説明

酸化セリウム安定化ジルコニアとジルコニアがドープされたアルミナとのナノ構造複合材料、使用方法、並びにその製造方法

本発明は、γ−アルミナがドープされた、酸化セリウム安定化ジルコニアと、ジルコニアがドープされたα−アルミナとのナノ構造複合材料、それを得るための方法、並びに、例えば、人工膝関節、人工股関節、人工歯根、ポンプ用の機械機器、アルカリ電池、定位神経学用のセラミック機器、刃物などへのその応用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、人工膝関節、人工股関節、人工歯根、ポンプ用の機械機器、アルカリ電池、定位神経学用のセラミック機器、刃物などへの応用に非常に適している、優れた機械的特性を有する、ジルコニアとアルミナとのナノ構造複合材料を製造するための方法に関する。
【0002】
〔従来技術〕
長い間、セラミックス材料は、あらゆる種類の関節、主に人工股関節および人工膝関節の人工的代替物として使用されている。アルミナは整形外科インプラントとして使用されている最も先進的なセラミックスの一つであった(Christel, P. Meunier, A., Dorlot, J.M., Crolet, J.M., Witvoet, J., Sedei, L., et al., Ann. NY Acad. Sci., 523: 234-56, (1998))。しかし、この材料で形成される関節の高脆弱性及び結果として生じる失敗は、医療グレードのジルコニアの使用を助長した。2005年までに、600,000を超えるジルコニア大腿骨頭が世界中、特にUSA及びヨーロッパにおいて移植された。ジルコニア材料の硬度における改良は、相転移強化機構(phase-transformation toughening mechanism)として文献に広く記載されており、相転移強化機構は、室温でジルコニアの準安定な正方晶相から安定な単斜晶相への転移を含み、結果として生じる体積膨張とともに、重要な圧縮応力を引き起こす。正方晶相(高温)から単斜晶相(室温)へのこの可逆的な転移を防止するためには、通常、ジルコニアに、ある特性を有する酸化物(例えば、CaO、MgO、Y、CeO)がドープされる。これにより、ジルコニアは、室温で正方晶構造を保持することが可能となる。その結果、亀裂の伝播を防止することによって、t→m転移により引き起こされる応力が制御され、結果として、材料の強度を向上させることができる(Nelly, J.B., and Denry, I., Dental Materials, 24, 289-298, (2008))。しかしながら、正方晶のジルコニアのこの準安定な特徴のため、その加工により(例えば、焼結部品の機械加工、及びその研磨でさえ)、単斜晶への自発的な転移が引き起こされ、結果としてセラミックス片が不安定になる。また、他方では、水と同様に、室温で体液に接触した安定化ジルコニアの品質が低下することは、よく証明されている(Sato, T., Ohtaki, S., Shimada, M., J. Mater. Sci., 20, 1466-1470, (1985))、(Sato, T., Shimada, M., J. Am. Ceram. Soc., 67, 212-213, (1984))、(Sato, T., Shimada, M., J. Am. Ceram. Soc., 68, 256-359, (1985))、(Lange, F.F., Dunlop, G.L., Davis, B.I., J. Am. Ceram. Soc., 69, 237-240, (1986))、(Chevalier, J., Cales, B., Drouin, J.M, J. Am. Ceram. Soc., 82, 2150-2154, (1999))、(Guo, X., J. Phys. Chem. Solids, 60, 539-546, (1999))。この理由のため、予期される壊滅的破損を考慮し、単斜晶セラミックス材料は関節としては、もはや使用されない。この現象は、ジルコニアの老朽化(ageing)として知られており、粒子及び微小ひび割れの出現とともに、焼結部の表面に複合的な影響を及ぼす。この現象は、酸化セラミックス材料においてより強調される。この現象は、亀裂の頂点で起こる水の吸収が原因であり、亀裂の伝播及び材料破壊の遅延を促進する、高湿度状態又は大気に接触した条件下での界面エネルギーの大きな減少を引き起こす。この現象はガラスにて最初に発見されたが、現在では、ほとんどのセラミックス材料で認められている(B. Lawn; Fracture of Brittle Solids, Cambridge University Press, (1993))。
【0003】
亀裂の緩やかな広がりが生じることを防止するために、このような現象に対して実質的には感受性が低い、共有結合を有するセラミックス(例えば、炭化シリコン又は窒化シリコン)を使用することが可能であるが、当該セラミックスはコストのかかる加工方法を要求する。この加工方法においては、人工空気炉を使用して焼結する必要があるため、高温になることが主な理由である。
【0004】
一方、ジルコニアの転移強化機構は、アルミナの機械的な動きの改良に特に応用されており、高い硬度、高い化学的安定性及び高い耐食性を有しており、その理由のため、産業、特に耐熱材料の分野において最も広く使用されているセラミックス材料の一つである。しかしながら、アルミナは、構造的な応用又は構造的な医療応用において、それを当てにならない材料にする低い破壊靱性(KIC)を有している。したがって、単斜晶アルミナの構造的挙動を改良するために、例えば、ジルコニアがドープされたアルミナの複合材料が広く研究されている(D.J. Green, R.H.J. Hannink, M.W. Swain, Transformation toughening of ceramics; (1989) p. 232)、(N. Claussen, J. Am. Ceram. Soc.; 59 [1-2], 49-51, (1976))、(N. Claussen, J. Steeb and R.F. Pabst, Am. Ceram. Soc. Bull.; 56 [6], 559-562, (1977))、(F.F. Lange, J. Mater. Sci.; 17, (1982) 247-254)、(S. Hori, M. Yoshimura, S. Somiya, J. Am. Ceram. Soc.; 69, 169, (1986))、(P.F. Becher, K.B. Alexander, A. Bleier, S.B. Waters, W.H. Warwick, J. Am. Ceram. Soc.; 76, 657, (1993))。
【0005】
アルミナ材料における第二相としての正方晶ジルコニアの添加は、単斜晶アルミナで製造されるそれらと比較すると、屈曲及び疲労に対する耐性並びに破壊靱性の増加をもたらす。これら複合材料の加工には、酸化イットリウム、酸化チタン又は酸化セリウム安定化ジルコニアが一般的に使用されており、焼結した材料の冷却時にジルコニアが正方晶−単斜晶の相変化を受けないようにしている。ZTA(ジルコニア強化アルミナ)と呼ばれるこれらの材料の強化メカニズムは、亀裂がジルコニア粒子の位置する場所に到達するときに作用し、ジルコニア結晶によるエネルギー吸収、及び正方晶相から単斜晶相へのその結晶構造の変化を促進する。この構造の変化は体積の増加を引き起こし、当該体積の増加は、亀裂の停止に貢献するアルミナマトリックスにおいて、圧縮応力を生じさせ、それによって、その後生じるどんな亀裂成長に対しても、エネルギー障壁を形成する。
【0006】
ZTA複合材料は、様々な手段により得ることができる。従来の加工は、機械的な粉末の混合及び/又は粉砕を含んでおり、アルミナの分散懸濁液の状態での、アトリッションミル又はジルコニウムアルコキシドの加水分解を用いている(B.J. Fegley, P. White, H.K. Bowen, J. Am. Ceram. Soc.; 68 [2]: C 60-62, (1985))、(G.l. Messing, S.I. Hirano, H. Hausner, Ceramic Powder Science III; 979, (1990))。しかし、これらの加工は、均一に分散した粉末サイズの結晶粒がもつミクロ構造に到達することはできない。
【0007】
従来方法の制限を解決するために、科学文献はアルミナ−ジルコニアのナノ複合材料を合成するための、コロイドを利用した手段に言及している。ジルコニアに安定剤を使用しないことが特徴であり、ジルコニアのナノ相の最終的な均一分布は、粒子の縁部及びアルミナ結晶の内部の両方において得られる(M. Schehl, L.A. Diaz and R. Torrecillas, Acta Materialia; 50, [5], 1125-1139, (2002))。上記加工方法にて述べたように、得られるジルコニアのサイズは、単斜晶のジルコニアへの自発的な転移のため、臨界サイズ以下なので、安定剤の使用は避けられる(Heder, A.H., Claussen, N., Priven, W.M., Rule, M., J. Am. Ceram. Soc., 65, 642-650, (1982))。他方では、ジルコニアのナノ粒子の最終的な均一分布は、焼結中のミクロ構造の発展及び、結果として、高密度材料の特性に重大な影響を与える。
【0008】
記載されている手段に従うことで、単斜晶アルミナの値に対して破壊靱性(KIC)が著しく増加し、6.5MPa・m1/2にさえ到達している(M. Schehl, L.A. Diaz and R. Torrecillas, Acta Materialia; 50, [5], 1125-1139, (2002))。高い値のKICは適切ではあるが、この新しい加工手段の最も重要な側面は、亀裂の伝播の危険性がない下限界応力拡大係数(stress intensity factor threshold)KI0が増加することであり、結果として得られる材料のKIC及びKI0の値は非常に近い(J. Chevalier, S. Deville, G. Fantozzi, J.F. Bartolome, C. Pecharroman, J. S. Moya, L.A. Diaz, and R. Torrecillas, 5-7, 1297-1301, (2005))。
【0009】
また、他の著者は、アルミナの複合材料の硬度の改良を提案しており、酸化セリウム安定化ジルコニア(Ce−TZP)の第二相を利用している。予想通り、これらの材料におおいてCe−TZPを使用することにより、破壊靱性がアルミナ−ジルコニアのナノ複合材料が示すよりもかなり高い。したがって、酸化セリウムの量、材料のミクロ構造及び転移した単斜晶ジルコニアの割合を制御することによって、16MPa・m1/2よりも大きい破壊靱性の値が、10%〜12%の間のモル比の酸化セリウムを用いた場合に達成され得る(K. Tsukuma, M. Shimada, J. Mater. Sci., 20, 1178-84, (1985))。
【0010】
この考えに従って、二重ナノ構造と呼ばれるアルミナ及びCe−TZPの複合材料を得るための方法を開示している著者もいる(M. Nawa, K. Yamaguchi, M. Toki, U.S. Patent 7012036, of 14 March 2006)。この材料のミクロ構造は、酸化セリウム安定化ジルコニア粒子の最初のグループの存在によって特徴付けられ、アルミナ結晶は第二相として分散しており、これらの結晶は順番に、より小さな安定化ジルコニア結晶を含んでいる。このナノ複合材料の加工は、粉末を混合する従来の方法によって行なわれ、この場合においてはナノメートルサイズの粉末を使用している。この材料は、浸透型のナノ構造を有するナノ複合材料であると言える(M. Nawa and K. Niihara, Ceramic based nanocomposites. In: “Metal and Ceramic Matrix Composites”, Edited by B. Cantor, F. Dunne and I. Stone, IOP Publishing Ltd., chapter 22, (2004))。ナノ複合材料において測定された機械的特性及び亀裂の緩やかな広がりは、ほぼ4.5MPa・m1/2のKI0値及び8.8MPa・m1/2のKIC値であり、当該値は単斜晶アルミナ及びジルコニア型の関節の医療基準より上である(R. Benzaid, J. Chevalier, M. Saadaoui, G. Fantozzi, M. Nawa, L. A. Diaz, R. Torrecillas, Biomaterials, 3636-3641, (2008))。
【0011】
本発明案は、従来知られているアルミナ−ジルコニア−セリウム酸化物(alumina-zirconia-cerium oxide)材料の低い信用性を回復させる新規な製造方法を提供する。このナノ複合材料は、9MPa・m1/2及び4.5MPa・m1/2よりも大きい値のKIC及びKI0を同時に示し、それぞれ、二種類のナノ粒子(一方は酸化セリウム安定化ジルコニアのナノ粒子及び他方はアルミナ)を二重ドープすることで得られる。ドープした後、ドープされたナノ粒子の両方のグループを焼結により混合し、今までに知られているアルミナ−ジルコニア材料によって観察されるよりも非常に高い下限界応力拡大係数KI0を有する材料を製造する。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、γ−アルミナがドープされた酸化セリウム安定化ジルコニアと、ジルコニアがドープされたα−アルミナと、のナノ構造複合材料、それを得るための方法、並びにその応用を提供する。
【0013】
本発明の第一の形態は、以下を含むナノ構造複合材料(以下、発明に係る材料)に関する:
(a)γ−Alがドープされ、粒子の平均寸法が50〜1000nmの間であるCeO安定化ZrO、及び、
(b)ZrOがドープされ、粒子の平均寸法が150〜400nmの間であるα−Al
上記(a)において、γ−Alの体積濃度が、上記(a)の全体に対して5%〜50%の間になるようにドープされており、上記γ−Alの粒子の平均寸法は50nmよりも小さく、
上記(b)において、ZrOの粒子の平均寸法は40nm以下であり、ZrOの質量濃度が、上記(b)の全体に対して0.5%〜5%の間になるようにドープされている。
【0014】
本発明において、複合材料は以下の特性を満たしているものであると理解される:
それらは、一見したところ物理的には区別できず、かつ機械的に分離できない二つ以上の構成要素から形成されている;
それらは、鉱物学的に異なっており、完全には溶解せず、中間相によって分離されているいくつかの相が存在する;
それらの機械的特性は、それらの構成の特性を単に合計したものよりも大きい(相乗効果)。
【0015】
「ナノ構造」という用語は、分子構造と微視的構造との間の中間的なサイズ(ナノ−マイクロメートルサイズ)を有する構造を指している。ナノ粒子は、それぞれの空間において、0.1nm〜100nmの間のサイズを有し得る。
【0016】
本発明に係る材料の好ましい実施形態において、CeOのモル濃度は、(a)におけるCeO安定化ZrOの全体に対して、10%〜12%の間であり、γ−Alの体積濃度は、(a)の全体に対して20%である。
【0017】
本発明に係る材料の好ましい他の実施形態において、ZrOの質量濃度は、(b)の全体に対して2.5%である。
【0018】
そして、本発明に係る材料の好ましい他の実施形態において、(a)の体積濃度は、全材料に対して60%〜80%の間である。
【0019】
本発明の第二の形態は、本発明に係る材料を得るための方法(以後、本発明の方法)に関し、当該方法は以下の工程を含んでいる:
(a)アルミニウム塩又はアルミニウムアルコキシドの溶液と、CeO安定化ZrO粉末の懸濁液と、を混合する工程;
(b)上記工程(a)にて得られた懸濁液を乾燥する工程;
(c)上記工程(b)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程;
(d)上記工程(c)にて得られた、ふるいわけされた粉末を熱処理する工程;
(e)ジルコニウム塩又はアルミニウムアルコキシドの溶液と、α−Al粉末の懸濁液と、を混合する工程;
(f)上記工程(e)にて得られた懸濁液を乾燥する工程;
(g)上記工程(f)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程;
(h)上記工程(g)にて得られた、ふるいわけされた粉末を熱処理する工程;
(i)上記工程(d)及び上記工程(h)にて得られた粉末を懸濁及び混合する工程;
(j)上記工程(i)にて得られた懸濁液を乾燥する工程;
(k)上記工程(j)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程;
(l)上記工程(k)にて得られた、ふるいわけされた粉末を成形する工程;
(m)上記工程(l)にて得られた、成形した粉末を焼結する工程。
【0020】
本発明者らは、ジルコニア−アルミナ−セリウム酸化物の三つの相からなる、複雑なナノ構造複合材料を得るための方法を開発した。本方法においては、使用するセラミックスの粉末を、主としてアルコキシドのような様々な前駆物質によって表面改質するためのコロイド方法論を利用している。この加工経路は、強い求核的性質を有するヒドロキシル基(OH)がナノ粉末の表面に存在するという事実に基づいている。このヒドロキシル基は、添加された金属アルコキシドと反応する。したがって、金属アルコキシドの存在下において、ナノ粉末における酸素の自由電子対は、求電子的挙動を有する金属に作用する。アルコキシド基はそれほど求核性を有していないので、これにより、アルコキシド基の一つが置換される。このときから、ナノ粒子に物理吸着している水は触媒のように振る舞い、残りのアルコキシド基に関して処理を続行する。加工の変数を制御することで、この方法によりジルコニア及びアルミナのナノ粒子の表面において、2〜20nmのナノ粒子の均一な分布を得ることを可能にする。得られたらすぐに、ナノ複合材料又は表面改質された粉末を、従来の粉末混合機を用いて従来の方法により加工する。
【0021】
本発明のナノ構造のジルコニア−アルミナ−セリウム酸化物の粉末を得るための方法は、以下の出発物質から行う:
酸化セリウム安定化ジルコニア粉末(TZP−Ce)(酸化セリウムの全モル濃度は10%〜12%の間であり、平均粒径は0.05〜1μmである);
塩化アルミニウム又はアルミニウムアルコキシド;
高純度アルミナ粉末(平均粒径は0.1〜1μmの間である);
ジルコニウムアルコキシド;
溶剤としての無水エタノール。
【0022】
発明に係る材料を得るための方法は、二つのドーピング手段によって行う。
【0023】
第一の手段において、塩化アルミニウム又は任意のアルミニウムアルコキシドを用いて、TZP−Ce粉末をγ−アルミナのナノ粒子で被覆し、次に、上記遷移アルミナの形成を活性化するために、熱処理する。この被覆は、以下の二種類の反応によって行う:(i)最初に、塩化アルミニウムを溶剤に混合し、対応するTZP−Ce粉末の懸濁液に次に添加するアルミニウムエトキシクロリドを得る;(ii)これらTZP−Ce粉末を被覆するOH基を、添加したアルミニウムアルコキシドの金属部分と反応させ、上記ジルコニアナノ粒子を被覆する。また、工程(i)は、市販されているアルミニウムアルコキシドを用いて、直接行ってもよく、アルミニウム塩を経由する製造方法を経る必要はない。
【0024】
本発明に係る方法の好ましい実施形態において、工程(a)において、CeO安定化ZrOの懸濁液は、質量濃度が60%〜75%の間の溶剤、好ましくはアルコール溶液、さらに好ましくは無水エタノール溶液中で、質量濃度が95%〜97%の間の溶剤、好ましくはアルコール溶液、さらに好ましくは無水エタノール溶液に希釈されているアルミニウム塩、好ましくはAlCl又はアルミニウムアルコキシドと混合する。そして混合物を、好ましくは磁気的攪拌又は機械的攪拌による攪拌状態で維持する。
【0025】
CeO安定化ZrOにγ−アルミナをドープするために、工程(a)における混合を、AlCl又はアルミニウムアルコキシドの溶液から得られるアルミニウムエトキシクロリドの溶液を、十分な割合において、TZP−Ce粉末の懸濁液に、好ましくは一滴ずつ添加することで行う。
【0026】
本発明に係る方法の好ましい他の実施形態において、工程(b)の乾燥を、二つの工程で行う。始めに、70℃以下の温度で、好ましくは磁気的又は機械的攪拌により攪拌しながら行い、次に110℃〜120℃の間の温度で、少なくとも24時間行う。
【0027】
本発明に係る方法の好ましい他の実施形態において、工程(c)のふるいわけを、口径が63μm以下のメッシュにおいて行い、好ましくはナイロンメッシュを用いる。
【0028】
上記方法の好ましい他の実施形態において、工程(d)の熱処理を、好ましくは実験室の電気炉において、5〜10℃/分の間の温度勾配で、最終温度が800℃〜1100℃の間になるまで加熱し、当該加熱を1〜3時間維持することで行う。これにより、TZP−Ceのナノ粒子上にγ−アルミナの形成を助長する。この温度での熱処理でナノ粉末に形成される遷移アルミナの種類が、まさにγ−アルミナであることは、固体状態の核磁気共鳴(NMR)を用いて証明される。
【0029】
第二の手段において、アルミナ粉末(α種)を、ジルコニウムアルコキシドを用いて、ジルコニアのナノ粒子で被覆する。この目的のために、アルミナ粉末を、攪拌しながら溶剤に懸濁する。所望の組成物を得るために必要なジルコニウムアルコキシドの量を、十分な比率で上記懸濁液に添加する。また、この場合において、アルミナ粒子及びアルコキシドの金属カチオン(この場合にはジルコニウム)によってOH基の置換反応が起こり、上記アルミナのナノ粒子の表面被覆が生成される。
【0030】
したがって、本発明の方法の好ましい他の実施形態は、工程(e)において、α−Al粉末を、質量濃度が60%〜75%の間の溶剤、好ましくはアルコール溶液、さらに好ましくは純度が99.97%よりも大きい無水エタノール溶液中で、質量濃度が50%〜55%の間の溶剤、好ましくはアルコール溶液、さらに好ましくは無水エタノール溶液により希釈されたアルミニウム塩、好ましくはジルコニウムアルコキシド、さらに好ましくはジルコニウムイソプロポキシドの溶液と混合する。
【0031】
ジルコニアをアルミナにドープするために、ジルコニウムアルコキシドの溶液を、十分な割合において、好ましくは一滴ずつ、α−Alの懸濁液に滴下することで、工程(e)の混合物を生成する。
【0032】
本方法の好ましい他の実施形態において、工程(f)の乾燥を、以下の二つの工程で行う。始めに、70℃以下の温度で、好ましくは磁気的又は機械的攪拌により攪拌しながら行い、次に、110℃〜120℃の間の温度で少なくとも24時間行う。
【0033】
本方法の好ましい他の実施形態において、工程(g)のふるいわけを、口径63μm以下のメッシュにおいて行い、好ましくはナイロンメッシュを用いる。
【0034】
本方法の好ましい他の実施形態において、工程(h)の熱処理を、5〜10℃/分の間の温度勾配で、最終温度が850℃〜1000℃の間になるまで加熱し、当該加熱を1〜3時間維持することで行い、アルミナのナノ結晶(ナノ構造粉末)におけるジルコニアのナノ粒子の結晶化を達成する。
【0035】
二つの前工程によって得られるナノ構造の粉末をそれぞれ分析し、ヘリウムピクノメーターを用いてその真密度を決定する。これにより、全ての組成物の適切な体積での混合物を実現する。
【0036】
本発明に係る方法の好ましい実施形態において、工程(i)は、工程(d)及び(h)にて得られた粉末を十分な割合で混合し、溶剤、好ましくはアルコール溶液、さらに好ましくはイソプロピル溶液に懸濁し、少なくとも72時間ホモジナイズする。
【0037】
工程(i)における混合を、好ましくはポリプロピレン試薬瓶である工業的分散媒体において、2〜5mmの間の直径を有するジルコニア−イットリウム酸化物ボールとともに行い、好ましくはローラミルであるミル中に48〜78時間保持し、組成物に要求される完全な均一化を達成する。
【0038】
本発明に係る方法の好ましい他の実施形態として、工程(j)の乾燥を、70℃以下の温度で行う。
【0039】
本発明に係る方法の好ましい他の実施形態として、工程(l)を、冷間等方圧加圧法、又は鋳造、圧迫鋳造及びテープ成形からなる群より選択される他のセラミックス形成方法によって行う。
【0040】
図1及び図2は、最終形態であるミクロ構造を示しており、当該ミクロ構造は、ジルコニアにおけるγ−アルミナの形成及びアルミナにおけるジルコニアの形成の両方を行うために、上記粉末を900℃及び850℃で熱処理することにより得られる。
【0041】
本方法の他の好ましい実施形態として、工程(m)の焼結を、1450℃〜1500℃の間の温度で行う。
【0042】
さらに、本発明の最後の形態は、人工膝関節、人工股関節、ポンプ用の機械機器、人工歯根、アルカリ電池、定位神経学用のセラミック機器及び刃物からなる群より選択される製品を製造するための、本発明の材料の使用方法に関する。
【0043】
明細書及び請求の範囲の全体に亘る、「含んでいる」という用語及びその変形は、他の技術的特徴、添加物、構成又は方法を除外することを意図していない。当業者にとって、本発明の他の目的、有利な点、及び特性は明細書から部分的に生じ、本発明の実施から部分的に生じる。以下の実施例及び図面は説明を目的として提供しており、本発明の範囲を制限することを意図していない。
【0044】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、遷移アルミナ相(α−アルミナ)(より明瞭な影)に吸収されたジルコニア結晶(暗影)の透過電子顕微鏡法(TEM)による顕微鏡写真である。
【0045】
図2は、TEMにて観察される、ジルコニアで被覆されたアルミナ結晶の形態学的外観図である。
【0046】
図3は、冷間等方圧加圧し、1475℃/1時間で焼結した、ナノ構造のセラミックス材料のボールである。
【0047】
図4は、1475℃/1hで熱処理した、A80体積%/B20体積%の組成物の、走査電子顕微鏡を用いて得たミクロ構造であり、A=(ZrO12モル%CeO)+20体積%γ−アルミナであり、かつB=アルミナ+2.5%(質量)ZrOである。
【0048】
〔実施例〕
以下の実施例は当業者にとっての付加的な手引きとして提供され、いずれの場合であっても、本発明の範囲を制限するとは見做されない。
【0049】
この特許の目的及び機能性のよりよい理解を達成するために、それらが制限された解決策であると理解されないようにするために、組成物の実施例を二つ開示する。
【0050】
〔実施例1〕
以下の組成物を作製した:
下記混合物の組成物 A80%/B20%(体積%):
(a)A=(ZrO12モル%CeO)+20体積%のγ−アルミナ
(b)B=アルミナ+2.5%(質量)ZrO
【0051】
包含する出発原材料は、以下のとおりである:
アルミナ:
(a)Taimei(TM−DAR)(γ−Al
ジルコニア:
(a)Daiichi(TZP12モル%CeO
Zrイソプロポキシド(Sigma-Aldrich)(C1228Zr)
塩化アルミニウム(AlCl、純度99.9%)(Sigma-Aldrich)。
【0052】
最初に、粉末状の原材料であるアルミナ及びジルコニアを、特徴付ける。このために、ヘリウムピクノメーターを使用し、粉末の真密度を決定する。測定の前に、分析される製造物の恒量に達するまで、それらを実験室のヒータにより120℃で保管する必要がある。この場合において、得られた密度は以下のとおりである。
【0053】
【表1】

【0054】
組成物Aを得るために、100gのジルコニアから始める。その密度(6.2673g/cm)を考慮すると、体積は15.956cmである。20%のγ−アルミナ(ρ=3.65g/cm)をジルコニア粒子にドープすることを意図しているため、この比率は、3.989cmのγ−アルミナを表す。質量に変換すると、これは14.56gのγ−アルミナになり得る。従って、γ−アルミナ(101.96mol)及びAlCl(266.66mol)の両方の質量を考慮すると、38.079gの量のAlClを測らなければならない。次に、38.079gのAlClを、無水アルコール(1,100ml)とともに、酸ガスを抽出する容量を有するフードの下に置く。これを、添加された粉末を完全に溶解させるために、テフロン(登録商標)コーティングした磁石で磁気的攪拌する。結果として生じる酸性の塩素ガスの排出とともに生じる強い発熱反応を考慮すれば、塩化アルミニウムの粉末を無水エタノールに添加する際に、予防措置をとらなければならない。また、粉末がアルコールに完全に溶解するとすぐに、他の沈殿フラスコ(precipitation flask)において磁気的攪拌しながら、あらかじめ分散した100gのジルコニアの懸濁液に、この溶液を一滴ずつ添加し始める。アルミニウムエトキシクロリドを一滴ずつジルコニアの懸濁液に入れる際に、及び磁気的攪拌中は常に、懸濁液を70℃よりも低い温度で乾燥させる。それを70℃の実験室のヒータに24時間入れて、形成される塊を手作業で分解し、材料が実質的に乾燥したとき、及び、この時間の経過後すぐに、粉末をさらに120℃で24時間乾燥する。粉末が完全に乾燥したとき、塊を粉砕し、さらに、材料を63μmよりも小さい口径のメッシュにおいてふるいわけされるようになるまで、ジルコニアボールを平板状のボールミルにて粉砕する。ジルコニア粒子におけるγ−アルミナのナノ粒子の結晶化を助長するために、これらの条件下で、材料を900℃の温度(10℃/分の温度勾配で上昇する)で実験室の炉に2時間入れる状態にする。これらの粉末の熱活性化が完了するとすぐに、ヘリウムピクノメーターを用いて、その真密度を計算する。得られた結果物は5.6936g/cmである。これは、組成物Aに得られた真密度の値である。
【0055】
組成物Bの調達に関しては、上述した方法と非常に似た方法に従う。この場合において、また、100gのジルコニウムアルコキシドから始め、2.5質量%のジルコニア(ZrO)を添加する。このジルコニウムイソプロポキシドは70質量%までエタノール溶液にて希釈され、これは最終的な計算を行う際に考慮しなければならない。
【0056】
ZrO及びZr(CO)の分子量は、それぞれ123.22及び327.57mol/gであり、したがって、アルコキシドに対するZrOの質量パーセントは37.6%になるであろう。アルコキシドを70質量%まで希釈するため、この比率に0.7をかけて、26.33%と算出する。アルミナ(97.5%)及びジルコニア(2.5%)の質量パーセントを考慮すると、100gのアルミナにとって、2.564gの重さのジルコニアが必要であり、アルコキシドの70%希釈を考慮すると、選択した組成物を得るためには、9.738gの重さのZrイソプロポキシドが必要である。このアルコキシドの重さは50質量%まで無水エタノールにて希釈され、次に、それを攪拌中のアルミナの懸濁液に一滴ずつ添加し、十分な均一物を得る。ここまでに記載されている全体の方法は、対応するアルコキシドの加水分解を防止するために、窒素雰囲気下のグローブボックスチャンバーにて行なわれなければならない。次に、懸濁液を70℃よりも低い温度で、磁気的攪拌しながら乾燥させ、そして最後に、それを120℃の実験室のヒータに入れ、完全に乾燥させる。乾燥し、いくらか塊になった粉末を、63μmよりも小さくふるいわけし、それを、10℃/分の温度勾配で上昇し、850℃/2時間の最終温度に達する実験室の炉に入れる状態にする。この方法を用いて、必要な組成物Bを得る。ヘリウムピクノメーターによって決定される、この組成物Bの真密度の値は、3.9975g/cmである。
【0057】
以下の方法は、体積比率(80/20)で組成物A及び組成物Bの両方を混合する工程に対応する。このために、適切なポリプロピレン試薬瓶を使用し、混合物にその質量の約五倍の質量のジルコニア−イットリウム酸化物ボール(3mmの直径)、及び液体を均一化する溶剤として十分な量のイソプロピルアルコール(2−プロパノール)を加える。対応するローラミルにおける混合時間は、少なくとも約72時間でなければならない。その後、材料を乾燥させる状態にし、最後に、63μmよりも小さくふるいわけした後、対応するセラミックス片を仮形成するために、等方圧加圧器に入れる。これに関連する変数に対応する検討の後、最終的なセラミックス片のよりよい焼結と同様に、そのよりよい取り扱いのために、これらの粉末を吹き付け乾燥することが可能である。
【0058】
正確には、200MPaでの等方圧加圧の後、1475℃/1時間の処理によるセラミックス片の形成によって、図3に示すような材料が得られる。
【0059】
同様の材料のミクロ構造は図4にて観察される。
【0060】
二つの6×4×40mmの試験管の機械的挙動を、INSTRON社の一般的な分析装置(8562型)を用いて、四点曲げ方法により分析した。得られる二つの組成物の結果を表2に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
〔実施例2〕
選択した第二の組成物は、以下のとおりである。
【0063】
下記混合物の組成物 A60%/B40%(体積%):
(a)A=(ZrO12モル%CeO)+20体積%のγ−アルミナ
(b)B=アルミナ+2.5%(質量)ZrO
【0064】
包含する出発原材料は、以下のとおりである:
アルミナ:
(a)Taimei(TM−DAR)(γ−Al
ジルコニア:
(a)Daiichi(TZP12%モルCeO
Zrイソプロポキシド(Sigma-Aldrich)(C1228Zr)
塩化アルミニウム(AlCl、純度99.9%)(Sigma-Aldrich)。
【0065】
第二の組成物(60/40)の実施形態は、その成果において、第一実施例に記載されているそれと、最終的なそれぞれの濃度に関して以外は完全に同等である。
【0066】
二つの6×4×40mmの試験管の機械的挙動をINSTRON社の一般的な分析装置(8562型)を用いて、四点曲げ方法により分析した。得られた二つの組成物の結果を表3に示す。
【0067】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】遷移アルミナ相(α−アルミナ)(より明瞭な影)に吸収されたジルコニア結晶(暗影)の透過電子顕微鏡法(TEM)による顕微鏡写真である。
【図2】TEMにて観察される、ジルコニアで被覆されたアルミナ結晶の形態学的外観図である。
【図3】冷間等方圧加圧し、1475℃/1時間で焼結した、ナノ構造のセラミックス材料のボールである。
【図4】1475℃/1hで熱処理した、A80体積%/B20体積%の組成物の、走査電子顕微鏡を用いて得たミクロ構造であり、A=(ZrO12モル%CeO)+20体積%γ−アルミナであり、かつB=アルミナ+2.5%(質量)ZrOである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)γ−Alがドープされ、粒子の平均寸法が50〜1000nmの間であるCeO安定化ZrOと、
(b)ZrOがドープされ、粒子の平均寸法が150〜400nmの間であるα−Alとを含み、
上記(a)において、γ−Alの体積濃度が、上記(a)の全体に対して5%〜50%の間になるようにドープされており、上記γ−Alの粒子の平均寸法は50nmよりも小さく、
上記(b)において、ZrOの粒子の平均寸法は40nm以下であり、ZrOの質量濃度が、上記(b)の全体に対して0.5%〜5%の間になるようにドープされている、ナノ構造複合材料。
【請求項2】
上記γ−Alの体積濃度は、上記(a)の全体に対して20%であり、上記ZrOの質量濃度は、上記(b)の全体に対して2.5%である、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
上記CeOのモル濃度は、上記CeO安定化ZrOの全体に対して10%〜12%の間である、請求項1又は2に記載の材料。
【請求項4】
上記(a)の体積濃度は、上記材料全体に対して60%〜80%の間である、請求項1〜3の何れか一項に記載の材料。
【請求項5】
(a)アルミニウム塩又はアルミニウムアルコキシドの溶液とCeO安定化ZrO粉末の懸濁液とを混合する工程と、
(b)上記工程(a)にて得られた懸濁液を乾燥する工程と、
(c)上記工程(b)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程と、
(d)上記工程(c)にて得られた、ふるいわけされた粉末を熱処理する工程と、
(e)ジルコニウム塩又はアルミニウムアルコキシドの溶液とα−Al粉末の懸濁液とを混合する工程と、
(f)上記工程(e)にて得られた懸濁液を乾燥する工程と、
(g)上記工程(f)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程と、
(h)上記工程(g)にて得られた、ふるいわけされた粉末を熱処理する工程と、
(i)上記工程(d)及び上記工程(h)にて得られた粉末を懸濁及び混合する工程と、
(j)上記工程(i)にて得られた懸濁液を乾燥する工程と、
(k)上記工程(j)にて得られた、乾燥した粉末をふるいわけする工程と、
(l)上記工程(k)にて得られた、ふるいわけされた粉末を成形する工程と、
(m)上記工程(l)にて得られた、成形した粉末を焼結する工程と、
を含んでいる、請求項1〜4の何れか一項に記載の材料を調製する方法。
【請求項6】
上記工程(a)において、質量濃度が60%〜75%の間のアルコール中におけるCeO安定化ZrO粉末の懸濁液を、質量濃度が95%〜97%の間のアルコールにより希釈されたアルミニウム溶液と混合する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記アルコールは無水エタノールである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記工程(a)において、アルミニウムアルコキシドを使用する、請求項5〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
上記工程(b)を、最初に70℃以下の温度で行い、次に110℃〜120℃の間の温度で、少なくとも24時間行うという二つの工程で行う、請求項5〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
上記工程(c)を、口径63μm以下のメッシュにおいて行う、請求項5〜9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
上記工程(d)を、5〜10℃/分の間の温度勾配で、800℃〜1000℃の間の最終温度まで加熱し、当該加熱を1〜3時間維持することによって行う、請求項5〜10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
上記工程(e)において、質量濃度が60%〜75%の間のアルコール中におけるα−Al粉末の懸濁液を、質量濃度が50%〜55%の間のアルコールにより希釈されたジルコニウムアルコキシドの溶液と混合する、請求項5〜11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
上記アルコールは無水エタノールである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記工程(e)において使用するジルコニウムアルコキシドは、ジルコニウムイソプロポキシドである、請求項5〜13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
上記工程(f)を、最初に70℃以下の温度で行い、次に110℃〜120℃の間の温度で、少なくとも24時間行うという二つの工程で行う、請求項5〜14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
上記工程(g)を、口径63μm以下のメッシュにおいて行う、請求項5〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
上記工程(h)を、5〜10℃/分の間の温度勾配で、850℃〜1000℃の間の最終温度まで加熱し、当該加熱を1〜3時間保持することによって行う、請求項5〜16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
上記工程(i)において、上記工程(d)及び上記工程(h)にて得られる上記粉末を、少なくとも72時間粉砕しながら、アルコール中で混合及び懸濁する、請求項5〜17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
上記アルコールはイソプロパノールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記工程(f)を、温度70℃以下で行う、請求項5〜19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
上記工程(j)を、温度70℃以下で行う、請求項5〜20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
上記工程(l)を、冷間等方圧加圧法、又は鋳造、圧迫鋳造及びテープ成形からなる群より選択される他のセラミックス形成方法によって行う、請求項5〜21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
上記工程(m)を、1450℃〜1500℃の間の温度で行う、請求項5〜22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
人工膝関節、人工股関節、ポンプ用の機械機器、人工歯根、アルカリ電池、定位神経学用のセラミック機器、及び刃物からなる群より選択される製品を製造するための、請求項1〜4の何れか一項に記載の材料の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−500231(P2013−500231A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522196(P2012−522196)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070510
【国際公開番号】WO2011/015697
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(511000083)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS(CSIC)
【住所又は居所原語表記】C/Serrano,117,E−28006 Madrid,Spain
【Fターム(参考)】