説明

配送管理システム及び配送管理方法

【課題】既存の仕組みを利用して、住所以外の情報を用いて配送物を配送することができる配送管理システム及び配送管理方法を提供する。
【解決手段】送り主は、葉書10に集約事務局の郵便番号と、受取人の会員番号及び氏名とを記載して、この葉書10を郵便差出箱13に投函する。この葉書10は、集荷拠点を介して、郵便番号によって特定される集約事務局に到着する。集約事務局のサービス管理サーバ20の制御部は、会員番号読取装置25を介して葉書10に記載された受取人の会員番号と氏名とを取得する。制御部は、これら会員番号と氏名とに一致する会員管理レコードを抽出し、これに含まれる住所を取得し、この住所を封筒15に印刷する。この封筒15に葉書10を封入して投函する。投函された封筒15には、受取人の住所が記載されているので、受取人に届けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所以外の宛先情報を用いて配送を行なう配送管理システム及び配送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子メールや電子掲示板等を用いてコミュニケーションが行なわれている。これらによるコミュニケーションにおいては、ネットワーク上のアドレスを用いるため、コミュニケーションを頻繁に行なっている相手であっても、相手の実際の住所を知らない場合がある。
【0003】
一方、郵便物等の配送物の配送を依頼する場合には、宛先の住所が必要である。
そこで、住所の代わりに受取人の他の情報から配送可能な技術が検討されている(特許文献1参照)。この特許文献1には、集配処理装置が、専用ポストから収集した郵便物の宛先として書かれた受取人の携帯電話番号を読み取り、この携帯番号に対応した所有者情報を顧客データベースから取得する。付加サービスサーバは、受取人の携帯メールアドレス宛の電子メールを作成し、郵便物がある旨と配達条件変更用WebページのURLとを含む配達通知を送信し、受取拒否や配達先住所、配達先日時等の配達条件の変更を受け付ける。集配処理装置は、配達条件に応じて配達先住所等を印刷し、配達先住所に応じたトレーに振り分ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−1722号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、宛先として住所の代わりに携帯電話番号が書かれた郵便物を専用ポストから回収して集配センタに集める。すなわち、宛先に住所が記載された通常の郵便物とは異なる仕組みを設ける必要があり、広くサービスを提供する場合には大きな負担がかかる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、既存の仕組みを利用して、住所以外の情報を用いて配送物を配送するための配送管理システム及び配送管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、住所情報と、これに関連付けられた第1宛先情報とが登録された利用者情報記憶手段と、配送物に記載された情報を読み取る手段とに接続される制御手段を備え、集約場所の住所を特定するための第2宛先情報と、第1宛先情報とが記載された配送物の配送を管理する配送管理システムであって、前記制御手段が、第2宛先情報に基づいて集約場所に配送された配送物の第1宛先情報を取得する手段と、前記第1宛先情報に関連付けられた住所情報を前記利用者情報記憶手段から取得する手段と、前記住所情報を配送物の宛先として出力する宛先出力手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配送管理システムにおいて、前記利用者情報記憶手段には、前記住所情報とメールアドレスとが関連付けられて記憶されており、前
記第1宛先情報は、前記メールアドレスを特定するためのメールアドレス特定情報であることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の配送管理システムにおいて、前記制御手段が、利用者情報記憶手段に記録されたメールアドレスに、配送物の受取場所の住所を確認するための受取場所確認メールを送信する手段を更に備え、前記宛先出力手段は、前記受取場所確認メールの送信に対応して取得した住所を前記配送物の宛先として出力することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の配送管理システムにおいて、前記制御手段が、メールアドレスを含む利用者登録確認要求を取得した場合、このメールアドレスを利用者情報記憶手段において検索し、検索結果を返信することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の配送管理システムにおいて、前記制御手段には、登録予定者のメールアドレスと、この登録予定者が登録するよりも前にこの登録予定者の登録について利用者登録確認依頼をした確認依頼者のメールアドレスとを関連付けて記録した仮登録記憶手段が更に接続されており、前記制御手段が、前記利用者登録確認要求に含まれるメールアドレスが前記利用者情報記憶手段に記録されていない場合には、前記利用者情報記憶手段において、検索対象のメールアドレスを、利用者登録要求を送信した確認依頼者のメールアドレスに関連付けて、前記仮登録記憶手段に記録する手段と、前記登録予定者のメールアドレスに対して登録予定者に登録を促す通知を行なう手段と、前記登録予定者のメールアドレスと住所とを取得した場合には、前記利用者情報記憶手段に記録し、前記確認依頼者のメールアドレスに登録完了を通知する手段と、を更に備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の配送管理システムにおいて、前記第2宛先情報は、集約場所の郵便番号であることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の配送管理システムにおいて、前記第1宛先情報は、利用者識別番号であり、前記制御手段が、第1宛先情報を読み取った場合に、前記第1宛先情報に対応する住所情報を特定することを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、住所情報と、これに関連付けられた第1宛先情報とが登録された利用者情報記憶手段と、配送物に記載された情報を読み取る手段とに接続される制御手段を備えた配送管理システムを用いて、集約場所の住所を特定するための第2宛先情報と、第1宛先情報とが記載された配送物の配送を管理する方法であって、前記制御手段が、第2宛先情報に基づいて集約場所に配送された配送物の第1宛先情報を取得する手段と、前記第1宛先情報に関連付けられた住所情報を前記利用者情報記憶手段から取得する手段と、前記住所情報を配送物の宛先として出力する宛先出力手段とを実行することを要旨とする。
【0014】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、第2宛先情報に基づいて集約場所に配送された配送物の第1宛先情報を取得する。制御手段は、第1宛先情報に関連付けられた住所情報を前記利用者情報記憶手段から取得する。制御手段は、住所情報を配送物の宛先として出力する。このため、既存の仕組みを用いて、集約場所の住所を特定するための第2宛先情報に基づいて集約場所に配送物が配送されてくる。この集約場所においては、第1宛先情報に関連付けられていた住所情報を特定し、この住所を配送物の宛先として再度、配送する。従って、既存の仕組みを利用して、相手の住所を知らなくても、この第1宛先情報を知っている場合には、これを宛先として配送物を配送することができる。この場合、配送物を受け取る受取人は、住所を送り主に知らせなくても、配送物を受け取ることができる。
【0015】
本発明によれば、利用者情報記憶手段には、前記住所情報とメールアドレスとが関連付けられて記憶されており、前記第1宛先情報は、前記メールアドレスを特定するためのメールアドレス特定情報である。このため、メールアドレスしか知らない相手であっても、配送物を配送することができる。
【0016】
本発明によれば、制御手段が、利用者情報記憶手段に記録されたメールアドレスに、配送物の受取場所の住所を確認するための受取場所確認メールを送信する。制御手段は、受取場所確認メールの送信に対応して取得した住所を前記配送物の宛先として出力する。このため、受取人は、利用者情報記憶手段に記憶されている住所情報以外の住所において配送物を受け取ることができる。
【0017】
本発明によれば、制御手段は、制御手段が、メールアドレスを含む利用者登録確認要求を取得した場合、このメールアドレスを利用者情報記憶手段において検索し、検索結果を返信する。このため、送り主が配送物の受取人のメールアドレスしか知らない場合には、このメールアドレスに基づいて配送可能か否かを確認することができる。
【0018】
本発明によれば、制御手段は、利用者登録確認要求に含まれるメールアドレスが前記利用者情報記憶手段に記録されていない場合には、前記利用者情報記憶手段において、検索対象のメールアドレスを、利用者登録要求を送信した確認依頼者のメールアドレスに関連付けて、仮登録記憶手段に記録する。制御手段は、登録予定者のメールアドレスに対して登録予定者に登録を促す通知を行なう。制御手段は、登録予定者のメールアドレスと住所とを取得した場合には、利用者情報記憶手段に記録し、確認依頼者のメールアドレスに登録完了を通知する。このため、メールアドレスを知っていても住所を知らない相手に配送したい場合には、相手に登録を促すことができる。また、相手が登録した場合には、確認依頼者に通知を行なうので、確認依頼者は、住所を知らない相手に配送可能となったことを知ることができる。
【0019】
本発明によれば、第2宛先情報は、集約場所の郵便番号である。このため、送り主は、集約場所に配送するための第2宛先情報として住所の代わりに郵便番号を用いるため、住所より簡単に宛先を記載できる。従って、手軽に配送することができる。
【0020】
本発明によれば、第1宛先情報は、利用者識別番号である。制御手段は、第1宛先情報を読み取った場合に、第1宛先情報に対応する住所情報を特定する。利用者識別番号はそのままでは何の情報かはすぐに判別できないので、送り主は、受取人の情報を秘匿したまま配送物を配送することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、既存の仕組みを利用して、住所以外の情報を用いて、受取人に配送物を配送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態の郵便物の配送の流れを説明する説明図。
【図2】実施形態の配送管理システムの構成を説明する説明図であり、(a)は全体図の概略構成図、(b)は会員データベースに記憶されたデータの構成図、(c)は配送予定通知データ記憶部に記憶されたデータの構成図。
【図3】実施形態の会員登録処理の処理手順を説明する説明図。
【図4】実施形態の会員登録確認処理の処理手順を説明する説明図。
【図5】実施形態の配送処理における処理手順を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。ここでは、送り主が、相手(受取人)のメールアドレスを知っている場合に、このメールアドレスに基づいて受取人に郵便物を配送するサービスに用いられる配送管理システムについて説明する。本実施形態では、受取人の宛先として、住所の代わりに、メールアドレスに関連付けられた受取人の会員番号を記載する。
【0024】
本サービスを利用する場合、図1に示すように、葉書10の宛先欄11に、受取人の会員番号と受取人の氏名とを記載する。更に、この葉書10の宛先の郵便番号として、予め定められた郵便番号を記載する。この郵便番号は、後述する集約事務局に対して付与された番号である。更に、送り主は、葉書10の送り主欄12に、送り主の名前を含む送り主情報を記載する。なお、この送り主情報には、送り主の住所を含めてもよい。
【0025】
そして、送り主は、この葉書10を郵便差出箱13に投函する。郵便差出箱13に差し出された葉書10は取集されて集荷拠点に集められる。そして、集荷拠点では、郵便番号によって差し立てられる。本サービスを利用する葉書10は、記載された郵便番号に基づいて特定される集約事務局に配送される。
【0026】
集約事務局には、サービス管理サーバ20が設置されている。このサービス管理サーバ20には、会員番号読取装置25及びプリンタ26が接続されている。会員番号読取装置25は、本実施形態ではOCR(Optical Character Reader)機能を備えたスキャナである。この会員番号読取装置25は、葉書10に記載された会員番号及び送り主情報を読み取ってテキスト変換して、サービス管理サーバ20に送信する。サービス管理サーバ20は、後述する配送処理に従って、取得した会員番号から受取人の住所を特定し、この受取人の住所をプリンタ26に印刷させる。具体的には、本実施形態のプリンタ26は、封筒15の宛先欄16に、受取人の住所、会員番号及び氏名を印刷する。更に、プリンタ26は、封筒15に送り主情報を印刷する。そして、事務局においては、葉書10を、これに記載された受取人の会員番号及び氏名と、送り主情報とが一致する封筒15に収容する。葉書10を収容した封筒15を、この宛先欄16に記載された住所の配達拠点に配送する。配達拠点では、この宛先欄16に記載された住所及び氏名に基づいて封筒15を配送する。
【0027】
次に、上述したサービス管理サーバ20の構成を、図2を用いて説明する。図2(a)に示すように、サービス管理サーバ20は、インターネットを介して送り主端末31及び受取人端末32に接続されている。
【0028】
送り主端末31及び受取人端末32は、送り主や受取人が利用するコンピュータ端末であって、表示手段及び入力手段を備えている。ここで、表示手段はディスプレイであって、入力手段はキーボードやポインティングデバイスである。具体的には、送り主端末31は、郵便を差し出す受取人のメールアドレスから受取人の会員番号を取得して表示する。受取人端末32は、会員登録を行ない、配達通知の受信や配達場所の変更等を行なう。
【0029】
サービス管理サーバ20は、会員情報の管理を行なう。このサービス管理サーバ20は、制御部21、会員データベース22及び配送予定通知データ記憶部23を備える。制御部21は、制御手段として機能し、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(宛先出力段階等を含む処理)を行なう。そして、このための配送管理プログラムを実行することにより、制御部21は、端末通信手段211、会員登録手段212、登録確認手段213、会員番号取得手段214、住所設定手段215、印刷指示手段216及び課金手段217等として機能する。
【0030】
端末通信手段211は、送り主端末31及び受取人端末32とインターネットを介してデータの送受信を実行する。
会員登録手段212は、端末通信手段211を介して取得した会員登録依頼に応じて会員登録処理を実行する。
【0031】
登録確認手段213は、端末通信手段211を介して取得した会員確認依頼に応じて会員登録確認処理を実行する。
会員番号取得手段214は、会員番号読取装置25から会員番号を取得する処理を実行する。
【0032】
住所設定手段215は、会員番号読取装置25から取得した会員番号に基づいて、この会員番号によって特定される受取人の住所を特定する処理を実行する。
印刷指示手段216は、宛先出力手段として機能し、住所設定手段215が特定した受取人の住所を印刷する。
【0033】
課金手段217は、予め定めた利用料に関するデータが記録されている。本実施形態では、定額料金制によって課金する場合を説明する。このため、課金手段217は、予め定めた月末等の決算日において、後述する会員の決済情報を用いて課金処理を行なう。
【0034】
会員データベース22は、利用者情報記憶手段及び仮登録記憶手段として機能する。この会員データベース22には、図2(b)に示すように、本サービスを利用する会員についての会員管理レコード220が記憶される。会員管理レコード220は、送り主端末31からの仮登録依頼又は受取人端末32からの登録依頼によって登録される。会員管理レコード220には、会員番号、氏名、住所、会員メールアドレス、通知フラグ、住所指定フラグ、決済情報及び仮登録依頼者メールアドレスに関するデータが含まれる。
【0035】
会員番号データ領域には、各会員を特定するための識別子(会員番号)に関するデータが記録される。
氏名データ領域、住所データ領域、会員メールアドレスデータ領域には、この会員の氏名、住所、メールアドレスに関するデータが記録される。
【0036】
通知フラグデータ領域には、会員に配送する郵便物がある場合に、会員のメールアドレスについて通知を行なうか否かを示す通知フラグが記録される。この通知フラグデータ領域にデータが記録されている場合には、制御部21は通知を行なう。
【0037】
住所指定フラグデータ領域には、会員に配送する郵便物がある場合に、受取場所(住所)を新たに指定するか否かを示す住所指定フラグが記録される。この住所指定フラグデータ領域にデータが記録されている場合には、制御部21は、この会員のメールアドレスに、登録されている住所以外の住所に配送するか否かの問い合わせを行なう。
【0038】
決済情報データ領域には、本サービスを利用した場合の課金を行なうための決済情報に関するデータが記録される。具体的には、この決済情報には、課金する際に用いる請求先情報(例えばクレジットカード番号)が含まれる。
【0039】
仮登録依頼者メールアドレスデータ領域には、仮登録依頼者のメールアドレスに関するデータが記録される。このメールアドレスは、仮登録していた会員に対して配送可能となったことを通知する通知先として機能する。制御部21は、送り主端末31から仮登録依頼を受信した場合に、このメールアドレスを記録する。
【0040】
配送予定通知データ記憶部23には、図2(c)に示すように、配送予定の通知に関す
る配送予定通知レコード230が記憶される。配送予定通知レコード230は、通知フラグや住所指定フラグが記録された会員に対して配送予定の通知メールを送信した場合に記録される。配送予定通知レコード230には、通知識別子、会員番号、送り主情報、通知日時及び宛先住所に関するデータが含まれる。
【0041】
通知識別子データ領域には、各通知メールを特定するための識別子に関するデータが記録される。
会員番号データ領域には、この通知メールを送信した会員を特定するための識別子(会員番号)に関するデータが記録される。
【0042】
送り主情報データ領域には、配送予定の郵便物の送り主情報に関するデータが記録される。
通知日時データ領域には、この通知メールを送信した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0043】
宛先住所データ領域には、指定された受取場所の住所に関するデータが記録される。
次に、以上のように構成されたシステムを用いて、本サービスを利用する場合に行われる処理について説明する。ここでは、会員登録処理、会員登録確認処理及び配送処理の順番で説明する。
【0044】
(会員登録処理)
まず、会員登録処理について、図3を用いて説明する。本実施形態では、受取人が会員登録を行なう場合について説明する。本実施形態では、受取人端末32を用いて、サービス管理サーバ20に、会員登録依頼の電子メールを送信することにより、会員登録を行なう。この会員登録依頼には、受取人の氏名、住所、メールアドレス、配達予定通知の有無、住所指定の有無及び決済情報に関するデータが含まれる。
【0045】
サービス管理サーバ20の制御部21は、会員登録依頼の受付処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、受取人端末32から会員登録依頼を受信する。そして、端末通信手段211は、受信した会員登録依頼を会員登録手段212に引き継ぐ。
【0046】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、メールアドレスの検索処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の会員登録手段212は、会員登録依頼に含まれる氏名及びメールアドレスが記録された会員管理レコード220を会員データベース22において検索する。
【0047】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、仮登録がされているか否かを判断する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の会員登録手段212は、会員登録依頼の氏名及びメールアドレスに一致する氏名及び会員メールアドレスを含む会員管理レコード220を抽出できない場合には、仮登録されていないと判断する。
【0048】
ここで、仮登録がされていない場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員情報の登録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の会員登録手段212は、会員番号を付与する。そして、会員登録手段212は、この会員番号を記録した会員管理レコード220を生成して、会員データベース22に記録する。この場合、会員登録手段212は、この会員管理レコード220に、会員登録依頼に含まれる氏名、住所、メールアドレス及び決済情報を含める。更に、会員登録手段212は、会員登録依頼に配達予定通知の設定が「有」として含まれていた場合には、この会員管理レコード220に通知フラグを設定する。また、会員登
録手段212は、会員登録依頼に住所指定の設定が「有」として含まれていた場合には、この会員管理レコード220に住所指定フラグを設定する。
【0049】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員番号の送信処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、会員管理レコード220に付与された会員番号を含む登録完了通知メールを、このレコードの会員メールアドレスに送信する。そして、会員登録処理が終了する。
【0050】
一方、会員登録依頼の氏名及びメールアドレスに一致する氏名及び会員メールアドレスを含む会員管理レコード220を抽出できたが、住所が記録されていない場合には仮登録されていることになる。このように仮登録がある場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、仮登録アドレスに対して会員情報の登録処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の会員登録手段212は、抽出した会員管理レコード220に、ステップS1−4と同様に登録処理を実行する。
【0051】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員番号の送信処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、ステップS1−5と同様に、この会員管理レコード220に付与された会員番号を含む登録完了通知メールを、このレコードの会員メールアドレスに送信する。
【0052】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、仮登録依頼者への通知処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、この会員管理レコード220に含まれる仮登録依頼者メールアドレスに対して、このレコードに含まれる会員番号、氏名及び会員メールアドレスを含む本登録完了通知メールを送信する。以上により、会員登録処理が終了する。
【0053】
(会員登録確認処理)
次に、会員登録確認処理について、図4を用いて説明する。この会員登録確認処理は、本サービスを利用して受取人に配送可能か否かを確認する場合に実行される。本実施形態では、受取人端末32を用いて、サービス管理サーバ20に、会員検索依頼の電子メールを送信することにより、会員登録確認処理が行なわれる。この会員検索依頼には、受取人の氏名及びメールアドレスに関するデータが含まれる。
【0054】
会員検索依頼を受信したサービス管理サーバ20の制御部21は、会員検索依頼の受付処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、送り主端末31から会員確認依頼を受信する。そして、端末通信手段211は、受信した会員検索依頼を登録確認手段213に引き継ぐ。
【0055】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員情報の検索処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の登録確認手段213は、会員検索依頼の氏名及びメールアドレスに一致する氏名及び会員メールアドレスが記録された会員管理レコード220を会員データベース22において検索する。
【0056】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、登録されているか否かを判断する(ステップS2−3)。一致する氏名及び会員メールアドレスを含む会員管理レコード220を抽出したことにより会員登録されている場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、送り主端末への会員番号の送信処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、抽出した会員管理レコード220に含まれる会員番号、氏名及び会員メールアドレスを含む
登録確認通知メールを、送り主端末31に送信する。そして、会員登録確認処理が終了する。
【0057】
一方、一致する氏名及び会員メールアドレスを含む会員管理レコード220を抽出しないことにより、登録されていない場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、送り主端末へのエラーメッセージの送信処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、端末通信手段211は、登録がない旨のメッセージを含む未登録通知メールを送り主端末31に送信する。この未登録通知メールには、受取人の会員仮登録を希望する場合に選択する仮登録依頼ボタンを含める。
【0058】
ここで、未登録通知メールの仮登録依頼ボタンが選択された場合、送り主端末31は、送り主端末31の送信元のメールアドレスを含む仮登録依頼をサービス管理サーバ20に送信する。
【0059】
サービス管理サーバ20の制御部21は、送り主端末31から仮登録依頼を受信した場合(ステップS2−6において「YES」の場合)、メールアドレスの仮登録処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の登録確認手段213は、会員番号を付与する。登録確認手段213は、この会員番号を記録した会員管理レコード220を生成して、会員データベース22に記録する。更に、登録確認手段213は、会員検索依頼に含まれていた氏名及びメールアドレスを、この会員管理レコード220に記録する。そして、登録確認手段213は、この会員管理レコード220の仮登録依頼者メールアドレスデータ領域に、仮登録依頼に含まれていたメールアドレスを記録する。
【0060】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、受取人端末に会員案内の送信処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御部21の登録確認手段213は、この会員管理レコード220の氏名及び仮登録依頼者メールアドレスを含む会員案内メールを、この会員管理レコード220に記録された会員メールアドレスに送信する。以上により、会員登録確認処理が終了する。
【0061】
(配送処理)
次に、集約事務局に郵便物が到着した場合に行なわれる配送処理について、図5を用いて説明する。
【0062】
まず、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員番号の読み取り処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の会員番号取得手段214は、会員番号読取装置25を介して、葉書10の宛先欄11に記載された会員番号と氏名とを取得する。会員番号取得手段214は、取得した住所設定手段215に引き継ぐ。
【0063】
次に、サービス管理サーバ20の制御部21は、受取人の確定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の住所設定手段215は、取得した会員番号及び氏名が記録された会員管理レコード220を会員データベース22において検索する。会員番号及び氏名が記録された会員管理レコード220を抽出した場合には、住所設定手段215は、この会員管理レコード220を、受取人に関する情報として確定する。
【0064】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、通知希望があるか否かを判断する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の住所設定手段215は、抽出した会員管理レコード220に通知フラグが記録されている場合には、通知希望ありと判断する。
【0065】
ここで、通知フラグが記録されていないことにより、通知希望がない場合(ステップS3−3において「NO」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、住所指定が
あるか否かを判断する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の住所設定手段215は、抽出した会員管理レコード220に住所指定フラグが記録されている場合には、住所指定があると判断する。
【0066】
ここで、住所指定フラグが記録されていないことにより、住所指定がない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、サービス管理サーバ20の制御部21は、宛先住所の特定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の住所設定手段215は、抽出した会員管理レコード220に記録されている住所を特定する。
【0067】
一方、通知希望がある場合(ステップS3−3において「YES」の場合)、又は住所指定がある場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、サービス管理サーバ20の制御部21は、受取人への通知処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の住所設定手段215は、通知識別子を付与する。住所設定手段215は、付与した通知識別子と、取得した送り主情報と、会員管理レコード220に記録されている会員番号とを含む配送予定通知レコード230を生成して配送予定通知データ記憶部23に記録する。次に、住所設定手段215は、この配送予定通知レコード230の通知日時として、現在日時を記録する。そして、住所設定手段215は、配送予定がある旨と、配送予定通知レコード230の通知識別子及び送り主情報と、抽出した会員管理レコード220の住所と、受取場所住所入力欄と、受取場所変更ボタンとを含む配送予定通知メールを生成する。この場合、「予め定めた所定時間が経過した場合には、登録されている住所に配送する」旨のメッセージを含めてもよい。そして、制御部21の端末通信手段211は、抽出した会員管理レコード220に記憶されている会員メールアドレスに、生成した配送予定通知メールを送信する。
【0068】
受取人は、受取人端末32を用いて、配送予定通知メールを閲覧する。そして、受取場所を変更する場合には、配送予定通知メールの受取場所住所入力欄に受取場所の住所を入力し、受取場所変更ボタンを選択する。これにより、受取人端末32は、配送予定通知メールの通知識別子、受取場所住所入力欄に入力された住所を、サービス管理サーバ20に送信する。
【0069】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、宛先住所の取得処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の端末通信手段211は、受取人端末32から、通知識別子及び受取場所の住所に関するデータを取得する。次に、制御部21の住所設定手段215は、取得した通知識別子を含む配送予定通知レコード230を配送予定通知データ記憶部23から抽出する。そして、住所設定手段215は、このレコードの宛先住所に、取得した住所を記録する。
【0070】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、宛先住所の印字処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21の印刷指示手段216は、この会員の氏名を会員管理レコード220から特定する。次に、印刷指示手段216は、ステップS3−6又はS3−8において取得した宛先住所、この住所から特定される郵便番号、及び会員の氏名を含む宛先印刷データを生成する。そして、この印刷データをプリンタ26に送信する。プリンタ26は、取得した印刷データに基づいて、封筒15の宛先欄16に印刷を行なう。これにより、会員の住所、郵便番号及び会員の氏名が宛先欄16に記録された封筒15が作成される。そして、この封筒15に、同じ会員の氏名が記載された葉書10を封入して配送する。この封筒15は、配達拠点を経由して、受取人に配達される。
【0071】
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、課金処理を実行する(ステップS3−9)。具合的には、制御部21の課金手段217は、決算日になった場合には、各会員データベース22から会員管理レコード220の決済情報のクレジットに関するデータを
抽出する。課金手段217は、このクレジットに関するデータを用いて利用料についての課金を行なう。以上により、配送処理が終了する。
【0072】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、送り主は、葉書10に集約事務局の郵便番号と、受取人の会員番号及び氏名とを記載して、この葉書10を郵便差出箱13に投函する。この葉書10は、集荷拠点を介して、郵便番号によって特定される集約事務局に到着する。集約事務局のサービス管理サーバ20の制御部21は、会員番号読取装置25を介して葉書10に記載された受取人の会員番号と氏名とを取得する。制御部21は、これら会員番号と氏名とに一致する会員管理レコード220を抽出し、これに含まれる住所を取得し、この住所を封筒15に印刷する。この封筒15に葉書10を封入して投函する。投函された封筒15には、受取人の住所が記載されているので、受取人に届けられる。これにより、既存の仕組み(郵便制度)を利用して、送り主が受取人の住所を知らなくても、会員番号を知っている場合には、これを宛先として受取人に郵便物を配送することができる。この場合、受取人は、住所を送り主に知らせなくても、送り主から郵便物を受け取ることができる。
【0073】
また、集約事務局の郵便番号を集約場所の住所の代わりに用いるので、住所より簡単に宛先を記載できる。従って、手軽に配送することができる。更に、受取人のメールアドレスの代わりに、これに関連付けられた利用者識別番号を記載する。利用者識別番号はそのままでは何の情報かはすぐに判別できないので、送り主は、受取人の情報を秘匿したまま郵便物を配送することができる。
【0074】
(2) 本実施形態では、サービス管理サーバ20の制御部21は、抽出した会員管理レコード220に住所指定がある場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、受取場所住所入力欄と受取場所変更ボタンとを含む配送予定通知メールを受取人端末32に送信する。そして、制御部21は、受取人端末32から、受取場所住所入力欄に入力された住所を取得することにより、宛先住所の取得処理を実行し(ステップS3−7)、宛先住所の印字処理を実行する(ステップS3−8)。これにより、受取人は、受取場所確認メールを受信した場合の状況に応じて、利用者情報記憶手段に記憶されている住所情報以外の住所において郵便物を受け取ることができる。
【0075】
(3) 本実施形態では、会員登録確認処理において、サービス管理サーバ20の制御部21は、送り主端末31から会員確認依頼を受信し、これに含まれる氏名及びメールアドレスが記録された会員管理レコード220を検索する。該当する会員管理レコード220を抽出することにより登録されている場合には、制御部21は、これに含まれる会員番号、氏名及び会員メールアドレスを送り主端末31に送信する。一方、該当する会員管理レコード220を抽出しないことにより登録されていない場合には、制御部21は、送り主端末へのエラーメッセージの送信処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、送り主が郵便物の受取人のメールアドレスしか知らない場合には、このメールアドレスに基づいて配送可能か否かを知ることができる。
【0076】
(4) 本実施形態では、受取人が会員登録しておらず、送り主端末31から仮登録依頼を受信した場合(ステップS2−6)、サービス管理サーバ20の制御部21は、受取人の氏名及びメールアドレスを含む会員管理レコード220を生成して記録する。そして、制御部21は、受取人端末32に会員案内の送信処理を実行する(ステップS2−8)。この後、サービス管理サーバ20の制御部21は、受取人端末32から会員登録依頼を受信し、仮登録がされている場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、仮登録依頼者への通知処理を実行する(ステップS1−8)。これにより、受取人のメールアドレスしか知らなくても、このメールアドレスに基づいて葉書10を配送することができる。
【0077】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、第1宛先情報として会員番号を用い、第2宛先情報として集約事務局を示す郵便番号を用いた。第1宛先情報や第2宛先情報は、これに限定されるものではない。第1宛先情報は、会員メールアドレスに関連付けられる住所を特定できる情報であればよい。例えば、第1宛先情報として会員メールアドレスをそのまま用いてもよい。また、第2宛先情報は、集約事務局に配送される郵便物であることが判明可能な情報であればよい。
【0078】
・ 上記実施形態においては、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員となる受取人に対して課金を行なった。課金方法はこれに限定されるものではなく、送り主側に対して課金したり、送り主及び受取人の両者に課金したりしてもよい。送り主に対して課金する場合には、送り主から配送依頼を受け付けた時に料金を回収する。両者に対して課金する場合には、配送依頼の受付時とともに、配送時に課金する。
【0079】
更に、第三者に対して、課金するようにしてもよい。例えば、会員に対して広告を提供し、この広告提供者に対して課金するようにしてもよい。この場合には、サービス管理サーバ20に広告情報記憶手段を設けておく。この広告情報記憶手段には、会員に対して提供する広告情報とともに、広告の属性情報及び広告主情報を関連付けて記憶しておく。更に、会員登録依頼において、会員の趣味や嗜好に関するデータを取得して会員管理レコード220に記録する。制御部21は、宛先住所の印字処理(ステップS3−8)を行なう場合、この会員の趣味や嗜好を会員管理レコード220から抽出する。そして、会員の趣味や嗜好に対応する属性情報に関連付けられた広告を、広告情報記憶手段から取得して印刷する。そして、制御部21は、宛先住所を印字した封筒15に、印刷した広告を封入する。この場合には、会員の趣味や嗜好に対応する情報を提供するとともに、会員における課金負担を軽減することができる。
【0080】
・ 上記実施形態においては、受取人に対して定額料金制によって課金を行なった。これに限らず、配送物の大きさや重量に応じて課金してもよい。具体的には、サービス管理サーバ20は、利用実績データ記憶手段を備える。サービス管理サーバ20の制御部21は、郵便物の大きさや重量に応じた料金が記録された料金表テーブルを記憶している。制御部21は、配送処理において受取人の確定処理を実行した場合(ステップS3−2)、郵便物の大きさや重量に関するデータを取得し、料金表テーブルを用いて料金を算出して、利用実績データ記憶手段に記録する。これにより、配送物の大きさや重量に応じて課金することができる。
【0081】
・ 上記実施形態においては、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員に対する郵便物をすべて配送する。これに代えて、会員の希望に応じて、配送する郵便物を選択するようにしてもよい。例えば、会員が受け取りを拒否する送り主の属性や配送物の種類や、受け取りを許可する送り主の属性や配送物の種類を会員から取得して、会員データベース22に登録しておく。ここで、受け取りを拒否する送り主の属性としてキーワードを設定することができる。具体的には、サービス管理サーバ20の制御部21は、会員登録依頼において受け取り拒否する送り主の属性を取得して会員管理レコード220に記録する。制御部21は、受取人の確定処理(ステップS3−2)において、抽出した会員管理レコード220の受取拒否のキーワードが、この郵便物の送り主の名称に含まれているか否かを判断する。ここで、制御部21は、送り主の名称に受取拒否キーワードが含まれている場合には、郵便物を配送することなく配送処理を終了する。一方、送り主が、登録された受取拒否キーワードが含まれていない場合には、引き続きステップS3−3以降の処理を行なう。これにより、会員の希望に応じた郵便物のみを配送することができる。
【0082】
また、予め受け取りを許容する送り主の属性として、会員の興味や嗜好を用いてもよい。
・ 上記実施形態においては、サービス管理サーバ20の制御部21は、配送処理の宛先住所の印字処理(ステップS3−8)において、封筒15に宛先住所を印刷した。宛先の印字方法はこれに限定されるものではなく、葉書10に貼付するシールに印字してもよい。
【0083】
また、葉書10に直接印字してもよい。この場合には、会員番号読取装置25とプリンタ26とを一体化した構成により実現してもよい。この場合には、これに、会員番号読取装置25において会員番号を読み取った郵便物をプリンタ26に搬送する搬送装置を更に設ける。そして、郵便物は、会員番号読取装置25において会員番号が読み取られると、搬送装置によりプリンタ26に搬送される。プリンタ26は、搬送装置により搬送されてきた郵便物に、この会員番号に対応する住所を付加する。この場合、宛先住所を印刷したシールを貼付したり、郵便物上に直接印字したり、宛先住所を印字した封筒に封入したりする。これにより、大量の郵便物についても効率的に処理することができる。
【0084】
・ 上記実施形態においては、送り主が発送する郵便物として葉書10を用いて説明した。これに限らず、送り主が発送する配送物は、封筒等の他の郵便物であってもよいし、荷物であってもよい。
【0085】
・ 上記実施形態の配送処理においては、サービス管理サーバ20の制御部21は、集約事務局に到着した葉書10の会員番号の読み取り処理(ステップS3−1)を実行する度に、宛先住所の印字処理を実行し(ステップS3−8)、住所が記載された封筒15に葉書10を封入して配送した。これに代えて、集約事務局において、受取人の郵便物を所定の期間(蓄積期間)、蓄積し、蓄積された郵便物をまとめて配送するようにしてもよい。具体的には、集約事務局に届いた郵便物を蓄積するための保管装置を用いる。この保管装置は、サービス管理サーバ20に接続されており、会員番号読取装置25、読み取った会員番号に応じて郵便物を蓄積する複数の保管領域(区分口)、会員番号読取装置25から区分口までの郵便物搬送部を備えている。そして、各区分口には、それぞれを特定するための区分口識別子が割り振られている。更に、会員データベース22の会員管理レコード220には、郵便物を蓄積した区分口を特定するための区分口識別子、蓄積を開始した蓄積開始年月日に関するデータを含める。郵便物が蓄積されていない場合には、会員管理レコード220の区分口識別子データ領域、蓄積開始年月日データ領域は空欄とする。
【0086】
この場合、保管装置において、受取人の確定処理(ステップS3−2)を行なった場合、制御部21は、会員管理レコード220において区分口識別子が記録されているか否かを確認する。区分口識別子が記録されていない場合には、制御部21は、郵便物が蓄積されていない区分口識別子を特定し、保管装置に対して、特定した区分口識別子の保管領域に郵便物を蓄積するように指示する。更に、制御部21は、会員管理レコード220の蓄積開始年月日データ領域に現在年月日を記録する。
【0087】
一方、会員管理レコード220に区分口識別子が記録されている場合には、保管装置に対して、この区分口識別子が設定された保管領域に郵便物を蓄積するように指示する。
そして、サービス管理サーバ20の制御部21は、定期的に(例えば毎日)、配送要否の確認処理を実行する。具体的には、制御部21は、蓄積開始年月日からの経過期間を算出し、この経過期間が蓄積期間を経過した会員管理レコード220を検索する。蓄積開始年月日からの経過期間が蓄積期間を経過した会員管理レコード220を検出した場合、この会員の宛先住所の印字処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21はプリンタ26に対して、この会員の宛先住所を印刷した封筒15の出力を指示する。更に、この封筒15には、蓄積された郵便物が保管された区分口を特定するための区分口識
別子を印字しておく。
【0088】
そして、担当者は、出力された区分口識別子の保管領域から、蓄積されて郵便物を取り出す。郵便物が取り出された場合、保管装置はサービス管理サーバ20に郵便物取出通知を送信する。この郵便物取出通知には、郵便物が取り消された区分口の区分口識別子を含める。取出通知を受信したサービス管理サーバ20の制御部21は、会員管理レコード220に記録された区分口識別子、蓄積開始年月日を削除する。
【0089】
このように、区分口に蓄積された郵便物が封入された封筒15、通常の配達方法を用いて、配送される。これにより郵便物をまとめて一度に配送することができる。
また、郵便物を蓄積する期間は、会員毎に設定してもよい。この場合には、会員管理レコード220に、各会員が希望する蓄積期間を記録しておく。そして、蓄積開始年月日からの経過期間と、会員管理レコード220に記録された蓄積期間とを比較することにより、配送要否の確認処理を実行する。これにより、会員のニーズに合わせて、効率的に配送を行なうことができる。
【符号の説明】
【0090】
10…葉書、15…封筒、20…サービス管理サーバ、21…制御手段としての制御部、22…会員データベース、23…配送予定通知データ記憶部、25…会員番号読取手段、26…プリンタ、31…送り主端末、32…受取人端末、211…端末通信手段、212…会員登録手段、213…登録確認手段、214…会員番号取得手段、215…住所設定手段、216…印刷指示手段、217…課金手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住所情報と、これに関連付けられた第1宛先情報とが登録された利用者情報記憶手段と、
配送物に記載された情報を読み取る手段とに接続される制御手段を備え、
集約場所の住所を特定するための第2宛先情報と、第1宛先情報とが記載された配送物の配送を管理する配送管理システムであって、
前記制御手段が、
第2宛先情報に基づいて集約場所に配送された配送物の第1宛先情報を取得する手段と、
前記第1宛先情報に関連付けられた住所情報を前記利用者情報記憶手段から取得する手段と、
前記住所情報を配送物の宛先として出力する宛先出力手段と
を備えたことを特徴とする配送管理システム。
【請求項2】
前記利用者情報記憶手段には、前記住所情報とメールアドレスとが関連付けられて記憶されており、
前記第1宛先情報は、前記メールアドレスを特定するためのメールアドレス特定情報であることを特徴とする請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
前記制御手段が、利用者情報記憶手段に記録されたメールアドレスに、配送物の受取場所の住所を確認するための受取場所確認メールを送信する手段を更に備え、
前記宛先出力手段は、前記受取場所確認メールの送信に対応して取得した住所を前記配送物の宛先として出力することを特徴とする請求項2に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記制御手段が、メールアドレスを含む利用者登録確認要求を取得した場合、このメールアドレスを利用者情報記憶手段において検索し、検索結果を返信することを特徴とする請求項2又は3に記載の配送管理システム。
【請求項5】
前記制御手段には、登録予定者のメールアドレスと、この登録予定者が登録するよりも前にこの登録予定者の登録について利用者登録確認依頼をした確認依頼者のメールアドレスとを関連付けて記録した仮登録記憶手段が更に接続されており、
前記制御手段が、
前記利用者登録確認要求に含まれるメールアドレスが前記利用者情報記憶手段に記録されていない場合には、前記利用者情報記憶手段において、検索対象のメールアドレスを、利用者登録要求を送信した確認依頼者のメールアドレスに関連付けて、前記仮登録記憶手段に記録する手段と、
前記登録予定者のメールアドレスに対して登録予定者に登録を促す通知を行なう手段と、
前記登録予定者のメールアドレスと住所とを取得した場合には、前記利用者情報記憶手段に記録し、前記確認依頼者のメールアドレスに登録完了を通知する手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の配送管理システム。
【請求項6】
前記第2宛先情報は、集約場所の郵便番号であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の配送管理システム。
【請求項7】
前記第1宛先情報は、利用者識別番号であり、
前記制御手段が、第1宛先情報を読み取った場合に、前記第1宛先情報に対応する住所情報を特定することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の配送管理システム。
【請求項8】
住所情報と、これに関連付けられた第1宛先情報とが登録された利用者情報記憶手段と、
配送物に記載された情報を読み取る手段とに接続される制御手段を備えた配送管理システムを用いて、集約場所の住所を特定するための第2宛先情報と、第1宛先情報とが記載された配送物の配送を管理する方法であって、
前記制御手段が、
第2宛先情報に基づいて集約場所に配送された配送物の第1宛先情報を取得する手段と、
前記第1宛先情報に関連付けられた住所情報を前記利用者情報記憶手段から取得する手段と、
前記住所情報を配送物の宛先として出力する宛先出力手段と
を実行することを特徴とする配送管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−251783(P2011−251783A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125033(P2010−125033)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(307044390)郵便事業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】