説明

配送物重量検査装置

【課題】配送物の重量が予め決められた重量であるかどうかを検査する。
【解決手段】配送物aに、配送物aの重量情報を含む二次元コードデータを付しておき、二次元バーコードリーダ6にて配送物aから二次元コードデータを読み取り、また、重量測定装置Wにて配送物aの重量を測定し、二次元バーコードリーダ6にて読み取られた二次元コードデータに含まれる重量情報による配送物aの重量と、重量測定装置Wにて測定された配送物aの重量とを比較し、2つの重量が互いに不一致であった場合に、配送物aを回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便配達や宅配業務等において配送物を物流経路に沿って移送するに際して、必要な配達証、宅配票等の配送票を発行するとともに、この配送票を配送物に貼付する配送票発行貼付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便配達や宅配業務等で配送物を配送するには、書留で使用される配達証や宅配業で使用される宅配票等の配送票を作成し、配送物に添付して配送処理を行っている。この配送票には、配送先及び発送人などの配送情報とともに配送物受取人が記載、又は、受け取り印用の押印欄を有し、その配送票を持ち帰ることによって配送者が配送処理を完了したことが確認でき確実な配送の管理ができる。また、この配送票の作成にあたっては、配送物の配送先住所、配送先宛名、配送先電話番号、配送物、発送人住所、発送人名称(氏名)、発送人電話番号及び配送先の取扱い郵便局コードや宅配業者の着店コード等の通常、人間が読取り可能な配送先データを手書きにより行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、多量に配送物があると、これら配送票の作成に大変な手間がかかるばかりか、配送物に貼付すべき配送票を誤って、他の配送物に貼付してしまって、確実な配送処理ができないので、配送物にコードデータを付すとともに、このコードデータに対応する配送する配送先データを登録して、随時このコードデータを読取り、登録した前記配送先データから対応する配送先データを検索し、自動で多量の配送物への配送票発行および貼付処理を行える配送票発行貼付装置の開発を試みた。しかしながら、いちいちコードデータに対応する配送先データを登録する作業が繁雑となり、その管理も大変なものとなるばかりか、システムも大掛かりなものとなってしまい配送物への配送票発行貼付作業は、きわめて繁雑で,作業効率を著しく低下させるものとなってしまう。この発明は、多量の配送物の配送票発行貼付処理に際して、コードデータに対応する配送先データを登録する必要を無くし、容易に配送票発行貼付作業を行える配送票発行貼付装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は、
配送物の重量を検査する配送物重量検査装置であって、
前記配送物には、該配送物の重量情報を含む二次元コードデータが付され、
前記配送物から前記二次元コードデータを読み取る二次元コード読み取り手段と、
前記配送物の重量を測定する内包物検出手段と、
前記二次元コード読み取り手段にて読み取られた二次元コードデータに含まれる重量情報による前記配送物の重量と、前記内包物検出手段にて測定された前記配送物の重量とを比較し、前記2つの重量が互いに不一致であった場合に、当該配送物を回収する回収手段とを有する。
【0005】
(作用)
配送物の配送先住所や配送宛名等データが記憶されたコードデータを読取り、あらかじめ記憶されている変換プログラムによって、このコードデータに対応する配送データに変換し、対応する前記配送データをプリントアウトして配送票を発行、貼付する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明の配送票発行貼付装置は、配送物の配送先住所や配送宛名等データが記憶されたコードデータを読取り、あらかじめ記憶されている変換プログラムによって、このコードデータに対応する配送データに変換し、対応する前記配送データをプリントアウトして配送票を発行、貼付するればよいので、いちいちコードデータに対応する配送先データを登録する作業を必要としないばかりか、システムも簡素化でき処理作業効率を大幅に向上させることができ、実用性に優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を好適な実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の配送票発行貼付装置の全体説明図であって、図2は、図1で処理する配送物の内包物として取扱われるカードとカード配送台紙の展開状態の表面説明図、また図3は、図1で処理する図2の内包物を封入した封筒の表面説明図で、図4は、図3の封筒の裏面説明図、図5は、図4の封筒の裏面に配送票を貼付した平面説明図、図6は、図1の配送票発行貼付装置の処理フロー説明図である。
【0008】
配送票発行貼付装置1の説明に先だって、図2の内包物となるカードCとこのカードCを固定するカード台紙34を説明する。このカード台紙34は、カードCの送り状を兼ねる物であって、あらかじめ配送先住所、氏名、およびこれら配送先住所、氏名や配送管理用バーコードラベル情報等が記憶された二次元バーコードBCが印字されている。カードCは、カード台紙34に設けられた切り込み35、35にエッジが挿入されて固定されている。
【0009】
このカード台紙34とカードCからなる内包物は、折り線38、38でジグザグに折りたたまれ、図3で示される封筒に封入された配送物aとされる。次に、この封筒を図3、図4にしたがって説明すると、表面側(図3)に、配送物a(封筒)に設けられた窓から、二次元バーコードデータBC、および配送宛先情報31としての住所、氏名が表出されている。またB1は、配送管理用に発行されるバーコードラベルであって、このバーコードラベルB1の出力データは、前述した如く前記二次元バーコードデータBCに記憶されていて、この二次元バーコードデータBCの読取りに基づいて発行されるものである。図4は、封筒裏面側で封緘用舌片33を有している。
【0010】
図1は、配送票発行貼付装置1を封書を書留郵便で送付する際に使用される配送票としての書留郵便配達証を発行貼付する実施例として説明する。図1に示すように配送票発行貼付装置1は、概略的に、一つずつ供給部21から供給される配送物(封筒)aを一方向(図上、左から右)に移送してストッカーなどの区分部22へ送り出すコンベヤベルトよりなる移送手段2と、配送物a個々に特定されたバーコードとして表された二次元バーコードデータBCを、前記移送手段2上の上流側で読み取り対応する配送管理用バーコードラベルB1を発行するバーコードラベル発行手段41と、配送物における内包物検出手段Wと、配送票を発行するようにした配送票発行装置3と、前記配送票発行装置3で発行された配送票16(書留郵便配達証)(図5参照)を配送物aに対して、移送手段2上において貼り付ける配送票貼付装置4とからなるものである。
【0011】
具体的な構成としては、配送物aが給送部より一通づつ供給され、配送物aの二次元バーコードデータBCを二次元バーコードリーダー6により、上流側で配送物aから読み取ってその情報を制御部5に送り、この制御部5からの制御により作動する配送管理用バーコードラベルB1を発行するバーコードラベル発行手段41と、バーコードラベル発行貼付後、同様に制御部5からの制御により作動する配送物における内包物検出手段としてなる重量測定装置Wが配置されており、ここで配送物aの内包物の測定が行われる。後段には、配送票発行装置3における二組のプリンタ7a、7bが配置されているとともに、前記配送票貼付装置4は、制御部5の制御下で、粘着手段を有した配送票が剥離可能に並び設けられている支持帯8を前記配送票発行装置3のプリンタ7a、7bのヘッド面を通過するように送り出し、移送手段2上を経て巻き取る一対のロール部9と移送手段2上を移動する封筒aに向けて順次配送票を支持帯8から分離させて貼り付けるガイド部10a、10bとから構成されている。
【0012】
なお、前記制御部5には、予め配送物aに対して付された二次元バーコードBCを読取って、この二次元バーコードBCに対応する配送先住所、氏名および前述した配送物aにおける内包物の検情報となる重量情報等の配送データへの変換用プログラムが記録される記憶部11、全装置の動作状態などを制御部5の制御の下で表示する表示部12、手動操作指示などの外部入力情報を制御部5に与えるキーボード等の入力部13がそれぞれ接続されている。
【0013】
そして、重量測定装置Wによる内包物検出および上記配送票発行装置3の動作状態にあっては、移送手段2で移送されてくる配送物aの二次元コードデータBCをバーコードリーダ6で読み取り、予めこの二次元バーコードデータBCに対応する配送データにおける重量データが記録された配送データファイルの情報から、即ち、記憶部11から検索して得られた、前記配送物aのコードデータに対応する重量データと、重量測定装置Wが測定した重量データとが制御部5で比較される。ここで重量が異なった場合は、制御部5は、重量測定装置Wのすぐ後段に配置されたリジェクトボックス37の駆動手段40を駆動制御し、その配送物aを回収するよう制御する。
【0014】
また、重量が異なることなく、一致した場合は、リジェクトボックス37を通過し、後段に移送されるが、記憶部11から、前記配送物aのコードデータに対応する配送先住所、氏名としての配送データを検索して、得られた配送データが、配送票発行装置3における支持帯8の配送票にプリントアウトされ、そして、配送票貼付装置4で、プリントアウトされた配送票が移送手段2側で分離される時点で、予め配送物aに対して付された二次元バーコードデータBCが読み取られた配送物aに対応したコードデータB2(配送管理用バーコードラベルB1と同コード)付きの配送票16、16が貼付されるようにしたものとなっている。尚、6a、6b、6cは、配送物aに貼付された配送票16、16のコードデータB2、B2と予め配送物aに対して最初に付されたバーコードラベルB1の照合用のバーコードリーダである。
【0015】
一方、これら配送物aは、発送前に発送を取り止める場合や、別ルートで配送する場合等があり、配送票発行貼付装置1での処理の過程で抜き出すために指定する配送物aのコードデータ(配送管理用バーコード等)を入力部13から入力し、そのデータは、指定配送物記憶部14に登録できるようになっている。指定配送物のデータ入力は、アラビア数字で入力部13から入力するか、必要により別のバーコードリーダ等で入力してもよい。
【0016】
バーコードリーダ6a、6b、6cの後段には、指定した配送物aをストックするピックアップボックス23と、予め配送物aに対して付された二次元バーコードデータBCがバーコードリーダー6で読み取りができなかった場合や、バーコードリーダ6a、6b、6cで配送物aに貼付された配送票16、16のコードデータB2、B2と予め配送物aに対して最初に付されたバーコードラベルB1の照合がとれなかったものを抜き出すリジェクトボックス24が設けられている。
【0017】
ピックアップボックス23には、バーコードリーダ6または、バーコードリーダ6a、6b、6cのいずれが指定配送物記憶部14に登録されているコードデータを読み取った場合には、制御部5の制御の下で対象となる配送物aを抜き出す抜き取り駆動装置21が設けられピックアップ手段を構成する。また、リジェクトボックス24にも、バーコードリーダー6で読み取りできない二次元バーコードデータBC、または、バーコードリーダ6a、6b、6cでの照合不良の場合に制御部5の制御の下で対象となる配送物aを抜き出す抜き取り駆動装置22が設けられリジェクト手段を構成する。
【0018】
図5は、配送票16、16が封書本体と封緘された封緘舌片33の堺を覆う位置に貼付した例であって、図5に示されているように配送票16は、配送票16の裏面に粘着剤が塗布されているとともに、更にその下に剥離可能にして透明フィルムが接合され、その透明フィルムの裏面に粘着剤が塗布されていて、配達票16に各種配達情報が上述のようにして出力された後、各裏面の粘着剤を介して配送物aに貼り合わされることになる。なお、図中右側の配送票16は配送過程において配送物aから分離され郵便局が控とするものである。
【0019】
図6は配送票16、16を発行貼付する際の作業流れを示している。まず、個々にコードデータが特定されている配送物aが供給され(ステップ101)、供給されてきた配送物から二次元バーコードデータBCを読み取り(ステップ102)、この二次元バーコードデータBCが読み取れなかった場合は、読み取りエラーとし(NO)でリジェクト処理される(ステップ109)。読み取りエラーが生じなかった場合は、バーコードラベル発行貼付装置41で対応する配送物aに配送管理用のバーコードラベルB1が発行、貼付される(ステップ103)、一方これと平行して、前記二次元バーコードデータBCの読み取りに基づいて通常、人手を介して読取り可能な配送先データへのデータ変換が行われる(ステップ104)。
【0020】
ステップ103でのバーコードラベルB1が発行、貼付の後、または、このバーコードラベルB1が発行、貼付処理に先だって、フローに図示されてないが、その二次元バーコードデータBCに対応する配送物の重量がチェックされ、重量が一致しない場合は、その時点でリジェクトボックス37にその配送物を回収するリジェクト処理が行われる。
【0021】
次に、重量チェックをクリヤし異常がなければ、二次元バーコードデータBCからステップ104での配送先データへのデータ変換の後、制御部5から配送票発行装置3に、その配送データを出力動作させる指令が発せられると、前記指令により配送データを配送票16、16に出力し(ステップ106)、その配送票16、16を配送票貼付装置4は、配送物aに貼付する工程に移行する(ステップ107)。
【0022】
そして、ステップ107を経た配送物aのバーコードラベルB1と前記配送票に出力されたコードデータB2、B2とを読み取って比較する段階(ステップ108)となり、この段階で不一致(NO)である場合には、制御部5の制御の下で抜き取り駆動装置22を駆動し配送物aを抜き出しリジェクト処理される(ステップ109)。
【0023】
一方、ステップ108で一致(YES)となった配送物に関しては次工程に移送する(ステップ109)ことになる。このステップ109では、指定配送物記憶部14に登録されているコードデータを読み取った場合には、制御部5の制御の下で抜き取り駆動装置21を駆動し配送物aを抜き出しピックアップ処理される(ステップ110)。
【0024】
ステップ109で、指定配送物記憶部14に登録されていないコードデータを読み取った場合には、後段の区分部22へ送り出され郵便番号別に所定通数づつ仕分け処理されながらスタック処理される(ステップ111)。
【0025】
上記、実施例において、配送管理用に出力されるバーコードラベルは、二次元バーコードに記憶されているコードに基づいて、この二次元バーコードを読取って、発行、貼付される以外に、たとえば、カード送付台紙に二次元バーコードを印字出力する際、このカード送付台紙に同時に出力印字されるものであってもよく、このカード送付台紙が封筒等に封入される際、あらかじめ封筒に設けた、窓から表出されるものであってもよい。
【0026】
また、本発明の配送票発行貼付装置に配置された各装置において、バーコードラベル発行装置の後段に、内包物検出手段として設けた重量測定装置は、必ずしも、このバーコードラベル発行装置の後段に配置する必要はなくバーコードラベル発行装置の前段に配置して、バーコードラベルの発行以前にリジェクトしてもよい。
【0027】
さらに内包物検出情報登録手段は、必ずしも各配送物おのおのに対応するよう配送物の数だけ全て記憶しなくてもよく、所望の単位ごとに同じ重量の配送物を扱う物であれば、キーボードなどの入力部13から重量測定装置での測定値を入力、登録するようにしてもよい。また、内包物検出情報登録手段および内包物検出手段は、必ずしも重量によるものである必要はなく、従来公知の検出手段、たとえば磁気検出、電磁検出手段等を用い、磁気的、電気的に検出可能な情報で登録するものであってもよい。
【0028】
またらに、配送物aは封筒形態のものが示されていて、配送管理用バーコードラベルは、配送物表面に貼付されるも以外に、配送物表面に直接バーコードデータが印字記載されるものであってもよく、また、この配送物aはある程度の厚さを有するものであってもよく、封筒に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の配送票発行貼付装置の一実施例を概略的に示す説明図。
【図2】配送物における内包物の展開状態を示す表面説明図。
【図3】配送物の表面側を示す説明図。
【図4】配送物の裏面側を示す説明図。
【図5】配送物の裏面側に配送票を貼付した状態を示す説明図。
【図6】本発発明の配送票発行貼付方法の一実施例をフロー図にて概略的に示す説明図。
【符号の説明】
【0030】
1 配送票発行貼付装置
2 移送手段
3 配送票発行装置
4 配送票貼付装置
5 制御部
6 二次元バーコードリーダ
6a,6b,6c バーコードリーダ
7a,7b プリンタ
11 記憶部
12 表示部
13 入力部
14 指定配送物記憶部
37 リジェクト
41 バーコードラベル発行貼付装置
b 配送物
B1,B2 コードデータ
W 重量測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送物の重量を検査する配送物重量検査装置であって、
前記配送物には、該配送物の重量情報を含む二次元コードデータが付され、
前記配送物から前記二次元コードデータを読み取る二次元コード読み取り手段と、
前記配送物の重量を測定する内包物検出手段と、
前記二次元コード読み取り手段にて読み取られた二次元コードデータに含まれる重量情報による前記配送物の重量と、前記内包物検出手段にて測定された前記配送物の重量とを比較し、前記2つの重量が互いに不一致であった場合に、当該配送物を回収する回収手段とを有する配送物重量検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−96562(P2006−96562A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341967(P2005−341967)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【分割の表示】特願平7−248593の分割
【原出願日】平成7年9月2日(1995.9.2)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】