説明

酸化還元活性治療剤を用いての広汎性発達障害の処置

広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制するための方法であって、その必要がある被験体に対して、治療有効量の本明細書中に開示される1つまたは複数の化合物を投与することを含む、方法。本発明は、ヒト患者において自閉症の症候を軽減することができる方法と酸化還元活性組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2008年9月10日に出願された米国仮特許出願大61/191,696号の優先権の利益を主張する。この出願の内容は、その全体が本明細書中において参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本出願は、疾患、発育遅延、および広汎性発達障害(自閉症スペクトル障害および/または注意欠陥/多動性障害を含む)の症候の処置、予防、あるいは抑制に有用な酸化還元活性組成物ならびに方法を開示する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
広汎性発達障害(PDD)は、発育のいくつかの領域(社会的交流とコミュニケーション能力を含む)における重度の広汎性機能障害を特徴とする、神経障害の1つのカテゴリーである。PDDに含まれる5種類の障害は、自閉障害(自閉症)、アスペルガー症候群、小児期崩壊性統合障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)である。これらの障害のそれぞれに関する具体的な診断基準は米国精神医学協会(American Psychiatric Association)(APA)により配布された精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders)(DSM−IV−TR)の中に見ることができる。自閉症スペクトル障害(ASD)は、自閉性障害、アスペルガー症候群、およびPDD−NOSをまとめて1つのグループとすることにより、広範囲の異質的障害を示すために使用される包括的用語である。
【0004】
広汎性発達障害の最も一般的なものである自閉症は、およそ150の出生数のうちの1人が罹患すると推定される。ASDの罹患率の予測は、Autism and Developmental Disabilities Monitoring Network Surveillance(2002年)に基づくと1000人に6.5〜6.6人の範囲である。実際、2003〜2004年には、150万人ほどの米国人が自閉症の何らかの形態を有すると考えられる。自閉症は、社会的交流とコミュニケーションの欠如、および反復的であり常同的な行動を特徴とする小児期脳障害である。米国教育部門および他の政府機関による統計に基づくと、自閉症は毎年10〜17%の割合で増加しつつある。アメリカ自閉症協会(Autism Society of America(ASA))は、これらの割合でいくと、自閉症の罹患率が今後十年以内に400万人の米国人に容易に達し得ると推定する。
【0005】
他の4種類のPDDの形態のうち、アスペルガー症候群は、兆候と、おそらくは病因に関しても自閉症に最も近い。レット障害と小児期崩壊性障害は自閉症と共通する兆候をいくつか有するが、病因は無関係であり得る。特定不能のPDD(PDD−NOS)は、より具体的な障害についての基準が満たされていない場合に診断される(Lord Cら、「Autism spectrum disorders」Neuron(2000)28(2):355−63)。
【0006】
自閉症は、とりわけ社会的交流およびコミュニケーション能力の領域における脳の正常な発達を妨害し、相当限られた関心と反復行動を生じる、重篤な複合的な発達障害である。典型的には、自閉症の子供および成人は、言語コミュニケーションおよび言語を使わないコミュニケーション、社会的交流、ならびにレジャー活動または遊び活動に困難がある。自閉症には、低い理解力(impaired understanding)、反響言語、代名詞の逆転(例えば、自分自身のことをいう場合に、「I」または「me」の代わりに「you」を使用する)を伴う言語障害、儀礼的および強迫現象、ならびに精神発達遅滞を伴う均一ではない知力の発育が含まれ得る。自閉症の子供はまた、痙攣性疾患を発症するリスクも、特に十代の間に高い。自閉症は通常は、3歳までの間にあらわれ、そして脳の機能に影響する神経学的障害の結果である。
【0007】
自閉症の全体的な発生率は、世界的に大体一致している。実際、自閉症については人種的、民族的、または社会的境界が明らかではなく、そして家族収入、生活スタイル、および教育水準は自閉症発生の可能性に影響しない。しかし、女子よりも男子において罹患率が4倍高いことが明らかにされている。一方、レット障害は、男子よりも女子において罹患率が高い。
【0008】
Leo Kanner博士により1943年に最初に記述されて以来、自閉症の理解は驚異的に高まってきた。自閉症はある種の行動の組み合わせにより定義されるが、それはその症候および特徴が軽微なものから重篤なものまでの広範囲の様々な組み合わせで存在し得る点でスペクトル障害である。したがって、自閉症の子供および成人は様々な激しさの行動の任意の組み合わせを示し得る。両者とも同じ診断がなされた2人が異なる能力を有し、そしてかなり異なる行動を示す場合がある。軽症の人々は言語またはコミュニケーションにおいてはわずかな遅れしか示さず、社会的交流においてより大きい問題に直面する場合がある。例えば、人によっては会話を始めること、および/または維持することが難しいことがある。自閉症の子供または成人によるコミュニケーションは、他人にしゃべりたてるようにみえることが多くある(例えば、意見を中断させようとする他人による試みをよそに続けられる得意な話題についての長談義)。
【0009】
自閉症は、それに罹患した人が独特な方法で情報を処理し、そしてそれに対応するとみられる。自閉症を含む一部のPDDの人では、攻撃的行動および/または自傷行為が存在し得る。ASAにより同定されているように、以下の特徴もまた、自閉症の人には存在しうる:同一性に関する固執もしくは変化への抵抗;表現要求(expressing needs)(すなわち、言葉の代わりのジェスチャーまたは指さしの使用)の困難;正常な応答言語の代わりの繰り返し言葉もしくは語句;他人には明らかでない理由のための笑い、泣き、もしくは悲嘆主張;孤独もしくは離れていることを好む;癇癪;他人との交流の困難;抱きしめたりもしくは抱きしめられたりすることを望まない;アイコンタクトをほとんどもしくは全くしない;通常の授業方法に対する無反応;奇妙な遊びを続ける;回転対象(spinning object);対象に対する不適切な接触;痛みに対する明らかな過敏性または鈍感性;危険性への真の無恐怖;顕著な身体的過剰活動もしくは極端な活動不足;不均一な全体的な/微細な運動能力;ならびに/あるいは言葉合図に対する無反応(すなわち、聴覚試験では正常範囲であるがあたかも耳が不自由であるようにふるまう)。
【0010】
症候は、注意欠陥多動性障害(ADHD)において見られるように、広汎性発達障害(PDD)の個体間で頻出する。広汎性発達障害(PDD)の診断基準を満たしている子供は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断を当然のものとするに十分な、ADHDと関係がある症候および機能的障害を示す(Goldstein Sら、「The Comorbidity of Pervasive Developmental Disorder and Attention Deficit Hyperactivity Disorder:Results of a Retrospective Chart Review」Journal of Autism and Developmental Disorders,(2004)34(3):329−339)。Hattori Jら、「Are Pervasive Developmental Disorders and Attention Deficit/Hyperactivity Disorder Distinct Disorders?」は、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の患者と広汎性発達障害(PDD)の患者との間の関係を、高機能自閉症スペクトラムのスクリーニング質問紙(The High−Functioning Autism Spectrum Screening Questionnaire)(ASSQ)とADHD評価スケール−IVを使用して研究した。厳密にADHDと診断された患者は、多くのPDDと関係がある症候を有しており、PDD患者は多くのADHDと関係がある症候を有していた。したがって、DSM−IVの現在の診断基準を使用してADHDとPDDを区別することは難しいとみられる。
【0011】
自閉症の人は、幼少期の早い段階で現われ、成人期を通じて継続する社会的機能的障害を有する。自閉症の子供は、社会的刺激にあまり注意を払わない、他人に笑顔を見せることおよび他人を見ることがほとんどなく、彼ら自身の名前にもあまり反応しない。自閉症の幼児は、より著しい社会的逸脱を有する。例えば、彼らは、アイコンタクトおよび行動予想(anticipatory posture)をほとんどせず、他人の方が手を操作することによりコミュニケーションをとる傾向がより強い(Volkmar Fら、「Autism in infancy and early childhood」,Annu Rev Psychol(2005)56:315−36)。3歳〜5歳の自閉症の子供は、社会的理解、自発的な他者へのアプローチを示す、真似する、および感情に反応する、言葉以外の手段でコミュニケーションをとる、そして他人と交代する可能性はほとんどない。しかし、彼らは、彼らの主要な介護者に対して愛情を抱く(Sigman Mら、「Early detection of core deficits in Autism」Ment Retard Dev Disabil Res Rev.(2004)10(4):221−33)。彼らは、通常よりも若干少ない愛情の固執を示すが、この特徴は、より高度な精神の発達または比較的軽度の自閉症スペクトル障害の子供においては現れない。さらに歳の大きいASDの子供および成人は、顔および感情の認識の試験において一層悪い結果になる(Sigman M.ら、上記を参照のこと)。通説とは反対に、自閉症の子供はひとりでいることを好まない。友情関係を築くこと、および維持することは、多くの場合、自閉症の人には難しいことが立証されている。彼らについては、友人の数ではなく友情関係の質により、彼らがどれぐらい孤独であるかを予測する。
【0012】
自閉症の人とは異なり、アスペルガー症候群の人は、通常は、まわりの他人とは交わらないということはない。彼らは、ぎこちなくではあったとしても、例えば、好きな話題について一方的に長ったらしい話し方で人を引き付けることによって、他人にアプローチする。一方で、聞き手の感触または反応(例えば、退屈または立ち去ろうと急いでいる兆候)には気付かない。
【0013】
自閉症の人のおよそ3分の1から2分の1は、彼らの日常的に必要なコミュニケーションをとるために十分な自然な話し方ができない(Noens I,ら、「The ComFor:an instrument for the indication of augmentative communication in people with autism and intellectual disability」,J Intellect Disabil Res(2006)50(9):621−32)。コミュニケーションの差は生後1年目から存在し得、これには、喃語を発することが遅いこと、独特のジェスチャー、反応が少ないこと、および介護人との母音パターンの非同期化が含まれ得る。2年目および3年目には、自閉症の子供は、少ない頻度で、多様性が小さい喃語、子音、言葉、および言葉の組み合わせを発する。彼らのジェスチャーは、頻度は低いものの、言葉と一体とされる。自閉症の子供は、要求するまたは経験を共有することがあまりなく、それどころか、他人の言葉を単に繰り返すかまたは代名詞が逆になりがちである。
【0014】
自閉症の人に関しては、感覚統合問題が共通している。特に、彼らの感覚は過度に活動的であるか活動が鈍いかのいずれかであり得る。キウイの綿毛が実際に痛いと経験することもあり、甘い果実の香りが吐き気をもよおす反応を引き起こす場合もある。一部の自閉症の子供または成人は音に特に敏感であり、そのため、ほとんどの日常的な騒音でさえ苦痛である。
【0015】
自閉症については単一の既知の原因は存在しないが、脳構造または機能の異常により引き起こされることが一般的に認められている。自閉症ではない子供と比べた自閉症の脳の形状および構造は、脳スキャンを見れば、差異は明らかである。最近では、遺伝、遺伝子的、および医学的問題の間の関係が、研究者らにより、さらには多くの他の理論により研究されている。この障害の遺伝子的根拠の理論は、多くの家族において、自閉症または関連する身体障害の1つのパターンがあるとみられる事実により支持されている。自閉症を引き起こすとして同定されている遺伝子は1つもないが、研究者らは自閉症の子供が継承し得る遺伝子コードの不規則な断片について研究を行っている。研究者らは自閉症を発症させる単一の誘因をいまだ同定できていないが、一部の子供は自閉症になりやすさを持って産まれるようである。
【0016】
他の研究者らは、特定の条件下で、不安定な遺伝子のクラスターが脳の発達を妨害して自閉症を生じ得る可能性を研究中である。さらに他の研究者らは、妊娠または分娩中の問題、ならびに環境要因(例えば、ウイルス感染、代謝不均衡、および環境化学物質への露呈)を研究中である。さらに他の研究者らは、自閉症と化学毒性との間の関係を、具体的には、水銀含有ワクチン調製物であるチメロサールを用いて研究中である。
【0017】
自閉症の一部の症例は、いくつかの異なる器質性状態(一部の患者における高い乳酸濃度の検出によって(Coleman Mら、Autism and Lactic Acidosis,J.Autism Dev Disord.,(1985)15:1−8;Laszloら、Serum serotonin,lactate and pyruvate levels in infantile autism children,Clin.Chim.Acta(1994)229:205−207;およびChugani et al.,Evidence of altered energy metabolism in autistic chileren,Progr.Neuropsychopharmacol Biol Psychiat.(1999)23:635−641)、そして脳代謝の異常が報告された核磁気共鳴画像撮影ならびに陽電子放射断層撮影によって示唆された生体エネルギーの代謝の不足を含む)と関係がある。高乳酸血症の機構はわかっていないが、神経細胞中でのミトコンドリアの酸化的リン酸化の機能障害が関与している可能性が高い。自閉症患者のうちの小さい割合が呼吸鎖の複合体IまたはIIIの欠損と診断されたことが文献に報告されている(Oliveira,G., Developmental Medicine & Child Neurology(2005)47 185−189;およびFilipek,PAら、Journal of Autism and Developmental Disorders(2004)34:615−623を参照のこと)。しかし、ミトコンドリア機能障害についてのある程度の証拠がある自閉症の症例の多くにおいては、筋生検におけるミトコンドリアの病理のようなミトコンドリア疾患と関係がある典型的な特徴は存在しない(Rossignol,D.A.ら、Am J.Biochem.& Biotech,4(2)208−217を参照のこと)。
【0018】
処置の主目的は、関連する弱点を小さくし、そして家族の苦痛を軽減すること、ならびに生活の質を高め、そして機能的自立を増大させることである。最も良いとされる単独での処置はなく、処置は子供の必要性に合わせられるのが一般的である。集中的な、継続して行われる特別な教育プログラムと、幼少期に行われる行動矯正療法は、セルフケア能力、社会的能力、および仕事に関する能力を子供が習得する助けとなり得(Myers SM,ら、「Management of children with autism spectrum disorders」Pediatrics(2007)120(5):1162−82)およびAngley M,ら、「Children and autism −part 1− recognition and pharmacological management」,Aus.t Fam.Physician(2007)36(9):741−4)、そして多くの場合に、機能が改善し、症候の重篤度が低下し、そして不適応な行為が少なくなる(Rogers SJ,ら、「Evidence−based comprehensive treatments for early autism」,J Clin.Child Adolesc.Psychol.(2008)37(1):8−38)。
【0019】
ASDの弱点を矯正することが立証されている医薬品はなく、医薬品は一次治療法ではない。これらは、自閉症障害と関係がある問題(例えば、教育上の進歩、社会化、健康状態、または安全、および生活の質を妨害する可能性がある関係がある不適応な行動または精神医学的共存症)を処置するために使用される。自閉性障害と診断された米国人の子供の半数以上は、抗鬱剤、興奮剤、および抗精神病薬である最も一般的な薬物のクラスとともに、向精神薬または抗痙攣薬での治療を受ける(Oswald DPら、「Medication Use Among Children with Autism Spectrum Disorders」,J Child Adolesc Psychopharmacol(2007)17(3):348−55)。抗精神病薬とは別に、ASDの子供、青年、または成人についての薬物処置の有効性あるいは安全性については、信頼できる研究は乏しい。ASDの人は、医薬品に対して不規則に反応する場合があり、それらの医薬品は悪影響を及ぼす可能性があり、社会的およびコミュニケーションの機能的障害といった自閉症の中核症候を軽減する医薬品は知られていない。自閉症の子供についての代わりの栄養療法には、イデベノン(Idebenone)およびCoQ10が、それらの優れた抗酸化特性の理由から含まれ得るが、それらの効力を立証するための実験は行われていない。
【0020】
特許文献1は、認知、運動、言語、実行の機能(executive function)、または社会的能力における発育遅延の処置のための、ピリミジンヌクレオチド前駆体を伴う化合物、組成物、および方法を開示しているが、本発明の化合物を伴う任意の化合物、組成物、あるいは本発明の化合物での処置方法は開示していない。
【0021】
注意欠陥多動性障害(ADHD)(ADDとも呼ばれる)は、集中力が低いこと、および散漫性、ならびに/または過剰活動および衝動的な振る舞いを特徴とする、生物学的な脳の状態である。これは、小児において発症する最も一般的な精神障害のうちの1つである。症候は、青年期および成人期に入っても続く場合がある。処置しないままにしておくと、ADHDは学業不振/低い職務遂行能力、乏しい社会的関係、および全体的な低い自己評価の感覚につながる可能性がある。ADHDの最も一般的な症候は、不注意と散漫性、ならびに/または過剰活動および衝動的な振る舞いである。集中、精神集中の難しさ、ならびに衝動的行動および振る舞いを抑制することがしょっちゅう起こり、広がり、そして様々な状況(家庭、学校、または職場)の全域にわたり、関係性などにおいてその人の日常の機能を損なう。ADDまたは注意欠陥障害は、注意欠陥多動性障害(ADHD)を有しているが、過剰活動と衝動的な振る舞いを有さない個体を記載するために頻繁に使用される一般的用語である。これらの用語は、頻繁に、過剰活動と衝動性の症候を有しているものと、そのような症候を有していないものの両方について互換的に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0203066号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、広汎性発達障害(特に、自閉症および/または注意欠陥/多動性障害(ADHD))の患者を処置する改良された方法についてまだ満たされていない要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の要旨
本発明は、ヒト患者において自閉症の症候を軽減することができる方法と酸化還元活性組成物を提供する。簡単に説明すると、上記方法および組成物は、自閉症の作用を少なくするために十分な量で、一方または両方の生理学的有効量を投与することを含む。自閉症に罹患しているヒト患者に、患者の普通の食事を制限することなく投与されると、上記組成物および方法は、自閉症の1つまたは複数の症候を軽減するかまたは改善する、例えば、アイコンタクトが増える、歯切れが良くなるおよび代名詞の使い方が良くなる、倦怠感が少なくなる、初めてメロディーと歌詞とともに歌を歌い、そして歌全体を理解できる、初めて年齢が適している友人と遊ぶ、癇癪が少なくなる、睡眠パターンが良くなる、礼儀および共調性(coordination)が改善される、より愛情を抱く、別のヒトの感情を認める、ならびに声が大きくなり、そして言葉の連想が増える。本発明の酸化還元活性のある化合物は、ミトコンドリア機能障害を有している自閉症患者の細胞に対してだけではなく、ミトコンドリアのエネルギー代謝について何の機能的障害も示していない患者の細胞に対しても防護作用を示すので、優れている。
【0025】
1つの態様においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制するための組成物を含む。この組成物は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0026】
【化1】

【0027】
[式中、
点線で示した結合は、独立して、単結合または二重結合であり得る;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を含む。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0028】
1つの実施形態においては、R、R、およびRは、独立して、(C−C)アルキルから選択され、特定の例においては、R、R、およびRはメチルである。別の実施形態においては、R、R、およびRのうちの少なくとも1つはメチルではない。別の実施形態においては、RおよびRは、独立して、(C−C)アルコキシから選択され、Rは、(C−C)アルキルである。別の実施形態においては、RおよびRはメトキシであり、Rはメチルである。
【0029】
1つの実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制するための組成物を含む。上記組成物は、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0030】
【化2】

【0031】
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を含む。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0032】
別の態様においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VIの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0033】
【化3】

【0034】
[式中、
点線で示した結合は、独立して、単結合または二重結合であり得る;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0035】
1つの実施形態においては、R、R、およびRは、独立して、(C−C)アルキルから選択され、特定の例においては、R、R、およびRはメチルである。別の実施形態においては、R、R、およびRのうちの少なくとも1つはメチルではない。別の実施形態においては、RおよびRは、独立して、(C−C)アルコキシから選択され、Rは(C−C)アルキルである。別の実施形態においては、RおよびRはメトキシであり、Rはメチルである。
【0036】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減する、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0037】
【化4】

【0038】
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0039】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Id、式IIdの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0040】
【化5】

【0041】
[式中、
点線で示した結合は、独立して、単結合または二重結合であり得る;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシから選択される];
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0042】
1つの実施形態においては、R、R、およびRは、独立して、(C−C)アルキルから選択され、特定の例においては、R、R、およびRはメチルである。別の実施形態においては、R、R、およびRのうちの少なくとも1つはメチルではない。別の実施形態においては、RおよびRは、独立して、(C−C)アルコキシから選択され、Rは(C−C)アルキルである。別の実施形態においては、RおよびRはメトキシであり、Rはメチルである。
【0043】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ibの化合物:
【0044】
【化6】

【0045】
(これは、2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンと命名されている);
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。具体的には、立体異性体2−((3R,6E,10E)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10−ジエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンおよび2−((3S,6E,10E)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10−ジエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(それぞれ、Ib−RおよびIb−Sと略される)が、この実施形態に含まれる。
【0046】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ibの化合物:
【0047】
【化7】

【0048】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ib−RおよびIb−S)を投与することによる。
【0049】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ibの化合物:
【0050】
【化8】

【0051】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ib−RおよびIb−S)を投与することによる。
【0052】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ibの化合物:
【0053】
【化9】

【0054】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ib−RおよびIb−S)を投与することによる。
【0055】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Icの化合物:
【0056】
【化10】

【0057】
(これは、2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンと命名されている);
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。具体的には、立体異性体2−((3R,7R,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3S,7R,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3R,7S,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3R,7R,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3S,7S,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3S,7R,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2−((3R,7S,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;および2−((3S,7S,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;(それぞれ、Ic−RRR、Ic−SRR、Ic−RSR、Ic−RRS、Ic−SSR、Ic−SRS、Ic−RSS、およびIc−SSSと呼ばれる)がこの実施形態に含まれる。
【0058】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Icの化合物:
【0059】
【化11】

【0060】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ic−RRR、Ic−SRR、Ic−RSR、Ic−RRS、Ic−SSR、Ic−SRS、Ic−RSS、およびIc−SSS)を投与することによる。
【0061】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Icの化合物:
【0062】
【化12】

【0063】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ic−RRR、Ic−SRR、Ic−RSR、Ic−RRS、Ic−SSR、Ic−SRS、Ic−RSS、およびIc−SSS)を投与することによる。
【0064】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Icの化合物:
【0065】
【化13】

【0066】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、Ic−RRR、Ic−SRR、Ic−RSR、Ic−RRS、Ic−SSR、Ic−SRS、Ic−RSS、およびIc−SSS)を投与することによる。
【0067】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の、式IIId、式IVdの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0068】
【化14】

【0069】
[式中、
点線で示した結合は、独立して、単結合または二重結合であり得る;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシから選択される];
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0070】
1つの実施形態においては、R、R、およびRは、独立して、(C−C)アルキルから選択され、特定の例においては、R、R、およびRはメチルである。別の実施形態においては、R、R、およびRのうちの少なくとも1つはメチルではない。別の実施形態においては、RおよびRは、独立して、(C−C)アルコキシから選択され、Rは(C−C)アルキルである。別の実施形態においては、RおよびRはメトキシであり、Rはメチルである。
【0071】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIbの化合物:
【0072】
【化15】

【0073】
(これは2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンと命名されている);
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0074】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIbの化合物:
【0075】
【化16】

【0076】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0077】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIbの化合物:
【0078】
【化17】

【0079】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0080】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIbの化合物:
【0081】
【化18】

【0082】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0083】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIcの化合物:
【0084】
【化19】

【0085】
(これは2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンと命名されている);
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。具体的には、立体異性体2,3,5−トリメチル−6−((3R,7R,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3S,7R,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3R,7S,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3R,7R,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3S,7S,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3S,7R,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;2,3,5−トリメチル−6−((3R,7S,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン;および2,3,5−トリメチル−6−((3S,7S,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(それぞれ、IIIc−RRR、IIIc−SRR、IIIc−RSR、IIIc−RRS、IIIc−SSR、IIIc−SRS、IIIc−RSS、およびIIIc−SSSと略される)がこの実施形態に含まれる。
【0086】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIcの化合物:
【0087】
【化20】

【0088】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、IIIc−RRR、IIIc−SRR、IIIc−RSR、IIIc−RRS、IIIc−SSR、IIIc−SRS、IIIc−RSS、およびIIIc−SSS)を投与することによる。
【0089】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIcの化合物:
【0090】
【化21】

【0091】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、IIIc−RRR、IIIc−SRR、IIIc−RSR、IIIc−RRS、IIIc−SSR、IIIc−SRS、IIIc−RSS、およびIIIc−SSS)を投与することによる。
【0092】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式IIIcの化合物:
【0093】
【化22】

【0094】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物(例えば、IIIc−RRR、IIIc−SRR、IIIc−RSR、IIIc−RRS、IIIc−SSR、IIIc−SRS、IIIc−RSS、およびIIIc−SSS)を投与することによる。
【0095】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の、式Vaもしくは式VIaの化合物、またはそれらの混合物:
【0096】
【化23】

【0097】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0098】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Vaの化合物:
【0099】
【化24】

【0100】
(これは、2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンと命名されている);
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0101】
別の態様においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Vaの化合物:
【0102】
【化25】

【0103】
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0104】
別の態様においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Vaの化合物:
【0105】
【化26】

【0106】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0107】
別の態様においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の式Vaの化合物:
【0108】
【化27】

【0109】
ならびにその全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物を投与することによる。
【0110】
別の実施形態においては、本発明は、化合物が以下から選択される組成物を含む:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0111】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の以下から選択される1つまたは複数の化合物を投与することによる:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0112】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症スペクトル障害(ASD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の以下から選択される1つまたは複数の化合物を投与することによる:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0113】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、自閉症と関係がある症候を軽減するか、あるいは、自閉症を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の以下から選択される1つまたは複数の化合物を投与することによる:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0114】
別の実施形態においては、本発明は、以下の処置が必要な患者において、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の以下から選択される1つまたは複数の化合物を投与することによる:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0115】
別の実施形態においては、本発明は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0116】
【化28】

【0117】
【化29】

【0118】
[式中、
点線で示した結合は、独立して、単結合または二重結合であり得る;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制するための使用を含む。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0119】
別の実施形態においては、本発明は、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【0120】
【化30】

【0121】
【化31】

【0122】
ならびにそれらの全ての塩、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、溶媒和物、および水和物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制するための使用を含む。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て単結合である。別の実施形態においては、点線で示した結合は、全て二重結合である。
【0123】
別の実施形態においては、本発明は、以下から選択される1つまたは複数の化合物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制するための使用を含む:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン。
【0124】
上記実施形態のいずれにおいても、広汎性発達障害(PDD)は、自閉症スペクトル障害(ASD)から選択され得る。
【0125】
上記実施形態のいずれにおいても、上記障害は注意欠陥/多動性障害(ADHD)であり得る。
【0126】
上記実施形態のいずれにおいても、本発明の化合物によって処置される症候は、以下からなる症候の群より選択される:アイコンタクトを避けること、社交的になれないこと、注意欠陥、悪い雰囲気(poor mood)、過剰活動、不安、スティミング(stimming)、低い理解力、不適切な話し方、音に対する異常な感受性、消化不良、途切れがちな睡眠、および固執。ここでは、発生率の低下は、未処置の個体における発生率と比較して測定される。
【0127】
1つの実施形態においては、本発明は、患者の自閉症の症候を軽減できる薬学的組成物を提供する。この薬学的組成物は、生理学的有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdのうちの1つまたは複数の化合物と、生理学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤(buffer)、および希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
【0128】
なおさらなる態様においては、本発明は、食品、医療用食品、機能性食品、栄養補助食品(food supplemet)、またはサプリメント(dietary supplement)を提供する。これらは、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdのうちの1つまたは複数の化合物と、生理学的または栄養学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、および希釈剤からなる群の少なくとも1種との組成物を含む。1つの実施形態においては、本発明は、治療有効量または生理学的有効量の前記食品、医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメントを、それが必要な患者に投与する方法を含む。別の実施形態においては、本発明は、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは、広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制する方法、特に、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)を処置もしくは抑制するための、あるいは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための方法を含む。この方法は、治療有効量あるいは生理学的有効量の前記食品、医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメントをそれが必要な患者に投与することによる。
【0129】
なお別の態様においては、本発明はまた、自閉症スペクトル障害を処置または抑制するために有用な物質を含む製品およびキットも提供する。本発明はまた、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdの化合物のうちの任意の1つまたは複数を含むキットも提供する。いくつかの実施形態においては、本発明のキットは、上記の容器を含む。
【0130】
他の態様においては、キットは、例えば、ASD障害を有している個体を処置するための方法、または個体のASD障害を抑制するための方法を含む、本明細書中に記載される方法のいずれかのために使用され得る。
【0131】
1つの実施形態においては、本発明はまた、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを調節すること、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを正常化させること、または1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをさらによくすること(enhancing)を含む。これらは、治療有効量または生理学的有効量の本明細書中に記載される1つまたは複数の化合物あるいは組成物を被験体に投与することを含む。本発明はまた、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを調節するため、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを正常化させるため、または1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをさらによくするために有用な、本明細書中に記載される化合物および組成物を含む。
【0132】
本発明は、複数の態様、特徴、および実施形態を含む。ここでは、そのような複数の態様、特徴、および実施形態は、任意の望ましい様式で組み合わせられ、そして順序が変えられ得る。
【0133】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴、ならびに実施形態は、以下の詳細な説明を含む本出願の残りを参照すれば明らかになるであろう。加えて、特定の組成物および/または方法をさらに詳細に記載している様々な参考文献が本明細書中で示され、そのような参考文献は全て、それらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる。
【発明を実施するための形態】
【0134】
本発明は、患者(ヒト患者を含む)の広汎性発達障害(自閉症スペクトル障害を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)の症候を軽減できる方法および組成物を提供する。簡単に説明すると、これらの組成物および方法は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdの化合物を、ヒト患者に、自閉症性疾患の作用または注意欠陥障害の作用を軽減するために十分な量で投与することを含む。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdの化合物が患者の普通の食事を制限することなくヒト患者に投与される初期の臨床試験は、相当数の患者に、1つまたは複数の症候の有意な軽減(例えば、アイコンタクトが増える、歯切れが良くなるおよび代名詞の使い方が良くなる、倦怠感が少なくなる、初めてメロディーと歌詞とともに歌を歌い、そして歌全体を理解できる、初めて年齢が適している友人と遊ぶ、癇癪が少なくなる、睡眠パターンが良くなる、礼儀および共調性が改善される、より愛情を抱く、別のヒトの感情を認める、声が大きくなり、そして言葉の連想が増える)をもたらすであろう。
【0135】
「被験体」、「個体」、または「患者」によっては個体、より好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトが意味される。
【0136】
本明細書中に開示される化合物および方法で疾患を「処置すること」は、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候のいずれかを軽減するかまたは排除するため、あるいは、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候の進行を遅らせるため、あるいは、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候の重篤度を低下させるために、さらなる治療薬とともにまたはさらなる治療薬を伴わずに、本明細書中で議論される1つまたは複数の化合物を投与することと定義される。本明細書中に開示される化合物および方法での疾患の「抑制」は、疾患の臨床的発現を抑制するため、または疾患の悪い症候の発現を抑制するために、さらなる治療薬とともにまたはさらなる治療薬を伴わずに、本明細書中で議論される1つまたは複数の化合物を投与することと定義される。処置と抑制の区別は、処置は疾患の悪い症候が被験体において発現した後で行われ、一方、抑制は、疾患の悪い症候が被験体において発現する前に行われる点である。抑制は、部分的である場合、実質的に完全である場合、また、完全である場合もある。自閉症障害は遺伝するので、遺伝子スクリーニングが、疾患のリスクがある患者を同定するために使用され得る。その後、本発明の化合物および方法が、あらゆる悪い症候が現れるのを抑制するために、疾患の臨床的症候を発症するリスクがある無症候性患者に投与され得る。
【0137】
本明細書中で議論された化合物の「治療的使用」は、上記で定義されたように、疾患を処置または抑制するために本明細書中で議論された1つまたは複数の化合物を使用することと定義される。化合物の「治療有効量」は、被験体に投与された場合に、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候のいずれかを軽減するかまたは排除するため、あるいは、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候の進行を遅らせるため、あるいは、疾患もしくは疾患の1つまたは複数の症候の重篤度を低下させるため、あるいは、疾患の臨床的発現を抑制するため、あるいは、疾患の悪い症候の発現を抑制するために十分な化合物の量である。治療有効量は、1回以上の投与で与えられ得る。
【0138】
活性物質の「生理学的有効量」は、患者に対して有意な外部から観察できる効果をもたらすための活性物質の適切な量を示す。したがって、そのような生理学的有効量は、効果を決定するための特別な装置を必要とすることなく、患者の特性の1つまたは複数に影響を及ぼす。例えば、本発明の化合物の生理学的有効量は、自閉症または他の広汎性発達障害の1つまたは複数の症候を軽減することにより、患者の振る舞いに対して、有意な外部から観察できる効果を有する。したがって、適切な量の活性物質が投与されているかどうかを、患者を見ることによって、そして変化が活性物質が原因で患者において起こったかどうかを観察することによって決定することができる。
【0139】
本明細書中に記載される化合物は、中性の化合物(塩ではない)化合物として存在し得、使用され得るが、その記述には、本明細書中に記載される化合物の全ての塩、ならびに化合物のそのような塩を使用する方法が含まれると意図される。1つの実施形態においては、化合物の塩には、薬学的に許容される塩を含まれる。薬学的に許容される塩は、ヒトおよび/もしくは動物に対して薬物または医薬品として投与することができる塩であり、これは、投与されても、遊離の化合物(中性の化合物または塩ではない化合物)の生物学的活性の少なくとも一部を保持する。塩基性化合物の所望される塩は、化合物を酸で処理することにより、当業者に公知の方法によって調製され得る。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、スルホン酸、およびサリチル酸が挙げられるが、これらに限定されない。塩基性化合物のアミノ酸との塩(例えば、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩)もまた調製することができる。酸性化合物の所望される塩は、化合物を塩基で処理することにより、当業者に公知の方法によって調製することができる。酸化合物の無機塩の例としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩);アンモニウム塩;ならびにアルミニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸化合物の有機塩の例としては、プロカイン、ジベンジルアミン、N−エチルピペリジン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、およびトリエチルアミン塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸性化合物のアミノ酸との塩(例えば、リジン塩)もまた調製することができる。
【0140】
本発明はまた、ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含む化合物の全ての立体異性体を含む。本発明はまた、任意の比での立体異性体の混合物を含み、これには、ラセミ混合物が含まれるがこれに限定されない。立体化学が構造に関してはっきりと示されない限りは、その構造は、示される化合物についての全ての可能な立体異性体を含むように意図される。分子の1つの部分または複数の部分についての立体化学ははっきりと示されているが、分子の別の部分(単数または複数)については示されていない場合は、その構造は、立体化学がはっきりと示されていない部分(単数または複数)についての全ての可能な立体異性体を含むように意図される。
【0141】
化合物は、プロドラッグの形態で投与され得る。プロドラッグは、それ自体は比較的不活性であるが、これらがインビボでの化学的または生物学的プロセス(例えば、酵素による変換)によって使用される被験体に導入されると活性のある化合物に換わる、化合物の誘導体である。適しているプロドラッグ処方物としては、本発明の化合物のペプチド結合体、および本発明の化合物のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。適しているプロドラッグについてのさらなる議論は、H.Bundgaard,Design of Prodrugs,New York:Elsevier,1985;R.Silverman,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Boston:Elsevier,2004;R.L.Juliano(編),Biological Approaches to the Controlled Delivery of Drugs(Annals of the New York Academy of Sciences,v.507),New York:New York Academy of Sciences,1987;およびE.B.Roche(編)、Design of Biopharmaceutical Properties Through Prodrugs and Analogs(フロリダ州オーランドでの1976年11月の学会であるAPhA Academy of Pharmaceutical SciencesのMedicinal Chemistry Section主催のシンポジウム)、Washington:The Academy、1977の中で提供されている。
【0142】
化合物の代謝産物も本発明に含まれる。
【0143】
「C−Cアルキル」は、飽和の直鎖、分岐鎖、環状、またはそれらの組み合わせである、1〜6個の炭素原子の炭化水素を含むように意図される。「C−Cアルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロプロピル−メチル、メチル−シクロプロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、およびシクロヘキシルである。ここでは、分子の残りの部分に対するアルキル基の結合点は、アルキル断片上の任意の化学的に可能な位置であり得る。「C−Cアルキル」は、飽和の直鎖、分岐鎖、環状、またはそれらの組み合わせである、1〜4個の炭素原子の炭化水素を含むように意図される。「C−Cアルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロブチルである。
【0144】
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
【0145】
「C−Cハロアルキル」は、少なくとも1つのハロゲン置換基を有している任意のC−Cアルキル置換基を含むように意図される。ハロゲンは、C−Cアルキル基上の任意の結合価を介して結合され得る。C−Cハロアルキルのいくつかの例は、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHF、−CHClである。
【0146】
第1の態様においては、本発明は、ヒト患者の広汎性発達障害(PDD)(自閉性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)の症候を軽減できる酸化還元活性組成物を提供する。例えば、本発明の組成物は、1つまたは複数の症候を軽減または改善することができる(例えば、アイコンタクトが増える、歯切れが良くなるおよび代名詞の使い方が良くなる、倦怠感が少なくなる、癇癪が少なくなる、睡眠パターンが良くなる、礼儀および共調性が改善される、ならびに、声が大きくなり、そして言葉の連想が増える)。言い換えると、本発明の組成物は、特別な装置(例えば、顕微鏡または化学分析機器)を使用しなくてもヒトである観察者(例えば、親、医師、または介護者)が観察できる量の、自閉症の観察可能な特性の1つまたは複数の適切な軽減をもたらすことができる。組成物は、生理学的有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdのうちの1つまたは複数の化合物と、生理学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、および希釈剤(これらの用語は、化合物のパッケージング、送達、吸収、または生理学的作用を助ける物質を示すために通常の意味で使用される)からなる群の少なくとも1つを提供することにより、そのような症候を軽減する。生理学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、および希釈剤は、使用される投与量および濃度ではレシピエントに対して毒性を示さないことが好ましい。典型的な実例としては、水、等張性の生理食塩水(生理学的pHで緩衝化されていることが好ましい)(例えば、リン酸塩緩衝化生理食塩水またはTris緩衝化生理食塩水)、マンニトール、デキストロース、グリセロール、およびエタノール、ならびに、選択されたポリペプチドまたはタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、マルトデキストリン、L−リジン、ラクターゼ、および他の炭水化物)、リパーゼ、ならびに非特異的プロテアーゼ(例えば、パパイン)が挙げられる。担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、または希釈剤は本明細書中に開示される組成物と混合され、液体溶液として、または好ましくは、固体の形態のいずれかである組成物が提供され得る。例えば、組成物が経口投与されるべきものである場合は、上記組成物は、粉末、錠剤、またはカプセル剤のいずれかの形態で生産され得る。
【0147】
(化合物の合成)
本発明の化合物は、当該分野で公知の様々な方法によって容易に合成することができる。α−トコフェロールキノンの合成は、いくつかの参考文献(例えば、米国特許第3,406,188号および同第4,310,465号)の中で詳細に記載されている。本発明のベンゾキノン型化合物の合成は、共有にかかる米国特許出願公開番号2006/0281809、2007/0072943、および2007/0225261の中に開示されている。
【0148】
(自閉症の臨床的評価)
カルニチン欠乏症:Filipek,PAら、J,Autism Dev.Diosrd.(2004)34:615−23によって実証されたように、100人の自閉症の子供について、血清カルニチンレベルを、血清中のピルビン酸塩、乳酸塩、アンモニア、およびアラニンレベルと同時に調べた。遊離の、および全カルニチン(p<0.001)ならびにピルビン酸塩(p=0.006)の値は有意に低下したが、アンモニアおよびアラニンのレベルは、自閉症の被験体においては相当上昇した(p<0.001)。乳酸塩レベルのわずかな上昇と、アラニンおよびアンモニアレベルの有意な上昇を伴う、これらの患者における相対的なカルニチン欠乏症は、ピルビン酸塩、乳酸塩、カルニチン、およびアンモニアのレベルの評価が、ASDの子供の日常的な評価の際に測定されれば有用であり得ることを示唆するであろう。
【0149】
乳酸(乳酸塩)レベル:自閉症の一部の症例は、乳酸の異常なレベルと関係がある。なぜなら、ピルビン酸塩のレベルが上昇し、解糖の能力を維持するために、ピルビン酸塩が乳酸塩に変換されるからである(Coleman,M.ら、Journal of Autism and Developmental Disorders(1985)15,1−8を参照のこと)。乳酸塩のレベルは、適切な体液試料(例えば、全血、血漿、または脳脊髄液)の試料を採取することにより測定され得る。磁気共鳴を使用して、乳酸塩のレベルは、事実上、所望されるあらゆるボディー体積(volume of the body)(例えば、脳)において測定され得る。全血、血漿、および脳脊髄液の乳酸塩レベルは、商業的に入手可能な機器(例えば、YSI 2300 STAT Plus Glucose & Lactate Analyzer(YSI Life Sciences,Ohio))によって測定され得る。
【0150】
脂質過酸化反応:脂質過酸化反応は、自閉症において増加することが明らかにされており、これは、酸化的ストレスがこの疾患において増加することを示している。脂質過酸化反応は、脂肪酸の酸化の最終生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)のレベルを定量化することにより測定することができる。血漿、尿、および他の検体中のMDAについてはいくつかのアッセイがある。そのようなアッセイには、HPLC(Steghens,J.P.ら、Free Radic Biol Med(2001)31:242およびPilz,J.Chromatogr B Biomed Sci appl(2000)742:315)、およびキャピラリー電気泳動(Korizis,K.N.ら、Biomed Chromatogr 15:287(2001))によるUV検出のための特別な試薬が含まれる。MDAを含む様々な脂質過酸化反応の産物が、チオバルビツール酸反応(K Fukanagaら、Biomed Chromatogr(1998)12:300)を使用して定量され得る。
【0151】
脂質過酸化反応はまた、自閉症の被験体および健康な対照被験体とともに被験体においてガスクロマトグラフ質量分析法により、イソプラスタンF(2α)−VI(脂質過酸化反応のマーカー)、2,3−ジノル−トロンボキサンB(2)(これは血小板の活性化を反映する)、および6−ケト−プロスタグランジンF(1α)(内皮の活性化のマーカー)の尿中でのレベルの測定によって定量され得る。酸化ストレスと関係がある生成物を検出する方法が、同様に当該分野で公知である。例えば、イソプラスタンF(2α)−VIの決定のため(Cayman Chemicalカタログ番号516301)、2,3−ジノル−トロンボキサンB(2)の決定のため(Cayman Chemicalカタログ番号519051)、および6−ケト−プロスタグランジンF(1α)の決定のため(Cayman Chemicalカタログ番号5152111)の酵素免疫アッセイキットが、Cayman Chemicalから商業的に入手可能である。
【0152】
抗酸化タンパク質:血清中の主要な抗酸化タンパク質(すなわち、トランスフェリン(鉄結合タンパク質)およびセルロプラスミン(銅結合タンパク質))のレベルは、発育が正常な自閉症ではないそれらの兄弟姉妹と比較して、自閉症の子供においては有意に低い。これらのタンパク質の低いレベルと、自閉症の子供がこれまでに修得した言語能力を失うこととの間には、顕著な相関関係が観察された。これらの結果は、習得した言語能力を失った自閉症の子供におけるトランスフェリンとセルロプラスミンの調節の変化を、患者の評価の際に疾患の診断に使用できることを示している。
【0153】
1つの実施形態においては、本発明はまた、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを調節すること、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを正常化させること、または1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをさらによくすることを含む。これには、治療有効量または生理学的有効量の本明細書中に記載される1つまたは複数の化合物あるいは組成物を被験体に投与することが含まれる。本発明はまた、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを調節するため、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを正常化させるため、または1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをさらによくするために有用な、本明細書中に記載される化合物および組成物を含む。
【0154】
「自閉症のバイオマーカー」には、遊離のカルニチンレベル、全カルニチンレベル、ピルビン酸塩レベル、アンモニアレベル、アラニンレベル、乳酸塩レベル、マロンジアルデヒド(MDA)レベル、イソプラスタンF(2α)−VIレベル、2,3−ジノル−トロンボキサンB(2)レベル、6−ケト−プロスタグランジンF(1α)レベル、トランスフェリンレベル、およびセルロプラスミンレベルが含まれる。これらのバイオマーカーは、全血、血清、血漿、尿、脳脊髄液、脳室液、または任意の他の生物学的試料、体液、もしくは体区画(body compartment)において測定され得る。
【0155】
本発明の化合物および組成物は、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを調節するために、被験体または患者において使用され得る。自閉症のバイオマーカーの調節は、被験体において自閉症のバイオマーカーを正常化させるために、または被験体において自閉症のバイオマーカーをさらによくするために行われ得る。
【0156】
1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの正常化は、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルが正常なレベル(すなわち、健康な被験体におけるレベル)と病理学的差異を示す被験体において、1つまたは複数のそのような自閉症バイオマーカーのレベルを正常またはほぼ正常なレベルに回復させること、あるいは、被験体の病理学的症候を緩和するために1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを変化させることのいずれかと定義される。自閉症バイオマーカーの性質に応じて、そのようなレベルは、自閉症ではない被験体におけるレベルを上回るかまたは下回るかのいずれかの測定値を示し得る。例えば、カルニチンレベルは、自閉症ではない被験体と比較して、自閉症の被験体においては低いことが多く、カルニチンレベルの増大が所望され得る。アンモニアレベルは、自閉症ではない被験体と比較して、自閉症の被験体においては高いことが多く、アンモニアレベルの低下が所望され得る。自閉症のバイオマーカーの正常化は、自閉症の被験体の自閉症のバイオマーカーのレベルを、自閉症ではない値の少なくとも約2標準偏差以内に、より好ましくは、自閉症ではない値の少なくとも約1標準偏差以内に、自閉症ではない値の少なくとも約0.5標準偏差以内に、または自閉症ではない値の少なくとも約0.25標準偏差以内に回復させることを含み得る。
【0157】
1つまたは複数のそのような自閉症のバイオマーカーを正常化させるために自閉症のバイオマーカーのレベルの増大が所望される場合は、本発明の1つまたは複数の化合物または組成物の投与により、自閉症の被験体における自閉症のバイオマーカーのレベルを、自閉症ではない被験体における値の少なくとも約2標準偏差以内に増大させられ得る、より好ましくは、自閉症ではない値の少なくとも約1標準偏差以内に増大させられ得る、自閉症ではない値の少なくとも約0.5標準偏差以内に増大さることができる、または自閉症ではない値の少なくとも約0.25標準偏差以内に増大させられ得る。あるいは、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約10%上回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約20%上回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約30%上回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約40%上回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約50%上回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約75%上回るだけ、または投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約100%上回るだけ増大させることができる。
【0158】
1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーを正常化させるために、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルの低下が所望される場合は、本発明の1つまたは複数の化合物または組成物の投与により、自閉症の被験体における1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約2標準偏差以内のレベルに低下させることができ、より好ましくは、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約1標準偏差以内に低下させることができる、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約0.5標準偏差以内に低下させることができる、または自閉症ではない被験体の値の少なくとも約0.25標準偏差以内に低下させることができる。あるいは、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約10%下回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約20%下回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約30%下回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約40%下回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約50%下回るだけ、投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約75%下回るだけ、または投与前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約90%下回るだけ、低下させることができる。
【0159】
1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルをよくすること(enhancement)は、自閉症の被験体における1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの現在のレベルを被験体に有用なまたは望ましい効果をもたらすレベルに変化させることと定義される。正常化を超えてさらによくすることが、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルの正常化では症候の改善をもたらすためには十分ではない場合には必要であり得る。
【0160】
したがって、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルの増大が自閉症の被験体に有効である場合は、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをよくすることには、自閉症の被験体におけるそれぞれの自閉症のバイオマーカー(単数または複数)のレベルを、自閉症ではない被験体における値を少なくとも約0.25標準偏差上回る、自閉症ではない被験体における値を少なくとも約0.5標準偏差上回る、自閉症ではない被験体における値を少なくとも約1標準偏差上回る、自閉症ではない被験体における値を少なくとも約2標準偏差上回るまで増大させることが含まれ得る。あるいは、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約10%上回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約20%上回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約30%上回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約40%上回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約50%上回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約75%上回るまで、またはさらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約100%上回るまで増大させることができる。
【0161】
1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーをさらによくするために1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルの低下が所望される場合は、自閉症の被験体の1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約0.25標準偏差の量だけ低下させる、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約0.5標準偏差だけ低下させる、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約1標準偏差だけ低下させる、自閉症ではない被験体の値の少なくとも約2標準偏差だけ低下させることができる。あるいは、1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーのレベルを、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約10%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約20%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約30%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約40%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約50%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約75%下回るまで、さらによくする前のそれぞれの1つまたは複数の自閉症のバイオマーカーの被験体のレベルを少なくとも約90%下回るまで低下させることができる。
【0162】
(薬学的処方物、栄養補助食品処方物、および栄養処方物)
本明細書中に記載される化合物は、添加剤(例えば、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される担体、および薬学的に許容されるビヒクル)を用いた処方により薬学的組成物として、あるいは添加剤(例えば、栄養補助食品としてもしくは栄養的に許容される賦形剤、栄養補助食品としてもしくは栄養的に許容される担体、および栄養補助食品としてもしくは栄養的に許容されるビヒクル)を含む栄養補助食品処方物または栄養処方物として処方され得る。
【0163】
適している薬学的に許容される賦形剤、担体、およびビヒクルとして、処理剤および薬物送達修飾物質(drug delivery modifiers)および促進剤(例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖、二糖、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ポリビニルピロリジノン、低融点ワックス、イオン交換樹脂など、ならびにそれらのいずれか2種類またはそれ以上の種類の組合せ)が挙げられる。他の適している薬学的に許容される賦形剤は、引用により本明細書中に組み入れられる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、および「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,第20版(2003)と第21版(2005)に記載されている。
【0164】
薬学的組成物には、単位用量処方物が含まれ得る。ここでは、単位用量は、治療効果または抑制効果を有するために十分な用量である。単位用量は、治療効果または抑制効果を有するための単回用量として十分であり得る。あるいは、単位用量は、障害の処置または抑制の過程の間に定期的に投与される用量であり得る。単位用量には、治療有効量の本明細書中に開示される組成物を含めることができる。あるいは、単位用量には、生理学的有効量の本明細書中に開示される組成物を含めることができる。
【0165】
本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、意図される投与方法に適している任意の形態(例えば、溶液、懸濁液、またはエマルジョンを含む)であり得る。通常は、液体担体が、溶液、懸濁液、およびエマルジョンの調製に使用される。本発明の実施において使用が想定される液体担体としては、例えば、水、生理食塩水、薬学的に許容される有機溶媒(単数または複数)、薬学的に許容される油または脂など、ならびにそれらの2種類以上の種類の混合物が挙げられる。液体担体は、他の適している薬学的に許容される添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、栄養素、緩衝剤、防腐剤、懸濁化剤、増粘剤、粘性調節剤、安定剤など)を含み得る。適している有機溶媒としては、例えば、一価アルコール(例えば、エタノール)および多価アルコール(例えば、グリコール)が挙げられる。適している脂としては、例えば、大豆油、ココナッツ油、オリーブ油、サフラワー油、菜種油などが挙げられる。非経口投与については、担体はまた、油性のエステル(例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなど)でもあり得る。本発明の組成物はまた、微粒子、マイクロカプセル、リポソームカプセルなどの形態、ならびに、それらの任意の2種類以上の種類の組み合わせでもあり得る。
【0166】
上記に記載されたように、組成物は、栄養処方物(例えば、食品)として調製され得る。これには例えば、医療用食品または機能性食品、およびサプリメントが含まれる。「医療用食品または機能性食品」は、通常の食事の一部として摂取されると定義されるが、これは、最低限の栄養機能を上回る生理学的利点を有する、および/または慢性疾患のリスクを低下させることが明らかにされている。「サプリメント(dietary supplement)」は、ヒトの食事を補うように意図され、通常は、丸剤、カプセル剤、錠剤、または同様の処方物の形態で提供される製品と定義される。限定ではないが、例として、サプリメントは、以下の成分の1つまたは複数を含み得る:ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物性物質(botanicals)、アミノ酸、全食事摂取量を増大させることにより食事を補うように意図される食物中の物質、および濃縮物、代謝産物、構成成分、抽出物、あるいは上記のいずれかの組み合わせ。サプリメントはまた、健康状態を促進するために、または疾患もしくは障害を予防するために設計された食料品(例えば、機能性食品)に取り込まれ得る。医薬製剤として投与される場合には、上記組成物は、多数の方法のいずれかにおいて、患者に対して予防または処置のいずれかとして投与され得る。本発明の組成物は単独で投与され得るか、または他の薬学的物質と組み合わせて投与され得る。本発明の組成物は、その生理学的に許容される担体と合わせて1つにすることができる。特定の処方物の有効量と投与方法は、個々の被験体、疾患の病期、および当業者に明らかである他の要因に基づいて様々であり得る。処置の過程の間に、所望されるレベルが確実に維持されるように本発明の組成物の濃度がモニターされ得る(例えば、血漿レベルがモニターされ得る)。
【0167】
用語「栄養補助食品(nutraceutical)」は、食品または食品の一部であり、医学的利点または健康上の利点(疾患の予防および処置を含む)をもたらす任意の物質をいうように使用されている。したがって、「栄養補助食品」との表示に該当する組成物は、単離された栄養素、サプリメント、および特別な食事から、遺伝子操作されたデザイナーフード(designer foods)、ハーブ製品、および加工食品(例えば、シリアル、スープ、および飲料)までの範囲にまたがり得る。より技術的な意味においては、この用語は、食品から単離または精製された、一般的には、通常は食品と一緒にされていない医薬品の形態において固体であり、慢性的な疾患に対して生理学的利点を有するまたは防御を提供することが明らかにされている生成物をいう。適している栄養補助食品として許容される賦形剤としては、液体溶液(例えば、植物由来の油および/または動物由来の脂および/または魚由来の油を含有する溶液)を挙げることができる。
【0168】
例えば、以下に記載されているような徐放型または制御放出型送達システム(例えば、拡散制御型マトリックスシステムまたは受食性システム)が使用され得る:Lee,「Diffusion−Controlled Matrix Systems」,155−198頁、およびRon and Langer,「Erodible Systems」,199−224頁,「Treatise on Controlled Drug Delivery」,A.Kydonieus編,Marcel Dekker,Inc.,New York 1992。例えば、上記マトリックスは、インサイチュおよびインビボで、例えば、加水分解または酵素による切断(例えば、プロテアーゼによる)によって自発的に分解し得る生体分解性物質であり得る。上記送達システムは、例えば、自然界に存在しているかまたは合成のポリマーあるいはコポリマーであり得、例えば、ヒドロゲルの形態であり得る。切断可能な連結を持つ例示的なポリマーとしては、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、多糖、ポリ(リン酸エステル)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(イミドカルボナート)、およびポリ(ホスファゼン)が挙げられる。
【0169】
本発明の化合物は、所望により従来の無毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する単位投薬処方物において、経腸的に、経口的に、非経口的に、口腔に、舌下に、吸入によって(例えば、ミストまたはスプレーとして)、直腸に、膣に、または局所に投与され得る。例えば、適している投与方式としては、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオントフォレーシス、静脈内、動脈内、筋肉内、眼球内、腹腔内、鼻腔内(例えば鼻粘膜を介して)、直腸、消化管など、および特定のまたは罹患した臓器もしくは組織への直接投与が挙げられる。中枢神経系への送達のためには、脊髄および硬膜外投与、または脳室への投与を使用することができる。局所投与には、経皮パッチまたはイオントフォレーシス装置のような経皮投与の使用も含まれ得る。用語非経口には、本明細書中で使用される場合は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内への注射または注入技術が含まれる。これらの化合物は、所望される投与経路に適している、薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルと混合される。経口投与が好ましい投与経路であり、経口投与に適している処方物が好ましい処方物である。本明細書中で使用について記載される化合物は、固体形態、液体形態、エアゾール形態、または錠剤、丸剤、粉末混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射剤、クリーム剤、液剤、坐剤、浣腸剤、洗腸剤、乳剤、分散液、食品プレミックスの形態で、および他の適している形態で投与することができる。これらの化合物はまた、リポソーム処方物中で投与することもできる。これらの化合物は、プロドラッグとしても投与することができ、この場合、プロドラッグは、処置される被験体の中で治療上有効な形態に変換される。さらなる投与方法は、当技術分野で公知である。
【0170】
注射用調製物(例えば、滅菌注射用水性懸濁剤または油性懸濁剤)は、適切な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤とを使用して、公知の技術にしたがって処方することができる。滅菌注射用調製物は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁剤、例えばプロピレングリコール中の溶液である場合もある。使用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油も、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されている。この目的のためには、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を採用することができる。加えて、オレイン酸のような脂肪酸も、注射剤の調製において用途が見出されている。
【0171】
経口投与用の固体投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を挙げることができる。そのような固体投薬形態においては、活性化合物が、少なくとも1つの不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトース、またはデンプン)と混合される場合がある。そのような投薬形態は、不活性な希釈剤以外のさらに別の物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤)もまた含まれる場合がある。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合は、これらの投薬形態には緩衝剤もまた含まれる場合がある。錠剤および丸剤はさらに腸溶性コーティングを用いて調製することができる。
【0172】
経口投与用の液体投薬形態としては、水のような当技術分野で通常使用される不活性な希釈剤を含有する、薬学的に許容されるエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を挙げることができる。そのような組成物にはまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤)、シクロデキストリン、ならびに甘味料、着香料、および香料などもまた含めることができる。
【0173】
本発明の化合物はまた、リポソームの形態でも投与することができる。当技術分野で公知であるように、リポソームは一般的には、リン脂質またはその他の脂質物質から誘導される。リポソームは水性媒体中に分散させられた単層膜または多重膜の水和した液晶により形成される。リポソームを形成することができる任意の無毒性の生理学的に許容され、代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本発明の組成物には、本発明の化合物に加えて、安定化剤、防腐剤、賦形剤などを含めることができる。好ましい脂質はリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)であり、これらは天然のものでも、合成のものでもある。リポソームを形成させる方法は当技術分野で公知である。例えば、Prescott編、Methods in Cell Biology、第XIV巻、Academic Press、ニューヨーク、N.W.,33頁以下参照(1976)を参照のこと。
【0174】
好ましい実施形態においては、組成物は、食品または食品サプリメントのいずれかとして患者に提供される。例えば、食品として提供される場合は、本発明の組成物は、増殖、修復、および生命維持に必要なプロセスを維持するために、ならびにエネルギーを供給するために、体(好ましくは、ヒトの体)内で使用されるタンパク質、炭水化物、および/または脂肪から主に構成される物質と混合される。食品サプリメントとして提供される場合は、本発明の組成物は、食品として同時に摂ることができるか、またはほぼ同時に摂ることができる選択された物質を含む。栄養補助食品は、一般的には、食事が摂られる前後およそ1時間以内に、典型的には、食事が摂られる前後約30分以内に、好ましくは、食事が摂られる約15分以内に、そしてさらに好ましくは、食事が摂られる約1〜5分以内に摂取される。食品サプリメントはまた、食品と同時に、またさらには食品とともに摂取することができる。
【0175】
本発明は、PDD(自閉症を含む)を処置もしくは抑制するため、またはPDDの1つまたは複数の症候を軽減するために有用な物質を含有する製品およびキットもまた提供する。本発明はまた、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdの化合物の任意の1つまたは複数、あるいはそれらの混合物を含有するキットも提供する。いくつかの実施形態においては、本発明のキットは上記に記載された容器を含む。
【0176】
他の態様においては、キットは、例えば、広汎性発達障害(自閉症スペクトル障害を含む)を有する個体を処置するため、または個体の広汎性発達障害(例えば、自閉症スペクトル障害)を抑制するための方法を含む、本明細書中に記載される任意の方法のために使用することができる。
【0177】
他の態様においては、キットは、例えば、注意欠陥障害(注意欠陥/多動性障害(ADHD)を含む)を有する個体を処置するため、または個体の注意欠陥障害(例えば、注意欠陥/多動性障害(ADHD))を抑制するための方法を含む、本明細書中に記載される任意の方法のために使用することができる。
【0178】
単回投薬形態を生産するために担体材料と混合することができる活性成分の量は、その活性成分が投与される宿主と具体的な投与方式に応じて様々であろう。しかし、任意の特定の患者についての特別な用量レベルは、使用される特異的化合物の活性、年齢、体重、身体領域、ボディーマスインデックス(BMI)、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の併用、ならびに治療を受けている特定の疾患の種類、進行度、および重症度を含む様々な要因に依存するであろう。血液、組織、臓器、または身体の他の標的領域中で定義された薬物最終濃度が得られるように、選択された薬学的単位投与量が通常は製作され、投与される。所与の状況についての治療有効量または生理学的有効量は、日常的な実験によって容易に決定することができ、これは通常の臨床医の技術および判断の範囲内のことである。
【0179】
使用することができる投与量の例は、約0.1mg/kg体重から約300mg/kg体重の投与量範囲内、または約1.0mg/kg体重〜約100mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重〜約50mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重〜約30mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重〜約10mg/kg体重、または約10mg/kg体重〜約100mg/kg体重、または約50mg/kg体重〜約150mg/kg体重、または約100mg/kg体重〜約200mg/kg体重、または約150mg/kg体重〜約250mg/kg体重、または約200mg/kg体重〜約300mg/kg体重、または約250mg/kg体重〜約300mg/kg体重の投与量範囲内の有効量である。本発明の化合物は、1日1回投与することができ、また、一日量の全量を、1日2、3、または4回の分割された投与量で投与することもできる。
【0180】
本発明の化合物は、単独の活性のある薬剤として投与することができるが、これらの化合物はまた、障害の処置または抑制に使用される1つまたは複数のその他の薬剤と併用することもできる。化合物が一緒に投与される場合は、これらが同じ経路によって、または同じ処方物中で投与される必要はない。しかし、これらは、所望により1つの処方物中に混合することもできる。
【0181】
PDD、ASD、またはADHDの症候の処置あるいは抑制のための本発明の化合物との併用に有用な代表的な薬剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:コエンザイムQ10および抗酸化化合物および/または薬物、例えば、限定ではないが、カルニチン、ケルセチン、マンゴスチン、アサイ、ウリジン、N−アセチルシステイン(NAC)、ビタミンA、ビタミンC、ルテイン、β−カロテン、リコピン、およびグルタチオン。本発明の化合物との併用に有用な他の薬剤は、神経伝達物質(特に、セロトニンおよびドーパミン)に対する作用を有する化合物および/または薬物(これには、抗鬱剤、抗不安薬、抗痙攣薬、神経弛緩薬および非定形神経弛緩薬が含まれる)、ならびに興奮剤である。抗鬱剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)(SSRI)(フルオキセチン(Prozac);フルボキサミン(Luvox);パロキセチン(Paxil);セルタリン(Zoloft);シタロプラム(Celexa));三環系抗鬱剤(アミトリプチリン(Elavil);アミトリプチリン/クロルジアゼポキシド(Limbitrol);アモキサピン(Asendin);クロミプラミン(Anafranil);デシプラミン(Norpramin);ドキセピン(Sinequan);イミプラミン(Tofranil);ノルトリプチリン(Avenytl、Pamelor);プロトリプチリン(Vivactil);トリミプラミン(Surmontil));MAO阻害剤(モクロベミド(Aurorex);フェネルジン(Nardil);硫酸トラニルシプロミン(Parnate));ブプロピオン(Buproprion);リチウム(Lithium);ミルタザピン(Mirtazapine);ネファゾドン(Nefazodone)(Serzone);レボキセチン(Reboxetine)(Edronax);ベンラファキシン(Venlafaxine)(エフェクサー(Effexor)、エフェクサーXR(Effexor XR));および「天然の」抗鬱薬(例えば、セント・ジョーンズ・ワート)。抗不安薬としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルプラゾラム(Xanax);クロルジアゼポキシド(Librium);クロナゼパム(Klonopin);クロラゼプ酸(Tranxene);ジアゼパム(Valium);ロラゼパム(Ativan);オキサゼパム(Serax);およびプラゼパム(Centrax)。抗痙攣剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:カルバマゼピン(Tegretol);クロナゼパム(Klonopin);エトスクシミド(Zarontin);エトトイン(Peganone);ホスフェニトイン(Cerebyx);ガバペンチン(Neurontin);ラモトリギン(Lamictal);メフェニトイン(Mesantoin);フェノバルビタール(Luminol、Solfoton);フェニトイン(Dilantin);プリミドン(Mysoline);トピラマート(Toiramate)(Topamax);バルプロ酸(Depakene);ジバルプロエクスナトリウム(Depakote、Depakote Sprinkles);およびガバペンチン(Gabapentin)(Neurontin)。興奮剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:硫酸デキストロアンフェタミン(Das、Dexampex、Dexedrine、Dexedrine Spansules、Dextrostat、Ferndex、Oxydess);デキストロアンフェタミン/アンフェタミン(Adderall);メタンフェタミン(MTH);塩酸メチルフェニデート(Ritalin);およびペモリン(Cyclert);およびフェニルプロパノールアミン(PPA)。非定形の神経弛緩薬としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:クロザピン(Clozaril);オランザピン(Zyprexa);リスペリドン(Risperdal);クエチアピン(Seroquel);およびジプラシドン(Zeldox)。
【0182】
本発明の化合物は、1つまたは複数のミネラル(例えば、鉄、カルシウム、カリウム、亜鉛、マンガン、リン、クロム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、スズ、ニッケル、硫黄、セレニウム、銅、コバルト、塩素、フッ素、およびヨウ素であるが、これらに限定されない)と組み合わせて投与することができる。ミネラルは、多量が投与される場合も、また微量が投与される場合もある。本発明の化合物は、1つの処方物中で、または別の処方物中でミネラルとともに投与することができる。
【0183】
さらに別の活性薬剤が本発明の化合物と組み合わせて使用される場合には、そのさらに別の活性薬剤は、一般的には、Physicians’ Desk Reference(PDR)第53版(1999)に示されているような治療量で、または当業者に公知であろう治療上有用な量で使用され得る。
【0184】
本発明の化合物および他の治療活性薬剤は、推奨される最大臨床投与量またはそれよりも少ない用量で投与することができる。本発明の組成物中の活性化合物の投与量レベルは、投与経路、疾患の重症度、および患者の応答に応じて、所望される治療応答が得られるように変えることができる。他の治療剤と組み合わせて投与される場合には、上記治療剤は、同時もしくは異なるタイミングで与えられる別々の組成物として処方することができ、また、それらの治療剤は単一の組成物として与えることもできる。
【0185】
本発明は、以下の非限定的な実施例によりさらに理解されるであろう。
【実施例】
【0186】
(自閉症患者由来のヒト皮膚線維芽細胞中での本発明の化合物のスクリーニング)
スクリーニングを、ASDの改善に有効な化合物を同定するために行った。試験試料と溶媒対照を、L−ブチオニン−(S,R)−スルホキシミン(BSO)の添加によりストレスをかけたASD線維芽細胞をレスキュー(rescue)するそれらの能力について試験した。
【0187】
MEM(アミノ酸およびビタミンを富化させた培地、カタログ番号Gibco 11965)およびウシ胎児血清は、Invitrogenから入手した。塩基性線維芽細胞増殖因子と上皮成長因子は、PeproTechから購入した。ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン混合物、L−ブチオニン(S,R)−スルホキシミン、およびウシの膵臓由来のインシュリンは、Sigmaから購入した。カルセインAMは、Molecular Probesから購入した。細胞培養培地(ATP)は、75mlのウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、10ng/mlのEGF、および10ng/mlのbFGFを混合することによって作製した。MEM EBSを添加して、500mlの容量とした。10mMのBSO溶液は、444mgのBSOを200mlの培地中に溶解させ、続いて濾過滅菌することによって調製した。実験の過程の間は、この溶液は+4℃で保存した。細胞は、J.M.Shoffner博士(Medical Neurogenetics、アトランタ、GA)から入手し、10cmの組織培養プレートの中で増殖させた。1週間に1回、これらを1:3の割合で分割した。
【0188】
試料を、1.5mlのガラスバイアルの中に入れた。化合物を、DMSO、エタノール、またはPBSで希釈して、5mMのストック溶液とした。溶解したら、これらは−20℃で保存した。
【0189】
試料を以下のプロトコールにしたがってスクリーニングした:
ASD線維芽細胞を含む培養を、液体窒素の中で保存したおよそ500,000個の細胞を含む1mlのバイアルから開始した。細胞を、9枚のプレートが得られるまで、1週間に1回、1:3の割合で分割することによって10cmの細胞培養皿の中で増殖させた。コンフルエントに達したら、線維芽細胞を収菌した。54枚のマイクロタイタープレート(96ウェル−MTP)について、全部で1430万個の細胞(8代継代)を480mlの培地中に再懸濁した。これは、3,000細胞/ウェルの100μlの培地に相当する。残りの細胞を増殖のために、10cmの細胞培養プレート(500,000細胞/プレート)に広げた。これらのプレートを、大気圧で37℃で、95%の湿度および5%のCOで一晩インキュベートして、培養プレートに細胞を付着させた。
【0190】
MTP培地(243μl)を、マイクロタイタープレートのウェルに添加した。試験化合物は凍らせず、7.5μlの5mMストック溶液を、243μlの培地を含有するウェルの中に溶解させて、150μMのマスター溶液を得た。このマスター溶液から段階希釈物を作った。1つ1つの希釈工程の間の時間は可能な限り短く保った(通常は1秒未満)。
【0191】
プレートを細胞培養インキュベーターの中で一晩維持した。翌日、10μlの10mMのBSO溶液をウェルに添加して、1mMの最終BSO濃度とした。48時間後、3枚のプレートを位相差顕微鏡下で試験して、0%の対照(ウェルE1−H1)の中の細胞が明らかに死滅していたことを確認した。全てのプレートから培地を捨て、残っている液体を、ペーパータオル上に裏返して置いたプレートを軽くタッピングすることによって取り除いた。
【0192】
次いで、1.2μMのカルセインAMを含有している100μlのPBSを各ウェルに添加した。これらのプレートを室温で50〜70分間インキュベートした。その後、PBSを捨て、プレートをペーパータオル上で軽くタッピングし、そして蛍光(それぞれ、485nmおよび525nmの励起/放射波長)をGemini蛍光リーダー上で読み取った。データをMicrosoft Excel(EXCELは、表計算プログラムについてのMicrosoft社の登録商標である)に取り込み、これを使用して各化合物についてのEC50濃度を計算した。
【0193】
これらの化合物を3回試験した。すなわち、実験は3回行い、繰り返しごとに細胞の継代回数は1増える。
【0194】
溶媒(DMSO、エタノール、PBS)はいずれも、BSOで処理しなかった細胞の生存性に対して決定的な影響がなかっただけではなく、試験した最も高い濃度(1%)でも、BSOで処理した線維芽細胞に対する有益な効果を有していなかった。いずれの化合物も、自己蛍光を示さなかった。BSOで処理しなかった線維芽細胞の生存性を100%とし、BSOで処理した細胞と化合物で処理した細胞の生存性を、この値と比較して計算した。
【0195】
2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、および2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、および2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンのような本発明の特定の化合物はASDに対する防御を示し、約150nM未満のEC50を有していた。
【0196】
一般的には、本出願で使用した命名は、CambridgeSoft社(ケンブリッジ、Mass.)による一連のプログラムであるChemOffice.RTM.バージョン11.0中の命名用のパッケージ(naming package)を活用して行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための組成物であって、式I、式II、式III、式IV、式V、もしくは式VIの1つまたは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化32】

[式中、
点線で示した結合は、全て単結合であるか、または全て二重結合である;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物を含有する、組成物。
【請求項2】
式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化33】

または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が以下から選択される、請求項2に記載の組成物:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);2−((3R,6E,10E)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10−ジエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib−R);2−((3S,6E,10E)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10−ジエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib−S);2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);2−((3R,7R,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−RRR);2−((3S,7R,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−SRR);2−((3R,7S,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−RSR);2−((3R,7R,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−RRS);2−((3S,7S,11R)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−SSR);2−((3S,7R,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−SRS);2−((3R,7S,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−RSS);2−((3S,7S,11S)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic−SSS);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);2,3,5−トリメチル−6−((3R,7R,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−RRR);2,3,5−トリメチル−6−((3S,7R,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−SRR);2,3,5−トリメチル−6−((3R,7S,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−RSR);2,3,5−トリメチル−6−((3R,7R,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−RRS);2,3,5−トリメチル−6−((3S,7S,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−SSR);2,3,5−トリメチル−6−((3S,7R,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−SRS);2,3,5−トリメチル−6−((3R,7S,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−RSS);2,3,5−トリメチル−6−((3S,7S,11S)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc−SSS);または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項4】
前記組成物が、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)を処置もしくは抑制するための組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、自閉症スペクトル障害(ASD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)を処置もしくは抑制するための組成物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記化合物が以下から選択される、請求項4に記載の組成物:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項7】
前記組成物が、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための組成物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記化合物が以下から選択される、請求項8に記載の組成物:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項10】
以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIa、式Ib、式Ib−R、式Ib−S、式Ic、式Ic−RRR、式Ic−SRR、式Ic−RSR、式Ic−RRS、式Ic−SSR、式Ic−SRS、式Ic−RSS、式Ic−SSS、式IIIb、式IIIc、式IIIc−RRR、式IIIc−SRR、式IIIc−RSR、式IIIc−RRS、式IIIc−SSR、式IIIc−SRS、式IIIc−RSS、式IIIc−SSS、式Id、式IId、式IIId、もしくは式IVdのうちの1つまたは複数の化合物と、生理学的または栄養学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、緩衝剤、および希釈剤からなる群の少なくとも1種との組成物を含有する、医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメント。
【請求項11】
前記化合物が以下から選択される、請求項10に記載の医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメント:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項12】
自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制するための、請求項10に記載の医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメント。
【請求項13】
注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項10に記載の医療用食品、機能性食品、栄養補助食品、またはサプリメント。
【請求項14】
治療有効量あるいは生理学的有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VIの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化34】

[式中、
点線で示した結合は、全て単結合であるか、または全て二重結合である;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物を投与することによる、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するか、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制する方法。
【請求項15】
治療有効量あるいは生理学的有効量の式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化35】

または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物を投与することを含む、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置または抑制するための、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
投与される化合物が以下から選択される、以下の処置が必要な患者において、広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための請求項15に記載の方法:2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項17】
前記広汎性発達障害(PDD)が自閉症スペクトル障害(ASD)である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記広汎性発達障害(PDD)が自閉症スペクトル障害(ASD)である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記広汎性発達障害(PDD)が自閉症スペクトル障害(ASD)である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記障害が注意欠陥/多動性障害(ADHD)である、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記障害が注意欠陥/多動性障害(ADHD)である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記障害が注意欠陥/多動性障害(ADHD)である、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
式I、式II、式III、式IV、式V、式VIの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化36】

【化37】

[式中、
点線で示した結合は、全て単結合であるか、または全て二重結合である;
、R、およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、およびCNから選択される];
または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための使用。
【請求項24】
式Ia、式IIa、式IIIa、式IVa、式Va、式VIaの1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物:
【化38】

【化39】

または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ib);Ib−R;Ib−S;2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(Ic);Ic−RRR;Ic−SRR;Ic−RSR;Ic−RRS;Ic−SSR;Ic−SRS;Ic−RSS;Ic−SSS;2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,6,10,14−テトラエニル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(III−b);2,3,5−トリメチル−6−(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(IIIc);IIIc−RRR;IIIc−SRR;IIIc−RSR;IIIc−RRS;IIIc−SSR;IIIc−SRS;IIIc−RSS;IIIc−SSS;または2,3,5−トリメチル−6−ノニルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン、または、それらの立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、もしくは水和物から選択される1つまたは複数の化合物の、以下の処置が必要な患者において広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、あるいは広汎性発達障害(PDD)または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制するための、請求項23に記載の使用。
【請求項27】
自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制するための、請求項24に記載の使用。
【請求項28】
自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)と関係がある症候を軽減するため、または自閉症スペクトル障害(ASD)から選択された広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制するための、請求項25に記載の使用。
【請求項29】
注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項23に記載の使用。
【請求項30】
注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項24に記載の使用。
【請求項31】
注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関係がある症候を軽減するため、または注意欠陥/多動性障害(ADHD)を処置もしくは抑制するための、請求項25に記載の使用。

【公表番号】特表2012−502064(P2012−502064A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526277(P2011−526277)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/056254
【国際公開番号】WO2010/030607
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(507393285)エジソン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】