を保護するためだけでゴミとして処分されている剥離紙(本願発明の第3基材(31)に相当する)を、簡易包装紙として使用することで環境的観点においても廃棄物の有効活用という視点から有効であり、なおまた、熨斗を内熨斗、外熨斗として選択できる配送伝票を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる配送伝票は、少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とから構成される伝票本体部(D)、及び熨斗部(N)とがそれぞれ切り離し可能に連設された第1基材(11)、並びに前記第1基材(11)に相対して積層される第2基材(21)及び第3基材(31)とからなり、前記受領記録部(J)領域の前記第1基材(11)の前記第2基材(21)面側へ剥離層(13)が積層され、該剥離層(13)を含む前記第1基材(11)の前記第2基材(21)面側へ接着剤層(15)が設けられ、該接着剤層(15)面へ前記第2基材(21)が積層され、前記伝票本体部(D)及び前記熨斗部(N)領域に対応する第2基材(21)の前記第3基材(31)面側へ粘着剤層(23)が積層され、かつ、前記領域以外に対応する第2基材(21)の前記第3基材(31)面側へ離型層(25’)が積層され、前記粘着剤層(23)面へ離型層(25)がさらに積層され、前記離型層(25’)面へ粘着剤層(23’)がさらに積層され、前記離型層(25)と前記粘着剤層(23’)の各面へ前記第3基材(31)が積層されてなり、前記受領記録部(J)領域と前記配達先情報部(H)領域との間に前記第1基材(11)及び剥離層(13)を貫通するハーフカット(C21)が設けられ、前記伝票本体部(D)及び前記熨斗部(N)の周囲又は両端には前記第1基材(11)、接着剤層(15)、前記第2基材(21)及び前記粘着剤層(23)を貫通するハーフカット(C11)が設けられ、前記受領記録部(J)は前記第2基材(21)及び前記第3基材(31)から剥離し分離可能で、前記熨斗部(N)領域の前記第1基材(11)及び前記第2基材(21)は前記第3基材(31)から剥離し分離可能、かつ被着体の内部又は外部へ貼着可能で、前記第3基材(31)は前記第1基材(11)及び前記第2基材(21)から剥離し分離可能、かつ物品に貼着可能であることを特徴とする配送伝票(10)である。請求項2の発明に係わる配送伝票は、請求項1において、第3基材(31)の第1基材(11)と反対側の裏面に印刷及び/又は個別情報が印字されてなることを特徴とする配送伝票(10)である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、単に粘着剤を保護するためだけでゴミとして処分されている剥離紙を、簡易包装紙として使用することができ、なおかつ、熨斗を内熨斗、外熨斗として選択できる効果を奏する。請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記第3基材(31)の裏面に、挨拶文、使用方法、取り扱い方法、広告宣伝などの印刷及び/又は印字されているので、従来捨てられていた前記第3基材(31)を有効利用される効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の配送伝票の1実施例を示す平面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本願発明の配送伝票の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0011】
(配送伝票)本願発明の配送伝票(10)は、図1に示すように、少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とから構成される伝票本体部(D)、及び熨斗部(N)とがそれぞれ切り離し可能に連設された第1基材(11)、並びに第1基材(11)に相対して積層される第2基材(21)及び第3基材(31)とからなっている。受領記録部(J)領域の第1基材(11)の第2基材(21)面側へ剥離層(13)が積層され、該剥離層(13)を含む第1基材(11)の第2基材(21)面側へ接着剤層(15)が設けられ、該接着剤層(15)面へ第2基材(21)が積層され、伝票本体部(D)及び熨斗部(N)領域に対応する第2基材(21)の第3基材(31)面側へ粘着剤層(23)が積層され、かつ、前記領域以外に対応する第2基材(21)の第3基材(31)面側へ離型層(25’)が積層され、粘着剤層(23)面へ離型層(25)がさらに積層され、離型層(25’)面へ粘着剤層(23’)がさらに積層され、離型層(25)と粘着剤層(23’)の各面へ第3基材(31)が積層されている。そして、受領記録部(J)領域と配達先情報部(H)領域との間に第1基材(11)及び剥離層(13)を貫通するハーフカット(C21)が設けられ、伝票本体部(D)及び熨斗部(N)の周囲又は両端には第1基材(11)、接着剤層(15)、第2基材(21)及び粘着剤層(23)を貫通するハーフカット(C11)が設けられている。さらに、受領記録部(J)は第2基材(21)及び第3基材(31)から剥離し分離可能で、熨斗部(N)領域の第1基材(11)及び第2基材(21)は第3基材(31)から剥離し分離可能、かつ被着体の内部又は外部へ貼着可能で、第3基材(31)は第1基材(11)及び第2基材(21)から剥離し分離可能、かつ物品に貼着可能である。
【0012】
(運用)顧客からの注文を受けた後、顧客の住所、氏名と注文内容といった情報をデータ化した上で、本願発明の配送伝票(10)の受領記録部(J)と配達先情報部(H)を有する第1基材(11)面の表面側に、所望の情報をプリンタで出力(印字)する。また、必要に応じて熨斗の付加情報、ピッキングリストや納品明細書といった付属帳票も印字してもよい。
【0013】
その後、配送物である被着体(101)を揃え確認した上で、まず、配送伝票(10)の切断面とハーフカット(C11)とで囲まれている熨斗部(N)を、第2基材(21)及び第3基材(31)の離型層(25)から容易に剥離でき分離すると、粘着剤層(23)が露出するので、図3に示すように、該熨斗部(N)を被着体(101)へ貼着する。この際には、配達先に合わせて、熨斗部(N)を被着体(101)の内部に貼着して内熨斗としてもよく、また、被着体(101)の外部へ貼着して外熨斗としてもよいので、内熨斗、外熨斗のいずれにも選択することができるので利便性が高い。また、外熨斗とする場合には、被着体(101)へ後述する簡易包装紙とした第3基材(31)の上面へ貼着してもよい。
【0014】
次に、受領記録部(J)と配達先情報部(H)とから構成される伝票本体部(D)を、第2基材(21)及び第3基材(31)の離型層(25)から容易に剥離でき分離すると粘着剤層(23)が露出するので、該粘着剤層(23)で被着体(101)へ貼付して、宅配業務が行える。
【0015】
被着体(101)へ貼着した伝票本体部(D)には受領記録部(J)と配達先情報部(H)とからなっているので、受領記録部(J)は、配送後に受領印を受けた後に、第2基材(21)の接着剤層(15)とから容易に剥離でき、分離できるので、受領記録として持ち帰り保管できる。
【0016】
第1基材(11)及び第2基材(21)から構成されている熨斗部(N)及び伝票本体部(D)を剥離し分離すると、離型層(25)と粘着剤層(23’)と第3基材(31)とが残る。離型層(25)は極めて薄いので、第3基材(31)のみ基材と同様になり、別の用途に使用可能である。例えば、簡易包装紙、メモ用紙、挨拶状や感謝の言葉などにも使用できる。特に、分離した第3基材(31)の両端部には粘着剤層(23’)があり、被着体(101)である配送物へ貼着できるので簡易包装紙に好適である。
【0017】
また、第3基材(31)の第1基材(11)と反対側の面に印刷及び/又は個別情報を印字しておくことが好ましい。印刷及び/又は個別情報としては、包装用絵柄、文言、宣伝広告などであり、落伝のリスクも少なく、費用対効果の点からも低コストとすることができる。3層式の1パート型の配送伝票においても、従来は単に粘着剤を保護するためだけでゴミとして処分されている剥離紙(本願発明の第3基材(31)に相当する)を、簡易包装紙などと再使用することで、環境的にも、廃棄物の有効活用という視点から有効である。
【0018】
(第1基材)第1基材(11)としては、少なくとも受領記録部(J)と配達先情報部(H)へ印字できればよく、特に限定されるものではないが、表面にレーザプリンタ、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなどのノンインパクトプリンタで印字できる用紙が用いられる。例えば、感熱発色用紙(サーマル用紙)、熱転写記録用紙、インクジェット記録用紙などである。
【0019】
(第2基材)第2基材(21)は特に限定されるものではないが紙、織物、プラスチックフィルム等から形成されており、その厚さも特に限定はされないが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。ハーフカット加工適性をもち、接着剤層(15)等の塗工適性を有していればよく、上質紙、コート紙が好ましい。
【0020】
(第3基材)第3基材(31)は特に限定されるものではないが紙、織物、プラスチックフィルム等から形成されており、その厚さも特に限定はされないが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。ハーフカット加工適性をもち、離型層(25)等の塗工適性を有していればよく、上質紙、コート紙が好ましい。また、第1基材(11)、第2基材(21)及び/又は第3基材(31)の両側にはピントラクタで送るためのマージナル部が設けられていてもよい。
【0021】
(接着剤層)接着剤層(15)としては、剥離層(13)を設けた第1基材(11)と第2基材(21)とを積層するためのものであり、例えば、ウレタン系、アクリル系、酢酸ビニール系などの熱可塑性樹脂を使用することができ、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷法又はコーティング法によって、厚み0.1〜50μm程度、好ましくは2〜15μmに塗布し、貼り合わせ前又は後に、必要に応じて乾燥させる。第1基材(11)と第2基材(21)とを接着剤(又は樹脂)が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット又はセミウェットラミネート方式、熱圧着方式や感圧方式によって貼り合わせることが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0022】
(粘着剤層)粘着剤層(23)は被着体(101)である配送物に伝票本体部(D)を貼付可能とし、粘着剤層(23’)は分離された第3基材(31)を簡易包装などの別用途に用いる場合に貼着を可能とする。粘着剤層(23)及び粘着剤層(23’)としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等が適用できるが、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層(23)及び粘着剤層(23’)を形成するための粘着剤の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2で程度、好ましくは3〜30g/m2であり、塗布厚は0.1〜50μm程度、好ましくは3〜30μmである。
【0023】
(離型層)離型層(25)及び離型層(25’)は、伝票本体部(D)及び熨斗部(N)を剥がした際に、第2基材(21)又は第3基材(31)と共に剥離され除去される層である。離型層(25)及び離型層(25’)としては、第2基材(21)の粘着剤層(23)及び第3基材(31)の粘着剤層(23’)から容易に剥離できるような接着性の低い樹脂を使用することが好ましく、例えば弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などの離型性樹脂、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂など離型剤を含んだ樹脂が例示できる。離型層(25)及び離型層(25’)の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法で、所望の部分へ塗布し乾燥して塗膜を形成して皮膜を形成したりすれば良い。離型層(25)及び離型層(25’)の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
【0024】
(剥離層)剥離層(13)は離型層(25)及び離型層(25’)と同様の材料と塗布方法が適用できるが、剥がした際に、第1基材(11)側に残っている層である。
【0025】
(目止め層)接着剤層(15)、粘着剤層(23)、粘着剤層(23’)、離型層(25)、離型層(25’)及び剥離層(13)を形成する際に、第1基材(11)及び、第2基材(21)及び第3基材(31)の塗布面へ浸透を防止するために、目止め層を設けてもよい。目止め層としては、所謂バインダと呼ばれる、従来公知の塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用し、必要に応じて添加剤を加えて、公知のコーティング法又は印刷法で塗布又は印刷すればよい。
【0026】
(製造方法)配送伝票(10)の製造に関しては、まず、受領記録部(J)領域の第1基材(11)の第2基材(21)側へ剥離層(13)を設け、接着剤層(15)を介して、第2基材(21)と積層して、第一積層体とする。該第一積層体の第2基材(21)面へ離型層(25’)を設け、予め離型層(25)を設けておいた第3基材(31)とを粘着剤層(23)を介して積層して、第二積層体とする。該第二積層体の所定の箇所にハーフカットの処理をして、所定のサイズのシート状に裁断(シートカット)して、配送伝票(10)が作製できる。
【0027】
また、第一積層体とする際に、第2基材(21)へ予め離型層(25’)を設けておけば該第一積層体の第2基材(21)面へ離型層(25’)を設けなくともよい。さらに、必要に応じて、第1基材(11)、第2基材(21)及び/又は第3基材(31)の片側及び/又は両面に予め所望の印刷を施しておいてもよい。第1基材(11)、第2基材(21)及び第3基材(31)の位置を合わせる場合にはマージナル部のピントラクタで送ることで合わせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
(産業上の利用可能性)本発明の配送伝票の主なる用途としては、宅配事業などに用いられている3層式の1パート型の配送伝票で、単に粘着剤を保護するためだけでゴミとして処分されている第3基材(31)を、簡易包装紙などとして使用することで環境的観点においても廃棄物の有効活用という視点から有効であり、なおかつ、熨斗を内熨斗、外熨斗として選択できる付加価値の高い配送伝票に利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
10:配送伝票
11:第1基材
13:剥離層
15:接着剤層
21:第2基材
23:粘着剤層
25:離型層
31:第3基材
101:被着体
C11:ハーフカット
C21:ハーフカット
D:伝票本体部
N:熨斗部
H:配達先情報部
J:受領記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とから構成される伝票本体部(D)、及び熨斗部(N)とがそれぞれ切り離し可能に連設された第1基材(11)、並びに前記第1基材(11)に相対して積層される第2基材(21)及び第3基材(31)とからなり、
前記受領記録部(J)領域の前記第1基材(11)の前記第2基材(21)面側へ剥離層(13)が積層され、
該剥離層(13)を含む前記第1基材(11)の前記第2基材(21)面側へ接着剤層(15)が設けられ、該接着剤層(15)面へ前記第2基材(21)が積層され、
前記伝票本体部(D)及び前記熨斗部(N)領域に対応する第2基材(21)の前記第3基材(31)面側へ粘着剤層(23)が積層され、
かつ、前記領域以外に対応する第2基材(21)の前記第3基材(31)面側へ離型層(25’)が積層され、
前記粘着剤層(23)面へ離型層(25)がさらに積層され、
前記離型層(25’)面へ粘着剤層(23’)がさらに積層され、
前記離型層(25)と前記粘着剤層(23’)の各面へ前記第3基材(31)が積層されてなり、
前記受領記録部(J)領域と前記配達先情報部(H)領域との間に前記第1基材(11)及び剥離層(13)を貫通するハーフカット(C21)が設けられ、
前記伝票本体部(D)及び前記熨斗部(N)の周囲又は両端には前記第1基材(11)、接着剤層(15)、前記第2基材(21)及び前記粘着剤層(23)を貫通するハーフカット(C11)が設けられ、
前記受領記録部(J)は前記第2基材(21)及び前記第3基材(31)から剥離し分離可能で、
前記熨斗部(N)領域の前記第1基材(11)及び前記第2基材(21)は前記第3基材(31)から剥離し分離可能、かつ被着体の内部又は外部へ貼着可能で、
前記第3基材(31)は前記第1基材(11)及び前記第2基材(21)から剥離し分離可能、かつ物品に貼着可能であることを特徴とする配送伝票(10)。
【請求項2】
前記第3基材(31)の前記第1基材(11)と反対側の裏面に印刷及び/又は個別情報が印字されてなることを特徴とする請求項1に記載の配送伝票(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111850(P2013−111850A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260009(P2011−260009)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)