説明

酸化アルミニウム分散物およびこれを調製する方法

30〜99.9%(重量/重量)の溶媒、および当該溶媒中に分散した0.1〜70%(重量/重量)の、酸化アルミニウム ナノ繊維を含む酸化アルミニウム分散物であって、当該ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム分散物;ならびに当該酸化アルミニウム分散物を調製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許仮出願第60/979440号(出願日 2007年10月12日)の利益を、米国特許法第119条(e)項の下で主張するものである。米国特許仮出願第60/979440号は、参照により、本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、酸化アルミニウム分散物に関し、さらに具体的には、30〜99.9%(重量/重量)の溶媒、および0.1〜70%(重量/重量)の、当該溶媒中に分散された酸化アルミニウム ナノ繊維を含む分散物に関し、当該ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む。本発明はまた、当該酸化アルミニウム分散物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水酸化アルミニウムの様々な修飾は、広範な商業的応用を有する。例えば、水酸化アルミニウムは、難燃剤、ろ過媒体、プラスチックおよび接着剤中の強化フィラー、フィラー色素、触媒、ペーパーコーティングの成分、触媒担体、活性アルミナの生成のための前駆体として、かつ、アルミニウムの生成のための原料として有用である。
【0004】
水酸化アルミニウムの最もよく明らかにされた結晶形態は、三水酸化物(trihydroxide)(Al(OH))(ギブサイト、バイアライト(bayerite)、およびノルドストランダイト(nordstrandite)を含む);ならびに水酸化酸化アルミニウム(AlO(OH))の2つの変形:ベーマイト(γ−水酸化酸化アルミニウム)およびダイアスポア(α−水酸化酸化アルミニウム)である。さらに、繊維状の水酸化アルミニウムを生成する方法は、当該技術分野で公知である。例えば、特許文献1(Bugoshによる)は、100〜700ミリミクロンの範囲の平均長を有するフィブリルの形態の線維状のアルミナを開示し、その残りの平均寸法は3〜10ミリミクロン(nm)の範囲であり、軸比は50:1〜150:1であり、かつ当該生成物は下記の物性を有する:表面積 250〜350m/g、ベーマイトのX線、および、40:100未満の020 結晶格子面での10m/g未満の表面のベーマイトに対する当該生成物のピーク強度比。
【0005】
特許文献2(Wilkinson)は、線維状アルミナ一水和物 アクアゾル(aquasol)を作製するためのプロセスを開示し、当該プロセスは、ミョウバン溶液を、可溶性炭酸塩溶液と、アルミニウムに対する炭酸イオンのモル比を約1.50〜1.90に維持しながら混合する工程であって、これによって活性θを有する、炭酸を含んだアルミナ水和物ゲルが形成され、そのため、このようなゲルの試料の半分を、過剰な0.50N 酢酸中で、30℃で解重合するために必要とされる時間(分)は300分間未満である工程と、ゲルが約0.01未満:1のアルミニウムに対する硫酸イオンのモル比および約0.04未満:1のアルミニウムに対する陽イオンのモル比を含むまで水でゲルを洗浄する工程と、初濃度 5〜10%のAlおよび、約0.50:1〜4.0:1の酸の陰イオンに対するアルミニウムのモル比を得るように、酢酸およびギ酸からなる群から選択される弱一塩基有機酸と当該ゲルを混合する工程と、ゲルおよび酸の混合物を、自己圧下で、約140〜180℃まで、約10分間〜7時間加熱する工程と、を含む。特許文献2は、フィブリルのX線回折が、これがベーマイトのX線回折を有することを開示することをさらに教示する。
【0006】
特許文献3(Tepperらによる)は、不織陽性電荷フィラー(non−woven electropositive filler)を作製する方法を開示し、当該方法は、アルミニウム供給源を入手する工程と、当該アルミニウム供給源を、水溶液中で、非球状ナノアルミナ粒子を形成するのに十分な温度で反応させる工程と、非球状ナノアルミナ粒子を第2の固形物と混合する工程であって、混合は、アルミニウム供給源が当該第2の固形物の存在下で反応するように、反応と実質的に同時に作用する工程と、を含む。特許文献3はまた、当該繊維が、様々な含有量の結合水と共にアルミナからなり、γ アルミナおよびα アルミナの考え得る不純物と、純粋なAl(OH)もしくはAlO(OH)、またはその2つの混合物との組成物をもたらすことを教示する。
【0007】
上述の参考文献は、繊維状の三水酸化アルミニウム(Al(OH))および水酸化酸化アルミニウムの変形(AlO(OH)、ベーマイトとして知られる)を開示するが、これらは、溶媒および当該溶媒に分散された酸化アルミニウム ナノ繊維を含む酸化アルミニウム分散物であって、当該ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)、および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含むものを教示または示唆していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2,915,475号明細書
【特許文献2】米国特許第3,031,417号明細書
【特許文献3】米国特許第6,838,005(B2)号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
(A)30〜99.9%(重量/重量)の溶媒と、
(B)当該溶媒中に分散された0.1〜70%(重量/重量)の酸化アルミニウム ナノ繊維と、を含む酸化アルミニウム分散物に向けられ、
当該ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む。
【0010】
本発明はまた、酸化アルミニウム分散物を調製する方法であって、
(i)0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維、水、およびカルボン酸を含む混合物を加熱して、分散物および残渣を生成する工程であって、当該分散物は当該水中に分散した酸化アルミニウム ナノ繊維を含む工程と、
(ii)当該残渣から当該分散物を分離する工程と、を含む方法に向けられる。
【0011】
本発明の酸化アルミニウム分散物は、溶媒中に分散されたγ−AlO(OH)およびγ−Alの両方を含むナノ繊維を含む。当該溶媒は、水、有機溶媒、または水および有機溶媒の混合物であってもよい。さらに、当該分散物は典型的に安定であり、すなわち、少なくとも2ヶ月間撹拌することなく、室温(約23±2℃)に保たれた場合に、当該分散物は肉眼で見える沈降物を形成しない。さらに、当該分散物は、酸安定剤の不存在下で安定である。さらに、ベーマイト繊維と比較して、本発明のナノ繊維は、高い熱安定性を有し、すなわち、これは約500℃未満の温度で、酸化アルミニウムの他の結晶形態に変換しない。
【0012】
本発明の酸化アルミニウム分散物は、多数の用途を有する。特に、当該分散物は、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーと混合でき、低い熱膨張係数、低いモジュラス、および高い硬度を有する強化された生成物を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例中の酸化アルミニウム分散物を調製するために使用された酸化アルミニウム繊維の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図2】本発明の酸化アルミニウム ナノ繊維の透過型電子顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願明細書で使用される用語「ベーマイト」は、式 γ−AlO(OH)を有するγ 水酸化酸化アルミニウムを指す(逆もまた同様)。
【0015】
本発明の酸化アルミニウム分散物は、
(A)30〜99.9%(重量/重量)の溶媒と、
(B)当該溶媒中に分散された0.1〜70%(重量/重量)の酸化アルミニウム ナノ繊維と、を含み、
当該ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む。
【0016】
酸化アルミニウム分散物の成分(A)は、少なくとも1つの溶媒である。当該溶媒は、水、有機溶媒、または水および有機溶媒の混合物であってもよい。当該有機溶媒は、酸化アルミニウム ナノ繊維と反応せず、当該分散物の安定性に悪影響を及ぼさない、いずれかの非極性または極性(プロトン性、非プロトン性、または双極非プロトン性の)溶媒であってもよい。さらに、当該有機溶媒は、水と完全に混和性、部分的に混和性、または非混和性であってもよい。
【0017】
溶媒の例としては、脂肪族飽和炭化水素(n−ペンタン、ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタンおよびドデカンなど);脂環式炭化水素(シクロペンタンおよびシクロヘキサンなど);芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンなど);環状エーテル(テトラヒドロフラン(THF)およびジオキサンなど);ケトン(メチルイソブチルケトン(MIBK)など);ハロゲン化アルカン(トリクロロエタンなど);ハロゲン化芳香族炭化水素(ブロモベンゼンおよびクロロベンゼンなど);アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1,1−ジメチル−1−エタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、およびオクタノールなど);および水が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、成分(A)は、単一の溶媒または(それぞれ上記に記載され、例証された)2以上の異なる溶媒を含む混合物であってもよい。
【0018】
成分(A)の濃度は、典型的に、30〜99.9%(重量/重量)、あるいは50〜99%(重量/重量)、あるいは80〜98%(重量/重量)である(酸化アルミニウム分散物の総重量に基づく)。
【0019】
酸化アルミニウム分散物の成分(B)は、酸化アルミニウム ナノ繊維である。本願明細書で使用される用語「酸化アルミニウム ナノ繊維」は、下記実施例の項で記載された方法を使用して、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される、約400nm未満の平均幅を有する酸化アルミニウムフィブリルおよびフィブリルの凝集物を指す。当該酸化アルミニウム ナノ繊維は、TEMによって特定されるフィブリル、またはフィブリルおよび凝集物の混合物を含んでいてもよい。用語「フィブリル」は、単一であるように見える、すなわち、TEMによって見た場合に下部構造を有するように見えない繊維を指す。当該凝集物は、2以上の結合したフィブリルを含む。さらに、凝集物内のフィブリルは、典型的に、互いに、実質的に平行に整列している。本願明細書で使用される用語「懸濁された」は、ナノ繊維が、室温で、撹拌していない溶媒中に分布していることを意味する。
【0020】
フィブリルは、典型的に、1〜20nm、あるいは1〜10nm、あるいは2〜6nmの平均幅を有し、フィブリルの幅は当該フィブリルの最大直径である。
【0021】
凝集物は、典型的に、4〜400nm、あるいは10〜300nm、あるいは50〜200nmの平均幅を有し、凝集物の幅は、フィブリルの縦軸に対して垂直に測定された凝集物の最大の寸法である。
【0022】
ナノ繊維は、X線回折によって測定されるように、典型的に、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)、および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Al、あるいは30〜99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)、および1〜70%(重量/重量)のγ−Al、あるいは80〜95%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および5〜20%(重量/重量)のγ−Alを含む(当該ナノ繊維の総(乾燥)重量に基づく)。また、γ−AlO(OH)の重量パーセントおよびγ−Alの重量パーセントの合計は、100%(重量/重量)である。酸化アルミニウム ナノ繊維の乾燥重量は、分散物の試料を、大気圧下で150℃の温度で1時間加熱し、溶媒を除去することによって測定できる。
【0023】
当該酸化アルミニウム ナノ繊維は、未処理の上記ナノ繊維、または、酸化アルミニウム ナノ繊維を含む上述の分散物を、有機ケイ素化合物で処理することによって調製された、処理されたナノ繊維であってもよい。当該有機ケイ素化合物は、シリカフィラーを処理するために典型的に使用される有機ケイ素化合物のいずれかであってもよい(水と反応し、強酸を産生する、ハロシランなどの化合物を除く)。適した有機ケイ素化合物、および分散物を処理する方法は、本発明の酸化アルミニウム分散物を調製する方法における下記の通りである。
【0024】
酸化アルミニウム ナノ繊維の例としては、96%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および4%(重量/重量)のγ−Alを含むナノ繊維(図2に示される)、99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および1%(重量/重量)のγ−Alを含むナノ繊維、80%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および20%(重量/重量)のγ−Alを含むナノ繊維、ならびに上述の酸化アルミニウム ナノ繊維を有機ケイ素化合物で処理することによって調製された、処理されたナノ繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
成分(B)は、単一のタイプのナノ繊維、または少なくとも1つの下記特性(大きさ、形状、γ−AlO(OH)およびγ−Alの重量による割合、または処理のタイプもしくは程度)が異なるナノ繊維を含む混合物であってもよい。
【0026】
成分(B)の濃度は、典型的に、0.1〜70%(重量/重量)、あるいは0.5〜50%(重量/重量)、あるいは1〜20%(重量/重量)である(酸化アルミニウム分散物の総重量に基づく)。成分(B)の重量は、分散物の試料を、大気圧下で150℃の温度で1時間加熱し、溶媒を除去することによって測定できる。
【0027】
当該分散物の酸化アルミニウム ナノ繊維は、本発明の酸化アルミニウム分散物を調製する方法における下記のように調製できる。
【0028】
当該酸化アルミニウム分散物は、付加成分を含むことができる(ただし、当該成分が当該分散物の安定性に悪影響を及ぼさない場合)。付加成分の例としては、分散剤およびカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
当該酸化アルミニウム分散物は、下記の当該分散物の形成を促進し、かつ/または、当該分散物を安定化させる、少なくとも1つの分散剤をさらに含むことができる。分散剤の例としては、界面活性剤およびシリコーン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。当該界面活性剤は、乳剤を調製および/もしくは安定化させるために典型的に使用される、いずれかの陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、または双イオン性の界面活性剤であってもよい。陰イオン性界面活性剤の例としては、アルキルカルボン酸塩(ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸カリウムおよびミリスチン酸ナトリウムなど);不飽和カルボキシレート(オレイン酸ナトリウムなど);エトキシカルボキシレート;アルキルサルフェート(ドデシル硫酸ナトリウムなど);アルコールエーテルサルフェート(ドデシル3−モル エーテル硫酸ナトリウムなど);アルキルアリールスルホネート(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど):ナフタレンおよびアルキルナフタレンスルホネート;エトキシスルホネート(ナトリウム ノニルフェノール2−モル エトキシレート エタンスルホネートなど);α−オレフィンスルホネート;スルホサクシネート(ナトリウム ジ(2−エチルヘキシル)スルホサクシネートなど);リン酸アルキル;およびアルキルエーテルホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
陽イオン性界面活性剤の例としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、およびポリエチレンオキシド修飾陽イオン性界面活性剤(塩化ドデシルメチルポリエチレンオキシドアンモニウムなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
非イオン性界面活性剤の例としては、アルコール エトキシレート(例えば、ヘキサオキシエチレングリコールモノエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、およびポリオキシエチレンステアリルエーテル;アルキルフェノールエトキシレート;脂肪酸エトキシレート(例えば、モノステアリン酸グリセリンおよびステアリン酸ポリオキシエチレンなど);モノアルカノールアミドエトキシレート;ソルビタンエステル(ソルビタンモノパルミタート、および名称 Span(登録商標)(ICI)の下で販売されている界面活性剤など);ソルビタンエステルエトキシレート(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、および名称 Tween(登録商標)(ICI)の下で販売されている界面活性剤など);アミンエトキシレート;エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー(名称 プルロニック(Wyandotte)およびシンペロニック(Synperonic)PE(ICI)の下で販売されている界面活性剤など);グリコールエステル;グリセロールおよびポリグリセロールエステル;グルコシドおよびポリグルコシド;スクロースエステル、ならびにポリオキシエチレン基を含む変性シリコーンオイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
双イオン性界面活性剤の例としては、アミノカルボン酸;N−アルキルベタイン(ラウリルアミドプロピルジメチルベタインなど);N−アルキルアミノプロピオネート;スルホベタイン;およびN−アルキルアミノジプロピオネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
界面活性剤の濃度は、典型的に、0.1〜20%(重量/重量)、あるいは0.5〜15%(重量/重量)、あるいは1〜5%(重量/重量)である(酸化アルミニウム分散物の総重量に基づく)。
【0034】
分散剤はまた、少なくとも1つのシリコーン樹脂であってもよい。当該シリコーン樹脂は、典型的に、Mおよび/またはD シロキサンユニットと組み合わせた、T ユニット、TおよびQ シロキサンユニット、または、Tおよび/もしくはQ シロキサンユニットを含む、コポリマーである。
【0035】
当該シリコーン樹脂は、典型的に、500〜50,000、あるいは500〜10,000、あるいは1,000〜3,000の数平均分子量(M)を有し、当該分子量は、小角レーザー光散乱検出器または屈折率検出器およびシリコーン樹脂(MQ)標準物質を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
【0036】
25℃での当該シリコーン樹脂の粘度は、典型的に、0.01〜100,000 Pa・s、あるいは0.1〜10,000 Pa・s、あるいは1〜100 Pa・sである。
【0037】
第1の実施態様によれば、当該シリコーン樹脂は、式(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(I)(式中、各Rは独立にC〜C10 ヒドロカルビルまたはC〜C10 ハロゲン置換されたヒドロカルビルであり、両方とも脂肪族不飽和を含まず、各Rは独立にRまたはアルケニルであり、wは0〜0.95であり、xは0〜0.95であり、yは0〜1であり、zは0〜0.9であり、y+zは0.1〜1であり、かつw+x+y+z=1であるが、ただし当該シリコーン樹脂は、分子あたり平均して少なくとも2つのケイ素に結合したアルケニル基を有する)を有する。
【0038】
によって表わされるヒドロカルビルおよびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、脂肪族不飽和を含まず、典型的に、1〜10の炭素原子、あるいは1〜6の炭素原子を有する。少なくとも3つの炭素原子を含む、非環式のヒドロカルビルおよびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、分枝構造または非分枝構造を有することができる。Rによって表わされるヒドロカルビル基の例としては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルなど):シクロアルキル(シクロペンチル、シクロヘキシル、およびメチルシクロヘキシルなど);アリール(フェニルおよびナフチルなど);アルカリール(トリルおよびキシリルなど);およびアラルキル(ベンジルおよびフェネチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。Rによって表わされるハロゲン置換されたヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、および2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
によって表わされるアルケニル基(これらは同一であっても、または異なっていてもよい)は、典型的に、2〜約10の炭素原子、あるいは2〜6の炭素原子を有し、ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、およびオクテニルによって例示されるが、これらに限定されない。
【0040】
式(I)のシリコーン樹脂において、添え字 w、x、y、およびzは、モル分率である。添え字 w は、典型的に、0〜0.95、あるいは0〜0.8、あるいは0〜0.2の値を有し、添え字 x は、典型的に、0〜0.95、あるいは0〜0.8、あるいは0〜0.5の値を有し、添え字 y は、典型的に、0〜1、あるいは0.3〜1、あるいは0.5〜1の値を有し、添え字 z は、典型的に、0〜0.9、あるいは0〜0.5、あるいは0〜0.1の値を有し、かつ、合計 y+z は、典型的に、0.1〜1、あるいは0.2〜1、あるいは0.5〜1、あるいは0.8〜1の値を有する。
【0041】
典型的に、シリコーン樹脂中のR基の少なくとも50mol%、あるいは少なくとも65mol%、あるいは少なくとも80mol%はアルケニルである。語句「シリコーン樹脂中のR基のmol%はアルケニルである」は、シリコーン樹脂中のR基の総モル数に対する、当該樹脂中のケイ素に結合したアルケニル基のモル数の比率に、100を乗じたものとして定義される。
【0042】
当該シリコーン樹脂は、29Si NMRによって測定されるように、典型的に、10%(重量/重量)未満、あるいは5%(重量/重量)未満、あるいは2%(重量/重量)未満のケイ素に結合したヒドロキシ基を含む。
【0043】
式(I)を有するシリコーン樹脂の例としては、次式を有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されない:(ViMeSiO1/20.25(PhSiO3/20.75、(ViMeSiO1/20.25(PhSiO3/20.75、(ViMeSiO1/20.25(MeSiO3/20.25(PhSiO3/20.50、(ViMeSiO1/20.15(PhSiO3/20.75(SiO4/20.1、および(ViMeSiO1/20.15(ViMeSiO1/20.1(PhSiO3/20.75(Meはメチルであり、Viはビニルであり、Phはフェニルであり、かつ、括弧の外側の数の添え字はモル分率を意味する)。また、前述の式では、ユニットの配列は不特定である。
【0044】
ケイ素に結合したアルケニル基を含むシリコーン樹脂を調製する方法は当該技術分野で周知である。これらの樹脂のうちの多くは市販されている。これらの樹脂は、典型的に、有機溶媒(トルエンなど)中でクロロシラン前駆体の適切な混合物を同時加水分解することによって調製される。例えば、基本的にRSiO1/2 ユニットおよびRSiO3/2 ユニットからなるシリコーン樹脂は、トルエン中で、式 RSiClを有する化合物および式 RSiCl を有する化合物(RおよびRは、上記で定められ、例示された通りである)を同時加水分解することによって調製できる。塩酸およびシリコーン加水分解物を分離し、当該加水分解物を水で洗浄し、剰余の酸を除き、穏和な縮合触媒の存在下で加熱し、当該樹脂に、必要な粘度まで「粘りを与える(body)」。所望であれば、当該樹脂は、有機溶媒中で縮合触媒でさらに処理し、ケイ素に結合したヒドロキシ基の量を減少させることができる。あるいは、クロロ以外の加水分解性基(−Br、−I、−OCH、−OC(O)CH、−N(CH、NHCOCH、および−SCHなど)を含むシランは、同時加水分解反応における出発物質として利用できる。当該樹脂の生成物の特性は、シランのタイプ、シランのモル比、縮合の程度、および処理条件に依存する。
【0045】
第2の実施態様によれば、当該シリコーン樹脂は、式(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(II)(式中、各Rは独立にC〜C10 ヒドロカルビルまたはC〜C10 ハロゲン置換されたヒドロカルビルであり、両方とも脂肪族不飽和を含まず、各Rは独立にRまたは−Hであり、wは0〜0.95であり、xは0〜0.95であり、yは0〜1であり、zは0〜0.9であり、y+zは0.1〜1であり、かつw+x+y+z=1であるが、ただし当該シリコーン樹脂は、分子あたり平均して少なくとも2つのケイ素に結合した水素原子を有する)を有する。式(II)では、R、w、x、y、z、およびy+zは、式(I)を有するシリコーン樹脂について上記に記載され、例示された通りである。
【0046】
典型的に、当該シリコーン樹脂中のR基の少なくとも50mol%、あるいは少なくとも65mol%、あるいは少なくとも80mol%は水素である。語句「シリコーン樹脂中のR基のmol%は水素である」は、シリコーン樹脂中のR基の総モル数に対する当該樹脂中のケイ素に結合した水素原子のモル数の比率に100を乗じたものとして定められる。
【0047】
当該シリコーン樹脂は、29Si NMRによって測定されるように、典型的に、10%(重量/重量)未満、あるいは5%(重量/重量)未満、あるいは2%(重量/重量)未満のケイ素に結合したヒドロキシ基を含む。
【0048】
式(II)を有するシリコーン樹脂の例としては、次式を有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されない:(HMeSiO1/20.25(PhSiO3/2075、(HMeSiO2/20.3(PhSiO3/20.6(MeSiO3/20.1および(MeSiO1/2)0.1(HSiO2/20.1(MeSiO3/20.4(PhSiO3/20.4(Meはメチルであり、Phはフェニルであり、かつ、括弧の外側の数の添え字はモル分率を意味する)。また、前述の式では、ユニットの配列は不特定である。
【0049】
ケイ素に結合した水素原子を含むシリコーン樹脂を調製する方法は当該技術分野で周知である。これらの樹脂のうちの多くは、市販されている。シリコーン樹脂は、典型的に、有機溶媒(トルエンなど)でクロロシラン前駆体の適切な混合物を同時加水分解することによって調製される。例えば、基本的にRSiO1/2 ユニットおよびRSiO3/2 ユニットからなるシリコーン樹脂は、トルエン中で式 RSiClを有する化合物および式 RSiClを有する化合物(RおよびRは、上記に記載され、例示された通りである)を同時加水分解することによって調製できる。塩酸およびシリコーン加水分解物を分離し、当該加水分解物を水で洗浄し、剰余の酸を除き、穏和な非塩基性縮合触媒の存在下で加熱し、当該樹脂に、必要な粘度まで「粘りを与える(body)」。所望であれば、当該樹脂を有機溶媒中で非塩基性縮合触媒でさらに処理し、ケイ素に結合したヒドロキシ基の量を減少させることができる。あるいは、クロロ以外の加水分解性基(−Br、−I、−OCH、−OC(O)CH、−N(CH、NHCOCH、および−SCHなど)を含むシランは、同時加水分解反応の出発物質として利用できる。樹脂生成物の特性は、シランのタイプ、シランのモル比、縮合の程度、および処理条件に依存する。
【0050】
第3の実施態様によれば、当該シリコーン樹脂は、式(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(III)(式中、各Rは独立にC〜C10 ヒドロカルビルまたはC〜C10 ハロゲン置換されたヒドロカルビルであり、各Rは独立にR、−H、−OH、または加水分解性基であり、wは0〜0.95であり、xは0〜0.95であり、yは0〜1であり、zは0〜0.9であり、y+zは0.1〜1であり、かつw+x+y+z=1であるが、ただしシリコーン樹脂は分子あたり平均して少なくとも2つのケイ素に結合した水素原子、ヒドロキシ基、または加水分解性基を有する)を有する。式(III)では、w、x、y、z、およびy+zは、式(I)を有するシリコーン樹脂について上記に記載され、例示された通りである。
【0051】
によって表わされるヒドロカルビル、およびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、典型的に、1〜10の炭素原子、あるいは1〜6の炭素原子、あるいは1〜4の炭素原子を有する。少なくとも3つの炭素原子を含む非環式のヒドロカルビルおよびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、分枝構造または非分枝構造を有することができる。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルなど);シクロアルキル(シクロペンチル、シクロヘキシルおよびメチルシクロヘキシルなど);アリール(フェニルおよびナフチルなど):アルカリール(トリルおよびキシリルなど);アラルキル(ベンジルおよびフェネチルなど);アルケニル(ビニル、アリル、およびプロペニルなど);アリールアルケニル(スチリルおよびシンナミルなど);およびアルキニル(エチニルおよびプロピニルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン置換されたヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルおよび2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本願明細書で使用される用語「加水分解性基」は、触媒の存在下または不存在下のいずれかにおいて、室温(約23±2℃)〜100℃のいずれかの温度で、数分間(例えば30分間)以内に水と反応し、シラノール(Si−OH)基を形成する、ケイ素に結合した基を意味する。Rによって表わされる加水分解性基の例としては、−Cl、−Br、−OR、−OCHCHOR、CHC(=O)O−、Et(Me)C=N−O−、CHC(=O)N(CH)−、および−ONH(式中、RはC〜C ヒドロカルビルまたはC〜C ハロゲン置換されたヒドロカルビルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
によって表わされるヒドロカルビルおよびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、典型的に、1〜8の炭素原子、あるいは3〜6の炭素原子を有する。少なくとも3つの炭素原子を含む非環式のヒドロカルビルおよびハロゲン置換されたヒドロカルビル基は、分枝構造または非分枝構造を有することができる。ヒドロカルビルの例としては、非分枝アルキルおよび分枝アルキル(メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルなど);シクロアルキル(シクロペンチル、シクロヘキシル、およびメチルシクロヘキシルなど);フェニル;アルカリール(トリルおよびキシリルなど);アラルキル(ベンジルおよびフェネチルなど);アルケニル(ビニル、アリル、およびプロペニルなど);アリールアルケニル(スチリルなど);およびアルキニル(エチニルおよびプロピニルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン置換されたヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、およびジクロロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
典型的に、当該シリコーン樹脂のR基のうちの少なくとも2mol%、あるいは少なくとも10mol%、あるいは少なくとも30mol%は、水素、ヒドロキシ、または加水分解性基である。語句「当該シリコーン樹脂のR基のmol%は水素、ヒドロキシ、または加水分解性基である」は、当該シリコーン樹脂中のR基の総モル数に対する当該樹脂中のケイ素に結合した水素、ヒドロキシ、または加水分解性基のモル数の比率に、100を乗じたものとして定義される。
【0055】
式(III)を有するシリコーン樹脂の例としては、次式を有する樹脂が挙げられるがこれらに限定されない:(MeSiO3/2、(PhSiO3/2、(MeSiO1/20.8(SiO4/20.2、(MeSiO3/20.67(PhSiO3/20.33、(MeSiO3/20.45(PhSiO3/20.40(PhSiO2/20.1(PhMeSiO2/20.05、(PhSiO3/20.4(MeSiO3/20.45(PhSiO3/20.1(PhMeSiO2/20.05、および(PhSiO3/20.4(MeSiO3/20.1(PhMeSiO2/20.5(Meはメチルであり、Phはフェニルであり、括弧の外側の数の添え字はモル分率を意味し、かつ、添え字 n は、当該シリコーン樹脂が500〜1,000,000の重量平均分子量を有するような値を有する)。また、前述の式では、ユニットの配列は不特定である。
【0056】
ケイ素に結合した水素原子、ヒドロキシ基、または加水分解性基を含むシリコーン樹脂を調製する方法は、当該技術分野で周知である。これらの樹脂のうちの多くは、市販されている。シリコーン樹脂は、典型的に、有機溶媒(トルエンなど)中でシラン前駆体の適切な混合物を同時加水分解することによって調製される。例えば、シリコーン樹脂は、トルエン中で式 RSiXを有するシラン、および式 RSiX を有するシラン(RはC〜C10 ヒドロカルビルまたはC〜C10 ハロゲン置換されたヒドロカルビル(hydrocarby)であり、RはR、−H、または加水分解性基であり、Xは加水分解性基であるが、ただしRが加水分解性基である場合、XはRよりも加水分解反応において反応性がある)を同時加水分解することによって調製できる。塩酸およびシリコーン加水分解物を分離し、当該加水分解物を水で洗浄し、剰余の酸を除去し、穏和な縮合触媒の存在下で加熱し、当該樹脂に必要な粘度まで「粘りを与える」(すなわち、縮合する)。所望であれば、当該樹脂を、有機溶媒中で縮合触媒によってさらに処置し、ケイ素に結合したヒドロキシ基の量を減少できる。
【0057】
当該シリコーン樹脂は、単一のシリコーン樹脂、または2以上の異なるシリコーン樹脂(それぞれ上記の通りである)を含む混合物であってもよい。
【0058】
当該シリコーン樹脂の濃度は、典型的に、0.1〜60%(重量/重量)、あるいは2〜20%(重量/重量)、あるいは5〜10%(重量/重量)(酸化アルミニウム分散物の総重量に基づく)である。
【0059】
上述の通り、当該酸化アルミニウム分散物は、少なくとも1つのカルボン酸をさらに含むことができる。当該カルボン酸は、酸化アルミニウム分散物を調製する方法において下記に記載され例示された通りである。当該カルボン酸は、単一のカルボン酸または2以上の異なるカルボン酸を含む混合物であってもよい。
【0060】
当該カルボン酸の濃度は、典型的に、0.1〜40%(重量/重量)、あるいは0.5〜15%(重量/重量)、あるいは2〜10%(重量/重量)(酸化アルミニウム分散物の総重量に基づく)である。
【0061】
本発明の酸化アルミニウム分散物を調製する方法は、
(i)0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維、水、ならびにカルボン酸を含む混合物を加熱し、分散物および残渣を産生する工程であって、当該分散物は当該水中に分散された酸化アルミニウム ナノ繊維を含む工程と、
(ii)当該分散物を当該残渣から分離する工程と、を含む。
【0062】
当該酸化アルミニウム分散物を調製する方法の工程(i)では、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維、水、ならびにカルボン酸を含む混合物を加熱し、分散物および残渣を産生し、当該分散物は当該水中に分散された酸化アルミニウム ナノ繊維を含む。
【0063】
当該混合物は、X線回折を使用して測定されるように、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Al、あるいは30〜99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および1〜70%(重量/重量)のγ−Al、あるいは80〜95%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および5〜20%(重量/重量)のγ−Al(当該繊維の総重量に基づく)を含む酸化アルミニウム繊維を含む。また、γ−AlO(OH)の重量パーセントおよびγ−Al の重量パーセントの合計は100%(重量/重量)である。
【0064】
本願明細書で使用される用語「酸化アルミニウム繊維」は、繊維を含む酸化アルミニウム粒子を指す。当該粒子は、典型的に、0.1〜400μm、あるいは10〜150μmの中央粒子サイズを有する。上記分散物の酸化アルミニウム ナノ繊維と異なり、当該酸化アルミニウム繊維は、連続的な撹拌なしでは、溶媒中に分散されたままではいないだろう。
【0065】
本発明の方法の酸化アルミニウム繊維は、ベーマイト(γ−AlO(OH))、ベーマイトおよびγ−Alを含む混合物、またはベーマイトおよび三水酸化アルミニウム(Al(OH))の混合物を含む水酸化アルミニウム繊維を、少なくとも450℃の温度で加熱することによって調製できる。本願明細書で使用される用語「水酸化アルミニウム繊維」は、繊維を含む水酸化アルミニウム粒子を指す。当該粒子は、典型的に、0.1〜400μm、あるいは10〜150μmの中央粒子サイズを有する。
【0066】
当該水酸化アルミニウム繊維は、典型的に、450〜800℃の温度で、大気圧で、いずれのAl(OH)もベーマイトに、かつ少なくとも一部のベーマイトをγ−Alに変換するのに十分な時間加熱される。あるいは、当該水酸化アルミニウム繊維は、400〜600℃、あるいは450〜550℃の温度で加熱できる。
【0067】
所定の時間に450〜800℃の範囲で加熱温度が増加するにつれて、酸化アルミニウム繊維中のγ−Alの濃度は増加する。加熱時間は、水酸化アルミニウム繊維の組成および温度に依存する。典型的に、当該水酸化アルミニウム繊維は、10〜240分間、450〜800℃の温度で加熱され、0.01〜95%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維を産生する。ベーマイトおよびγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維はまた、名称 NanoCeram(登録商標)γ アルミナ繊維の下で市販されている(Argonide社(フロリダ州、サンフォード)による)。
【0068】
当該水酸化アルミニウム繊維は、当該技術分野で公知の様々な方法を使用して調製できる。例えば、当該水酸化アルミニウム繊維は、米国特許第6,838,005(B2)号明細書に記載の空気または窒素下で、アルミニウムワイヤの高電圧接触爆発法(electroplosion);米国特許第3,031,417号明細書記載の炭酸を含む、アルミナ水和物ゲルと、酢酸またはギ酸との、自己圧下での加熱;または米国特許第2,915,475号明細書記載の、強酸の存在下での、アルミナの水性の分散物の加熱によって調製できる。ベーマイトおよびAl(OH)を含む水酸化アルミニウム繊維はまた、名称 NanoCeram(登録商標)ベーマイト繊維の下で市販されている(Argonide社(フロリダ州、サンフォード)による)。
【0069】
当該混合物は、少なくとも1つのカルボン酸を含む。当該カルボン酸は、典型的に、水または水および水溶性アルコールの混合物に可溶性である。当該カルボン酸は、典型的に、1〜6の炭素原子を有する。当該カルボン酸は、モノカルボン酸またはジカルボン酸であってもよい。
【0070】
カルボン酸の例としては、モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸など);およびジカルボン酸(酪酸、シュウ酸、マロン酸およびコハク酸など)が挙げられるが、これらに限定されない。当該カルボン酸は、単一のカルボン酸または2以上の異なるカルボン酸(それぞれ上記の通りである)を含む混合物であってもよい。
【0071】
当該混合物は、少なくとも1つの水溶性アルコール(メタノール、エタノール、およびプロパノールなど)をさらに含んでいてもよい。
【0072】
当該混合物は、還流条件下で加水分解反応を行なうのに適した、いずれかの標準的な反応器中で加熱できる。適した反応器としては、ガラスおよびテフロン(登録商標)で覆ったガラス反応器が挙げられる。好ましくは、当該反応器は、撹拌の手段(撹拌機など)を備えている。当該混合物は、空気または不活性雰囲気(窒素またはアルゴンなど)下で加熱できる。
【0073】
酸化アルミニウム繊維、水、およびカルボン酸は、いずれの順序でも混合できる。典型的に、当該酸化アルミニウム繊維は、水に撹拌しながら加えられ、次いで、酢酸が添加される。
【0074】
当該混合物中の酸化アルミニウム繊維の濃度は、典型的に、0.1〜70%(重量/重量)、あるいは1〜50%(重量/重量)、あるいは2〜20%(重量/重量)(当該混合物の総重量に基づく)である。当該繊維の重量は、当該混合物の試料を大気圧下で150℃の温度で1時間加熱し、溶媒を除去することによって測定できる。
【0075】
当該混合物中の水の濃度は、酸化アルミニウム繊維の重量に対する水の重量比が、典型的に、0.5〜1000、あるいは5〜500、あるいは20〜100となるような濃度である。
【0076】
当該混合物中のカルボン酸の濃度は、酸化アルミニウム繊維のモル数に対する当該酸のカルボキシ基(−COH)のモル数の比率が、典型的に、0.1〜20、あるいは0.5〜10、あるいは1〜5となるような濃度である。上述の通り、当該酸化アルミニウム繊維は、γ−AlO(OH)およびγ−Alを含む。しかし、本願明細書で使用される用語「酸化アルミニウム繊維のモル」は、単純化した式 Alに基づく酸化アルミニウム繊維のモル数を指す。
【0077】
当該反応は、典型的に、混合物の沸点で、還流条件下で、周囲圧力で行なわれる。温度が混合物の沸点未満である場合、酸化アルミニウム分散物の形成の速度は、典型的に非常に遅い。
【0078】
加熱時間は、いくつかの要因(酸化アルミニウム繊維に対するカルボン酸のモル比、酸化アルミニウム繊維に対する水の重量比、および温度など)に依存する。混合物の沸点と等しい温度で、周囲圧力下の場合に、反応時間は、典型的に1〜164時間、あるいは10〜48時間である。最適反応時間は、下記実施例の項に記載された方法を使用して、ルーチンの実験法によって決定できる。
【0079】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法の工程(ii)では、当該分散物は、残渣から分離される。適した方法の例としては、デカンテーション、濾過、および遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、当該分散物は、混合物を2000rpm(半径=6インチ(約15cm))で30分間遠心分離することによって、残渣から分離できる。
【0080】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法は、工程(ii)の後に、分離された分散物を有機溶媒で希釈する工程、または分離された分散物中の少なくとも一部の水を(水溶性または不水溶性の)有機溶媒で置き換える工程をさらに含むことができる。後者は、有機溶媒を分離された分散物に加え、第2の混合物を形成し、得られた第2の混合物を蒸留し、少なくとも一部の水を除去することによって行なうことができる。あるいは、下記のように、水は、分離された分散物からカルボン酸を除去した後に置き換えることができる。
【0081】
有機溶媒は、水と完全に混和性、部分的に混和性、または非混和性であり、本発明の方法の条件下で酸化アルミニウム分散物と反応しない、いずれかの非プロトン性または双極性の非プロトン性有機溶媒であってもよい。好ましくは、当該有機溶媒は、水と最低沸点共沸混合物を形成する。有機溶媒が水と共沸混合物を形成しない場合、当該有機溶媒は、好ましくは、水の沸点よりも高い沸点を有する。そうでなければ、その有機溶媒は、蒸留の間に、完全に除去される可能性がある。有機溶媒は、本発明の分散物について、上記に記載され、例示された通りである。当該有機溶媒は、単一の有機溶媒または2以上の異なる有機溶媒(それぞれ上記で定義された通りである)を含む混合物であってもよい。
【0082】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法は、工程(ii)の後に、分離された分散物からカルボン酸を除去する工程をさらに含むことができる。当該カルボン酸は、分散物を陰イオン交換樹脂による処置および蒸留などの従来の方法を使用して、当該分散物から除去できる。例えば、カルボン酸は、分散物を蒸留し、分散物に水を定期的に加え、当初の量に戻すことによって分散物から除去できる。あるいは、カルボン酸は、少なくとも一部の水を有機溶媒と置き換えた後に、分散物から除去できる。
【0083】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法は、分離された分散物を有機ケイ素化合物で処置し、処置された酸化アルミニウム ナノ繊維を産生する工程をさらに含むことができる。当該有機ケイ素化合物は、シリカフィラーを処置するために一般的に使用される有機ケイ素化合物のいずれであってもよい(ハロシランを除く)。有機ケイ素化合物の例としては、オルガノシロキサン(ヒドロキシで末端封鎖された(hydroxy− endblocked)ジメチルシロキサンオリゴマー、ヘキサメチルジシロキサン、およびテトラメチルジビニルジシロキサンなど);オルガノシラザン(ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザンなど);およびオルガノアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなど)が挙げられるが、これらに限定されない。当該有機ケイ素化合物は、単一の有機ケイ素化合物または2以上の異なる有機ケイ素化合物(それぞれ上記の通りである)を含む混合物であってもよい。
【0084】
有機ケイ素化合物の濃度は、酸化アルミニウム ナノ繊維の重量に対する有機ケイ素化合物の重量比が、典型的に、0.01〜10、あるいは0.1〜5、あるいは0.5〜2となるような濃度である。当該酸化アルミニウム ナノ繊維の重量は、当該分散物の試料を、大気圧下で、150℃で1時間加熱した後に得られるナノ繊維の乾燥重量を指す。
【0085】
当該酸化アルミニウム ナノ繊維を含む分離された分散物は、当該分散物および有機ケイ素化合物を適温で混合することによって、有機ケイ素化合物で処置できる。例えば、上述の成分は、典型的に、0〜90℃の温度で、0.5〜24時間混合される。
【0086】
あるいは、当該酸化アルミニウム ナノ繊維を含む分離された分散物は、酸化アルミニウム分散物、有機ケイ素化合物、および水に非混和の有機溶媒を混合し、当該ナノ繊維を含む有機相および水相を産生し、当該水相から当該有機相を分離することによって、有機ケイ素化合物で処置することができる。当該酸化アルミニウム ナノ繊維を含む有機相は、混合物の撹拌を中止し、当該混合物を2層に分離させ、かつ、水層または有機層を除去することによって水相から分離できる。あるいは、当該酸化アルミニウム ナノ繊維を含む有機相は、混合物を蒸留し、水または有機溶媒を除去することによって水相から分離できる。
【0087】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法は、分離された分散物を分散剤で処置する工程をさらに含むことができる。当該分散剤は、本発明の分散物について、上に記載され、例示された通りである。あるいは、当該分散物は、少なくとも一部の水を置き換えた後、かつ/または、上記カルボン酸を除去した後に、分散剤によって処置できる。
【0088】
本発明の酸化アルミニウム分散物は、溶媒中に分散されたγ−AlO(OH)およびγ−Alの両方を含むナノ繊維を含む。当該溶媒は水、有機溶媒、または水および有機溶媒の混合物であってもよい。さらに、当該分散物は、典型的に安定であり、すなわち、少なくとも2ヶ月間撹拌することなく、室温(約23±2℃)に保たれた場合に、当該分散物は肉眼で見える沈降物を形成しない。さらに、当該分散物は、酸安定剤の不存在下で安定である。さらに、ベーマイト繊維と比較して、本発明のナノ繊維は、高い熱安定性を有しており、すなわち、これは約500℃未満の温度で酸化アルミニウムの他の結晶形態に変換しない。
【0089】
本発明の酸化アルミニウム分散物は、多数の用途を有する。特に、当該分散物は、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーと混合することができ、低い熱膨張係数、低いモジュラス、および高い硬度を有する、強化された生成物を形成する。
【実施例】
【0090】
下記の実施例は、本発明の酸化アルミニウム分散物および方法をよりよく説明するために示されるが、添付の請求項で示された本発明を制限するものとして考慮されるものではない。別段の記載がない限り、実施例中で報告された全てのパーセンテージは重量による。
【0091】
酸化アルミニウム繊維に対する酢酸のモル比は、酸化アルミニウム繊維が式 Alを有すると仮定することによって算出した。
【0092】
透過型電子顕微鏡観察のための酸化アルミニウム ナノ繊維の検体は、分散物の希釈された試料(1.0gの分散物を、199.0gの蒸留水で希釈した)を検体ホルダーに入れ、水を周囲条件下で蒸発させることによって調製した。
【0093】
酸化アルミニウム繊維は、NanoCeram(登録商標) γ アルミナ繊維 ナノ粉末(Argonide社(フロリダ州、サンフォード)によって販売されている)を、空気中で、約500℃で、1時間加熱することによって調製された繊維である。加熱処理された繊維は、96%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および4%(重量/重量)のγ−Al(X線回折によって測定した)を含んでいた。
【0094】
(実施例1)
酸化アルミニウム繊維(2.0g)、4.4gの酢酸、および35.6gの脱イオン水を、冷却器、撹拌機、および加熱マントルを備えた100mL 丸底フラスコ中で混合した。アルミナ繊維に対する酢酸のモル比は、3.74だった。当該混合物を、還流まで、撹拌しながら加熱した。当該混合物を、還流で120時間加熱し、次いで、室温まで冷却させた。次いで、当該混合物を2000rpmで30分間遠心分離した。上澄みの分散物を残渣から分離した。当初の固形物のうち約20%(重量/重量)が、分散したナノ繊維として、水性の溶媒中で分散した。当該酸化アルミニウム繊維の走査型電子顕微鏡写真を図1に示した。当該酸化アルミニウム ナノ繊維の透過型電子顕微鏡写真を図2に示した。
【0095】
(実施例2)
酸化アルミニウム繊維(2.0g)、2.2gの酢酸、および35.6gの脱イオン水を、冷却器、撹拌機、および加熱マントルを備えた100mL 丸底フラスコ中で混合した。アルミナ繊維に対する酢酸のモル比は、1.87だった。当該混合物を、還流まで、撹拌しながら加熱した。当該混合物を、還流で120時間加熱し、次いで、室温まで冷却させた。次いで、当該混合物を2000rpmで、30分間遠心分離した。上澄みの分散物を残渣から分離した。当初の固形物のうち約32%(重量/重量)が、分散したナノ繊維として、水性の溶媒中で分散した。
【0096】
(実施例3)
酸化アルミニウム繊維(2.0g)、1.1gの酢酸、および36.9gの脱イオン水を、冷却器、撹拌機、および加熱マントルを備えた100mL 丸底フラスコ中で混合した。アルミナ繊維に対する酢酸のモル比は0.94だった。当該混合物を、還流まで、撹拌しながら加熱した。当該混合物を、還流で120時間加熱し、次いで、室温まで冷却させた。次いで、当該混合物を、2000rpmで、30分間遠心分離した。上澄みの分散物を、残渣から分離した。当初の固形物のうち約71%(重量/重量)が、分散したナノ繊維として、水性の溶媒中で分散した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)30〜99.9%(重量/重量)の溶媒と、
(B)前記溶媒中に分散した0.1〜70%(重量/重量)の酸化アルミニウム ナノ繊維と、を含む酸化アルミニウム分散物であって、
前記ナノ繊維は、0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)と、0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alと、を含む酸化アルミニウム分散物。
【請求項2】
前記溶媒は水である請求項1記載の分散物。
【請求項3】
前記溶媒は有機溶媒である請求項1記載の分散物。
【請求項4】
前記溶媒は、有機溶媒および水を含む混合物である請求項1記載の分散物。
【請求項5】
前記ナノ繊維は、30〜99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)と、1〜70%(重量/重量)のγ−Alと、を含む請求項1記載の分散物。
【請求項6】
前記ナノ繊維は三水酸化アルミニウムを含んでいない請求項1記載の分散物。
【請求項7】
前記ナノ繊維は処理されている請求項1記載の分散物。
【請求項8】
前記ナノ繊維は処理されていない請求項1記載の分散物。
【請求項9】
分散剤をさらに含む請求項1記載の分散物。
【請求項10】
前記分散剤は、界面活性剤およびシリコーン樹脂から選択される請求項9記載の分散物。
【請求項11】
酸化アルミニウム分散物を調製する方法であって、当該方法は、
(i)0〜99.99%(重量/重量)のγ−AlO(OH)および0.01〜100%(重量/重量)のγ−Alを含む酸化アルミニウム繊維、水、およびカルボン酸を含む混合物を加熱し、分散物および残渣を産生する工程であって、前記分散物は、前記水中に分散された酸化アルミニウム ナノ繊維を含む工程と、
(ii)前記分散物を前記残渣から分離する工程と、を含む方法。
【請求項12】
工程(ii)の後に、前記分離された分散物の少なくとも一部の水を有機溶媒と置き換える工程をさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項13】
工程(ii)の後に、前記分離された分散物から前記カルボン酸を除去する工程をさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
工程(ii)の後に、前記分離された分散物を有機ケイ素化合物で処理する工程をさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項15】
請求項11記載の方法に従って調製された酸化アルミニウム分散物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−500485(P2011−500485A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528915(P2010−528915)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/075090
【国際公開番号】WO2009/051905
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(506143975)ダウ コーニング コーポレーション (19)
【Fターム(参考)】