説明

酵素PDE10A阻害剤としてのヘテロ芳香族アリールトリアゾール誘導体

本発明は、酵素PDE10A阻害剤である化合物(式I)を対象とする。本発明は、本発明の化合物の治療上有効な量および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物の調製のための方法も提供する。本発明はさらに、式(I)の化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む、神経変性障害に罹患している対象を治療する方法を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む、薬物依存症に罹患している対象を治療する方法も提供する。本発明はさらに、式(I)の化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む、精神障害に罹患している対象を治療する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素PDE10A阻害剤であり、したがって神経変性障害および精神障害を治療するのに有用であるヘテロ芳香族化合物を提供する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬組成物および本発明の化合物を使用して障害を治療する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
本出願全体において、多様な刊行物が、完全な形で参照される。これらの刊行物の開示は、参照によって本出願へ組み込まれ、本発明が属する技術分野の水準をより完全に説明する。
【0003】
環状ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)は、ニューロンにおける無数のプロセスを制御する細胞内セカンドメッセンジャーとして機能する。細胞内cAMPおよびcGMPは、アデニルおよびグアニルシクラーゼによって産生され、環状ヌクレオチドホスホジエストラーゼ(PDE)によって、分解される。cAMPおよびcGMPの細胞内レベルは、細胞内シグナル伝達によって調節され、GPCR活性化に応答するアデニルおよびグアニルシクラーゼの刺激/抑制は、環状ヌクレオチド濃度を調節する、十分特徴付けられた方法である(Antoni, F.A.、Front. Neuroendocrinol.、2000、21、103〜132ページ)。一方で、cAMPおよびcGMPのレベルは、cAMPおよびcGMP依存性キナーゼの活性も、環状ヌクレオチド応答エレメントを有するその他のタンパク質の活性も調節し、タンパク質のその後のリン酸化およびその他のプロセスによって、シナプス伝達、ニューロン分化および生存などの重要な神経機能を制御する。
【0004】
11種の遺伝子ファミリーに分けることができる、21種のホスホジエステラーゼ遺伝子がある。10ファミリーのアデニル酸シクラーゼ、2ファミリーのグアニル酸シクラーゼ、および11ファミリーのホスホジエストラーゼがある。PDEは、環状ヌクレオチドをそれぞれのヌクレオチド一リン酸に加水分解することによってcAMPおよびcGMPのレベルを制御する、細胞内酵素の一クラスである。cAMPを分解するPDEもあり、cGMPを分解するPDEもあり、その両方を分解するPDEもある。ほとんどのPDEは、広範な発現を有し、多くの組織において役割を有するが、より組織特異的なPDEもある。
【0005】
ホスホジエステラーゼ10A(PDE10A)は、cAMPをAMPへおよびcGMPをGMPへの両方の変換ができる二重特異性ホスホジエステラーゼである(Loughney, K.ら、Gene、1999、234、109〜117ページ、Fujishige, K.ら、Eur. J. Biochem.、1999、266、1118〜1127ページおよびSoderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci.、1999、96、7071〜7076ページ)。PDE10Aは、線条体、側座核および嗅結節におけるニューロンに、主に発現される(Kotera, J.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm.、1999、261、551〜557ページおよびSeeger, T.F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126ページ)。
【0006】
マウスPDE10Aは、ホスホジエストラーゼのPDE10ファミリーの最初に同定されたメンバーであり(Fujishige, K.ら、J. Biol. Chem.、1999、274、18438〜18445ページおよびLoughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117ページ)、ラットおよびヒトの遺伝子の両方のN末端スプライスバリアントが、同定された(Kotera, J.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm.、1999、261、551〜557ページおよびFujishige, K.ら、Eur. J. Biochem.、1999、266、1118〜1127ページ)。種全体に高度の相同性がある。PDE10Aは、その他のPDEファミリーと比較して、哺乳動物にユニークに局在している。PDE10のmRNAは、精巣および脳内で高発現される(Fujishige, K.ら、Eur J Biochem.、1999、266、1118〜1127ページ、Soderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci.、1999、96、7071〜7076ページおよびLoughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117ページ)。これらの研究は、脳内でのPDE10発現が、線条体(尾状核および被殻)、側座核ならびに嗅結節において最高であることを示す。近年、PDE10A mRNA(Seeger, T.F.ら、Abst. Soc. Neurosci.、2000、26、345.10)およびPDE10Aタンパク質(Menniti, F.S.ら、William Harvey Research Conference、「Phosphodiesterase in Health and Disease」、Porto, Portugal、2001年12月5〜7日)のげっ歯類の脳における発現パターンについての分析が行われた。
【0007】
PDE10Aは、尾状核、側座核の中型有棘ニューロン(MSN)および嗅結節の対応するニューロンによって高レベルで発現される。これらは、大脳基底核系の中心部を構成する。MSNは、収束性の皮質/視床の入力を統合し、この統合された情報を皮質に送り返す、皮質−大脳基底核−視床皮質ループにおける重要な役割を有する。MSNは、ニューロンの2種の機能クラスを発現する。Dドパミン受容体を発現するDクラスおよびDドパミン受容体を発現するDクラスである。Dクラスのニューロンは、「直接」線条体出力経路の一部であり、行動反応を促進するために広く機能する。Dクラスのニューロンは、「間接」線条体出力経路の一部であり、行動反応を抑制するために機能し、行動反応が「直接」経路によって促進されることと競合する。これらの競合する経路は、自動車のブレーキとアクセルのように作用する。最も単純な観点からすると、パーキンソン病において動きが悪くなることは、「間接」経路の過剰活動から引き起こされ、一方、ハンチントン病などの障害において動きが過剰になることは、直接経路の過剰活動を表す。これらのニューロンの樹状突起区画におけるcAMPおよび/またはcGMPのシグナル伝達のPDE10A制御は、MSN中への皮質/視床の入力を選別することに関与することがある。さらに、PDE10Aは、黒質および淡蒼球内のGABA放出の制御に関与することがある(Seeger, T.F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126ページ)。
【0008】
ドパミンD受容体アンタゴニズムは、統合失調症の治療において十分確立されている。1950年代以来、ドパミンD受容体アンタゴニズムは、精神障害治療の中心であり、全ての有効な抗精神病薬は、D受容体をアンタゴナイズする。Dの効果は、主に線条体、側座核および嗅結節におけるニューロンによって媒介される可能性があり、それは、これらの領域が、最も濃密なドパミン作動性投射を受け、D受容体の最強の発現を有するからである(Konradi, C.およびHeckers, S.、Society of Biological Psychiatry、2001、50、729〜742ページ)。ドパミンD受容体アゴニズムは、それがアデニル酸シクラーゼ阻害によって発現される細胞内のcAMPレベルの減少をもたらし、これは、Dシグナル伝達の構成要素である(Stoof, J. C.、Kebabian J. W.、Nature、1981、294、366〜368ページおよびNeve, K. A.ら、Journal of Receptors and Signal Transduction、2004、24、165〜205ページ)。反対に、D受容体アンタゴニズムは、cAMPレベルを有効に上昇させ、この効果は、cAMP分解ホスホジエストラーゼの阻害によって模倣され得る。
【0009】
21種のホスホジエステラーゼ遺伝子のほとんどは、広く発現される。したがって、阻害は、副作用を有する可能性がある。この状況において、PDE10Aは、線条体、側座核および嗅結節におけるニューロン内で、高度で、比較的特異的な発現を有する所望の発現プロファイルを有するので、PDE10A阻害は、D受容体アンタゴニズムと同様の効果を有し、したがって抗精神病効果を有する可能性がある。
【0010】
PDE10A阻害は、部分的に、D受容体アンタゴニズムを模倣することが予想されるが、異なるプロファイルを有することも予想され得る。D受容体は、cAMPの他にも、シグナル伝達構成要素を有し(Neve, K. A.ら、Journal of Receptors and Signal Transduction 2004、24、165〜205ページ)、そのため、PDE10A阻害によるcAMPに対する妨害は、D受容体によってドパミンシグナル伝達を直接アンタゴナイズするよりむしろネガティブに調節し得る。これは、強いDアンタゴニズムについて見られる錐体外路の副作用のリスクを軽減し得る。反対に、PDE10A阻害は、D受容体アンタゴニズムについて見られないいくつかの効果を有し得る。PDE10Aはまた、D受容体を発現する線条体のニューロンにおいても発現される(Seeger, T. F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126ページ)。D受容体アゴニズムは、アデニル酸シクラーゼの刺激およびcAMPレベルの結果として生じる上昇をもたらすから、PDE10A阻害は、D受容体アゴニズムを模倣する効果もまた有する可能性がある。最後に、PDE10A阻害は、二重特異性ホスホジエステラーゼであるから、PDE10A阻害は、細胞内のcAMPを増加させるばかりでなく、cGMPレベルを上昇させることが予想され得る。cGMPは、cAMPのような細胞内のいくつかの標的タンパク質を活性化させ、またcAMPのシグナル伝達経路と相互に作用しあう。結論として、PDE10A阻害は、部分的に、D受容体アンタゴニズムを模倣し、したがって抗精神病効果を有する可能性があるが、そのプロファイルは、古典的なD受容体アンタゴニストによって観察されるプロファイルと異なり得る。
【0011】
PDE10A阻害剤パパベリンは、いくつかの精神病治療モデルにおいて有効であることが示されている。パパベリンは、ラットにおいてD受容体アンタゴニストハロペリドールのカタレプシー効果を増強したが、パパベリン単独ではカタレプシーを引き起こさなかった(WO03/093499)。パパベリンは、PCPによって誘発される多動を軽減させたが、アンフェタミン誘発の多動の軽減は、わずかであった(WO03/093499)。これらのモデルは、PDE10A阻害が、理論的な考察から予想され得る、伝統的な精神病治療の可能性を有することを示唆する。WO03/093499はさらに、関連する神経および精神障害の治療のための選択的PDE10阻害剤の使用を開示している。さらに、PDE10A阻害は、ラットにおいて、注意セットシフティングにおける亜慢性のPCP誘発の障害を逆転させる(Rodeferら、Eur. J. Neurosci.、2005、4、1070〜1076ページ)。このモデルは、PDE10A阻害が、統合失調症に関連する認知障害を緩和し得ることを示唆する。
【0012】
PDE10Aの組織分布は、PDE10A阻害剤が、酵素PDE10を発現する細胞、特に大脳基底核を含むニューロン内のcAMPおよび/またはcGMPのレベルを上げるために使用できることを示し、したがって本発明のPDE10A阻害剤が、神経および精神障害、統合失調症、双極性障害、強迫性障害等などの大脳基底核に関わる多様な関連する精神神経系状態の治療に有用であり得、市場の現在の治療法に付随する、望まれない副作用を所有しないという利点を有し得る。
【0013】
さらに、最近の刊行物(WO2005/120514、WO2005012485、Cantinら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17 (2007)、2869〜2873ページ)は、PDE10A阻害剤が、肥満およびインスリン非依存性糖尿病の治療にとって有用であり得ることを示唆している。
【0014】
PDE10Aの阻害剤に関して、EP1250923は、特定の神経および精神障害の治療のために、一般的には選択的PDE10阻害剤、具体的にはパパベリンの使用を開示している。
【0015】
WO05/113517は、ホスホジエステラーゼ、特に2および4型の阻害剤として、ベンゾジアゼピン立体特異的化合物ならびに中枢のおよび/または抹消の障害に関わる病状の予防および治療を開示している。WO02/88096は、ベンゾジアゼピン誘導体および治療分野におけるホスホジエステラーゼ、特に4型の阻害剤としてのそれらの使用を開示している。WO04/41258は、ベンゾジアゼピノン誘導体および治療分野におけるホスホジエステラーゼ、特に2型の阻害剤としてのそれらの使用を開示している。
【0016】
ピロロジヒドロイソキノリンおよびその変異型は、WO05/03129およびWO05/02579において、PDE10の阻害剤として開示されている。PDE10阻害剤として働く、ピペリジニル置換されているキナゾリンおよびイソキノリンは、WO05/82883において開示されている。WO06/11040は、PDE10の阻害剤として働く、置換されているキナゾリンおよびイソキノリン化合物を開示している。US20050182079は、有効なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として働く、キナゾリンおよびイソキノリンの置換されているテトラヒドロイソキノリニル誘導体を開示している。特に、US20050182079は、PDE10の選択的阻害剤である前記化合物に関する。同様に、US20060019975は、有効なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として働く、キナゾリンおよびイソキノリンのピペリジン誘導体を開示している。US20060019975はまた、PDE10の選択的阻害剤である化合物にも関する。WO06/028957は、精神医学的および神経学的症候群の治療のためのホスホジエステラーゼ10型の阻害剤として、シンノリン誘導体を開示している。
【0017】
しかし、これらの開示は、既知のPDE10阻害剤のいずれにも構造上無関係であり(Kehler, J.ら、Expert Opin. Ther. Patents 2007、17、147〜158ページおよびKehler, J.ら、Expert Opin. Ther. Patents 2009、19、1715〜1725ページ)、高度に活性がある、選択的酵素PDE10A阻害剤であることが本発明者らによってここに見出された、本発明の化合物に属さない。
【0018】
−CH−S−リンカーを含み、さらなるHET−1がイミダゾ[1,2−a]ピリジンまたはイミダゾ[1,2−a]ピリミジンのいずれかである化合物は、公表されている化合物ライブラリーにおいて開示されている。したがって、これらの化合物は、請求権を放棄する。
【0019】
本発明の化合物は、全ての患者において必ずしも効果的であるわけではない、神経変性障害および/または精神障害に対する現在の市場にある治療に、代替物を提供し得る。故に、治療の代替的方法の必要性がまだ残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、選択的酵素PDE10A阻害剤である化合物を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、かかる活性を有し、先行技術の化合物と比較して改良された溶解性、代謝的安定性および/または生物学的利用能を有する化合物を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、神経および精神障害に対する現在の治療法に典型的に付随する副作用を引き起こすことなく、特に長期的な治療において、ヒトの患者の有効な治療を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、本明細書を読むことで明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
したがって、一態様において、本発明は、式I
【0025】
【化1】

の化合物
[式中、HET−1は、2〜4個の窒素原子を含む式II
【0026】
【化2】

のヘテロ芳香族基であり、
式中、Yは、NまたはCHであることができ、Zは、NまたはCであることができ、式中、HET−1は、H;MeなどのC〜Cアルキル;塩素および臭素などのハロゲン;シアノ;トリフルオロメチルなどのハロ(C〜C)アルキル;フェニルなどのアリール;メトキシ、ジメトキシ、エトキシ、メトキシ−エトキシおよびエトキシ−メトキシなどのアルコキシ、ならびにCHCHOHなどのC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される、3個までの置換基R7、R8およびR9で、場合によって置換されていてもよく、式中は、結合点を表し、
−L−は、−S−CH−、−CH−S−、−CH−CH−、−CH=CH−、および−C≡C−から選択されるリンカーであり、
R1は、H;メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、イソブチルなどのC〜Cアルキル;シクロプロピルメチルなどのC〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル;ヒドロキシエチルなどのC〜Cヒドロキシアルキル;CHCN;CHC(O)NH;ベンジルおよび4−クロロベンジルなどのC〜Cアリールアルキル;ならびにテトラヒドロピラン−4−イル−メチルおよび2−モルホリン−4−イル−エチルなどのC〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキルから選択され、
式中、Qは、1、2または3個の置換基で場合によって置換されているフェニルであり、Qは、1または2個のヘテロ原子を含む単環式の五員または六員のヘテロ芳香族基であり、好ましいQは、式
【0027】
【化3】

の構造の中から選択され、式中「」は結合点を表し、
式中、R2〜R6は、H;メトキシなどのC〜Cアルコキシ;および塩素またはフッ素などのハロゲンからそれぞれ独立して選択され、
ただし、化合物は、1H−ベンゾイミダゾール、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−ピラジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]チオ]−;1H−ベンゾイミダゾール、1−エチル−5−(1−ピペリジニルスルホニル)−2−[[[3−(2−チエニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、6−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(3−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、8−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−クロロ−2−[[[3−(2−チエニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(4−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−クロロ−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;および1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−フラニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−ではないことを条件とする]、
ならびにその互変異性体および薬学的に許容される塩、ならびにその多形体に関する。
【0028】
本発明の別々の実施形態において、式Iの化合物は、本明細書中の実験の項において開示されている特定の化合物の中から選択される。
【0029】
本発明はさらに、医薬品としての使用のための式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0030】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物の治療上有効な量および薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤を含む医薬組成物を提供する。
【0031】
本発明はさらに、神経変性障害または精神障害の治療用の医薬品の調製のための式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0032】
さらに、また別の態様において、本発明は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む、神経変性障害に罹患している対象を治療する方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む、精神障害に罹患している対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症などの薬物依存症に罹患している対象を治療する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
置換基の定義
本発明の文脈において使用されている通り、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、互換的に使用され、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のことである。
【0034】
用語「C〜Cアルキル」は、包括的な、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状飽和炭化水素のことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、およびn−ヘキシルが挙げられる。表現「C〜Cヒドロキシアルキル」は、1個のヒドロキシ基で置換されている、上に定義された通りのC〜Cアルキル基のことである。用語「ハロ(C〜C)アルキル」は、トリフルオロメチルなどの、3個までのハロゲン原子で置換されている、上に定義された通りのC〜Cアルキル基のことである。
【0035】
表現「C〜Cアルコキシ」は、酸素上に空原子価を有する、包括的な、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状飽和アルコキシ基のことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、2−メチル−ペントキシおよびn−ヘキシルオキシが挙げられる。
【0036】
用語「C〜Cシクロアルキル」は、典型的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルのことである。表現「C〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル」は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキルで置換されている、上に定義されている通りのC〜Cシクロアルキルのことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピルメチルが挙げられる。
【0037】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子および3個までのN、OまたはS原子を含む4〜8員環のことであり、ただし、4〜8員環は、隣接するOまたは隣接するS原子を含まない。空原子価は、ヘテロ原子または炭素原子のいずれかの上にある。かかる基の例としては、限定されるものではないが、アゼチジニル、オキセタニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよび[1,4]ジアゼパニルが挙げられる。用語「ヒドロキシヘテロシクロアルキル」は、1個のヒドロキシ基で置換されている、上に定義されている通りのヘテロシクロアルキルのことである。用語「C〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキル」は、C〜Cアルキル基で置換されている、上に定義されている通りのヘテロシクロアルキルのことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、テトラヒドロピラン−4−イル−メチルおよび2−モルホリン−4−イル−エチルが挙げられる。
【0038】
用語「アリール」は、上に定義されている通りのハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロ(C〜C)アルキルで場合によって置換されているフェニル環のことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、フェニルおよび4−クロロフェニルが挙げられる。
【0039】
用語「C〜Cアリールアルキル」は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキルで置換されている、上に定義されている通りのアリールのことである。かかる基の例としては、限定されるものではないが、ベンジルおよび4−クロロベンジルが挙げられる。
【0040】
加えて、本発明はさらに、以下に記載されている本発明の特定の実施形態を提供する。
【0041】
本発明の一実施形態において、HET−1は、2個の窒素原子を含む式IIのヘテロ芳香族基である。本発明の別の実施形態において、HET−1は、3個の窒素原子を含む式IIのヘテロ芳香族基である。本発明のまた別の実施形態において、HET−1は、4個の窒素原子を含む式IIのヘテロ芳香族基である。
【0042】
HET−1は、好ましくは、以下のヘテロ芳香族基
【0043】
【化4】

の中から選択され、式中、「」は、結合点を表す。
【0044】
さらなる実施形態において、式Iの化合物の水素原子の1個または複数は、重水素で置換された。特に、R〜Rがメチルまたはメトキシである場合、水素は、重水素によって置き換えられた。
【0045】
発明の別々の実施形態において、式Iの化合物は、遊離塩基、その1個もしくは複数の互変異性体またはその薬学的に許容される塩の形態の以下の特定の化合物の中から選択される。表1は、本発明の化合物および「PDE10A阻害アッセイ」の項において記載されている通りに決定された、対応するIC50値を収載している。化合物のそれぞれは、本発明の個々の実施形態を構成する。
【0046】
本明細書中に言及されている本発明の多様な態様、実施形態、実施および特徴は、以下の非限定的な例によって例証されている通り、別々に、またはいずれかの組合せで請求されてもよいことが理解されるべきである。
【0047】
【表1】

【表2】

【表3】

【0048】
本発明の特定の実施形態において、本発明の化合物は、50nM未満のIC50値、0.2〜20nMの範囲など、特に0.2〜10nMの範囲、0.2〜5nMの範囲または0.2〜1nMの範囲などを有する。
【0049】
薬学的に許容される塩
本発明はまた、化合物の塩、典型的には、薬学的に許容される塩も含む。かかる塩は、薬学的に許容される酸付加塩を含む。酸付加塩は、無機酸の塩も有機酸の塩も含む。
【0050】
適切な無機酸の代表的な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸等が挙げられる。適切な有機酸の代表的な例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸、および8−ハロテオフィリン、例えば8−ブロモテオフィリン等が挙げられる。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例は、Berge, S.M.ら、J. Pharm. Sci.、1977、66、2ページに収載されている薬学的に許容される塩を含み、この文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
さらに、本発明の化合物は、非溶媒和の形態でも、水、エタノール等などの薬学的に許容される溶媒による溶媒和の形態でも存在してよい。一般的に、溶媒和の形態は、本発明の目的にとって、非溶媒和の形態と同等であると考えられる。
【0052】
治療上有効な量
本文脈において、用語、化合物の「治療上有効な量」は、前記化合物の投与を含む治療介入において、所与の疾患およびその合併症の臨床状態を治癒する、緩和するまたは部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに適正な量は、「治療上有効な量」と定義される。それぞれの目的のための有効量は、疾患または傷害の重症度にも対象の体重および全身状態にも依る。値のマトリックスを作成し、マトリックス内の様々な点を試験することにより、通例の実験法を使用して、適切な投薬量の決定が成されてもよく、それは全て、熟練した医師の通常の技量の範囲内であることが理解される。
【0053】
本文脈において、用語「治療」および「治療する」は、疾患または障害などの状態と闘うための患者の管理およびケアを意味する。前記用語は、症状もしくは合併症を緩和するため、疾患、障害もしくは状態の進行を遅らせるため、症状および合併症を緩和もしくは軽減するため、ならびに/または疾患、障害もしくは状態を治癒もしくは除去するためや状態を予防するための、活性化合物の投与など、患者が罹患している所与の状態に対する治療の全領域を含むことが意図され、予防は、疾患、状態、または障害と闘うための患者の管理およびケアとして理解でき、症状または合併症の発症を予防する活性化合物の投与を含む。にもかかわらず、予防的な(Prophylactic、preventive)および治療的な(therapeutic、curative)治療は、本発明の2つの別々の態様である。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
【0054】
医薬組成物
本発明はさらに、式Iの化合物の治療上有効な量および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、本明細書中の実験の項に開示されている特定の化合物の1つの治療上有効な量および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0055】
本発明の化合物は、単回または複数回のいずれかの投与において、単独でまたは薬学的に許容される担体、賦形剤もしくは添加剤と組み合わせて投与されてもよい。本発明による医薬組成物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19編、Gennaro編、Mack Publishing Co.、Easton, PA、1995において開示されている技術などの従来の技術に従って、薬学的に許容される担体または賦形剤、ならびにいずれかのその他の既知のアジュバントおよび添加剤と一緒に調剤されてもよい。
【0056】
医薬組成物は、経口、直腸内、経鼻、肺内、局所的(口腔内頬側および舌下を含む)、経皮、大槽内、腹腔内、膣内および非経口(皮下、筋肉内、くも膜下腔内、静脈内および皮内を含む)経路などの任意の適切な経路による投与のために、特に調剤されてもよい。経路が、治療される対象の全身状態および年齢、治療される状態の性質ならびに有効成分に依ることが理解される。
【0057】
経口投与のための医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ剤、散剤および顆粒剤などの固体の剤形を含む。適切である場合、組成物は、腸溶コーティング剤などのコーティング剤と一緒に調製されてもよいし、または組成物は、当技術分野においてよく知られている方法による持続放出または長期放出などの有効成分の放出制御を提供するように調剤されてもよい。経口投与のための液体剤形は、溶液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。非経口投与のための医薬組成物は、滅菌水性および非水性注射用溶液剤、分散剤、懸濁剤または乳剤、ならびに使用前に滅菌注射用溶液剤または分散剤の中に戻す滅菌粉末剤も含む。その他の適切な投与形態としては、限定されるものではないが、坐剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、吸入剤、皮膚貼付剤および埋め込み剤が挙げられる。
【0058】
典型的な経口投薬量は、一日当たり約0.001〜約100mg/kg体重の範囲である。典型的な経口投薬量はまた、一日当たり約0.01〜約50mg/kg体重の範囲である。典型的な経口投薬量はさらに、一日当たり約0.05〜約10mg/kg体重の範囲である。経口投薬量は、1日当たり1回または複数回の投薬、典型的には1〜3回の投薬で、通常投与される。的確な投薬量は、投与の頻度および様式、治療される対象の性別、年齢、体重、全身状態、治療される状態の性質および重症度ならびに治療される任意の随伴性の疾患ならびに当業者にとって明らかなその他の要因に依る。
【0059】
製剤はまた、当業者にとって既知の方法による単位剤形で提示されてもよい。例証として、経口投与のための典型的な単位剤形は、約0.01〜約1000mg、約0.05〜約500mg、または約0.5mg〜約200mgを含んでもよい。
【0060】
静脈内、くも膜下腔内、筋肉内および同様の投与などの非経口経路について、典型的な投与量は、経口投与のために使用される投与量のほぼ半分程度である。
【0061】
本発明はまた、式Iの化合物の治療上有効な量と少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するステップを含む、医薬組成物を調製するための方法も提供する。本発明の一実施形態において、前述の方法において使用される化合物は、本明細書中の実験の項において開示されている特定の化合物の1つである。
【0062】
本発明の化合物は、遊離物質としてまたはその薬学的に許容される塩として、一般的に使用される。1つの例は、遊離塩基の有用性を有する化合物の酸付加塩である。式Iの化合物が遊離塩基を含む場合、かかる塩は、薬学的に許容される酸のモル当量で式Iの遊離塩基の溶液または懸濁液を処理することによって、従来の方法で調製される。適切な有機および無機酸の代表的な例は、上に記載されている。
【0063】
非経口投与について、滅菌水溶液、水性プロピレングリコール、水性ビタミンEまたはゴマもしくはピーナッツ油中の式Iの化合物の溶液を使用してもよい。かかる水溶液は、必要であれば、適切に緩衝されるべきであり、液体の賦形剤は、最初に、十分な生理食塩水またはグルコースによって等張にされるべきである。水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適切である。式Iの化合物は、当業者にとって既知の標準的な技術を使用して、既知の滅菌水性媒体中に容易に組み込み得る。
【0064】
適切な医薬担体は、不活性な固体の賦形剤または充填剤、滅菌水溶液および多様な有機溶媒を含む。固体の担体の例としては、乳糖、白土、ショ糖、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルが挙げられる。液体の担体の例としては、限定されるものではないが、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水が挙げられる。同様に、担体または賦形剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの当技術分野における既知の任意の持続放出材料を、単独でまたは蝋と混合して含んでもよい。次に、式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを組み合わせることによって形成される医薬組成物は、投与の開示されている経路に適切な、多様な剤形で容易に投与される。製剤は、好都合なことに、薬学の技術分野における既知の方法によって単位剤形で提示されてもよい。
【0065】
経口投与に適切な本発明の製剤は、それぞれが有効成分の所定量および場合によって適切な添加剤を含むカプセル剤、錠剤などの個別の単位として提示されてもよい。さらに、経口的に利用可能な製剤は、散剤もしくは顆粒剤、水性もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁剤、または油中水型もしくは水中油型の液体乳剤の形態であってもよい。
【0066】
固体の担体が経口投与のために使用される場合、調製物は、錠剤化されても、粉末もしくはペレット形態で硬ゼラチンカプセルに入れられてもよく、または調製物は、トローチ剤もしくはロゼンジ剤の形態であってもよい。固体の担体の量は非常に多様であるが、投薬単位当たり約25mg〜約1gの範囲である。液体の担体が使用される場合、調製物は、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤または水性もしくは非水性液体懸濁剤もしくは溶液剤などの滅菌注射液剤の形態であってもよい。
【0067】
本発明の医薬組成物は、当技術分野の従来の方法によって調製されてもよい。例えば、錠剤は、有効成分を通常のアジュバントおよび/または賦形剤と混合し、その後、従来の打錠機において混合物を圧縮することによって調製されてもよい、錠剤を調製する。アジュバントまたは賦形剤の例としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、タルカム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、乳糖、ゴム等が挙げられる。着色剤、香味剤、保存剤等などのかかる目的のために通常使用されるいずれかのその他のアジュバントまたは添加物は、有効成分と相溶性があるという条件で使用されてもよい。
【0068】
障害の治療
上述の通り、式Iの化合物は、酵素PDE10A阻害剤であり、したがって、関連する神経および精神障害を治療するのに有用である。
【0069】
したがって、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害、精神障害または薬物依存症の治療における使用のために、式Iの化合物またはその薬学的に許容される酸付加塩、ならびにかかる化合物を含む医薬組成物を提供し、神経変性障害は、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症またはその他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認知症;せん妄;健忘障害;心的外傷後ストレス障害;精神発達遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害または書字表出障害;注意欠陥/多動障害;および加齢関連性認知機能低下からなる群から選択され、精神障害は、例えば妄想型、解体型、緊張型、未分化型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型またはうつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;および統合失調型の人格障害からなる群から選択され、薬物依存症は、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症である。
【0070】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、本発明の化合物が有用性を有する疾患または状態の治療において、1種または複数のその他の薬物との組合せで使用されてもよく、一緒に薬物を組み合わせることは、いずれかの薬物単独より安全またはより有効である。加えて、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療する、予防する、管理する、寛解させる、またはそのリスクを軽減する、1種または複数のその他の薬物との組合せで使用されてもよい。かかるその他の薬物は、本発明の化合物と同時にまたは連続して、一般的にそのために使用される経路および量によって、投与されてもよい。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種または複数のその他の有効成分を含む医薬組成物を含む。組合せは、単位剤形を組み合わせた製品の一部として、または1種もしくは複数の追加の薬物が治療計画の一部として別々の剤形において投与される、キットもしくは治療プロトコルとして投与されてもよい。
【0071】
本発明は、認知障害または運動障害から選択される神経変性障害に罹患している、ヒトを含む哺乳動物を治療する方法を提供し、その方法は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。
【0072】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物の神経変性障害または状態を治療する方法を提供し、その方法は、PDE10を阻害するのに有効な式Iの化合物の量を、前記哺乳動物に投与するステップを含む。
【0073】
本発明はまた、精神障害に罹患している対象を治療する方法も提供し、その方法は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。本発明に従って治療することができる精神障害の例としては、限定されるものではないが、例えば妄想型、解体型、緊張型、未分化型、または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型またはうつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;および統合失調型の人格障害が挙げられ、不安障害は、パニック障害;広場恐怖症;特定の恐怖症;社会恐怖症;強迫性障害;心的外傷後ストレス障害;急性ストレス障害;および全般性不安障害から選択される。
【0074】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、有利なことに、統合失調症などの精神障害の改良された治療を提供するために、少なくとも1種の神経遮断剤(定型または非定型の抗精神病剤であってもよい)と組み合わせて投与されてもよいことがわかった。本発明の組合せ、使用および治療の方法はまた、その他の既知の治療に対して、十分に応答できないまたは抵抗性がある患者の治療において、利点を有し得る。
【0075】
したがって、本発明は、統合失調症などの精神障害に罹患している哺乳動物を治療する方法を提供し、その方法は、単独でまたは少なくとも1種の神経遮断剤と一緒の併用治療としてのいずれかで、式Iの化合物の治療上有効な量を、哺乳動物に投与するステップを含む。
【0076】
本明細書中に使用されている用語「神経遮断剤」は、精神病の患者において錯乱、妄想、幻覚および精神運動性激越を軽減する抗精神病剤薬の、認知および行動に対する効果を有する薬物のことである。また、主要な精神安定剤および抗精神病薬として知られている神経遮断剤としては、限定されるものではないが、脂肪族系、ピペリジン系、およびピペラジン系に細分されるフェノチアジン、チオキサンテン(例えば、シソルジノール(cisordinol))、ブチロフェノン(例えば、ハロペリドール)、ジベンゾキサゼピン(例えば、ロキサピン)、ジヒドロインドロン(例えば、モリンドン)、ジフェニルブチルピペリジン(例えば、ピモジド)を含む定型の抗精神病薬、ならびにベンゾイソオキサゾール(例えば、リスペリドン)、セルチンドール、オランザピン、クエチアピン、オサネタントおよびジプラシドンを含む非定型の抗精神病薬を含む。
【0077】
本発明における使用のために特に好ましい神経遮断剤は、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントである。
【0078】
本発明はさらに、認知障害に罹患している対象を治療する方法を提供し、その方法は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。本発明に従って治療することができる認知障害の例としては、限定されるものではないが、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症またはその他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認知症;せん妄;健忘障害;心的外傷後ストレス障害;精神発達遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害または書字表出障害;注意欠陥/多動障害;および加齢関連性認知機能低下が挙げられる。
【0079】
本発明はまた、運動障害を治療する方法も提供し、その方法は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。本発明に従って治療することができる運動障害の例としては、限定されるものではないが、ドパミンアゴニスト療法に関連するハンチントン病およびジスキネジアが挙げられる。本発明はさらに、パーキンソン病および下肢静止不能症候群から選択される運動障害を治療する方法を提供し、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。
【0080】
本発明はまた、気分障害を治療する方法も提供し、その方法は、式Iの化合物の治療上有効な量を対象に投与するステップを含む。本発明に従って治療することができる気分障害および気分エピソードの例としては、限定されるものではないが、軽度、中程度または重度型の大うつ病エピソード、躁病または混合性気分エピソード(manic or mixed mood episode)、軽躁気分エピソード(hypomanic mood episode);典型的な特徴を有するうつ病エピソード;憂うつな特徴を有するうつ病エピソード;緊張性の特徴を有するうつ病エピソード;分娩後発症の気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調性障害;小うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症などの精神病性障害が重なった大うつ病性障害;双極性障害、例えば双極性I型障害、双極性II型障害、および気分循環性障害が挙げられる。気分障害は、精神障害であることが理解される。
【0081】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物において、薬物依存症、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症を治療する方法を提供し、その方法は、薬物依存症を治療するのに有効な式Iの化合物の量を、前記哺乳動物に投与するステップを含む。
【0082】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において、薬物依存症、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症を治療する方法も提供し、その方法は、PDE10を阻害するのに有効な式Iの化合物の量を、前記哺乳動物に投与するステップを含む。
【0083】
用語「薬物依存症」は、本明細書中に使用されている通り、薬物に対する異常な欲求を意味し、欲求する薬物を摂取するための強迫衝動および激烈な薬物渇望のエピソードのような動機付け障害(motivational disturbance)を、一般的に特徴とする。
【0084】
薬物依存症は、病理的状態と広く考えられる。依存症の障害は、薬物探索行動の発生にいたる急性薬物使用の進行、再発しやすさ、および自然報酬刺激に応答する能力の低下、鈍化を含む。例えば、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4編(DSM-IV)は、依存症を、没頭/期待、乱用/中毒、および離脱/否定的感情の三段階に分類した。これらの段階は、それぞれ、あらゆる場合において、絶えず続く渇望および物質を得ることへの没頭;必要以上の物質を使用して、中毒作用を経験すること;ならびに耐性、離脱症状および普通の生活行動に対する動機付けの低下を経験することを特徴とする。
【0085】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物において、注意および/または認知の欠損を症状として含む障害を治療する方法を提供し、その方法は、前記障害を治療するのに有効な式Iの化合物の量を、前記哺乳動物に投与するステップを含む。
【0086】
本発明に従って治療することができるその他の障害は、強迫性障害、トゥレット症候群およびその他のチック障害である。
【0087】
本明細書中に使用されている通り、および別途指示されない限り、「神経変性障害または状態」は、中枢神経系におけるニューロンの機能不全および/または死によって引き起こされる障害または状態のことである。これらの障害および状態の治療は、これらの障害もしくは状態において危険にさらされているニューロンの機能不全または死を予防する、および/または危険にさらされているニューロンの機能不全もしくは死によって引き起こされる機能の欠失を代償するような方法で、損傷したもしくは健康なニューロンの機能を強化する薬剤の投与によって促進することができる。本明細書中で使用されている用語「神経栄養剤」は、これらの特性のいくつかまたは全てを有する物質または薬剤のことである。
【0088】
本発明に従って治療することができる神経変性障害および状態の例としては、限定されるものではないが、パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、例えばアルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、AIDS関連認知症、および前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性;低血糖に誘発される神経変性;てんかん発作に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;ならびに多系統萎縮症が挙げられる。
【0089】
本発明の一実施形態において、神経変性障害または状態は、ヒトを含む哺乳動物における線条体の中型有棘ニューロンの神経変性を含む。
【0090】
本発明のさらなる実施形態において、神経変性障害または状態は、ハンチントン病である。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物の治療上有効な量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、体脂肪もしくは体重を減少させるためのまたはインスリン非要求性糖尿病(non-insuline demanding diabetes mellitus)(NIDDM)、代謝症候群、もしくは耐糖能障害を治療するための、対象を治療する方法を提供する。好ましい実施形態において、対象はヒトであり、対象は体重過多または肥満であり、アンタゴニストは経口で投与される。別の好ましい実施形態において、第二の治療剤、好ましくは抗肥満剤、例えばリモナバント、オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、プソイドエフェドリン、もしくはペプチドYY3−36、またはそれらの類似体を対象に投与するステップをさらに含む方法。
【0092】
本明細書中に使用されている用語「代謝症候群」は、人々の冠動脈疾患の危険性を高める様々な状態のことである。これらの状態は、2型糖尿病、肥満、高血圧、ならびに高いLDL(「悪玉」)コレステロール、低いHDL(「善玉」)コレステロール、および高いトリグリセリドを有する貧弱な脂質プロファイルを含む。これらの状態の全ては、高血中インスリンレベルに関連する。代謝症候群における根本的な異常は、脂肪組織と筋肉との両方におけるインスリン抵抗性である。
【0093】
本明細書中に引用されている刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれ、あたかも、それぞれの参考文献が、参照により組み込まれるように個別におよび特別に指示され、その全体が明記されているかの如く(法によって認められている最高程度まで)、本明細書中に組み込まれる。
【0094】
見出しおよび小見出しは、便宜上のみから本明細書中に使用されていて、決して本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【0095】
本明細書における、任意のおよび全ての例の使用、または例を引用する言葉(「例えば(for instance)」、「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、および「など(as such)」を含む)は、発明をより明らかにすることのみが意図され、別途指示がない限り、発明の範囲を限定しない。
【0096】
本明細書中の特許文献の引用および組み込みは、便宜上のみから行われ、かかる特許文献の有効性、特許性および/または法的強制力についてのいずれの見解も反映しない。
【0097】
本発明は、適用される法に認められている通り、本明細書に添付されている請求の範囲に述べられている主題の全ての改変物および同等物を含む。
【0098】
実験の項
本発明の化合物の調製
【0099】
【化5】

本発明の一般式Iの化合物は、以下の反応スキームにおいて記載されている通りに調製されてもよい。別途指示のない限り、以下の反応スキームおよびそれに続く考察において、HET−1、R〜R、−L−、ZおよびYは、上に定義されている通りである。
【0100】
−L−が−S−CH−である式Iの化合物は、Xが、スキーム1において示されている通り、脱離基、例えばCl、Br、I、メタンスルホニル、4−トルエンスルホニルである式VIの求電子剤との式VまたはVaの求核剤の共役によって、調製することができる。VaとVIの間の反応において、VIによるVaの硫黄原子のアルキル化および融合された二環式トリアゾール環を形成するための閉環の両方とも、ワンポット法で同一の反応条件下で起こる。
【0101】
【化6】

【0102】
この反応は、典型的には、1−プロパノール、トルエン、DMF、またはアセトニトリルなどの溶媒中で、場合によって炭酸カリウムなどの炭酸塩塩基またはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの第三級アミン塩基の存在下で、約0℃から約200℃までの範囲の温度で、場合によって密閉容器中で加圧下において実行される。その他の適切な溶媒としては、ベンゼン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、2−プロパノールおよびキシレンが挙げられる。代替方法として、トルエン/2−プロパノールなどの溶媒混合物を使用することができる。
【0103】
式Vの化合物は、市販されているか、または文献において記載されている通り調製することができるかのいずれかであり、例えば、Brownら、Aust. J. Chem.、1978、31、397〜404ページ、Yutilovら、Khim. Geter. Soedin.、1988、799〜804ページ、Wildeら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、1995、5、167〜172ページ、Kidwaiら、J. Korean Chem. Soc.、2005、49、288〜291ページを参照のこと。式Vaの化合物は、WO96/01826において記載されている通り、クロロホルムなどの適切な溶媒中で、室温または+40℃などの適切な温度で、チオカルボニルジイミダゾールとの反応によって、対応する1,2−ジアミノピリジンから調製することができる。必須の1,2−ジアミノピリジンは、クロロホルムなどの適切な溶媒中で、0℃または室温などの適切な温度で、O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミンなどの適切なN−アミン化試薬との反応によって、対応する市販の2−アミノピリジンから容易に入手できる、WO96/01826を参照のこと。
【0104】
式VIの2−ハロメチル−4−(アリール)−1H−トリアゾールは、当業者にとってよく知られている方法を使用して、適切な試薬、例えば塩化チオニル、三塩化リン、または三臭化リンを使用し、場合によってジクロロメタンなどの適切な溶媒を使用し、対応する2−ヒドロキシメチル−4−(アリール)−1H−トリアゾールのハロゲン化によって調製することができる。必須の2−ヒドロキシメチル−4−(アリール)−1H−イミダゾールは、当技術分野における既知の方法によって調製することができる(例えば、Browne, E. J.、Australian Journal of Chemistry、1971、24(2)、393〜403ページ、Browne, E. J.、Nunn, E. E.、Polya, John B.、Journal of the Chemical Society [Section] C: Organic 1970、(11)、1515〜18ページ、Becker, Heinz G. O.、Goermar, G.、Timpe, Hans J.、Journal fur Praktische Chemie (Leipzig) 1970、312(4)、610〜21ページ、Behringer, Hans、Ramert, Reiner.、Justus Liebigs Annalen der Chemie 1975、(7-8)、1264〜71ページ、Moderhack, Dietrich,、Liebigs Annalen der Chemie 1984、(1)、48〜65ページを参照のこと)。
【0105】
−L−が−CH−S−である式Iの化合物は、スキーム2において示されている通り、式VIIIの求電子剤との式XIIの求核剤の共役によって調製することができる。
【0106】
【化7】

【0107】
この反応は、典型的には、1−プロパノール、トルエン、DMF、またはアセトニトリルなどの溶媒中で、場合によって炭酸カリウムなどの炭酸塩塩基またはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの第三級アミン塩基の存在下で、約0℃から約200℃までの範囲の温度で、場合によって密閉容器中で加圧下において実行される。その他の適切な溶媒としては、ベンゼン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、2−プロパノールおよびキシレンが挙げられる。代替方法として、トルエン/2−プロパノールなどの溶媒混合物を使用することができる。
【0108】
式VIIIのいくつかの求電子剤は、市販されていて、多くのその他の求電子剤は、当技術分野において既知であり、例えば、JP59176277を参照のこと。Xが脱離基、例えばCl、Br、I、メタンスルホニル、4−トルエンスルホニルである求電子剤VIIIはまた、当業者にとって既知の方法によって、前記脱離基への式VIIの化合物の第一級アルコールの変換によって調製することもできる。前記方法は、例えば、場合によってジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒の存在下で、場合によってトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、もしくはピリジンなどの塩基の存在下で、式VIIの化合物を、塩化チオニル、三塩化リン、三臭化リン、メタンスルホニルクロリド、4−トルエンスルホニルクロリドと反応させることから選択できる。代替方法としては、式VIIIの求電子剤は、1,2−ジメトキシエタンまたはエタノールなどの適切な溶媒中で、室温または還流などの適切な温度で、式XIの1,3−ジハロアセトン、例えば1,3−ジクロロアセトンと、式IXの市販の芳香族アミンを反応させることによって調製することができる。式VIIのいくつかの求電子剤は、市販されていて、多くのその他の求電子剤は、当技術分野において既知であり、例えば、Tsuchiya, T.、Sashida, H.、J. Chem. Soc., Chem. Commun.、1980、1109〜1110ページ、Tsuchiya, T.、Sashida, H、Konoshita, A.、Chem. Pharm. Bull.、1983、31、4568〜4572ページを参照のこと。代替方法として、式VIIのアルコールは、クロロホルムなどの適切な溶媒中で、0℃または室温などの適切な温度で、O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミンなどの適切なN−アミン化試薬と、式IXの市販の芳香族アミンを反応させることによって調製することができ、WO96/01826を参照のこと、式Xの化合物を生成する。式Xの前記化合物は、グリコール酸メチルとの反応とそれに続く、当業者にとって既知の方法を使用して、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で、水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤を使用する、必須のアルコールへのメチルエステルの還元によって、式VIIの化合物へ変換することができる。
【0109】
式XIIの化合物は、市販であるか、または文献に記載されている通り調製することができるかのいずれかであり、例えば、Hoggarth, Eric.、Journal of the Chemical Society 1949、1160〜3ページ、Losse, Gunter、Hessler, Willi、Barth, Alfred、Chemische Berichte 1958、91、150〜7ページ、Potts, K. T.、Burton, H. R.、Roy, S. K.、Journal of Organic Chemistry 1966、31(1)、265〜73ページ、ale, Harry L.、Piala, Joseph J.、Journal of Medicinal Chemistry 1966、9(1)、42〜6ページ、Lalezari, I.、Sharghi, N.、Journal of Heterocyclic Chemistry 1966、3(3)、336〜7ページ、Durant, Graham J.、Journal of the Chemical Society [Section] C: Organic 1967、(1)、92〜4ページ、US−3962237、Barnikow, Guenter、Ebeling, Horst、Zeitschrift fur Chemie 1980、20(2)、55〜6ページ、WO−2009087218、US−2003162812、WO−2000012489、Baxter, Andrewら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2003、13(16)、2625〜2628ページ、Dhiman, A. M.、Wadodkar, K. N.、Patil, S. D.、Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry 2001、40B(7)、636〜639ページを参照のこと。
【0110】
R1が水素ではない式Iの化合物は、スキーム3において示されている通り、式XIIIのハロゲン化アルキルでの、R1が水素である式Iの化合物のアルキル化によって調製することができる。
【0111】
【化8】

【0112】
この反応は、典型的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはアセトニトリルなどの適切な溶媒中で、炭酸塩塩基、例えば炭酸カリウム、または第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの適切な塩基の存在下で、約0℃から約100℃までの範囲の温度で実行される。
【0113】
−L−が−CH=CH−または−CH−CH−である式Iの化合物は、スキーム4において示されている反応順序によて調製することができる。
【0114】
−L−が−C≡C−である化合物は、スキーム4において示されている反応順序によって調製することができる。
【0115】
【化9】

【0116】
特に、−L−が−CH−CH−である式Iの化合物は、水素ガス、炭酸水素アンモニウム、またはシクロヘキサジエンなどの水素供給源と一緒に、パラジウム金属などの遷移金属触媒を使用する水素付加による、−L−が−CH=CH−である式Iのアルケンの還元によって調製することができる。−L−が−CH=CH−である式Iの前記アルケンは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの適切な塩基の存在下、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で、式XIVのホスホニウム塩と式XVのアルデヒドの間のウィッティヒ反応によって調製することができる。式XIVのホスホニウム塩は、当業者にとって既知の方法によって、トリフェニルホスフィンとの式VIII(上記のスキーム2を参照のこと)の化合物の反応によって容易に入手できる。式XVのアルデヒドは、当業者にとって既知の方法による式VIIのアルコール(上記のスキーム2を参照のこと)の酸化によって、例えば、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中で、VIIのアルコールをデス−マーチンペルヨージナンなどの適切な酸化剤と反応させることによって容易に入手できる。
【0117】
Lが三重結合(エチニレン)である式Iの化合物は、スキーム5において示されている通り、式XVIIのトリアゾリルアルキンと式XVIのハロゲン化ヘテロアリールの間の共役反応によって、または式XVIIIのヘテロアリールアルキンと式XIXのハロゲン化トリアゾリル(triazolyl halide)の間の逆の共役によって調製することができる。
【0118】
【化10】

【0119】
この反応は、典型的には、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で実行され、適切な触媒、例えばホスフィンリガンドを有するヨウ化銅(I)、例えば1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン複合体およびトリエチルアミンのような有機塩基と一緒に、ハロゲン化ヘテロアリールをヘテロアリールアルキンと混合し、次に、反応物を、密閉バイアル中で、120℃で、15分間(マイクロ波)加熱することによって実施される。
【実施例】
【0120】
本明細書中に開示されている発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに例証される。
【0121】
一般的な方法
LC−MS分析データを、以下の方法の1つを使用して得た。
【0122】
方法A:
大気圧光イオン化および島津LC−8A/SLC−10A LCシステムを用いたPE Sciex API 150EX装置を使用した。カラム:粒子サイズ3.5μmのWaters Symmetry C18カラム4.6×30mm、カラム温度:60℃、溶媒系:A=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035)、方法:A:B=90:10〜0:100、2.4分間内および流速3.3mL/minによる直線勾配溶出。
【0123】
方法B:
大気圧光イオン化およびWaters UPLCシステムを用いたPE Sciex API 300装置を使用した。カラム:Acquity UPLC BEH C181.7μm、2.1×50mm(Waters)、カラム温度:60℃、溶媒系:A=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035)、方法:A:B=90:10〜0:100、1.0分間内および流速1.2mL/minによる直線勾配溶出。
【0124】
方法C:
大気圧光イオン化および島津LC−8A/SLC−10A LCシステムを用いたPE Sciex API 150EX装置を使用した。カラム:粒子サイズ3.5μmのWaters Symmetry C18カラム4.6×30mm、カラム温度:60℃、溶媒系:A=水/トリフルオロ酢酸(99.95:0.05)およびB=メタノール/トリフルオロ酢酸(99.965:0.035)、方法:A:B=83:17〜0:100、2.4分間内および流速3.0mL/minによる直線勾配溶出。
【0125】
分取的LC−MS精製を、大気圧化学イオン化を用いたPE Sciex API 150EX装置で実施した。カラム:粒子サイズ5μmのYMC ODS−A 50×20mm、方法:A:B=80:20〜0:100、7分間内および流速22.7mL/分による直線勾配溶出。画分捕集を、分流MS検出によって実施した。
【0126】
H NMRスペクトルを、Bruker Avance AV500装置の500.13MHzまたはBruker Avance DPX250装置の250.13MHzで記録した。TMSは、内部標準として使用した。化学シフト値は、ppmで表される。以下の略号は、NMRシグナルの多重度について使用される:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、qui=五重線、h=七重線、dd=ダブル二重線、dt=ダブル三重線、dq=ダブル四重線、tt=トリプル三重線、m=多重線、br s=幅の広い一重線およびbr=幅の広いシグナル。
【0127】
略号は、ACS Style Guideに従っている:「The ACS Styleguide − A manual for authors and editors」、Janet S. Dodd編、1997、ISBN: 0841234620。
【0128】
全般:p−トルエンスルホニルヒドラジド(98%)は、アボカド由来だった。
【0129】
中間体の調製
2−メチル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド
【0130】
【化11】

N−メチルヒドラジン(1.46mL、27.5mmol)を、室温において、Ar下で、無水エタノール(12mL)中に2−フェニル−オキサゾール−4−オン(4.03g、25.0mmol)(Yushiyukiら、Synthesis、2004、1359〜1363ページにおいて記載されている通り調製された)を撹拌した溶液に加えた。発熱反応。反応混合物を、室温において、1h撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗2−メチル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−メタノールの黄色/白色固体4.64gを生成した。
【0131】
デス−マーチンペルヨージナン(11.3g、26.7mmol)を、0℃、Ar下で、塩化メチレン(72mL)中に溶解された(2−メチル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−メタノール(4.60g、24.3mmol)に、一度で加えた。2h後、反応物を、DCE(100mL)によって希釈し、NaHCO3(100mL)で抽出した。水相を捨て、有機相をブラインで洗浄し、回転蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン中に20〜50%のEtOAc)によって精製した。収量:固体として標題化合物3.20g。H-NMR: (CDCl3) δ 10.08 (s, 1H), 8.13 (m, 2H), 7.50-7.42 (m, 3H), 4.26 (s, 3H).
【0132】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
エチル−ヒドラジンおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの2−エチル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド。H-NMR: (DMSO-d6) δ 10.01 (s, 1H), 8.07 (d, 2H), 7.50 (m, 3H), 4.59 (q, 2H), 1.42 (t, 3H).
プロピル−ヒドラジンおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの5−フェニル−2−プロピル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド。H-NMR: (CDCl3) δ 10.07 (s, 1H), 8.17 (d, 2H), 7.48 (m, 3H), 4.59 (m, 2H), 1.95 (m, 2H) 1.00 (t, 3H).
イソプロピル−ヒドラジンおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの2−イソプロピル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド。H-NMR: (DMSO-d6) δ 10.02 (s, 1H), 8.08 (d, 2H), 7.50 (m, 3H), 5.37 (m, 1H), 1.51 (d, 6H).
(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ヒドラジンおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの5−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド。H-NMR: (CDCl3) δ 10.07 (s, 1H), 8.18 (d, 2H), 7.50 (m, 3H), 5.28 (m, 2H).
3−ヒドラジノ−プロピオニトリルおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの3−(5−ホルミル−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−プロピオニトリル。H-NMR: (DMSO-d6) δ 10.03 (s, 1H), 8.08 (d, 2H), 7.52 (m, 3H), 4.86 (t, 2H), 3.20 (t, 2H).
ヒドラジノ−酢酸エチルエステルおよび2−フェニル−オキサゾール−4−オンからの(5−ホルミル−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル。H-NMR: (CDCl3) δ 10.05 (s, 1H), 8.15 (d, 2H), 7.50 (m, 3H), 5.38 (s, 2H), 4.28 (m, 2H), 1.32 (t, 3H).
【0133】
例2
2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルバルデヒド
【0134】
【化12】

2−ヒドロキシエチルヒドラジン(1.60g、21.0mmol)を、室温において、Ar下で、エタノール(9.6mL)中に2−フェニル−オキサゾール−4−オン(3.08g、19.1mmol)を撹拌した溶液に加えた。発熱反応。反応混合物を、室温において撹拌したON。溶媒を蒸発させた。収量:2−(5−ヒドロキシメチル−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノール4.24g。
【0135】
水素化ナトリウム(鉱物油中に60%)(水素化ナトリウム:鉱物油、60:40、1.36g)を、室温において、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中に2−(5−ヒドロキシメチル−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノール(2.92g、13.3mmol)を撹拌した溶液に、分けて加えた。反応物を、室温において、5分、Ar下で撹拌した。臭化ベンジル(1.35mL、11.3mmol)を加え、溶液を、室温において、Ar下で、1h撹拌した。反応混合物を、濃縮HCl(1ml)ならびに次にEtOAc(200ml)およびブライン(100ml)を加えることによってクエンチした。相を分離させ、有機相を回転蒸発させ、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン中に20〜50%のEtOAc)によって精製した。収量:油状物として、2−(5−ベンジルオキシメチル−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノール1.39g。
【0136】
水素化ナトリウム(鉱物油中に60%)(水素化ナトリウム:鉱物油、60:40、197.7mg)を、室温において、N,N−ジメチルホルムアミド(45mL)中に2−(5−ベンジルオキシメチル−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノール(1.39g、4.49mmol)を撹拌した溶液に、分けて加えた。反応物を、室温において、5分、Ar下で撹拌した。ヨウ化メチル(0.3077mL、4.942mmol)を加え、溶液を、室温において、Ar下で、1h撹拌した。さらなるNaH(200mg)およびMel(0.1ml)を加えた。この追加を、約1h後に繰り返した。
【0137】
EtOAc(100ml)およびブライン(100ml)を加え、相を分離させた。有機相を、さらなるブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中に20〜100%のEtOAc)によって精製した。収量:油状物として、5−ベンジルオキシメチル−1−(2−メトキシ−エチル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール1.23g。
【0138】
Pd/C(10%)(カーボンブラック:パラジウム、9:1、250mg)を、室温において、メタノール(72mL)およびTFA(2ml)中に5−ベンジルオキシメチル−1−(2−メトキシ−エチル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール(1.23g、3.80mmol)の溶液に加えた。反応物を、Parr shakerを使用して、3バールで水素添加したON。さらなる触媒(200mg)を加え、水素添加を、続けた(cont)ON。触媒を濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中に25〜100%のEtOAc)によって精製した。収量:油状物として、[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−メタノール0.84g。
【0139】
デス−マーチンペルヨージナン(1530mg、3.60mmol)を、室温において、Ar下で、塩化メチレン(36.0mL)中に溶解された[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−メタノール(840mg、3.6mmol)の撹拌された懸濁液に加えた。溶液を撹拌したON。いくつかの固体を、濾過し、捨てた。飽和NaHCO3(35ml)およびさらなるDCM(35ml)を、DCM溶液に加えた。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン中に50%のEtOAc)によって精製した。収量:油状物として、標題化合物0.76g。H-NMR: (CDCl3) δ 10.04 (s, 1H), 8.13 (m, 2H), 7.45 (m, 3H), 4.82 (t, 2H), 3.83 (t, 2H), 3.32 (s, 3H).
【0140】
その他の中間体の調製
2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【0141】
【化13】

CHClの400mL中に4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イルアミン(25g、200mmol)の溶液へ、0℃で、CHClの300mL中にヒドロキシルアミン−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホネート(105g、488mmol)の溶液を滴加し、混合物を、0℃で、1時間撹拌し、濾過した。捕集された固体を、CHCl(100mL)で洗浄して、1−アミノ−4,6−ジメチル−1H−ピリミジン−2−イリデン−アンモニウム2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホネート(40g、収率:62%)を得た。
【0142】
EtOHの500mL中に1−アミノ−4,6−ジメチル−1H−ピリミジン−2−イリデン−アンモニウム2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホネート(40g、0.1mol)とNaOH(10g、0.2mol)との混合物を、50〜60℃で、1時間撹拌した。クロロ酢酸メチルエステル(16.6g、0.15mol)を加えた後で、結果として生じた混合物を、還流で、4時間撹拌した。減圧下で濃縮した後で、残渣を、水(1000mL)によって希釈し、CHCl(300mL×3)で抽出した。組み合わされた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2/1)によって精製して、2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンの2gを、収率9%で得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.55 (s, 1H), 6.25 (s, 2H), 4.05 (s, 3H), 3.95 (s, 3H); LC-MS (MH+): m/z = 196.9, tR (min, 方法A) =0.52
【0143】
以下の中間体を類似の方法で調製した:
Henzeら、J. Org. Chem 1952、17、1320〜1327ページによって記載されている通り調製された6−クロロ−2,5−ジメチル−ピリミジン−4−イルアミンからの7−クロロ−2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン。収率3.2%、LC−MS:m/z=231.5(MH)、t=1.13min、方法C
2−アミノ−3,6−ジメチルピラジンからの2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピラジン。収率60%、1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.91 (s,1H), 4.87 (s, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), LC-MS: m/z = 196.9 (MH+), tR = 0.64 min, 方法A
6−クロロ−5−エチル−2−メチル−ピリミジン−4−イルアミンからの2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。収率21%、LC−MS:m/z=245.0(MH)、t=0.72min、方法A
3−メトキシ−6−メチル−ピリジン−2−イルアミンからの2−クロロメチル−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。64%、1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.11-7.08 (d, 1H), 7.01-6.98 (d, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 2.61 (s, 3H)
2−アミノ−6−メチルピリジンからの2−クロロメチル−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=181.8(MH)、t=0.64min、方法A。
2−アミノ−3−メチルピリジンからの2−クロロメチル−8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=xx(MH)、t=xxmin、方法xx.CHINA!
2−アミノ−3−メトキシピリジンからの2−クロロメチル−8−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=197.8(MH)、t=0.40min、方法B。
2−アミノ−3−エチル−6−メチルピリジンからの2−クロロメチル−8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=209.8(MH)、t=0.60min、方法B。
【0144】
(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウム;クロリド
【0145】
【化14】

アセトニトリル150mL中の2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(1.351g、6.87mmol)とトリフェニルホスフィン(1.80g、6.87mmol)との溶液を、還流で、12h加熱した。溶媒を、真空で除去し、残渣を、エーテル中でスラリーにし、濾過し、乾燥して、オフホワイトの固体(2.412g、74.9%)として、(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウム;クロリドを生成した。LC−MS:m/z=423.2([M−Cl])、t=0.86min、方法A。
【0146】
以下の中間体を、類似の方法で調製した:
【0147】
【化15】

2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=422.2(MH)、t=1.02min、方法A
【0148】
【化16】

2−クロロメチル−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=438.4(MH)、t=0.96min、方法A
【0149】
【化17】

2−クロロメチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=408.4(MH)、t=0.88min、方法A
【0150】
【化18】

2−クロロメチル−8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=408.2(MH)、t=0.59min、方法B。
【0151】
【化19】

2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンからの(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=423.3(MH)、t=0.85min、方法A
【0152】
【化20】

2−クロロメチル−8−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(8−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=423.9(MH)、t=0.55min、方法B
【0153】
【化21】

2−クロロメチル−8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンからの(8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド、LC−MS:m/z=423.9(MH)、t=0.55min、方法B
【0154】
本発明の化合物の調製
【実施例1】
【0155】
5−メチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0156】
【化22】

トリエチルアミン(0.7602mL、5.454mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(12mL、150mmol)中の[2−クロロメチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(495mg、2.73mmol)の溶液に加え、溶液を、およそ2分撹拌した。5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(532mg、3.00mmol)を、固体として混合物に加えた。その後、反応混合物を、60℃で、0.5時間加熱した。混合物を回転蒸発させた。EtOAc(60mL)および飽和重炭酸塩(20mL)を、残渣に加え、相を分離させた。有機相を、ブライン(20mL)で洗浄した。乾燥(MgSO4)後、溶媒を、減圧下で除去した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc:N−ヘプタン50〜100%)によって精製した。これは、白色の固体として、標題化合物を542mg(61%)産出した。LC−MS:m/z=323.1(MH)、t=0.52min、方法B。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 7.96 (d, 2H), 7.63 (m, 1H), 7.60 (t, 1H) 7.50 (m, 3H), 7.06 (d, 1H), 4.68 (s, 2H), 2.67 (s, 3H).
【0157】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
8−メトキシ−5−メチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(2)、LC−MS:m/z=353.4(MH)、t=0.57min、方法B。
【実施例2】
【0158】
5−メチル−2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0159】
【化23】

DMF(0.5mL)中に溶解されたヨウ化メチル(142mg、1.00mmol)を、室温において、Ar下で、N,N−ジメチルホルミアミド(3.5mL)中で5−メチル−2−(5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(322mg、1.00mmol)および炭酸カリウム(276mg。2.0mmol)を撹拌した懸濁液に加えた。溶液を3h撹拌し、次に、飽和重炭酸塩溶液を加え、EtOAcで抽出することによってクエンチした。有機相を、乾燥し(MgSO4)、回転蒸発させた。粗生成物を、HPLCによって精製した。これは、標題化合物を10mg産出した。LC−MS:m/z=337.1(MH)、t=0.63min、方法B。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 7.96 (d, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.60 (t, 1H) 7.50-7.40 (m, 3H), 7.07 (d, 1H), 4.68 (s, 2H), 2.66 (s, 3H).
【0160】
以下の化合物を、類似の方法で合成した:
5,8−ジメチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン、LC−MS:m/z=338.1(MH)、t=1.38分、方法C
【実施例3】
【0161】
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン
【0162】
【化24】

1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.16mL、1.07mmol)を、無水THF(8mL)中のテトラヒドロフラン(6.9mL)中に(5,8−ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウム;クロリド(0.490g、1.07mmol)および2−メチル−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド(0.200g、1.07mmol)を撹拌した懸濁液に加え、混合物を、室温において、アルゴン雰囲気下で、一晩撹拌した。DCM(50mL)を加え、有機相を、水(2×50mL)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を蒸発させた。
【0163】
残留物(remanens)を、DCM中に溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc)によって精製した。収量:シス/トランス混合物として、中間体のmg270mg(76%)。
【0164】
この材料(270mg、0.81mmol)を、DCM(10mL)およびMeOH(80ml)中に溶解した。溶液を、濾過し、水素圧1バールで、Pd/C CatCartカラムによってH−cubeで、室温において水素添加した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc)によって精製した。収量:固体として、標題化合物138mg(51%)。LC−MS:m/z=334.5(MH)、t=1.16min、方法C。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 8.0-7.9 (m, 3H), 7.45-7.35 (m, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.44 (t, 2H), 3.35 (t, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.64 (s, 3H).
【0165】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
8−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンジヒドロクロリド、LC−MS:m/z=318.9(MH)、t=0.52min、方法B。
5,7−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS:m/z=334.5(MH)、t=1.05min、方法C。
8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(5−フェニル−2−プロピル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンジヒドロクロリド、LC−MS:m/z=377.5(MH)、t=0.66min、方法B。
8−メトキシ−5−メチル−2−{2−[5−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=416.4(MH)、t=0.71min、方法B。
8−メトキシ−5−メチル−2−{2−[5−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=319.2(MH)、t=1.14min、方法C。
8−メトキシ−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=335.3(MH)、t=1.09min、方法C。
5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−酢酸エチルエステル、LC−MS:m/z=420.6(MH)、t=0.65min、方法B。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=333.2(MH)、t=1.24min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=334.5(MH)、t=1.18min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チオフェン−3−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=340.1(MH+)、tR=1.29min、方法C。
2−[2−(5−フラン−2−イル−1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=324.1(MH+)、tR =1.17min、方法C。
2−[(E)−2−(5−フラン−2−イル−1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ビニル]−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=322.1(MH+)、tR=1.46min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チアゾール−4−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=341.1(MH+)、tR=0.97min、方法C。
5,8−ジメチル−2−{2−[2−メチル−5−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=355.1(MH+)、tR=1.21min、方法C。
5,8−ジメチル−2−{2−[2−メチル−5−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=355.1(MH+)、tR=1.18min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−オキサゾール−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=325.1(MH+)、tR=0.87min,方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チオフェン−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=340.1(MH+)、tR=1.24min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チオフェン−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=340.1(MH+)、tR=1.26min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−ピリミジン−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=336.2(MH+)、tR=0.79min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−ピリジン−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=335.2(MH+)、tR=0.78min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チアゾール−5−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=341.1(MH+)、tR=1.0min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−チアゾール−2−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=341.1(MH+)、tR=1.01min、方法C。
5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−ピリジン−3−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=335.2(MH+)、tR=0.7min、方法C。
2−[2−(5−フラン−2−イル−2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=324.1(MH+)、tR=1.09min、方法C。
2−[2−(5−フラン−2−イル−2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=324.1(MH+)、tR=1.08min、方法C。
5,8−ジメチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンLC−MS:m/z=338.1(MH+)、tR=1.38min,方法C。
2−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−エタノールLC−MS:m/z=364.2(MH+)、tR=1.3min、方法C。
【実施例4】
【0166】
8−エチル−2−(2−{5−[(Z)−1−エト−(E)−イリデン−ペンタ−2,4−ジエニル]−2−プロピル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−エチル)−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0167】
【化25】

1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.150mL、1.00mmol)を、無水THF(20mL)中に8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウム;クロリド(472mg、1.00mmol)および5−フェニル−2−プロピル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルバルデヒド(215mg、1.00mmol)を撹拌した懸濁液に加え、混合物を、室温において、アルゴン雰囲気下で、2日間撹拌した。溶媒を、真空中で除去した。残留物を、DCM中に溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:n−ヘプタン中に0〜100%のEtOAc)によって精製した。収量:白色の固体として、中間体(単一異性体として)290mg(78%)。LC−MS:m/z=373.5(MH)、t=0.93min、方法B。
【0168】
この材料(290mg、0.78mmol)を、DMF(7.8mL)中に溶解し、p−トルエンスルホニルヒドラジド(430mg、2.3mmol)を加え、反応物を、120℃、8h、Ar下で撹拌した。溶液を、室温に達するまで放置し、一晩撹拌した。さらなるp−トルエンスルホニルヒドラジド(0.08g)を加え、反応混合物は、120℃、ON、Ar下にあった。DMFを蒸発させ、残渣を、EtOAc(50ml)中に溶解し、飽和NaHCO3(2×25ml)で抽出した。有機相を、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、回転蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:n−ヘプタン中に50〜100%のEtOAc)によって精製した。収量:固体として、標題化合物140mg(48%)。LC−MS:m/z=375.3(MH)、t=1.68min、方法C。1H NMR (600 MHz, CDCl3): δ 8.08 (d, 2H), 7.40 (d, 2H), 7.34 (m, 1H), 7.17 (d, 1H), 6.70 (d, 1H), 4.12 (m,2H), 3.55 (m, 2H), 3.38 (m, 2H), 3.00 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.34 (t, 3H), 0.93 (t, 3H).
【0169】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=349.5(MH)、t=0.59min、方法B。
8−エチル−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=347.1(MH)、t=0.59min、方法B。
8−エチル−2−[2−(2−イソプロピル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=375.2(MH)、t=1.67min、方法C。
3−{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル、LC−MS:m/z=388.5(MH)、t=1.18min、方法C。
3−{5−[2−(8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル、LC−MS:m/z=386.6(MH)、t=1.32min、方法C。
2−[2−(2−イソプロピル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=377.4(MH)、t=1.45min、方法C。
3−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル、LC−MS:m/z=373.4(MH)、t=0.56min、方法B。
2−{2−[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン、LC−MS:m/z=378.6(MH)、t=1.42min,方法C。Mp=141−143 C.
【実施例5】
【0170】
2−{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−エタノール
【0171】
【化26】

テトラヒドロフラン(5.0mL)中のリチウムテトラヒドロアルミネート1Mを、室温において、テトラヒドロフラン(3mL)中に{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−酢酸エチルエステル(950mg、2.2mmol)を撹拌した溶液に加えた。反応は、発熱性である。溶液を、室温において、Ar下で、3h撹拌した。溶液を、THF(10ml)によって希釈し、湿ったNaSOを加えることによってクエンチした。溶液を、無水NaSOによって濾過し、回転蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc中に0〜30%のMeOH)によって精製した。収量:透明な油状物として、標題化合物710mg(75%)。LC−MS:m/z=379.4(MH)、t=0.51min、方法B。
【0172】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=349.5(MH)、t=0.59min、方法B。
【実施例6】
【0173】
3−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピルアミン
【0174】
【化27】

3−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル(28mg、0.075mmol)を、メタノール(15mL)中のアンモニア2M中に溶解し、Raney−NickelのカラムによってH−cubeで、水素添加した(水素50バール、室温)。溶媒を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:MeOH10%、トリエチルアミン10%、EtOAc80%)によって精製した。収量:透明な油状物として、標題化合物10mg(35%)。LC−MS:m/z=377.3(MH)、t=0.81min、方法C。
【0175】
以下の化合物を、類似の方法で調製した:
3−{5−[2−(8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピルアミン、LC−MS:m/z=390.2(MH)、t=0.48min、方法B。
【実施例7】
【0176】
2−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−エタノール
【0177】
【化28】

ヨードトリメチルシラン(92.0μL、0.646mmol)を、アルゴン雰囲気下で、室温において、クロロホルム(5mL)中に2−{2−[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−エチル}−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(61mg、0.16mmol)を撹拌した溶液に加えた。溶液を、室温において、4h撹拌した。さらなるヨードトリメチルシラン(184μL、1.29mmol)を加え、混合物を、室温において撹拌したON。MeOH(10mL)および固体亜硫酸ナトリウム(0.5g)を加え、混合物を、30分撹拌し、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc中に0〜5%のMeOH)によって精製した。収量:固体として、標題化合物27mg(46%)。LC−MS:m/z=364.5(MH)、t=1.30min、方法C。
【0178】
薬理試験
酵素PDE10A
活性がある酵素PDE10Aを、PDEアッセイにおける使用のためのいくつかの方法(Loughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117ページ、Fujishige, K.ら、Eur J Biochem.、1999、266、1118〜1127ページおよびSoderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci.、1999、96、7071〜7076ページ)で調製する。PDE10Aは、それらが触媒ドメインを発現する限り、完全長タンパク質または切断型タンパク質として、発現することができる。PDE10Aは、様々な細胞型、例えば昆虫細胞または大腸菌(E.coli)で調製することができる。触媒として活性があるPDE10Aを得る方法の例は、以下の通りである:ヒトPDE10A(受入番号NP006652の配列に由来するアミノ酸440〜779)の触媒ドメインを、標準的なRT−PCR法によってヒトの脳全体の全RNAから増幅し、pET28aベクター(Novagen)のBamH1およびXho1サイト中にクローン化する。大腸菌(coli)における発現は、標準的なプロトコルに従って実施される。簡潔には、発現プラスミドを、BL21(DE3)大腸菌(E.coli)株に形質転換し、細胞を播種された培養物50mLを、OD600が0.4〜0.6になるまで成長させた後、タンパク質発現を、0.5mMのIPTGで誘導する。誘導に続いて、細胞を、一晩、室温においてインキュベートし、その後、細胞を遠心分離によって捕集する。PDE10Aを発現する細胞を、12mL(50mM TRIS−HCl、pH8.0、1mM MgClおよびプロテーゼ阻害剤)中に再懸濁する。細胞を、超音波処理によって溶解し、全ての細胞を溶解した後、TritonX100を、Novagenのプロトコルに従って加える。PDE10Aを、Q sepharoseで部分的に精製し、最も活性がある画分を貯えた。
【0179】
PDE10A阻害アッセイ
PDE10Aアッセイは、例えば、以下の通り実施されてもよい:関連するPDE酵素の(環状ヌクレオチド基質の20〜25%を変換するのに十分な)固定量、バッファー(50mM HEPES7.6、10mM MgCl、0.02%Tween20)、0.1mg/ml BSA、H標識環状ヌクレオチド基質225pCi、最終濃度5nMまでのトリチウム標識cAMPおよび多様な量の阻害剤を含む試料60μL中で、アッセイを実施する。反応を、環状ヌクレオチド基質を加えることによって開始し、反応を、室温において、1h進行させた後、8mg/mLケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)15μLと混合することによって停止させる。ビーズを、暗所に1h放置した後、プレートを、Wallac1450Microbetaカウンターで数える。測定されたシグナルは、無阻害の対照物(100%)に対する活性に変換することができ、IC50値は、EXCELの拡張機能であるXlfitを使用して計算することができる。
【0180】
フェンシクリジン(PCP)誘発性の多動
体重20〜25gのオスのマウス(NMRI、Charles River)を使用する。試験化合物のビヒクルに加えてPCPを、またはビヒクル注射のみを受ける同時対照群を含む、試験化合物(5mg/kg)に加えてPCP(2.3mg/kg)を受け取る群のそれぞれにおいて、8匹のマウスを使用する。注入量は、10ml/kgである。実験は、通常の光条件において、静かな部屋で行われる。皮下投与されるPCPの注射の60分前に、試験物質を、経口投与で注入する。
【0181】
PCP注射の直後に、マウスを、特別に設計された試験ケージ(20cm×32cm)中に、個別に入れる。活性を、4cm間隔で置かれた5個×8個の赤外線光源および光電セルによって測定する。光線は、ケージの底から1.8cm上のところでケージを横切る。運動性のカウントの記録は、近接する光線の遮断を必要とし、したがって、マウスの静かな動きによって誘導されるカウントを、防止する。
【0182】
運動性を、5分間隔で、1時間にわたって記録する。薬物の効果を、以下の方法で、1時間の行動試験期間の間のカウントの合計に基づいて計算する:
PCPの非存在下でビヒクル治療によって誘導された平均の運動性を、ベースラインとして使用する。したがって、PCPの100パーセントの効果を、運動性のカウントの合計からベースラインを差し引いて計算する。このようにして、試験化合物を受け取る群の応答は、運動性のカウントの合計からベースラインを差し引くことによって決定され、同時PCP対照群において記録された同様の結果についてのパーセントで表される。パーセント応答を、パーセント阻害に変換する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造I
【化29】

を有する化合物
[式中、HET−1は、2〜4個の窒素原子を含む式II
【化30】

のヘテロ芳香族基であり、
式中、Yは、NまたはCHであることができ、Zは、NまたはCであることができ、式中、HET−1は、水素、C〜Cアルキル、ハロゲン、シアノ、ハロ(C〜C)アルキル、アリール、アルコキシおよびC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される3個までの置換基R2〜R4で場合によって置換されていてよく、式中、は結合点を表し、
Qは、1〜5個の置換基で場合によって置換されているフェニル、または1もしくは2個のヘテロ原子を含む単環式の五員もしくは六員のヘテロ芳香族基であり、
−L−は、−S−CH−、−CH−S−、−CH−CH−、−CH=CH−、および−C≡C−から選択されるリンカーであり、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、CHCN、CHC(O)NH、C〜Cアリールアルキル、およびC〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキルから選択され、
ただし、化合物は、1H−ベンゾイミダゾール、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−ピラジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]チオ]−;1H−ベンゾイミダゾール、1−エチル−5−(1−ピペリジニルスルホニル)−2−[[[3−(2−チエニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、6−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(3−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、8−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−クロロ−2−[[[3−(2−チエニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(4−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−メチル−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−ピリジニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−;イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−クロロ−2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、2−[[(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル]−;および1H−ベンゾイミダゾール、2−[[[3−(2−フラニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]メチル]チオ]−ではないことを条件とする]、
ならびにその互変異性体および薬学的に許容される塩、ならびにその多形体[ただし、リンカー(L)が、−CH−S−である場合、HET−1は、イミダゾ[1,2−a]ピリジンでもイミダゾ[1,2−a]ピリミジンでもないことを条件とする]。
【請求項2】
HET−1が、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
HET−1が、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
HET−1が、イミダゾ[1,2−a]ピリジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
HET−1が、イミダゾ[4,5−b]ピリミジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
HET−1が、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
HET−1が、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
HET−1が、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
HET−1が、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Qが、フェニル、チオフェン、フラン、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジンおよびピラジンからなる群から選択される、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
−L−が、−S−CH−である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
−L−が、−CH−S−である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
−L−が、−CH−CH−である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
−L−が、−CH=CH−である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
−L−が、−C≡C−である、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
R1が、水素である、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
R1が、水素ではない、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
、R、R、RおよびRが、全て水素である、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つが、メトキシなどのC〜Cアルコキシである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つが、塩素またはフッ素などのハロゲンである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
R2、R3およびR4が、全て水素である、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
R2、R3およびR4の少なくとも1つが、メチルなどのC〜Cアルキルである、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
R2、R3およびR4の少なくとも1つが、塩素または臭素などのハロゲンである、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
化合物が、
8−メトキシ−5−メチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;5−メチル−2−(5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;5−メチル−2−(1−メチル−5−フェニル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;5,7−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン;8−メトキシ−5−メチル−2−[2−(5−フェニル−2−プロピル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−メトキシ−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−酢酸エチルエステル;2−{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−エタノール;5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;5,8−ジメチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;8−エチル−5−メチル−2−[2−(2−メチル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−エチル−5−メチル−2−[2−(5−フェニル−2−プロピル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;8−エチル−2−[2−(2−イソプロピル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;3−{5−[2−(8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル;3−{5−[2−(8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル;2−[2−(2−イソプロピル−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−エチル]−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;3−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピオニトリル;3−{2−[2−(8−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロピルアミン;3−{5−[2−(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−エチル]−3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル}−プロピルアミン;2−{2−[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン;および8−メトキシ−2−{2−[2−(2−メトキシ−エチル)−5−フェニル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−エチル}−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
医薬品としての使用のための、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
単独でまたはセルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントなどの1種または複数の神経遮断剤と組み合わせての、神経変性障害または精神障害の治療における使用のための、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物であって、神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症またはその他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認知症、せん妄、健忘障害、心的外傷後ストレス障害、精神発達遅滞、学習障害、例えば読字障害、算数障害または書字表出障害、注意欠陥/多動障害、および加齢関連性認知機能低下からなる群から選択され、精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、未分化型または残遺型の統合失調症、統合失調症様障害、例えば妄想型またはうつ型の統合失調感情障害、妄想性障害、物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンによって誘発される精神病、妄想型の人格障害、および統合失調型の人格障害からなる群から選択される化合物。
【請求項27】
ヒトを含む哺乳動物における、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症などの薬物依存症の治療における使用のための、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
ヒトを含む哺乳動物における、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症などの薬物依存症の治療における使用のための医薬品の調製のための、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
神経変性障害または精神障害の治療における使用のための医薬品の調製のための、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物であって、神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症またはその他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認知症、せん妄、健忘障害、心的外傷後ストレス障害、精神発達遅滞、学習障害、例えば読字障害、算数障害または書字表出障害、注意欠陥/多動障害、および加齢関連性認知機能低下からなる群から選択され、精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、未分化型または残遺型の統合失調症、統合失調症様障害、例えば妄想型またはうつ型の統合失調感情障害、妄想性障害、物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンによって誘発される精神病、妄想型の人格障害、および統合失調型の人格障害からなる群から選択される化合物。
【請求項30】
精神障害の治療が、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントなどの神経遮断剤の共投与を含む、請求項25に記載の治療における使用のための医薬品の調製のための化合物。
【請求項31】
神経変性障害または精神障害に罹患している対象を治療する方法であって、神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症またはその他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認知症、せん妄、健忘障害、心的外傷後ストレス障害、精神発達遅滞、学習障害、例えば読字障害、算数障害または書字表出障害、注意欠陥/多動障害、および加齢関連性認知機能低下からなる群から選択され、精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、未分化型または残遺型の統合失調症、統合失調症様障害、例えば妄想型またはうつ型の統合失調感情障害、妄想性障害、物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンによって誘発される精神病、妄想型の人格障害、および統合失調型の人格障害からなる群から選択され、単独でまたはセルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントなどの1種または複数の神経遮断剤と組み合わせて、条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物の有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項32】
ヒトを含む哺乳動物における、薬物依存症、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症に罹患している対象を治療する方法であって、薬物依存症を治療するのに有効な量の式Iの化合物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項33】
ヒトを含む哺乳動物における、薬物依存症、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン依存症に罹患している対象を治療する方法であって、PDE10Aを阻害するのに有効な量の式Iの化合物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項34】
条件を除いた請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量、ならびに1種または複数の薬学的に許容される担体、賦形剤および添加剤を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2013−514286(P2013−514286A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543477(P2012−543477)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/DK2010/050344
【国際公開番号】WO2011/072697
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】