説明

酸ハロゲン化物の製造方法、及び酸ハロゲン化物

【課題】脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を、安価で、且つ選択性高く製造できる方法を提供する。
【解決手段】一般式(III)で表される化合物を酸化物と反応させることにより一般式(II)で表される化合物を得る工程と、一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより一般式(I)で表される化合物を得る工程とを含む酸ハロゲン化物の製造方法。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸ハロゲン化物の製造方法、及び酸ハロゲン化物に関する。
【背景技術】
【0002】
酸ハロゲン化物は、医・農薬品や色素等の機能性化合物の合成中間体として活発に使用されている。特に、嵩高い基を有する酸ハロゲン化物は、機能性化合物の特定部分を嵩高くすることができる。これにより、例えば分子回転の抑制による色相のシャープ化、機能性化合物の脆弱な部分の保護による耐薬品性や耐候性の向上等といった機能性付与が期待できるため、嵩高い基を有する酸ハロゲン化物は有用である。さらに、脱離基を有し且つ嵩高い基を有する酸ハロゲン化物は、脱離基を置換することによりアルカリ可溶性基や重合性基といった機能性基を導入することができ、さらなる機能性付与が可能となるため、非常に有用である。
嵩高い基を有する酸ハロゲン化物を製造する方法として、嵩高い基を有するエステル化合物をアルカリ条件下で加水分解し、得られたカルボン酸を塩化チオニルと反応させる方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法を用いて脱離基を有する酸ハロゲン化物を製造する際、カルボン酸製造時に脱離基が脱離してしまい、目的物の収率が低下する問題があった。特に、嵩高い基を有するエステル化合物は、加水分解速度が速く、脱離反応が顕著に進行してしまうため、脱離基を有し且つ嵩高い基を有する酸ハロゲン化物を合成することは非常に困難であった。脱離基が脱離を抑制するためには、嵩高い基を有するカルボン酸の製造条件を温和にすることが考えられる。嵩高い基を有するカルボン酸の製造方法としては、酸アミドを亜硝酸ナトリウムと反応させる方法(非特許文献2参照)、ケトンを硝酸で酸化する方法(非特許文献3参照)、グリニヤール試薬と二酸化炭素を反応させる方法(非特許文献3参照)が報告されているが、これらの反応も脱離基が反応してしまい、目的物の収率が低下することと、反応が危険であり、大量スケールでの製造には不向きであるという問題があった。
脱離基を有するカルボン酸の合成例として、トリメチルシリルヨージドを用いてエステルを加水分解する方法(特許文献1参照)が報告されているが、トリメチルシリルヨージドは高価であること、また嵩高い基を有するカルボン酸を製造する場合は反応が長時間必要とすることから製造コストが高くなる問題があった。
また、特許文献1には、塩素原子を脱離基とするカルボン酸クロリド等の合成が記載されているが、記載されたカルボン酸クロリドはいずれも置換基を有さないか、メチル基程度の小さい置換基であり、脱離基を有し且つ嵩高い基を有する酸ハロゲン化物の合成方法については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,204,278号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.1984,106,1010.
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc.1957,79,2530.
【非特許文献3】Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions2:Physical Organic Chemistry,1974,1525.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の目的は、脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を安価且つ選択性高く製造できる方法を提供することにある。本発明の第二の目的は、本発明の製造法で製造された脱離基と嵩高い基とを有するハロゲン化物を提供することにある。
本発明において「嵩高い基」とは、立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から水素原子を1つ除いた2価の連結基のことを言う。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、各種合成法を詳細に検討した結果、特定のアルデヒド化合物を酸化剤と反応させることにより、特定構造のカルボン酸を得る工程と、特定構造のカルボン酸を酸ハロゲン化剤と反応させることにより酸ハロゲン化物を得る工程により、これまで製造が困難であった脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を安価且つ選択性高く製造できることを見出した。
【0007】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(III)で表される化合物を、酸化剤と反応させることにより、下記一般式(II)で表される化合物を得る工程と、下記一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより下記一般式(I)で表される化合物を得る工程と、を含む酸ハロゲン化物の製造方法。
【化1】


一般式(I)中、Aは立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から原子を1つ除いた2価の連結基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Lは脱離基を表す。
【化2】


一般式(II)中、A及びLは前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義である。
【化3】


一般式(III)中、A及びLは前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義である。
<2> 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(V)で表される化合物であり、前記一般式(III)で表される化合物が、下記一般式(VI)で表される化合物である<1>に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【化4】


一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロ環基からなる群より選ばれた基を表す。Rはアルキレン基を表す。X及びLは前記一般式(I)におけるX及びLとそれぞれ同義である。
【化5】


一般式(V)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義である。
【化6】


一般式(VI)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義である。
<3> さらに、下記一般式(VII)で表される化合物と下記一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより、前記一般式(VI)で表される化合物を得る工程とを含む<2>に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【化7】


一般式(VII)中、R及びRは前記一般式(IV)におけるR及びRと同義である。
【化8】


一般式(VIII)中、R及びLは前記一般式(IV)におけるRおよびLとそれぞれ同義である。Lは脱離基を表す。
<4> 前記一般式(VII)で表される化合物と前記一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより、前記一般式(VI)で表される化合物を得る工程の反応温度が、−20℃から10℃である<3>に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
<5> 前記酸化剤が、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウムまたはこれらのうち2種以上の混合物からなる群より選ばれる酸化剤である<1>から<4>のいずれか一に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
<6> 前記酸ハロゲン化剤が、塩化チオニル、塩化ホスホリル又は塩化オキサリルからなる群より選ばれる酸ハロゲン化剤である<1>から<5>のいずれか一に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
<7> <1>から<6>のいずれか一に記載の製造方法により得られた下記一般式(I)で表される化合物。
【化9】


一般式(I)中、Aは立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から原子を1つ除いた2価の連結基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Lは脱離基を表す。
<8> <2>から<6>のいずれか一に記載の製造方法により得られる下記一般式(IV)で表される化合物。
【化10】


一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロ環基からなる群より選ばれた基を表す。Rはアルキレン基を表す。X及びLは前記一般式(I)におけるX及びLとそれぞれ同義である。
【0008】
本発明の特定の酸ハロゲン化物の製造方法により、脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を高純度で得ることができるため、カラーフィルタ用、印刷用及びインクジェット用色素や医・農薬品のように、高純度が求められる機能性化合物の合成中間体として特に有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法により、非常に有用な脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を安価で、且つ選択性高く製造することができる。また、本発明の製造方法により、高純度な脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物の製造方法及び酸ハロゲン化物について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実形態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実形態様に限定されるものではない。
【0011】
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、「ある官能基の炭素数」とは、置換基の炭素数除いた官能基の全炭素数を表す。
【0012】
本発明の特定構造の酸ハロゲン化物の製造方法は、一般式(III)で表される化合物を酸化剤と反応させることにより一般式(II)で表される化合物を得る工程と、一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより一般式(I)で表される化合物を得る工程とを含む。
以下、一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)で表される化合物及び製造方法について詳細に説明する。
【0013】
<一般式(I)で表される化合物>
【化11】

【0014】
一般式(I)中、Aは立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から原子を1つ除いた2価の連結基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Lは脱離基を表す。
【0015】
本発明における立体パラメータ(−Es’値)は、置換基の立体的嵩高さを表すパラメータであり、文献(J.A.Macphee,et al,Tetrahedron,Vol.34,pp3553〜3562、藤田稔夫編 化学増刊107 構造活性相関とドラックデザイン、1986年2月20日発行(化学同人))に示されている−Es´値を用いている。本発明の一般式(I)中のAが有する−Es´値としては、1.5以上が挙げられ、好ましくは2.0以上であり、より好ましくは3.5以上であり、特に好ましくは5.0以上である。
以下に立体パラメータ(−Es’値)が1.5以上の1価の置換基の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明におけるAとしては、例えば以下に例示する置換基より、水素原子またはハロゲン原子を1つ除いた2価の連結基を表すが、これに限定されるものではない。
【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【0018】
【表3】

【0019】
はハロゲン原子を表すが、取り扱いやすさ及び用いる酸ハロゲン化剤のコストの観点から、特に塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
は脱離基を表す。脱離基としては公知の脱離基が挙げられるが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、スルホニルオキシ基(例えば、メシル基、トシル基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等)が好ましく、塩素原子及び臭素原子がさらに好ましく、塩素原子が最も好ましい。
【0020】
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
【0021】
<一般式(IV)で表される化合物>
【化12】


一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びヘテロ環基を表す。Rはアルキレン基を表す。X及びLは前記一般式(I)におけるX及びLとそれぞれ同義である。
【0022】
及びRにおけるアルキル基としては、直鎖でも、分岐を有するものでも、環状のものでもよく、例えば、炭素数1〜30の直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基及び炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基が挙げられる。
及びRが直鎖又は分岐のアルキル基を表す場合、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられるが、好ましくは炭素数2〜20の直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基であり、さらに無置換のエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好ましい。
【0023】
及びRが環状のアルキル基を表す場合、置換もしくは無置換のシクロアルキル基であり、シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素数が3〜30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の例には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが含まれる。
【0024】
置換基を有するアルキル基の該置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基又はアリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
【0025】
置換基を有するアルキル基の上記置換基を以下に、さらに詳細に説明する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、多シクロアルキル基(例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基))やトリシクロアルキル基)、好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
【0026】
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基(例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、多シクロアルケニル基(例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基(例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基))やトリシクロアルケニル基)、なかでも単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)、
【0027】
アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
【0028】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0029】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、
【0030】
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
【0031】
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数1〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、
【0032】
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、
【0033】
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、
【0034】
アルキルスルフィニル基又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、
【0035】
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールアゾ基又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、
【0036】
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
【0037】
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記のいずれかの基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
【0038】
及びRにおけるアルケニル基は、直鎖でも、分岐を有するものでも、環状のものでもよく、置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられる。
及びRが直鎖又は分岐のアルケニル基を表す場合、置換基の炭素原子を除いた炭素数が2〜30のアルケニル基が好ましい。アルケニル基の例には、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が含まれる。これらアルケニル基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0039】
及びRが環状のアルケニル基を表す場合、置換基の炭素原子を除いた炭素数が5〜20のシクロアルケニル基が好ましい。シクロアルケニル基の例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基等が含まれる。これらシクロアルケニル基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0040】
及びRにおけるアルキニル基には、置換基を有するアルキニル基及び無置換のアルキニル基が含まれる。置換基の炭素原子を除いた炭素数が2〜30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基の例には、エチニル基、プロパルギル基等が含まれる。これらアルキニル基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0041】
及びRにおけるアリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素数が6〜30のアリール基が好ましい。アリール基の例には、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等が含まれる。これらアリール基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0042】
及びRにおけるヘテロ環基には、置換基を有するヘテロ環基及び無置換のヘテロ環基が含まれる。ヘテロ環基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素数が6〜30のヘテロ環基が好ましい。ヘテロ環基の例には、ピリジル基、イミダゾイル基、ピロイル基、ピラゾリル基、フラニル基、テトラヒドロフラニル基等が含まれる。これらヘテロ環基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
及びRは、特にアルキル基が好ましく、より好ましくは、炭素数が2〜10のアルキル基が挙げられる。
【0043】
一般式(IV)におけるRは、直鎖でも、分岐を有するものでも、環状のものでもよく、置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。
における直鎖又は分岐のアルキレン基としては置換基を有するアルキレン基及び無置換の直鎖又は分岐のアルキレン基が含まれる。アルキレン基としては、炭素数が1〜30の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましく、炭素数が2〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましく、炭素数が2〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基が最も好ましい。これらアルキレン基が有してもよい置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0044】
また、Rにおける環状のアルキレン基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素数が3〜30のシクロアルキレン基が好ましい。シクロアルキレン基の例には、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が含まれる。これらシクロアルキレン基が有してもよい置換基の例は、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものがあげられる。
は、特に直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましい。
【0045】
一般式(IV)におけるX及びLは、前記一般式(I)中のX及びLと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0046】
一般式(IV)においては、Rが炭素数2〜10のアルキル基であって、Rが炭素数2〜10のアルキル基であって、Rが炭素数2〜10のアルキレン基であって、Xが塩素原子、臭素原子であり、且つLが塩素原子、臭素原子であることが好ましい。また、Rが炭素数の2〜5アルキル基であって、Rが炭素数の2〜5アルキル基であって、Rが炭素数の2〜5アルキレン基であって、Xが塩素原子であり、且つLが塩素原子であることが最も好ましい。
【0047】
下記に一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、例示化合物の表で「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「Pr」はプロピル基、「Bu」はブチル基、及び「Ph」はフェニル基をそれぞれ示す。
【0048】
【化13】

【0049】
<一般式(II)で表される化合物>
【化14】


一般式(II)中、A及びLは前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0050】
一般式(II)で表される化合物は、一般式(V)で表される化合物であることが好ましい。
【0051】
<一般式(V)で表される化合物>
【化15】

【0052】
一般式(V)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0053】
下記に一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
【化16】

【0055】
<一般式(III)で表される化合物>
【化17】


一般式(III)中、A及びLは、前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0056】
一般式(III)で表される化合物は、一般式(VI)で表されることが好ましい。
【0057】
<一般式(VI)で表される化合物>
【0058】
【化18】


一般式(VI)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0059】
下記に一般式(VI)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
【化19】

【0061】
以下、本発明の製造方法について詳細に述べる。
【0062】
<一般式(III)で表される化合物を酸化剤と反応させることにより一般式(II)で表される化合物を得る工程>
本発明の製造方法は、一般式(III)で表される化合物を酸化剤と反応させることにより一般式(II)で表される化合物を得る工程(以下、適宜「酸化工程」という)を含む。酸化工程で用いられる酸化剤としては、公知の酸化剤を用いる事ができ、例えば、空気、純酸素、過マンガン酸カリウム、酸化クロム、二クロム酸カリウム、過酸化水素、尿素過酸化水素付加物/無水フタル酸、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の無機及び有機過酸化物、二酸化セレン、酢酸鉛(IV)、次亜塩素酸t-ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムが挙げられ、これら酸化剤は、一種類使用してもよいし、二種類以上混合して使用してもよい。特に亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素の混合が好ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。
【0063】
酸化剤の使用量は、用いる酸化剤の酸化の強さによるため一義的に決めることができないが、一般式(III)で表される化合物1モルに対し、1〜100モルであることが好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましく、1〜5モルであることが最も好ましい。反応温度は、−5〜50℃が好ましく、0〜40℃がさらに好ましい。反応時間は、0.5〜10時間であることが生産性の観点から好ましい。反応の終点は、NMR、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等により決定することができる。
【0064】
本発明の酸化工程は、活性な副生成物を捕捉する添加剤を用いてもよい。活性な副生成物を捕捉する添加剤としては、特に制限無く使用することが出来る。例えば、酸化剤として亜塩素酸ナトリウムを使用した場合には、副生成物である次亜塩素酸や塩素を捕捉する添加剤として2−メチル−2−ブテンを使用できる。活性な副生成物を捕捉する添加剤の添加量は、酸化剤1モルに対し、1〜1000モル添加するのが好ましく、1〜200モル添加するのが最も好ましい。
【0065】
本発明の酸化工程は、酸化反応の進行を加速する為にpH緩衝剤を使用する事ができる。pH緩衝剤としては、特に制限はないが、例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸等が挙げられる。添加剤の添加量は、一般式(III)で表される化合物1モルに対し、1〜100モルであることが好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましく、1〜5モルであることが最も好ましい。
【0066】
本発明の酸化工程で用いられる溶媒としては、用いる酸化剤を失活させなければ、特に制限無く使用することが出来る。例えば、酢酸エチル、メタノール、tert-ブタノール、水、酢酸、が挙げられ、これら溶媒は、一種類使用してもよいし、二種類以上混合して使用してもよい。特にtert-ブタノールと水の混合溶媒を用いる事が好ましい。
【0067】
本発明の酸化工程は、相関移動触媒を使用してもよい。相関移動触媒としては、特に制限は無く使用することが出来る。相関移動触媒としては、第四級アンモニウム化合物、クラウンエーテル、ホスホニウム化合物、ピリジニウム化合物等が挙げられるが、第四級アンモニウム化合物が製造コストの観点から好ましい。
【0068】
一般式(II)で表される化合物は、蒸留や再結晶等の操作で精製してもよいが、単離せずそのまま次工程に用いることが製造コストの観点から好ましい。
【0069】
<一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより一般式(I)で表される化合物を得る工程>
一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより一般式(I)で表される化合物を得る工程(以下、適宜「酸ハロゲン化工程」という)に用いる酸ハロゲン化剤とは、カルボン酸を酸ハロゲン化物に変換できる公知の化合物を表し、第四版 実験化学講座 22 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド115頁〜127頁に記載の化合物が挙げられるが、塩化チオニル、オキサリルクロリド、塩化オキサリル、塩化ホスホリルが好ましく、塩化チオニルが最も好ましい。酸ハロゲン化剤の使用量は、一般式(II)で表される化合物1モルに対し、1〜5モル用いることが好ましく、1〜2モル用いることがさらに好ましい。反応温度は0〜100℃が好ましく、10〜70℃がさらに好ましく、20〜50℃が最も好ましい。反応時間は、0.5〜10時間が好ましい。
【0070】
酸ハロゲン化剤を活性化するため、さらに添加剤を添加してもよい。添加剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンが好ましい。添加剤の添加量は、一般式(II)で表される化合物1モルに対し、0.001〜1モル添加するのが好ましく、0.01〜0.5モル添加するのが最も好ましい。
【0071】
本発明の酸ハロゲン化工程は無溶媒で行うことが生産性の観点から好ましいが、溶媒存在下で行ってもよい。用いる溶媒としては、特に制限はないが、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等)、含硫黄系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン等)等が挙げられるが、特に芳香族系溶媒、エステル系溶媒が好ましい。
【0072】
得られる一般式(I)で表される化合物は蒸留や再結晶等の精製を行うことが好ましいが、沸点が非常に高く蒸留できない場合や、固体化しない場合は、濃縮により未反応の酸ハロゲン化剤を除去して次工程に使用してもよい。
【0073】
前記一般式(VI)で表される化合物は、一般式(VII)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物とを反応させる工程を経て製造することが好ましい。以下、詳細に説明する。
【0074】
<一般式(VII)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより前記一般式(VI)で表される化合物を得る工程>
【化20】


一般式(VII−2)中、R及びRは前記一般式(IV)におけるR及びRとそれぞれ同義である。
【化21】


一般式(VIII)中、R及びLは前記一般式(VI)におけるR及びLと同義である。Lは脱離基を表す。Lが表す脱離基としては、前記Lが表す脱離基と同様であるが、好ましくはLと脱離能が同等又は脱離能が高い脱離基であることが好ましい。具体的には、Lが塩素原子である場合、Lは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、スルホニルオキシ基であることが好ましく、臭素原子及びヨウ素原子であることがさらに好ましく、ヨウ素原子であることが最も好ましい。Lが臭素原子である場合、Lは臭素原子、ヨウ素原子、スルホニルオキシ基であることが好ましく、臭素原子及びヨウ素原子であることがさらに好ましく、ヨウ素原子であることが最も好ましい。Lがヨウ素原子である場合、Lはヨウ素原子であることが好ましい。Lがスルホネート基である場合、Lはスルホネート基であることが好ましい。
【0075】
前記LとLの組み合わせのうち、特にLが塩素原子であり、Lがヨウ素原子である組み合わせが選択性の観点から最も好ましい。
【0076】
一般式(VII)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物を反応させる場合、一般式(VII)で表される化合物を塩基化合物と反応させて一般式(VII−2)で表されるエノラートを中間体として発生させたのち、一般式(VIII)で表される化合物と反応させることが好ましい。
【0077】
【化22】

【0078】
一般式(VII−2)中、R及びRは前記一般式(IV)におけるR及びRとそれぞれ同義である。
【0079】
一般式(VII−2)で表されるエノラートを発生させる塩基としては、公知の塩基を用いることができ、例えばリチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラジド、金属水素化物(例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)が挙げられるが、特に水素化カリウム、カリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムtert−ブトキシドが好ましく、カリウムtert−ブトキシドが最も好ましい。これらの塩基は一種類使用してもよいし、二種類以上混合して使用してもよい。
【0080】
塩基の使用量としては、一般式(VII)で表される化合物1モルに対し、1〜3モル用いるのが好ましく、1〜2モル用いるのがさらに好ましく、1.05〜1.5モル用いるのが最も好ましい。反応温度は、−40〜30℃が好ましく、−40〜20℃がさらに好ましく、−20〜20℃が最も好ましい。この温度範囲にあることによって冷却コストが抑制でき、製造コストを安価にできる。また、一般式(VII−2)で表されるエノラートが分解しにくく、収率を向上することができる。
反応時間は0.1〜5時間が好ましく、0.5〜3時間がさらに好ましく、0.5〜2時間が最も好ましい。
【0081】
一般式(VII)で表される化合物と反応させる一般式(VIII)で表される化合物は、一般式(VII)で表される化合物1モルに対し、1〜10モル用いるのが好ましく、1〜5モル用いるのがさらに好ましく、1〜2モル用いるのが最も好ましい。反応温度は、生産性の観点から、−40〜30℃が好ましく、−40〜20℃がさらに好ましく、−20〜10℃が最も好ましい。この温度範囲とすることによって、反応性が高く、しかも反応選択性が高くなるので、目的物の収率が高く生産性が良好となる。
反応時間は0.1〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がさらに好ましく、0.5〜3時間が最も好ましい。
【実施例】
【0082】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
【0083】
窒素気流下、反応器に、カリウムtert−ブトキシド61.71g(0.55mol)に、THF600mlを加え、内温を−10℃まで冷却した。反応溶液に、下記構造の(A1)50g(0.5mol)を20分かけて滴下した。その後、0℃で15分間攪拌した後に、1−クロロ−3−ヨードプロパン112.4g(0.55mol)を15分かけて滴下し、−10℃で3時間攪拌した。反応終了後、水を1L、酢酸エチルを300mL加えて分液操作を行った。有機層を濃縮後、減圧蒸留することにより、下記構造の例示化合物(III−1)が83g(0.47mol、収率85%)で得られた。続いて、反応器に下記構造の例示化合物(III−1)20g(113mmol)、t−ブタノール192mL、2−メチル−2−ブテン40mLを加え、内温を0℃まで冷却した。反応溶液に亜リン酸2水素ナトリウム・2水和物79.3g(509mmol)を水160mLに溶かした溶液を加えた。続いて、亜塩素酸ナトリウム46g(509mmol)を水160mLに溶かした溶液を30分かけて滴下した後、室温まで昇温して2時間攪拌した。反応終了後、水を1L、酢酸エチルを300mL、塩化ナトリウムを40g加えて分液操作を行った。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を減圧濃縮することで、下記構造の例示化合物(II−1)の未精製物が21g得られた。続いて還流環、塩基性トラップを付けた反応器に、塩化チオニル46.3g(389mmol)を加えた。反応器内を窒素雰囲気下にした後に、化合物(II−1)50g(259mmol)を30分かけて滴下した。その後、内温30℃になるまで加熱し2時間攪拌した。反応終了後、塩化チオニルを減圧下で留去し、減圧蒸留することにより、下記構造の例示化合物(I−1)が51.9g(246mmol)、(A1)基準で収率81%を得た。ガスクロマトグラフィー測定による純度は98%であった。
【0084】
下記に合成のスキームを示す。
【化23】

【0085】
各工程において取得した例示化合物(III−1)、(II−1)及び(I−1)の化合物データを、HNMR(Varian社製 Gemini−300)を用いて測定した。結果は以下の通りである。
【0086】
上記構造の例示化合物(III−1)の化合物データを以下に示す。
H NMR(300MHz、CDCl):δ0.80(6H、t)、1.52−1.64(8H、m)、3.51−3.53(2H、m)、9.42(1H、s)
沸点 73℃/15mmHg
【0087】
上記構造の例示化合物(II−1)の化合物データを以下に示す。
H NMR(300MHz、CDCl):δ0.84(6H、t)、1.58−1.71(8H、m)、3.51−3.56(2H、m)
【0088】
上記構造の例示化合物(I−1)の化合物データを以下に示す。
H NMR(300MHz、CDCl):δ0.87(6H、t)、1.65−1.84(8H、m)、3.55(2H、t)
【0089】
(実施例2〜7)
下記表4に記載の温度で反応を行い、下記表4に記載の酸化剤および酸ハロゲン化剤にそれぞれ種類を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0090】
【表4】

【0091】
(実施例8〜10)
原料(A1)に代えて、原料として下記構造(A2)、(A3)及び(A4)をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。なお、下記構造(A3)における置換基の−Es’値は、1.5以上である。
【0092】
【化24】


その結果、例示化合物(I−29)、(I−30)及び(I−7)をそれぞれ得た。
得られた例示化合物(I−29)、(I−30)及び(I−7)の化合物データは、それぞれ以下の通りである。
(I−29)の化合物データを以下に示す。
例示化合物(I−29):H NMR(300MHz、CDCl):δ0.82(3H,t)、0.87(3H,t)、1.65−1.84(12H,m)、3.54(2H,t)
例示化合物(I−30)の化合物データを以下に示す。
例示化合物(I−30):δ0.95(3H,t)、1.65−1.84(6H,m)、3.56(2H,t),5.21(1H,d)、5.35(1H,d)、5.92(1H,m)
例示化合物(I−7)の化合物データを以下に示す。
例示化合物(I−7):H NMR(300MHz、CDCl):δ0.86(6H,t)、1.63−1.85(12H,m)、3.53(2H,t)
(比較例1)
【0093】
窒素気流下、ジイソプロピルアミン100g(1.0mol)、テトラヒドロフラン500mLを添加し、−10℃に冷却した。次に、2.6mol/lブチルリチウム・ヘキサン溶液353mL(0.92mol)を1時間かけて滴下し、反応系中でリチウムジイソプロピルアミドを調製した。次に、−10〜10℃(エノール化の温度)で下記構造の(A7)123g(0.85mol)を1時間かけて滴下した。1時間攪拌後、3−クロロー1−ブロモプロパン198.0g(1.3mol)を2時間かけて滴下し、反応温度を−10〜10℃(アルキル化の温度)の間に制御した。0℃で1時間攪拌後、水300mLを添加し、分液操作を行った。さらに、濃塩酸100mL/水200mLの水溶液で得られた油層を2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で輸送を1回洗浄した。得られた油層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して下記構造の(III−A)で表される化合物を得た。ここに、50質量%水酸化カリウム水溶液112g(1.0mol)、エタノール500gを加え、外温80℃で4時間加熱した。溶媒を濃縮後、酢酸エチル500mL/1規定塩酸500mLで分液操作し、油層を濃縮後、塩化チオニル154.7g(1.3mol)添加し、50℃で2時間加熱した。これを減圧蒸留(沸点 90℃/1mmHg)することにより下記構造の例示化合物(I−1)で表される化合物が118.4g(0.56mol)、(A7)基準で収率66%を得た。ガスクロマトグラフィー測定による純度は72%であり、20%は脱HClした下記構造の化合物(I−1)’であった。
【0094】
下記に合成のスキームを示す。
【化25】

【0095】
(比較例2)
【0096】
比較例1と同様の操作を行い、上記構造(III−A)で表される化合物を得た。ここに、トリメチルシリルヨージド20g(0.1mol)、水50g、エタノール500gを加え、外温80℃で加熱した。反応終了に144時間かかった。溶媒を濃縮後、酢酸エチル500mL/1規定塩酸500mLで分液操作し、油層を濃縮後、塩化チオニル154.7g(1.3mol)添加し、50℃で2時間加熱した。これを減圧蒸留(沸点 90℃/1mmHg)することにより下記構造の例示化合物(I−1)が92.9g(0.44mol)、(A7)基準で収率52%を得た。ガスクロマトグラフィー測定による純度は92%であった。
【0097】
下記に合成のスキームを示す。
【化26】

【0098】
以上の結果より、本発明の製造方法を使用することにより、機能性化合物の合成中間体として有用である脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を、高収率及び/又は高純度で製造できることが明らかとなった。また、当該方法によれば、機能性化合物の合成中間体として有用である脱離基と嵩高い基とを有する酸ハロゲン化物を提供できることが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(III)で表される化合物を、酸化剤と反応させることにより、下記一般式(II)で表される化合物を得る工程と、下記一般式(II)で表される化合物を酸ハロゲン化剤と反応させることにより下記一般式(I)で表される化合物を得る工程と、を含む酸ハロゲン化物の製造方法。
【化1】


一般式(I)中、Aは立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から原子を1つ除いた2価の連結基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Lは脱離基を表す。
【化2】


一般式(II)中、A及びLは前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義である。
【化3】


一般式(III)中、A及びLは前記一般式(I)におけるA及びLとそれぞれ同義である。
【請求項2】
前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(V)で表される化合物であり、前記一般式(III)で表される化合物が、下記一般式(VI)で表される化合物である請求項1に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【化4】


一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロ環基からなる群より選ばれた基を表す。Rはアルキレン基を表す。X及びLは前記一般式(I)におけるX及びLとそれぞれ同義である。
【化5】


一般式(V)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義である。
【化6】


一般式(VI)中、R、R、R及びLは前記一般式(IV)におけるR、R、R及びLとそれぞれ同義である。
【請求項3】
さらに、下記一般式(VII)で表される化合物と下記一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより、前記一般式(VI)で表される化合物を得る工程とを含む請求項2に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【化7】


一般式(VII)中、R及びRは前記一般式(IV)におけるR及びRと同義である。
【化8】


一般式(VIII)中、R及びLは前記一般式(IV)におけるRおよびLとそれぞれ同義である。Lは脱離基を表す。
【請求項4】
前記一般式(VII)で表される化合物と前記一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより、前記一般式(VI)で表される化合物を得る工程の反応温度が、−20℃から10℃である請求項3に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【請求項5】
前記酸化剤が、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウムまたはこれらのうち2種以上の混合物からなる群より選ばれる酸化剤である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【請求項6】
前記酸ハロゲン化剤が、塩化チオニル、塩化ホスホリル又は塩化オキサリルからなる群より選ばれる酸ハロゲン化剤である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸ハロゲン化物の製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の製造方法により得られた下記一般式(I)で表される化合物。
【化9】


一般式(I)中、Aは立体パラメーターである−Es’値が1.5以上である1価の置換基から原子を1つ除いた2価の連結基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Lは脱離基を表す。
【請求項8】
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の製造方法により得られる下記一般式(IV)で表される化合物。
【化10】


一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロ環基からなる群より選ばれた基を表す。Rはアルキレン基を表す。X及びLは前記一般式(I)におけるX及びLとそれぞれ同義である。

【公開番号】特開2012−51817(P2012−51817A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193853(P2010−193853)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】