説明

配送伝票

【課題】 割引クーポンやクジなどを内蔵させた配送伝票を提供する。
【解決手段】 プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とが分離可能に設けられた第1基材(11)、及び第2基材(21)とからなり、配達先情報部(H)が第1基材(11)、粘着剤層(23)、離型層(25)及び第2基材(21)から、受領記録部(J)が第1基材(11)、剥離層(13)、接着剤層(15)及び第2基材(21)から構成され、受領記録部(J)の外縁には第1基材(11)を貫通する表ハーフカット(C11)が設けられ、該受領記録部(J)に対応する領域を含む第2基材(21)には第2基材(21)を貫通する裏ハーフカット(C21)が設けられた配送伝票(10)であって、受領記録部(J)と相対する第2基材(21)に周縁部がミシン(M21)からなる情報表示部(W)が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送伝票に関し、さらに詳しくは、単に配送伝票としての目的以外に割引クーポンやクジなどの情報を内蔵した配送伝票に関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「EDI」は「Electronic Data Interchange」、「NIP」は「ノンインパクトプリンタ」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)宅配事業などに用いられている伝票は、いわゆる1Part式の配送伝票の需要が益々増加している。特に、通信販売の分野では、顧客からの注文を受けた後、顧客の住所、氏名と注文内容といった情報をデータ化した上で、配送伝票とピッキングリストや納品明細書といった付属帳票をプリンタで出力している。その後、配送物を揃え確認した上で、配送伝票を貼付し、宅配業務を行なっている。コンバーティング技術の向上とEDI化の発展により、宅配事業に用いられるいわゆる配送伝票の複写伝票型からいわゆる1パート型やラベル型への転換が加速し、利便性の向上が図られている。更に通信販売等の拡大により、宅配便の取扱い個数も伸びている。1パート型の配送伝票としては次のようなタイプがある。(1)タック基材/粘着剤層/剥離紙から構成されるタック紙にNIP印字基材を貼り合わせ一部を剥離可能とした3層式では、使い勝手も良く、宣伝広告の印刷も可能であり、落伝も発生し難いというメリットがあるものの、コストが高く、厚手になるためプリンタ適性が悪いというデメリットがある。(2)剥離紙にパターン粘着加工を施しNIP印字基材を貼り合せた2層式では、コスト面では安価であるものの落伝が発生しやすい問題がある。
(3)ベース基材に部分的に離型層を設け、同一パターンに粘着剤を塗布し、その他の部分は強接着もしくは剥離可能とし、貼付の際は離型基材を部分的に剥離して使用する2.5層式では、宣伝広告が入れられ、比較的落伝のリスクも少なく、費用対効果で見るとコスト面でも比較的優位である。しかしながら、配送伝票としての目的以外に、割引クーポンやクジなどを内蔵させることはできなかった。配送伝票は、単に配送伝票としての目的以外にも、割引クーポンやクジなどを内蔵させることで、リピート率向上が図れる付加価値のついた配送伝票が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-288989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(従来技術)従来、配送伝票の一部に袋となる部分を設け、切り離した納品明細書をその中に入れる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、配送伝票の一部に袋を設ける方法では、納品明細書を切り離して袋部に封入封緘するのに手間が掛かる上に、荷物に伝票が密着しているため遊びがなく、明細書も取り出しにくいという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、単に配送伝票としての目的以外にも、割引クーポンやクジなどを内蔵させることで、リピート率向上が図れる付加価値のついた配送伝票を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる配送伝票は、少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とが分離可能に設けられた第1基材(11)、及び前記第1基材(11)に相対する第2基材(21)とからなり、前記第2基材(21)の前記第1基材(11)側の一部に離型層(25)が設けられ、該離型層(25)面へ粘着剤層(23)が設けられ、該粘着剤層(23)面へ前記配達先情報部(H)領域を含む前記第1基材(11)が積層されてなり、前記受領記録部(J)領域が設けられた前記第1基材(11)の前記第2基材(21)側へ剥離層(13)が設けられ、前記第2基材(21)の前記第1基材(11)側の離型層(25)を除く部分に接着剤層(15)が設けられ、前記接着剤層(15)面と前記剥離層(13)面とが積層されてなり、前記第1基材(11)の前記受領記録部(J)の外縁には前記第1基材(11)を少なくとも貫通する表ハーフカット(C11)が設けられ、前記第1基材(11)の前記受領記録部(J)に相対し、該受領記録部(J)に対応する領域を含む第2基材(21)には前記第2基材(21)を少なくとも貫通する裏ハーフカット(C21)が設けられ、前記配達先情報部(H)は該記配達先情報部(H)に略相対する前記第2基材(21)を除去することで前記粘着剤剤層(23)が露出して被着体(101)へ貼付できる配送伝票(10)であって、前記受領記録部(J)と相対する前記第2基材(21)の第1基材(11)側及び/又は第1基材(11)側と反対面側に、少なくとも1つの情報表示部(W)が設けられ、該情報表示部(W)の周縁部が切り取り可能なミシン(M21)からなる分離予定線で分離可能に設けられ、該情報表示部(W)の情報が固定情報及び/又は可変情報であることを特徴とする配送伝票(10)である。請求項2の発明に係わる配送伝票は、前記情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)がジッパー式であって、ジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)の切り取り方向が、前記第1基材(11)の表ハーフカット(C11)で囲まれる領域の前記受領記録部(J)を剥離する予定の方向とは逆の方向に剥離させることを特徴とする請求項1記載の配送伝票(10)である。請求項3の発明に係わる配送伝票は、前記情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)で囲まれた部分には接着剤層(15)を設けないことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜2のいずかに記載の配送伝票(10)である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、単に配送伝票としての目的以外にも、割引クーポンやクジなどを内蔵させることで、リピート率向上が図れる効果を奏する。請求項2、3の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、配達後に受領印を受けた後に、受領記録部を剥離する際に、割引クーポンやクジなどの情報表示部(W)の周縁部に設けてあるジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)を誤って開封しにくくする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の1実施例を示す配送伝票の平面図、及びその説明図である。
【図2】図1のXX断面図である。
【図3】図1のXX断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0011】
(配送伝票)本願発明の配送伝票(10)は、図1に示すように、少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とが分離可能に設けられた第1基材(11)と、第1基材(11)に相対する第2基材(21)とから構成されている。 また、図2に示すように、第2基材(21)の第1基材(11)側の一部に離型層(25)が設けられ、該離型層(25)面へ粘着剤層(23)が設けられ、該粘着剤層(23)面へ前記配達先情報部(H)領域を含む第1基材(11)が積層されている。受領記録部(J)領域の第1基材(11)の第2基材(21)側へ剥離層(13)が設けられ、第2基材(21)の第1基材(11)側の離型層(25)を除く部分に接着剤層(15)が設けられ、接着剤層(15)面と剥離層(13)面とが積層されている。そして、第1基材(11)の受領記録部(J)の外縁には第1基材(11)を少なくとも貫通する表ハーフカット(C11)が設けられ、第1基材(11)の受領記録部(J)に相対し、該受領記録部(J)に対応する領域を含む第2基材(21)には第2基材(21)を少なくとも貫通する裏ハーフカット(C21)が設けられ、第2基材(21)から剥離可能である。前記配達先情報部(H)は該配達先情報部(H)に略相対する前記第2基材(21)を除去することで前記粘着剤剤層(23)が露出して被着体(101)へ貼付できる。かつ、図1、2、3に示すように、受領記録部(J)と相対する第2基材(21)の第1基材(11)側及び/又は第1基材(11)側と反対面側に、少なくとも1つの情報表示部(W)が設けられ、該情報表示部(W)の周縁部が切り取り可能なミシン(M21)からなる分離予定線で分離可能に設けられている。該情報表示部(W)の情報は固定情報及び/又は可変情報である。さらに、情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)がジッパー式であって、ジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)の切り取り方向が、前記第1基材(11)の表ハーフカット(C11)で囲まれる領域の前記受領記録部(J)を剥離する予定の方向とは逆の方向に剥離させること、情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)で囲まれた部分には接着剤層(15)を設けないこと、が好ましい。
【0012】
(運用)顧客からの注文を受けた後、顧客の住所、氏名と注文内容といった情報をデータ化した上で、本願発明の配送伝票(10)の受領記録部(J)と配達先情報部(H)を有する第1基材(11)面の表面側に、所望の情報をプリンタで出力(印字)する。また必要に応じてピッキングリストや納品明細書といった付属帳票も印字してもよい。その後、配送物(被着体(101)ともいう)を揃え確認した上で、配送伝票(10)の配達先情報部(H)に略相対する前記第2基材(21)の離型層(25)から剥離し除去すると、粘着剤剤層(23)が露出するので、被着体(101)へ貼付して、宅配業務が行える。
【0013】
図2に示すように、情報表示部(W)が第2基材(21)の第1基材(11)側に印刷又はプリンタで設ける場合には、情報表示部(W)の情報は固定情報でも可変情報でもよい。固定情報の場合には、受領記録部(J)を剥がして判取りする際に、ドライバーと顧客には全て見えていますので、一律割引クーポンなどに好適に使用できる。また、配達して判取りした際に配送者(ドライバー)が見ている前で、受領記録部(J)を剥がして開封することもできるので、その時点でクジのあたりやはずれなどの内容が目視できるという使用もできる。
【0014】
また、図3に示すように、情報表示部(W)は第2基材(21)の第1基材(11)側と反対面側に、予め印刷又はプリンタで設けておいてもよく、割引クーポンやクジなどに好適に使用できる。図3の配送伝票(10)を荷物に貼った状態では、受領記録部(J)を剥がして判取りする際も情報表示部(W)は見えないので、ドライバーが見ている前で、顧客自身がどれか一箇所を剥がしての当たりハズレや、2箇所剥がして情報が一致すれば当たりなど、割引クーポンなど以外のクジ的要素を持たせることもできる。さらに、図示していないが、情報表示部(W)は、第2基材(21)の第1基材(11)側及び第1基材(11)側と反対面側の両面に設けてもよい。
【0015】
(ハーフカット)第2基材(21)と剥離層(13)とへの裏ハーフカット(C21)と、第1基材(11)の受領記録部(J)の外縁の表ハーフカット(C11)とは、一致していてもよいが、図1に示すように、裏ハーフカット(C21)が表ハーフカット(C11)を覆うようにやや大き目に設けておくことが好ましい。これは第1基材(11)と第2基材(21)との積層にズレが生じた際にも、容易に受領記録部(J)を剥離することができて好適である。
【0016】
(剥離層)また、第1基材(11)の表ハーフカット(C11)に囲まれた受領記録部(J)の外側周辺部に、第1基材(11)の余白部が残る場合には、該余白部には剥離層(13)を設けず、接着剤層(15)と第1基材(11)とが直に積層されていてもよい。
【0017】
(プリンタ)印字するプリンタとしては、特に限定されるものではないが、レーザプリンタ、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなどのノンインパクトプリンタが好ましい。通常、受領記録部(J)と配達先情報部(H)への印字は同時に行うことで、受領記録部(J)と配達先情報部(H)とのマッチングの必要もなく、ミスマッチもないので好ましい。第1基材(11)の表面側の受領記録部(J)及び配達先情報部(H)へ、受領記録及び配達先情報をノンインパクトプリンタを使用して印字するが、高速印字が可能で、その際、第1基材(11)と第2基材(21)とは接着剤層(15)及び粘着剤層(23)とで全面的に積層されているので、印字時に、第1基材(11)が浮くことがなく、きれいに印字することができる。
【0018】
(配送)配送されて、受領印を受けた受領記録部(J)は、その外縁の表ハーフカット(C11)により、第2基材(21)の剥離層(13)から剥離し分離されるので、受領控えとして、保管される。
【0019】
(情報)上記のように、受領記録部(J)が分離されると、第2基材(21)が残る。該第2基材(21)面の第1基材(11)側及び/又は第1基材(11)側と反対面側には、少なくとも1つの情報表示部(W)が設けられている。該情報表示部(W)の情報は固定情報及び/又は可変情報でもよく、具体的には、割引クーポンやクジなどである。該情報表示部(W)の周縁部が切り取り可能なミシン(M21)で囲まれており、分離できるように設けられている。該情報表示部(W)が複数ある場合には、それぞれの周縁部がジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)を設けて各個に分離できるようにしてもよい。なお、情報表示部(W)は第2基材(21)の第1基材(11)側でも、第2基材(21)の第1基材(11)側と反対面側でも、両方でもよい。情報表示部(W)は印刷でもよく、プリンタで設けておいてもよい。
【0020】
(ジッパー式ミシン)なお、好ましいジッパー式による切り取り可能なミシン(M21)とは、所定長のスリット部とアンカット部の反復により形成され、必要時に所定方向に向かって意図的に順次ミシン目に沿って切断されて行くジッパーミシン目である。該ジッパーミシン目は、スリット部の切断先端部を曲げたり、矢印形状など切断され易いような形状でもよい。情報表示部(W)の伝票片の外周部をジッパーミシン目とすることにより、第2基材(21)から容易に切断することができる。なお、情報表示部(W)を切断する際には、既に情報表示部(W)に相対する第1基材(11)の受領記録部(J)は宅配業務が終わり、剥離し除去されているので、さらに容易である。ジッパーミシン目は、第2基材(21)の非剥離部を残す剥離動作が通常のミシン目より容易であり、第2基材(21)にジッパーミシン目を設けた後に、第2基材(21)を第1基材(11)に積層したり、印字する際にもジッパーミシン目は破断することが少ないので、好ましい。
【0021】
切断された情報表示部(W)には、割引クーポンやクジなどの情報が印刷又はプリントされている。配送伝票(10)では、単に配送伝票としての目的以外に、割引クーポンやクジなどを内蔵されているので、付加価値の高いものであり、該割引クーポンやクジなどで、配送物(被着体(101)の受取者は割引きや当たり賞品などが受けられるので、リピート率の向上が図れる。また、情報表示部(W)の情報が可変情報の場合には、例えば、配送伝票(10)の数枚から数百枚に1枚に当たるといたクジや、当選番号、当落を別途確認する連続番号、送付者や受取者の名前入りなどに使用できる。
【0022】
(切り取り方向)また、配送伝票(10)は、前記情報表示部(W)のジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)の切り取り方向が、第1基材(11)の表ハーフカット(C11)で囲まれる領域の前記受領記録部(J)を剥離する予定の方向とは逆の方向に剥離させることが好ましい。配達後に受領印を受けた後に、このように受領記録部(J)の剥離を逆の方向に剥離させることすることで、情報表示部(W)の周縁部に設けてあるジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)を誤って開封しにくくすることができる。
【0023】
さらに、配送伝票(10)は、前記情報表示部(W)のジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)で囲まれた部分には接着剤層(15)を設けないことを特徴とすることも好ましい。配達後に受領印を受けた後に、受領記録部(J)を剥離する際に、情報表示部(W)には接着剤層(15)がないので、ジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)を誤って開封しにくくすることができる。
【0024】
(第一基材)第1基材(11)としては、受領記録部(J)と配達先情報部(H)へ印字できればよく、特に限定されるものではないが、表面にレーザプリンタ、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなどのノンインパクトプリンタで印字できる用紙が用いられる。例えば、感熱発色用紙(サーマル用紙)、熱転写記録用紙、インクジェット記録用紙などである。
【0025】
(第二基材)第2基材(21)は特に限定されるものではないが紙、織物、プラスチックフィルム等から形成されており、その厚さも特に限定はされないが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。ハーフカット加工適性をもち、接着剤層(15)等の塗工適性を有していればよく、上質紙、コート紙が好ましい。また、第1基材(11)及び/又は第2基材(21)の側側にはピントラクタで送るためのマージナル部が設けられていてもよい。
【0026】
(接着剤層)接着剤層(15)としては、剥離層(13)を設けた第1基材(11)と第2基材(21)とを積層するためのものであり、例えば、ウレタン系、アクリル系、酢酸ビニール系などの熱可塑性樹脂を使用することができ、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷法又はコーティング法によって、厚み0.1〜50μm程度、好ましくは2〜15μmに塗布し、貼り合わせ前又は後に、必要に応じて乾燥させる。第1基材(11)と第2基材(21)とを接着剤(又は樹脂)が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット又はセミウェットラミネート方式、熱圧着方式や感圧方式によって貼り合わせることが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0027】
(粘着剤層)粘着剤層(23)は、荷物に配送伝票10を貼付可能とする層であり、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等が適用できるが、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層(23)を形成するための粘着剤の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2で程度、好ましくは3〜30g/m2であり、塗布厚は0.1〜50μm程度、好ましくは3〜30μmである。
【0028】
(離型層)離型層(25)は剥がした際に、第2基材(21)と共に剥離され除去される層で、剥離されることで粘着剤層(23)が露出する。離型層(25)としては、第1基材(11)の配達先情報部(H)が第2基材(21)から容易に剥離できるような接着性の低い樹脂を使用することが好ましく、弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などの離型性樹脂、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂など離型剤を含んだ樹脂である。離型層(25)の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法で、所望の部分へ塗布し乾燥して塗膜を形成して皮膜を形成したりすれば良い。離型層(25)の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
【0029】
(剥離層)剥離層(13)は離型層(25)と同様の材料と塗布方法が適用できるが、剥がした際に、第1基材(11)側に残っている層である。
【0030】
(目止め層)接着剤層(15)、粘着剤層(23)、離型層(25)及び剥離層(13)を形成する際に、第1基材(11)及び第2基材(21)の塗布面へ浸透を防止するために、目止め層を設けてもよい。目止め層としては、所謂バインダと呼ばれる、従来公知の塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用し、必要に応じて添加剤を加えて、公知のコーティング法又は印刷法で塗布又は印刷すればよい。
【0031】
(製造方法)配送伝票(10)の製造に関しては、まず、第2基材(21)の第1基材(11)側の所望の部分へ離型層(25)を設け、該離型層(25)面へ粘着剤層(23)を設け、別途、受領記録部(J)領域の第1基材(11)の第2基材(21)側へ剥離層(13)を設け、第2基材(21)の第1基材(11)側の離型層(25)を除く部分に接着剤層(15)を設けた後に、両者を積層して、所定の箇所にハーフカット、ミシンの処理をして、所定のサイズのシート状に裁断(シートカット)して、配送伝票(10)が作製できる。または、第1基材(11)側の所定の箇所にハーフカットを、第2基材(21)側の所定の箇所にハーフカット、ミシンを設けてから、積層してもよい。なお、第2基材(21)の第1基材(11)側、第2基材(21)の第1基材(11)側と反対面側への情報表示部(W)の印刷は、予め印刷又はプリンタで設ければよく、第2基材(21)の第1基材(11)側と反対面側に情報表示部(W)を設ける場合には、受領記録部(J)と配達先情報部(H)を第1基材(11)面の表面側にプリントする際に、所望の情報をプリンタで表裏出力(印字)してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
(産業上の利用可能性)本発明の配送伝票の主なる用途としては、宅配事業などに用いられている伝票で、単に配送伝票としての目的以外にも、割引クーポンやクジなどを内蔵させることで、リピート率向上が図れる付加価値のついた配送伝票に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10:配送伝票
11:第1基材
13:剥離層
15:接着剤層
21:第2基材
23:粘着剤層
25:離型層
101:被着体
C21:裏ハーフカット
C11:表ハーフカット
M11:ミシン
H:配達先情報部
J:受領記録部
W:情報表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、プリンタで印字することのできる受領記録部(J)と配達先情報部(H)とが分離可能に設けられた第1基材(11)、及び前記第1基材(11)に相対する第2基材(21)とからなり、
前記第2基材(21)の前記第1基材(11)側の一部に離型層(25)が設けられ、
該離型層(25)面へ粘着剤層(23)が設けられ、
該粘着剤層(23)面へ前記配達先情報部(H)領域を含む前記第1基材(11)が積層されてなり、
前記受領記録部(J)領域が設けられた前記第1基材(11)の前記第2基材(21)側へ剥離層(13)が設けられ、
前記第2基材(21)の前記第1基材(11)側の離型層(25)を除く部分に接着剤層(15)が設けられ、
前記接着剤層(15)面と前記剥離層(13)面とが積層されてなり、
前記第1基材(11)の前記受領記録部(J)の外縁には前記第1基材(11)を少なくとも貫通する表ハーフカット(C11)が設けられ、
前記第1基材(11)の前記受領記録部(J)に相対し、該受領記録部(J)に対応する領域を含む第2基材(21)には前記第2基材(21)を少なくとも貫通する裏ハーフカット(C21)が設けられ、
前記配達先情報部(H)は該記配達先情報部(H)に略相対する前記第2基材(21)を除去することで前記粘着剤剤層(23)が露出して被着体(101)へ貼付できる配送伝票(10)であって、
前記受領記録部(J)と相対する前記第2基材(21)の第1基材(11)側及び/又は第1基材(11)側と反対面側に、少なくとも1つの情報表示部(W)が設けられ、
該情報表示部(W)の周縁部が切り取り可能なミシン(M21)からなる分離予定線で分離可能に設けられ、
該情報表示部(W)の情報が固定情報及び/又は可変情報であることを特徴とする配送伝票(10)。
【請求項2】
前記情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)がジッパー式であって、ジッパー式に切り取り可能なミシン(M21)の切り取り方向が、前記第1基材(11)の表ハーフカット(C11)で囲まれる領域の前記受領記録部(J)を剥離する予定の方向とは逆の方向に剥離させることを特徴とする請求項1記載の配送伝票(10)。
【請求項3】
前記情報表示部(W)の切り取り可能なミシン(M21)で囲まれた部分には接着剤層(15)を設けないことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜2のいずかに記載の配送伝票(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111851(P2013−111851A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260010(P2011−260010)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)