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酸化チタン含有ペースト、多孔質酸化チタン積層体の製造方法、多孔質酸化チタン積層体、色素増感型太陽電池用電極及び色素増感型太陽電池
説明

酸化チタン含有ペースト、多孔質酸化チタン積層体の製造方法、多孔質酸化チタン積層体、色素増感型太陽電池用電極及び色素増感型太陽電池

【課題】加熱後に形成される多孔質酸化チタン層中に、独立して均一に分散された球形に近い空孔を形成することが可能な酸化チタン含有ペースト、該酸化チタン含有ペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体の製造方法、多孔質酸化チタン積層体、それを用いた色素増感型太陽電池用電極及び色素増感型太陽電池の提供。
【解決手段】酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記加熱消滅性樹脂粒子が、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子であり、前記酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.2μm以上(ただし、平均粒子径は調製したペースト中に存在する酸化チタン粒子の平均粒子径である)である、酸化チタン含有ペースト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素増感型太陽電池用電極を形成するために用いられる酸化チタン含有ペースト、該ペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体の製造方法、該製造方法により得られた多孔質酸化チタン積層体、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感型太陽電池用電極及び色素増感型太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止のために、炭酸ガスの排出量を低減するための各種の方策が世界的に検討されている。特に発電においては、従来の火力、原子力及び水力発電などの大規模集中発電に加えて、太陽エネルギー、風力及び地熱などの再生可能エネルギー(自然エネルギー)などを利用した分散発電を用いて、炭酸ガスの総排出量を低減する取り組みが行われている。
【0003】
特に太陽電池は、シリコン系太陽電池を中心に既に実用化されている。しかしながら、シリコン系太陽電池は、原料である高純度シリコンの安定的な供給及びコスト高などの課題がある。従って、太陽電池の更なる普及のために、安価であり、かつ製造が容易である新規な太陽電池が望まれている。
【0004】
これに対応する太陽電池として、有機太陽電池が挙げられる。有機太陽電池の中でも、光電変換効率が特に高い色素増感型太陽電池が注目されている。色素増感型太陽電池は、比較的容易に製造でき、原材料が安く、かつ光電変換効率が高いので、次世代太陽電池の有力候補と考えられている。
【0005】
色素増感型太陽電池において、酸化チタン層の役割は、1)増感色素の吸着、2)励起した増感色素からの電子注入受け入れ、3)導電層への電子輸送、4)ヨウ化物イオンから色素への電子移動(還元)反応場の提供、並びに5)光散乱及び光閉じこめ等である。
【0006】
このうち、1)色素の吸着の目的に対しては、酸化チタン層の表面積をできるだけ大きくして、数多くの色素を吸着可能にすることが有利である。このような理由から、酸化チタン層は、多孔質であることが求められる。3)電子移動の観点からは、酸化チタン層が電気的な接触を持った連続構造を有する必要がある。4)反応場の提供の目的のためには、ヨウ化物イオンを含む電解液と接触させるために、更に酸化されたヨウ化物イオンを反応場から対極側へ拡散させるために、酸化チタン層の空孔は、ある程度連続している必要がある。更に、5)光拡散の観点からは、光拡散に十分な大きさの空孔が、酸化チタン層に均一に存在することが望ましい。
【0007】
このように、酸化チタン層の表面積、空孔構造及び連続構造、並びに酸化チタン層における空孔の大きさ及び空孔の分布などは、太陽電池の性能を直接左右する。すなわち、光電変換効率が高く、かつ出力が安定している色素増感型太陽電池を製造するためには、酸化チタン層の多孔質構造を制御する必要がある。
【0008】
従来、多孔質である酸化チタン層は、酸化チタン粒子と有機バインダとを含むペーストを基材上に塗布し、溶剤を揮発させた後、更に高温にて有機バインダを消失させることにより形成されている。しかしながら、有機バインダを消失させて空孔を形成した場合には、酸化チタン層の表面積及び空孔の大きさが小さくなる。表面積を大きく、かつ空孔を大きくするためには、有機バインダの量を増やす必要がある。しかしながら、有機バインダの量を増やすと、ペーストの粘度が高くなって塗布が困難になったり、有機バインダを焼失させた後の酸化チタン層の強度が不足したりする。さらに、溶剤の揮発後に、ペースト中での有機バインダの存在形態は、溶剤乾燥履歴、ペーストの塗布方法及びペースト内の成分比率等による影響を受ける。このため、酸化チタン層における空孔の構造、大きさ及び分布などが安定せず、好ましい多孔質構造を有する酸化チタン層を安定して形成することは困難である。
【0009】
また、多孔質である酸化チタン層を形成する方法としては、例えば、酸化チタン分散液をスプレー塗布する方法、相分離した酸化チタン含有ペーストを用いる方法、基材上に酸化チタン含有ペーストを塗布した後、該ペーストを凍結乾燥する方法、酸化チタン含有ペーストをガス中に分散させたエアロゾルを、吹き付け等により膜化して、焼成する方法などがある。しかしながら、これらの方法ではいずれも、多孔質構造を精密に制御することが困難であり、空孔の大きさ、空孔の均一性及び酸化チタン層の連続構造などのすべての要件を、安定的に良好にすることは困難である。
【0010】
また、有機粒子を含む酸化チタン含有ペーストを用いて、焼成時に分解又は酸化等により有機粒子を消失させて、多孔質酸化チタン層を形成する方法が提案されている。
【0011】
有機粒子を含む酸化チタン含有ペーストの一例として、例えば、下記の特許文献1には、平均粒径30nm以上である不溶性ポリマー粒子を含む酸化チタン含有ペーストが開示されている。ここでは、前記ポリマー粒子が、メチルメタクリレート又はスチレンを構造単位として含有することが好ましいことが記載されている。実施例では、メチルメタクリレートポリマー粒子、及びスチレンポリマー粒子のみが用いられている。
【0012】
下記の特許文献2では、ポリマー又は炭素材料により形成された非増粘性粒子を含む酸化チタン含有ペーストが開示されている。前記ポリマーにより形成された非増粘性粒子として、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ポリプロピレン粒子及びポリメチルメタクリレート粒子が挙げられている。特許文献2では、前記非増粘性粒子の材料のうちポリエステル及びポリウレタンについては具体的な構造が例示されておらず、実施例では、ポリスチレンのみが用いられている。
【0013】
下記の特許文献3には、有機樹脂粒子を含む酸化チタン含有ペーストが開示されている。前記有機樹脂粒子として、アクリル樹脂(メタクリル酸エステル共重合物)の球状粒子及びPEG(ポリエチレングリコール)のフレークが挙げられている。実施例では、前記有機樹脂粒子の材料として、メタクリル酸エステル共重合物のみが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2001−257012号公報
【特許文献2】特開2006−324011号公報
【特許文献3】特開2008−10237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
有機粒子(以下、加熱消滅性樹脂粒子と記す)を含む酸化チタン含有ペーストを用い、焼成時に分解又は酸化等により該加熱消滅性樹脂粒子を消失させ多孔質酸化チタン層を形成する方法において、加熱消滅性樹脂粒子の消失により形成される空孔は、多孔質酸化チタン層中に独立して存在し、且つ、なるべく球形に近い空孔であることが望ましい。このような多孔質酸化チタン層は、色素増感型太陽電池用電極として使用する場合に、該電池の電解液が前記空孔の内部に入ることで、電極が配置される上下方向(層厚み方向)が潰れた偏平な空孔よりも、球形の空孔の方が上下方向の電荷の移動が効率的になると予想される。従って、球形の空孔を有する多孔質酸化チタン層を形成できれば、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を提供できることが期待されている。
【0016】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された酸化チタン含有ペーストを用いて多孔質酸化チタン積層体を製造した場合、得られる多孔質酸化チタン層の空孔は、2つ以上の加熱消滅性樹脂粒子が連結して大型となったり、上下方向に潰れた偏平な空孔を生じてしまい、球形に近い空孔を得ることができなかった。
【0017】
本発明は前記事情に鑑みてなされ、加熱後に形成される多孔質酸化チタン層中に、独立して均一に分散された球形に近い空孔を形成することが可能な酸化チタン含有ペースト、該酸化チタン含有ペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体の製造方法、多孔質酸化チタン積層体、それを用いた色素増感型太陽電池用電極及び色素増感型太陽電池の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するため、本発明は、酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記加熱消滅性樹脂粒子が、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子であり、前記酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.2μm以上(ただし、平均粒子径は調製したペースト中に存在する酸化チタン粒子の平均粒子径である)である、酸化チタン含有ペーストを提供する。
【0019】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記加熱消滅性樹脂粒子が、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種のユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤と、重合性不飽和基を有する単量体とを反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。
【0020】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記加熱消滅性樹脂粒子が、空気下において400℃で1時間加熱処理されると粒子の99質量%以上が消滅する加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。
【0021】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記加熱消滅性樹脂粒子のテルピネオール膨潤による粒径変化率が、20%以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記架橋剤が、下記式(1)で表される架橋剤及び下記式(2)で表される架橋剤であることが好ましい。
(Rv1)−(CH(CH)CHO)−(CHCH(CH)O)−(Rv2) ・・・式(1)
(前記式(1)中、Rv1及びRv2はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、n+mは1〜20の整数である。)
(Rv3)−(CHCHCHCHO)−(Rv4) ・・・式(2)
(前記式(2)中、Rv3及びRv4はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、pは1〜20の整数である。)
【0023】
前記式(1)において、Rv1が下記式(11)で表される基であり、かつ、Rv2が下記式(12)で表される基であり、
前記式(2)において、Rv3が下記式(21)で表される基であり、かつ、Rv4が下記式(22)で表される基であることが好ましい。
【0024】
【化1】

【0025】
(前記式(11)中、R11は、メチル基又は水素原子を示す。)
【0026】
【化2】

【0027】
(前記式(12)中、R12は、メチル基又は水素原子を示す。)
【0028】
【化3】

【0029】
(前記式(21)中、R21は、メチル基又は水素原子を示す。)
【0030】
【化4】

【0031】
(前記式(22)中、R22は、メチル基又は水素原子を示す。)
【0032】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記単量体が、(メタ)アクリロイル基を有するものであることが好ましい。
【0033】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記加熱消滅性樹脂粒子が、前記架橋剤と前記単量体とを質量比で1:99〜75:25で反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。
【0034】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、酸化チタン含有ペーストを空気下において400℃で1時間加熱処理して、多孔質酸化チタン層を形成したときに、該多孔質酸化チタン層中に含まれる残炭素量が1000ppm未満であることが好ましい。
【0035】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、前記酸化チタン粒子の結晶型がアナターゼ型であることが好ましい。
【0036】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、酸化チタン含有ペースト100質量%中、前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量が、酸化チタン含有ペースト中に含まれる酸化チタン粒子の含有量に対して3〜100質量%であることが好ましい。
【0037】
本発明の酸化チタン含有ペーストにおいて、分散剤をさらに含むことが好ましい。
【0038】
また本発明は、前記酸化チタン含有ペーストを基材上に塗布し、該基材上に酸化チタン含有ペースト層を形成する工程と、前記酸化チタン含有ペースト層を500℃以下で1時間以上加熱処理することにより、前記酸化チタン粒子を焼結させて、かつ前記加熱消滅性樹脂粒子を消滅させて、基材上に多孔質酸化チタン層を形成する工程とを備える、多孔質酸化チタン積層体の製造方法を提供する。
【0039】
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、前記基材として、可視光を85%以上透過する透明基材を用いることが好ましい。
【0040】
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、前記基材の材料が、ガラスであることが好ましい。
【0041】
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、前記基材として、導電性を有する導電性基材を用いることが好ましい。
【0042】
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、前記基材として、基材本体と、該基材本体の表面に積層された導電層とを有する導電性基材を用いることが好ましい。
【0043】
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、前記導電層の材料が、ITO及びFTOの内のいずれか1種を含むものであることが好ましい。
【0044】
また本発明は、基材と、該基材の表面に積層された多孔質酸化チタン層と備え、前記多孔質酸化チタン層が、前記酸化チタン含有ペーストを用いて形成されている、多孔質酸化チタン積層体を提供する。
【0045】
また本発明は、請求項19に記載の多孔質酸化チタン積層体の多孔質酸化チタン層に増感色素を吸着させてなる、色素増感型太陽電池用電極を提供する。
【0046】
また本発明は、前記色素増感型太陽電池用電極を有する、色素増感型太陽電池を提供する。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記加熱消滅性樹脂粒子が、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子であり、前記酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.2μm以上である構成としたことで、該ペーストを基材表面に塗布し、加熱して焼結させた際に、加熱消滅性樹脂粒子が十分に消失して空孔が形成されるとともに、酸化チタン粒子が疎の状態で焼結され、疎の酸化チタン焼結体中に、加熱消滅性樹脂粒子に起因した球形の独立した空孔が均一に分散した多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層を形成できる。
【0048】
本発明に係る多孔質酸化チタン積層体の製造方法は、前記酸化チタン含有ペーストを基材上に塗布し、該基材上に酸化チタン含有ペースト層を形成する工程と、前記酸化チタン含有ペースト層を500℃以下で1時間以上加熱処理することにより、前記酸化チタン粒子を焼結させて、かつ前記加熱消滅性樹脂粒子を消滅させて、基材上に多孔質酸化チタン層を形成する工程とを備え、前記酸化チタン含有ペーストを用いたことによって、該ペーストを基材表面に塗布し、加熱して焼結させた際に、加熱消滅性樹脂粒子が十分に消失して空孔が形成されるとともに、酸化チタン粒子が疎の状態で焼結され、疎の酸化チタン焼結体中に、加熱消滅性樹脂粒子に起因した球形の独立した空孔が均一に分散した多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層を形成できる。
【0049】
本発明に係る酸化チタン含有ペーストの使用により、光電変換効率が高い色素増感型太陽電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る酸化チタン含有ペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態に係る酸化チタン含有ペーストを用いた色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、実施例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)である。
【図4】図4は、実施例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)である。
【図5】図5は、実施例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)である。
【図6】図6は、実施例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)である。
【図7】図7は、比較例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)である。
【図8】図8は、比較例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)である。
【図9】図9は、比較例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)である。
【図10】図10は、比較例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(50000倍)である。
【図11】図11は、比較例3で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)である。
【図12】図12は、比較例3で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(50000倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態を説明する。
[1] 酸化チタン含有ペースト
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記加熱消滅性樹脂粒子が、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子であり、前記酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.2μm以上であることを特徴としている。
ここで、前記平均粒子径とは、調製したペースト中に存在する酸化チタン粒子の平均粒子径である。
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、基材上に塗布された後に加熱処理することにより、基材上に多孔質酸化チタン層を形成するために好適に用いられる。
以下、本発明に係る酸化チタン含有ペーストの構成材料について説明する。
【0052】
(1)酸化チタン粒子
本発明に係る酸化チタン含有ペーストに用いる酸化チタン粒子は、酸化チタン含有ペーストの加熱処理(焼成)により、酸化チタン粒子同士が接合して多孔質の酸化チタンとなる原料である。本発明で用いる酸化チタン粒子は、調製したペースト中に存在する酸化チタン粒子の平均粒子径が0.2μm以上であり、それ以外の性状、例えば、結晶型や粒子形状などは特に限定されない。
【0053】
前記酸化チタン粒子の平均粒子径は、0.2μm以上である。前記酸化チタン粒子の平均粒子径が0.2μm以上であると、酸化チタン含有ペースト中の酸化チタン粒子の凝集が少なくなり、酸化チタン含有ペーストを加熱後に得られた多孔質酸化チタン層が、疎の状態になり、加熱消滅性樹脂粒子に起因して形成される空孔が潰れ難くなり、球形に近い空孔を得ることができる。前記酸化チタン粒子の平均粒子径が0.2μmよりも小さいと、酸化チタン含有ペーストを加熱後に得られた多孔質酸化チタン層が密になり、加熱消滅性樹脂粒子に起因して形成される空孔が潰れやすくなり、球形の空孔を得ることが難しくなる。
この酸化チタン粒子の平均粒子径は、調製後の酸化チタン含有ペースト(0.004g)をエタノールなどのアルコール(10g)に溶解させ、従来周知の粒度分布測定機により測定することができる。
【0054】
酸化チタン粒子の結晶型として、アナターゼ、ルチル及びブルカイトの3種類が知られている。酸化チタン粒子の結晶型は、アナターゼ型であることが好ましい。アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンよりも反応活性が高く、増感色素からの電子注入が効率的に起こる。このため、色素増感型太陽電池用途において、アナターゼ型酸化チタンは好適に用いられる。
【0055】
酸化チタン粒子の形状としては、特に限定されず、球状又はその類似形、正八面体状又はその類似形、星状又はその類似形、針状、板状、並びに繊維状等が挙げられる。特に、球形又は正八面体状の類似形の酸化チタン粒子は、入手が容易である。
【0056】
光散乱効果及び光閉じこめ効果をより一層高める観点からは、酸化チタンの結晶型は、ルチル型であることが好ましい。ルチル型酸化チタンは屈折率が高いため、光散乱効果及び光閉じこめ効果をより一層高めることができ、従って多孔質酸化チタン層における光利用効率を高めることができる。この結果、色素増感型太陽電池における光電変換効率を高めることができる。
【0057】
酸化チタン粒子の市販品としては、例えば、日本アエロジル社製P25及びP90等が挙げられる。ただし、本発明で用いられる酸化チタン粒子は、これらの市販品に限定されない。
【0058】
(2)加熱消滅性樹脂粒子
本発明に係る酸化チタン含有ペーストに用いる加熱消滅性樹脂粒子は、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子である。
この加熱消滅性樹脂粒子の粒子径が100〜1700nmの範囲内であれば、酸化チタン含有ペースト中の加熱消滅性樹脂粒子が凝集せず、均一に分散させることができ、該ペーストを基材表面に塗布し、加熱して焼結させた際に、球形に近い、独立した空孔が均一に分散した多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層を形成できる。
【0059】
前記加熱消滅性樹脂粒子は、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマー成分との共重合体などの各種のアクリル系樹脂の中から適宜選択される樹脂で作製することができ、その中でも、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種のユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤と、重合性不飽和基を有する単量体とを反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子が好ましい。
【0060】
さらに、前記加熱消滅性樹脂粒子は、空気下において400℃で1時間加熱処理されると粒子の99質量%以上が消滅する加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。前記加熱消滅性樹脂粒子を空気下において400℃で1時間加熱処理すると、前記加熱消滅性樹脂粒子100質量%中、前記加熱消滅性樹脂粒子の99質量%〜100質量%が消滅することが好ましい。
【0061】
色素増感型太陽電池の電極を構成する酸化チタン層に関しては、該酸化チタン層を多孔質にすることにより、表面積を増加させて、酸化チタン層における色素吸着量及び電子移動反応機会を増加させたり、光散乱による光の効率的利用を高めたりすることが必要である。酸化チタン層を多孔質にするためには、酸化チタン電極(酸化チタン層)の原料である酸化チタン含有ペーストに、有機物質を添加して、焼結の際、有機物質を消失させる方法がある。
【0062】
本発明では、多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層を形成するために、また多孔質酸化チタン層に必要な空孔構造を形成するために、粒子状ではない有機バインダのかわりに、特定の前記加熱消滅性樹脂粒子を用いている。特定の前記加熱消滅性樹脂粒子の使用により、粒子状ではない有機バインダを使用した場合と比べて、色素増感型太陽電池用電極における多孔質酸化チタン層として好適な多孔質構造を形成できる。
【0063】
酸化チタン含有ペーストを得る際に、前記加熱消滅性樹脂粒子は、有機バインダ樹脂又は溶剤と混合され、撹拌され、分散される。分散の際に、前記加熱消滅性樹脂粒子は酸化チタン粒子等とともに、激しく撹拌される可能性がある。このような撹拌等によって、前記加熱消滅性樹脂粒子が膨潤したり、溶解したり、あるいは破砕されたりすると、多孔質酸化チタン層に適度な空孔構造を形成することが困難になる傾向がある。また、焼結時に比較的低温で多孔質酸化チタン層の形状が崩れたり、多孔質酸化チタン層が溶融したりしても、多孔質酸化チタン層に適度な空孔構造を形成することが困難になる傾向がある。このため、前記加熱消滅性樹脂粒子は、分散の際の撹拌の剪断応力によっても形状が崩れず、更に焼結時に比較的低温の段階で形状が崩れないことが重要である。
【0064】
前記単量体は、(メタ)アクリレート類であることが好ましい。前記(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらが好適に用いられる。
【0065】
前記(メタ)アクリレート類を用いた場合には、前記スチレン類を用いた場合と比較して、解重合と共にランダム結合切断が発生し難くなり、焼結後の多孔質酸化チタン層において残渣が生じ難くなる。側鎖の炭素数が4以下である(メタ)アクリレート類を用いた場合には、解重合以外の反応が進行し難くなり、焼結時に前記加熱消滅性樹脂粒子をより一層効果的に消滅させることが可能になる。アクリレートよりもメタクリレートの方が解重合が容易に起こるので、前記単量体は、メタクリレート類であることが好ましい。解重合が容易に起こり、かつ解重合以外の反応が進行し難くなるので、前記単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート又はtert−ブチルメタクリレートであることが好ましい。
【0066】
解重合特性に優れているので、前記単量体における重合性不飽和基は、スチレン性不飽和基又は(メタ)アクリレート性不飽和基であることが好ましい。解重合特性に優れているので、前記単量体における重合性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、メタクリロイル基であることがより好ましい。前記単量体は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、メタクリロイル基を有することが好ましい。
【0067】
前記架橋剤は、重合性不飽和基を2以上有することが好ましい。焼結により前記加熱消滅性樹脂粒子が効率的に消失するように、前記架橋剤は、2つの重合性不飽和基の間に、オキシアルキレンユニットが結合していることが好ましい。前記オキシアルキレンユニットとしては、オキシエチレンユニット、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニット等が挙げられる。
【0068】
熱分解効率が特に良好であるので、前記架橋剤は、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種を有することが好ましい。言い換えれば、前記架橋剤は、オキシプロピレンの構造単位と、オキシテトラメチレンの構造単位とを有することが好ましい。ただし、前記架橋剤は、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニット以外のユニットを有していてもよい。オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種を有する架橋剤の使用により、これらのユニットを有さない架橋剤を使用した場合と比べて、前記加熱消滅性樹脂粒子の熱分解効率が高くなる。
【0069】
前記架橋剤がオキシプロピレンユニットを有する場合に、オキシプロピレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤としては、下記式(1)で表される架橋剤が挙げられる。ただし、本発明で用いられる前記架橋剤は、下記式(1)で表される架橋剤に限定されない。
【0070】
(Rv1)−(CH(CH)CHO)−(CHCH(CH)O)−(Rv2) ・・・式(1)
【0071】
前記式(1)中、Rv1及びRv2はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、n+mは1〜20の整数である。nとmとは、合計で1〜20の整数である。前記式(1)で表される架橋剤において、(CH(CH)CHO)のユニット(構造単位)と(CHCH(CH)O)のユニット(構造単位)とは、交互に存在していてもよい。
【0072】
前記架橋剤がオキシテトラメチレンユニットを有する場合に、オキシテトラメチレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤としては、下記式(2)で表される架橋剤が挙げられる。ただし、本発明で用いられる前記架橋剤は、下記式(2)で表される架橋剤に限定されない。
【0073】
(Rv3)−(CHCHCHCHO)−(Rv4) ・・・式(2)
前記式(2)中、Rv3及びRv4はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、pは1〜20の整数である。
【0074】
解重合特性に優れているので、前記架橋剤における重合性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、メタクリロイル基であることがより好ましい。
【0075】
前記式(1)において、Rv1が下記式(11)で表される基であり、かつ、Rv2が下記式(12)で表される基であることが好ましい。さらに、前記式(2)において、Rv3が下記式(21)で表される基であり、かつ、Rv4が下記式(22)で表される基であることが好ましい。
【0076】
【化5】

【0077】
前記式(11)中、R11は、メチル基又は水素原子を示す。
【0078】
【化6】

【0079】
前記式(12)中、R12は、メチル基又は水素原子を示す。
【0080】
【化7】

【0081】
前記式(21)中、R21は、メチル基又は水素原子を示す。
【0082】
【化8】

【0083】
前記式(22)中、R22は、メチル基又は水素原子を示す。
【0084】
前記式(11)及び式(21)は、(メタ)アクリロイル基を有する基である。前記式(12)及び式(22)は、(メタ)アクリロイル基である。
【0085】
解重合性に優れているので、前記式(11)、(12)、(21)及び(22)中、R11、R12、R21及びR22はそれぞれ、メチル基であることが好ましい。
【0086】
オキシプロピレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤は市販されており、容易に入手可能である。この架橋剤の市販品としては、具体的には、日油社製のブレンマーPDP−400N、PDP−700及びADP−400、並びに新中村化学社製のPG9、APG−200及びAPG−400等が挙げられる。これらの市販品は、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレートである。
【0087】
複数の(メタ)アクリロイル基を有する基をつなぐ結合部分にオキシプロピレンユニットを有する架橋剤の市販品としては、例えば、日油社製ブレンマーPDPT、ブレンマーPDC、ブレンマーPDBP−600、ブレンマーPDBPE、ブレンマーADPT、ブレンマーADC及びブレンマーADBP、並びに新中村化学社製NPG、1206PE及びA−BPP−3等が挙げられ、これらの市販品も用いることができる。前記オキシプロピレンユニットを有する架橋剤における(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基の数は、3以上であってもよい。
【0088】
オキシプロピレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤は、市販試薬を原料として、容易に合成することも可能である。この架橋剤は、例えば、市販のプロピレングリコール類に対して、(メタ)アクリル酸クロリドとアミン触媒とを反応させることにより得ることができる。
【0089】
オキシテトラメチレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤は市販されており、容易に入手可能である。この架橋剤の市販品としては、日油社製のブレンマーPDT−650及びブレンマーADT−250、並びに新中村化学社製A−PTMG−65)等が挙げられる。これらの市販品は、ポリオキシテトラメチレンジ(メタ)アクリレートである。
【0090】
複数の(メタ)アクリロイル基を有する基をつなぐ結合部分にオキシテトラメチレンユニットを有する架橋剤の市販品としては、例えば、日油社製ブレンマーADPT及びブレンマーADET等が挙げられ、これらの市販品も用いることができる。前記オキシテトラメチレンユニットを有する架橋剤における(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基の数は、3以上であってもよい。
【0091】
オキシテトラメチレンユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤は、市販試薬を原料として、容易に合成することも可能である。この架橋剤は、例えば、市販の(ポリ)テトラメチレングリコール類に対して、(メタ)アクリル酸クロリドとアミン触媒とを反応させることにより得ることができる。
【0092】
多孔質酸化チタン層を形成するために、前記加熱消滅性樹脂粒子は、焼結温度領域において残渣として残り難く、焼結後に十分に消失する必要がある。前記加熱消滅性樹脂粒子が残渣として、光電極材料である多孔質酸化チタン層の表面に残留すると、色素の吸着面積が低下したり、残渣が光及び電子のトラップサイトとなったり、電解質溶液又はゲル及び固体電解質との電子授受の妨げとなる可能性があるためである。
【0093】
従って、本発明に係る酸化チタン含有ペーストでは、特定の前記加熱消滅性樹脂粒子が用いられている。前記加熱消滅性樹脂粒子は、空気下において400℃で1時間加熱処理されると99質量%以上が消滅する加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。前記加熱消滅性樹脂粒子における「加熱消滅性」とは、空気下において400℃で1時間加熱処理されると、粒子の一部又は全部が消滅することを示し、例えば、粒子の99質量%以上が消滅することを示す。
【0094】
前記加熱消滅性樹脂粒子は、空気下において400℃で1時間加熱処理されると99.5質量%以上が消滅することが好ましく、99.9質量%以上が消滅することがより好ましい。これ対応して、酸化チタン含有ペーストを400℃で1時間加熱処理して、多孔質酸化チタン層を形成したときに、該多孔質酸化チタン層中に含まれる残炭素量は1000ppm未満であることが好ましい。
【0095】
前記残炭素量は、X線光電子分光(XPS)にて多孔質酸化チタン層の測定を行い、該多孔質酸化チタン層の原子%から質量換算して求められる。前記残炭素量を求める別の方法として、熱質量分析にて、更に高温(例えば1000℃)まで測定して、質量減少分から残炭素量を算出する方法も知られているが、この方法では、多孔質酸化チタン層の表面の吸着水の影響などを受ける可能性がある。従って、前記残炭素量の測定方法として、XPSによる方法が用いられる。この方法では、基本的に、多孔質酸化チタン層の表面の残炭素の測定のみ可能であるが、測定対象が多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層であり、該多孔質酸化チタン層は十分な空孔を有することから、表面と内部とにおける差はほとんど無いと考えられる。
【0096】
前記加熱消滅性樹脂粒子を効率的に消滅させる観点からは、前記架橋剤及び前記単量体の種類と、前記架橋剤と前記単量体との配合比率を適宜調整することが好ましい。前記単量体と前記架橋剤との好ましい組み合わせとしては、前記単量体としてメタクリレート類を用い、前記架橋剤として、オキシアルキレンユニットとしてオキシプロピレンユニットのみを有し、前記重合性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有する基を有する架橋剤を用いる組み合わせが挙げられる。前記架橋剤と前記単量体との配合比率は、質量比で、1:99〜75:25であることが好ましく、5:95〜50:50であることが更に好ましい。前記加熱消滅性樹脂粒子は、前記架橋剤と前記単量体とを質量比で1:99〜75:25で反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子であることが好ましい。前記架橋剤の比率が低すぎると、前記加熱消滅性樹脂粒子の形状安定性が不十分となる傾向がある。前記架橋剤の比率が高すぎると、反応が困難となり、また、前記加熱消滅性樹脂粒子が硬くなりすぎて、破壊されやすくなる。前記配合比率で前記架橋剤と前記単量体とを用いると、前記架橋剤と前記単量体との種類によらず、目的の加熱消滅性樹脂粒子を容易に得ることができる。
【0097】
本発明に係る酸化チタン含有ペーストに含まれている前記加熱消滅性樹脂粒子は、高温でも流動が抑制され、分解に至るまで粒子の形状が大きく変化し難い。さらに、前記加熱消滅性樹脂粒子を溶剤と混合した場合でも、前記加熱消滅性樹脂粒子は膨潤し難い。従って、多孔質酸化チタン層に意図した空孔を形成することが可能である。
【0098】
なお、前記加熱消滅性樹脂粒子ではなく、従来用いられている(メタ)アクリレート類を仮に任意の架橋性材料にて架橋させて、前記加熱消滅性樹脂粒子に相当しない有機粒子を用いた場合、粒子の高温での流動が抑制され、ペースト中での粒子の安定性も良好となる一方で、粒子の熱分解性が低下し、酸化チタン層の表面において炭素残渣が高くなる。
【0099】
オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種を有する架橋剤の使用により、得られる加熱消滅性樹脂粒子において、高い耐久性と高い安定性と高い熱分解性とを実現できる。オキシプロピレンユニット又はオキシテトラメチレンユニットは、単に分解しやすい架橋基としての役割を果たすだけではなく、前記加熱消滅性樹脂粒子全体の分解性能を向上することにも寄与する。オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットは、(メタ)アクリレート類又はスチレンに由来するユニットと比較して、分子切断温度が低い。解重合性高分子、特にメタアクリレート類を用いた高分子は一部分解すると、その分解部分から連鎖的に解重合が進行する傾向がある。これはジッパー効果と呼ばれ、よく知られている現象である。前記架橋剤におけるオキシプロピレンユニットは、(メタ)アクリレート類に由来する主鎖結合よりも比較的切れやすい。このため、前記オキシプロピレンユニットは、低温にてジッパー効果が発現する起点となるため、前記オキシプロピレンユニットを有する架橋剤を用いた前記加熱消滅性樹脂粒子の使用により、(メタ)アクリレート類のホモポリマーにより形成された粒子を使用した場合と比較して、解重合すなわち分解をより一層効果的に進行させることができる。
【0100】
前記架橋剤は、加熱消滅性樹脂粒子の強度、熱変形及び膨潤を防止する役割を有しつつ、かつ、熱分解性を促進する役割を有する。色素増感型太陽電池用電極材料である多孔質酸化チタン層を形成するための酸化チタン含有ペーストにおいて、前記加熱消滅性樹脂粒子は特に優位である。前記加熱消滅性樹脂粒子を含む酸化チタン含有ペーストは、光電変換効率が高く、かつ安価である色素増感型太陽電池の製造に大きく寄与する。
【0101】
架橋構造を有する前記加熱消滅性樹脂粒子の使用による効果の一つとして、ペースト中における膨潤の低減がある。酸化チタン含有ペーストに含まれる溶剤は特に限定されないが、最も一般的な溶剤はテルピネオールである。前記加熱消滅性樹脂粒子のテルピネオール膨潤における粒径変化率が20%以下であることが好ましい。
【0102】
前記テルビネオール膨潤における粒径変化率は、前記加熱消滅性樹脂粒子をテルピネオールに23℃で24時間浸漬して、浸漬前の前記加熱消滅性樹脂粒子の粒径と浸漬後の前記加熱消滅性樹脂粒子の粒径とから求められる。また、前記架橋剤と前記単量体との使用により、前記加熱消滅性樹脂粒子に特定の架橋構造を導入できることから、得られる前記加熱消滅性樹脂粒子の前記テルピネオール膨潤における粒径変化率を20%以下にすることができる。
【0103】
前記粒径変化率を求める際に、粒径の評価に関しては、膨潤前後に直接粒径を、顕微鏡などで直接観察して測定できる。前記粒径変化率は、簡易的には、テルピネオールに前記加熱消滅性樹脂粒子を浸漬させて、浸漬直後と浸漬から24時間後との体積変化から求めることができる。
【0104】
前記加熱消滅性樹脂粒子の膨潤を低減するために、前記架橋剤と前記単量体との配合比率は、1:99〜75:25であることが好ましく、5:95〜50:50であることが更に好ましい。前記架橋剤の比率が低くすぎると、前記加熱消滅性樹脂粒子が膨潤しやすくなり、多孔質酸化チタン層に安定的に空孔を形成し難くなる。前記架橋剤の比率が高すぎると、反応が困難となり、また、前記加熱消滅性樹脂粒子が硬くなりすぎて、破壊されやすくなる。前記配合比率で前記架橋剤と前記単量体とを用いると、前記架橋剤と前記単量体との種類によらず、目的の加熱消滅性樹脂粒子を容易に得ることができる。
【0105】
空気中において、更に酸素濃度1容量%未満の不活性ガス中においても、前記加熱消滅性樹脂粒子は、空気下において400℃で1時間加熱処理されると、99質量%以上が消失することが好ましい。この物性をより一層効果的に発現するために、前記単量体として、側鎖の炭素数が4以下であるメタクリレート類を用いて、前記架橋剤として、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種のユニットを有し、該ユニットが(メタ)アクリロイル基を有する基の間の結合部分に存在する架橋剤を用いることが好ましい。このような単量体と架橋剤との組み合わせにより、解重合による分解がより一層起こりやすくなる。このため、空気下において400℃で1時間加熱処理されると、99質量%以上消失する加熱消滅性樹脂粒子を容易に得ることができる。
【0106】
これに対し、従来のスチレン類を用いた有機粒子では、分解時に酸化が生じて、不活性ガス中では十分に分解しない。結果として、該有機粒子を含む酸化チタン含有ペーストを用いて、色素増感型太陽電池の酸化チタン電極を形成すると、該酸化チタン電極に不純物(炭素残渣)が多く含まれる。従って、従来のスチレン類を用いた有機粒子を含む酸化チタン含有ペーストは、色素増感型太陽電池の酸化チタン電極を形成する用途に適さない。また、(メタ)アクリレート類を用いた有機粒子は、オキシプロピレンユニット又はオキシテトラメチレンユニットのような分解の起点となる構造部分を有さない。このため、(メタ)アクリレート類を用いた有機粒子は、十分に分解しない。結果として、該有機粒子を含む酸化チタン含有ペーストを用いると、好ましい酸化チタン電極は得られない。
【0107】
前記加熱消滅性樹脂粒子は、色素増感型太陽電池用電極材料である多孔質酸化チタン層を形成するための酸化チタン含有ペーストの原料として、極めて有効である。
【0108】
前記単量体と前記架橋剤とを反応させて、前記加熱消滅性樹脂粒子を得る合成方法は特に限定されない。この合成方法として、懸濁重合法、乳化重合法及び分散重合法などの公知の方法を用いることができる。
【0109】
前記加熱消滅性樹脂粒子の合成方法の好ましい一例として、前記架橋剤と前記単量体とを混合し、水などの溶剤中にて懸濁重合する方法が挙げられる。
【0110】
懸濁重合の一般的な方法を以下に例示する。前記加熱消滅性樹脂粒子の合成方法は以下の方法に限定されない。
【0111】
前記架橋剤と前記単量体とを混合し、重合開始剤をさらに添加し、混合する。前記架橋剤と前記単量体とを重合させるために、ラジカル重合が好ましく用いられる。ラジカル重合にかえて、イオン重合等を用いてもよい。
【0112】
前記重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び過酸化ベンゾイル(BPO)等が挙げられる。これらの重合開始剤は、一般的なラジカル発生源である。
【0113】
重合の際には、前記架橋剤と、前記単量体と、前記重合開始剤と、必要に応じて有機溶剤の混合物とを、水中に分散させて、懸濁し、分散液を得る。重合の際に、界面活性剤及び分散安定化剤等を用いてもよい。前記分散液を得るために、公知の装置を用いることができる。前記装置として、例えばディスパー、ホモジナイザー及び超音波ホモジナイザー等を用いることができる。前記分散液を必要に応じて脱酸素し、加熱することにより、前記加熱消滅性樹脂粒子を合成できる。前記加熱消滅性樹脂粒子を取り出すために、必要に応じて洗浄工程及び乾燥工程を行ってもよい。
【0114】
前記加熱消滅性樹脂粒子の粒径は、合成時の前記架橋剤と前記単量体とを含む有機相の粘度、界面活性剤及び分散剤等の配合量、並びに撹拌分散装置の種類及び回転数等により制御可能である。
【0115】
(3)有機バインダ樹脂
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、有機バインダ樹脂を含む。該有機バインダ樹脂は、溶剤に溶解して、酸化チタン含有ペーストの粘度を調整する役割を有する。さらに、前記有機バインダ樹脂は、酸化チタン粒子及び前記加熱消滅性樹脂粒子の分散状態を安定化する役割を有する。前記有機バインダ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0116】
前記有機バインダ樹脂は、前記加熱消滅性樹脂粒子と同様に、酸化チタン含有ペーストの加熱処理時に、消失する性能を有することが好ましい。前記有機バインダ樹脂は、酸化チタン粒子が良好に分散する性能、及び極性溶剤に溶けやすい性能を有することも好ましい。このような観点から、前記有機バインダ樹脂は適宜選択して用いられる。
【0117】
前記有機バインダ樹脂としては、特に限定されず、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコールアセタール変性物、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド及びデキストリン等が挙げられる。これらの中でも、色素増感型太陽電池の酸化チタン電極を形成するためのペーストの原料として、更に種々のペースト及びインク類の原料として、実績があるのはエチルセルロースである。エチルセルロースは、入手が容易である。エチルセルロースの市販品としては、米国ダウケミカルカンパニーから種種のグレートで販売されている「エトセル(登録商標)」等がある。
【0118】
エチルセルロースのグレードは、トルエン:エタノール=80:20の溶剤に5%濃度で溶解した際の粘度にて表される。エチルセルロースを用いる場合、該エチルセルロースのグレードは、酸化チタン粒子の粒径又は配合量、前記加熱消滅性樹脂粒子の粒径又は配合量、溶剤の種類、及び界面活性剤の配合の有無などにより適宜選択される。前記グレード(粘度)で7〜100cPのエチルセルロースが好適に用いられ、10〜45cPのエチルセルロースがより好適に用いられる。
【0119】
(4)溶剤
本発明に係る酸化チタン含有ペーストに含まれている溶剤は、特に限定されない。前記溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0120】
前記溶剤は、適度な極性と、適度な沸点及び蒸気圧とを有することが好ましい。このような観点から、前記溶剤は適宜選択して用いられる。
【0121】
前記溶剤の極性は、酸化チタン粒子の分散性に影響する。酸化チタン粒子の表面には酸素原子が配置しているため、前記溶剤は、水素結合可能な水酸基を有するアルコール類又はアミド類であることが好ましい。酸化チタン含有ペーストの保存時に各成分の濃度が大きく変化しないように、溶剤はある程度沸点が高く、飽和蒸気圧が低いことが好ましい。また、焼成時に、揮発するように、酸化チタン含有ペーストの焼成温度(例えば400℃)以下の沸点を有し、かつ、揮発前に分解等により残渣を形成しない溶剤が好ましい。
【0122】
前記溶剤としては、例えば、アルコール類、アミド類、スルホキシド類、アミン類、環状エーテル類、エステル類、天然アルコール類及び水等が挙げられる。前記アルコール類としては、ブチルアルコール、ベンジルアルコール及びブチルカルビトール等が挙げられる。前記アミド類としては、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等が挙げられる。前記スルホキシド類としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。前記アミン類としては、n−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。前記環状エーテル類としては、ジオキサン等が挙げられる。前記グリコールエーテル類としては、エチルセロソルブ及びメチルセロソルブ等が挙げられる。前記エステル類としては、ジブチルフタレート等が挙げられる。前記天然アルコール類としては、テルピネオール等が挙げられる。これらの中でも、ペーストの溶剤として実績があり、本発明の目的に合致したものとして、テルピネオールが挙げられる。テルピネオールは市販されており、安価であり、かつ大量に容易に入手できる。
【0123】
(5)添加剤
本発明の酸化チタン含有ペーストは、必要に応じて、酸化チタン粒子、前記加熱消滅性樹脂粒子、前記有機バインダ樹脂、及び溶剤以外の添加剤を含んでいてもよい。
【0124】
前記添加剤としては、界面活性剤などの分散剤、分散安定剤、消泡剤、酸化防止剤、着色剤及び粘度調整剤等が挙げられる。
【0125】
酸化チタン含有ペーストを安定化させるためには、本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、分散剤をさらに含むことが好ましい。
【0126】
塩などの強イオン性の分散剤は、酸化チタンへのアルカリ金属等の付着による性能変化を引き起こす可能性が高い。このため、非アルカリ金属性の分散剤が好ましい。ノニオン性又はイオン性であっても、非アルカリ金属性の分散剤は好適に用いられる。
【0127】
前記分散剤としては、特に限定されず、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸類、及びポリエチレングリコール脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0128】
酸化チタン粒子、加熱消滅性樹脂粒子及び添加剤の種類及び濃度により、分散性を高めるために、前記分散剤は適宜選択される。高い分散性を得る観点からは、前記分散剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸類であることが好ましい。
【0129】
(6)酸化チタン含有ペーストの詳細
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含む。酸化チタン含有ペーストは、好ましくは、分散剤をさらに含む。
【0130】
酸化チタン含有ペースト100質量%中、酸化チタン粒子の含有量は5〜40質量%であることが好ましい。酸化チタン含有ペースト100質量%中、酸化チタン粒子の含有量のより好ましい下限は10質量%、より好ましい上限は30質量%である。酸化チタン粒子の含有量が前記下限を満たすと、適度な膜厚にペーストを塗布でき、また、粘度調整のために有機バインダ樹脂等を過剰に加える必要がなくなる。酸化チタン粒子の含有量が前記上限を満たすと、ペーストの粘度が適度になり、ペーストの塗布が容易になり、更にペーストの塗布後の膜厚が厚くなりすぎない。前記酸化チタン粒子の含有量が10〜30質量%であると、全体の濃度調整が比較的容易になり、また、適度な厚みの多孔質酸化チタン層を形成できる。
【0131】
酸化チタン含有ペースト100質量%中、前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量は、酸化チタン含有ペースト中に含まれる酸化チタン粒子の含有量に対して3〜100質量%であることが好ましい。酸化チタン含有ペースト100質量%中、前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量のより好ましい下限は10質量%、より好ましい上限は40質量%である。前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量が前記下限を満たすと、多孔質酸化チタン層に適度な空孔構造を形成でき、多孔質酸化チタン層の表面積を十分に大きくすることができる。前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量が前記上限を満たすと、焼成後に得られる多孔質酸化チタン層の密度が十分に高くなり、電極としての電導性が高くなり、更に多孔質酸化チタン層の強度がより一層高くなる。前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量が10〜40質量%であると、前記加熱消滅性樹脂粒子の添加による効果が顕著に高くなり、焼成後に得られる多孔質酸化チタン層の表面積が大きくなり、より一層好ましい多孔質構造となり、光電変換効率がより一層高い色素増感型太陽電池を提供することが可能になる。
【0132】
酸化チタン含有ペースト100質量%中、前記有機バインダ樹脂の含有量は3〜30質量%であることが好ましい。前記有機バインダ樹脂の含有量が前記下限を満たすと、ペーストの分散安定性がより一層高くなる。前記有機バインダ樹脂の含有量が前記上限を満たすと、ペーストの粘度が高くなりすぎず、ペーストを基材に容易に塗布できる。
【0133】
酸化チタン含有ペースト100質量%中、溶剤の含有量は30〜89質量%であることが好ましい。酸化チタン含有ペースト100質量%中、溶剤の含有量のより好ましい上限は85質量%である。溶剤の含有量が前記下限を満たすと、ペーストの流動性が適度になり、基材にペーストを塗布することが容易になる。前記溶剤の含有量が前記上限を満たすと、ペーストの粘度が適度になり、適度な膜厚にペーストを容易に塗布でき、更にペーストの粘度が適度になり、ペーストの分散安定性をより一層高くなる。
【0134】
本発明に係る酸化チタン含有ペーストが分散剤を含む場合に、該分散剤の含有量は、酸化チタン、加熱消滅性樹脂粒子、有機バインダ樹脂及び溶剤の濃度及び種類により、適宜選択される。酸化チタン粒子100質量部に対して、前記分散剤の含有量は、好ましい範囲の一例を挙げると、1〜30質量部である。
【0135】
また、分散剤以外の他の添加剤の含有量も、添加の目的に応じて、適宜選択される。
【0136】
酸化チタン含有ペーストを調製する際に、ペースト成分の混合順は特に限定されない。酸化チタン粒子及び加熱消滅性樹脂粒子が良好な分散状態となるように、適宜の混合順でペースト成分は混合される。
【0137】
ペースト成分を混合する際に、分散機を用いることが好ましい。該分散機として、公知の分散機を用いることができる。前記分散装置としては、特に限定されず、ボールミル、ビーズミル、ブレンダーミル、超音波ミル、ペイントシェイカー、ホモジナイザー、ディスパー、撹拌羽根式ミキサー、3本ロール、ヘンシェルミキサー及び自転公転型ミキサー等が挙げられる。また、混合時に、加熱、冷却、加圧又は減圧を行ってもよい。
【0138】
酸化チタン含有ペーストは、例えば、以下のようにして得ることができる。ただし、酸化チタン含有ペーストの調製方法は、以下の方法に限定されない。
【0139】
酸化チタン粒子を、低粘度及び低沸点である溶剤(例えばエタノール)に添加し、混合し、自転公転型ミキサー又は撹拌羽根式ミキサーにて分散させ、分散液を得る。得られた分散液を、ボールミル又はビーズミルなどにて、より激しく更に撹拌し、酸化チタン粒子が好適な平均粒子径範囲に分散するまで分散を行う。分散の程度を、レーザー散乱又は回折方式等の粒度分布計等にて確認を行いながら撹拌条件、温度及び時間を決定する。次に、分散液に、有機バインダ樹脂(例えばエチルセルロース)を溶解させた溶剤(例えばターピネオール)を添加し、分散機(例えば自転公転型ミキサー)にて混合する。その後、分散液を撹拌しながら減圧し、低沸点溶剤を除去し、分散安定性に優れた酸化チタン含有ペーストを得る。加熱消滅性樹脂粒子は、有機バインダ樹脂を溶解させた溶剤を添加する際もしくは酸化チタン含有ペーストを得た後に分散機にて混合する。
【0140】
酸化チタン含有ペースト中に分散剤を添加する場合は、該分散剤は、最初の低粘度及び低沸点である溶剤と酸化チタンの混合時に添加してもよいし、高沸点溶剤の混合時に添加してもよい。また、低粘度及び低沸点である溶剤中に、有機バインダ樹脂を予め溶解させてもよいし、低粘度及び低沸点である溶剤を用いずに、酸化チタン粒子を高沸点溶剤に添加してもよい。
【0141】
[2]多孔質酸化チタン積層体及びその製造方法
図1に、本発明の一実施形態に係る酸化チタン含有ペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体の一例を模式的に断面図で示す。
【0142】
図1に示す多孔質酸化チタン積層体1は、基材2と、基材2の一方の表面2aに積層された多孔質酸化チタン層3とを備える。基材2は、基材本体4と、該基材本体4の一方の表面4aに積層された導電層5とを有する。導電層5の基材本体4が積層されている一方の面5aとは反対側の他方の表面5bに、多孔質酸化チタン層3が積層されている。多孔質酸化チタン層3は、多孔質であり、かつ、球形に近い独立した空孔が分散して存在する空孔構造を有する。なお、図1では、多孔質酸化チタン層3は略図的に示されており、多孔質構造及び空孔構造の図示は省略されている。本発明に係る多孔質酸化チタン層の具体例は、図3〜図6のSEM画像に示す通りである。
【0143】
本発明に係る酸化チタン含有ペーストは、基材と該基材の表面に積層された多孔質酸化チタン層とを備える多孔質酸化チタン積層体を得るために好適に用いられる。
【0144】
前記多孔質酸化チタン積層体を得る際には、例えば、先ず、前記酸化チタン含有ペーストを基材上に塗布し、基材上に酸化チタン含有ペースト層を形成する。
【0145】
次に、前記酸化チタン含有ペースト層を500℃以下で1時間以上加熱処理することにより、前記酸化チタン粒子を焼結させて、かつ前記加熱消滅性樹脂粒子の一部又は全部を消滅させて、基材上に多孔質酸化チタン層を形成する。このようにして、前記多孔質酸化チタン積層体を得ることができる。なお、前記酸化チタン含有ペースト層を加熱する際に、前記加熱消滅性樹脂粒子の大部分は消失する。前記多孔質酸化チタン層を形成する工程において、前記加熱消滅性樹脂粒子を99質量%以上消失させるように加熱処理することが好ましく、99.5質量%以上消失させるように加熱処理することがより好ましく、99.9質量%以上消失させるように加熱処理することが更に好ましい。
【0146】
(1)基材
前記多孔質酸化チタン積層体の用途は特に限定されない。前記多孔質酸化チタン積層体の有用な用途の1つとして、色素増感型太陽電池用電極が挙げられる。
【0147】
前記多孔質酸化チタン積層体を、色素増感型太陽電池用電極として用いる場合、多孔質酸化チタン層に可視光が入射する必要がある。このため、多孔質酸化チタン積層体において用いられる基材は、可視光を透過する透明基材であることが好ましい。前記基材の材料は、ガラスであることが好ましく、前記基材はガラス基材であることが好ましい。特に、色素増感型太陽電池の光電変換効率を高めるためには、基材の可視光透過率が高いほどよく、基材の可視光透過率は、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが特に好ましい。基材として、可視光を85%以上透過する透明基材を用いることが好ましい。可視光は、波長400〜780nmの光を意味する。積分球付きの透過率光度計にて、前記可視光透過率を測定できる。紫外−可視分光光度計の透過光強度の平均値から、前記可視光透過率の概略値を求めることも可能である。
【0148】
前記基材の材料は、特に限定されない。前記基材の材料は、可視光を透過する材料であることが好ましい。前記基材の材料としては、プラスチック及びガラス等が挙げられる。
【0149】
前記基材の材料であるプラスチックとしては、特に限定されず、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及びポリアミド樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、透明耐熱フィルムとして大量に生産及び使用されている。薄く、軽く、かつフレキシブルな色素増感型太陽電池を製造する観点からは、前記基材はPETフィルムであることが好ましい。
【0150】
前記基材の材料であるガラスとしては、特に限定されず、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、バイコールガラス、無アルカリガラス、青板ガラス及び白板ガラスなどの一般的なガラスが挙げられる。
【0151】
前記多孔質酸化チタン層を形成する際には、基材上に前記酸化チタン含有ペーストを塗布し、焼結させる方法が一般的である。酸化チタンの加熱処理温度(焼成温度)は後述するが、一般に300℃以上の焼成温度が好ましいことから、耐熱性の劣るプラスチック基材よりもガラス基材の方が好ましい。低温焼成可能な酸化チタン含有ペーストを用いる場合には、プラスチック基材を用いてもよい。
【0152】
前記基材は、導電性を有することが好ましく、導電性基材であることが好ましい。前記多孔質酸化チタン積層体を色素増感型太陽電池に用いる場合、光電極材料である多孔質酸化チタン層において光反応により生じた電子を外部に取り出すためには、多孔質酸化チタン層が導電材料と接しており、この導電材料を通じて電子が外部に取り出されることが必要である。
【0153】
導電性を有するように、前記基材は、表面に導電層を有することが好ましく、基材本体と、該基材本体の表面に積層された導電層とを有することが好ましい。前記基材は、基材本体と、該基材本体の表面に積層された導電層とを有する導電性基材であることが好ましい。多孔質酸化チタン層が接する基材の表面層全体が導電性を有すると、内部抵抗が減少し、この結果色素増感型太陽電池において、トータルとしての光電変換効率が向上する。
【0154】
前記導電層の材料としては、金属、金属酸化物及び導電性高分子等が挙げられる。前記多孔質酸化チタン積層体を色素増感型太陽電池に用いる場合などには、導電層を有する基材は透明であることが好ましい。従って、前記導電層の材料は、金属酸化物又は導電性高分子等の透明導電材料であることが好ましい。前記多孔質酸化チタン積層体を形成する際に、前記酸化チタン含有ペーストを焼成させるため、前記導電層の材料は、金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物は、導電性高分子よりも耐熱性が高い。
【0155】
金属酸化物である透明導電材料としてよく知られている材料としては、酸化インジウム/酸化スズ(ITOと呼ぶことがある)、フッ素ドープ酸化スズ(FTOと呼ぶことがある)、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATOと呼ぶことがある)、酸化インジウム/酸化亜鉛(IZOと呼ぶことがある)、酸化ガリウム/酸化亜鉛(GZOと呼ぶことがある)及び酸化チタン等が挙げられ、これらが好適に用いられる。これらの中でも、伝導度が高いITOと耐熱性及び耐候性に優れたFTOとが特に好適に用いられる。前記導電層の材料は、ITO及びFTOの内のいずれか1種を含むことが好ましい。前記導電層は、単層であってもよく、複数層であってもよい。耐熱性の向上を目的として、ITO導電層上にATO導電層を積層した積層透明導電層等を使用することもできる。
【0156】
(2)多孔質酸化チタン層の形成方法
前記多孔質酸化チタン層を形成する際には、前記基材上に、酸化チタン含有ペーストを塗布する。塗布方法は特に限定されず、塗布方法として公知の方法が用いられる。塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スピンコート法、スキージ法及びドクターブレード法等が挙げられる。基材本体と、基材本体の表面に導電層とを有する基材を用いる場合には、前記酸化チタン含有ペーストは、導電層上に塗布されることが好ましい。
【0157】
多孔質酸化チタン層の厚みは、酸化チタンの多孔度により適宜選択される。多孔質酸化チタン積層体を色素増感型太陽電池に用いることを考慮すると、焼結後の多孔質酸化チタン層の厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは3〜20μmである。多孔質酸化チタン層の厚みが1μm以上であると、光を十分に活用することができ、色素増感型太陽電池における光電変換効率がより一層高くなる。多孔質酸化チタン層の厚みが30μm以下であると、光を有効利用でき、酸化/還元反応種の拡散抵抗が小さくなり、電極自体の抵抗が小さくなるため、色素増感型太陽電池における光電変換効率がより一層高くなる。多孔質酸化チタン層の厚みは、焼結後における厚みである。焼結前の前記酸化チタン含有ペースト層の厚み、すなわち塗布厚みは、一般的に焼結後の多孔質酸化チタン層の厚みよりも厚くされる。焼結前の前記酸化チタン含有ペースト層の厚みと、焼結後の多孔質酸化チタン層の厚みとは、酸化チタン含有ペーストにおける各成分の濃度及び各成分の配合比により適宜選択される。実際に塗布及び焼結して、厚みを調整することが好ましい。
【0158】
基材上に酸化チタン含有ペーストを塗布した後、加熱処理して、酸化チタン粒子を焼結させる。加熱処理の温度は、好ましくは200〜500℃であり、より好ましくは300〜500℃である。加熱温度が200℃以上であると、酸化チタンを十分に焼結させることができ、多孔質酸化チタン層に有機バインダ樹脂の残渣等の不純物が残り難くなり、電極抵抗が低くなる。加熱温度が500℃以下であると、導電層が劣化し難くなり、更に基材と多孔質酸化チタン層との熱線膨張係数の差が小さくなり、多孔質酸化チタン層が破断し難くなる。加熱時に減圧することが好ましく、更に酸素を除くことが好ましい。減圧により、前記加熱消滅性樹脂粒子の分解物(解重合モノマー)及び有機バインダ樹脂の分解物を効率的に除去でき、更に導電層の酸化劣化を防止できる。酸素を除き、窒素又はアルゴン等の不活性ガス中で焼成することにより、導電層の酸化劣化を防止できる。脱酸素プロセスは、減圧プロセスと比較して、安価に実現可能であり、かつ多孔質酸化チタン積層体の連続生産にも適している。一般的に、低酸素状態では焼結時の有機物の分解及び除去が不完全になりやすい。前記加熱消滅性樹脂粒子は不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下においても効率的に消失するため、低酸素濃度で焼結を行うことがより有効である。
【0159】
焼結に用いる熱源及び装置として、公知の熱源及び装置を使用きる。熱源として、電熱ヒーター、遠赤外線、誘導加熱又はマイクロ波等を用いた熱源が挙げられる。前記装置として、通常のオーブン等を用いることができる。前記装置は、ガス置換により酸素を低減できる機構、又は減圧できる機構を有することが好ましい。前記オーブンは、金属又は他の不純物のコンタミネーションを防止できるクリーンなオーブン等であることが好ましい。
【0160】
加熱処理時間(焼結時間)は、酸化チタン含有ペーストに含まれている各成分、用いる装置等により、適宜選択される。加熱処理時間は、通常10分から10時間、好ましくは30分から3時間である。加熱処理時間は、1時間以上であることが特に好ましい。加熱処理時間が10分未満であると、多孔質酸化チタン層に有機バインダ樹脂等が残りやすくなる。さらに、酸化チタン粒子同士の溶融接合等も起こりにくくなる可能性がある。加熱処理時間が10時間を超えると、多孔質酸化チタン積層体の生産性が大きく低下し、製造コストが高くなりすぎる可能性がある。
【0161】
酸化チタン粒子を焼結させるために、特定の温度にて一定時間加熱処理(焼成)してもよいし、連続的又は段階的に温度を上げて加熱処理してもよい。酸化チタン含有ペーストの性状に応じて、好ましい加熱処理方法が適宜採用される。連続的又は段階的に温度を上げて加熱処理する方法が特に好ましい。この方法により、多孔質酸化チタン層と基材との線膨張係数の違いによる多孔質酸化チタン層の剥離及び割れなどを生じ難くすることができる。
【0162】
段階的に温度を上げて加熱処理する方法としては、例えば、100℃〜180℃程度の温度まで加熱する第一のステップの後、更に20℃ずつ昇温する中間ステップを経て、200℃〜450℃程度の温度まで加熱する最終ステップを経る方法を例示できる。中間ステップの昇温の度合いは、例えば、20〜100℃の範囲で適宜調整される。更に、連続的な温度上昇と段階的な温度上昇とを組み合わせて加熱処理してもよい。
【0163】
加熱処理後は、温度が十分に下がってから、多孔質酸化チタン積層体を取り出すことが好ましい。これは酸素による透明性又は導電性の低下を防止するためである。多孔質酸化チタン積層体を得る各工程を、真空中又は不活性ガス中で行う場合には、比較的温度が高い状態にて、多孔質酸化チタン積層体を外部に取り出すこともできる。
【0164】
前記多孔質酸化チタン層を形成するために、基材上に、同一の酸化チタン含有ペーストを複数回重ねて塗布してもよいし、異なる酸化チタン含有ペーストを複数回重ねて塗布してもよい。異なる酸化チタン含有ペーストを重ねて塗布する際には、1回の塗布が終了した後に加熱処理して、加熱処理後にさらに塗布が行われてもよいし、加熱処理前にまとめて塗布してもよい。また、1回の塗布が終了した後に加熱焼成する際にも、塗布された複数の酸化チタン含有ペースト層をそれぞれ、異なる温度で加熱処理してもよい。このように複数回の塗布を行うと、数μm以上の厚みの多孔質酸化チタン層を形成する際に、剥離及び割れを抑制できる。さらに、異なる酸化チタン含有ペーストを複数重ねて塗布する際には、例えば、多孔質酸化チタン層における多孔度、密度及び表面積等を傾斜構造にすることができる。たとえば、基材に近い多孔質酸化チタン層を緻密な層とし、基材から遠ざかるにつれて、徐々に粗い層とすることにより、光電変換効率が高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
【0165】
前記酸化チタン粒子は、四塩化チタン及びチタンアルコキシド等で表面処理されていてもよい。また、基材上に塗布された酸化チタン含有ペースト層は、四塩化チタン及びチタンアルコキシド等で表面処理されていてもよい。これらの処理により、加熱処理時に、酸化チタン粒子同士の結合を促進でき、多孔質酸化チタン層の表面積を大きくすることができる。
【0166】
本発明に係る多孔質酸化チタン積層体は、前記酸化チタン含有ペーストを用いて多孔質酸化チタン層を形成したことによって、該ペーストを基材表面に塗布し、加熱して焼結させた際に、加熱消滅性樹脂粒子が十分に消失して空孔が形成されるとともに、酸化チタン粒子が疎の状態で焼結され、疎の酸化チタン焼結体中に、加熱消滅性樹脂粒子に起因した球形の独立した空孔が均一に分散した多孔質構造を有する多孔質酸化チタン層を形成できる。多孔質酸化チタン層が疎の状態であれば、加熱焼成時等に内部応力が加わったとしても、該応力が分散され、空孔が潰れ難くなる。これに対して多孔質酸化チタン層が密の状態であると、加熱焼成時に内部応力が加わった際に空孔が潰れ易くなる。
【0167】
このように、球形に近い独立した空孔が均一に分散した多孔質酸化チタン層を有する多孔質酸化チタン積層体は、色素増感型太陽電池用電極として使用する場合に、該電池の電解液が前記空孔の内部に入ることで、電極が配置される上下方向(層厚み方向)が潰れた偏平な空孔を有する色素増感型太陽電池用電極と比べ、上下方向への電荷の移動が効率的に行われ、光電変換効率を向上させることができる。従って、本発明に係る多孔質酸化チタン積層体を使用することによって、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を提供できる。
【0168】
[3]色素増感型太陽電池用電極
次に、前記多孔質酸化チタン積層体の多孔質酸化チタン層に増感色素を吸着させて色素増感型太陽電池用電極を作製する。
前記多孔質酸化チタン積層体を用いて色素増感型太陽電池用電極を製造する方法としては、増感色素を溶剤に溶かして作製した増感色素溶液に、前記前記多孔質酸化チタン積層体を浸漬し、多孔質酸化チタン層に増感色素を吸着させる方法が用いられる。
【0169】
前記増感色素は特に限定されるものではなく、一般に色素増感型太陽電池に使用されている増感色素を用いることができる。前記増感色素としては、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)、該シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)のビス−TBA塩、トリ(チオシアナト)−(4,4’,4’’−トリカルボキシ−2,2’:6’,2’’−ターピリジン)ルテニウムのトリス−TBA塩(ブラックダイと呼ばれることがある)などのルテニウム色素系等が挙げられる。また、前記色素としては、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系、インドリン系、キサンテン系、カルバゾール系、ペリレン系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、メロシアニン系、カテコール系及びスクアリリウム系等の各種有機色素等が挙げられる。さらに、これらの色素を組み合わせたドナー−アクセプター複合色素等を、前記色素として用いることともできる。
【0170】
前記増感色素溶液を調製するために用いる溶剤としては、アルコール、ニトリル、エーテル、エステル、ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の各種溶剤の中から1種又は2種以上を混合して用いることができる。
前記アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記エステルとしては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられる。
【0171】
本発明の好ましい実施形態において、前記増感色素としてN3又はN719を用いる場合、増感色素溶液を調製するための溶剤としては、例えば、t−ブチルアルコール(t−BuOH)とアセトニトリル(MeCN)との混合溶剤を用いることが好ましい。
【0172】
前記増感色素溶液において、前記増感色素の濃度は特に限定されないが、通常は0.05〜1.0mMの範囲が好ましく、0.1〜0.5mMの範囲がより好ましい。
【0173】
前記増感色素溶液に前記多孔質酸化チタン積層体を浸漬する方法は、特に限定されず、容器に入れた増感色素溶液中に多孔質酸化チタン積層体を浸漬し、一定温度で一定時間保持し、その後多孔質酸化チタン積層体を引き上げる方法、増感色素溶液中に多孔質酸化チタン積層体を移動させながら連続的に投入・浸漬・引き上げを行う方法などを採用し得る。
【0174】
浸漬時の溶液温度は特に限定されない。該溶液温度は10〜90℃であることが好ましい。浸漬時間は、30分〜50時間であることが好ましい。浸漬温度と浸漬時間との組み合わせは、用いる増感色素と酸化チタン層の組合せに応じて設定できる。
【0175】
浸漬後に多孔質酸化チタン積層体を前記溶液から取り出し、必要に応じてアルコール洗浄し、乾燥させる。
以上の操作によって、前記多孔質酸化チタン積層体の多孔質酸化チタン層に増感色素が吸着された本発明に係る色素増感型太陽電池用電極が得られる。
【0176】
本発明に係る色素増感型太陽電池用電極は、球形に近い独立した空孔が均一に分散した多孔質酸化チタン層を有する前記多孔質酸化チタン積層体を備えたものなので、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を提供できる。
【0177】
[4]色素増感型太陽電池
図2に、前記色素増感型太陽電池用電極を用いて構成された本発明に係る色素増感型太陽電池の一例を模式的に断面図で示す。
【0178】
図2に示す色素増感型太陽電池11は、多孔質酸化チタン積層体1における多孔質酸化チタン層3に増感色素を吸着させて得られた多孔質酸化チタン層3A(以下、これを多孔質酸化チタン層と記す)を形成した前記色素増感型太陽電池用電極1Aを備えて構成されている。
なお、図2では、多孔質酸化チタン層3Aは略図的に示されており、多孔質構造及び空孔構造の図示は省略されている。この多孔質酸化チタン層の具体例は、図3〜図6のSEM画像に示す通りである。
【0179】
色素増感型太陽電池11は、前記色素増感型太陽電池用電極1Aの対向電極として、基材12と、該基材の一方の表面12aに積層されたPt薄膜等の導電層13とを備える積層体を有する。多孔質酸化チタン層3Aと、導電層13との間に、電解質溶液14が配置されている。導電層5と導電層13との間には、外部の回路に光電変換により生じた電力を供給するためのリード線15が接続されている。前記電解質溶液は、熱可塑性樹脂などの適当な封止材料によって各電極間に封止されている。
【0180】
色素増感型太陽電池11により発電を行う際には、例えば、基材2の多孔質酸化チタン層3Aが積層されている一方の表面2aとは反対側の他方の表面2b側から、図2に矢印Xを付して示すように光が照射される。
【0181】
前記電解質溶液14としては、アセトニトリル又はプロピオニトリルなどの非水系電解質溶剤等が挙げられる。また、前記電解質溶液としては、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム又はヨウ化ブチルメチルイミダゾリウムなどのイオン液体などの液体成分に、ヨウ化リチウム等の支持電解質と、ヨウ素とが混合された溶液等が挙げられる。なお、前記電解質溶液は、上述の電解質溶液に限定されない。逆電子移動反応を防止するために、前記電解質溶液は、t−ブチルピリジンを含むことがある。近年、色素増感型太陽電池の耐久性を向上させるため、擬固体又は固体電解質が用いられることもある。前記電解質溶液の材料として、擬固体及び固体電解質を用いてもよい。
【0182】
本発明に係る色素増感型太陽電池は、球形に近い独立した空孔が均一に分散した多孔質酸化チタン層を有する前記多孔質酸化チタン積層体を電極として備えたものなので、光電変換効率に優れたものとなる。
【実施例】
【0183】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0184】
なお、本実施例にて使用した材料は、特に断りのない限り、和光純薬社製の材料を精製せずに用いた。
また、加熱消滅性樹脂粒子の粒子径、酸化チタン粉末の平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布計(日機装社製、「Microtrac UPA−EX150」)を用いて測定した。
【0185】
(加熱消滅性樹脂粒子A)
モノマー成分として、ポリオキシプロピレンジメタクリレート(ポリオキシプロピレンユニット数=約7;日油社製、ブレンマーPDP−400)10質量部と、メタクリル酸イソブチル(IBM)90質量部とを混合したモノマー成分100質量部全量を、アニオン系界面活性剤ネオゲンS−20F(第一工業製薬社製)1質量%水溶液100質量部中に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し、乳化懸濁液を得た。
【0186】
次に、攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた2リットルの重合器を用意した。この重合器内を減圧し、容器内の脱酸素を行った後、窒素ガスにより圧力を大気圧まで戻し、重合器内を窒素雰囲気とした。この重合器内に、水200質量部を入れ、重合器内の温度を70℃まで昇温した。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部と前記乳化懸濁液のうち0.25質量部とをシードモノマーとして、重合器内に添加し、重合を開始した。30分熟成させた後に、残りの乳化懸濁液を2時間かけて滴下した。さらに2時間熟成させた後、重合器内の温度を室温まで冷却して、樹脂粒子を含むスラリーを得た。得られた樹脂粒子の粒子径は795nmであった。
【0187】
得られた分散液を遠心分離にて水で5回洗浄した。次いで、分散液の溶剤を、遠心分離機を用いてエタノールに置換し、加熱消滅性樹脂粒子Aを含むエタノール分散液を得た。
【0188】
(加熱消滅性樹脂粒子B)
シードモノマーを6質量部としたこと以外は、前記加熱消滅性樹脂粒子Aと同様にして、粒子径が311nmの加熱消滅性樹脂粒子Bを作製した。
【0189】
(加熱消滅性樹脂粒子C)
モノマー成分として、ジビニルベンゼン(DVB)5質量部と、スチレン(St)95質量部とを混合したモノマー100質量部全量を、アニオン系界面活性剤ネオゲンS−20F(第一工業製薬社製)1質量%水溶液100質量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し、乳化懸濁液を得た。
【0190】
次に、攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた2リットルの重合器を用意した。この重合器内を減圧し、容器内の脱酸素を行った後、窒素ガスにより圧力を大気圧まで戻し、重合器内を窒素雰囲気とした。この重合器内に、水200質量部を入れ、重合器内の温度を70℃まで昇温した。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部と前記乳化懸濁液のうち8質量部とをシードモノマーとして、重合器内に添加し、重合を開始した。30分熟成させた後に残りの乳化懸濁液を2時間かけて滴下した。さらに2時間熟成させた後、重合器内の温度を室温まで冷却して、樹脂粒子を含むスラリーを得た。得られた樹脂粒子の粒子径は132nmであった。
得られた分散液を遠心分離にて水で5回洗浄し、さらに遠心分離機を用いてエタノールに置換し、加熱消滅性樹脂粒子Cのエタノール分散液を得た。
【0191】
[実施例1]
平均粒子径が440nmの酸化チタンを含む酸化チタン含有ペーストに、前記加熱消滅性樹脂粒子Aを、酸化チタン100質量部に対し20質量部加え、これをミキサー(シンキー社製、商品名:あわとり練太郎)に入れて混合し、実施例1の酸化チタン含有ペーストを作製した。
前記酸化チタン含有ペーストを、スクリーン印刷機(ニューロング社製、商品名:HP−320)を用い、20mm×35mm、厚み1.1mmのガラス板上に、厚み約10μmとなるように印刷し、乾燥させた後、500℃の乾燥炉に入れて30分間加熱し、焼成を行った。加熱後、ガラス板を取り出して、形成された多孔質酸化チタン層を調べた。ガラス板上に形成された多孔質酸化チタン層の断面を、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)にて観察した。
図3に、実施例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)を示し、また図4に同じSEM画像(20000倍)を示す。
この実施例1で作製した多孔質酸化チタン層は、球形に近い独立した空孔が均一に分散した状態の多孔質構造を有していた。この空孔径の大きさは、膜表面方向の直径が1.2μm程度、膜厚方向の直径が1.0μm程度であった。
【0192】
[実施例2]
加熱消滅性樹脂粒子Aに代えて、加熱消滅性樹脂粒子Bを同量用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス板上に多孔質酸化チタン層を形成した。
図5に、実施例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)を示し、また図6に同じSEM画像(20000倍)を示す。
この実施例2で作製した多孔質酸化チタン層は、球形に近い独立した空孔が均一に分散した状態の多孔質構造を有していた。この空孔径の大きさは、膜表面方向の直径が270nm程度、膜厚方向の直径が190nm程度であった。
【0193】
[比較例1]
実施例1,2に用いた酸化チタン含有ペーストに代えて、平均粒子径が180nmの酸化チタンを含む酸化チタン含有ペースト(ソラロニクス社製、商品名:T/SPペースト)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス板上に多孔質酸化チタン層を形成した。
図7に、比較例1で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(5000倍)を示し、また図8に同じSEM画像(20000倍)を示す。
この比較例1で作製した多孔質酸化チタン層は、実施例1に比べ膜厚方向に潰れた楕円球形状を有していた。この空孔径の大きさは、膜表面方向の直径が1.3μm程度、膜厚方向の直径が0.8μm程度であった。
【0194】
[比較例2]
加熱消滅性樹脂粒子Aに代えて、加熱消滅性樹脂粒子Bを同量用いたこと以外は、比較例1と同様にして、ガラス板上に多孔質酸化チタン層を形成した。
図9に、比較例2で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)を示し、また図10に同じSEM画像(50000倍)を示す。
この比較例2で作製した多孔質酸化チタン層は、実施例2に比べ膜厚方向に潰れた楕円球形状を有していた。この空孔径の大きさは、膜表面方向の直径が350nm程度、膜厚方向の直径が150nm程度であった。
【0195】
[比較例3]
加熱消滅性樹脂粒子Aに代えて、加熱消滅性樹脂粒子Cを同量用いたこと以外は、比較例1と同様にして、ガラス板上に多孔質酸化チタン層を形成した。
図11に、比較例3で作製した多孔質酸化チタン層の厚み方向断面のSEM画像(20000倍)を示し、また図12に同じSEM画像(50000倍)を示す。
この比較例3で作製した多孔質酸化チタン層は、加熱消滅性樹脂粒子Cが不均一に凝集し、且つ潰れて不定形となった空孔が複数連結した状態の多孔質構造を有していた。
実施例2に比べ膜厚方向に潰れた楕円球形状を有していた。
【符号の説明】
【0196】
1…多孔質酸化チタン積層体
1A…色素増感型太陽電池用電極
2…基材
2a,2b…表面
3,3A…多孔質酸化チタン層
4…基材本体
4a…表面
5…導電層
5a,5b…表面
11…色素増感型太陽電池
12…基材
12a…表面
13…導電層
14…電解質溶液
15…リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタン粒子と、加熱消滅性樹脂粒子と、有機バインダ樹脂と、溶剤とを含み、
前記加熱消滅性樹脂粒子が、粒子径100〜1700nmのアクリル系樹脂粒子であり、
前記酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.2μm以上(ただし、平均粒子径は調製したペースト中に存在する酸化チタン粒子の平均粒子径である)である、酸化チタン含有ペースト。
【請求項2】
前記加熱消滅性樹脂粒子が、オキシプロピレンユニット及びオキシテトラメチレンユニットの内の少なくとも1種のユニットを有し、かつ重合性不飽和基を2以上有する架橋剤と、重合性不飽和基を有する単量体とを反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項3】
前記加熱消滅性樹脂粒子が、空気下において400℃で1時間加熱処理されると粒子の99質量%以上が消滅する加熱消滅性樹脂粒子である、請求項1又は2に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項4】
前記加熱消滅性樹脂粒子のテルピネオール膨潤による粒径変化率が、20%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項5】
前記架橋剤が、下記式(1)で表される架橋剤及び下記式(2)で表される架橋剤の内の少なくとも1種である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
(Rv1)−(CH(CH)CHO)−(CHCH(CH)O)−(Rv2) ・・・式(1)
(前記式(1)中、Rv1及びRv2はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、n+mは1〜20の整数である。)
(Rv3)−(CHCHCHCHO)−(Rv4) ・・・式(2)
(前記式(2)中、Rv3及びRv4はそれぞれ、重合性不飽和基を有する基であり、pは1〜20の整数である。)
【請求項6】
前記式(1)において、Rv1が下記式(11)で表される基であり、かつ、Rv2が下記式(12)で表される基であり、
前記式(2)において、Rv3が下記式(21)で表される基であり、かつ、Rv4が下記式(22)で表される基である、請求項5に記載の酸化チタン含有ペースト。
【化1】

(前記式(11)中、R11は、メチル基又は水素原子を示す。)
【化2】

(前記式(12)中、R12は、メチル基又は水素原子を示す。)
【化3】

(前記式(21)中、R21は、メチル基又は水素原子を示す。)
【化4】

(前記式(22)中、R22は、メチル基又は水素原子を示す。)
【請求項7】
前記単量体が、(メタ)アクリロイル基を有する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項8】
前記加熱消滅性樹脂粒子が、前記架橋剤と前記単量体とを質量比で1:99〜75:25で反応させることにより得られる加熱消滅性樹脂粒子である、請求項2〜7のいずれか1項に酸化チタン含有ペースト。
【請求項9】
酸化チタン含有ペーストを空気下において400℃で1時間加熱処理して、多孔質酸化チタン層を形成したときに、該多孔質酸化チタン層中に含まれる残炭素量が1000ppm未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項10】
前記酸化チタン粒子の結晶型がアナターゼ型である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項11】
酸化チタン含有ペースト100質量%中、前記加熱消滅性樹脂粒子の含有量が、酸化チタン含有ペースト中に含まれる酸化チタン粒子の含有量に対して3〜100質量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項12】
分散剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペースト。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペーストを基材上に塗布し、該基材上に酸化チタン含有ペースト層を形成する工程と、
前記酸化チタン含有ペースト層を500℃以下で1時間以上加熱処理することにより、前記酸化チタン粒子を焼結させて、かつ前記加熱消滅性樹脂粒子を消滅させて、基材上に多孔質酸化チタン層を形成する工程とを備える、多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項14】
前記基材として、可視光を85%以上透過する透明基材を用いる、請求項13に記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項15】
前記基材の材料が、ガラスである、請求項13又は14に記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項16】
前記基材として、導電性を有する導電性基材を用いる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項17】
前記基材として、基材本体と、該基材本体の表面に積層された導電層とを有する導電性基材を用いる、請求項13〜16のいずれか1項に記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項18】
前記導電層の材料が、ITO及びFTOの内のいずれか1種を含む、請求項17に記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【請求項19】
基材と、該基材の表面に積層された多孔質酸化チタン層と備え、
前記多孔質酸化チタン層が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の酸化チタン含有ペーストを用いて形成されている、多孔質酸化チタン積層体。
【請求項20】
請求項19に記載の多孔質酸化チタン積層体の多孔質酸化チタン層に増感色素を吸着させてなる、色素増感型太陽電池用電極。
【請求項21】
請求項20に記載の色素増感型太陽電池用電極を有する、色素増感型太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−72234(P2012−72234A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216961(P2010−216961)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】