説明

酸化タングステン光触媒体

【課題】紫外光が照射されない環境下であっても、可視光線を照射することによって高い光触媒作用を示す酸化タングステン光触媒体を提供する。
【解決手段】本発明の酸化タングステン光触媒体は、酸化タングステン粒子の表面に一次粒子径が3nm以上〜20nm以下のPt粒子が、酸化タングステン粒子100重量部あたり0.03〜5重量部担持されてなるものであり、好ましくは酸化タングステン粒子の凝集粒子径の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径をD50としたとき、D50が0.01μm〜5μmであり、一次粒子径が5nm〜150nmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化タングステン光触媒体に関し、可視光線が照射され、紫外線が照射されない環境下でも、高い光触媒活性を示し、酢酸やアセトアルデヒド等の有機物を完全分解することのできる光触媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起し、価電子帯に正孔、伝導帯に電子が生成する。これらはそれぞれ強い酸化力と還元力を有し、半導体に接触した分子種に酸化還元作用を及ぼす。このような作用を光触媒作用と呼び、このような半導体を光触媒体と呼ぶ。
【0003】
光触媒体による有機物の分解反応では、価電子帯に生成した正孔が直接有機物を酸化分解したり、正孔が水を酸化し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解するとされているが、それ以外にも伝導帯に生成した電子が酸素を還元し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解するとされている。
【0004】
このような光触媒体として、酸化タングステン粒子を単独で使用したものが知られている。酸化タングステン粒子は、屋内空間での光の大部分を占める可視光線を吸収することができ、可視光応答型光触媒体として注目されている。しかし、酸化タングステン粒子を単独で使用した光触媒体に可視光線を照射すると、光励起により価電子帯と伝導帯にそれぞれ正孔と電子が生成するが、伝導帯が酸素の酸化還元準位よりも低い位置にある為、伝導帯に励起された電子では酸素の還元はできず、活性酸素種の生成量が不十分なものとなる。その為、酸化タングステンは可視光線が照射され、紫外線が照射されない環境下では、高い光触媒活性は示さなかった。
【0005】
これまでに、酸化タングステン膜の上にPt等の貴金属を製膜することにより、アセトアルデヒドの分解中間体を効率よく分解する光触媒体が開示されているが、十分な光触媒活性が得られず、更に調製に高価な装置が必要である等の不具合があった(特許文献1:特開2001−038217号公報(特許第3887510号公報))。
【特許文献1】特開2001−038217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、紫外光が照射されない環境下であっても、可視光線を照射することによって高い光触媒作用を示す酸化タングステン光触媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、光触媒用途に好適な酸化タングステン光触媒体について鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、酸化タングステン粒子の表面に一次粒子径3nm〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子100重量部あたり0.03〜5重量担持されてなる酸化タングステン光触媒体を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の酸化タングステン光触媒体は、可視光照射下で高い光触媒活性を示して有機化合物を酸化分解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の酸化タングステン光触媒体は、酸化タングステン粒子の表面にPt粒子が担持されてなる。
【0010】
Pt粒子は、粒子状の白金メタルであって、その一次粒子径は、3nm以上、好ましくは5nm以上で、20nm以下、好ましくは10nm以下である。この一次粒子は凝集粒子を形成してもよく、この場合、凝集粒子の粒子径は10nm以上、30nm以下が好ましい。Pt粒子の一次粒子径が3nm未満の場合、酸化タングステンの伝導帯から酸素への電子の効率的な移動が起こり難くなる為に、光触媒活性は低くなる。またPt粒子の一次粒子径が20nmを超える場合、酸化タングステン粒子の表面にPtを担持することが困難となり、光触媒活性が低下する。
【0011】
Pt粒子の担持量は、酸化タングステン粒子100重量部あたり0.03重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。担持量が0.03重量部未満では、担持されるPt粒子の量が少なくなり、還元される酸素の量が不十分な為、高い光触媒活性が得られない。また5重量部を超える場合、酸化タングステン粒子の表面を覆うPt粒子が多くなり、酸化タングステン粒子による光の吸収量が少なくなる為、光触媒活性は低くなる。
【0012】
Pt粒子は、酸化タングステン粒子の表面の少なくとも一部において、互いに接した状態で、それぞれ独立して担持されていて、数珠状に連なっていることが好ましい。このように、数珠状に連なることにより、高い触媒活性を示すようになり、しかも光触媒反応の分解中間体の分解を促進する。
【0013】
本発明の酸化タングステン光触媒体を構成する酸化タングステン粒子は、酸化タングステンからなる粒子であって、その凝集粒子径の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒子径をD50としたとき、D50が、0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、5μm以下、好ましくは1μm以下である。D50が0.01μm未満の場合、Pt粒子を担持後、洗浄工程や乾燥工程で硬い凝集粒子ができる為、製造上不具合を生じることがある。またD50が5μmを超える場合、Pt粒子を酸化タングステン粒子上に本発明で規定する一次粒子径で担持させることが困難となり、得られる酸化タングステン光触媒体の光触媒活性は低くなる。
【0014】
酸化タングステン粒子は、その粒度分布として、累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積90%の粒子径をそれぞれD10、D90としたとき、D90/D10の値は、1以上、10以下、好ましくは6以下である。D90/D10が10を超える場合、粒子径の大きな酸化タングステン粒子が混在し、Pt粒子を酸化タングステン粒子上に本発明で規定する粒子径で担持させるのが困難となり、得られる酸化タングステン光触媒体の光触媒活性は低くなる。
【0015】
酸化タングステン粒子の一次粒子径は、5nm以上、好ましくは10nm以上で、150nm以下、好ましくは120nm以下である。一次粒子径が5nm未満の場合、酸化タングステン粒子の結晶性が低下し、結晶格子内に欠陥等が生成しやすい為、光触媒活性は低下する。また150nmを超える場合、酸化タングステン粒子の表面積が小さくなり、反応物質の酸化タングステン光触媒体の表面への吸着量が十分で無いため、光触媒活性が低くなる。
【0016】
酸化タングステン粒子を構成する酸化タングステンとしては、タングステンが4価と6価の間の価数をもつ複数のものが知られているが、本発明では、かかる酸化タングステン粒子の中でも単独で光触媒活性を示す酸化タングステン粒子を用いることができ、特に粒子状のWO3を用いるのが好ましい。
【0017】
酸化タングステン粒子の調製方法としては、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウムなどのタングステン酸塩の水溶液を加温し、塩酸や硝酸を混合してタングステン酸を得た後、洗浄、乾燥、焼成を行って得る方法があげられる。またタングステン酸アンモニウムを熱分解して酸化タングステン粒子を得ることもできる。
【0018】
本発明の酸化タングステン光触媒体を製造する方法としては、
(a)酸化タングステン粒子を、酸化タングステン粒子100重量部あたりPtとして0.03〜5重量部となるPt化合物を溶解した水溶液中に分散し、
(b)酸化タングステン粒子を光励起しうる可視光線を照射した後、
(c)犠牲剤を添加し、
(d)その後、更に可視光線の照射を行う
方法が挙げられる。かかる方法により、Pt化合物から生成したPt粒子が本発明で規定する一次粒子径で酸化タングステン粒子の表面に担持されて、目的の酸化タングステン光触媒体を得ることができる。
【0019】
酸化タングステン粒子を分散したPt化合物の水溶液への可視光線の照射は、この分散液を攪拌しながら行ってもよいし、この分散液を透明なガラスやプラスチック製の管に流通させながら行ってもよい。
【0020】
可視光線を照射する光源としては、波長410nm以上の可視光線を照射しうるものが用いられ、好ましくは波長410nm未満の紫外光を実質的に照射することなく、上記可視光を照射し得るものである。かかる光源としては酸化タングステン粒子を光励起できる可視光線を照射できれば特に制限はないが、波長410nm未満の光をカットする光学フィルターを装着したキセノンランプ、発光ダイオード、蛍光灯、ハロゲンランプ、水銀灯などを用いることができる。またこの光学フィルターを通して、太陽光線を照射することも勿論可能である。波長410nm未満の紫外光を実質的に照射しないことにより、Pt粒子が、酸化タングステン粒子の表面の少なくとも一部において数珠状に連なった光触媒体を得ることができる。
【0021】
可視光線を照射する時間は、通常30分以上、好ましくは1時間以上、通常24時間以下、好ましくは6時間以下である。可視光線の照射時間が30分未満の場合、Pt粒子の担持量が少なくなり、光触媒活性は低下する。また24時間を越える場合、それまでにPt化合物の殆どはPt粒子となって担持されてしまい、可視光線の照射にかかるコストに見合う光触媒活性が得られない。
【0022】
上記製造方法では、可視光を照射した後に、犠牲剤を添加し、その後更に可視光の照射を行う。酸化タングステン粒子を予め犠牲剤を含むPt化合物の水溶液中に分散させ、可視光線を照射すると、酸化タングステン粒子の表面へのPtの析出は極めて速く起こり、Pt粒子の粒子径を制御できない為、得られる酸化タングステン光触媒体の光触媒活性は低下する。
【0023】
更に、酸化タングステン粒子をPt化合物を含む水溶液に浸し、水分を除去した後、焼成することで、Pt粒子を酸化タングステン粒子の表面に担持する方法も知られている。しかし、この方法でもPt粒子の粒子径を制御することはできない為、得られる光触媒体の光触媒活性は低下する。
【0024】
犠牲剤としては、酸化タングステン粒子を光照射した際に、酸化タングステンの価電子帯に生成する正孔の光触媒作用により、容易に酸化分解するものが用いられ、例えばエタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等のケトン、蓚酸等のカルボン酸等が用いられる。これらの犠牲剤は、少なくとも30分以上可視光線を照射した後に添加される。犠牲剤が固体の場合、この犠牲剤を適用な溶媒に添加して用いてもよいし、固体のまま用いてもよい。
【0025】
Pt化合物としては、塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(PtBr2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、塩化白金カリウム(K2PtCl4)、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2(OH))、酸化白金(PtO2)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、テトラアンミン白金りん酸水
素(Pt(NH3)4HPO4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金(
(Pt(NH3)4)(PtCl4))などが挙げられる。
【0026】
犠牲剤を添加した後に、更に可視光線を照射することにより、酸化タングステン粒子が可視光線により励起され、その表面にPt化合物がPt粒子として本発明で規定する粒子径で担持される。
【0027】
このようにしてPt粒子を酸化タングステン粒子の表面に担持した後、この酸化タングステン粒子を水で洗浄することが好ましい。洗浄をすることにより、酸化タングステン粒子の表面に付着した、光触媒活性を阻害する成分を洗い流すことができ、光触媒活性を向上させることができる。更に洗浄後、室温〜150℃までの温度の範囲で乾燥することが好ましい。
【0028】
本発明の酸化タングステン光触媒体は、必要に応じて吸着性や光触媒活性を更に向上させる目的で、種々の添加剤と混合して用いることができる。添加剤としては、例えば非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンのような珪素化合物、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、ゼオライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属(水)酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物や、これらの金属元素の酸化物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明の酸化タングステン光触媒体は、水やアルコール等の有機溶媒中に分散させてコーティング液として使用することができる。必要に応じて、酸化タングステン光触媒体の分散性を向上させる目的で、分散剤を添加してもよい。更に、塗膜にしたときの機材との密着性を向上させる目的で、公知の無機系バインダー、有機系バインダーを添加することもできる。
【0030】
このコーティング液は、例えば、このコーティング液を壁、天井、窓ガラス、タイル等に塗布し、可視光線を多く含む蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、太陽光線等を照射すればよい。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明における、各種の測定はつぎのようにして行った。
【0032】
(1)BET比表面積
酸化タングステン粒子のBET比表面積を「NOVA1200e」(ユアサアイオニクス製)で窒素吸着法によって測定した。
【0033】
(2)酸化タングステン粒子の一次粒子径の測定
酸化タングステン粒子の一次粒子径はBET比表面積から求めた。粉末のBET比表面積の値をS(m2/g)、粒子の密度をρ(g/cm3)とすると、一次粒子径d(μm)は、d=6/(S×ρ)の式で計算される。但し、一次粒子径dは、粒子が球形であるとした場合の直径である。酸化タングステン粒子(WO3)の密度は7.16g/cm3とした。
【0034】
(3)酸化タングステン粒子の凝集粒子径の粒度分布測定
酸化タングステン粒子の凝集粒子の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−7000、島津製作所製)を用いて測定した。酸化タングステン粒子を純水に分散させて測定し、累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%、累積90%の粒子径を、それぞれD10、D50、D90とし、D50の値を凝集粒子径とし、粒度分布の尺度として、D90/D10の値を求めた。
【0035】
(4)Pt粒子の粒子径の測定
Pt粒子の粒子径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−7400F、日本電子製)を用いて行い、更にエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を装着した電界放出形電子顕微鏡(JEM−2100F、日本電子製)にて走査透過電子顕微鏡(STEM)観察して行い、測定された粒子径を一次粒子径とした。
【0036】
(5)酢酸の分解反応(可視光照射下)
ガラス製容器に5容量%の酢酸水溶液250mLを入れ、粒子状の光触媒体50mgを入れた。1時間暗黒下で攪拌した後、攪拌しながら可視光照射を行い、光触媒作用により酢酸が分解し、その完全分解生成物である二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフィーで定量した。光源には紫外線カットフィルター(L−42、旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W、Cermax製)を用いた。
【0037】
(6)アセトアルデヒドの分解反応(可視光照射下)
ガラス製容器(容量330mL)の底面に、粒子状の光触媒体50mgを15mmφのペレット状にしたものを設置し、ガラス容器内を合成空気で満たし、更にアセトアルデヒドを14.7μmol注入した。1時間暗黒下で放置した後可視光照射を行い、光触媒作用によりアセトアルデヒドが分解し、その完全分解生成物である二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフィーで定量した。光源には紫外線カットフィルター(L−42、旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W、Cermax製)を用いた。
【0038】
(7)2−プロパノールの分解反応(可視光照射下)
ガラス製容器(容量330mL)の底面に、粒子状の光触媒体50mgを15mm×15mmに広げ、ガラス容器内を合成空気で満たし、更に2−プロパノールを19μmol注入した。2−プロパノールを注入後、直ぐに可視光照射を行い、光触媒作用により2−プロパノールが分解し、その分解中間体であるアセトンと、完全分解生成物である二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフィーで定量した。光源には紫外線カットフィルター(L−42、旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W、Cermax製)を用いた。
【0039】
(8)2−プロパノールの分解反応(暗黒下)
室内光の下、ガラス製容器(容量330mL)の底面に、粒子状の光触媒体50mgを15mm×15mmに広げ、ガラス容器内を合成空気で満たし、更に2−プロパノールを19μmol注入した。その後、直ちに、このガラス容器を室温、暗黒化に設置し、2−プロパノールの分解中間体であるアセトンの濃度を、ガスクロマトグラフィーで定量した。
【0040】
(9)ギ酸の分解反応(暗黒下)
室内光の下、ガラス製容器(容量330mL)の底面に、粒子状の光触媒体50mgを15mm×15mmに広げ、ガラス容器内を合成空気で満たし、更にギ酸を53μmol注入した。その後、直ちに、このガラス容器を室温、暗黒化に設置し、ギ酸の完全分解生成物である二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフィーで定量した。
【0041】
実施例1
市販の粒子状の酸化タングステン(WO3、純度99.99%、高純度化学製)の粒度分布を粒度分布測定器(島津製)で測定したところ、D10、D50、D90はそれぞれ0.046μm、0.215μm、5.726μmであった。ここからD90/D10は124であった。またBET表面積は6.0m2/gで、ここから一次粒子径は140nmであった。
【0042】
この酸化タングステン粒子4gを水50mLに分散し、5分間超音波照射を行った後に、1000rpmの回転速度で10分間遠心分離機(H-201F、コクサン製)にて粒子径の大きな粒子を沈降させて分離した。水に分散している粒子の粒子分布を測定したところ、D10、D50、D90はそれぞれ0.074μm、0.131μm、0.365μmであった。ここからD90/D10は4.93であった。またBET表面積は8.5m2/gで、ここから一次粒子径は99nmであった。得られた酸化タングステン粒子0.5gを水50mLに分散し、そこにPtが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.5重量部となるように濃度0.019mol/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液(H2PtCl6)を入れて、攪拌しながら可視光線を2時間照射した。光源には紫外線カットフィルター(L−42、旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W、Cermax製)を用いた。その後上の酸化タングステン粒子の分散液にメタノール5mLを加えて、引き続き攪拌しながら上記と同様にして可視光線の照射を2時間行った。その後濾過、水洗浄、120℃で乾燥することにより、粒子状のPt担持酸化タングステン光触媒体を得た。得られた光触媒体の表面をSEMおよびSTEMで観察した。図1〜図2にSEM写真を、図3にSTEM写真をそれぞれ示す。SEMおよびSTEM観察により、酸化タングステン粒子の表面に粒子径10〜20nmの粒子が担持され(図1および図2のSEM写真)、さらにその一部では、複数の粒子が互いに接した状態で、それぞれ独立して表面に担持されていた(図3のSTEM写真)。更にこれらの粒子をSTEM−EDX観察したところ、これらの粒子は、一次粒子径が5nmのPt粒子からなるものであることがわかった。
【0043】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は190μmol/hであった。
【0044】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は12.4μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は13.2μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は0.3μmolであった。光照射開始後55分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0045】
上記で得た光触媒体を用いて、2−プロパノールの分解反応を行った。暗黒下では、反応容器に2−プロパノールを注入後、70分で2−プロパノールは0μmolとなり、分解中間体であるアセトンが12μmol生成したが、完全分解生成物である二酸化炭素は生成しなかった。また光照射下では、反応容器に2−プロパノールを注入後、直ぐに可視光照射を行うと、20分後に2−プロパノールは0μmolとなって、アセトンが9.4μmol、二酸化炭素が2.7μmol、それぞれ生成し、更に可視光照射を続けると、可視光照射80分後にアセトンが0μmolとなり、二酸化炭素の生成量は46μmolとなった。
【0046】
上記で得た光触媒体を用いて、暗黒下でのギ酸の分解反応を行ったところ、ギ酸注入28分後にはギ酸は0μmolとなり、完全分解生成物である二酸化炭素の生成量が51ppmとなった。
【0047】
実施例2
実施例1で遠心分離機により沈降した酸化タングステン粒子を用いた他は、実施例1と同じ方法で、粒子状のPt担持酸化タングステン光触媒体を得た。この酸化タングステン粒子の粒子分布を測定したところ、D10、D50、D90はそれぞれ7.320μm、12.159μm、17.007μmであった。ここからD90/D10は2.32であった。またBET表面積は4.8m2/gで、ここから一次粒子径は175nmであった。
得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様に、酸化タングステン粒子の表面に粒子径10〜20nmの粒子が担持されていることがわかった。更にこの粒子をSTEM−EDX観察したところ、一次粒子径が5nmのPt粒子からなる凝集粒子であることがわかった。
【0048】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は120μmol/hであった。
【0049】
実施例3
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.05重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていることがわかった。
【0050】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は70μmol/hであった。
【0051】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は10.6μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は5.0μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は4.2μmolであった。光照射開始後200分でアセトアルデヒドの濃度が0.3μmol以下になった。
【0052】
実施例4
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.1重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていることがわかった。
【0053】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は110μmol/hであった。
【0054】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は15.7μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は11.3μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は1.8μmolであった。光照射開始後55分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0055】
実施例5
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.2重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていることがわかった。
【0056】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は160μmol/hであった。
【0057】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は10.4μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は8.7μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は7.8μmolであった。光照射開始後75分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0058】
実施例6
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して1.0重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていることがわかった。
【0059】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は230μmol/hであった。
【0060】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は5.2μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は4.9μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は4.4μmolであった。光照射開始後130分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0061】
実施例7
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して2.0重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜30nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていた。
【0062】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は215μmol/hであった。
【0063】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は5.9μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は8.5μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は9.9μmolであった。光照射開始後85分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0064】
実施例8
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して3.0重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の粒子径10〜30nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていたが、更に大きな凝集粒子を形成しているPt粒子も存在した。
【0065】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は142μmol/hであった。
【0066】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は3.5μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は3.6μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は2.9μmolであった。光照射開始後195分でアセトアルデヒドの濃度は0μmolになった。アセトアルデヒドの減少量と生成した二酸化炭素の量から、アセトアルデヒドは完全に分解したことがわかった。
【0067】
比較例1
Ptを担持していない他は、実施例1と同じ方法で粒子状の酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は8μmol/hであった。
【0068】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は7.2μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は1.1μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は0.1μmolであった。二酸化炭素の生成速度は、光照射後直ぐは速かったが、その後生成する二酸化炭素の量が、生成しうる理論量の半分の量に近づくにつれて急激に低下した。光照射400分後のアセトアルデヒドの濃度は2.9μmolであった。
【0069】
上記で得た光触媒体を用いて、2−プロパノールの分解反応を行った。暗黒下では、反応容器に2−プロパノールを注入後、70分で2−プロパノールは16μmolとなり、分解中間体であるアセトンと完全分解生成物である二酸化炭素は生成しなかった。また光照射では、反応容器に2−プロパノールを注入後、直ぐに可視光照射を行うと、200分後に2−プロパノールは0μmolとなって、アセトンが8.9μmolと、二酸化炭素が1.0μmol生成した。更に、可視光照射を行うと、可視光照射1440分後にアセトンが0μmolとなり、二酸化炭素の生成量は19μmolとなった。
【0070】
比較例2
実施例1の市販の酸化タングステン粉末を、遠心分離操作を施さずにヘキサクロロ白金酸水溶液に加えてよく混合した後、80℃で乾燥して、更に500℃で30分空気中で焼成した。Ptの担持量は酸化タングステン粒子100重量部に対して0.5重量部であった。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、酸化タングステン粒子の表面には実施例1でみられたような粒子は観測されなかった。SEM写真を図4に示した。そこで更に酸化タングステン粒子の表面をSTEM−EDX観察したところ、Ptは一次粒子径が2nm以下のPt粒子からなる粒子径10nm未満の凝集粒子として担持されていることがわかった。なお、複数の粒子が互いに接した状態で、それぞれ独立して表面に担持されているPt粒子は見出せなかった。
【0071】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は50μmol/hであった。
【0072】
上記で得た光触媒体を用いて、2−プロパノールの分解反応を行った。暗黒下では、反応容器に2−プロパノールを注入後、70分で2−プロパノールは10μmolとなり、分解中間体であるアセトンと完全分解生成物である二酸化炭素は生成しなかった。また光照射下では、反応容器に2−プロパノールを注入後、直ぐに可視光照射を行うと、170分後に2−プロパノールは0μmolとなり、アセトンが9.4μmolと、完全分解生成物である二酸化炭素が1.0μmol生成した。更に可視光照射を行うと、可視光照射600分後にアセトンが0μmolとなり、二酸化炭素の生成量は38μmolとなった。
【0073】
さらに、上記で得た光触媒体を用いて、暗黒下でのギ酸の分解反応に用いたところ、60分後にはギ酸が4.2μmolとなり、完全分解生成物である二酸化炭素の生成量が5.1μmolとなった。
【0074】
比較例3
Ptが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.01重量部となるようにヘキサクロロ白金酸水溶液を用いた他は、実施例1と同じ方法でPt担持酸化タングステン粒子を調製した。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1でみられたような、粒子径10〜20nmのPt粒子が、酸化タングステン粒子の表面に担持されていることがわかった。
【0075】
この光触媒体を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は16μmol/hであった。
【0076】
上記で得た光触媒体を用いて、可視光照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行ったところ、光照射開始0〜30分の間の二酸化炭素の生成量は11.1μmolで、30〜60分の間の二酸化炭素の生成量は1.6μmolで、60〜90分の間の二酸化炭素の生成量は0.8μmolであった。比較例4と同様に、二酸化炭素の生成速度は光照射後直ぐは速かったが、その後生成する二酸化炭素の量が、生成しうる理論量の半分の量に近づくにつれて急激に低下した。光照射270分後のアセトアルデヒドの濃度は0.2μmolであった。
【0077】
実施例9(紫外光を利用した光電着)
実施例1で用いたと同じ市販の粉末状酸化タングステン(純度99.99%、高純度化学製)0.5gを、濃度5容量%のメタノール水溶液50mLに分散し、そこにPtが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.5重量部となるように濃度0.019mol/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液(H2PtCl6)を入れて、攪拌しながら紫外線と可視光線を含む光を30分間照射した。光源には高圧水銀灯(400W)を用いた。その後濾過、水洗浄、120℃で乾燥することにより、粒子状のPt担持酸化タングステン光触媒体を得た。得られた光触媒体の表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様に、酸化タングステン粒子の表面に粒子径10〜20nmの粒子が担持されていることがわかった。また、この光触媒体のSTEM観察したところ、実施例1でみられたような、複数の粒子が互いに接した状態で、それぞれ独立して表面に担持されたPt粒子は観測されなかった。
【0078】
この光触媒体を用いて、2−プロパノールの分解反応を行った。暗黒下での反応では、反応容器に2−プロパノールを注入後、70分で2−プロパノールは9.0μmolとなり、分解中間体であるアセトンは6.0μmol生成したが、完全分解生成物である二酸化炭素は生成しなかった。また光照射下での反応では、反応容器に2−プロパノールを注入後、直ぐに可視光照射を行うと、80分後に2−プロパノールは0μmolとなり、アセトンが8.9μmolと、である二酸化炭素が0.5μmol生成した。更に可視光照射を行うと、可視光照射172分後にアセトンが0μmolとなり、二酸化炭素の生成量は42μmolとなった。
【0079】
更に、この光触媒体を用いて、暗黒下でのギ酸の分解反応を行ったところ、ギ酸注入60分後にはギ酸は3.7μmolとなり、完全分解生成物である二酸化炭素の生成量が4.2μmolとなった。
【0080】
実施例1〜実施例8において、酢酸の分解反応は水溶液中で行ったが、この反応に最適なPtの担持量は1重量%であった。これに対して、アセトアルデヒドの分解反応は気相中で行ったが、この反応に最適なPtの担持量は0.1重量%であった。この違いは、気相中での分解反応は、水溶液中に比べて酸素が大量に存在する為、少ないPt粒子の担持量で十分な量の酸素を還元することができ、活性酸素種を大量に生成することができた為であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施例1で得た酸化タングステン光触媒体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】図1のSEM写真の一部の拡大写真である。
【図3】実施例1で得た酸化タングステン光触媒体の他の部分の走査透過型電子顕微鏡(STEM)写真である。
【図4】比較例2で得た酸化タングステン光触媒体のSEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)酸化タングステン粒子を、酸化タングステン粒子100重量部あたりPtとして0.03〜5重量部となるPt化合物を溶解した水溶液中に分散し、
(b)酸化タングステン粒子を光励起しうる波長範囲の可視光線を照射した後、
(c)犠牲剤を添加し、
(d)その後更に可視光線の照射を行うことを特徴とする光触媒体の製造方法。
【請求項2】
更に可視光線の照射を行った後、(e)水で洗浄する
請求項1に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−104592(P2011−104592A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51111(P2011−51111)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2008−77964(P2008−77964)の分割
【原出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(504173471)国立大学法人北海道大学 (971)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】