説明

配送支援装置、配送支援方法、およびプログラム

【課題】検針漏れがあった場合でも、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援し得る、配送支援装置、配送支援方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】配送支援装置10は、LPガスボンベの配送計画の策定を支援するため、建物のガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出したガスメータ毎のガス使用量を合算する、第1の計算部11と、建物から回収されたLPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、第2の計算部12と、第1の計算部が算出した合算値と第2の計算部が算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ガス使用量決定部13と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPガスボンベの配送計画の策定を支援する、配送支援装置、配送支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、LPガス(液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas))の家庭への供給は、一戸建てであれば戸毎に、集合住宅であれば建物毎に、行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。図7は、従来からのLPガスの供給システムの一例を示す図であり、図7(a)は供給対象が一戸建ての場合を示し、図7(b)は供給対象が集合住宅の場合を示している。
【0003】
図7(a)に示すように、一戸建ての住宅では、LPガスボンベ61が、ガスメータ62と共に、戸毎に配置される。また、通常、LPガスボンベ61は複数本配置され、そのうち一本がメインとして使用され、残りはサブとして使用される。
【0004】
一方、図7(b)に示すように、集合住宅では、LPガスボンベ61は建物毎に配置されるが、ガスメータ62は部屋毎に配置される。なお、この場合も、LPガスボンベ61は複数本配置され、そのうち一本がメインとして使用され、残りはサブとして使用される。
【0005】
また、一戸建ての場合及び集合住宅の場合のいずれにおいても、LPガスボンベの配送業者は、配送計画に沿って、交換用のLPガスボンベを配送する。そして、配送業者は、いままでサブとして配置されていたLPガスボンベ61をメインとし、新しく配送してきたLPガスボンベをサブとする。
【0006】
そして、通常、配送計画は、メインのLPガスボンベが空になる手前で交換が行なわれるよう、各家庭の一日のガス使用量に基づいて立てられている。そのため、配送業者は、各家庭に据え付けのガスメータから得られた検針時の値(指針値)から、各家庭の一日のガス使用量を算出している。また、検針は、通常、月に1回行われるが、一戸建ての住宅では、配送業者が配送の際にも検針を行なうので、配送計画の精度が上げられている。
【0007】
なお、図7(b)に示したように、集合住宅では、ガスメータ62は、各部屋にあるのに対して、LPガスボンベは、専用の置き場所にまとめて配置されるので、配送の際の検針は行われておらず、一日のガス使用量は、月1回の検針から算出される。つまり、集合住宅では、当月の指針値と前月の指針値との差を求め、これを前月の検針日から当月の検針日までの日数で除算することによって、一日のガス使用量が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2713820号公報(第6図、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、検針は人手によって行なわれるため、担当者の不注意によって検針漏れが発生する場合がある。この場合は、指針値が取得できていないため、前々月と前月との指針値を用いたり、検針が行なわれなかった月を挟む2つの月の指針値を用いたりして、一日のガス使用量が求められる。
【0010】
しかしながら、ガス使用量は、気温などに応じて変動することから、このようにして求めたガス使用量は、不正確な値となっている可能性が高く、最適な配送計画を立てることが困難となる。また、検針漏れがなかったとしても、1回の検針から得られるガス使用量は、2回の検針から得られるガス使用量に比べて、信頼度が低く、この点からも最適な配送計画を立てることは困難となる。
【0011】
そして、配送計画が最適でない場合は、LPガスが足りなくなったり、まだ十分に残量がある状態でLPガスボンベを交換しなければならなかったり、といった問題が発生する可能性がある。
【0012】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、検針漏れがあった場合でも、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援し得る、配送支援装置、配送支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における配送支援装置は、1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための装置であって、
前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、第1の計算部と、
前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、第2の計算部と、
前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ガス使用量決定部と、
を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における配送支援方法は、1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための方法であって、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0015】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明における、配送支援装置、配送支援方法、及びプログラムによれば、検針漏れがあった場合でも、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における配送支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ガスメータの検針によって得られる情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、LPガスボンベの交換及び充填を説明するための説明図である。
【図4】図4は、LPガスボンベの配送時期と検針の時期とを説明するための説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態における配送支援装置の動作を示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態における配送支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、従来からのLPガスの供給システムの一例を示す図であり、図7(a)は供給対象が一戸建ての場合を示し、図7(b)は供給対象が集合住宅の場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、配送支援装置、配送支援方法、およびプログラムについて、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0019】
[装置構成]
最初に、本実施の形態における配送支援装置10の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における配送支援装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示す、本実施の形態における配送支援装置10は、特定の建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための装置である。この特定の建物は、1または2以上のガスメータを備える建物(図7(a)及び(b)参照)であるが、本実施の形態では、建物は複数のガスメータを備える集合住宅であるとする。
【0021】
図1に示すように、配送支援装置10は、第1の計算部11と、第2の計算部12と、ガス使用量決定部13とを備えている。第1の計算部11は、まず、対象となる建物のガスメータ毎に、各ガスメータの検針で得られた値に基づいて、各ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出する。また、第1の計算部11は、算出したガスメータ毎のガス使用量を合算し、合算値を計算する。
【0022】
第2の計算部12は、対象となる建物から回収されたLPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算し、除算値を計算する。
【0023】
ガス使用量決定部13は、第1の計算部11が算出した合算値と、第2の計算部12が算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、建物における一日当たりのガス使用量に決定する。
【0024】
このように、配送支援装置10は、対象となる建物について、ガスメータの値と、回収したLPガスボンベの充填量(消費量)とのそれぞれから、一日おけるガス使用量を算出し、一方を採用する。このため、検針漏れにより、検針が行なわれていない月があっても、更に、検針が月に一回しか行なわれていなくても、正確な使用量を求めることができる。よって、配送支援装置10によれば、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援することができる。
【0025】
ここで、図1に加えて、図2〜図4を用いて、更に具体的に配送支援装置10の構成を説明する。図2は、ガスメータの検針によって得られる情報の一例を示す図である。図3は、LPガスボンベの交換及び充填を説明するための説明図である。図4は、LPガスボンベの配送時期と検針の時期とを説明するための説明図である。
【0026】
本実施の形態では、配送支援装置10は、ネットワーク50を介して、検針用の端末20と、LPガスボンベのガス充填センターの端末30と、LPガスボンベの配送担当者の端末40とに接続されている。また、配送支援装置10は、更に、予定日決定部14と、記憶部15とを備えている。
【0027】
本実施の形態において、ガスメータの検針は、定期的に(例えば、月に1回)実行されている。具体的には、ガスメータの検針は、図4に示すスケジュールによって実行されているとする。検針担当者は、端末20を用いて、検針時の値(指針値)と検針日とを配送支援装置10に通知する。
【0028】
第1の計算部11は、端末20から指針値と検針日との通知を受けると、通知された指針値と検針日とを、図2に示すように、記憶部15に格納する。そして、第1の計算部11は、本実施の形態では、連続して実行された2回の検針で得られた指針値から、供給先(集合住宅の一つの部屋)における一日当たりのガス使用量を算出する。
【0029】
例えば、図2のガスメータ1を例に挙げると、第1の計算部11は、記憶部15から、最新の検針(検針日:2011年3月5日)での指針値と、その前の検針(検針日:2011年2月5日)での指針値とを取得する。そして、第1の計算部11は、最新の検針での指針値(120m)とその前の検針での指針値(98m)との差、即ち、2月5日の検針時から3月5日の検針時までの使用量(22.0m)を求め、これを期間(28日)で除算し、1日当たりのガス使用量(0.79m)を算出する。
【0030】
その後、第1の計算部11は、ガスメータ毎(部屋毎)に算出した1日当たりのガス使用量を、合算する。得られた合算値は、指針値から得られた、建物全体の1日当たりのガス使用量となる。
【0031】
また、本実施の形態では、LPガスボンベの配送は、具体的には、図4に示すスケジュールで行なわれているとする。そして、図3に示すように、2011年2月25日の配送により、2月1日から使用を開始したメインのLPガスボンベAが回収されたとする。回収されたLPガスボンベAは、ガス充填センターに運ばれ、そこで、LPガスボンベAに対して新たにLPガスが充填される。また、この時の充填量は測定され、充填量の測定値と、充填対象となったLPガスボンベAの充填前における使用期間(使用開始から回収までの期間)とが、端末30を介して、配送支援装置10に通知される。
【0032】
充填量の測定値が通知されると、配送支援装置10において、第2の計算部12が、上述したように、通知された測定値を、LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間、具体的には24日で除算する。得られた除算値は、充填量から得られた、建物全体の1日当たりのガス使用量となる。
【0033】
ガス使用量決定部13は、本実施の形態では、合算値の算出の元となった2回の検針の間の期間と、除算値の元となったLPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間とが重なる場合に、合算値と除算値とを対比する。これは、両者の期間が重ならない場合は、両者を対比の対象とするべきでないからである。
【0034】
また、本実施の形態では、ガス使用量決定部13は、決定した建物における一日当たりのガス使用量の値を、建物の環境に応じて、例えば、季節に応じて補正することができる。具体的には、秋から冬へと季節が変わる時期に決定したガス使用量では、翌月に冷え込んだ場合に、実際のガス使用量よりも少なくなる可能性がある。このような場合、ガス使用量決定部13は、建物の外気温の変化に応じて、決定したガス使用量を増加させる補正を実行する。
【0035】
反対に、冬から春へと季節が変わる時期に決定したガス使用量では、翌月に暖かくなった場合に、実際のガス使用量よりも多くなる可能性がある。このような場合、ガス使用量決定部13は、建物の外気温の変化に応じて、決定したガス使用量を低減させる補正を実行する。
【0036】
また、予定日決定部14は、ガス使用量決定部13によって決定された、建物における一日当たりのガス使用量に基づいて、LPガスボンベの配送予定日を決定する。更に、予定日決定部14は、決定した配送予定日を、LPガスボンベの配送担当者の端末40に通知する。具体的には、予定日決定部14は、設置されているガスボンベの使用可能量を、決定したガス使用量で除算して、使用できる日数を算出する。そして、予定日決定部14は、最新の配送日に、算出した日数を加えて、配送予定日を求める。
【0037】
なお、上述したように、本実施の形態では、対象となる建物は、2以上のガスメータを備える集合住宅(図7(b)参照)を例に挙げて説明しているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。本実施の形態は、ガスメータが1つの一戸建ての住宅が対象となっていても良い。この場合であっても、ガスメータは1つとなるが、上述した処理を適用することにより、ガス使用量を決定できる。
【0038】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態における配送支援装置10の動作について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態における配送支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1〜図4を参酌する。また、本実施の形態では、配送支援装置10を動作させることによって、配送支援方法が実施される。よって、本実施の形態における配送支援方法の説明は、以下の配送支援装置10の動作説明に代える。
【0039】
図5に示すように、最初に、第1の計算部11は、検針用の端末20から、検針時の指針値と検針日とを取得し、これらを記憶部15に格納する(ステップA1)。次に、第1の計算部11は、記憶部15から、最新の検針での指針値とその前の検針での指針値とを用いて、対象となる建物の部屋毎に、一日当たりのガス使用量を算出する(ステップA2)。
【0040】
続いて、第1の計算部11は、ステップA2で算出した各部屋のガス使用量を合算する(ステップA3)。また、第1の計算部11は、得られた合算値をガス使用量決定部13に入力する。
【0041】
次に、第2の計算部12は、LPガスボンベのガス充填センターの端末30から、回収したLPガスボンベに新たに充填されたLPガスの充填量と、充填対象となったLPガスボンベの充填前における使用期間とを取得する(ステップA4)。続いて、第2の計算部12は、取得した測定値を、使用期間で除算する(ステップA5)。また、第2の計算部12は、得られた除算値をガス使用量決定部13に入力する。
【0042】
次に、ガス使用量決定部13は、ステップA3で算出した合算値と、ステップA5で算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、対象となる建物における一日当たりのガス使用量に決定する(ステップA6)。
【0043】
なお、ガス使用量決定部13は、予め、ステップA3で算出した合算値の算出の元となった2回の検針の間の期間と、ステップA5で算出した除算値の元となったLPガスボンベの使用期間とが重なっていることを確認する。そして、重なっている場合に、ガス使用量決定部13は、ステップA6を実行する。
【0044】
次に、予定日決定部14は、ステップA6で決定されたガス使用量に基づいて、LPガスボンベの配送予定日を決定し(ステップA7)、更に、決定した配送予定日を、LPガスボンベの配送担当者の端末40に通知する(ステップA8)。この後、LPガスボンベの配送担当者は、通知された配送予定日に基づいて、実際の配送計画を策定する。
【0045】
以上のように本実施の形態によれば、検針漏れにより、検針が行なわれていない月があっても、更に、検針が月に一回しか行なわれていなくても、対象となる建物について正確な使用量を求めることができる。よって、本実施の形態によれば、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援することができる。この結果、LPガスが足りなくなったり、十分に残量がある状態でLPガスボンベを交換してしまったり、といった事態が回避される。
【0046】
また、本実施の形態における配送支援装置10は、コンピュータに、本実施の形態におけるプログラムを組み込むことによって実現できる。本実施の形態におけるプログラムとしては、コンピュータに、図5に示すステップA1〜A8を実行させるプログラムが挙げられる。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行すれば、本実施の形態における配送支援装置10と配送支援方法とが実現される。
【0047】
また、この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、第1の計算部11、第2の計算部12、ガス使用量決定部13、及び予定日決定部14として機能し、処理を行なう。更に、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、記憶部15として機能する。
【0048】
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、配送支援装置10を実現するコンピュータについて図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態における配送支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0049】
図6に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0050】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0051】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0052】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0053】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記18)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0054】
(付記1)
1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための装置であって、
前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、第1の計算部と、
前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、第2の計算部と、
前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ガス使用量決定部と、
を備えていることを特徴とする配送支援装置。
【0055】
(付記2)
前記ガス使用量決定部によって決定された、前記建物における一日当たりのガス使用量に基づいて、前記LPガスボンベの配送予定日を決定する、予定日決定部を更に備えている、請求項1に記載の配送支援装置。
【0056】
(付記3)
前記建物が、2以上のガスメータを備える集合住宅である、請求項1または2に記載の配送支援装置。
【0057】
(付記4)
前記ガスメータの検針が定期的に実行されており、
前記第1の計算部が、連続して実行された2回の検針で得られた値から、前記供給先における一日当たりのガス使用量を算出する、
付記1〜3のいずれかに記載の配送支援装置。
【0058】
(付記5)
前記ガス使用量決定部が、前記合算値の算出の元となった前記2回の検針の間の期間と、前記除算値の元となった前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間とが重なる場合に、前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比する、
付記4に記載の配送支援装置。
【0059】
(付記6)
前記ガス使用量決定部が、決定した前記建物における一日当たりのガス使用量の値を、前記建物の環境に応じて補正する、
付記1〜5のいずれかに記載の配送支援装置。
【0060】
(付記7)
1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための方法であって、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を有することを特徴とする配送支援方法。
【0061】
(付記8)
(d)前記(c)のステップで決定された、前記建物における一日当たりのガス使用量に基づいて、前記LPガスボンベの配送予定日を決定する、ステップを更に有する、付記7に記載の配送支援方法。
【0062】
(付記9)
前記建物が、2以上のガスメータを備える集合住宅である、付記7または8に記載の配送支援方法。
【0063】
(付記10)
前記ガスメータの検針が定期的に実行されており、
前記(a)のステップで、連続して実行された2回の検針で得られた値から、前記供給先における一日当たりのガス使用量を算出する、
付記7〜9のいずれかに記載の配送支援方法。
【0064】
(付記11)
前記(c)のステップで、前記合算値の算出の元となった前記2回の検針の間の期間と、前記除算値の元となった前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間とが重なる場合に、前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比する、
付記10に記載の配送支援方法。
【0065】
(付記12)
前記(c)のステップで、決定した前記建物における一日当たりのガス使用量の値を、前記建物の環境に応じて補正する、
付記7〜11のいずれかに記載の配送支援方法。
【0066】
(付記13)
コンピュータによって、1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0067】
(付記14)
(d)前記(c)のステップで決定された、前記建物における一日当たりのガス使用量に基づいて、前記LPガスボンベの配送予定日を決定する、ステップを更に前記コンピュータに実行させる、付記13に記載のプログラム。
【0068】
(付記15)
前記建物が、2以上のガスメータを備える集合住宅である、付記13または14に記載のプログラム。
【0069】
(付記16)
前記ガスメータの検針が定期的に実行されており、
前記(a)のステップで、連続して実行された2回の検針で得られた値から、前記供給先における一日当たりのガス使用量を算出する、
付記13〜15のいずれかに記載のプログラム。
【0070】
(付記17)
前記(c)のステップで、前記合算値の算出の元となった前記2回の検針の間の期間と、前記除算値の元となった前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間とが重なる場合に、前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比する、
付記16に記載のプログラム。
【0071】
(付記18)
前記(c)のステップで、決定した前記建物における一日当たりのガス使用量の値を、前記建物の環境に応じて補正する、
付記13〜17のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、本発明によれば、検針漏れがあった場合でも、LPガスボンベの最適な配送計画の策定を支援することができるので、LPガスが足りなくなったり、十分に残量がある状態でLPガスボンベを交換してしまったり、といった事態が回避される。本発明は、LPガスの配送業務用のシステムに有用である。
【符号の説明】
【0073】
10 配送支援装置
11 第1の計算部
12 第2の計算部
13 ガス使用量決定部
14 予定日決定部
15 記憶部
20 検針用の端末
30 LPガスボンベのガス充填センターの端末
40 LPガスボンベの配送担当者の端末
50 ネットワーク
61 LPガスボンベ
62 ガスメータ
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための装置であって、
前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、第1の計算部と、
前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、第2の計算部と、
前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ガス使用量決定部と、
を備えていることを特徴とする配送支援装置。
【請求項2】
前記ガス使用量決定部によって決定された、前記建物における一日当たりのガス使用量に基づいて、前記LPガスボンベの配送予定日を決定する、予定日決定部を更に備えている、請求項1に記載の配送支援装置。
【請求項3】
前記建物が、2以上のガスメータを備える集合住宅である、請求項1または2に記載の配送支援装置。
【請求項4】
前記ガスメータの検針が定期的に実行されており、
前記第1の計算部が、連続して実行された2回の検針で得られた値から、前記供給先における一日当たりのガス使用量を算出する、
請求項1〜3のいずれかに記載の配送支援装置。
【請求項5】
前記ガス使用量決定部が、前記合算値の算出の元となった前記2回の検針の間の期間と、前記除算値の元となった前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間とが重なる場合に、前記第1の計算部が算出した合算値と、前記第2の計算部が算出した除算値とを対比する、
請求項4に記載の配送支援装置。
【請求項6】
前記ガス使用量決定部が、決定した前記建物における一日当たりのガス使用量の値を、前記建物の環境に応じて補正する、
請求項1〜5のいずれかに記載の配送支援装置。
【請求項7】
1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するための方法であって、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を有することを特徴とする配送支援方法。
【請求項8】
コンピュータによって、1または2以上のガスメータを備える建物を対象としたLPガスボンベの配送計画の策定を支援するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記建物の前記ガスメータ毎に、当該ガスメータの検針で得られた値に基づいて、当該ガスメータが対応する供給先における一日当たりのガス使用量を算出し、算出した前記ガスメータ毎のガス使用量を合算する、ステップと、
(b)前記建物から回収された前記LPガスボンベに新たにLPガスを充填したときの充填量を、前記LPガスボンベの使用が開始されてから回収されるまでの期間で、除算する、ステップと、
(c)前記(a)のステップで算出した合算値と、前記(b)のステップで算出した除算値とを対比し、値が大きい方を、前記建物における一日当たりのガス使用量に決定する、ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−219933(P2012−219933A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87177(P2011−87177)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】