説明

配送業者認証システム、ドアホン親機、配送業者サーバ、配送業者認証方法およびプログラム

【課題】正当な配達員と配達員を装った者とを容易に識別できる配送業者認証システムを提供する。
【解決手段】配送業者認証システム1は、ドアホン子機30がバーコード41の画像を読み取るバーコードリーダー32を有すると共に、ドアホン親機10が、配送業者サーバ50と情報を送受信する第1の通信部16と、バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から荷物ID43を抽出し、第1の通信部を介して荷物IDを配送業者サーバ宛に送信するバーコード読み取り部15とを有し、配送業者サーバが、ドアホン親機と情報を送受信する第2の通信部54と、荷物IDに対応する荷札情報を記憶する荷札情報データベース60と、第2の通信部を介してドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報を荷札情報データベースから検索する荷札情報検索部56とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便や宅配便などの配送業者の認証に関し、特に正当な配達員と配達員を装った者との識別に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、日本においても一般住宅に犯罪者が侵入することによる犯罪が多発し、また悪質な訪問販売員などの来訪者によるトラブルも多く発生している。そのような犯罪やトラブルを防ぐには、正当ではない来訪者に対しては玄関の扉を開けないことが重要である。そのため、ドアホンにカメラを取り付けて来訪者の姿を撮影できるようにし、撮影された画像を見て正当な来訪者(たとえば宅配便の配達など)であるか否かを判断することが、一般的に行われている。
【0003】
宅配便の配達については、次のような従来技術がある。特許文献1には、荷受人が端末からサーバにアクセスして荷受人IDとパスワードを入力してログインし、該荷物についての情報を知ることができるという技術が記載されている。特許文献2には、配送業者が荷物に張られたバーコードを読み取るだけで荷物に関する情報を入力できるという運送管理システムについて記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−056064号公報
【特許文献2】特開平10−129811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、最近は郵便物や宅配便などの配達員を装って住宅への侵入を試みる犯罪者や悪質訪問販売員が相次いでおり、実際それらのような者が住宅に侵入したことによる被害(たとえば強盗、殺傷、性犯罪、詐欺など)が続出している。正当な配達員と配達員を装った者とを、カメラによって撮影された画像だけで識別することは困難である。
【0006】
特許文献1は荷受人が該荷物についての情報を得るためのものであり、荷受人IDとパスワードを入力してログインすることが必要で、正当な配達員と配達員を装った者とを識別するものではない。特許文献2は、配送業者がバーコードを利用して物流を管理するものであり、これも正当な配達員と配達員を装った者とを識別する目的に使用できるものではない。
【0007】
本発明の目的は、正当な配達員と配達員を装った者とを容易に識別できる配送業者認証システム、ドアホン親機、配送業者サーバ、配送業者認証方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る配送業者認証システムは、ドアホン子機が付属するドアホン親機と、ドアホン親機とネットワークを介して相互に接続される配送業者サーバからなる配送業者認証システムであって、ドアホン子機がバーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有すると共に、ドアホン親機が、配送業者サーバと情報を送受信する第1の通信部と、バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から荷物IDを抽出し、第1の通信部を介して荷物IDを配送業者サーバ宛に送信するバーコード読み取り部とを有し、配送業者サーバが、ドアホン親機と情報を送受信する第2の通信部と、荷物IDに対応する荷札情報を記憶する荷札情報データベースと、第2の通信部を介してドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報を荷札情報データベースから検索する荷札情報検索部とを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るドアホン親機は、バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属し、ネットワークを介して配送業者サーバに接続可能なドアホン親機であって、配送業者サーバと情報を送受信する通信部と、バーコードリーダーが読み取ったバーコードから荷物IDを抽出し、通信部を介して荷物IDを配送業者サーバ宛に送信するバーコード読み取り部とを有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る配送業者サーバは、ネットワークを介してドアホン親機に接続可能な配送業者サーバであって、ドアホン親機と情報を送受信する通信部と、荷物IDに対応する荷札情報を記憶する荷札情報データベースと、通信部を介してドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報を荷札情報データベースから検索する荷札情報検索部とを有することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る配送業者認証方法は、バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属するドアホン親機と、ドアホン親機とネットワークを介して相互に接続される配送業者サーバからなる配送業者認証システムにあって、配送業者を認証する方法であって、ドアホン子機が、バーコードの画像を読み取るバーコード読み取り工程と、ドアホン親機が、バーコードの画像から荷物IDを抽出するバーコード情報抽出工程と、ドアホン親機が、荷物IDを配送業者サーバ宛に送信する荷物ID送信工程と、配送業者サーバが、ドアホン親機から荷物IDを受信する荷物ID受信工程と、配送業者サーバが、受信した荷物IDに対応する荷札情報をあらかじめ備えられた荷札情報データベースから検索する荷札情報検索工程とを有することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る配送業者認証プログラムは、バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属し、ネットワークを介して配送業者サーバに接続可能なドアホン親機を制御するコンピュータに、バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から荷物IDを抽出するバーコード情報抽出処理と、荷物IDを配送業者サーバ宛に送信する荷物ID送信処理とを実行させることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る別の配送業者認証プログラムは、ネットワークを介してドアホン親機に接続可能な配送業者サーバに、ドアホン親機から荷物IDを受信する荷物ID受信処理と、受信した荷物IDに対応する荷札情報をあらかじめ備えられた荷札情報データベースから検索する荷札情報検索処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、バーコードに含まれる荷物IDから荷札情報を検索するように構成したので、正当なバーコードを持つ者を正当な配達員として容易に識別できる。これによって、正当な配達員と配達員を装った者とを容易に識別できるという、従来にない優れた配送業者認証システム、ドアホン親機、配送業者サーバ、配送業者認証方法およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る配送業者認証システム1の構成を示す概念図である。配送業者認証システム1は、ユーザ宅に取り付けられているドアホン親機10およびドアホン子機30と、ドアホン親機10とネットワーク80を介して取り付けられている配送業者サーバ50から構成される。
【0016】
ドアホン子機30は、ユーザ宅の玄関に取り付けられており、カメラ31、バーコードリーダー32、および呼び鈴33を有する。カメラ31は、玄関前に来た来訪者の姿を撮影してドアホン親機10に送信する。バーコードリーダー32は、来訪者が持つバーコードの画像を読み取ってドアホン親機10に送信する。呼び鈴33は、玄関前(ドアホン子機30の前)に来た来訪者が押すボタンであり、ボタンが押されたらその旨の信号をドアホン親機10に送信する。なお、カメラ31とバーコードリーダー32とを同一のカメラによって構成することも可能である。
【0017】
ドアホン親機10は、ユーザ宅内部に設置されており、モニタ11、制御部12、通信インターフェイス13、およびチャイム14を有する。モニタ11は、カメラ31が撮影した画像(来訪者の姿)および後述の配送業者サーバ50による処理の結果を表示する、ブラウン管もしくは液晶ディスプレイなどのような表示装置である。
【0018】
制御部12は、CPU、RAM、OSなどを有するマイクロコンピュータであり、以後に説明する各機能部をコンピュータプログラムとして実行する。通信インターフェイス13は、ネットワーク80を介して配送業者サーバ50と通信する。チャイム14はいわゆる一般的なチャイムであり、来訪者が呼び鈴33を押すと鳴動すると同時に、以後に示す本実施の形態に係る処理を開始するトリガーとなる。
【0019】
制御部12は、バーコード読み取り部15、通信部16、および結果表示部17といった各機能部をコンピュータプログラムとして実行し、またドアホン機器ID18を保持する。バーコード読み取り部15は、バーコードリーダー32が読み取ったバーコードの画像から、後述するサーバアドレスと荷物IDとを抽出する。通信部16は、通信インターフェイス13を駆動して、配送業者サーバ50にデータを送信し、また配送業者サーバ50からデータを受信する。
【0020】
結果表示部17は、通信部16が受信した配送業者サーバ50による処理の結果を、モニタ11に表示する。さらに、必要に応じて制御部12の処理に必要な情報、あるいはカメラ31が撮影した画像などを表示させることも可能である。ドアホン機器ID18はドアホン親機10固有の識別子であり、後述するドアホン機器認証の処理に使用される。ドアホン機器ID18を、ユーザが改変することは不可能である。
【0021】
荷物40は、来訪者が玄関前に持ってきた荷物であり、そこにはバーコード41が貼り付けられている。バーコード41は、バーコードリーダー32によって読み取り可能なバーコードであり、サーバアドレス42および荷物ID43といった情報が含まれる。サーバアドレス42は、詳細は後述するが、配送業者サーバ50にアクセスするために必要な情報である。荷物ID43は、個々の荷物に対して一意に与えられるIDである。
【0022】
なお、バーコード41はいわゆる1次元バーコードでも2次元バーコードでもよい。またバーコードには複数の規格があるが、ここでは使用される規格の種類については特に問わない。バーコード41の印刷には、偽造が困難な印刷方法を利用することが望ましい。
【0023】
ネットワーク80は、ドアホン親機10と配送業者サーバ50とを結んでデータ通信を行うことが可能なネットワークである。ネットワーク80の具体的な接続手段は、たとえばインターネット、電話回線、公衆無線回線など、任意の手段を適用することができる。ただし、情報が傍受されることを防ぐために、SSLなどのようなセキュアな通信手段を利用することがやはり望ましい。
【0024】
配送業者サーバ50は、ドアホン親機10がネットワーク80を介して接続可能なサーバであり、通常のコンピュータ装置である。前述のバーコード41に含まれるサーバアドレス42は、ネットワーク80を介して配送業者サーバ50にアクセスするために必要な情報であり、たとえばインターネットにおけるURLである。なお、配送業者サーバ50が複数のネットワークなどを介して接続された複数の通常のコンピュータ装置であり、後述の各機能部をそれぞれ物理的に別々のコンピュータが持つというようにしてもよい。
【0025】
配送業者サーバ50は、制御部51、通信インターフェイス52、バーコード印刷部53、荷札情報データベース60、および機器認証データベース70を有する。制御部51は、CPU、RAM、OSなどを有するコンピュータ装置の中枢であり、以後に説明する各機能部をコンピュータプログラムとして実行する。
【0026】
通信インターフェイス52は、ネットワーク80を介してドアホン親機10と通信する。バーコード印刷部53は、荷物40に貼り付けられるバーコード41を、サーバアドレス42および荷物ID43に基づいて印刷する。荷札情報データベース60と機器認証データベース70については後述する。なお、図1中では紙面の都合で「バーコード」を「BC」と略して表記している。
【0027】
制御部51は、通信部54、機器認証部55、荷札情報検索部56、およびバーコード作成部57といった各機能部をコンピュータプログラムとして実行する。通信部54は、通信インターフェイス52を駆動して、ドアホン親機10からデータを受信し、またドアホン親機10にデータを送信する。機器認証部55は、ドアホン親機10から受信したドアホン機器ID18について機器認証データベース70に問い合わせ、ドアホン機器ID18が適正であるか否かについて認証する。
【0028】
荷札情報検索部56は、ドアホン親機10から受信したバーコード41の荷物ID43について荷札情報データベース60に問い合わせ、荷物ID43に対応する荷札情報(後述)を得てドアホン親機10に返信する。バーコード作成部57は、配送業者サーバ50のサーバアドレス42、および荷札情報データベース60に登録されている荷札情報に基づいてバーコード印刷部53を駆動し、バーコード41を印刷する。
【0029】
以上で述べたように、ドアホン親機10はマイクロコンピュータである制御部12を備え、また配送業者サーバ50は制御部51を有するコンピュータ装置である。従って、以下で説明する本実施の形態に係る動作を、制御部12および51で実行されるコンピュータプログラムとして構成して提供することももちろん可能である。
【0030】
図2は、図1で示した荷札情報データベース60のデータ構成を示す概念図である。荷札情報データベース60には、前述の荷物ID43に対応する荷札情報61が記録されている。荷札情報61とは、依頼主62、品名63、荷姿64などの、該荷物の個々に関する情報である。荷札情報61を構成するデータは多くは文字データであるが、たとえば荷姿64に該荷物の外観を示す写真データを含むようにしてもよい。また、ここに示した情報以外の情報を荷札情報61に含めるようにしてもよい。
【0031】
そして、荷物ID43に対応する各々の荷物が配達済みであるか否かを示す配達済情報65も荷札情報データベース60に含まれる。配達済情報65の初期値は「未配達」であり、荷物40の配達が終了したら「配達済み」に変更される。
【0032】
図3は、図1で示した機器認証データベース70のデータ構成を示す概念図である。機器認証データベース70は、ドアホン機器ID18と、各々のドアホン機器ID18についてサービス利用の適否を示す適否71とを記憶している。図3では「適」を「○」、「否」を「×」の記号で表示している。
【0033】
ドアホン親機10から照会されたドアホン機器ID18が機器認証データベース70に含まれていない場合、また含まれていても対応する適否71が「否(×)」を示している場合、ドアホン親機10は認証されない。ドアホン機器ID18に対応する適否71が「適(○)」を示している場合に、ドアホン親機10は認証され、配送業者認証サービスを利用することができる。
【0034】
なお、バーコード41および機器認証データベース70に、ドアホン機器ID18以外にもドアホン親機10の認証に必要な情報を含むようにしてもよい。
【0035】
図4は、図1で示した配送業者認証システム1の動作を表すフローチャートである。あるユーザ宛の荷物40が別のユーザから発送された場合、配送業者サーバ50の荷札情報データベース60に、この荷物40の荷札情報61が登録される(ステップS101)。配送業者内部の業務システムと配送業者認証システム1とを連動させるようにすれば、配送業者認証システム1専用に荷物40に関わる情報の入力工程を設ける必要は通常ない。
【0036】
配送業者サーバ50のバーコード作成部57は、荷札情報データベース60に入力された荷札情報61に対応する荷物ID43を発行し、バーコード印刷部53を駆動してバーコード41を印刷する(ステップS102)。バーコード41には、発行された荷物ID43とサーバアドレス42とが含まれている。ただし荷札情報61に含まれる情報そのものは、バーコード41には含まれていない。バーコード41は荷物40に貼り付けられ、ユーザ宛に配送される。
【0037】
荷物40の宛先であるユーザは、あらかじめ配送業者認証サービスの利用を申し込んでおり、そのため該ユーザのドアホン親機10に内蔵されたドアホン機器ID18と、該ドアホン機器ID18に対応する適否71が「適(○)」であるという情報が、あらかじめ機器認証データベース70に記憶されている。
【0038】
バーコード41が貼り付けられた荷物40を持ってユーザ宅の玄関前に来た配達員は、ドアホン子機30の呼び鈴33を押す。チャイム14が鳴動すると同時に、この呼び鈴33が押されたことをトリガーとして、ドアホン親機10側での処理が開始される(ステップS103)。まずカメラ31が動作を開始し、配達員の姿を撮影する。撮影された配達員の姿はドアホン親機10に送信され、モニタ11に表示される(ステップS104)。
【0039】
また、ステップS103で呼び鈴33が押された時点で、バーコードリーダー32も動作を開始している。表示された配達員の姿を見て、配送業者の配達員であることを確認したユーザは、配達員にバーコード41をドアホン子機30に読み取らせることを要求する。配達員がドアホン子機30の前にバーコード41を示すと、バーコードリーダー32がバーコード41を読み取る(ステップS105)。
【0040】
バーコード読み取り部15が、バーコード41が正常に読み取れたか否かを判断し(ステップS106)、正常に読み取れたらステップS107以降の処理に進み、読み取れなかったらステップS105から処理をやり直させる。または処理をここで打ち切ることもできる。
【0041】
バーコード41が正常に読み取れたら、バーコード読み取り部15がサーバアドレス42および荷物ID43を抽出する(ステップS107)。そして通信部16が通信インターフェイス13を駆動し、ステップS107で抽出されたサーバアドレス42にアクセスして配送業者サーバ50と接続し、ドアホン機器ID18および荷物ID43を送信する(ステップS108)。
【0042】
配送業者サーバ50では、通信部54が通信インターフェイス52を介してドアホン機器ID18および荷物ID43を受信する(ステップS109)。これに対応して、機器認証部55が機器認証データベース70を参照して、ドアホン機器ID18に対応する適否71を検索して抽出し(ステップS110)、検索された適否71が「適(○)」であるか否かを判断する(ステップS111)。検索された適否71が「否(×)」であれば、エラーメッセージをドアホン親機10に返して処理を終了する。
【0043】
ステップS110でドアホン機器ID18に対応する適否71が「適(○)」であった場合、荷札情報検索部56が荷物ID43に対応する荷札情報61および配達済情報65を荷札情報データベース60から検索して抽出する(ステップS112)。
【0044】
ここで荷札情報検索部56は、検索された情報が正当であるか否かを判断する(ステップS113)。ここでいう正当な情報とは、荷物ID43に対応する荷札情報61が存在し、かつ荷物ID43に対応する配達済情報65が「未配達」を示しているということである。正当な情報ではないと判断されたら、エラーメッセージをドアホン親機10に返して処理を終了する。正当な情報であれば、通信部54が得られた荷札情報61をドアホン親機10に返信する(ステップS114)。
【0045】
最後に荷札情報検索部56が、荷物ID43に対応する配達済情報65を「未配達」から「配達済み」に変更して、配送業者サーバ50での処理は終了する(ステップS115)。なお、配達員が無事に荷物40の配達を完了したことを確認してから、配達済情報65を「配達済み」に変更するとより好ましい。
【0046】
ドアホン親機10では、通信部16が通信インターフェイス13を介して荷札情報61を受信し(ステップS116)、結果表示部17がその荷札情報61をモニタ11に表示する(ステップS117)。これによってユーザは、呼び鈴33を押した人物が自ら宛の荷物40を持った正当な配達員であることが確認できるので、安心して玄関の扉を開けることができる。
【0047】
図5は、図4の処理の結果、結果表示部17がモニタ11に表示する情報の例を示す概念図である。図5(a)は、正当な荷札情報が配送業者サーバ50からドアホン親機10に返信された場合のモニタ11の表示の一例である。ここでは、荷札情報61を構成する情報である依頼主62、品名63、および荷姿64がモニタ11に表示されている。荷姿64は、文字データと、該荷物の外観を示す写真データの両方で表示されている。
【0048】
図5(b)は、ステップS111および113の判断でエラーメッセージが配送業者サーバ50からドアホン親機10に返信された場合のモニタ11の表示の一例である。ここでは、「荷札情報が正当ではない可能性があります。注意してください」と、ユーザの注意を喚起する画面が表示されている。
【0049】
ここで、正当な配達員ではない者がステップS103と同じように呼び鈴33を押したものとする。その場合、まずステップS104でユーザはその者の姿は確認できるが、これだけでは正当な配達員であるか否かの識別は難しい。そこで、ステップS105のバーコード41を読み取らせることを要求すると、バーコード41を持っていない者はこれだけでもうステップS107以後の処理に進むことはできない。
【0050】
また、正当な配達員ではない者がバーコード41を偽造していて、その偽造バーコードを読み取らせた場合も、そこに含まれているべきサーバアドレス42が正しくない場合、配送業者サーバ50にアクセスすることはできないので、ステップS109以後の処理に進むことはできない。
【0051】
またサーバアドレス42が正しくても荷物ID43が配送業者サーバ50に登録されていない場合、ステップS113で正当な情報と判断されないので、配送業者サーバ50はエラーメッセージをドアホン親機10に返す。これにより、ドアホン親機10のモニタ11に図5(b)のような注意喚起のメッセージが表示されるので、ユーザはその者が正当な配達員ではない可能性があるということを知ることができる。
【0052】
また、荷物ID43は個々の荷物に対して一意に与えられるIDである。このため、たとえ他の荷物に貼り付けられたバーコード41をコピーし、実在する荷物ID43を含むバーコード41を偽造していたとしても、その荷物ID43に対応する配達済情報65は既に「配達済み」である。従って、該荷物ID43に対して、配送業者サーバ50はステップS113で正当な情報ではないと判断し、エラーメッセージをドアホン親機10に返す。これにより、ドアホン親機10のモニタ11に図5(b)のような注意喚起のメッセージが表示されるので、ユーザはその者が正当な配達員ではない可能性があるということを知ることができる。
【0053】
ここまでに示した処理で、ユーザは認証に係る操作を特に何もしていない。認証に使用されるのは、ドアホン親機10にあらかじめ内蔵されたドアホン機器ID18であり、これはユーザが入力するものではなく、またユーザや他の者が偽造することもできない。それ以外の情報、たとえばユーザのメールアドレス、電話番号、パスワード、住所、氏名、およびその他の個人情報は、本実施の形態では特に使用しないし、ユーザが入力する必要もない。
【0054】
また、荷札情報データベース60の側にも、ユーザの住所、氏名、電話番号などのような個人情報が記憶されている必要はないし、それらの個人情報がネットワーク80を介して交換されることもなく、またバーコード41にも含まれない。従って、個人情報がネットワーク80を介して漏洩するリスクは少ない。
【0055】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る配送業者認証システム201の構成を示す概念図である。配送業者認証システム201は、本発明の第1の実施の形態に係る配送業者認証システム1と比べて、ドアホン子機230にメッセージ表示部234が追加され、ドアホン親機210の制御部12にメッセージ駆動部219と情報記憶部220が追加されている。
【0056】
メッセージ表示部234は、メッセージ駆動部219による制御で、来訪者にバーコード41をドアホン子機230に読み取らせることを要求するメッセージを表示させることができる。このメッセージは、たとえば文字や光の点滅、あるいは音声などで表示されるものとすることができる。情報記憶部220は、配送業者サーバ50から返信された荷札情報61を保存する。これ以外の機器構成およびデータ構成は同一であるので、同一の要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0057】
図7は、図6で示した配送業者認証システム201の動作を表すフローチャートである。配送業者認証システム201の動作も、本発明の第1の実施の形態に係る配送業者認証システム1と概ね同一であるので、同一の動作には同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0058】
配送業者認証システム201の、配送業者認証システム1との相違点は、ステップS104と105の間に、メッセージ駆動部219がメッセージ表示部234を駆動して配達員にバーコード41をドアホン子機230に読み取らせることを要求するメッセージを表示させる(ステップS120)工程が追加されていることと、ステップS117で表示された荷札情報61をドアホン親機210の情報記憶部220に保存する工程(ステップS121)が追加されていることである。ステップS120は、呼び鈴33が押されたことをトリガーとして、ステップS104と同時に動作させることができる。
【0059】
第1の実施の形態ではユーザが口頭で配達員にバーコード41を読み取らせることを要求していたが、第2の実施の形態ではこれを自動化しているので、ユーザが直接応対することが不要になるという効果がある。また、従来はユーザが不在の時には配達員が不在通知票を書き残す必要があったが、本実施の形態では荷札情報61が情報記憶部220に保存されるので、配達の時点では不在だったユーザが帰宅してから情報記憶部220に保存されている荷札情報61を確認することができる。従って、不在通知票が不要になるという副次的効果もある。
【0060】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることは言うまでもないことである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
郵便、宅配便、各種宅配サービスなど、ユーザ宅に訪問する必要のある業者において利用することができる。また、一般住宅の防犯対策としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る配送業者認証システムの構成を示す概念図である。
【図2】図1で示した荷札情報データベースのデータ構成を示す概念図である。
【図3】図1で示した機器認証データベースのデータ構成を示す概念図である。
【図4】図1で示した配送業者認証システムの動作を表すフローチャートである。
【図5】図4の処理の結果、結果表示部がモニタに表示する情報の例を示す概念図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る配送業者認証システムの構成を示す概念図である。
【図7】図6で示した配送業者認証システムの動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1、201 配送業者認証システム
10、210 ドアホン親機
11 モニタ
12 制御部
13 通信インターフェイス
14 チャイム
15 バーコード読み取り部
16 通信部
17 結果表示部
18 ドアホン機器ID
30、230 ドアホン子機
31 カメラ
32 バーコードリーダー
33 呼び鈴
40 荷物
41 バーコード
42 サーバアドレス
43 荷物ID
50 配送業者サーバ
51 制御部
52 通信インターフェイス
53 バーコード印刷部
54 通信部
55 機器認証部
56 荷札情報検索部
57 バーコード作成部
60 荷札情報データベース
70 機器認証データベース
80 ネットワーク
219 メッセージ駆動部
220 情報記憶部
234 メッセージ表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアホン子機が付属するドアホン親機と、前記ドアホン親機とネットワークを介して相互に接続される配送業者サーバからなる配送業者認証システムであって、
前記ドアホン子機がバーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有すると共に、
前記ドアホン親機が、前記配送業者サーバと情報を送受信する第1の通信部と、前記バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から荷物IDを抽出し、前記第1の通信部を介して前記荷物IDを前記配送業者サーバ宛に送信するバーコード読み取り部とを有し、
前記配送業者サーバが、前記ドアホン親機と情報を送受信する第2の通信部と、前記荷物IDに対応する荷札情報を記憶する荷札情報データベースと、前記第2の通信部を介して前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報を前記荷札情報データベースから検索する荷札情報検索部とを有することを特徴とする配送業者認証システム。
【請求項2】
前記配送業者サーバの前記荷札情報検索部が、前記第2の通信部を介して前記荷札情報を前記ドアホン親機宛に返信し、
前記ドアホン親機が、前記第1の通信部を介して受信した前記荷札情報を表示する表示部を有することを特徴とする、請求項1に記載の配送業者認証システム。
【請求項3】
前記配送業者サーバの前記荷札情報検索部が、前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報が前記荷札情報データベースに存在しない場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項4】
前記配送業者サーバの前記荷札情報検索部が、前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報が前記荷札情報データベースに存在しない場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信し、
前記ドアホン親機の前記表示部が、前記第1の通信部を介して前記エラーメッセージを受信した場合に、注意喚起の画面を表示することを特徴とすることを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項5】
前記配送業者サーバの前記荷札情報データベースが、前記荷物IDに対応する荷物が配達済みであるか否かを示す配達済情報を記憶し、
前記配送業者サーバの前記荷札情報検索部が、前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する配達済情報が配達済みであることを示す場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項6】
前記配送業者サーバの前記荷札情報データベースが、前記荷物IDに対応する荷物が配達済みであるか否かを示す配達済情報を記憶し、
前記配送業者サーバの前記荷札情報検索部が、前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する配達済情報が配達済みであることを示す場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信し、
前記ドアホン親機の前記表示部が、前記第1の通信部を介して前記エラーメッセージを受信した場合に、注意喚起の画面を表示することを特徴とすることを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項7】
前記ドアホン親機の前記バーコード読み取り部が、前記ドアホン親機が内蔵する自身に固有の識別子であるドアホン機器IDを前記荷物IDと同時に前記第1の通信部を介して前記配送業者サーバ宛に送信し、
前記配送業者サーバが、
前記ドアホン機器IDに対応する機器のサービス利用の適否を示す適否情報を記憶する機器認証データベースと、
前記第2の通信部を介して前記ドアホン親機から受信したドアホン機器IDに対応する適否情報を前記機器認証データベースから検索し、前記適否情報が前記サービス利用に適さない情報を含んでいる場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信する機器認証部とを有することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項8】
前記ドアホン親機の前記バーコード読み取り部が、前記ドアホン親機が内蔵する自身に固有の識別子であるドアホン機器IDを前記荷物IDと同時に前記第1の通信部を介して前記配送業者サーバ宛に送信し、
前記配送業者サーバが、
前記ドアホン機器IDに対応する機器のサービス利用の適否を示す適否情報を記憶する機器認証データベースと、
前記第2の通信部を介して前記ドアホン親機から受信したドアホン機器IDに対応する適否情報を前記機器認証データベースから検索し、前記適否情報が前記サービス利用に適さない情報を含んでいる場合には前記第2の通信部を介してエラーメッセージを前記ドアホン親機に返信する機器認証部とを有し、
前記ドアホン親機の前記表示部が、前記第1の通信部を介して前記エラーメッセージを受信した場合に、注意喚起の画面を表示することを特徴とすることを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項9】
前記配送業者サーバが、前記荷札情報データベースに記憶された情報に対応して前記バーコードを印刷するバーコード印刷部を有することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項10】
前記ドアホン親機の前記バーコード読み取り部が、前記バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から前記配送業者サーバと通信するために必要な情報であるサーバアドレスを抽出し、
前記ドアホン親機の前記第1の通信部は前記サーバアドレスを利用して前記配送業者サーバと通信することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項11】
前記ドアホン子機が、来訪者によって押されることが可能なボタンと、前記来訪者の姿を撮影するカメラとを有し、
前記ドアホン親機が、前記ボタンが押されたことに反応して鳴動するチャイムを有し、
前記ドアホン親機の前記表示部が、前記ボタンが押されたことに反応して前記カメラの撮影した画像を表示することを特徴とする、請求項2に記載の配送業者認証システム。
【請求項12】
前記ドアホン子機が、来訪者に前記バーコードを前記バーコードリーダーに読み取らせることを要求するメッセージを表示するメッセージ表示部を有し、
前記ドアホン親機が、前記ボタンが押されたことに反応して前記メッセージ表示部を駆動するメッセージ駆動部を有することを特徴とする、請求項11に記載の配送業者認証システム。
【請求項13】
前記ドアホン親機が、受信した前記荷札情報を記憶する記憶部を有することを特徴とする、請求項12に記載の配送業者認証システム。
【請求項14】
バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属し、ネットワークを介して配送業者サーバに接続可能なドアホン親機であって、
前記配送業者サーバと情報を送受信する通信部と、
前記バーコードリーダーが読み取ったバーコードから荷物IDを抽出し、前記通信部を介して前記荷物IDを前記配送業者サーバ宛に送信するバーコード読み取り部とを有することを特徴とするドアホン親機。
【請求項15】
ネットワークを介してドアホン親機に接続可能な配送業者サーバであって、
前記ドアホン親機と情報を送受信する通信部と、
前記荷物IDに対応する荷札情報を記憶する荷札情報データベースと、
前記通信部を介して前記ドアホン親機から受信した荷物IDに対応する荷札情報を前記荷札情報データベースから検索する荷札情報検索部とを有することを特徴とする配送業者サーバ。
【請求項16】
バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属するドアホン親機と、前記ドアホン親機とネットワークを介して相互に接続される配送業者サーバからなる配送業者認証システムにあって、配送業者を認証する方法であって、
前記ドアホン子機が、バーコードの画像を読み取るバーコード読み取り工程と、
前記ドアホン親機が、前記バーコードの画像から荷物IDを抽出するバーコード情報抽出工程と、
前記ドアホン親機が、前記荷物IDを前記配送業者サーバ宛に送信する荷物ID送信工程と、
前記配送業者サーバが、前記ドアホン親機から前記荷物IDを受信する荷物ID受信工程と、
前記配送業者サーバが、受信した前記荷物IDに対応する荷札情報をあらかじめ備えられた荷札情報データベースから検索する荷札情報検索工程とを有することを特徴とする配送業者認証方法。
【請求項17】
バーコードの画像を読み取るバーコードリーダーを有するドアホン子機が付属し、ネットワークを介して配送業者サーバに接続可能なドアホン親機を制御するコンピュータに、
前記バーコードリーダーが読み取ったバーコードの画像から荷物IDを抽出するバーコード情報抽出処理と、
前記荷物IDを前記配送業者サーバ宛に送信する荷物ID送信処理とを実行させることを特徴とする配送業者認証プログラム。
【請求項18】
ネットワークを介してドアホン親機に接続可能な配送業者サーバに、
前記ドアホン親機から荷物IDを受信する荷物ID受信処理と、
受信した前記荷物IDに対応する荷札情報をあらかじめ備えられた荷札情報データベースから検索する荷札情報検索処理とを実行させることを特徴とする配送業者認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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