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酸化染毛剤用第1剤及び酸化染毛剤
説明

酸化染毛剤用第1剤及び酸化染毛剤

【課題】耐光堅牢性に優れた濃い橙色の色味を含んだ色調に染めることができる酸化染毛剤用第1剤及び酸化染毛剤の提供。
【解決手段】酸化染毛剤を得るための酸化染毛剤用第1剤において、酸化染料としてパラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、及び5−アミノオルトクレゾールを含有させ、かつ、(パラメチルアミノフェノールの含有量/パラアミノフェノールの含有量)により算出される比を0.20未満とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化染料を含有する酸化染毛剤用第1剤、及び当該第1剤に酸化染毛剤用第2剤が混合された酸化染毛剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪を着色するために用いられる酸化染毛剤は、毛髪内に浸透させた酸化染料を酸化重合により染着させる染毛原理のものであり、酸性染毛料等の他のヘアカラーリング剤に比して毛髪の色持ちの長期持続を実現する。そして、酸化染料の選定、組合せによって発色が異なることは知られており、染料中間体であるパラアミノフェノールとカップラーである5−アミノオルトクレゾールとの組み合わせによれば、橙色に発色する。その組合せの酸化染料を含有すると共にパラメチルアミノフェノールをも含有する酸化染毛剤は、特許文献1及び2に記載されている(特許文献1の第0074段落、特許文献2の第0078段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2005−298397号公報
【特許文献2】2005−298396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、染毛後の退色抑制向上は常に求められており、日常生活において受ける日光による退色の抑制向上(耐光堅牢性の向上)が望まれる。また、橙色の色味を含んだ色調に染める場合には、濃い橙色の色味が求められることがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、耐光堅牢性に優れた濃い橙色の色味を含んだ色調に染めることができる酸化染毛剤用第1剤及び酸化染毛剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、パラアミノフェノール及び5−アミノオルトクレゾールの酸化染料の組合せに、更にパラメチルアミノフェノールを組み合わせた場合に、橙色の耐光堅牢性が向上する知見を得た。また、本発明者等は、パラアミノフェノールとパラメチルアミノフェノールの量を所定比にすれば、橙色の耐光堅牢性に優れるだけではなく、橙色の染まりが濃くなる傾向がある知見を得た。以上の知見から、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る酸化染毛剤用第1剤は、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、及び5−アミノオルトクレゾールを含有するものであって、(前記パラメチルアミノフェノールの含有量/前記パラアミノフェノールの含有量)により算出される比PMAP/PAPが0.20未満であることを特徴とする。前記PMAP/PAPは、0.01以上0.15未満が好ましい。
【0008】
また、本発明に係る酸化染毛剤は、本発明に係る酸化染毛剤用第1剤と、酸化剤が配合された酸化染毛剤用第2剤とが混合されたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の酸化染毛剤用第1剤を用いた染毛処理によれば、耐光堅牢性に優れる濃橙色の色味を含んだ色調に染めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る酸化染毛剤用第1剤、酸化染毛剤用第2剤、及び酸化染毛剤に基づき、本発明を以下に説明する。
【0011】
(酸化染毛剤用第1剤)
本実施形態の酸化染毛剤用第1剤(以下、単に「第1剤」と称することがある。)は、酸化染料を含有するものである(本実施形態の第1剤として典型的なものは、水の配合量が70質量%以上のものである。)。また、公知の第1剤原料を任意原料として本実施形態に係る第1剤に配合しても良い。
【0012】
上記第1剤は、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、及び5−アミノオルトクレゾールを酸化染料として含有する。これらの酸化染料により、橙色の色味を含んだ色調を実現できる。
【0013】
本実施形態の第1剤において、(パラメチルアミノフェノールの含有量/パラアミノフェノールの含有量)により算出される比PMAP/PAPは、0.20未満である。この0.20未満にすることで、橙色の色味が濃くなる傾向となる。そのPMAP/PAPが0.01以上0.15未満であれば、耐光堅牢性に優れた濃い橙色の色味にするのに好ましい。
【0014】
また、上記第1剤において、(5−アミノオルトクレゾールの含有量/パラアミノフェノールの含有量)により算出される比PAOC/PAPは、特に限定されないが、例えば0.5以上5以下である。
【0015】
パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、及び5−アミノオルトクレゾール以外の酸化染料の一種又は二種以上を、本実施形態の第1剤に任意に含有させても良い。この含有により、橙色の色味を含んだ様々な色調に染めることが可能になる。
【0016】
パラメチルアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノール以外の染料中間体を本実施形態の第1剤に含有させる場合、その染料中間体としては、トルエン−2,5−ジアミン、ニトロパラフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、パラニトロオルトフェニレンジアミン等のフェニレンジアミン誘導体;オルトアミノフェノール等のフェノール誘導体;等が挙げられる。
【0017】
また、5−アミノオルトクレゾール以外のカップラーを本実施形態の第1剤に含有させる場合、そのカップラーとしては、メタフェニレンジアミン等のフェニレンジアミン誘導体;5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、メタアミノフェノール等のアミノフェノール誘導体;レゾルシン;等が挙げられる。
【0018】
本実施形態の第1剤における酸化染料の配合濃度は、例えば0.05質量%以上2.5質量%以下である。
【0019】
本実施形態の第1剤に任意配合する原料は、公知の第1剤原料と同じである。この任意配合する原料としては、例えば、アルカリ剤、高級アルコール、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、多価アルコール、炭化水素、油脂、酸化防止剤、キレート剤、直接染料である。
【0020】
アルカリ剤は、酸化染毛剤に含まれる酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。当該アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩;リン酸ナトリウム等の金属リン酸塩;アンモニア;炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;アルギニン等の塩基性アミノ酸;等が挙げられる。
【0021】
アルカリ剤を配合する場合には、一種又は二種以上のアルカリ剤を配合すると良く、本実施形態の第1剤におけるアルカリ剤の配合量は、例えばpHが8.5以上12.5以下になる量である。
【0022】
上記第1剤用原料としての高級アルコールは、例えば、セタノール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコールが挙げられる。一種又は二種以上の高級アルコールを第1剤に配合すると良く、高級アルコールの配合濃度は、適宜設定されるものであるが、例えば2質量%以上20質量%以下である。
【0023】
上記第1剤用原料としてのノニオン界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。一種又は二種以上のノニオン界面活性剤を第1剤に配合すると良く、ノニオン界面活性剤の配合濃度は、例えば0.1質量%以上15質量%以下である。
【0024】
上記第1剤用原料としてのカチオン界面活性剤は、例えば、長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、トリ長鎖アルキルモノメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩が挙げられる。一種又は二種以上のカチオン界面活性剤を第1剤に配合すると良く、カチオン界面活性剤の配合濃度は、例えば0.1質量%以上3質量%以下である。
【0025】
上記第1剤用原料としての多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコールが挙げられる。一種又は二種以上の多価アルコールを第1剤に配合すると良く、多価アルコールの配合濃度は、例えば0.1質量%以上3質量%以下である。
【0026】
上記第1剤原料としての炭化水素は、例えば、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。一種又は二種以上の炭化水素を第1剤に配合すると良く、炭化水素の配合濃度は、例えば0.1質量%以上10質量%以下である。
【0027】
上記第1剤原料としての油脂は、例えば、硬化油、アーモンド油、アボガド油、オリーブ油、シア脂油、月見草油、ツバキ油、ピーナッツ油、ローズヒップ油が挙げられる。一種又は二種以上の油脂を第1剤に配合すると良く、油脂の配合濃度は、例えば0.1質量%以上10質量%以下である。
【0028】
上記第1剤用原料としての酸化防止剤は、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩が挙げられる。
【0029】
また、上記第1剤用原料としてのキレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩が挙げられる。
【0030】
また、本実施形態に係る第1剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状である。第1剤の粘度は、例えば、B型粘度計を使用して25℃、12rpmで計測した60秒後の値が10000mPa・s以上60000mPa・s以下である。
【0031】
(酸化染毛剤用第2剤)
本実施形態の酸化染毛剤用第2剤(以下、単に「第2剤」と称することがある。)は、酸化剤が配合されたものである(本実施形態の第2剤として典型的なものは、水の配合量が70質量%以上のものである。)。また、公知の第2剤原料を任意原料として本実施形態に係る第2剤に配合しても良い。
【0032】
第2剤に配合される上記酸化剤としては、例えば、過酸化水素、臭素酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩が挙げられる。第2剤における酸化剤の配合濃度は、特に限定されないが、例えば0.3質量%以上7質量%以下である。
【0033】
本実施形態の第2剤に任意配合する公知の第2剤原料としては、高級アルコール(配合濃度は、例えば2質量%以上15質量%以下)、ノニオン界面活性剤(配合濃度は、例えば0.5質量%以上6質量%以下)、カチオン界面活性剤(配合濃度は、例えば0.1質量%以上3質量%以下)、多価アルコール、エステル油、酸化防止剤、キレート剤などである。
【0034】
第2剤の剤型は、特に限定されず、例えば液状、クリーム状、ゲル状が挙げられる。
【0035】
(酸化染毛剤)
本実施形態の酸化染毛剤は、本実施形態の第1剤と第2剤を混合したものである。当該第1剤と第2剤との混合比は、例えば、第1剤:第2剤=1:0.4〜2である。
【0036】
酸化染毛剤におけるパラメチルアミノフェノールの含有量は、例えば0.0005質量%以上0.050質量%以下であると良く、0.004質量%以上0.030質量%以下が好ましく、0.004質量%以上0.025質量%以下がより好ましい。0.0005質量%以上とすることで、耐光堅牢性により優れ、0.050質量%以下にすることで、酸化染毛剤を安価にするのに適する。
【0037】
本実施形態に係る酸化染毛剤の使用時の剤型は、特に限定されず、例えば液状、クリーム状、ワックス状、ゲル状、フォーム状(泡状)が挙げられる。本実施形態の酸化染毛剤の粘度は、使用の際の毛髪への塗布、垂れ落ち等のハンドリング性を考慮すれは、クリーム状が良い。
【0038】
本実施形態の酸化染毛剤のpHは、例えば8.0〜12.0であり、良好な染色性と頭皮への刺激を低減するためには9.0〜11.0であり、9.5〜10.5が良い。
【実施例】
【0039】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱することがない限り、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
(第1剤)
下記表1〜3に示す酸化染料濃度の第1剤を水に配合した実施例、比較例、及び参考例の第1剤を調製した。これら第1剤には、表1〜3に示す酸化染料の他、25質量%アンモニア水を1.2質量%、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩を0.09質量%、L−アスコルビン酸を0.15質量%、及び無水亜硫酸ナトリウムを0.3質量%となるように配合した。
【0041】
(第2剤)
上記第1剤と混合して酸化染毛剤を得るための共通第2剤を、35質量%過酸化水素水が5.7質量%、ヒドロキシエタンジホスホン酸が0.12質量%となるように水に配合して調製した。
【0042】
(酸化染毛剤)
上記調製した第1剤と第2剤を質量比1:1で混合し、酸化染毛剤を得た。
【0043】
(染毛処理)
2本の毛束(ビューラックス社製「BM−YK」:約1g、約10cmのヤク毛毛束)を、酸化染毛剤60gと共にガラス管内に収容し、室温で20分間放置した。その後、温水で毛束から酸化染毛剤を洗い流し、毛束を櫛通しを行いながら温風で乾燥させた。以上をもって染毛処理とした。
【0044】
(濃染性)
染毛処理した毛束について、基準の毛束(表1においては比較例1cを基準とし、表2においては比較例2bを基準とした。)と比べて、橙色の濃さを目視確認した。評価基準は、以下の通りとした。
○ :「基準」とした毛束と同等の橙色の濃さ。
× :「基準」とした毛束よりも橙色が薄い。
【0045】
(シャンプー処理)
染毛処理した1本の毛束を、80gの3質量%シャンプー(ミルボン社製シャンプー「DEESSE’S NEU WillowLuxe」)水溶液と共にガラス容器に浸漬した。そして、その毛束を収容したガラス容器を、40℃、30分の条件で、恒温振とう機を用いて振とうさせた。その後、温水で毛束からシャンプーを洗い流し、毛束を櫛通しを行いながら温風で乾燥させた。この乾燥させた毛束の明度L*を、分光測色計(コニカミノルタセンシング社製「CM−600d」)を用いて測定部位を変えつつ3回測定し、その明度L*の平均値を算出した。
【0046】
(日光暴露)
表1a〜1c及び比較例1a〜1cの一群、実施例2a〜2c及び比較例2a〜2bの一群、参考例1〜2の一群について、夫々別日程で日光下に暴露した。このときの暴露条件は、室内の窓ガラスに毛束を貼付しての7日間放置とした。この暴露後の毛束の明度L*の平均値を、上記シャンプー処理後の平均値と同様にして算出した。
【0047】
濃染性及び耐光堅牢性の評価結果を、配合した染料と共に、下記表1〜3に示す。なお、表中の「ΔL*」は、「(シャンプー処理後又は日光暴露後の毛束の明度L*)−(染毛処理を行わなかったヤク毛毛束の明度L*)」により算出される値である。また、「ΔL*比(日光暴露後/シャンプー後)」は、シャンプー後のΔL*に対する日光暴露後のΔL*の比であり、値が大きなほど退色が抑制されていたこと(耐光堅牢性に優れること)を示す。
【0048】
【表1】

【0049】
表1においては、パラメチルアミノフェノールを含有する実施例1a〜1cのΔL*比がパラメチルアミノフェノールを含有しない比較例1cに比して高い値であることから、パラメチルアミノフェノールの配合により耐光堅牢性が向上したことを確認できる。また、「パラメチルアミノフェノール含有量/パラアミノフェノール含有量(PMAP/PAP)」が0.20未満である実施例1a〜1cの濃染性は、PMAP/PAPが0.20以上である比較例1a〜1bよりも優れていたので、PMAP/PAPが0.20未満であれば、橙色を濃くするのに有意であると分かる。
【表2】

【0050】
表2においては、表1と同様、パラメチルアミノフェノールの含有による耐光堅牢性の向上と、PMAP/PAPが0.20未満であることによる濃橙色化の有意性を確認できる。
【表3】

【0051】
表3においては、ΔL*比は、参考例2の方が参考例1よりも高い値である。このことは、カップラーとして5−アミノオルトクレゾールを配合しなかった参考例1では、パラメチルアミノフェノールを配合しても耐光堅牢性が向上しなかったことを示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、及び5−アミノオルトクレゾールを含有する酸化染毛剤用第1剤であって、
(前記パラメチルアミノフェノールの含有量/前記パラアミノフェノールの含有量)により算出される比PMAP/PAPが0.20未満であることを特徴とする酸化染毛剤用第1剤。
【請求項2】
前記PMAP/PAPが、0.01以上0.15未満である請求項1に記載の酸化染毛剤用第1剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の酸化染毛剤用第1剤と、酸化剤が配合された酸化染毛剤用第2剤とが混合された酸化染毛剤。


【公開番号】特開2013−75847(P2013−75847A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215949(P2011−215949)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(592255176)株式会社ミルボン (138)
【Fターム(参考)】