説明

酸化還元指示薬を用いる機能性流体の分析

本発明は、機能性流体の品質分析に関する。特に、本発明は、機能性流体中において酸化副生成物の存在下で色を呈する安定な酸化還元指示薬を用いることに関する。本発明は機能性流体の状態を特定する方法であって、(1)機能性流体の試料を得るステップ、(2)前記機能性流体の前記試料を、前記機能性流体中の酸化化学種に応答して色の変化を生じる、安定な還元された指示薬(染料)を含浸させた試験媒体に接触させるステップ、(3)前記機能性流体が前記指示薬と反応して色の変化を生じる効果を生む時間、待つステップ、(4)前記染料の酸化形態から生じる結果としての色の変化を特定する、または比較することによって、前記反応の結果を分析するステップ、および(5)前記機能性流体の状態を特定するステップ、を含む方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機能性流体の品質分析に関する。特に、本発明は、機能性流体中において酸化副生成物の存在下で色を呈する安定な酸化還元指示薬を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
機能性流体は、様々な自動車、道路外使用車、道路内使用車、設備、機械、金属加工および工業用途に用いられている。このような機能性流体の品質および状態を知ることは、機能性流体の不適切で、効果のない利用を防ぐために重要である。高品質の機能性流体は、機能性流体を含む装置/設備の状態が生産的で適正に機能していることを保証する。したがって、機能性流体の物理的および/または化学的状態をモニターすることが望ましい。
【0003】
機能性流体の様々な成分の存在および/または濃度を特定するのに様々な試薬を用いる、機能性流体の分析方法が存在する。特定の試薬が、機能性流体中の成分の存在および濃度を特定するために使用され得る。通常、これらの方法は、試験ストリップに反応性試薬を用いて、pH、着色剤、および汚染物質について分析する。通常、これらの方法は制御された条件を必要とする。さらに、これらの方法は、主観的で、不正確であり得る。
【0004】
機能性流体の状態を特定するための正確で容易な分析方法をもつことは望ましい。流体の状態を特定する正確な分析的方法をもち、それを実地に用いることは、さらに望ましい。
【0005】
酸化還元指示薬は、流体をモニターするための分析的方法で用いられている。通常、酸化還元指示薬は空気の存在に影響を受け易い。酸化還元指示薬の不安定性のために、流体の状態をモニターする分析的試験にとって、酸化還元指示薬は有用でなかった。機能性流体の状態を特定するのに使用し易い安定な酸化還元指示薬をもつことは望ましい。機能性流体を、その状態、品質、または他の有用な性質を特定するために、化学的に分析する簡単で迅速な方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機能性流体の状態および品質の容易で簡便で正確な分析方法を提供することが本発明の目的である。機能性流体中の酸化副生成物を確認でき、こうして機能性流体の品質および状態を確認する、試験媒体で安定な酸化還元指示薬を提供することが本発明のさらなる目的である。機能性流体が追加および/または交換されるべきである時点を示すことが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は機能性流体の状態を特定する方法であって、
(1)機能性流体の試料を得るステップ、
(2)前記機能性流体の前記試料を、前記機能性流体中の酸化化学種に応答して色の変化を生じる、安定な還元された指示薬(染料)を含浸させた試験媒体に接触させるステップ、
(3)前記機能性流体が前記指示薬と反応して色の変化を生じる効果を生む時間、待つステップ、
(4)前記染料の酸化形態から生じる結果としての色の変化を特定する、または比較することによって、前記反応の結果を分析するステップ、および
(5)前記機能性流体の状態を特定するステップ、
を含む方法である。
【0008】
さらに、本発明は、機能性流体を分析するための試験キットを提供し、このキットは、安定な還元された指示薬により処理された試験媒体、および、還元された指示薬と反応したときに試験媒体に置かれた機能性流体の状態を描写する、見て分かる指示または印刷された教示を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、機能性流体の状態を分析およびモニターするための方法、ならびにキットのようなデバイスを提供する。機能性流体は、内燃機関、定置機関、タービン、伝動装置、差動装置、ポンプ、金属加工作業、冷却設備などを含めて、非常に多くの源に由来する。機能性流体には、自動変速機流体、トラクションドライブ変速機流体、手動変速機流体、パワーステアリング流体、不凍流体、潤滑油、グリース、クランク室潤滑剤、鉱油、グループI基油を有するオイル、差動装置潤滑剤(differential lubricant)、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、ギアボックス潤滑剤、車軸潤滑剤、農業トラクター用流体、変圧器流体、コンプレッサ流体、冷却設備流体、金属加工流体、油圧流体、工業用流体、燃料、無段変速機流体、変速比無限大無段変速機(infinitely variable transmission)流体などが含まれる。一実施形態において、機能性流体は自動変速機流体である。一実施形態において、機能性流体は、エアコンプレッサ潤滑剤のようなコンプレッサ流体、およびタービン潤滑剤である。
【0010】
酸化副生成物は、機能性流体の使用期間にわたるその酸化のせいで現れる。分析は、酸化された機能性流体、および/または、流体自体の使用から生じる、酸化化学種もしくは酸化副生成物を検出する。通常、機能性流体は、機能性流体の酸化を防ぐ、および/または遅らせるために、添加剤パッケージに酸化抑制剤を含む。通常、酸化副生成物および/または酸化化学種は、酸化抑制剤が枯渇した後で、機能性流体に蓄積する。機能性流体中の酸化化学種および/または酸化副生成物は、機能性流体の状態がその使用寿命を超えたこと、および機能性流体の適切な使用のために交換されるべきであることを実際に示す。
【0011】
酸化還元指示薬が特定する酸化副生成物/酸化化学種には、ヒドロペルオキシド、過酸化物、窒素の酸化物、酸化窒素などが含まれる。一実施形態において、酸化性副生成物は過酸化物である。本発明の方法は、酸化副生成物および/または酸化化学種の1つまたは複数の組合せを特定することができる。
【0012】
機能性流体中の酸化副生成物および/または酸化化学種の濃度は、当量のヒドロペルオキシドとして計算して、最少濃度で、約1ppmを超え、別の実施形態では、約0.5ppmを超え、別の実施形態では、約0.1ppmを超える。
【0013】
指示試薬
本発明の目的にとっての指示試薬は、化学系の状態を特徴付けることができる物質である。指示薬は酸化還元指示薬、または酸化還元指示薬の組合せである。
【0014】
酸化還元指示薬の選択は、試験される機能性流体および/または生成する副生成物の酸化能力に依存する。
【0015】
酸化還元指示薬は、目視による観察、比色分析、測光、蛍光、化学発光などを通じて分かる、色の変化によって役目を果たす。
【0016】
酸化還元指示薬の色は、試験される機能性流体のタイプおよび/または機能性流体の劣化のレベルに応じて選択される。特定の色は、機能性流体の好ましい通常の色と強い対照をなす。適切な色の選択は、特定の用途によって決定され得る。例えば、一実施形態において、乗用車の自動変速機流体は、確認の目的で、赤に着色されている。自動変速機流体の機能性流体における許容されない状態を示すために、赤に変わる指示薬を用いることは不適切であろう。例えば、自動変速機流体では、色による指示の選択は、様々な青色から緑色の範囲にあり、これらの混合が望ましいであろう。
【0017】
酸化還元指示薬には、ニュートラルレッド、サフラニンTまたはO、インジゴ、インジゴカルミン、メチレンブルー、チオニン、チモールインドフェノール、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、ガロシアニン、ナイルブルー、バリアミンブルー、ジフェニルアミン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸、バリウム塩、トリス(2,2−ジピリジル)鉄(II)スルファート、N−フェニルアントラニル酸、フェロイン、ニトロフェロイン、5,6−ジメチルフェロイン、4−アミノ−4’−メチルジフェニルアミン、ジフェニルベンジジン−ジスルホン酸、o−ジアニシジン、3,3’−ジメチルナフチジン、3,3’−ジメチルナフチジンジスルホン酸、ビス(5−ブロモ−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)ジニトラート、トリス(5−ニトロ−1,10−フェナントロリン)鉄(II)スルファート、鉄(II)−2,2’,2”−トリピリジンスルファート、トリス(4,7−ビフェニル−1,10−フェナントロリン)鉄(II)ジスルファート、o,m’−ジフェニルアミンジカルボン酸セトパリン(setopaline)、p−ニトロジフェニルアミン、トリス(1,10−フェナントロリン)−鉄(II)スルファート、セトグラウシン(setoglaucine)O、キシレンシアノールFF、エリオグラウシン(erioglaucine)A、エリオグリーン、トリス(2,2’−ビピリジン)−鉄(II)塩酸塩、2−カルボキシジフェニルアミン[N−フェニル−アントラニル酸]、ベンジジン二塩酸塩、o−トルイジン、ビス(1,10−フェナントロリン)−オスミウム(II)ペルクロラート、ジフェニルアミン−4−スルホン酸Na塩)、3,3’−ジメトキシベンジジン二塩酸塩[o−ジアニシジン]、フェロシフェン(ferrocyphen)、4’−エトキシ−2,4−ジアミノアゾベンゼン、N,N−ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、バリアミンブルーB塩酸塩、N−フェニル−1,2,4−ベンゼントリアミン、ビンドシェドラーグリーン(bindschedler’s green)、2,6−ジクロロインドフェノール(Na塩)、2,6−ジブロモフェノールインドフェノール、ブリリアントクレシルブルー[3−アミノ−9−ジメチル−アミノ−10−メチルフェノキシアジンクロリド]、鉄(II)−テトラピリジンクロリド、デンプン(可溶性ジャガイモ、Iが存在)、ガロシアニン(25℃)、ナイルブルーA[アミノナフトジエチルアミノ−フェノキサジンスルファート]、インジゴ−5,5’,7,7’−テトラスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’,7−トリスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’−ジスルホン酸(Na塩)、フェノサフラニン、インジゴ−5−モノスルホン酸(Na塩)、ビス(ジメチルグリオキシマート)−鉄(II)クロリド、インジュリンスカーレットなどが含まれる。一実施形態において、酸化還元指示薬は、メチレンブルー、p−ニトロジフェニル−アミン、N,N−ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、ニュートラルレッドなどである。一実施形態において、酸化還元指示薬は、メチレンブルーである。
【0018】
酸化還元指示薬は、単独で、または組み合わせて使用され得る。酸化還元指示薬は、試験媒体に付けられる溶液として、約0.01wt%から約1wt%の範囲で使用され、別の実施形態では、約0.05wt%から約1wt%の範囲で使用され、別の実施形態では、約0.1wt%から約1wt%の範囲で使用される。この場合、溶媒は溶液から蒸発させられる。
【0019】
酸化還元指示薬は、すでに還元された形であり得る、または、リン酸、ジチオリン酸、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムなどのような還元剤を用いて溶液中で還元される。還元剤は単独でまたは組み合わせて使用され得る。還元剤は、還元される酸化還元指示薬の量に対して、1当量にほぼ等しいかまたは1当量を超える範囲で使用される。
【0020】
任意選択で、安定な酸化還元指示薬の調製において、安定剤が添加される。安定剤には、パラ−アミノ安息香酸、フェニルアルファ−ナフチルアミンなどのような抑制剤が含まれる。別の種類の安定剤には、塩酸、ジチオ−リン酸、リン酸、チオ−リン酸のような酸が含まれる。安定剤は単独でまたは組み合わせて使用され得る。安定剤は、還元される酸化還元指示薬の量に対して1当量またはそれを超える範囲で用いられる。
【0021】
一実施形態において、約0.5wt%のメチレンブルーがイソプロピルアルコール溶液として調製される。この溶液に、過剰の約2.5当量のジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸が添加され、結果としてその無色の形(II)に還元されたメチレンブルーが得られる。過剰のジチオリン酸は、還元されたメチレンブルーの塩を生成し、それを安定化する。この溶液が試験媒体に付けられる。溶媒は蒸発させられて、過酸化物のような酸化化学種および/または酸化性副生成物について、機能性流体を効果的に評価するのに使用される酸化還元指示薬試験媒体が得られる。
【0022】
しばしば、酸および還元剤の組合せが、酸化還元指示薬と一緒に使用され得る。ジチオリン酸での場合のように、1つの作用剤が両方であり得る、または2つの別個の物質が使用されてもよい。例えば、メチレンブルーのような酸化還元指示薬と一緒に、塩酸(HCL)およびチオ硫酸ナトリウムが使用され得る。酸と還元剤の組合せの他の例は、硫酸水素ナトリウムとジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)、またはリン酸(H3PO4)とZDDPであり得る。酸と還元剤の両方をもたらす単一の試薬の別の例は、硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)である。これらのいずれも、Cu、Fe、MoまたはMnのような金属の、触媒としての金属イオンを任意選択で含み得る。いくつかの事例において、還元剤の量は、例えば、1.1、1.5、2または10の化学量論的因子によって、酸化還元指示薬物質に対して過剰である。この過剰のまたは予備の還元能力は、指示薬系にさらなる安定性を付加する。
【0023】
【化1】

試験媒体
試験される機能性流体は適当な試験媒体上に置かれる。この試験媒体は、吸収性材料、非吸収性材料およびこれらの組合せからなり得る。試験媒体には、紙、セルロース系材料(例えば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース)、セルロース系材料、木材、紙、クロマトグラフィーペーパー、濾紙、ポリマー繊維、天然繊維、細かい織布、金属、ガラス、ガラス微細繊維、焼結ガラス、シリカおよび/またはアルミナで被覆された表面(例えば、薄層クロマトグラフィープレート)、プラスチック、プラスチックがラミネートされた材料、コンポジット、綿、布、ならびにこれらの組合せが含まれる。クロマトグラフィーペーパーの一般的な物理的性質および特性を有する他の吸収性/吸着性材料もまた許容される。試験媒体は、機能性流体の試料を受け止めることができなければならない。試験媒体は、酸化還元指示薬に適合していなければならない。
【0024】
明るい色の試験媒体は、ほとんどの機能性流体と都合よく対照をなす、むらのない背景を提供し、一層よく見える色の変化をもたらし、機能性流体の様々な成分に対して適切な吸着アフィニティを有する。例えば、混合物の中で指示薬で着色した部分が、使用された機能性流体のより黒っぽい成分(例えば、スラッジ)より速く、移動相(機能性流体および溶媒)と一緒に押し流されるので、酸化還元指示薬の色は、時間が経つと、紙の上の試料スポットの外側端部で一層顕著になる。これは、紙に対する吸着アフィニティの違いに帰因する。一実施形態において、試験媒体は白色である。一実施形態において、試験媒体は、分取し使用するのが容易なワイプの形の、「ワットマン(Whatman)」白色クロマトグラフィーペーパーまたは濾紙を含む。
【0025】
試験媒体は、特定の機能性流体の様々な成分に対するその吸着アフィニティにおいて、例えば、多孔度、密度、ウィッキング力において、または他の物理的特性(例えば、色)において、異なり得る。
【0026】
試験媒体の形状は、それが、機能性流体試料が分散することを許すのに効果的な大きさであるが、経済的であり廃棄物を限られたものとするのに十分なだけ小さいものである限り、重要ではない。試験媒体は、プラスチックまたは何らかの他の適切な材料からなる、密封された封筒またはパッケージに入れて提供され得る。パッケージは、手で持てて、片側で開かれ、処理された試験媒体を、簡便に使用されるように露出させるが、使用者の手が、試験機能性流体または指示薬系に接触することを防ぎ、ユニットの利便性を増大させるように設計され得る。さらに、試験媒体は、例えば自動車のサービスステーションにおける、大きな数量の用途のために、複数のユニットを含むディスペンサー容器として提供され得る。
【0027】
溶媒
試験媒体は、ドライまたはウェットであり得る。一実施形態において、試験媒体がウェットである場合、それは、試験媒体に溶媒を使用することに帰因する。適切な溶媒には、脂肪族、不飽和および芳香族の炭化水素、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールおよびプロパノール)、エーテル、エステル、アミド、水などが含まれる。溶媒の組合せが使用されてもよい。
【0028】
溶媒は、酸化還元指示薬溶液の約1%から約99.9%、一実施形態では、約5%から約98%、別の実施形態では、約1%から約95.5%の範囲で用いられる。使用される溶媒は、試験される機能性流体のタイプに応じて決まる。溶媒の組合せもまた、酸化還元指示薬が用途および望まれる分析のタイプに依存して機能性流体に溶けないときに、有用である。特に、良好な溶解力ならびに機能性流体および酸化還元指示薬との混和性、雰囲気温度での低い蒸気圧、高い引火点などを含めて、望ましい性質の組合せを与える溶媒または溶媒の組合せ。
【0029】
任意選択の成分
任意選択の成分が指示薬溶液に添加され得る。これらには、媒体をウェットな状態にする助けとなる界面活性剤、顧客への訴求力を向上させるマスカントおよび芳香剤、製品の製造および使用を改善する消泡添加剤、指示薬溶液のpHを調節するための酸および塩基、ならびに指示薬溶液のpHを保つための緩衝液が含まれる。任意選択の成分は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0030】
界面活性剤の例には、イオン性、陰イオン性(硫酸、スルホン酸またはカルボン酸の陰イオンに基づく)、ドデシル硫酸ナトリウム(sds)、ラウリル硫酸アンモニウム、および他のアルキル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(sles)としても知られる)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、または脂肪酸塩、陽イオン性(第4級アンモニウム陽イオンに基づく)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(ctab)(別名として、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、および他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロリド(cpc)、ポリエトキシ化牛脂アミン(poea)、ベンザルコニウムクロリド(bac)、ベンゼトニウムクロリド(bzt)、双性(両性)、ドデシルベタイン、ドデシルジメチルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシナート、非イオン性、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグルコシド(オクチルグルコシドが含まれる)、デシルマルトシド、脂肪アルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドmea、コカミドdea、コカミドtea、ネオドール25、脂肪アルコール、エトキシ化アルコール、アルキルポリグルコシド、トリトン(triton)bg−10界面活性剤、トリトン(triton)cg−110界面活性剤、分岐状第2級アルコールエトキシラート、タージトール(tergitol)tmnシリーズ、エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマー、タージトール(tergitol)Iシリーズ、タージトール(tergitol)xd、xh、およびxj界面活性剤、トリトン(triton)cf界面活性剤、トリトン(triton)df界面活性剤、タージトールミンフォーム(tergitol minfoam)界面活性剤、ノニルフェノールエトキシラート、タージトール(tergitol)npシリーズ、オクチルフェノールエトキシラート、トリトン(triton)xシリーズ、第2級アルコールエトキシラート、タージトール(tergitol)15−sシリーズ、トリトン(triton)ca界面活性剤、トリトン(triton)n−57界面活性剤、トリトン(triton)x−207界面活性剤、サーフィノール(surfynol)界面活性剤、第1級アミン、第3級アミン、モノアルキルアミンおよびポリアミン、エトキシ化アミン、エトキシ化ジアミン、プロポキシ化アミン、アミン塩、第4級アンモニウム塩、エトキシ化第4級塩、プロポキシ化第4級塩、アミンオキシド、アミド、エトキシ化アミド、エステル:非イオン界面活性剤:エトキシ化脂肪酸、両性化合物、スルホスクシナートおよびスルホサクシニマート(sulfosuccinimate)、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、アルカノールアミド、アルキルおよびアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸塩およびラウリルエーテル硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩およびアルファオレフィンスルホン酸塩、アルコキシ化非イオン界面活性剤、ソーヤレシチン、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、イミダゾリン類、アルカノールアミド、ダウファックス(dowfax)陰イオン界面活性剤、デュポン(dupont)スルホナート、ゾニール(zonyl)フルオロ界面活性剤、pegエステルおよびグリセリルエステル、ソルビタンエステル/ソルビタンエステルエトキシラート、シリコーン界面活性剤、ナフタレン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペゴール(pegol)ブロックコポリマー、アルキルピロリドン、アルキルエステルおよびグリコールエステル、エメレスト(emerest)およびトライデット(trydet)エトキシ化脂肪酸とポリエチレングリコール脂肪酸エステル、パイロット(pilot)のヒドロトロープ、アリストナート(aristonate)石油スルホナート、アリストール(aristol)スルホン化可能オイル、アミド−アミン、ベタイン両性化合物、イミダゾリン類、イミダゾリニウム両性化合物、スルホスクシナート、脂肪酸ジエタノールアミド、ネオドール(neodol)アルコールなどが含まれる。界面活性剤は単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0031】
マスカントおよび芳香剤の例には、アッバローム(abbarome)011、アカレア(acalea)tt、アリルアミルグリコラート、アンブレトリド、アミルシンナミックアルデヒド、アミルサリシラート、アンドラン(andrane)、アネトール21/22、アネトールusp、アネトールusp、アフェルマート(aphermate)、アポパッチョン(apo patchone)、バクダノール(bacdanol)、ベンジルブチラート、ベンジルプロピオナート、ベンジルサリシラート、ビシクロノナラクトン、ボルナフィックス(bornafix)、カントキサール(canthoxal)、カシュメラン(cashmeran)、カッシフィックス(cassiffix)、セドランバー(cedramber)、セドレニルアセタート、セレストリド(celestolide)、シンナマルバ(cinnamalva)、シトラールジメチルアセタール、インタロームコットンオドーシンセシス(intarome cotton odorsynthesis)、インタロームラベンダームスクオドーシンセシス(intarome lavender musk odorsynthesis)、シトロナルバ(citronalva)、シトロネロール700 jax、シトロネロール750、シトロネロール950、シトロネロールクール(citronellol coeur)、シトロネリルアセタートa、シトロネリルアセタートクール(citronellyl acetate coeur)、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルホルマート、クラリセット(clarycet)、クロナール(clonal)、コニフェラン(coniferan)、シクラブテ(cyclabute)、シクラセット(cyclacet)、シクラプロップ(cyclaprop)、シクレモン(cyclemone)a、シクロブタナート(cyclobutanate)、シクロガルバニフ(cyclogalbaniff)、シクロヘキシルエチルアセタート、シクロヘキシルエチルアルコール、ダマスコール(damascol)4、デシルメチルエーテル、デルタダマスコン、ジヒドロシクラセット、ジヒドロフロララート(dihydro floralate)、ジヒドロフロラロール(dihydro floralol)、ジヒドロミルセニルアセタート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピニルアセタート、ジヒドロテルピニルアセタートdsa、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセタート、ジメチルベンジルカルビニルブチラート、ジメチルシクロルモール(dimethyl cyclormol)、ジメチルオクタノール、ジメチルフェニルエチルカルビニルアセタート、ジミルセトール(dimyrcetol)、ジオーラ(diola)、ジペンテン5100、ダルシニル(dulcinyl)再結晶化品、エチルオルトメトキシベンゾアート、エチルフェニルグリシダート、フレーラモン(fleuramone)、フレーラニル(fleuranil)、フロララート(floralate)、フロラロール(floralol)、フロラロゾン(floralozone)、フライストン(fraistone)、フルクトン(fructone)、ガラクソリド(galaxolide)50 bb、ガラクソリド(galaxolide)50 dep、ガラクソリド(galaxolide)50 dpg、ガラクソリド(galaxolide)50 ipm、ガルバヌムクール(galbanum coeur)、ゲルソン(gelsone)、ゲラルデヒド(geraldehyde)、ゲラニオール5020、ゲラニオール7030、ゲラニオール980ピュア、ゲラニオール(geraniol coeur)、ゲラニルアセタートa、ゲラニルアセタートエキストラ、ゲラニルアセタートピュア、グリサルバ(grisalva)、ヘリオナール(helional)、ヘルバック(herbac)、ヘキサロン(hexalon)、ヘキシルサリシラート、cis−3、ヘキシルアセタート、へキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシラート、ヒヤシンスボディ、ヒヤシンスボディno.3、ヒドラトロピックアルデヒドジメチルアセタール、ヒドロキシオール(hydroxyol)、ハイポ−レム(hypo−lem)、インドラローム(indolarome)、インドレン(indolene)50、イントレレベンアルデヒド(intreleven aldehyde)、イントレレベンアルデヒドスペシャル(intreleven aldehyde Special)、イオノン100%、イオノンアルファ、イオノンアルファベータレギュラー、イオノンベータ、イソアミルブチラート、イソアミルサリシラート、イソボルニルプロピオナート、イソブチルキノリン、イソシクレモン(isocyclemone)e、イソシクロシトラール、イソシクロゲラニオール、イソイースーパー(iso e super)、イソプロクセン(isoproxen)、ジャスマル(jasmal)、ジャスメリア(jasmelia)、ジェッセマール(jessemal)、カリスマール(kharismal)、コアボン(koavone)、コヒノール(kohinool)、ラボナックス(lavonax)、レムシン(lemsyn)、リッファローム(liffarome)、リンデノール(lindenol)、リラール(lyral)、リレイム(lyrame)、リレイムスーパー(lyrame super)、マリティマ(maritima)、メイジフ(meijiff)、メラフレール(melafleur)、メチルセドリルケトンチャイニーズ、メチルシンナミックアルデヒドアルファ、メチルイオノンガンマa、メチルイオノンガンマクール、メチルイオノンガンマピュア、メチルラベンダーケトン、モンタベルディ(montaverdi)、ミュゲシア(muguesia)、ミュゲアルデヒド(muguet Aldehyde)、ミュゲアルデヒド50 bb50、ミラックアルデヒド(myrac aldehyde)、ミルセノールスーパー、ミルセニルアセタート、ネオプロキセン(neoproxen)、ネロール800、ネロール850、ネロール900、ネリルアセタートjax、オシメン、オシメニルアセタート、オクトアセタール(octacetal)、オレンジフラワーエーテル、オリボン(orivone)、オリニフ(orriniff)25% ipm、オキサスピラン(oxaspirane)、オゾフレール(ozofleur)、パンプレフレール(pamplefleur)、ペオモサ(peomosa)、フェナフレール(phenafleur)、フェノキサノール(phenoxanol)、フェノキシエチルイソブチラート、フェノキシエチルプロピオナート、フェニルエチルアセタート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルベンゾアート、フェニルエチルホルマート、フェニルエチルイソブチラート、フェニルエチルサリシラート、ピコニア(piconia)、プレシクレモン(precyclemone)b、プレニルアセタート、プロフローラ(proflora)、プソイドリナリルアセタート、レセダ(reseda)ボディ、ロサルバ(rosalva)、ロザムスク(rosamusk)、ローズイット(roseate)、ローズマレル(rosemarel)、サリシナルバ(salicynalva)、サンジノール(sanjinol)、サンタリフ(santaliff)、スピロデカン、ストロベリフ(strawberiff)、スチラリルプロピオナート、シベルタール(syvertal)、テルピネオール900、テルピネオールアルファjax、テルピネオールエキストラ、テルピノレン20、テルピノレン90、テルピノレン90pq、テルピニルアセタートエキストラ、テルピニルアセタートjax、テトラヒドロムグオール(muguol)、テトラヒドロムグオールクール(tetrahydro muguol coeur)、テトラヒドロミルセノール、テトラメラン(tetrameran)、トバカロール(tobacarol)、トリプラール(triplal)、ユニピン(unipine)60、ユニピン(unipine)85、バンドール(vandor)b、バノリス(vanoris)、ベルドール(verdol)、ベルドックス(verdox)、ベルドックス(verdox)hc、ベルデュラル(verdural)bエキストラ、ベルデュラル(verdural)エキストラ、ベルテネックス(vertenex)、ベルテネックス(vertenex)hc、ベルトフィックスクール(vertofix coeur)、ベルトリフ(vertoliff)、ビゴフロール(vigoflor)、ビオリフ(violiff)、およびこれらの混合物が含まれる。やはりマスカントに含まれるのは、臭気捕捉剤(例えば、エポキシド、塩基性アミンなどのような、アミン捕捉剤および硫化水素捕捉剤)として働く添加剤である。マスカントおよび芳香剤は単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0032】
消泡剤/除泡剤の例は、ポリシロキサン、エステル、不溶性オイル、鉱油、界面活性剤、アモルファスシリカ、シリコーンエマルジョンなどである。消泡剤/除泡剤は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0033】
酸の例には、過塩素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、ヒドロニウムイオン、塩素酸、臭素酸、過臭素酸、ヨウ素酸、および過ヨウ素酸、フルオロアンチモン酸、マジック酸fsohsbf、カルボラン超酸h(chb11cl11)、フルオロ硫酸fsoh、トリフル酸cfsoh、リン酸、カルボン酸、フェノール、芳香族酸などが含まれる。これには、酸性緩衝液も含まれ得る。酸は単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0034】
塩基の例には、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、アラニン、アンモニア(nh)、水酸化マグネシウム(mg(oh))、アミン塩基、例えば、メチルアミン、ピリジンなどが含まれる。塩基は単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0035】
緩衝水溶液の例には、塩化アンモニウムとアンモニア、ギ酸とギ酸ナトリウム、酢酸と酢酸ナトリウム、などの組合せが含まれる。緩衝液は単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0036】
任意選択の成分は、試薬溶液の約0%から約20wt%、一実施形態では、約0.01%から約5wt%、別の実施形態では、約0.1%から約2wt%の範囲で用いられる。
【0037】
見て分かる指示
分析、特に反応した試験試料の定性的分析は、目安として提供される見て分かる指示を用いる、反応した試験試料の目視による検査によって達成される。分析は、機能性流体の成分と酸化還元指示薬との間の反応を許す結果を生む時間の後で、実施される。通常、反応のためのこの時間は、約1秒から約1時間、別の実施形態では、約30秒から約30分、別の実施形態では、約1分から約15分、別の実施形態では、約1分から約5分の範囲にある。
【0038】
見て分かる指示には、巧みな表現、酸化化学種および/または酸化副生成物を含むおよび含まない様々な状態における機能性流体の写真の再現、カラーキー、色の変化の書かれた説明などが含まれる。見て分かる指示の組合せが使用され得る。通常、見て分かる指示は、酸化化学種および/または酸化副生成物を含むおよび含まない様々な状態において、試験媒体に置かれた機能性流体の1つの描写、2つの描写、2つより多い描写を含む。一実施形態において、見て分かる好ましい指示は、酸化化学種および/または酸化副生成物を含む許容されない状態のもの、および許容される状態のものである。これらの例の各々に対応する説明文は、キットまたはパッケージ化製品と共に提供され得る。
【0039】
一実施形態において、描かれた見て分かる指示は、類似の状態の下で生成した例に対して、試験される試料を、キットの使用者が比較することを保証するために、キットに備わる同じまたは類似の媒体にそれぞれ保持される。様々な数の指示が提供され得ることが理解されるべきである。
【0040】
方法
本発明の方法は、(a)機能性流体の試料を得るステップ、(b)前記機能性流体の前記試料を、安定な還元された酸化還元指示薬を含浸させた試験媒体上に置くステップ、(c)前記機能性流体の成分と前記酸化還元指示薬との間の反応を可能にして効果を生む時間、待つステップ、(d)酸化化学種および/または酸化副生成物を含む前記機能性流体の(様々な)状態を描写する、印刷された教示および/または比較による見て分かる指示(例えば、自動車変速機流体の定性的特定の目安として緑色から青色までの様々な色としての)を用いて、前記試験媒体について目視による特定を行うステップ、を含む。
【0041】
機能性流体の代表的試料を得るために、試料が、エンジンまたは他の設備または機械類の実際の運転の間に採取される必要はない。機能性流体の試料は、エンジンまたは設備の運転の前、その間またはその後の任意の時間に採取され得る。機能性流体試料は、新しい、使用済みまたはこれらの組合せであり得る。
【0042】
用具は、酸化還元指示薬により処理された試験媒体(ウェットまたはドライ状態のいずれかにある)を含み密封され得るパッケージからなり、書かれた教示、および、試験媒体上に置かれた機能性流体の試料を描写し、説明文と共にパッケージにカラー印刷された1組の見て分かる指示を含む。一実施形態において、見て分かる指示は、許容される状態(すなわち、明るい色)、また許容されない状態(すなわち、暗い色)にある機能性流体の描写を示す。
【0043】
機能性流体(例えば自動変速機流体)の状態の分析は、成分すなわち機能性流体中の酸化副生成物と、酸化還元指示薬との反応に、本質的に依存している。例えば、自動変速機流体は、それが使用されていると、酸化され、酸化副生成物を生成するようになり、その抑制剤パッケージは枯渇状態になり、耐摩耗添加剤の枯渇による摩耗粉が存在し得る。自動変速機流体の耐用年数の間に、これらの成分が、許容される最低限のレベル未満に低下し、その自動車変速機流体をさらに使用することが許容されなくなる時点が来る。許容されない自動変速機流体の継続使用は、変速機に損傷を引き起こし得る。使用された自動変速機流体の試料が得られ、試料が、適切に処理された試験媒体上に置かれるとき、自動変速機流体中の酸化抑制添加剤は、それらが消費され枯渇している場合、酸化化学種の濃度および金属汚染物質の存在に応じて(無色)から様々な濃淡の青色または緑色へと、その色を変える酸化還元指示薬と反応する、流体中の酸化化学種(例えば、過酸化物)を許容する。酸化化学種の濃度が高いほど、より大きな色の変化が起こる。色の変化の存在または不在、および色の相対的強度は、試験試料の定性的分析の手段を提供する。したがって、本発明の方法により、結果的に運転者は、機能性流体が、変更される、添加される、および/または交換される必要があるかどうかを決定する。
【実施例】
【0044】
試験される機能性流体の試料を、下に記載のように調製した試験媒体に付ける。結果は、機能性流体が試験媒体中の酸化還元指示薬と反応した後、目視で分析する。
【0045】
(実施例1)
試験用ストリップを次の通り室温で調製する。
【0046】
(1)約0.05wt%のメチレンブルー溶液を、イソプロピルアルコールで調製する。
【0047】
(2)その溶液に、過剰のジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸(約0.6wt%)を加える。
【0048】
(3)ジチオリン酸のジスルフィドの対応する生成と共に、メチレンブルーはその無色の形に還元される。
【0049】
(4)過剰のジチオリン酸は、それを安定化する(II)の塩を生成する。
【0050】
(5)次いで、酸化還元指示薬のアルコール溶液を、吸い取り紙に付け、アルコールを蒸発させて、白色のドライ試験ストリップとする。
【0051】
(6)有機媒体中のヒドロペルオキシドに曝すと、試験ストリップは、酸化化学種の濃度および金属汚染物質(例えば、鉄および銅イオン)の存在に応じて、様々な濃淡の青色または緑色に変わる。
【0052】
(実施例2)
29台の乗物の自動変速機(「AT」)からドレイン試料を取り、実施例1で調製した試験ストリップを用いて評価した。AT流体のマイル数、ICP発光分光分析によって求めた摩耗金属(Fe、Pb、Cu)、および実施例1で調製した試験ストリップに生じる観察される色との間に、表1に見られるように、良好な相関が認められた。
【0053】
【表1】

総摩耗金属は、自動変速機流体中のCu、Fe、およびPbを合わせたパーセントである。緑色のワイプは、悪い状態にある流体を示し、青色は、交換される必要がある流体を示し、赤色は良好な状態の流体を示す。
【0054】
本発明が例示され説明されたが、本発明の精神および範囲(本発明の範囲は次の特許請求の範囲によって定められる)から逸脱することなく、それに様々な変更がなされ得ることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)機能性流体の試料を得るステップ、
(2)前記機能性流体の前記試料を、前記機能性流体中の酸化化学種に応答して色の変化を生じる、安定な還元された指示薬(染料)を含浸させた試験媒体に接触させるステップ、
(3)前記機能性流体試料が前記指示薬と反応して効果を生む時間、待つステップ、
(4)前記指示薬(染料)の酸化形態から生じる結果としての色の変化を特定する、または前記試験媒体の前記指示薬の初期の色と比較することによって、前記反応の結果を分析するステップ、および
(5)前記機能性流体の状態を特定するステップ、
を含む、機能性流体の状態を特定する方法。
【請求項2】
前記機能性流体が、自動変速機流体、トラクションドライブ変速機流体、手動変速機流体、パワーステアリング流体、不凍流体、潤滑油、グリース、クランク室潤滑剤、鉱油、グループ1基油を有するオイル、差動装置潤滑剤、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、ギアボックス潤滑剤、車軸潤滑剤、農業トラクター用流体、変圧器流体、コンプレッサ流体、冷却設備流体、金属加工流体、油圧流体、工業用流体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機能性流体中の酸化化学種の濃度が、過酸化水素換算で、少なくとも約0.1ppmを超える濃度である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化還元指示薬が、前記試験媒体に付けられる溶液において、約0.01wt%から約1wt%までの範囲で用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化還元指示薬が、ニュートラルレッド、サフラニンTまたはO、インジゴ、インジゴカルミン、メチレンブルー、チオニン、チモールインドフェノール、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、ガロシアニン、ナイルブルー、バリアミンブルー、ジフェニルアミン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸、バリウム塩、トリス(2,2−ジピリジル)鉄(II)スルファート、N−フェニルアントラニル酸、フェロイン、ニトロフェロイン、5,6−ジメチルフェロイン、4−アミノ−4’−メチルジフェニルアミン、ジフェニルベンジジン−ジスルホン酸、o−ジアニシジン、3,3’−ジメチルナフチジン、3,3’−ジメチルナフチジンジスルホン酸、ビス(5−ブロモ−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)ジニトラート、トリス(5−ニトロ−1,10−フェナントロリン)鉄(II)スルファート、鉄(II)−2,2’,2”−トリピリジンスルファート、トリス(4,7−ビフェニル−1,10−フェナントロリン)鉄(II)ジスルファート、o,m’−ジフェニルアミンジカルボン酸セトパリン、p−ニトロジフェニルアミン、トリス(1,10−フェナントロリン)−鉄(II)スルファート、セトグラウシンO、キシレンシアノールFF、エリオグラウシンA、エリオグリーン、トリス(2,2’−ビピリジン)−鉄(II)塩酸塩、2−カルボキシジフェニルアミン[N−フェニル−アントラニル酸]、ベンジジン二塩酸塩、o−トルイジン、ビス(1,10−フェナントロリン)−オスミウム(II)ペルクロラート、ジフェニルアミン−4−スルホン酸Na塩、3,3’−ジメトキシベンジジン二塩酸塩[o−ジアニシジン]、フェロシフェン、4’−エトキシ−2,4−ジアミノアゾベンゼン、N,N−ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、バリアミンブルーB塩酸塩、N−フェニル−1,2,4−ベンゼントリアミン、ビンドシェドラーグリーン、2,6−ジクロロインドフェノール(Na塩)、2,6−ジブロモフェノールインドフェノール、ブリリアントクレシルブルー[3−アミノ−9−ジメチル−アミノ−10−メチルフェノキシアジンクロリド]、鉄(II)−テトラピリジンクロリド、デンプン(可溶性ジャガイモ、Iが存在)、ガロシアニン(25℃)、ナイルブルーA[アミノナフトジエチルアミノ−フェノキサジンスルファート]、インジゴ−5,5’,7,7’−テトラスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’,7−トリスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’−ジスルホン酸(Na塩)、フェノサフラニン、インジゴ−5−モノスルホン酸(Na塩)、ビス(ジメチルグリオキシマート)−鉄(II)クロリド、インジュリンスカーレット、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記試験媒体が前記酸化還元指示薬に適合し、前記試験媒体が、紙、セルロース材料、クロマトグラフィーペーパー、濾紙、ポリマー繊維、天然繊維、布、ポリプロピレン織布、不織布、金属、ガラス、プラスチック、コンポジット材料、およびこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機能性流体と前記酸化還元指示薬との間の反応を可能にして効果を生む時間の後、分析が実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記流体の状態を特定するステップが、機能性流体および少なくとも1つの異なる状態を目安として描写する、比較のための見て分かる1組の指示に対して、前記試験媒体を目視で比較するステップ、印刷された教示を目安として用いるステップ、少なくとも1つの異なる状態を描写する写真と比較するステップ、およびこれらの組合せからなる群から選択されるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
安定な還元された指示薬染料を含侵させた試験媒体、ならびに、教示、絵、図、写真、およびこれらの組合せからなる群から選択される、機能性流体の品質状態を特定する方法を含む、機能性流体の分析のための試験キット。
【請求項10】
前記安定な酸化還元指示薬が、前記機能性流体中の酸化化学種に応答して色の変化を生じる、請求項9に記載の試験キット。
【請求項11】
前記安定な酸化還元指示薬が、ニュートラルレッド、サフラニンTまたはO、インジゴ、インジゴカルミン、メチレンブルー、チオニン、チモールインドフェノール、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、ガロシアニン、ナイルブルー、バリアミンブルー、ジフェニルアミン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸、バリウム塩、トリス(2,2−ジピリジル)鉄(II)スルファート、N−フェニルアントラニル酸、フェロイン、ニトロフェロイン、5,6−ジメチルフェロイン、4−アミノ−4’−メチルジフェニルアミン、ジフェニルベンジジン−ジスルホン酸、o−ジアニシジン、3,3’−ジメチルナフチジン、3,3’−ジメチルナフチジンジスルホン酸、ビス(5−ブロモ−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)ジニトラート、トリス(5−ニトロ−1,10−フェナントロリン)鉄(II)スルファート、鉄(II)−2,2’,2”−トリピリジンスルファート、トリス(4,7−ビフェニル−1,10−フェナントロリン)鉄(II)ジスルファート、o,m’−ジフェニルアミンジカルボン酸セトパリン、p−ニトロジフェニルアミン、トリス(1,10−フェナントロリン)−鉄(II)スルファート、セトグラウシンO、キシレンシアノールFF、エリオグラウシンA、エリオグリーン、トリス(2,2’−ビピリジン)−鉄(II)塩酸塩、2−カルボキシジフェニルアミン[N−フェニル−アントラニル酸]、ベンジジン二塩酸塩、o−トルイジン、ビス(1,10−フェナントロリン)−オスミウム(II)ペルクロラート、ジフェニルアミン−4−スルホン酸Na塩、3,3’−ジメトキシベンジジン二塩酸塩[o−ジアニシジン]、フェロシフェン、4’−エトキシ−2,4−ジアミノアゾベンゼン、N,N−ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、バリアミンブルーB塩酸塩、N−フェニル−1,2,4−ベンゼントリアミン、ビンドシェドラーグリーン、2,6−ジクロロインドフェノール(Na塩)、2,6−ジブロモフェノールインドフェノール、ブリリアントクレシルブルー[3−アミノ−9−ジメチル−アミノ−10−メチルフェノキシアジンクロリド]、鉄(II)−テトラピリジンクロリド、デンプン(可溶性ジャガイモ、Iが存在)、ガロシアニン(25°C)、ナイルブルーA[アミノナフトジエチルアミノ−フェノキサジンスルファート]、インジゴ−5,5’,7,7’−テトラスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’,7−トリスルホン酸(Na塩)、インジゴ−5,5’−ジスルホン酸(Na塩)、フェノサフラニン、インジゴ−5−モノスルホン酸(Na塩)、ビス(ジメチルグリオキシマート)−鉄(II)クロリド、インジュリンスカーレット、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の試験キット。
【請求項12】
同じ、類似のまたは異なる試験媒体に置かれた機能性流体の2つの描写(1つは許容される状態にあり、他方は許容されない状態にある)を含む、比較のための見て分かる1組の指示をさらに含む、請求項9に記載の試験キット。
【請求項13】
前記機能性流体が、自動変速機流体、トラクションドライブ変速機流体、手動変速機流体、パワーステアリング流体、不凍流体、潤滑油、グリース、クランク室潤滑剤、鉱油、グループ1基油を有するオイル、差動装置潤滑剤、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、ギアボックス潤滑剤、車軸潤滑剤、農業トラクター用流体、変圧器流体、コンプレッサ流体、冷却設備流体、金属加工流体、油圧流体、工業用流体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の試験キット。

【公表番号】特表2010−520455(P2010−520455A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551799(P2009−551799)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/054930
【国際公開番号】WO2008/106412
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】