説明

酸化チタン分散体およびそれを配合した化粧料

【課題】優れた分散性を有する酸化チタン分散体およびそれを配合した化粧料を提供する。
【解決手段】(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体と、(b)イソヘキサデカン、イソドデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸イソノニル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールから選ばれる一種又は二種以上の油分と、(c)一般式 RSiO(4−a−b−c)/2 で表されるシロキサン化合物、特にポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、とを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸化チタン分散体に関し、さらに詳しくは分散性に優れた酸化チタン分散体およびそれを配合した化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外でのレジャーやスポーツの際には、皮膚が過度の紫外線に曝露されて炎症を起こすのを防止するために、日焼け止めクリーム等の使用が古くから行われている。
近年、日常的に無意識のうちに浴びる紫外線においても、シミ、ソバカスの発生、光老化による皺の発生、皮膚細胞の遺伝子損傷による皮膚癌の発生等の原因となる事が知られるようになり、皮膚学者や皮膚科医等の専門家は、日常的に紫外線から皮膚を保護することを推奨している。
【0003】
これを受けて現在では、化粧水、乳液、クリーム、ファンデーション等の化粧料のほとんどに紫外線防御機能が付与されている。紫外線防御機能を有する物質には、紫外線吸収剤としての有機物質と、紫外線散乱剤としての無機物質が存在するが、安全性が高いと考えられる無機物質の方が比較的好まれている。
【0004】
紫外線散乱剤としての無機物質としては、酸化チタンが最もよく用いられている。酸化チタンは、屈折率2.3〜2.6と顔料中で最も大きく、隠蔽力も白色顔料中最大であるが、そのままでは化粧料基剤中に分散しにくいという問題点がある。
そこで化粧料中における酸化チタンの分散性を改善するために、微粒子二酸化チタンの表面に金属石鹸を被覆する技術(例えば、特許文献1、特許文献2)、及び微粒子金属酸化物の表面にシラン化合物を被覆する技術(例えば、特許文献3)が知られている。
この酸化チタンを紫外線防御剤として用いた日焼け止め化粧料は、通常、脂肪酸石鹸処理酸化チタンとデカメチルシクロペンタシロキサンのような環状シリコーンと、シリコーン系の分散助剤とを配合することにより調製されている。
しかしこのような方法によっても、酸化チタンの分散性は十分ではなく、分散させるための分散助剤を多量に必要とするために分散助剤特有のべたつきがあり、また酸化チタンの粉体濃度を高くして紫外線防御能を向上させるのは限界があった。
そこで、酸化チタンを枝分かれ鎖を有する有機化合物中に、分散助剤を必要とせずに分散させた有機分散体が開発されている(特許文献4)。しかしながらこの有機分散体は、使用感触が悪いという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特公平1−57084号公報
【特許文献2】特開昭59−172415号公報
【特許文献3】特開2000−264824号公報
【特許文献4】特開2000−128755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、少量の分散剤を用いて良好な分散性を有する酸化チタン分散体を提供すること、およびそれを用いた安定で使用性のよい化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究の結果、特定の分散剤と油分との組み合わせで、改質された酸化チタンが良好に分散した酸化チタン分散体とすることができることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、次の(a)〜(c)を含むことを特徴とする酸化チタン分散体である。
(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体
(b)イソヘキサデカン、イソドデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸イソノニル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールから選ばれる一種又は二種以上の油分
(c)下記一般式(1)で表されるシロキサン化合物
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
[式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基から選択され、少なくとも一種以上の炭素数10以上のアルキル基を必須成分とする同種または異種の有機基、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
で示されるポリオキシアルキレン基を有する有機基、もしくは下記一般式(4)
−Q−O−X (4)
(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)で示される有機基から選択される同種または異種の有機基、
は下記一般式(5)
【0009】
【化1】

【0010】
で示されるオルガノポリシロキサン(但し、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。d、eはそれぞれ0≦d≦50の整数、0≦e≦50の整数、f、gはそれぞれ2≦f≦200の整数、0≦g≦200の整数、かつf+gが3〜200であり、hは1≦h≦500の整数である。また、m、nはそれぞれ0≦m≦15の整数、1≦n≦5の整数である。また、a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。)]
【0011】
また本発明は、上記酸化チタン分散体を配合してなることを特徴とする化粧料である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の酸化チタン分散体は、少量の分散剤で、油分中での分散性および分散安定性に極めて優れたものである。
本発明の化粧料は、本発明による酸化チタン分散体を配合したことにより、優れた紫外線防御能を有し、粉末の分散性に優れ、良好な使用性を有するものである。また少ない分散剤量で安定な分散性を保持できるので、ベタツキがなく、使用性の良い化粧料とすることができる。さらに、酸化チタン分散体と共に油溶性紫外線吸収剤を配合した場合も長期保存で紫外線吸収剤の析出が起こりにくく、安定性が高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の最良の実施形態について説明する。
本発明においては、以下に述べるような特定の分散剤を用い、この分散剤と特定の油分とを組み合わせて用いることで、少量の分散剤量で良好な分散性を示す酸化チタン分散体とすることができたものである。
【0014】
本発明の、(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体について説明する。
(a)酸化チタン処理粉体における疎水化処理剤としては、特に限定されず、通常公知の疎水化処理剤を用いることができる。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン化合物;パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等のフッ素化合物;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の油剤;ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等の有機チタネート化合物;パーフルオロアルキルシラン、オクチルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0015】
本発明で用いられる(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体に用いられる酸化チタンとしては、シリカまたはアルミナで被覆された酸化チタンが好ましく、例えばシリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で疎水化処理した酸化チタン処理粉体(例えば、テイカ社製の酸化チタンOTQ−MT−100Si)、シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤で疎水化処理した酸化チタン処理粉体、アルミナ被覆酸化チタンを高級脂肪酸で疎水化処理した酸化チタン処理粉体(例えば、石原産業社製の酸化チタンTTO−S−4)、シリカおよびアルミナ被覆酸化チタンを高級脂肪酸およびアルキルシランで疎水化処理した酸化チタン処理粉体が挙げられる。
本発明においては、このうち特に、シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で疎水化処理した酸化チタン処理粉体が好ましい。
【0016】
以下、このシリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で処理した酸化チタン処理粉体(a1)について述べる。
【0017】
基粉体であるシリカ被覆酸化チタンは、酸化チタンスラリーにケイ酸ナトリウムを添加することで調製することができる。
本発明のシリカ被覆酸化チタンは、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず用いることができる。
【0018】
(a1)酸化チタン処理粉体は、上記のシリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で処理したものである。
シランカップリング剤としては、パーフルオロアルキルシラン、オクチルトリエトキシシラン等が挙げられ、このうち特にオクチルトリエトキシシランが好ましい。
【0019】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、C12モノヒドロキシアルキルエーテルカチオン、ジヒドロキシアルキルエーテルカチオン、ジヒドロキシアルキルエーテルカチオン、ヤシ油ジアミドプロピルカチオン、ヤシ油ジカルボキシエチルカチオン、C16ジカルボキシエチルカチオン、C18ジカルボキシエチルカチオン、POP(15)ジエチルメチルカチオン、POP(25)ジエチルメチルカチオン、POP(40)ジエチルメチルカチオン、C12ジアミドプロピルメチルアミン、C14ジアミドプロピルメチルアミン、C16ジアミドプロピルメチルアミン、C18ジアミドプロピルメチルアミン、isoC18ジアミドプロピルメチルアミン、ジC18プロピルジメチルカチオン、ヒドロキシプロピル-ビス-ラウリルカチオン、ヒドロキシプロピル-ビス-ステアリルカチオン、ヒドロキシプロピル−ビス−ラウリルアミドカチオン、ヒドロキシプロピル-ビス-ステアリルアミドカチオン、C18モノヒドロキシアルキルエーテルカチオン、ビス-C18ヒドロキシアルキルエーテルカチオン、C22トリメチルアンモニウムブロマイド、C22プロピルジメチルアミン、クオタニウム-91、C22トリメチルアンモニウムメトサルフェート、ジココイルアミドエチルエチルヒドロキシカチオン、ジC18アミドエチルエチルヒドロキシカチオン、ジC16アミドエチルエチルヒドロキシカチオン、ジC18ジメチルアンモニウム塩、C18ジメチルベンジルアンモニウム塩、パーフルオロトリメチルアンモニウム塩、ジアシルアミドエチルエチルヒドロキシカチオンが挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
特に好ましいカチオン性界面活性剤は、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである。
【0020】
シランカップリング剤とカチオン性界面活性剤の被覆量は、シリカ被覆酸化チタンの自重に対してそれぞれ3〜90質量%、0.5〜10質量%であることが好ましい。
また、シランカップリング剤とカチオン性界面活性剤の被覆量は、質量比で1:1〜9:1であることが好ましい。カチオン性界面活性剤の比率が上述の範囲よりも多いと耐水性が悪くなることがあり、少ないと洗浄性が悪くなることがある。
【0021】
シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で処理した酸化チタン処理粉体の製造方法としては、以下の方法が例示されるがこれに限定されない。
溶媒中に、シリカ被覆酸化チタンに対してシランカップリング剤を3〜90質量%、カチオン性界面活性剤を0.5〜10質量%加え溶解する。その後、シリカ被覆酸化チタンを加え1時間室温で攪拌する。攪拌終了後、溶媒除去、乾燥、粉砕を行い、目的とする処理粉体を得る。
なお溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等各種疎水化処理剤やカチオン性界面活性剤が溶解するものを用いることができるが、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0022】
シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で処理した酸化チタン処理粉体(a)としては、上記のような方法で製造することができるが、市販品として入手可能なものとしては、例えばテイカ社製の酸化チタンOTQ−MT100Siが挙げられる。また、本発明の処理粉体は、市販のシランカップリング剤処理粉体をカチオン性界面活性剤にて処理することによっても製造できる。
【0023】
本発明の酸化チタン分散体において、(a)酸化チタン処理粉体の配合量は25〜60質量%であり、より好ましくは35〜50質量%である。(a)酸化チタン処理粉体の配合量が25質量%未満では酸化チタンの粉体濃度が高い系において、良好な分散体を得るという本発明本来の目的を達成することができず、60質量%を超えると安定な分散体を得ることが困難となる。
【0024】
本発明で用いられる(b)イソヘキサデカン、イソドデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸イソノニル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールから選ばれる一種又は二種以上の油分は、上記処理粉体を安定に分散させ得るものである。上記以外の油分では安定な分散体を得ることは困難な場合がある。
このうち特に好ましいのは、イソヘキサデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールである。これらの油分を用いた時は、他の紫外線吸収剤を加えた場合も良好な分散性が保持され、使用感も優れたものとなる。さらにこれらの油分の中でも、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールがさっぱりとしてかつ紫外線吸収剤と混じりやすいため、好ましい。
ジピバリン酸ポリプロピレングリコールとしては、例えば、WO2003/26698に記載されているジピバリン酸トリプロピレングリコールが挙げられる。
【0025】
本発明において、上記油分(b)の合計配合量は、酸化チタン分散体全体の40〜75質量%であり、好ましくは50〜65質量%である。
【0026】
本発明で用いられる(c)下記一般式(1)で表されるシロキサン化合物は、分散剤として用いられるものである。
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基などのフッ素置換アルキル基、3−アミノプロピル、3−〔(2−アミノエチル)アミノ〕プロピル基等のアミノ置換アルキル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシ置換アルキル基等が挙げられ、Rの一部が少なくとも一種以上の炭素数10以上のアルキル基、具体的にはデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等の長鎖アルキル基であることが必須となる。
【0027】
の一部は、下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
であらわされる有機基であってもよい。ここでRは炭素数4〜30の炭化水素基、又はR5−(CO)−で示される有機基であって、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。mは0≦m≦15の整数、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数である。
【0028】
このRの一部はアルコール残基又はアルケニル付加型残基であり、具体例としては、m=0のとき、 −O−(CO)(CO)−R である。
この場合、d=0、e=0であれば炭素数4〜30のアルコキシ基、例えばブトキシ基などの低級アルコキシ基からセチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等のオレイロキシ基、ステアロキシ基などの高級アルコキシ基が挙げられ、あるいは酢酸、乳酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸残基が挙げられる。また、d>1、e>1であれば高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物(末端は水酸基)のアルコール残基となる。
m≧1、d=e=0の場合は、特にdが3、5又は11が好ましく、この場合はアリルエーテル、ペンテニルエーテル、ウンデセニルエーテル残基であり、Rの置換基によって例えばアリルステアリルエーテル残基、ペンテニルベヘニルエーテル残基、ウンデセニルオレイルエーテル残基などが挙げられる。d若しくはeが0でない場合は、ポリオキシアルキレンを介してアルコキシ基やエステル基が存在することとなる。ここでd、eが何であれ、m=0のときは耐加水分解性に劣る場合があり、dが15以上であると油臭が強い為、3〜5であることが望ましい。
【0029】
は、下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
で示されるポリオキシアルキレン基を有する有機基、もしくは下記一般式(4)
−Q−O−X (4)
(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)で示される有機基から選択される同種または異種の有機基である。
【0030】
一般式(3)中のRは、水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基、又はR−(CO)−で示される有機基であり、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。fは2〜200、好ましくは5〜100の整数、gは0〜200、好ましくは0〜100の整数で、かつ、f+gは3〜200、好ましくは5〜100であり、油中水型乳化物を得るのに充分な親水性を付与するには、f/g≧1であることが好ましい。なお、一般式(3)で示されるポリオキシアルキレン基がエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の両方からなる場合は、これら両単位のブロック重合体及びランダム重合体のいずれでも良い。
【0031】
一般式(4)中のQは、−(CH−、−(CH3−、−CHCH(CH3)CH−、−(CH4−、−(CH6−、−(CH7−、−(CH8−、−(CH2−CH(CHCHCH3)−、−CH−CH(CHCH3)−、−(CH3−O−(CH−、−(CH3−O−(CH2−O−(CH−、−(CH3−O−CHCH(CH3)−、−CH−CH(CH3)−COO(CH2−等を例示することができる。Xは、水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基であって、好ましくはグリセリン誘導体から選択される炭化水素基である。
グリセリン誘導体としては、下記一般式(A)〜(C)に示す化合物が挙げられる。
【0032】
【化2】

【0033】
【化3】

【0034】
【化4】

【0035】
ここで、上記式(A)〜(C)中のQは、一般式(3)中のQと同様であり、l及びmは1〜20の整数である。また、上記化合物中の水酸基の一部がアルコキシ基あるいはエステル基で置換されていても良い。
は、下記一般式(5)
【0036】
【化5】

【0037】
で示されるオルガノポリシロキサンである。ここで、hは0〜500であり、好ましくは1〜50の整数である。nは1〜5の整数であり、特にビニル基とハイドロジェンシロキサンとの反応から合成する場合、nは2である。hが500より大きいと主鎖のハイドロジェンシロキサンとの反応性が悪くなるなどの問題が起こる場合がある。
【0038】
本発明における上記一般式(1)で示される(c)成分は、aは1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.3である。aが1.0より小さいと油剤との相溶性に劣り、2.5より大きいと親水性に乏しくなる。bは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0である。bが0.001より小さいと親水性に乏しくなり、1.5より大きいと親水性が高くなりすぎる。cは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0である。cが0.001より小さいとシリコーン油との相溶性に劣り、1.5より大きくなると親水性に乏しくなる。
本発明で用いられる上記一般式(1)で示される(c)成分の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜200000が好ましく、さらに好ましくは1000〜100000である。
【0039】
本発明における(c)成分の市販品としては、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであるKF−6038(信越化学工業社製、表示名称;ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、KF−6105(信越化学工業社製、表示名称;ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)等が挙げられる。本発明において特に好ましい(c)成分は、R2が、一般式(3)で示される構造を持つものであり、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンである。
【0040】
本発明において、上記(c)成分の配合量は、酸化チタン分散体全体の3〜10質量%であり、好ましくは3〜5質量%である。
【0041】
本発明の酸化チタン分散体は、上記(b)油分に、(a)酸化チタン処理粉体と(c)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンを加え、分散機を用いて分散処理することで得られる。分散処理には、例えばペイントシェーカー、サンドミル、ローラーミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザーなどの強力な分散能力を持つ分散機が適宜選択して用いられる。とりわけ、分散能力の高いビーズミルなどの媒体攪拌ミルを用いることが好ましい。
【0042】
本発明の化粧料は、上記の酸化チタン分散体を配合してなるもので、(a)酸化チタン処理粉体を、紫外線防御等の目的で配合するものである。酸化チタン分散体の化粧料への配合量は、化粧料の剤型や、より具体的な目的を鑑みた他の配合成分との兼ね合いにより、一概に規定できるものではないが、概ね化粧料全体の5〜30質量%が好ましく、7〜20質量%であることが特に好ましい。5質量%未満では、十分な紫外線防御効果が得られないことがあり、また30質量%を越えると使用性と安定性が悪くなることがある。
【0043】
本発明の化粧料には、上記の酸化チタン分散体の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分、例えば、その他の粉末成分、その他の液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0044】
本発明の化粧料は、外皮に適用される化粧品、医薬品、及び医薬部外品に広く適用することが可能である。その剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等、任意の形態で提供されることができる。
水中油型乳化化粧料の場合、酸化チタン分散体としては良好な分散状態を維持していても、化粧料製剤に配合すると乳化安定性が悪くなったり、粉末の凝集が起こったりすることが多い。本発明の酸化チタン分散体は、水中油型乳化化粧料においても乳化安定性がよく、粉末の凝集も起こりにくいものであるため、特に水中油型乳化化粧料が好ましいものである。
【0045】
また、本発明の化粧料の製品形態は任意であり、特に限定されるものではないが、例えば、ファンデーション、白粉、口紅、アイシャドウ、チーク、マスカラ、アイライナー等のメイクアップ化粧料や、下地クリーム、ヘアクリーム等が挙げられる。特に日焼け止め化粧料であることが好ましい。
【0046】
本発明にかかる化粧料は、さらに有機系の紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0047】
本発明の酸化チタン分散体で用いている分散媒は、特に油溶性紫外線吸収剤との相溶性に優れるため、長期保存時においても紫外線吸収剤の析出などが起こりにくく、安定な化粧料を得ることができる。とりわけ、シリコーン油には溶解しにくい、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば商品名:ユビナールA+ BASF社製)、エチルヘキシルトリアジン(例えば商品名:ユビナールT−150 BASF社製)、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(例えば商品名:パルソール1789 DSM社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(例えば商品名:チノソーブS チバ社製)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(例えば商品名:ユバソーブHEB 3V sigma社製)、オキシベンゾン-3(例えば商品名:ユビナールM−40 BASF社製)を配合した場合であっても紫外線吸収剤の析出などが起こりにくく、化粧料製剤の安定性に優れている。
【実施例】
【0048】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法について説明する。
【0049】
(1)分散性の評価試験
酸化チタン分散体中の油分と酸化チタン処理粉体との重量比が1:1となるようにガラスビーズ(1mm)を加え、ペイントシェーカーにて1時間混合してスラリー状の分散体を調製する。
【0050】
(分散状態の確認)
分散体の塗膜の状態を目視し、次の基準で評価した。
○:均一、透明で青白い。
○△:やや均一、半透明で青白い。
△:やや不均一、不透明で白い。一部凝集体が見られる。
△×:かなり不均一、不透明で白い。凝集体が見られる。
×:完全に不均一、不透明で白い。凝集体が多い。
【0051】
試験例1
次の表1に示すような種々の酸化チタン処理粉体35質量%と、分散剤(KF−6038(信越化学工業株式会社製))5質量%と、表1記載の油分60質量%とで酸化チタン分散体とし、酸化チタン処理粉体の分散性を上記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
表1の酸化チタンの詳細(表面処理剤、疎水化処理剤)は表2に示すとおりである。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
表1から、環状シリコーン、イソヘキサデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル(2−EH酸2−EH)、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールは、その他の有機溶剤に比べて種々の酸化チタン処理粉体に対して良好な分散性を示すことがわかる。ここで、フェニルトリメチコンはシリコンKF56(信越化学社製)であり、PBG/PPG−9/1コポリマーはポリブチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーで平均モル比が9:1のものであり、PEG/PPG14/7DMEは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを14モル対7モルの比でランダムに重合させ、末端をメチル基で封鎖したものである。
【0055】
実施例1〜9、比較例1〜3
次の表3、表4に示す処方で、水中油型日焼け止め化粧料を調製し、乳化状態および低温安定性を下記の方法で評価した。また各実施例、比較例中で用いた酸化チタン分散体の分散性を上記と同様の方法で評価した。
ここで酸化チタン分散体中の成分割合は、油分50質量%、粉末45質量%、分散剤(KF−6038(信越化学工業株式会社製))5質量%とした。
【0056】
(乳化状態の確認)
化粧料の乳化状態を次の基準で評価した。
◎:乳化粒子が非常に細かく(1〜2.5μm)で均一、分離なし
○:乳化粒子が細かく(1〜5μm)で均一、分離なし
△:乳化粒子が細かく(1〜5μm)で均一、上部にやや油が分離
×:乳化粒子が粗大(1〜20μm)で不均一、上部に油がはっきりと分離
【0057】
(低温安定性の確認)
化粧料を、−20℃にて、1ヶ月間保管したのち、次の基準で評価した。
○:外観に異常は見られず、顕微鏡にて偏光観察しても、異常は見られない。
×:外観で紫外線吸収剤由来の結晶が発生しており、偏光観察すると、明確な反射光が観察される。
【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
※1:ニッコールTS−10V(日光ケミカルズ社製)
※2:ペミュレンTR−2(グッドリッチ社製)
※3:シリコンKF−56(信越化学社製)
※4:ユビナールAプラス(BASF社製)
【0061】
表3、表4から、本発明の酸化チタン分散体を配合した化粧料は乳化が良好に行われて粉末の凝集もなく、製剤とのマッチングに優れたものであることが分かる。特に、オクチルトリエトキシシランと、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドによって疎水化処理した粉体の2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル分散体を配合したもの(実施例1)や、オクチルトリエトキシシランと、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドによって疎水化処理した粉体のジピバリン酸ポリプロピレングリコール分散体を配合したもの(実施例9)は、乳化状態が特に優れていた。
一方、環状シリコーン5量体、トリオクタノイン、ポリデセンを酸化チタンの分散媒に用いた場合、分散体そのものでは分散状態に優れていたものの、化粧料に配合した場合に、乳化状態が不安定になったり、保存時に油溶性であり難溶性の紫外線吸収剤の析出が起こってしまい、安定な化粧料を得ることができなかった(比較例1〜3)。
【0062】
以下に、本発明の酸化チタン分散体を用いた化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0063】
処方例1(乳液)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 3 質量%
(2)フェニルトリメチコン 3
(3)ベヘニルアルコール 1
(4)酸化チタン分散体(OTQ-MT-100Si−ジピバリン酸ポリプロピレングリコール−KF6038) 15
(5)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.5
(6)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(7)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS) 2
(8)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(パルソール1789) 2
(9)メトキシ桂皮酸オクチル 5.5
(10)オクトクリレン 5
(11)精製水 残余
(12)カルボキシビニルポリマー 0.3
(13)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)苛性カリ 適量
(15)1,3−ブチレングリコール 5
(16)トラネキサム酸 2
(17)エデト酸3ナトリウム 適量
(18)キサンタンガム 適量
(19)フェノキシエタノール 適量
【0064】
《調製方法》
・(1)〜(10)の油相を80℃に加温し、均一溶解する。
・(11)に(12)、(13)を均一溶解させ、(14)で中和する。
・(15)〜(19)を、先に調製した(11)〜(14)部に添加し、均一混合する。
・(1)〜(10)の油相を、(11)〜(19)の水相へ添加し、ホモジナイザーなどのせん断機で均一乳化を行うことで、目的物が得られる。
【0065】
処方例2(クリーム)
(1)ステアリン酸 1 質量%
(2)パルミチン酸 0.5
(3)ベヘニン酸 1
(4)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(商品名:ユビナールA+ BASF社製) 2
(5)エチルヘキシルトリアジン(商品名:ユビナールT−150 BASF社製) 1
(6)酸化チタン分散体(TSコンフ゜レックス−(2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル)−KF6038) 20
(7)2−エチルヘキサン酸セチル 4
(8)メトキシ桂皮酸オクチル 5.5
(9)オクトクリレン 5
(10)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
(11)モノステアリン酸グリセリン 1
(12)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(13)エイコセン・ビニルピロリドン共重合体 2
(14)精製水 残余
(15)ジプロピレングリコール 5
(16)1.3−ブタンジオール 5
(17)フェノキシエタノール 適量
(18)エデト酸三ナトリウム 適量
(19)ベントナイト 1
(20)トリエタノールアミン 適量
【0066】
《調製方法》
・(1)〜(13)の油相を70℃に加温し、均一溶解する。
・(14)〜(18)を均一溶解後、(19)を分散させ、70℃に加温する。
・(1)〜(13)の油相を、(14)〜(19)の水相へ添加し、(20)で中和を行う。その後、ホモジナイザーなどのせん断機で均一乳化を行い、室温へ攪拌しながら冷却することで、目的物が得られる。
【0067】
処方例3(乳液)
(1)フェニルトリメチコン 1 質量%
(2)ポリデセン 2
(3)セバシン酸ジイソプロピル 3
(4)コハク酸ジオクチル 2
(4)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(商品名:ユバソーブHEB 3V sigma社製) 3
(5)オキシベンゾン−3(商品名:ユビナールM−40 BASF社製) 2
(6)酸化チタン分散体(TTO-S-4−イソヘキサデカン−KF6105) 20
(7)2−エチルヘキサン酸セチル 1
(8)メトキシ桂皮酸オクチル 5
(9)オクトクリレン 4
(10)モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO60) 1
(11)モノステアリン酸グリセリル(EO5) 1
(12)精製水 残余
(13)ジプロピレングリコール 5
(14)1.3−ブタンジオール 5
(15)フェノキシエタノール 適量
(16)エデト酸三ナトリウム 適量
【0068】
《調製方法》
・(1)〜(11)の油相を70℃に加温し、均一溶解する。
・(12)〜(16)を均一溶解後、加温した(1)〜(11)の油相を、(12)〜(16)の水相へ添加し、乳化を行う。その後、ホモジナイザーなどのせん断機で均一乳化を行うことで、目的物が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(a)〜(c)を含むことを特徴とする酸化チタン分散体。
(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体
(b)イソヘキサデカン、イソドデカン、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸イソノニル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコールから選ばれる一種又は二種以上の油分
(c)下記一般式(1)で表されるシロキサン化合物
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
[式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基から選択され、少なくとも一種以上の炭素数10以上のアルキル基を必須成分とする同種または異種の有機基、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
で示されるポリオキシアルキレン基を有する有機基、もしくは下記一般式(4)
−Q−O−X (4)
(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)で示される有機基から選択される同種または異種の有機基、
は下記一般式(5)
【化1】


で示されるオルガノポリシロキサン(但し、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。d、eはそれぞれ0≦d≦50の整数、0≦e≦50の整数、f、gはそれぞれ2≦f≦200の整数、0≦g≦200の整数、かつf+gが3〜200であり、hは1≦h≦500の整数である。また、m、nはそれぞれ0≦m≦15の整数、1≦n≦5の整数である。また、a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。)]
【請求項2】
(a)酸化チタン処理粉体が、シリカ被覆またはアルミナ被覆の酸化チタンを処理した粉体であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
【請求項3】
(a)酸化チタン処理粉体が、シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で処理したものであることを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン分散体。
【請求項4】
(a)酸化チタン処理粉体の配合量が25〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
【請求項5】
(c)シロキサン化合物の配合量が3〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン分散体を配合してなることを特徴とする化粧料。
【請求項7】
水中油型乳化化粧料であることを特徴とする請求項6に記載の化粧料。
【請求項8】
さらに油溶性紫外線吸収剤として、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアジン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、オキシベンゾン−3から選ばれる一種又は二種以上を含有することを特徴とする請求項6に記載の化粧料。

【公開番号】特開2010−143852(P2010−143852A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321996(P2008−321996)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】