説明

酸化水銀を元素水銀に変換するための方法及び装置

酸化水銀変換器が、ガス試料中の酸化水銀を元素水銀に変換するときに、熱、減圧、及び希釈の組合せを用いる。変換器は、熱をガス試料に加えて、ガス試料中の酸化水銀を元素水銀と酸化成分とに熱的に変換し、その後、元素水銀が、ガス試料中に存在する他の酸化成分と、及び/又は、熱的変換による副生成物(例えば、酸化成分)と結合することを最小限にするために、ガス試料の圧力を低減する。こうして、変換器は、ガス試料中に存在する、酸化形態及び元素形態の両方の水銀の全量の正確な分析を、消耗品である試薬を水銀変換プロセスに用いることを必要とせずに可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水銀を含有する化合物の処理に関し、より詳細には、このような化合物を、ガス排出物中の水銀を監視することに用いるために元素水銀に分解することに関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料燃焼施設からの排出物、例えば、石炭火力発電所及び固形廃棄物焼却炉の排煙は、水銀を含む。排出物は、気化水銀を、元素水銀(Hg)(0価水銀)として、又は、水銀含有化合物(例えば、酸化水銀)の一部として含む。酸化水銀は、典型的に、水銀(Hg+2)(2価水銀)の形態(例えば、塩化第二水銀又は硝酸第2水銀)として発生する。
【0003】
多くの国では、水銀排出により環境公害が生じる可能性があるため、廃ガス中の水銀の排出を規制し、又は規制を検討している。従って、水銀を含有する可能性のあるガス排出物を発生する施設は、一般に、このような規制に従うために、排出物中の全水銀の濃度を監視するであろう。施設が発生する排出物中に存在する水銀の全量を検知するために、ガス試料中の酸化水銀を元素水銀に変換し、次いで、ガス試料中の元素水銀の全量を測定することがしばしば行われている。変換を行うために、幾つかの異なる技術が用いられている。
【0004】
例えば、1つの技術は、ガス試料中の酸化水銀を元素水銀に還元するために、SnCl(塩化スズ)を含む湿式化学溶液を用いること(すなわち、湿式化学法)含む。この技術は、Hg+2をHgに変換するために、ガス排出物試料を湿式化学溶液に通して泡状にする。得られる元素濃度は、酸化形態及び元素形態の両方の水銀の合計の濃度である。
【0005】
別の変換技術は、排出物試料を約750℃の温度に加熱することを含む。試料中のHg+2を加熱することにより、酸化水銀が、元素成分(Hg)と酸化成分とに分離又は分解( 田rack_)される。所定の状況において、排出物試料中のHg+2を、比較的高温を用いてHgに分解した後、施設の設備は、Hを導入して排出物試料中に存在するOと反応させる。HとOとの結合により水蒸気が生成され、水蒸気は、凝縮ユニットを介して即時に収集されると、分離された酸化成分(例えばHCl)、及び、反応による副生成物を、これらの物質が元素水銀を再酸化する機会を有する前に除去する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸化水銀を元素水銀に変換するための従来の機構及び技術は、様々な欠点を有する。
先に記載したように、湿式化学溶液を用いて、酸化水銀を元素水銀に変換することができる。しかし、湿式化学法は、専門オペレータが連続的に注意を払うことを必要とし、これは比較的労働集約的であり、また、元素水銀の正確な検知を妨害する可能性のある構成成分を有する組成物を生じることがある。さらに、湿式化学法にて用いられる湿式化学溶液又は試薬は、典型的に、腐食性を含み、時間の経過に伴って劣化するため、ユーザの監視及び補充を必要とする。
【0007】
これも先に記載したように、Hg+2をHgに変換するために、約750℃の温度での熱分解を用いることができる。しかし、その後、ガス試料を冷却すると、Hgは、ガス試料中に存在する他の酸化成分と、又は、熱分解反応の副生成物(例えば、酸化成分)と再結合し得る。こうして、Hgの一部が、分析前に再びHg+2に変換されることが
あり、その結果、ガス試料中の水銀の濃度が実際よりも低く測定されることがある。
【0008】
このような再結合は、水素試薬の添加により防止することが可能であるが、水素試薬を高温ゾーンにて用いると、水素源を補充又は交換する必要も生じ、それが、この変換方法を、水銀監視の用途の全てに対しては実用的でなくしている。
【0009】
酸化水銀を元素水銀に変換する従来の変換器と異なり、本発明の実施形態に従う改良された変換器は、熱と減圧との組合せを用いる。この変換器は、熱をガス試料に加え、それにより、ガス試料中の酸化水銀を、元素水銀と酸化成分とに熱的に変換する。この変換器は、また、元素水銀が、ガス試料中に存在する他の酸化成分、又は熱的変換の副生成物(例えば酸化成分)と結合することを最小限にするように減圧下で動作される。その結果、変換器は、ガス試料中に存在する水銀の全量の正確な分析を可能にする。さらに、この改良された変換器により、消耗品である試薬を、水銀変換プロセスを補助するためにガス試料中に導入する必要性が抑えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一装置において、酸化水銀変換器は、第1のチャンバ及び第2のチャンバを画成するハウジングを有する。第1チャンバは、ガス試料を受け入れて、ガス試料を実質的に第1の圧力下で収容するように構成されている。第2のチャンバは、第1チャンバからガス試料を受け入れて、流体試料を、第1圧力よりも低圧である第2の圧力下で収容するように構成されている。酸化水銀変換器は、第1のチャンバとの間で熱伝達があるヒータを有し、このヒータは、第1チャンバにより受け取られたガス試料を加熱して、流体試料中に存在する酸化水銀を元素水銀成分と酸化成分とに変換するためのものである。また、酸化水銀変換器は、第1チャンバと第2チャンバとの間に制流子(フローレストリクタ)を有し、この制流子は、オリフィス若しくは狭いチャネルであり、又は、オリフィス若しくは狭いチャネルを画成する。制流子は、第2チャンバに加えられる減圧と協働して、第1チャンバから第2チャンバへの流体試料の流れを制御し、尚且つ、第2チャンバ内の圧力を、第1チャンバ内の圧力よりも低くなるように確立し、且つ、この低圧を維持する。熱的変換(例えば、酸化水銀を、元素水銀成分と酸化成分とに分離すること)の後に、ガス試料の圧力を低減することにより、元素水銀が、ガス試料中に存在する酸化成分と結合することが最小限にされる。ガス試料を希釈することにより、元素水銀の再結合又は他の反応も、低減され、又は最小限にすることができる。
【0011】
本発明の方法及び装置の上記の、及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面に例示されている特定の実施形態に関する以下の記載から明らかになるであろう。添付図面において、類似の参照番号は、異なる図面の全体を通じて同じ部品を示す。図は必ずしも等尺ではなく、本発明の方法及び装置の原理を示すことを重視している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
変換器が、酸化水銀を元素水銀に変換するときに、熱と減圧との組合せを用いる。変換器は熱をガス試料に加え、それにより、ガス試料中の酸化水銀を、元素水銀と酸化成分とに熱的に変換する。変換器は、元素水銀が、ガス試料中に存在する他の酸化成分、又は、熱的変換による副生成物(例えば、酸化成分)と結合することを最小限にするために、熱的変換に加えて、ガス試料の圧力を低減する。こうして、変換器は、ガス試料中に存在する水銀の全量の正確な分析を可能にする。また、この改良された変換器は、消耗品である試薬を、水銀変換プロセスを補助するためにガス試料に導入する必要性を抑える。
【0013】
図1は、流体試料(例えば、石炭火力発電所からの排ガス)中の全水銀を、実質的に連続して監視するための水銀監視システム20を示す。水銀監視システム20は、排出量連続監視システム(Continuous Emission Monitoring System) (CEMS)を画成している
。水銀検知システム20は、プローブ22、変換器24、分析器26、キャリブレータ28、及び、希釈ガス供給部30を含む。
【0014】
プローブ(例えば、抽出プローブ)22が、試料源からガス試料32を受け入れて、ガス試料32を変換器24に配送するように構成されている。例えば、プローブ22は、石炭燃焼施設のスタック又は煙筒34内に延在し、或いは、スタック又は煙筒34付近に取り付けられて、スタック34を通って流れる流体又はガス(例えば排ガス)36の一部をガス試料32として収集する。プローブ22は、粒子状物質(例えば煙灰)をガス試料32から分離する慣性フィルタを含むことができる。ガス試料32と接触するプローブ22の表面は、典型的、コーティング(例えばガラス)を有し、このコーティングは、プローブと、ガス試料32中に存在する水銀との化学反応を最小限にし、又は防止する。
【0015】
プローブ22は、所定温度(例えば150℃)に維持された加熱された導管38を介して変換器24に接続されている。加熱導管38は、ガス試料32の凝縮、及び、気化水銀が導管38に付着( 都ticking _)することを抑制して、ガス試料32を変換器へ効率的に輸送させる。加熱導管38は、熱源、例えば、電気抵抗ヒータから熱を受け取る。
【0016】
変換器24は、ガス試料32をプローブ22から受け取る。変換器24は、ガス試料中に存在する水銀の全量を分析器26が検知することを可能にするように、ガス試料32中に存在する水銀の蒸気相種(例えば酸化水銀)を元素水銀に変換し、且つ、水銀を元素形態に維持するように構成されている。変換器24は、ガス試料32を比較的高温で加熱することにより、酸化形態の水銀Hg+2(例えば、HgCl,Hg(NO)を元素水銀Hgに変換する。次いで、変換器24は、試料に減圧を用いることにより、変換された元素水銀が、ガス試料32中に存在する酸化化合物又は成分と結合することを最小限にし、又は防止する。変換器24の、より詳細な説明を以下に記載する。
【0017】
分析器26が変換器24に、加熱された(例えば、約150℃〜約200℃の温度に)導管40を介して連結されており、加熱され且つ減圧されたガス試料32を変換器24から受け取る。一装置において、分析器26は、ガス試料32中に存在する元素水銀の量又は濃度を測定又は検知する原子蛍光分析器である。検知プロセスが完了すると、分析器26は、流体又はガス試料32を、排出ポート42を通して大気中に排出する。
【0018】
一般に、分析器26は、ガス試料32中の元素水銀の存在を正確に検知又は測定するために定期的なキャリブレーションを必要とする。キャリブレータ28が分析器26に接続しており、操作者が分析器26のキャリブレーションを実行することを可能にしている。一装置において、キャリブレータ28は、ライン又は導管45を介して分析器26と流れ連通されており、気化された元素水銀を、分析器26に、例えばペルティエクーラ/蒸気圧制御及び質量流コントローラを用いることにより、特定の濃度でもたらす。分析器26は、キャリブレータ28から受け取った元素水銀蒸気の量を、希釈ガス供給部30から導管44を通して受け取った、水銀を実質的に含有しないドライ(乾燥)ガスと比較する。このような比較の結果により、操作者が分析器26を直接キャリブレーションすることが可能となる。
【0019】
システム20は、ガス試料32中の全水銀量を、実質的に連続的に監視する。概して、変換器24(例えばシステム20内で用いられる)は、ガス試料32(例えば、気化水銀を含有するガス試料32)を受け入れて、ガス試料32中に存在する酸化水銀を元素水銀成分と酸化成分とに変換するように構成されている。変換器24は、また、元素水銀成分と酸化成分とが再結合することを最小限にし、又は防止するために、ガス試料32の圧力を低減するように動作する。
【0020】
図2は、酸化水銀変換器24の1つの装置を示す。変換器24は、入口52、出口54を有するハウジング50を含み、ハウジング50は、第1チャンバ56及び第2チャンバ58を画成している。変換器26は、また、減圧装置60、及び、ハウジング50との間に熱伝達があるヒータ62も含む。
【0021】
一装置において、ハウジング50は、アルミナ、石英又はガラス材料(例えば高温石英)からほぼ円筒状に形成されたパイロライザである。ハウジング50の入口52は、ガス試料32を流体源から変換器24の第1チャンバ56に配送するために、流体源又はガス源に連結されている。例えば、一装置において、入口52はプローブ22に連結され、ガス試料32を、石炭燃焼施設のスタック又は煙筒34から受け取る。ハウジング50の出口54は、図1に示されている分析器26に連結されている。
【0022】
図2に示されているように、一装置において、出口54は減圧ポンプ64と連通しており、ポンプ64は、分析器26の入口導管40又は出口42に連結されている(例えば、ポンプは、分析器ポンプであり得る)。一装置において、動作中、ポンプ64は、ガス試料32をプローブ22内に引き込み、プローブ22を通過させ、そして、変換器26及び分析器26を通過させる。別の装置において、変換器24は、プローブ22に関連付けられたガスエダクタ(排出装置)からガス試料32を受け取る。このような装置において、ポンプ64は、ガス試料32を引き込んで、変換器26及び分析器26を通過させる。
【0023】
変換器26の第1チャンバ56は、ガス試料32を受け取り、且つ、ガス試料32を実質的に第1の圧力下で収容するように構成されている。例えば、ポンプ64は、動作中、ガス試料32をプローブ22から第1チャンバ56内に、第1チャンバ56がガス試料を約1気圧の圧力下で保持するように引き込む。第2チャンバ58は、ガス試料32を第1チャンバ56から受け入れて、ガス試料32を、実質的に第2の圧力(第1圧力よりも低い圧力)下で収容するように構成されている。以下に記載するように、第2チャンバ58は、流体又はガス試料32を、低減された第2の圧力下で収容するように、ポンプ64及び減圧装置60と協働する。
【0024】
減圧装置60は、ポンプ64と協働して、第2チャンバ58におけるガス試料32の圧力を、第1チャンバ56内での圧力よりも低く確立し、且つ維持する。これを容易にするために、減圧装置60は、制流子(フローリストリクタ)68であり、又は、制流子68を含み、制流子68は、ハウジング50の第1チャンバ56と第2チャンバ58との間に配置されたチャネル又は開口70(例えば、臨界オリフィス)を画成している。制流子68は、オリフィスを画成するノズル又は構造物として形成されることができる。一装置において、制流子68は、第1チャンバ56と第2チャンバ58とに共通の(すなわち、チャンバ56とチャンバ58とを分離させている)、ハウジング50の壁66内に形成される。制流子68は、ポンプ64がガス試料32を、制流子68を通して第1チャンバ56から第2チャンバ58に引き込むときに、ガス試料32の圧力を約0.1気圧〜約0.3気圧に降下させる。
【0025】
例えば、動作中、ポンプ64は、ガス試料32を、入口52から第1チャンバ56内に引き込む。第1チャンバ56は、ガス試料32を、第1の流体圧力にて、例えば、1気圧の圧力(例えば大気圧)下で保持又は収容する。ポンプ64は、さらに、ガス試料32を、第1チャンバ56から制流子68を通して第2チャンバ58内に引き込む。制流子68は、ガス試料32が第1チャンバ56から第2チャンバ58に流れることを可能にするが、制流子68は、第1チャンバ56から第2チャンバ58へのガス試料32の流量を制限する。制流子68のチャネル70の寸法は、ポンプ64が第2チャンバ58内での低い流体圧力(例えば、約0.1気圧〜約0.3気圧)を形成し、且つ維持することを可能にする。
【0026】
一装置において、ユーザは、ガス試料の圧力を約0.1気圧〜約0.3気圧に低減することを達成するために、制流子68のチャネル70の直径72及びポンプ64の流体流量を調節することができる。例えば、変換器24が、500ミリリットル/分の臨界オリフィス(例えば、直径が約0.001インチ(約0.00254cm))を有する制流子68を有し、且つ、変換器24が、500ミリリットル/分の減圧流量を有するポンプ64に連結されている場合を想定する。ポンプ64の動作中、制流子68は、ガス試料の圧力を約0.1気圧〜約0.3気圧に低減する。
【0027】
ヒータ62は、ガス試料32中に存在する酸化水銀82を元素水銀成分80と酸化成分84とに変換するために、ハウジング50内のガス試料32を加熱するように動作可能である。例えば、ヒータ62は、第1チャンバ56内のガス試料32の温度を、約750℃(又は、例えば、約650℃〜約800℃の範囲内)に上昇させることができる。以下に説明するように、このような温度は、ガス試料32中に存在する酸化水銀82を元素水銀成分80と酸化成分84とに熱分解する。一装置において、ヒータ62は、輻射熱をハウジング50内のガス試料32に与える電気抵抗ヒータである。
【0028】
図3は、酸化水銀変換器26の動作中に変換器により行われる処理のフローチャート100である。
図3、並びに図1及び図2も参照すると、ステップ102において、変換器26は、酸化水銀を有する流体試料32を受け取る。例えば、動作中、プローブ22は、排ガス試料32を、石炭燃焼施設のスタック又は煙筒34から受け取る。ガス試料32は、気化水銀を、元素水銀(Hg)80及び酸化水銀(Hg+2)82の両方の形態で含有している。変換器26の出口54に連結されているポンプ64(ポンプ64は、好ましくは、分析器26の下流にある)は、ハウジング50内に減圧を発生して、ガス試料32をプローブ22から変換器26内に流入させる。変換器26の第1チャンバ56は、ガス試料32を受け取り、試料32を、所定の圧力(例えば約1気圧)下で保持する。
【0029】
ステップ104にて、変換器26は、酸化水銀を有する流体試料32を、流体試料32中に存在する酸化水銀82を元素水銀成分80と酸化成分84とに変換するために加熱する。例えば、熱分解として知られているプロセスにおいて、ヒータ62は、熱エネルギーをハウジング50の第1チャンバ56に与え、それにより、第1チャンバ56内のガス試料32の温度を約750℃の温度に上昇させる。ガス試料32中の酸化水銀82が約750℃の温度に達すると、酸化水銀82は、元素水銀成分80と酸化成分84(例えば塩素)とに分離する。
【0030】
ステップ106において、加熱された流体試料が制流子を通過するとき、変換器26は、元素水銀成分と酸化成分との再結合を抑制する。例えば、減圧ポンプと制流子68とは、加熱されたガス試料32の圧力を、約1気圧(例えば、第1チャンバ56内に収容されている場合のように)から、約0.1気圧〜約0.3気圧(例えば、第2チャンバ58内に収容されている場合ように)に低減させることができる。加熱されたガス試料32の圧力を、第1チャンバ56内での圧力よりも低減させることにより、変換器24は、第2チャンバ58内の元素水銀成分80及び酸化成分84の個数を減少させる。加熱されたガス試料32が減圧下に保持される(例えば、第1チャンバ56内のガス試料32の圧力よりも低い圧力下に保持される)ことにより、低減された圧力、すなわち減圧が、第1チャンバ56内で熱分解された元素水銀80と酸化要素84との再結合反応を抑制する。さらに、この低減された圧力、すなわち減圧は、ガス試料32中の元素水銀80が、ガス試料32中に存在し得る他の成分、例えば、塩酸(HCl)と結合することを抑制する。
【0031】
加熱されたガス試料32が第1チャンバ56から第2チャンバ58に入り、変換器54
から分析器に向って流れるとき、加熱されたガス試料32の温度が下がることがあり、これにより、ガス試料32中に存在する元素水銀80と酸化成分84とが再結合する可能性が増大することがある。しかし、ガス試料の圧力は、ガス試料32中の元素水銀成分80及び酸化成分84の個数を減少させる。ガス試料32中の元素水銀成分80及び酸化成分84の個数がこのように減少することにより、元素水銀成分80と酸化成分84との化学的な再結合が減少する。従って、変換器24がガス試料32を、第2チャンバ58から、流体の配送先、例えば分析器26に配送するとき、分析器26は、ガス試料32中の元素水銀80(例えば、気化された元素水銀)の全量を比較的正確に検知することができる。
【0032】
先に記載したように、一装置において、加熱されたガス試料32が第1チャンバ56から第2チャンバ58に入るとき、加熱されたガス試料32の温度が下がり、それにより、ガス試料32中に存在する元素水銀80と酸化成分84とが再結合する可能性が増大する。第2チャンバ58内の元素水銀80と酸化成分84との結合をさらに最小限にするために、変換器24は、第2チャンバ58との間に熱伝達があるヒータを含むことができる。図2を再び参照すると、一装置において、ヒータ62は、第1のヒータ部62−1及び第2のヒータ部62−2を含む。第1ヒータ部62−1は第1チャンバ56との間に熱伝達があり、第2ヒータ部62−2は第2チャンバ58との間に熱伝達がある。
【0033】
動作中、第1ヒータ部62−1は、第1チャンバ56内のガス試料32を約750℃の温度に加熱して、ガス試料32中の酸化水銀82を、元素水銀成分80と酸化成分84とに分解する。ガス試料が第2チャンバ58内に流入するとき、減圧装置60(例えば制流子68)がポンプ64と協働して、ガス試料32の圧力を、ガス試料が第2チャンバ58内で減圧下に保持されるように低減する。次いで、第2ヒータ部62−2は、第2チャンバ58内のガス試料32の温度を維持することを補助するために、熱を第2チャンバ58に加える。例えば、第2ヒータ部62−2も、第2チャンバ58内のガス試料32を、約750℃の温度に加熱する。このような加熱により、第2ヒータ部62−2は、元素水銀成分80を酸化成分84から分離することの維持を補助する。
【0034】
幾つかの場合において、ガス試料32は、ガス試料32の分析前にガス試料32中の元素水銀80が再酸化することを抑制又は防止するために、追加のプロセス(例えば、水銀反応成分の除去)を必要とすることがある。一装置において、変換された元素水銀成分80と酸化成分84との再結合を最小限にするために、変換器24は、図2に示されているように、ケミカルスクラバー90を含む。
【0035】
ケミカルスクラバー90は、ガス試料32中に存在する所定の水銀反応性成分を除去又は低減するように作用する。ケミカルスクラバー90は、ハウジング50内にて、制流子68より下流の変換器24の出口54付近に取り付けられることができる。このような配置が、変換器の動作中にガス試料32がハウジング50の入口52からハウジング50の出口54に移動するときに、ケミカルスクラバー90を通過し、又はケミカルスクラバー90付近を流れることを保証し、それにより、ケミカルスクラバー90が、ガス試料32中に存在する所定の水銀反応性成分を除去又は低減することを可能にする。一装置において、ケミカルスクラバー90は、酸性ガスを洗浄する物質92、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH))を含む。化学物質92は、ガス試料32の所定の成分(例えば、酸性ガス(塩酸(HCl)など)、及び、塩素の遊離基)を捕捉して、ガス試料32中の酸性ガス成分と元素水銀80との結合を最小限にする。すなわち、ケミカルスクラバー90は、元素成分(Hg)80が分析器まで到達することを可能にするが、酸性ガス成分は除去する。そうでなければ、酸性ガス成分は元素水銀80と再結合するであろう。
【0036】
図2に示されている装置の代替例として、ケミカルスクラバー90を、ハウジング50より下流に配置された別個のハウジング内に設けることができる(例えば、図8に示され
ているように)。このような装置は、ケミカルスクラバーの洗浄材料の交換を容易にする。
【0037】
元素水銀と水銀含有成分とが、これらの成分が変換器24の第2チャンバ58内にあるとき、又は、ガス試料が変換器24から分析器26に流れている間に再結合する可能性をさらに低減し、又は最小限にするために、希釈ガス供給部30は、希釈ガス(例えば、水銀を含有しないドライガス)を、試料流内に、導管31を通して供給することができる。
【0038】
例えば、図2に示されているように、希釈ガス供給部30は、水銀を含有しない希釈ガスを変換器24に供給する。一装置において、導管31は、システム20のガスラインに、変換器24より上流の、変換器24の入口52付近にて接続している。別の装置において、導管31は、ハウジング50の第2入口33に接続している。希釈ガスはガス試料32と混合して、変換器24により受け取られるガス試料32中の酸化水銀82、元素水銀80(例えば気化水銀)、及び酸化成分84の濃度を低減させる。例えば、希釈ガス供給部30は、ガス試料32中の酸化水銀82、元素水銀80、及び酸化成分84の濃度を、約10:1〜約250:1の範囲の希釈率で低減する。希釈ガス供給部30は、ガス試料32中に存在する酸化水銀82、元素水銀80、及び酸化成分84の量を希釈により減少させることにより、ガス試料32内の反応種(例えば、元素水銀成分80及び酸化成分84)の相対濃度を低減する。また、システム20は、ガス試料32(例えば、燃焼源からの試料)の元素水銀の濃度を、ガス試料32中に存在する酸化水銀を非酸化水銀(例えば元素水銀)に変換することを必要とせずに検知するように動作されることができる。これを可能にするために、システム20は、図2に示されているように、変換器24の上流に配置され、又は変換器24の入口52に連結された、流れバイパス要素94を含む。流れバイパス要素94は、作動時に、入口52により受け取られたガス試料32を、導管95を通してハウジング50の出口54に方向付け、それにより、ハウジング50の第1チャンバ56及び第2チャンバ58を迂回させる。このような迂回は、ガス試料32が、チャンバ56にて供給される比較的高温の熱に露出されることを防止し、従って、ガス試料32中に存在する酸化水銀82を分解しない。これは、分析器26が、ガス試料32中に元来存在している元素水銀のみを検知することを可能にする。
【0039】
図2に関して先に示したように、減圧装置60(例えば、ポンプ64と協働する制流子68)は、ハウジング50内のガス試料32の圧力を、入口52により受け取られるガス試料32の圧力よりも低減することを補助する。図4及び図5は、減圧装置60の別の構造を示す。
【0040】
図4は、変換器26の第1チャンバ56と第2チャンバ58との間のノズル86として構成された制流子68を示す。ノズル86は、第1チャンバ56から第2チャンバ58へのガス試料32の流量を制限する直径88を有するチャネル又はオリフィス87を画成する。別個に取付け可能な制流子68(例えばノズル86)を用いることが、様々な所望の流量を得るための様々な直径を有する様々な制流子68を設置することを可能にする。
【0041】
図5は、変換器24のための制流子68の別の装置を示す。図示されているように、制流子68は、ハウジング50と一体的に形成され、且つ第1チャンバ56を第2チャンバ58に連結しているネック部96である。ネック部96は、第1チャンバ56を第2チャンバ58から距離99だけ離隔している。ネック部96は、直径98を有するチャネル又はオリフィス97を画成しており、このオリフィス97が、ガス試料32が第1チャンバ56から第2チャンバ58に流れることを可能にし、且つ、ガス試料32が第1チャンバ56から第2チャンバ58に流れる流量を制限する。例えば、一装置において、ネック部96のオリフィス97は、約500ミリリットル/分の最大流量を許容する。図5に示した一体的装置は、第1チャンバ56、第2チャンバ58及びネック部96を単一の材料(
例えば、高温石英)から単一の製造手順で製造することを可能にして、別個の減圧装置をハウジング50内に設置するために必要なステップを排除する。
【0042】
図6は、変換器24の別の装置を示す。この装置において、変換器24は単一のチャンバ120を画成し、且つ、変換器24の上流に(例えば、入口52に)配置された制流子122を含む。ガス試料32がチャンバ120に入るとき、制流子122はポンプ64と協働してガス試料32の圧力を低減させる。動作中、制流子122はポンプ64と協働して、ガス試料32の圧力を、大気圧から、約0.1気圧〜約0.3気圧に低減する。変換器24が減圧ガス試料32を受け取ると、ヒータ62は、減圧ガス試料32中の酸化水銀を熱分解するためにガス試料32に熱を加える。単一のチャンバ120は、ガス試料を減圧下に維持する。変換器24の上流に配置された制流子122により、変換器24は、ガス試料32の減圧を維持し、それにより、元素水銀成分80と酸化成分84との再結合を低減又は抑制する。
【0043】
図7は、変換器24の別の装置を示す。この装置において、変換器24は単一のチャンバ120を画成し、且つ、変換器24の下流に(例えば出口54に)配置された制流子124を含む。ガス試料32がチャンバから出るとき、制流子124は、ポンプ64と協働して、ガス試料32の圧力を低減させる。動作中、変換器24が、単一チャンバ120内にガス試料32を受け入れ、ヒータ62が、ガス試料32に熱を加えて、ガス試料32中の酸化水銀を熱分解させる。ガス試料32が単一チャンバ120から出るとき、制流子124がポンプ64と協働して、ガス試料32の圧力を、大気圧から、約0.1気圧〜約0.3気圧に低減する。変換器24の下流に配置された制流子124により、変換器24は、減圧ガス試料32を、システム20内の分析器26に配送する。熱分解されたガス試料32の圧力を低減することにより、変換器24は、ガス試料が分析器26に向って流れるときにガス試料中の元素水銀成分80と酸化成分84とが再結合することを低減又は抑制する。
【0044】
本発明の方法及び装置を、これらの実施形態を参照しつつ詳細に示し、記載してきたが、形態及び詳細の様々な変更が、添付の特許請求の範囲により定義された方法及び装置の精神及び範囲から逸脱せずに行われ得ることが当業者に理解されるであろう。
【0045】
例えば、図1に示されているように、プローブ22は、ガス試料32をスタック34から回収し、ガス試料32を変換器24に、加熱導管38を介して配送する。加熱導管38は、ガス試料32の凝縮、及び、気化水銀(例えば、Hg+2種)が導管38に付着( 都ticking _)することを抑制する。このような例示は、例として用いられているに過ぎない。一装置において、変換器24は、ガス試料源(例えばスタック)付近に配置される。例えば、変換器24は、公共施設のスタック34から試料32を抽出する地点の付近に(例えば、プローブ22に比較的近接して)配置されることができ、又は、抽出プローブ22に組み込まれる(例えば、プローブ22の一部として一体的に形成される)ことができる。このような構造は、プローブ22と変換器24との間に加熱導管38を設ける必要を最小限にし、又は排除する。
【0046】
また、上記の一装置において、ヒータ62は、変換器24の第1チャンバ56との間に熱伝達があるように配置された第1のヒータ部62−1、及び、変換器24の第2チャンバ58との間に熱伝達があるように配置された第2のヒータ部62−2を有するように構成されている。先に記載したように、第1のヒータ部62−1は、ガス試料32を、元素水銀成分80を酸化成分84から熱分解させるために約750℃の温度に加熱し得る。これもまた先に記載したように、第2のヒータ部62−2も、第2チャンバ58内のガス試料32を、酸化成分84から元素水銀成分80を分離させておくために約750℃の温度に加熱する。このような記載は例示に過ぎない。一装置において、第2ヒータ部62−2
は、第1のヒータ部62−1とは独立に動作し、第2チャンバ58を、第1チャンバ56の温度とは異なる温度(例えば、第1チャンバ56内のガス試料の温度よりも高い温度、第1チャンバ56内のガス試料の温度よりも低い温度、又は、第1チャンバ56内のガス試料の温度と等しい温度)に維持する。
【0047】
これもまた先に記載し、且つ、図2に示したように、希釈ガス供給部30は、希釈ガスを、変換器24より上流の流れラインに供給する。図8に示されているような別の装置において、希釈ガス供給部30は、ハウジング50に関連付けられた第2の入口95を介して、希釈ガスを変換器24のハウジング50の第2チャンバ58内に導入し得る。第2チャンバ58内のガス試料32中に存在する酸化水銀82、元素水銀成分80及び酸化成分84を希釈することにより、希釈ガス供給部30は、ガス試料32中(例えば、第2チャンバ58内)の反応種(例えば、元素水銀成分80及び酸化成分84)の相対濃度を低減する。
【0048】
図1に例示されているように、ケミカルスクラバー90は、変換器24のハウジング50内に配置される。このような例示は例として用いられているに過ぎない。図8に示されているような別の装置において、ケミカルスクラバー90は、変換器24のハウジング50の外側に配置されている。このような装置は、ユーザが、ケミカルスクラバー90の、酸を洗浄する材料92(例えば、水酸化カルシウム)を容易に交換し、又は取り替えることを可能にする。外付けのスクラバー90は、出口54より下流に配置されているように示されているが、外付けのスクラバー90を、上流の、入口52の付近に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】水銀モニタリングシステムの概略を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に従う、図1の水銀モニタリングシステムに用いられることができる酸化水銀変換器の1つの装置を示すブロック図。
【図3】図2の酸化水銀変換器により実行される処理のフローチャート。
【図4】図2の酸化水銀変換器の1つの装置を示すブロック図。
【図5】図2の酸化水銀変換器の別の装置を示すブロック図。
【図6】図2の酸化水銀変換器の別の装置を示すブロック図。
【図7】図2の酸化水銀変換器の別の装置を示すブロック図。
【図8】図2の酸化水銀変換器の1つの装置を示すブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化水銀変換器であって、
流体試料を受け入れるための入口、及び流体試料を放出するための出口を有するハウジングであって、第1のチャンバ及び第2のチャンバを画成し、第1チャンバが、流体試料を受け入れて流体試料を実質的に第1の圧力下で収容するように構成されており、第2チャンバが、第1チャンバから流体試料を受け入れて、流体試料を、第1圧力よりも低圧である第2の圧力下で収容するハウジングと、
第1チャンバとの間で熱伝達があるヒータであって、第1チャンバにより受け取られた流体試料を、流体試料中に存在する酸化水銀を元素水銀成分と酸化成分とに変換するために加熱するヒータと、
流体試料の圧力を、第1チャンバ内の第1圧力から第2チャンバ内の第2圧力に低減するように動作可能な減圧装置とを含む酸化水銀変換器。
【請求項2】
減圧装置が、前記第1チャンバと第2チャンバとの間に制流子を含む請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項3】
減圧装置が、流体試料の圧力を約0.1気圧〜約0.3気圧に低減するように動作可能である請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項4】
ヒータが第2チャンバとの間に熱伝達があり、且つ、第2チャンバ内の流体試料を加熱するように動作可能である請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項5】
ケミカルスクラバーであって、変換器を通過する流体試料が、前記ケミカルスクラバーを通って流れ、又はケミカルスクラバーに近接して流れるように第2チャンバ内又は第2チャンバの下流に配置されたケミカルスクラバーを含む請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項6】
第2チャンバが、流体試料を第1チャンバ内に引き込んで第1チャンバを通過させ、且つ、制流子を通過させて第2チャンバ内に流入させるように部分真空下で動作可能である請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項7】
ハウジングが、水銀を実質的に含まない希釈流体を受け入れるための第2の入口を有する請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項8】
前記第2入口が、水銀を実質的に含まない希釈流体が第2チャンバ内に流入することを可能にする請求項7に記載の酸化水銀変換器。
【請求項9】
ヒータが、流体試料を約650℃〜約800℃の温度に加熱するように構成されている請求項1に記載の酸化水銀変換器。
【請求項10】
流体試料中の酸化水銀を処理するための方法であって、
酸化水銀を有する流体試料を、流体試料中に存在する酸化水銀を元素水銀成分と酸化成分とに変換するために加熱するステップと、
加熱された流体試料が制流子を通過するとき、元素水銀成分と酸化成分との再結合を抑制するステップとを含む方法。
【請求項11】
加熱された流体試料の圧力を低減するステップが、ガス試料の圧力を約0.1気圧〜約0.3気圧に低減するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
流体試料を希釈するために、水銀を実質的に含まない流体を流体試料に加えるステップを
含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
試料を加熱した後、試料中に存在する酸化水銀を分離させるために、水銀を実質的に含まない流体を流体試料に加えるステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
流体試料を、約10:1〜約250:1の範囲の希釈率で希釈するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱するステップが、第1チャンバ内の流体試料を加熱するステップを含み、
圧力を低減するステップが、加熱された流体試料を第1チャンバと第2チャンバとの間の制流子を通して流すステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
さらに、第2チャンバ内の流体試料を加熱するステップを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
分離された流体試料をケミカルスクラバーに通し、又はケミカルスクラバー付近にて流通させるステップを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
酸化水銀変換器であって、
ハウジングであって、当該ハウジングにより画成されたスペース内に流体試料を受け入れるための入口、及び、流体試料を流体の配送先に配送するための出口を有するハウジングと、
前記ハウジングにより画成されたスペース内に受け入れられた流体試料を、流体試料中に存在する酸化水銀を元素水銀成分と酸化成分とに変換するために加熱するように動作可能なヒータと、
流体試料の圧力を低減するように動作可能な減圧装置とを含む酸化水銀変換器。
【請求項19】
前記減圧装置が、ハウジングの入口付近に配置された制流子を含む請求項18に記載の酸化水銀変換器。
【請求項20】
前記減圧装置が、ハウジングの出口付近に配置された制流子を含む請求項18に記載の酸化水銀変換器。
【請求項21】
前記減圧装置が、流体試料の圧力を、約0.1気圧〜約0.3気圧に低減するように動作可能である請求項18に記載の酸化水銀変換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−503438(P2009−503438A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510138(P2008−510138)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/016854
【国際公開番号】WO2006/119298
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(507361952)サーモ エレクトロン コーポレーション (2)
【氏名又は名称原語表記】THERMO ELECTRON CORPORATION
【Fターム(参考)】