説明

酵素安定化剤としての多環式化合物

本発明は、プロテアーゼ阻害剤として作用し、そのため酵素安定化剤として適当な、多環式化合物を含有する、洗濯剤および清浄剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテアーゼ阻害剤として働き、それにより酵素安定化剤として適当である、多環式化合物を含有する洗浄剤または清浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤および清浄剤における酵素の使用は、数十年間の先行技術において確立されている。酵素は、それらの特異的活性により関係する製剤の性能範囲を拡大するために使用される。これらは特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼおよびセルラーゼのような加水分解酵素を含む。上述した初めの3つの酵素は、タンパク質、デンプンおよび脂肪を加水分解する結果、汚れの除去に直接的に貢献する。セルラーゼは、それらの構造効果のため特に使用される。洗剤および清浄剤酵素の他の群は、酸化酵素、特にオキシダーゼであり、それらは好ましくは、汚れを漂白するためまたは漂白剤そのものを作り出すために、必要に応じて他の成分と併用して用いられる。持続的な最適化を受けるこれらの酵素に加えて、特定のタイプの汚れに最適に対処できるように、洗浄剤および清浄剤に用いられるさらなる酵素が絶えず提供され、特に、例えばペクチナーゼ、β−グルカナーゼ、マンナーゼまたは、特に特定の植物由来ポリマーの加水分解のための他のヘミセルラーゼ(グルコシダーゼ)が利用可能である。
【0003】
長い間に確立され、実際にすべての今日の高性能洗浄剤および清浄剤に含まれる酵素はプロテアーゼであり、中でも特にセリンプロテアーゼであり、本発明によるとスブチラーゼも含まれる。それらは、洗浄される物質上のタンパク質性の汚れの分解するために使用される。しかしながら、プロテアーゼは、自分自身を加水分解し(自己加水分解)、製剤中に含まれる全ての他のタンパク質(すなわち、特に他の酵素)を加水分解する。これは、比較的良好な反応条件である場合に、特に洗浄工程中、すなわち、水性洗浄溶液中で起こる。しかしながら、これはまた、それほどではないにしろ、関係する製剤の貯蔵の間にも起こり、プロテアーゼ活性および他の酵素の活性化の一定の損失が常に長期の貯蔵期間に関連している原因である。これは、反応媒体と加水分解試薬のいずれもが処方中に水とともに含まれるような、ゲル状または液状、特に水溶液処方において特に問題である。
【0004】
洗浄剤および清浄剤処方の開発における1つの課題は、特に貯蔵中において、製剤に含まれる酵素を安定化させることである。これは様々な好ましくない影響、例えば物理的作用または酸化に起因する変性あるいは分解に対する保護を意味するものと理解される。これらの開発の1つの重点は、製剤に含まれるタンパク質および/または酵素のタンパク質分解切断に対する保護からなる。これは、例えば特異的酵素顆粒中の酵素のカプセル化あるいは2室系(two-chamber system)または多室系(multi-chamber system)で製剤をパッケージ化することで物理的障壁を作ることにより達成され得る。しばしば行われる他の手段は、プロテアーゼを阻害し、これにより全体的にみて、製剤に含まれるプロテアーゼおよび他のタンパク質ならびに酵素に対する安定化剤として働く化合物を加えることである。プロテアーゼ活性は、特に貯蔵の間に一時的に抑制されるべきであるが、洗浄工程では抑制されるべきではないため、これらは可逆的プロテアーゼ阻害剤でなければならない。
【0005】
先行技術において、ポリオール、特にグリセロールおよび1,2−プロピレングリコール、ベンザミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸あるいはその塩またはエステルが、可逆的プロテアーゼ阻害剤として確立している。そのうち主に芳香族基を有する誘導体、例えばオルト−、メタ−またはパラ−置換フェニルボロン酸が言及され、特に4−ホルミルフェニルボロン酸、または前述した化合物の塩あるいはエステルを特に言及すべきである(以下参照)。ホウ酸誘導体がポリオールとともに使用される場合に、それらは酵素を安定化させる複合体を形成し得るため、特に良好な保護が得られる。ペプチドアルデヒド、すなわち還元されたC末端を有するオリゴペプチド、特に2〜50個のモノマーのオリゴペプチドが、この目的のために記載されている。とりわけ、ペプチド型可逆的プロテアーゼ阻害剤にはオボムコイドおよびロイペプチンが含まれる。特異的可逆的ペプチド阻害剤ならびにプロテアーゼの融合タンパク質および特異的ペプチド阻害剤が、この目的のために使用される。
【0006】
確立されたさらなる酵素安定化剤は、アミノアルコール、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミンおよびプロパノールアミンならびにそれらの混合物など、C12までの脂肪族カルボン酸、例えばコハク酸、他のジカルボン酸または前記酸の塩である。末端キャップ脂肪酸アミドアルコキシレートも、この目的のために確立されている。WO97/18287に記載されるようなビルダーとして使用される特定の有機酸は、ビルダーとしてのそれらの機能に加えて、酵素を安定化することもできる。
【0007】
様々な分類のプロテアーゼが、洗浄剤または清浄剤プロテアーゼ、例えば金属プロテアーゼとして確立される。しかしながら、それらの有利な酵素的特性(安定性や最適pHなど)のため、スブチリシン型のプロテアーゼ(スブチラーゼ、スブチロペプチダーゼ、EC 3.4.21.62)が、洗浄剤または清浄剤プロテアーゼの中で重要な位置を占める。触媒的活性アミノ酸のため、スブチリシン型プロテアーゼはセリンプロテアーゼとして分類される。それらは、非特異的エンドペプチダーゼとして作用する。すなわち、ペプチドまたはタンパク質内に存在する全ての酸アミド結合を加水分解する。それらの最適pHは、一般的に、明らかにアルカリ性範囲である。この群の検証は、例えば、R. BottおよびC. Betzel(ニューヨーク)により編集された「Subtilisin enzymes」(1996年)の第75〜95頁、R. Siezenによる論文「Subtilases: Subtilisin-like Proteases」に掲載されている。スブチラーゼは本来、微生物により形成される;中でも、Bacillus種により形成され、分泌されるスブチリシンを、スブチラーゼの中でも特に重要な群として言及すべきである。
【0008】
したがって、まさにこの類の酵素からの可逆的阻害剤を提供するために、特別な取り組みがなされている。グリセロールおよび1,2−プロピレングリコールのようなポリオールは、高い濃度で使用しなければならないため、それに応じて、関係する製剤中の他の活性物質を小さな割合でのみ含み得るという点に関して不都合を有する。
【0009】
比較的低い濃度でも効果的なセリンプロテアーゼ阻害剤の中では、ホウ酸誘導体が重要な位置を占める。これらの例として、WO92/19707A1からメタ−置換フェニルボロン酸を取りあげることができる。プロテアーゼ阻害剤として、パラ−置換フェニルボロン酸が、EP478050A1に開示されている。ホウ酸と芳香族化合物を有するホウ酸誘導体の複合体のプロテアーゼ阻害活性が、EP511456A1に開示されている。芳香族化合物を含むボロン酸とボリン酸のプロテアーゼ阻害誘導体は、WO95/02046A1に開示されている。WO95/29223A1は、置換ナフタレンボロン酸の同様の活性を開示している。
【0010】
さらに、特許出願WO96/21716A1およびWO96/41859A1を言及すべきである。WO96/21716A1は、洗浄剤および清浄剤において酵素安定化の特定の目的のために、そこに挙げられた全てのプロテアーゼ阻害剤が適当であるという事実を引用し、開示する5つの特許出願を引用している。これらの中の特に効果的な安定化剤の選択が、WO96/41859A1に開示されている。
【0011】
さらに、これらの安定化剤の活性のさらなる増加についての先行技術がある。それ故に、特許出願WO93/11215A1は、液状洗浄剤処方を安定化するための1,2−プロパンジオールおよびホウ酸または種々のホウ酸誘導体の併用を記載し、EP451924A2は、ヒドロキシプロピルカルボン酸、カルシウム塩および特定のホウ素化合物の併用により安定化された液状洗浄剤処方を記載する。
【0012】
しかしながら、それらの安定化作用とは独立して、ホウ酸誘導体は決定的な不都合を示す:例えば、ホウ酸塩のようなホウ酸誘導体の多くは、いくつかの他の洗浄剤または清浄剤成分と望ましくない副産物を形成し、そのため、関係する製剤における所望する清浄目的に対してもはや有用性がなく、また洗浄される物質に汚れとして残留することさえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第97/18287号パンフレット
【特許文献2】国際公開第92/19707号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願第478050号明細書
【特許文献4】欧州特許出願第511456号明細書
【特許文献5】国際公開第95/02046号パンフレット
【特許文献6】国際公開第95/29223号パンフレット
【特許文献7】国際公開第96/21716号パンフレット
【特許文献8】国際公開第96/41859号パンフレット
【特許文献9】国際公開第93/11215号パンフレット
【特許文献10】欧州特許出願第451924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本願発明の課題は、プロテアーゼ阻害剤として作用し、それにより洗浄剤および清浄剤において酵素安定化剤として適当なホウ素非含有化合物を特定することにある。
【0015】
ここで、概して、液状、ゲル状またはペースト状の洗浄剤および清浄剤(特に水を含有する製剤を含む)における使用が特に興味深い。
【課題を解決するための手段】
【0016】
該課題は、下記の製剤により解決できる:
プロテアーゼと一般構造式:
【化1】

の化合物を含有する洗浄剤または清浄剤。
式中、Aは、場合により少なくとも1つのヘテロ原子、特にOまたはNから選択されるヘテロ原子を含有していてよい、単不飽和または多不飽和の5または6員環を表し、Aは、特にベンゾ基、チオフェノ基、ピリド基、ピリミジノ基、イミダゾ基、オキサゾ基、ピラゾ基およびピロロ基からなる群から選択される基であり、XおよびYは、互いに独立して、O、NRまたはCRを表し、好ましくはOであり、R、RおよびZは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基またはヘキシル基、C1〜6アルケニル基、特にエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基またはヘキセニル基、フェニル基、ベンジル基またはハロゲン、特にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し、特に水素であり、nは、1または2である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましい実施態様において、
Aは、ベンゾ基、チオフェノ基、ピリド基、ピリミジノ基、イミダゾ基、オキサゾ基、ピラゾ基およびピロロ基からなる群から選択される基であり、特に好ましくはベンゾ基、チオフェノ基またはピリド基であり、とりわけベンゾ基であり、Xは、OまたはNR、特に好ましくはOを表し、Yは、OまたはNH、特に好ましくはOを表し、Rは、ベンジル基であり、Zは水素を表し、nは1である。
【0018】
特に好ましい実施態様において、該化合物は、構造式:
【化2】

を有する化合物([1−(カルボキシメトキシ)−6−オキソ−6H−ベンゾクロメン−3−イル]オキソ}酢酸(CAS:133540−71−3))である。
【0019】
本発明によれば、用語洗浄剤または清浄剤は、特に、布地および/または硬表面の洗浄または清浄に適当な全ての製剤をいうものと理解される。該洗浄剤または清浄剤に適当な成分を以下に詳細に記載する。
【0020】
本発明によれば、用語プロテアーゼは、タンパク質中の酸アミド結合を加水分解することのできる全ての酵素をいうものと理解される。該プロテアーゼも以下に詳細に記載する。
【0021】
この理論に制限されることなく、本発明によれば、本発明に関する化合物は、本発明の阻害される/安定化されるプロテアーゼと複合体を形成すると思われる。該複合体は、本発明に関する化合物がプロテアーゼの基質結合ポケットに挿入され、非共有状態で結合しているようである。このようにプロテアーゼの活性中心は、この酵素により加水分解できない化合物によってブロックされており、存在する他のタンパク質を加水分解に利用することはできない。これは、可逆的結合、すなわち会合と解離の平衡である。この反応の平衡定数は、阻害係数またはKで示される。
【0022】
先行技術と比較した本発明に関する化合物の第一の有利点は、ポリオールと比較して必要とされる量がより低量であることに加えて、洗浄剤および清浄剤において使用され得るプロテアーゼに対して好ましい阻害定数を有しているという事実からなる。これは、例えばセリンプロテアーゼについても、また金属プロテアーゼについてもいえる。このように、該阻害剤は可逆的に結合する。すなわち、それらは酵素と、固定され過ぎることなくまた緩過ぎることのない一時的な相互関係を結ぶ。したがって、有利なことに、貯蔵中、本発明に関する大部分のプロテアーゼは、プロテアーゼ阻害複合体の形態で存在する。それらに含まれるプロテアーゼおよび任意の他のタンパク質、特に他の酵素は、このようにしてこの酵素によりタンパク質分解から保護される(タンパク質分解に対する安定化)。一方、清浄過程で水性洗浄溶液または清浄溶液を調製するために本発明の製剤が水で希釈される場合、結合平衡は解離の方向に移るので、複合体は分解し、本発明に関する大部分のプロテアーゼはタンパク質分解活性になる。したがって、本発明に関する化合物は、機能性プロテアーゼ阻害剤であり、それにより、該処方による洗浄剤および清浄剤のための酵素安定化剤である。
【0023】
先行技術に対する本発明に関する化合物の第二の有利点は、該化合物が、元素としてC、H、NおよびOならびに場合によりハロゲンおよび/または硫黄のみを含有し、特にホウ素を含まないという事実からなる。したがって、それらは、ホウ素に起因し得る他の洗浄剤または清浄剤成分と望ましくない副産物を形成しない。
【0024】
さらに、特に各芳香族環に含まれるカルボキシル基により、それらは容易に水に溶解するため、適当な製剤中に容易に組み込むことができ、貯蔵中の沈殿を防止する。
【0025】
したがって、原則として、前記化合物は、プロテアーゼの基質と同様に結合ポケットの条件と構造的に適合しているため、可逆的阻害剤として作用する。したがって、反対に、原則として全てのプロテアーゼは、本発明に関する化合物により阻害され得るため、本発明のプロテアーゼ阻害剤として適当である。これは、セリンプロテアーゼ、具体的にスブチラーゼまたはより具体的にスブチリシン、Bacillus lentus DSM 5483からのスブチリシンの変異体に基づくスブチリシンに基づいて、実験的に記載される化合物の有利な作用を含む本特許出願の実施例に基づき示されているように、特にセリンプロテアーゼについていえる。
【0026】
また、本願発明は以下のものを提供する:
− 洗浄剤または清浄剤処方の範囲内におけるプロテアーゼの可逆的阻害剤および/または安定化剤としての前記化合物の使用;
− 前記化合物によりプロテアーゼを効果的に阻害および/または安定化する洗浄または清浄方法;
− 繊維製品および/または硬表面の洗浄および/または清浄のための本発明の洗浄剤または清浄剤の使用;ならびに
− 洗浄剤または清浄剤の製造のためのプロテアーゼおよび前記化合物の使用。
【0027】
本発明によると、含まれるプロテアーゼに対して、0.01〜10mMの、好ましくは0.1〜5の、特に好ましくは0.5〜2の阻害定数(K)を有する安定化化合物である洗浄剤または清浄剤が好ましい。
【0028】
阻害定数Kは、下記の方法により測定し得る:
酵素活性の可逆的阻害剤の特徴化のために、阻害定数Kは特徴的で決定的な数値である。Kは、可逆的な結合に対する、酵素、阻害剤および酵素−阻害剤複合体間の平衡を表す。ここで、酵素−阻害剤複合体は触媒的活性ではなく、遊離酵素濃度の還元による反応を阻害し、それは基質の結合のためにさらに利用できる。Kは、下記により定義付けられる。
=[I]×[E]/[EI]
【0029】
式中、[E]、[EI]および[I]は、それぞれ、酵素[E]、阻害剤[I]および酵素−阻害剤複合体[EI]のモル平衡濃度である。この定義によると、各試験条件下、低Kを有する基質が良好な阻害剤である。
【0030】
の測定は、対応する阻害剤の存在下におけるプロテアーゼの活性試験に基づいて行われる。酵素的パラメーターKおよびkcatは、様々な濃度の阻害剤の存在下、確立されたミカエリス−メンテン速度論を用いて測定される。種々の基質濃度[S]における加水分解の初期速度(v)を測定し、該実験データを式1に当てはめることにより、Kが得られる。
【0031】
式1: v=kcat×[S]×E/(K×(1+[I]/K)+S)
【0032】
[I]は、この場合も阻害剤濃度を表す。
【0033】
また、Kは、IC50を用いてチェン−プルソフ式(式2)により測定してもよい。IC50値の測定は、種々の濃度の阻害剤の存在下において基質のタンパク質分解活性を測定し、勾配変化のある(疑似丘勾配)S字状用量反応式に実験データを当てはめることにより行われる。これは、完全な阻害を達成するために必要とされる阻害剤濃度の半分の値である。
【0034】
したがって、Kは、下記式2から得られる:
式2: K=IC50/(1+[S]/K
【0035】
式中、[S]は試験における基質濃度を表し、基質に対する平衡解離定数Kは、IC50を使用する場合の基質に対するKと同一のものと見なすことができる。
【0036】
このようにして決定されるK値は、プロテアーゼに関する研究で試験において使用される化合物を特徴づける。実施例2において、これはBacillus lentusアルカリ性プロテアーゼF49(WO95/23221A1による)に対して行った。これは、典型的なスブチリシンプロテアーゼであるため、この酵素により得られる値は、他のセリンプロテアーゼ、特に他のスブチリシンプロテアーゼに典型的な値でもある。疑わしい場合には、関心のあるプロテアーゼに対する正確な値は、それぞれ特異的なプロテアーゼに基づいて測定されなければならない。
【0037】
好ましい実施態様において主に固形状で存在し、第2の実施態様において主に液状、ペースト状またはゲル状で存在する本発明の洗浄剤または清浄剤において、プロテアーゼは、特に、製剤1gあたり2μg〜20mg、好ましくは製剤1gあたり5μg〜17.5mg、特に好ましくは製剤1gあたり20μg〜15mg、最も好ましくは製剤1gあたり50μg〜10μgの量で含まれる。
【0038】
安定化剤は、本発明の製剤に、製剤1gあたり50mgまでの量で、好ましくは10mgまでの量で、特に好ましくは7mgまでの量で、最も好ましくは製剤1gあたり5mgまでの量で含まれる。さらに、安定化剤が、(含まれるプロテアーゼに基づいて)0.01〜100×Kの量で、好ましくは0.1〜10×Kの量で、特に好ましくは1〜5×Kの量で含まれることが好ましい。
【0039】
安定化剤とプロテアーゼのモル比は、好ましくは1:1〜1000:1、特に1:1〜500:1、特に好ましくは1:1〜100:1、最も特に好ましくは1:1〜20:1である。
【0040】
上記一般式の安定化剤に加えて、本発明の製剤は、少なくとも1つの安定化剤、特にグリセロールまたは1,2−エチレングリコールのようなポリオール、および/または酸化防止剤を含有してよい。
【0041】
本発明により安定化されるまたは可逆的に阻害されるプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、特にスブチラーゼ、特に好ましくはスブチリシンである。ここで、スブチリシンは、野生型酵素またはスブチリシン変異体であってよく、好ましくは下記から選択される変異体の野生型酵素または出発酵素であり得る:
−Bacillus amyloliquefaciensからのアルカリ性プロテアーゼ(BPN')、
−Bacillus licheniformisからのアルカリ性プロテアーゼ(スブチリシンカールスバーグ)
−アルカリ性プロテアーゼPB92、
−スブチリシン147および/またはスブチリシン309(savinase)、
−Bacillus lentus好ましくはBacillus lentus(DSM 5483)からのアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus alcalophilus(DSM 11233)からのアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus gibsonii(DSM 14391)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも70%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus sp.(DSM 14390)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも98.5%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus sp.(DSM 14392)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも98.1%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus gibsonii(DSM 14393)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも70%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/063974号パンフレットのシーケンス ID No.4に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも40%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/103244号パンフレットのシーケンス ID No.4に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも80%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/103244号パンフレットのシーケンス ID No.7に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも80%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、および
−独国特許出願102005028295.4号のシーケンス ID No.2に記載されたプロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも66%が同一のプロテアーゼ。
【0042】
好ましい実施態様において、該プロテアーゼは、95〜103位(スブチリシン309における番号付与)の領域における点突然変異による変異体であり、好ましくは99〜100位の間での特定のアミノ酸の挿入による変異体であり、特に好ましくはスブチリシン147および/または309(スブチリシン309)またはそれらの変異体から生じる変異体である。特に、該プロテアーゼは、217位(Bacillus amyloliquefaciensからの野生型プロテアーゼ;BPN'における番号付与)における点突然変異による変異体であり、好ましくはこの位置における特定のアミノ酸の置換による変異体であり、特に好ましくはアミノ酸置換X217Lによる変異体、最も好ましくはBacillus amyloliquefaciensからの野生型プロテアーゼ(BPN')またはその変異体から生じる変異体である。好ましい実施態様において、該プロテアーゼは、Bacillus lentusからのアルカリ性プロテアーゼに対応し得る出発プロテアーゼと比較して、以下の1つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸変化による変異体である:Bacillus lentusからのアルカリ性プロテアーゼの番号付与における3、4、36、42、43、47、56、61、69、87、96、99、101、102、104、114、118、120、130、139、141、142、154、157、188、193、199、205、211、224、229、236、237、242、243、250、253、255および268位。好ましくは、該プロテアーゼは、出発分子と比較して、以下の1つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸変化による変異体である:3、4、43、61、188、193、199、211、224、250および253位。特に好ましくは、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換X3T、X4I、X43V、X61A、X188P、X193M、X199I、X211D、X211E、X211G、X211NまたはX211Q、X224V、X250GおよびX253Nによる変異体、最も好ましくはBacillus lentus DSM 5483からのアルカリ性プロテアーゼまたはそれらの変異体から生じる変異体である。
【0043】
本発明の製剤は、プロテアーゼに加えて1つまたはそれ以上のさらなる酵素を含有していてよく、特に以下の群からの酵素を含有してよい:1つまたはそれ以上のさらなるプロテアーゼ、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、リパーゼおよびオキシドレダクターゼ。アミラーゼは、好ましくはα−アミラーゼである。ヘミセルラーゼは、好ましくはβ−グルカナーゼ、ペクチナーゼ、プルラナーゼおよび/またはマンナーゼである。セルラーゼは、好ましくはセルラーゼ混合物または単一成分セルラーゼであり、好ましくはまたは主に、エンドグルカナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼである。オキシドレダクターゼは、好ましくはオキシダーゼ、特にコリンオキシダーゼ、またはペルヒドロラーゼである。
【0044】
本発明の製剤は、好ましくは、少なくとも1つの錯化剤および/またはビルダー物質(該ビルダーは、特にゼオライトビルダーである)、および/または非イオン性界面活性剤(該非イオン性界面活性剤は、特にヒドロキシ混合エーテルである)、および/または蛍光増白剤(該蛍光増白剤は、ビフェニル化合物、特にジスチリルビフェニル誘導体および/またはスチルベントリアゾン誘導体)を含有する。
【実施例】
【0045】
〈実施例1〉
阻害剤の存在下における残存プロテアーゼ活性試験
【0046】
本発明の化合物がプロテアーゼ活性阻害作用を有することを証明するため、Bacillus lentusアルカリ性プロテアーゼF49(WO95/23221A1による)の残存タンパク質分解活性をこれらの化合物の存在下で測定した。
【0047】
反応バッチと並行して、0.1%(w/v)Brij TM35、基質スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−パラニトロアニリド(AAPFpNA;Bachem L-1400)および5×10−9および/または1×10−8Mのプロテアーゼを、100mMのトリスバッファー(pH6.8)に加えた。試験される化合物を、最終濃度10mMとなるよう加えた。それぞれ、無水DMSOに溶解し、該化合物を含まない同量のDMSOによる対応する対照を用いて、酵素活性におけるDMSOの影響を補正した。培養は、5分間、pH8.6、25℃で行った。ここで、1Uは1分間あたりに分解される1μモルの基質に相当する。
【0048】
[1−(カルボキシメトキシ)−6−オキソ−6H−ベンゾクロメン−3−イル]オキシ}酢酸(Cas:133540−71−3)の使用により、50%未満の残存活性まで残存タンパク質分解活性の阻害を達成することが可能であった。
【0049】
〈実施例2〉
プロテアーゼ阻害剤の存在下における、プロテアーゼ含有洗浄剤および清浄剤の貯蔵安定性試験
【0050】
基本処方として、以下の成分を含む液状洗浄剤を調製した(全て重量%):0.3〜0.5%のキサンタンガム、0.2〜0.4%の消泡剤、6〜7%のグリセロール、0.3〜0.5%のエタノール、4〜7%のFAEOS、24〜28%の非イオン性界面活性剤、1%のホウ酸、1〜2%のクエン酸ナトリウム(二水和物)、2〜4%のソーダ、14〜16%のヤシ脂肪酸、0.5%のHEDP、0〜0.4%のPVP、0〜0.05%の蛍光増白剤、0〜0.001%の着色剤、残りは脱塩水。
【0051】
1,275,000HPU/lの B. lentusアルカリ性プロテアーゼF49とともに、試験する阻害化合物を該処方に添加した。HPU(ヘンケルプロテアーゼ単位)で示されるプロテアーゼ活性は、Raay、SaranおよびVerbeekによる論文:Tenside(1970年)、第7巻、125〜132頁「Zur Bestimmung der proteolytischen Aktivitaet in Enzymkonzentraten und enzymhaltigen Wasch-, Spuel- und Reinigungsmitteln」の方法により測定した。
【0052】
30℃の気密性密閉容器内で、様々な期間貯蔵した。
【0053】
評価のため、関係する製剤のタンパク質分解活性の初期値を貯蔵後の測定値と比較した。貯蔵後に残っている活性が高いほど、貯蔵中そこに含まれるプロテアーゼの不活化は良好であって、本発明の安定化剤としてより適当な化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアーゼおよび一般構造式:
【化1】

[式中、Aは、場合により少なくとも1つのヘテロ原子、特にOまたはNから選択されるヘテロ原子を含有していてよい、単不飽和または多不飽和の5または6員環を表し、
XおよびYは、互いに独立して、O、NRまたはCRを表し、
、RおよびZは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、フェニル基、ベンジル基または水素を表し、
nは、1または2である]
で示される酵素安定化剤を含有する洗浄剤または清浄剤。
【請求項2】
Aが、ベンゾ基、チオフェノ基、ピリド基、ピリミジノ基、イミダゾ基、オキサゾ基、ピラゾ基およびピロロ基からなる群から選択される基である、請求項1に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項3】
Xが、OまたはNR[式中、Rはベンジル基である]である、請求項1または2に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項4】
Yが、OまたはNHである、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項5】
酵素安定化剤が構造式:
【化2】

で示される化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項6】
安定化化合物が、含まれるプロテアーゼに対して0.01〜10mM、好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.5〜2の阻害定数(K)を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項7】
主に固形状である請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項8】
主に、液状、ペースト状またはゲル状である、請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項9】
プロテアーゼを、製剤1gに対して2μg〜20mg、好ましくは製剤1gに対して5μg〜17.5mg、特に好ましくは製剤1gに対して20μg〜15mg、最も好ましくは製剤1gに対して50μg〜10μgの量で含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項10】
安定化剤を、製剤1gに対して50mgまで、好ましくは10mgまで、特に好ましくは7mgまで、最も好ましくは製剤1gに対して5mgまでの量で含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項11】
プロテアーゼに対する安定化剤のモル比が、1:1〜1000:1、特に1:1〜500:1、特に好ましくは1:1〜100:1、最も好ましくは1:1〜20:1の範囲にある、請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項12】
安定化剤を、(含まれるプロテアーゼに基づき)0.01〜100×K、好ましくは0.1〜10×K、特に好ましくは1〜5×Kの量で含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項13】
プロテアーゼが、セリンプロテアーゼ、好ましくはスブチラーゼ、特に好ましくはスブチリシンである、請求項1〜12のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項14】
スブチリシンが、野生型酵素またはスブチリシン変異体であり、該野生型酵素または変異体の出発酵素が、
−Bacillus amyloliquefaciensからのアルカリ性プロテアーゼ(BPN')、
−Bacillus licheniformisからのアルカリ性プロテアーゼ(スブチリシンカールスバーグ)
−アルカリ性プロテアーゼPB92、
−スブチリシン147および/またはスブチリシン309(savinase)、
−Bacillus lentus好ましくはBacillus lentus(DSM 5483)からのアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus alcalophilus(DSM 11233)からのアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus gibsonii(DSM 14391)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも70%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus sp.(DSM 14390)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも98.5%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus sp.(DSM 14392)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも98.1%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−Bacillus gibsonii(DSM 14393)からのアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも70%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/063974号パンフレットのシーケンス ID No.4に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも40%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/103244号パンフレットのシーケンス ID No.4に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも80%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−国際特許出願2005/103244号パンフレットのシーケンス ID No.7に記載されたアルカリ性プロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも80%が同一のアルカリ性プロテアーゼ、
−独国特許出願102005028295.4号のシーケンス ID No.2に記載されたプロテアーゼまたは該プロテアーゼと少なくとも66%が同一のプロテアーゼ
から選択される、請求項13に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項15】
プロテアーゼが、該酵素自身に由来しているか他の酵素に由来しているかにかかわらず、アミノ酸レベルで、変異体の全体の長さの少なくとも90%、好ましくは少なくとも92.5%、特に好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも97.5%が出発プロテアーゼと配列同一性を有する変異体である、請求項1〜12のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項16】
プロテアーゼが、95〜103位(スブチリシン309における番号付与)の領域における点突然変異による変異体である、好ましくは99位と100位の間の特定のアミノ酸の挿入による変異体である、特に好ましくはスブチリシン147および/または309(スブチリシン309)またはそれらの変異体から生じる変異体である、請求項1〜13のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項17】
プロテアーゼが、217位(Bacillus amyloliquefaciensからの野生型プロテアーゼ;BPN'における番号付与)における点突然変異による変異体である、好ましくはこの位置における特定のアミノ酸の置換による変異体である、特に好ましくはアミノ酸置換X217Lによる変異体、最も好ましくはBacillus amyloliquefaciensからの野生型プロテアーゼ(BPN')またはその変異体から生じる変異体である、請求項1〜14のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項18】
プロテアーゼが、Bacillus lentusからのアルカリ性プロテアーゼに対応し得る出発プロテアーゼと比較して、Bacillus lentusからのアルカリ性プロテアーゼの番号付与において、3、4、36、42、43、47、56、61、69、87、96、99、101、102、104、114、118、120、130、139、141、142、154、157、188、193、199、205、211、224、229、236、237、242、243、250、253、255および268位の1つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸変化による変異体である、好ましくは、出発分子と比較して、3、4、43、61、188、193、199、211、224、250および253位の1つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸変化による変異体である、特に好ましくは、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換X3T、X4I、X43V、X61A、X188P、X193M、X199I、X211D、X211E、X211G、X211NまたはX211Q、X224V、X250GおよびX253Nによる変異体、最も好ましくはBacillus lentus DSM 5483またはその変異体から生じる変異体である、請求項1〜15のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項19】
少なくとも1つのさらなる安定化剤を含有する請求項1〜16のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項20】
少なくとも1つのさらなる安定化剤が、ポリオール、特にグリセロールまたは1,2−エチレングリコール、および/または酸化防止剤である、請求項17に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項21】
プロテアーゼ、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、リパーゼおよびオキシドレダクターゼからなる群から選択される1つまたはそれ以上のさらなる酵素を含有する、請求項1〜18のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項22】
アミラーゼがα−アミラーゼである、請求項19に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項23】
ヘミセルラーゼが、β−グルカナーゼ、ペクチナーゼ、プルラナーゼおよび/またはマンナーゼである、請求項19または20に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項24】
セルラーゼが、セルラーゼ混合物または単一成分セルラーゼ、好ましくはまたは主に、エンドグルカナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼである、請求項19〜21のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項25】
オキシドレダクターゼが、オキシダーゼ、特にコリンオキシダーゼ、またはペルヒドロラーゼである、請求項19〜22に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項26】
少なくとも1つの錯化剤および/またはビルダー物質を含有する、請求項1〜23のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項27】
ビルダーがゼオライトビルダーである請求項24に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項28】
非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜25のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項29】
非イオン性界面活性剤がヒドロキシ混合エーテルである、請求項26に記載の製剤。
【請求項30】
蛍光増白剤を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項31】
蛍光増白剤が、ビフェニル化合物、特にジスチリルビフェニル誘導体、および/またはスチルベントリアジン誘導体を含有する、請求項28に記載の洗浄剤または清浄剤。
【請求項32】
一般構造式:
【化3】

[式中、Aは、場合により少なくとも1つのヘテロ原子、特にOまたはNから選択されるヘテロ原子を含有していてよい、単不飽和または多不飽和の5または6員環を表し、
XおよびYは、互いに独立して、O、NRまたはCRを表し、
、RおよびZは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、フェニル基、ベンジル基または水素を表し、
nは、1または2である]
で示される化合物の、洗浄剤または清浄剤処方内におけるプロテアーゼの可逆的阻害剤としての使用。
【請求項33】
プロテアーゼが、一般構造式:
【化4】

[式中、Aは、場合により少なくとも1つのヘテロ原子、特にOまたはNから選択されるヘテロ原子を含有していてよい、単不飽和または多不飽和の5または6員環を表し、
XおよびYは、互いに独立して、O、NRまたはCRを表し、
、RおよびZは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、フェニル基、ベンジル基または水素を表し、
nは、1または2である]
で示される化合物により阻害されるおよび/または安定化される効果を発揮する洗浄または清浄方法。
【請求項34】
請求項1〜29のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤を使用する、請求項31に記載の洗浄または清浄方法。
【請求項35】
布地および/または硬表面を洗浄および/または清浄するための、請求項1〜29のいずれかに記載の洗浄剤または清浄剤の使用。
【請求項36】
洗浄剤または清浄剤を製造するための、プロテアーゼおよび一般構造式:
【化5】

[式中、Aは、場合により少なくとも1つのヘテロ原子、特にOまたはNから選択されるヘテロ原子を含有していてよい、単不飽和または多不飽和の5または6員環を表し、
XおよびYは、互いに独立して、O、NRまたはCRを表し、
、RおよびZは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、フェニル基、ベンジル基または水素を表し、
nは、1または2である]
で示される化合物の使用。

【公表番号】特表2010−538138(P2010−538138A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523483(P2010−523483)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061272
【国際公開番号】WO2009/030632
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】