説明

酸化物シースを有する金属ナノワイヤ、及びその製造方法

本発明は、金属酸化物で被覆される金属コアを含む少なくとも1つのナノワイヤを含む一次元複合構造体、又はこのようなナノワイヤから構築される少なくとも1つの複合構造体に関する。本発明はさらに、これらの構造体との金属−有機結合体を分解することができる、触媒を用いないMOCVD法に関する。複合構造体はナノ電子、光学又は磁気部品又は材料に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物、特にセラミック材料で被覆される金属コアを含む一次元ナノワイヤ、及びこのような被覆ナノワイヤから構築される分枝状ナノ構造体、それらを製造する方法及びそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な小型化に照らして、主に電子部品の分野では、用いられる材料の特性によって電子部品の一層の進歩がサブミクロン範囲へと移行する。これまで、主に全3空間方向にナノメートル範囲の寸法を有するナノ粒子(いわゆる0次元構造体)、及び1空間方向にナノメートル範囲の寸法を有する薄層(いわゆる2次元構造体)を利用してきた。
【0003】
主に、電子部品の小型化の結果として、また他の分野における小型化の結果として、サブミクロン範囲における繊維又はワイヤ、分枝状ワイヤ、ケーブル、及びそのネットワーク(いわゆる1次元構造体)に対する需要がますます高まっている。
【0004】
このような一次元構造体を製造するこれまでの方法は、貴金属触媒を使用すること又は鋳型を使用することで主に成り立っている。Wu et al., J. Am. Chem. Soc., 2001: 123:3165-3166は、例えば、金ナノクラスタを触媒として使用するGeナノワイヤの製造を記載している。鋳型制御法は、例えば、Martin, Science 1994; 266:1961-1966によって記載されている。全てのこれらの方法に関する欠点は、対応する構造体の汚染をもたらす、触媒又は鋳型等の異物質の使用を必要とする点である。
【0005】
ナノワイヤ及びそれらの製造の概要は、Xia et al., Adv. Mater. 2003, 15, No. 5, pp. 353-389に見られる。従来技術による研究は、1つの材料から構成されるナノワイヤに関するものであることが多い。しかしながら、異なる特性の組合せは、例えば小型部品としての使用において要求されることが多い。一般的に、これは、複合構造体、即ち2つ以上の材料の組合せから構築された構造体を用いることによってのみ成し遂げることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、異なる特性が組み合わされ得るように異なる材料の組合せを含む一次元複合構造体を提供することである。さらに、汚染物質、特に触媒又は鋳型の残渣を可能な限り含まない一次元複合構造体を提供することを包含する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は驚くべきことに、金属酸化物、特にセラミック材料で被覆される金属コアを含む線状又は分枝状ナノワイヤを提供することによって達成することができた。これらのナノワイヤは揮発性金属−有機化合物を用いて異物質(foreign substances)を用いることなく製造することができる。これにより、経済的な条件下において高収量でナノワイヤを製造することが可能となる。
【0008】
したがって、本発明は、金属酸化物で被覆される金属コアを含む少なくとも1つのナノワイヤを含む一次元複合構造体、又はこのようなナノワイヤから構築される少なくとも1つの分枝状構造体に関する。本発明はさらに、特許請求の範囲に規定されるような、一次元複合構造体を製造する方法、及びこれらの構造体の使用に関する。本発明による構造体は、金属コア及び金属酸化物シース、特にセラミックシースを含み、このためケーブルと称されることもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ナノワイヤは金属酸化物で被覆される金属コアを含む。金属コアは金属、特に主族IIIの金属から構成される。例えば、Al、Ga、In及びTlであり、ここではアルミニウム及びガリウムが特に好ましい。シースは金属酸化物、特にAl、Ga、In及びTl等の主族IIIの金属の金属酸化物から構成され、ここでは酸化アルミニウム及び酸化ガリウムが特に好ましい。好ましい一実施形態において、コアの金属及び金属酸化物の金属は両方とも主族IIIの金属であり、コアの金属及び金属酸化物の金属は特に好ましくは主族IIIの同じ金属である。
【0010】
金属酸化物は任意の典型的な酸化物であり得る。これは、金属の全ての典型的な酸化状態の酸化物、及び異なる酸化状態の金属を含有する混合酸化物も包含する。これらの酸化物はアモルファス形状、又は好ましくは結晶状態で存在し得る。酸化物は全ての典型的な結晶形態を包含する。例えば、a−Al、g−Al、a−Ga、β−Ga及びInである。金属酸化物は好ましくはセラミック又はセラミック材料である。
【0011】
適切であれば、コア及び/又はシースが少量の汚染物質、例えば出発化合物に由来の中間生成物又は副生成物を含有していてもよい。しかしながら、複合構造体は好ましくは汚染物質を実質的に含まない。特に、複合構造体は、触媒又は鋳型材料に由来のいかなる残渣も含有しない。
【0012】
一次元複合構造体は金属コア及び金属酸化物シースを含む複合体である。一次元複合構造体は、記載の構成の1つ又は複数のナノワイヤを含むか又はそれらから成ることができる。これらの単純な線状ケーブル様一次元構造体と並んで、一次元複合構造体は代替的に又は付加的に、1つの別のナノワイヤ上に分枝状に成長する線状形態の複数のナノワイヤから構築される1つ又は複数の分枝状構造体を含むか又はそれらから成る。これらの2つの形態は、線状ナノワイヤ及び分枝状ナノワイヤとも称され得る。分枝状形態の場合、ワイヤの金属コアは分枝点で1つの別の金属コアと接していてもよく、又は金属コアが分枝点における金属酸化物シースによって1つの別の金属コアから分離されるものであってもよい。一次元複合構造体は束縛を受けることなく存在していてもよく、又は基体上に位置付けられていてもよい。
【0013】
本発明によるナノワイヤは、特に、200nm未満の範囲、例えば、1〜200nm、好ましくは10〜100nm、特におよそ20〜40nmの範囲の2つの寸法を有する。ナノワイヤの幅対長さの比率は概して、少なくとも1:3、好ましくは少なくとも1:5である。第3の寸法は概してマイクロメートル及びサブミクロンの範囲である。ナノワイヤの断面は概して略円形である。
【0014】
金属−有機化合物は特定の分野において他の材料の前駆体として働く。このため、揮発性前駆体は、いわゆる「金属有機化学蒸着」法(MO−CVD)を用いて非常に高品質を有するセラミック材料の薄層へと変換することができる。MO−CVD法は金属−有機化合物の化学蒸着で構成される。MO−CVD法は反応条件下における前駆体の十分な揮発性を要求するが、逆に言えば、プロセスの制御には通常条件下におけるこの化合物の一定の安定性が要求される。平面のミクロ複合体及びナノ複合体を製造するための対応する前駆体は、例えばドイツ公開特許第4221659号より既知である。
【0015】
本発明による方法では、MO−CVD法によって一次元複合構造体が得られる。この目的のために、金属−有機化合物を熱分解して、構造体を形成する。これは触媒及び鋳型を用いない方法である。用いられる金属−有機化合物は下記の一般式:
El(OR)H
(式中、ElはAl、Ga、In又はTlを示し、ここではAl及びGaが好ましく、Rは脂肪族又は脂環式炭化水素基を表す)
を有する。
【0016】
脂肪族又は脂環式炭化水素基は好ましくは不飽和である。これは例えば1〜15個の炭素原子を有していてもよい。アルキル又は非置換又はアルキル置換シクロアルキルが好ましく、アルキル基は好ましくは、2〜12個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する。アルキルは線状又は分枝状であってもよく、ここでは分枝状アルキル基が好ましい。例えば、エチル、n−プロピル、n−ブチル及び対応する高級線状相同体、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、ネオヘキシル及び対応する高級イソアルキル若しくはネオアルキル相同体、又は2−エチルヘキシルである。脂環式基は1つあるいは2つ又はそれ以上の環を含んでいてもよく、各々がアルキルによって置換されていてもよい。脂環式基は好ましくは、5〜10、特に5〜8個の炭素原子を含む。好適なシクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ノルボルニル及びアダマンチルである。
【0017】
特に好ましくは、分枝状C〜Cアルコキシ基を有するアルミニウムアルコキシジヒドリド、特にアルミニウムtert−ブトキシジヒドリドである。一般式El(OR)Hの化合物の調製は既知であり、ドイツ公開特許第19529241号に記載されている。それらは、例えばEl水素化物を、対応するアルコールと1:1のモル比で反応させることによって得ることができ、ここでEl水素化物は、アルカリ金属El水素化物をElハロゲン化物と反応させることによってその場で調製することができる。式El(OR)H(式中、ElはAl又はGaである)の化合物、及びそれらの調製はM. Veith et al., Chem. Ber. 1996, 129, 381-384にも記載されている。この論文はまた、式El(OR)Hの化合物が二量構造体を含み得ることも示している。
【0018】
金属−有機化合物は気相へと変換され且つ熱分解され、この不揮発性分解生成物が包括的に、基体において又は基体上に一次元複合構造体の形態で形成される。適切な基体としては、原則的に、出発物質及び最終生成物に対して好ましくは不活性な全ての典型的な材料、例えばガラス、セラミック、金属、シリコン又は石英が挙げられる。熱分解は、炉内、誘導加熱面又は誘導加熱サンプルキャリア上に位置する表面において実行され得る。導電性材料、例えばグラファイト又は金属のみが、直接誘導加熱用の基体材料として適切である。比較的低い導電性を有する基体、例えばガラス、石英、シリコン、酸化アルミニウムを用いる場合には、炉、又は導電加熱の場合には例えばグラファイト又は金属から構成される導電性基体キャリアを使用することが必要である。このため、基体は反応空間の表面又はそこに位置付けられる基体、例えば薄層又はフィルムであってもよい。
【0019】
用いられる反応器空間は任意の望ましい構成を有し得る。一例として、反応管が含まれ得る。任意の典型的な不活性材料を反応器材料として用い得る(例えばDuran又は石英ガラス)。上記方法を実行するのに用いられる反応器は、各基体又は基体の寸法に適合するものとする。一例として、2.5cmの直径を有する円形基体には5cmの反応器直径を用いることができ、50cmの直径を有する基体には55cmの反応器直径を用いることができる。
【0020】
本発明による一次元構造体の製造は本質的に、熱分解に用いられる温度、したがって基体温度に依存する。所望の構造体は400℃を超える高温、好ましくは少なくとも450℃の温度で生じる。好ましくは、最高で1200℃、特に最高で600℃、例えば400℃〜1200℃、好ましくは450℃〜650℃、最も好ましくは450℃〜600℃の温度が使用される。それに応じて、熱分解がその上又はそこにおいて起こる基体が所望の温度に加熱される。この場合、本発明による構造体の製造は、用いられる基体材料及びその構成に無関係である。
【0021】
金属−有機化合物又は前駆体は、供給容器から反応器内に導入することができ、この供給容器は所望の蒸発温度に温度調節されているのが好ましい。供給容器は例えば−50℃〜120℃、好ましくは−10℃〜40℃の範囲の蒸発温度に温度調節され得る。反応器空間における熱分解は一般的に、大気圧又は減圧下、好ましくは一般的に10−6mbar〜大気圧、より好ましくは10−2mbar〜10−1mbarの範囲の真空において実行される。真空を生じさせるために、真空ポンプシステムを反応器の排出口側に連結してもよい。全ての典型的な真空ポンプを使用することができる。ロータリーベーンポンプとターボ分子ポンプ又はロータリーベーンポンプとの組合せが好ましい。前駆体用の供給容器を反応器空間の片側に付設し、真空ポンプシステムを反対側に付設させることが適切である。
【0022】
方法を実行する前に、適切であれば一時的に真空にして不活性ガス、例えば窒素又はアルゴンを1回又は複数回流すことによって反応器空間を不活性にしてもよい。所望の条件に設定した後、前駆体を一定時間かけて反応器内へ導入し、基体において又は基体上で熱分解させ、一次元複合構造体を形成する。
【0023】
基体を誘導加熱する場合には、例えば平方センチメートルで測定されるサイズを有する導電性金属の薄層又はフィルムをDuran又は石英ガラスから構成される反応管内に基体として配置し得る。温度が所望の蒸発温度に調節される、前駆体を含む供給容器を、反応管の注入口側に連結し、真空ポンプシステムを当該反応管の排出口側に連結する。反応管は、基体薄層又はフィルムを所望の温度に加熱するのに用いられる高周波誘導場に位置付けられる。所望の圧力を設定し且つ前駆体を導入すると、基体は一次元構造体で覆われる。
【0024】
本発明による一次元複合構造体の正確な形態形成は、方法のパラメータを好適に選択することによって制御することができる。構造体の長さ、厚み及び/又は分枝は、基体温度及び前駆体流(単位時間当たりに導入される前駆体の量)の対象選択によって影響を受け、さらに、前駆体供給温度の対象設定及び反応器における圧力の選択によって制御することができる。
【0025】
一次元構造体、特に一次元ナノ構造体が基体と無関係に使用されるように意図される場合、基体上に作製される構造体は基体から切り取られるか又は脱着され、これに応じてさらに使用することができる。
【0026】
本発明による構造体の複合材料の形態及び利点は、多くの領域の用途に利用することができる。金属コアが導電性であり且つ金属酸化物から構成されるシースが絶縁体を示すため、構造体はナノスケールの電気ケーブルとして極めて好適である。このため、セラミック被覆によって絶縁される導電性ナノワイヤ及びネットワークはナノエレクトロニクスにおける多くの用途をもたらす。特にそれらは、ナノエレクトロニクスの光学又は磁気部品又は材料、例えば触媒に好適である。
【0027】
特に、それらは、例えば、低濃度の生物学種又は化学種のためのセンサとして使用することができる。適切であれば、生体細胞の反応又はミクロ反応器内における反応を、本発明による構造体を用いることによって開始させ且つ制御することができる。自己清浄表面は好適な形態を用いて、例えばいわゆる「ロータス効果」をもたらす表面形態を形成することによって形成され得る。
【0028】
本発明を以下で例示的な実施形態に基づきより詳細に説明するが、これらは決して本発明の範囲を限定するように意図されるものではない。
【実施例】
【0029】
1×1cmのシリコンウエハ片を、筒状断面を有するガラス管(直径4cm、長さおよそ50cm)を備える装置内で被覆した。真空ポンプシステム(ロータリーベーンポンプ及び圧力測定装置)を管の片側に連結する。前駆体アルミニウムtert−ブトキシジヒドリドで充填した供給容器をガラス管の反対側に連結する。反応管の周りの銅巻線を介して誘導加熱を行った。グラファイトブロックは、前駆体を付着させるシリコンウエハ片用の支持体としての役割を果たす。この配置において、熱電素子を用いて温度をモニタリングした。実験ではグラファイトブロックを600℃に加熱する。アルミニウムtert−ブトキシジヒドリドを供給容器から0℃の反応空間に30分間かけて移し、当該反応空間において分解して、数百nmの長さを有し且つおよそ30nmの直径を有するアルミニウム−酸化アルミニウムナノケーブルを形成する。
【0030】
シリコンウエハ上に付着したナノケーブルの特性を決定するために、走査型電子顕微鏡法(SEM)及び原子間力顕微鏡法を行った。図1は本発明による構造体のSEM顕微鏡写真を示し、これにより材料の一次元構造体が形成されたことが示される。
【0031】
1:1の元素比Al:Oを電子分散X線分析によって確認した。金属(元素)アルミニウムの存在はX線回折を用いて検出した。金属コア及びセラミックシースを含んで形成されるナノワイヤの構築は、透過型電子顕微鏡法(TEM)によって検出した。図2は金属コア及びセラミックシースを含む本発明による構造体に関するTEM顕微鏡写真を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による構造体のSEM顕微鏡写真を示す。
【図2】シース及びコアを含む複合構造体を明示するTEM顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物で被覆される金属コアを含む少なくとも1つのナノワイヤを含む一次元複合構造体、又はこのようなナノワイヤから構築される少なくとも1つの分枝状(branched)構造体。
【請求項2】
前記金属酸化物のシースがセラミックであることを特徴とする、請求項1に記載の一次元複合構造体。
【請求項3】
前記コアの金属が主族IIIの金属であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の一次元複合構造体。
【請求項4】
前記金属酸化物の金属が主族IIIの金属であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項5】
前記金属酸化物の前記金属、及び前記コアの前記金属が、主族IIIの同じ金属であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項6】
前記金属がアルミニウムであり、且つ前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項7】
前記金属がガリウムであり、且つ前記金属酸化物が酸化ガリウムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項8】
前記ナノワイヤが10〜100nmの範囲の2つの寸法(two dimensions)を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項9】
前記一次元複合構造体が基体上に位置付けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の一次元複合構造体。
【請求項10】
電子、光学又は磁気部品又は材料用の一次元複合構造体のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一次元複合構造体の使用。
【請求項11】
低濃度の生物学種又は化学種を検出するためのセンサとしての、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一次元複合構造体の使用。
【請求項12】
生物学的システムにおける細胞に影響を与え且つ該細胞を制御するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一次元複合構造体の使用。
【請求項13】
自己清浄表面を製造するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の一次元複合構造体の使用。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の一次元複合構造体を製造する方法であって、一般式
El(OR)H
(式中、ElはAl、Ga、In又はTlを示し、Rは脂肪族又は脂環式炭化水素基を表す)
の少なくとも1つの金属−有機化合物を400℃より高い温度で熱分解して、複合構造体を形成する、一次元複合構造体を製造する方法。
【請求項15】
ElがAl又はGaであることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アルミニウムtert−ブトキシジヒドリド又はガリウムtert−ブトキシジヒドリドが前記金属−有機化合物として使用されることを特徴とする、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記熱分解が基体上又は基体において起こることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記基体が半導体材料又は非導電性材料であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記熱分解が、誘導加熱された導電性基体、炉内に位置する表面又は誘導加熱された導電性基体ホルダ上に位置する表面において起こることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記誘導加熱された導電性基体が金属であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記熱分解が触媒及び鋳型の非存在下で実行されることを特徴とする、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記金属−有機化合物が、ガス流中、10−6〜1mbarの圧力下、450℃〜1200℃の温度で分解されることを特徴とする、請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
本発明による前記構造体の形態成形が、基体温度、ガス圧、前駆体供給温度、及び前駆体流から選択される1つ又は複数のプロセスパラメータを変えることによって制御されることを特徴とする、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記一次元複合構造体が前記基体から脱着されることを特徴とする、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−533547(P2009−533547A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500778(P2009−500778)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002564
【国際公開番号】WO2008/011920
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500449008)ライプニッツ−インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク (22)
【Fターム(参考)】