説明

配電用変圧器2次側地絡検出システム

【課題】配電用変圧器の2次側で発生した地絡事故の事故個所を特定できる配電用変圧器2次側地絡検出システムを提供する。
【解決手段】2次電力ケーブル2の配電用変圧器1側の端部に2次電力ケーブル2が貫通するように設けられた零相変流器ZCTと、サージアブソーバSAの接地線に取り付けられた第1の計器用変流器CT1と、2次電力ケーブルの金属シースの接地線に取り付けられた第2の計器用変流器CT2と、零相変流器ZCTから入力されるZCT出力電流IZCTと第1および第2の計器用変流器CT1,CT2から入力される第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2とに基づいて、配電用変圧器1の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定するための地絡個所検出装置10とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電用変圧器2次側地絡検出システムに関し、特に、配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合の地絡事故個所を特定するのに好適な配電用変圧器2次側地絡検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示す配電用変圧器1の2次側(配電用変圧器1よりも6kV母線側)で地絡事故があった場合には、たとえば、地絡順序遮断装置(10G)4が、6kV母線に設置された第2の接地形計器用変圧器GPT2から入力される第2のGPT出力電圧VGPT2(零相電圧V0)に基づいてこの地絡事故を検出して、6kV母線から分岐された各配電線に設置された各配電線遮断器CB1,CB2および変圧器1次遮断器CBを順次遮断していく。
【0003】
または、地絡過電圧継電器(64V)3が、変圧器2次遮断器CB0の配電線変圧器1側(6kV母線と反対側)に設置された第1の接地形計器用変圧器GPT1から入力される第1のGPT出力電圧VGPT1(零相電圧V0)に基づいてこの地絡事故を検出して、変圧器1次遮断器CBを遮断する。
【0004】
下記の特許文献1に開示された地絡事故検出方法では、主変圧器の2次側の2次電力ケーブルの金属シールド(金属シース)の接地線に流れる電流を検出することにより、2次電力ケーブル内の地絡事故の発生を判定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−9786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地絡順序遮断装置4を用いた地絡事故検出方法では、配電線で発生した地絡事故については地絡事故個所(地絡発生個所)を特定することはできるが、配電用変圧器1と変圧器2次遮断器CB0との間で発生した地絡事故については地絡事故個所を特定することができないため、配電用変圧器1の3次から22kV供給線が引き出されている場合などには、事故復旧に時間を要するという問題があった。
【0007】
地絡過電圧継電器3を用いた地絡事故検出方法では、配電用変圧器1と変圧器2次遮断器CB0との間で発生した地絡事故を検出することはできるが、地絡事故が電力ケーブル内部事故(配電用変圧器1の2次側の2次電力ケーブル2内で発生した事故)であるか、負荷側外部事故(2次電力ケーブル2と変圧器2次遮断器CB0との間で発生した事故)であるか、配電用変圧器側外部事故(2次電力ケーブル2よりも配電用変圧器1側で発生した事故)であるかを特定することができないという問題があった。
【0008】
上記の特許文献1に開示された地絡事故検出方法は、2次電力ケーブル2内での地絡事故の発生を判定するものであり、配電用変圧器1の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを特定するものではない。
【0009】
本発明の目的は、配電用変圧器の2次側で発生した地絡事故の事故個所を特定することができる配電用変圧器2次側地絡検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の配電用変圧器2次側地絡検出システムは、配電用変圧器(1)の2次側で地絡事故があった場合の地絡事故個所を特定するための配電用変圧器2次側地絡検出システムであって、2次電力ケーブル(2)の前記配電用変圧器側の端部に該2次電力ケーブルが貫通するように設けられた零相変流器(ZCT)と、前記配電用変圧器と前記2次電力ケーブルとの間に設けられたサージアブソーバ(SA)または充電電流補償用コンデンサの接地線に取り付けられた第1の計器用変流器(CT1)と、前記2次電力ケーブルの金属シースの接地線に取り付けられた第2の計器用変流器(CT2)と、前記零相変流器から入力されるZCT出力電流(IZCT)と前記第1および第2の計器用変流器から入力される第1および第2のCT出力電流(ICT1,ICT2)とに基づいて、前記配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定するための地絡個所検出装置(10)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記地絡個所検出装置が、前記第1および第2のCT出力電流の方向が同じか否かおよび前記ZCT出力電流の方向が外部方向か内部方向かに基づいて、電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定してもよい。
前記地絡個所検出装置が、前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが逆方向であると、電力ケーブル内部事故と判定し、前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが同方向であり、かつ、前記ZCT出力電流の方向が外部方向であると、負荷側外部事故と判定し、前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが同方向であり、かつ、前記ZCT出力電流の方向が内部方向であると、配電用変圧器側外部事故と判定してもよい。
前記地絡個所検出装置が、前記2次電力ケーブルよりも前記配電用変圧器と反対側に設置された接地形計器用変圧器(GPT1)から入力されるGPT出力電圧(VGPT1)が零相電圧整定値(V00)以上であると、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行ってもよい。
本発明の第2の配電用変圧器2次側地絡検出システムは、配電用変圧器(1)の2次側で地絡事故があった場合の地絡事故個所を特定するための配電用変圧器2次側地絡検出システムであって、前記配電用変圧器と2次電力ケーブル(2)よりも該配電用変圧器側のサージアブソーバ(SA)または充電電流補償用コンデンサとの間に設置された接地形計器用変圧器(GPT1)と、前記2次電力ケーブルの前記配電用変圧器側の端部に該2次電力ケーブルが貫通するように設けられた第1の零相変流器(ZCT1)と、前記2次電力ケーブルの他の端部に該2次電力ケーブルが貫通するとともに該2次電力ケーブルの金属シースの接地線が前記配電用変圧器に向けて貫通するように設けられた第2の零相変流器(ZCT2)と、前記第1および第2の零相変流器から入力される第1および第2のZCT出力電流(IZCT1,IZCT2)に基づいて、前記配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを判定するための地絡個所検出装置(50)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記地絡個所検出装置が、前記第1のZCT出力電流IZCT1の方向と、前記第2のZCT出力電流IZCT2の方向および大きさとに基づいて、電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定してもよい。
前記地絡個所検出装置が、前記第1のZCT出力電流の方向が外部方向であり、かつ、前記第2のZCT出力電流の大きさが零であると、電力ケーブル内部事故と判定し、前記第1のZCT出力電流の方向が外部方向であり、かつ、前記第2のZCT出力電流の大きさが零でなく方向が外部方向であると、負荷側外部事故と判定し、前記第1のZCT出力電流の方向が内部方向であると、配電用変圧器側外部事故と判定してもよい。
前記地絡個所検出装置が、前記接地形計器用変圧器から入力されるGPT出力電圧(VGPT1)が零相電圧整定値(V00)以上であると、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行ってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配電用変圧器2次側地絡検出システムは、以下に示す効果を奏する。
(1)配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に流れる事故電流の経路は決まっているため、2次電力ケーブルの配電用変圧器側の端部に2次電力ケーブルが貫通するように零相変流器を設け、サージアブソーバまたは充電電流補償用コンデンサの接地線に第1の計器用変流器を取り付けるとともに、2次電力ケーブルの金属シースの接地線に第2の計器用変流器を取り付けて、これらを流れる電流の方向を求めることにより、または、配電用変圧器とサージアブソーバまたは充電電流補償用コンデンサとの間に接地形計器用変圧器を設置し、2次電力ケーブルの配電用変圧器側の端部に2次電力ケーブルが貫通するように第1の零相変流器を設けるとともに、2次電力ケーブルの他の端部に2次電力ケーブルが貫通するとともに2次電力ケーブルの金属シースの接地線が配電用変圧器に向けて貫通するように第2の零相変流器を設けて、これらを流れる電流の方向を求めることにより、電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを判定することができる。
(2)配電用変圧器の3次から22kV供給線が引き出されている場合などにおいて事故復旧の短縮化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムの構成を示す図である。
【図2】図1(b)に示した地絡個所特定部27における地絡事故個所の特定方法について説明するための図である。
【図3】図1(b)に示した地絡個所特定部27における地絡事故個所の特定方法について説明するための図である。
【図4】図1(b)に示した地絡個所特定部27における地絡事故個所の特定方法について説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムの構成を示す図である。
【図6】図5(b)に示した地絡個所特定部67における地絡事故個所の特定方法について説明するための図である。
【図7】図5(b)に示した地絡個所特定部67における地絡事故個所の特定方法について説明するための図である。
【図8】図5(b)に示した地絡個所特定部67における地絡事故個所の特定方法について説明するためのフローチャートである。
【図9】従来の地絡事故検出方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の目的を、2次電力ケーブルの配電用変圧器側の端部に2次電力ケーブルが貫通するように設けられた零相変流器から入力されるZCT出力電流と、配電用変圧器と2次電力ケーブルとの間に設けられたサージアブソーバの接地線に取り付けられた第1の計器用変流器から入力される第1のCT出力電流と、2次電力ケーブルの金属シースの接地線に取り付けられた第2の計器用変流器からから入力される第2のCT出力電流とに基づいて、配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定することにより実現した。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の配電用変圧器2次側地絡検出システムの実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムは、図1(a)に示すように、3本の2次電力ケーブル2(赤相、白相および青相の2次電力ケーブル)の配電用変圧器1側の端部に3本の2次電力ケーブル2が貫通するように設けられた零相変流器ZCTと、配電用変圧器1と3本の2次電力ケーブル2との間に設けられたサージアブソーバSAの接地線に取り付けられた第1の計器用変流器CT1と、3本の2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(2次電力ケーブル2の変圧器2次遮断器CB0側の端部に設けられている。)に取り付けられた第2の計器用変流器CT2と、地絡個所検出装置10とを具備する。
【0015】
ここで、地絡個所検出装置10は、零相変流器ZCTから入力されるZCT出力電流IZCT(零相電流I0)と、第1および第2の計器用変流器CT1,CT2から入力される第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2と、2次電力ケーブル2と変圧器2次遮断器CB0との間に設置された第1の接地形計器用変圧器GPT1から入力される第1のGPT出力電圧VGPT1(零相電圧V0)とに基づいて、配電用変圧器1の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを特定するためのものである。
【0016】
そのため、地絡個所検出装置10は、図1(b)に示すように、アナログ入力部20と、整定値メモリ26と、地絡個所特定部27と、表示制御部28とを具備する。なお、アナログ入力部20と整定値メモリ26と地絡個所特定部27と表示制御部28とはバスを介して接続されている。
【0017】
ここで、アナログ入力部20は、入力変換器21と、バンドパスフィルタ22(以下、「BPF22」と称する。)と、サンプリングホールド回路23(以下、「S/H回路23」と称する。)と、マルチプレクサ回路24(以下、「MPX回路24」と称する。)と、アナログ/ディジタル変換器25(以下、「A/D変換器25」と称する。)とを備える。
【0018】
BPF22は、第1および第2の計器用変流器CT1,CT2、零相変流器ZCT並びに第1の接地形計器用変圧器GPT1から入力変換器21を介して入力される第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2、ZCT出力電流IZCT並びに第1のGPT出力電圧VGPT1の交流成分(たとえば、商用周波数60Hz)のみを抽出する。
S/H回路23は、所定のサンプリング周波数(たとえば、商用周波数60Hzの場合には5,760Hz(電気角3.75°))でBPF22の出力信号をサンプリングしてホールドする。
MPX回路24は、S/H回路23の出力信号を切り換えてA/D変換器25に出力する。
A/D変換器25は、MPX回路24から入力されるアナログの第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2、ZCT出力電流IZCT並びに第1のGPT出力電圧VGPT1の交流成分をディジタルの第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2、ZCT出力電流IZCT並びに第1のGPT出力電圧VGPT1(以下、特に明記しない限り、「第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2」、「ZCT出力電流IZCT」および「第1のGPT出力電圧VGPT1」と称する。)の交流成分に変換する。
【0019】
整定値メモリ26は、外部から入力される零相電圧整定値V00などを格納するためのものである。
【0020】
地絡個所特定部27は、A/D変換器25から入力される第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2、ZCT出力電流IZCT並びに第1のGPT出力電圧VGPT1に基づいて、以下のようにして地絡事故個所を特定する。
【0021】
(1)電力ケーブル内部事故時の第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2並びにZCT出力電流IZCT
2次電力ケーブル2の内部で地絡事故が発生すると、図2(a)の等価回路で示すように、事故点→2次電力ケーブル2の金属シース→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の計器用変流器CT2)→サージアブソーバSAの接地線(第1の計器用変流器CT1)→2次電力ケーブル2の芯線(零相変流器ZCT)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→2次電力ケーブル2の金属シース→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線→事故点の経路で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の計器用変流器CT1を貫通する第1の事故電流I1の方向と第2の計器用変流器CT2を貫通する第1の事故電流I1の方向とは逆になるため、地絡個所特定装置10に入力される第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とは逆方向(第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2の位相差が±90°の範囲外)となる(図3(a)参照)。
また、零相変流器ZCTを貫通する第1の事故電流I1は配電用変圧器1から2次電力ケーブル2に向うものとなるため、地絡個所特定装置10に入力されるZCT出力電流IZCTの方向は、外部方向(ZCT出力電流IZCTの位相が図3(b)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜−180°の範囲に入る方向)となる(図3(a)参照)。
【0022】
(2)負荷側外部事故時の第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2並びにZCT出力電流IZCT
2次電力ケーブル2と変圧器2次遮断器CB0との間で地絡事故が発生すると、図2(b)の等価回路で示すように、事故点→サージアブソーバSAの接地線(第1の計器用変流器CT1)→2次電力ケーブル2の芯線(零相変流器ZCT)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の計器用変流器CT2)→2次電力ケーブル2の金属シース→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線→事故点の経路で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の計器用変流器CT1を貫通する第1の事故電流I1の方向と第2の計器用変流器CT2を貫通する第2の事故電流I2の方向とは同じになるため、地絡個所特定装置10に入力される第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とは同方向(第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2の位相差が±90°の範囲内)となる(図3(a)参照)。
また、零相変流器ZCTを貫通する第1の事故電流I1は配電用変圧器1から2次電力ケーブル2に向うものとなるため、地絡個所特定装置10に入力されるZCT出力電流IZCTの方向は、外部方向(ZCT出力電流IZCTの位相が図3(b)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜−180°の範囲に入る方向)となる(図3(a)参照)。
【0023】
(3)配電用変圧器側外部事故時の第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2並びにZCT出力電流IZCT
配電用変圧器と2次電力ケーブル2との間で地絡事故が発生すると、図2(c)の等価回路で示すように、事故点→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の計器用変流器CT2)→2次電力ケーブル2の金属シース→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線(零相変流器ZCT)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→サージアブソーバSAの接地線(第1の計器用変流器CT1)→2次電力ケーブル2の芯線→事故点の経路で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の計器用変流器CT1を貫通する第2の事故電流I2の方向と第2の計器用変流器CT2を貫通する第1の事故電流I1の方向とは同じになるため、地絡個所特定装置10に入力される第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とは同方向(第1および第2のCT出力電流ICT1,ICT2の位相差が±90°の範囲内)となる(図3(a)参照)。
また、零相変流器ZCTを貫通する第1の事故電流I1は2次電力ケーブル2から配電用変圧器1に向うものとなるため、地絡個所特定装置10に入力されるZCT出力電流IZCTの方向は内部方向(ZCT出力電流IZCTの位相が図3(c)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜180°の範囲に入る方向)となる(図3(a)参照)。
【0024】
そこで、地絡個所特定部27は、第1のGPT出力電圧VGPT1が零相電圧整定値V00以上であると(図4のステップS11)、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行うために、第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とを比較する(ステップS12)。
その結果、第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とが逆方向であると、地絡個所特定部27は電力ケーブル内部事故と判定する(ステップS14)。
一方、第1のCT出力電流ICT1の方向と第2のCT出力電流ICT2の方向とが同方向であると、地絡個所特定部27はZCT出力電流IZCTの方向が内部方向であるか外部方向であるかを調べる(ステップS13)。
その結果、ZCT出力電流IZCTの方向が外部方向であると、地絡個所特定部27は負荷側外部事故と判定する(ステップS15)。
一方、ZCT出力電流IZCTの方向が内部方向であると、地絡個所特定部27は配電用変圧器側外部事故と判定する(ステップS16)。
これにより、地絡事故個所を特定することができる。
【0025】
表示制御部28は、地絡個所特定部27によって特定された地絡事故個所などを外部の表示装置に表示させる。
【実施例2】
【0026】
次に、本発明の第2の実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムについて、図5乃至図8を参照して説明する。
本実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムは、図5(a)に示すように、3本の2次電力ケーブル2(赤相、白相および青相の2次電力ケーブル)の配電用変圧器1側の端部に3本の2次電力ケーブル2が貫通するように設けられた第1の零相変流器ZCT1と、3本の2次電力ケーブル2の変圧器2次遮断器CB0側の端部に3本の2次電力ケーブル2が貫通するとともに3本の2次電力ケーブル2の金属シースの接地線が変圧器2次遮断器CB0から配電用変圧器1に向けて貫通するように設けられた第2の零相変流器ZCT2と、地絡個所検出装置50とを具備する。
なお、本実施例による配電用変圧器2次側地絡検出システムでは、第1の接地形計器用変圧器GPT1は、配電用変圧器1とサージアブソーバSAとの間に設置される。
【0027】
ここで、地絡個所検出装置50は、第1および第2の零相変流器ZCT1,ZCT2から入力される第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2と、第1の接地形計器用変圧器GPT1から入力される第1のGPT出力電圧VGPT1(零相電圧V0)とに基づいて、配電用変圧器1の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを判定するためのものである。
【0028】
そのため、地絡個所検出装置50は、図5(b)に示すように、アナログ入力部60と、整定値メモリ66と、地絡個所特定部67と、表示制御部68とを具備する。なお、アナログ入力部60と整定値メモリ66と地絡個所特定部67と表示制御部68とはバスを介して接続されている。
【0029】
ここで、アナログ入力部60は、入力変換器61と、バンドパスフィルタ62(以下、「BPF62」と称する。)と、サンプリングホールド回路63(以下、「S/H回路63」と称する。)と、マルチプレクサ回路64(以下、「MPX回路64」と称する。)と、アナログ/ディジタル変換器65(以下、「A/D変換器65」と称する。)とを備える。
【0030】
BPF62は、第1および第2の零相変流器ZCT1,ZCT2並びに第1の接地形計器用変圧器GPT1から入力変換器61を介して入力される第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2並びに第1のGPT出力電圧VGPT1の交流成分(たとえば、商用周波数60Hz)のみを抽出する。
S/H回路63は、所定のサンプリング周波数(たとえば、商用周波数60Hzの場合には5,760Hz(電気角3.75°))でBPF62の出力信号をサンプリングしてホールドする。
MPX回路64は、S/H回路63の出力信号を切り換えてA/D変換器65に出力する。
A/D変換器65は、MPX回路64から入力されるアナログの第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2並びに第1のGPT出力電圧VGPT1の交流成分をディジタルの第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2並びに第1のGPT出力電圧VGPT1(以下、特に明記しない限り、「第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2」および「第1のGPT出力電圧VGPT1」と称する。)の交流成分に変換する。
【0031】
整定値メモリ66は、外部から入力される零相電圧整定値V00などを格納するためのものである。
【0032】
地絡個所特定部67は、A/D変換器65から入力される第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2並びに第1のGPT出力電圧VGPT1に基づいて、以下のようにして地絡事故個所を特定する。
【0033】
(1)電力ケーブル内部事故時の第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2
2次電力ケーブル2の内部で地絡事故が発生すると、図6(a)の等価回路で示すように、事故点→2次電力ケーブル2の金属シース(第2の零相変流器ZCT2)→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の零相変流器ZCT2)→サージアブソーバSAの接地線→2次電力ケーブル2の芯線(第1の零相変流器ZCT1)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→2次電力ケーブル2の金属シース→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線→事故点の経路で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の零相変流器ZCT1を貫通する第1の事故電流I1の方向は、配電用変圧器1から2次電力ケーブル2に向うものとなるため、地絡個所特定装置50に入力される第1のZCT出力電流IZCT1の方向は外部方向(第1のZCT出力電流IZCT1の位相が図7(c)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜−180°の範囲に入る方向)となる(図7(a)参照)。
また、第2の零相変流器ZCT2を貫通する2次電力ケーブル2の金属シースを流れる第1の事故電流I1と2次電力ケーブル2の金属シースの接地線を流れる第1の事故電流I1とは大きさが同じで方向が逆となり互いに打ち消されるため、地絡個所特定装置10に入力される第2のZCT出力電流IZCT2は零となる(図7(a)参照)。
【0034】
(2)負荷側外部事故時の第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2
2次電力ケーブル2と変圧器2次遮断器CB0との間で地絡事故が発生すると、図6(b)の等価回路で示すように、事故点→サージアブソーバSAの接地線→2次電力ケーブル2の芯線(第1の零相変流器ZCT1)→2次電力ケーブル2の芯線(第2の零相変流器ZCT2)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の零相変流器ZCT2)→2次電力ケーブル2の金属シース(第2の零相変流器ZCT2)→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線(第2の零相変流器ZCT2)→事故点の経路で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の零相変流器ZCT1を貫通する第1の事故電流I1の方向は、配電用変圧器1から2次電力ケーブル2に向うものとなるため、地絡個所特定装置50に入力される第1のZCT出力電流IZCT1の方向は外部方向(第1のZCT出力電流IZCT1の位相が図7(c)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜−180°の範囲に入る方向)となる(図7(a)参照)。
また、第2の零相変流器ZCT2を貫通する2次電力ケーブル2の金属シースを流れる第2の事故電流I2と2次電力ケーブル2の金属シースの接地線を流れる第2の事故電流I2とは大きさが同じで方向が逆となり互いに打ち消されるため、2次電力ケーブル2の芯線を流れる電流は、第1の事故電流I1と第2の事故電流I2の和となるので、地絡個所特定装置10に入力される第2のZCT出力電流IZCT2の方向は外部方向となる(図7(a)参照)。
【0035】
(3)配電用変圧器側外部事故時の第1および第2のZCT出力電流IZCT1,IZCT2
配電用変圧器と2次電力ケーブル2との間で地絡事故が発生すると、図6(c)の等価回路で示すように、事故点→2次電力ケーブル2の金属シースの接地線(第2の零相変流器ZCT2)→2次電力ケーブル2の金属シース(第2の零相変流器ZCT2)→2次電力ケーブル2の対地静電容量C→2次電力ケーブル2の芯線(第1の零相変流器ZCT1)→事故点の経路で第1の事故電流I1が流れるとともに、事故点→サージアブソーバSAの接地線→2次電力ケーブル2の芯線→事故点で第2の事故電流I2が流れる。
その結果、第1の零相変流器ZCT1を貫通する第1の事故電流I1の方向は、2次電力ケーブル2から配電用変圧器1に向うものとなるため、地絡個所特定装置50に入力される第1のZCT出力電流IZCT1の方向は内部方向(第1のZCT出力電流IZCT1の位相が図7(b)に示すように第1のGPT出力電圧VGPT1の位相を基準としたときに0°〜180°の範囲に入る方向)となる(図7(a)参照)。
また、第2の零相変流器ZCT2を貫通する2次電力ケーブル2の金属シースを流れる第1の事故電流I1と2次電力ケーブル2の金属シースの接地線を流れる第1の事故電流I1とは大きさが同じで方向が逆となり互いに打ち消されるため、地絡個所特定装置10に入力される第2のZCT出力電流IZCT2は零となる(図7(a)参照)。
【0036】
そこで、地絡個所特定部67は、第1のGPT出力電圧VGPT1が零相電圧整定値V00以上であると(図8のステップS21)、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行うために、第1のZCT出力電流IZCT1の方向を調べる(ステップS22)。
その結果、第1のZCT出力電流IZCT1の方向が内部方向であると、地絡個所特定部67は配電用変圧器側外部事故と判定する(ステップS26)。
一方、第1のZCT出力電流IZCT1の方向が外部方向であると、地絡個所特定部67は第2のZCT出力電流IZCT2の方向および大きさを調べる(ステップS23)。
その結果、第2のZCT出力電流IZCT2の大きさが零であると、地絡個所特定部67は電力ケーブル内部事故と判定する(ステップS24)。
一方、第2のZCT出力電流IZCT2の大きさが零でなく、かつ、第2のZCT出力電流IZCT2の方向が外部方向であると、地絡個所特定部67は負荷側外部事故と判定する(ステップS25)。
これにより、地絡事故個所を特定することができる。
【0037】
表示制御部68は、地絡個所特定部67によって特定された地絡個所などを外部の表示装置に表示させる。
【0038】
以上では、配電用変圧器1と2次電力ケーブル2との間にサージアブソーバSAが設けられた場合を例として説明したが、サージアブソーバSAが設置されていない場合には充電電流補償用コンデンサを配電用変圧器1と2次電力ケーブル2との間に設置すればよい。
【符号の説明】
【0039】
1 配電用変圧器
2 2次電力ケーブル
3 地絡過電圧継電器
4 地絡順序遮断装置
10,50 地絡個所検出装置
20,60 アナログ入力部
21,61 入力変換器
22,62 バンドパスフィルタ(BPF)
23,63 サンプリングホールド回路(S/H回路)
24,64 マルチプレクサ回路(MPX回路)
25,65 アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)
26,66 整定値メモリ
27,67 地絡個所特定部
28,68 表示制御部
SA サージアブソーバ
GPT1,GPT2 第1および第2の接地形計器用変圧器
CB 変圧器1次遮断器
CB0 変圧器2次遮断器
CB1,CB2 配電線遮断器
CT1,CT2 第1および第2の計器用変流器
ZCT 零相変流器
ZCT1,ZCT2 第1および第2の零相変流器
GPT1,VGPT2 第1および第2のGPT出力電圧
0 零相電圧
00 零相電圧整定値
ZCT ZCT出力電流
ZCT1,IZCT2 第1および第2のZCT出力電流
0 零相電流
CT1,ICT2 第1および第2のCT出力電流
1,I2 第1および第2の事故電流
C 対地静電容量
S11〜16,S21〜S26 ステップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電用変圧器(1)の2次側で地絡事故があった場合の地絡事故個所を特定するための配電用変圧器2次側地絡検出システムであって、
2次電力ケーブル(2)の前記配電用変圧器側の端部に該2次電力ケーブルが貫通するように設けられた零相変流器(ZCT)と、
前記配電用変圧器と前記2次電力ケーブルとの間に設けられたサージアブソーバ(SA)または充電電流補償用コンデンサの接地線に取り付けられた第1の計器用変流器(CT1)と、
前記2次電力ケーブルの金属シースの接地線に取り付けられた第2の計器用変流器(CT2)と、
前記零相変流器から入力されるZCT出力電流(IZCT)と前記第1および第2の計器用変流器から入力される第1および第2のCT出力電流(ICT1,ICT2)とに基づいて、前記配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定するための地絡個所検出装置(10)と、
を具備することを特徴とする、配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項2】
前記地絡個所検出装置が、前記第1および第2のCT出力電流の方向が同じか否かおよび前記ZCT出力電流の方向が外部方向か内部方向かに基づいて、電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定することを特徴とする、請求項1記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項3】
前記地絡個所検出装置が、
前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが逆方向であると、電力ケーブル内部事故と判定し、
前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが同方向であり、かつ、前記ZCT出力電流の方向が外部方向であると、負荷側外部事故と判定し、
前記第1のCT出力電流の方向と前記第2のCT出力電流の方向とが同方向であり、かつ、前記ZCT出力電流の方向が内部方向であると、配電用変圧器側外部事故と判定する、
ことを特徴とする、請求項2記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項4】
前記地絡個所検出装置が、前記2次電力ケーブルよりも前記配電用変圧器と反対側に設置された接地形計器用変圧器(GPT1)から入力されるGPT出力電圧(VGPT1)が零相電圧整定値(V00)以上であると、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行うことを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項5】
配電用変圧器(1)の2次側で地絡事故があった場合の地絡事故個所を特定するための配電用変圧器2次側地絡検出システムであって、
前記配電用変圧器と2次電力ケーブル(2)よりも該配電用変圧器側のサージアブソーバ(SA)または充電電流補償用コンデンサとの間に設置された接地形計器用変圧器(GPT1)と、
前記2次電力ケーブルの前記配電用変圧器側の端部に該2次電力ケーブルが貫通するように設けられた第1の零相変流器(ZCT1)と、
前記2次電力ケーブルの他の端部に該2次電力ケーブルが貫通するとともに該2次電力ケーブルの金属シースの接地線が前記配電用変圧器に向けて貫通するように設けられた第2の零相変流器(ZCT2)と、
前記第1および第2の零相変流器から入力される第1および第2のZCT出力電流(IZCT1,IZCT2)に基づいて、前記配電用変圧器の2次側で地絡事故があった場合に電力ケーブル内部事故、負荷側外部事故および配電用変圧器側外部事故のいずれであるかを判定するための地絡個所検出装置(50)と、
を具備することを特徴とする、配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項6】
前記地絡個所検出装置が、前記第1のZCT出力電流IZCT1の方向と、前記第2のZCT出力電流IZCT2の方向および大きさとに基づいて、電力ケーブル内部事故、配電用変圧器側外部事故および負荷側外部事故のいずれであるかを判定することを特徴とする、請求項5記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項7】
前記地絡個所検出装置が、
前記第1のZCT出力電流の方向が外部方向であり、かつ、前記第2のZCT出力電流の大きさが零であると、電力ケーブル内部事故と判定し、
前記第1のZCT出力電流の方向が外部方向であり、かつ、前記第2のZCT出力電流の大きさが零でなく方向が外部方向であると、負荷側外部事故と判定し、
前記第1のZCT出力電流の方向が内部方向であると、配電用変圧器側外部事故と判定する、
ことを特徴とする、請求項6記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。
【請求項8】
前記地絡個所検出装置が、前記接地形計器用変圧器から入力されるGPT出力電圧(VGPT1)が零相電圧整定値(V00)以上であると、地絡事故が発生したと判定して、地絡事故個所の特定を行うことを特徴とする、請求項5乃至7いずれかに記載の配電用変圧器2次側地絡検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−227020(P2011−227020A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99486(P2010−99486)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】