説明

酸化防止剤ベースの保護システムを有するコンポジット粒子およびそれを含む局所組成物

本発明はコンポジット粒子の分散物を含む局所組成物に関する。それぞれのかかるコンポジット粒子はポリマーシェルの中にカプセル化されるか、あるいは取り込まれる1種以上のコア粒子を含む。少なくとも一部のコア粒子は反応性酸素種(ROS)の発生を引き起こすことができる材料から形成される。さらに、それぞれのコンポジット粒子は、(1)コア粒子の近くで発生するROSをクエンチまたは捕捉するための、コア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化されるか、あるいは取り込まれる第1酸化防止剤、および(2)皮膚への酸化的損傷(例えば、脂質過酸化反応)を防止または減少させるための、ポリマーシェルを被覆する、第2酸化防止剤を含む。したがって、本発明の粒子分散物は酸化的分解または減成の影響を受け易い有機日焼け防止剤とともに局所日焼け防止組成物へと容易に製剤化し、UV光曝露により引き起こされる皮膚の損傷に対する改善された保護を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線(UV)光曝露または他の環境要因により引き起こされる酸化的ストレスに対する皮膚の保護を改善するための、独特な酸化防止剤ベースの保護システムを有するコンポジット粒子を含む局所組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
反応性酸素種(ROS)(例えば酸素イオン、フリーラジカルおよび(無機または有機)過酸化物)は生きている細胞による酸素の正常な代謝の副生成物である。一方で、ROSはセルシグナリング(レドックスシグナリングと呼ばれるプロセス)において重要な役割を果たし、さらに、免疫システムにも使用され、病原体を攻撃し、殺し、それによりかかる病原体による侵入に対し生きている細胞を保護する。他方、反応性酸素種は、タイムリーに減少されず、または除去されない場合には、タンパク質、脂質およびDNAを含む、生きている細胞の全成分に多大な損傷を引き起こし得る。したがって、正常な細胞恒常性を維持するため、ROSの産生と消費のバランスの均衡を取らなければならない。生きている細胞により産生される種々の酵素(例えばスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼ)は細胞酸化防止剤の役割を果たし、過剰な反応性酸素種を除去する。その結果として、反応性酸素種は正常な生きている細胞中に低いレベルでのみ存在し、それらにより引き起こされる損傷は種々の細胞修復メカニズムにより絶えず修復される。しかし、環境ストレスの場合、ROSレベルは劇的に増加する可能性があり、そのことは生物系によるROS産生と、反応性中間体を解毒し、または結果として生じる損傷を修復する生物系の能力の間の均衡を失することにつながり得る。これが積もり積もって、通常「酸化的ストレス」と呼ばれる状態になる。酸化的ストレスは多くの疾患(例えばアテローム性動脈硬化、パーキンソン病およびアルツハイマー病)に関与する。さらに、酸化的ストレスは老化過程の主要な原因であるとも考えられている。
【0003】
皮膚は種々の環境的攻撃に直接的に曝露されるので、ROSが特に形成され易い器官である。蓄積された酸化的ストレスの影響下における時間の経過とともに、皮膚は種々の老化の兆候(例えば角質層の薄層化、堅さと弾力性の損失、過度の乾燥ならびにファインラインおよびしわの出現)を示し始める。
【0004】
したがって、過剰なROSを捕捉し、酸化的ストレスの悪影響に対して皮膚を保護する強い酸化防止活性を有する局所組成物を提供することが望ましい。
【0005】
通常、化粧品組成物に使用される粒子(例えば、酸化鉄、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)はROSの発生を引き起こし、皮膚に対する酸化的ストレスを引き起こす可能性があるだけでなく、化粧品組成物中の他の成分(ingredient)または構成要素(component)と干渉し得ることが知られている。例えば、多くの有機染料/着色剤(colorant)、有機日焼け防止剤およびその他の有機化粧品成分は酸化的分解または減成を起こし易いことが知られている。その結果として、かかる有機化粧品成分とROSを放出する粒子との組み合わせの使用はかかる有機化粧品成分のin situでの分解または減成につながり、化粧品組成物の全体の性能および安定性に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ROSを放出する粒子を処理し、または変性して、かかる粒子が皮膚に影響を与え得る潜在的ないかなる酸化的ストレスも除去し、または減少させ、かつかかる粒子がその他の化粧品成分の分解または減成を引き起こすのを防止することの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は単独でまたは紫外線(UV)光もしくは他の環境要因へ曝露された際に、反応性酸素種(ROS)の発生を引き起こすことができる1種以上のコア粒子を含み、このコア粒子が独特な酸化防止剤ベースの保護システムと一緒にポリマーシェルの中にカプセル化されている、コンポジット粒子を提供する。かかる酸化防止剤ベースの保護システムはROSを放出するコア粒子が皮膚に及ぼし得る潜在的な酸化的ストレスを除去し、または減少させ、かつ、かかるコア粒子がその他の化粧品成分の分解または減成を引き起こすのを防止する働きをし、かつ、周囲環境中の過剰なROSを捕捉することもでき、それによって、酸化的ストレスの潜在的な悪影響から皮膚を保護することができる。
【0008】
1つの態様において、本発明は化粧品上または医薬品上許容できる媒体中のコンポジット粒子の分散物を含む局所組成物であって、前記コンポジット粒子のそれぞれは、ポリマーシェルの中にカプセル化された1種以上のコア粒子(少なくとも一部のコア粒子はROSの発生を引き起こすことができる材料を含む)を含み、ROSをクエンチまたは捕捉できる第1酸化防止剤をコア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化するか、あるいは取り込み、かつ、皮膚への酸化的損傷を防止または減少させることができる第2酸化防止剤をポリマーシェルに被覆する、前記局所組成物に関する。
【0009】
別の態様において、本発明はポリマーシェルの中にカプセル化された1種以上のコア粒子(少なくとも一部のコア粒子がROSの発生を引き起こすことができる材料を含む)を含むコンポジット粒子であって、ROSをクエンチまたは捕捉できる第1酸化防止剤をコア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化するか、あるいは取り込み、かつ、皮膚への酸化的損傷を防止または減少させることができる第2酸化防止剤をポリマーシェルに被覆する前記コンポジット粒子に関する。
【0010】
本発明のその他の態様および目的は以下の記載、実施例および特許請求の範囲からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の1つの実施形態によるコンポジット粒子の例の断面図である。
【図2】図2は本発明の別の実施形態によるコンポジット粒子の別の例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
2つの異なる位置に配置された2種の異なる酸化防止剤を含む独特な保護システムを利用することによる本発明のコンポジット粒子はコア粒子により引き起こされる反応性酸素種(ROS)の発生を著しく減少させるか、あるいは完全に除去することができ、同時に、酸化的損傷に対する皮膚の保護を改善することができる。
【0013】
ROSの発生を引き起こすことができる任意の無機または有機固体粒子をコア粒子として使用して、本発明のコンポジット粒子を形成することができる。例えば、コア粒子は特定の金属酸化物(例えば酸化鉄、酸化亜鉛および二酸化チタン)から形成されることができる。さらに具体的には、本発明のコア粒子は二酸化チタンまたは酸化亜鉛を含むことができる。酸化亜鉛および二酸化チタン粒子は光防護性を有することが知られており、特に、日焼け防止組成物に望ましい成分である。しかし、その「裸の」または未処理の状態における酸化亜鉛および二酸化チタン粒子は紫外線(UV)光に曝露されると、ROSの発生を引き起こし、その結果、皮膚に対する酸化的ストレスおよび周囲環境中のその他の有機化粧品成分(例えば有機染料または有機日焼け防止剤等)の酸化的分解または減成につながることも知られている。したがって、前記の欠点を克服するために、酸化亜鉛および二酸化チタン粒子を処理または変性することが重要である。本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の組成物粒子中の一部のコア粒子は二酸化チタンを含み、その他の粒子は酸化亜鉛を含む。本発明に使用されるコア粒子は、ROSを発生させる、またはROSの発生を引き起こすことができる有機化粧品成分(例えば不飽和脂質、有機染料または着色剤、有機日焼け防止剤、香料化合物、精油等)から形成されることもできる。
【0014】
本発明に使用されるコア粒子は任意の規則的なまたは不規則的な形状(例えば球状、立方体状、円筒状、平面状、繊維状等)であることができる。本発明で使用されるコア粒子の平均粒径は約0.001ミクロン〜75ミクロンの範囲であることができる。好ましくは、必須ではないが、粒子は約1ミクロン未満であり、さらに好ましくは約0.001ミクロン〜約0.1ミクロン、最も好ましくは約0.01ミクロン〜約0.05ミクロンの範囲である。
【0015】
前記のように、本発明のコア粒子はポリマーシェルの内側にカプセル化されるか、あるいは取り込まれる(entrapped)。本発明のポリマーシェルは任意の好適な合成または天然ポリマーを含むことができる。好ましくは、必須ではないが、本発明に使用されるポリマーシェルは、1種以上のエチレン性不飽和モノマーの重合により、エチレン性不飽和モノマーのホモポリマーもしくはコポリマー、またはエチレン性不飽和モノマーおよび1種以上の有機基(group)のコポリマーを形成することで得られる少なくとも1種の合成ポリマーを含む。本発明の実施に好適であり得るエチレン性不飽和モノマーの例は、例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸およびその対応するC1-C20脂肪族または芳香族エステル、メタクリル酸およびその対応するC1-C20脂肪族または芳香族エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン、アルケン(例えばスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、メチルペンテン、1,3-ブタジエン)等を含む。本発明のポリマーシェルは好適な合成ポリマー、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリケトン、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリ乳酸、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレートならびに上記のポリマーのコポリマーから形成することもできる。
【0016】
本発明の特に好ましい実施形態において、コア粒子はつぶれた(collapsed)ポリマーシェル中に取り込まれる。該ポリマーシェルは、その中に膨張性(expandable)流体がカプセル化された変形可能なポリマーシェルを有する中空ミクロスフェアから形成される。具体的には、かかる中空ミクロスフェアを取り込まれるコア粒子および極性有機溶媒と混合する。極性有機溶媒は中空ミクロスフェアの変形可能なポリマーシェルを溶解することなく膨潤させ、その結果膨潤したポリマーシェル中に多数のマイクロチャンネル(microchannel)が形成され、それによりコア粒子は中空ミクロスフェアへ入ることができ、膨張性流体はそこから出ることが可能になる。対応して形成されるのは、それぞれが1種以上のコア粒子を中に取り込んだつぶれたポリマーシェルを含むミクロスフェアである。かかるミクロスフェアの形成における取り込み方法および使用される材料は、同時係属中の米国特許出願第12/138,742号(出願日2008年6月13日、「COMPOSITIONS COMPRISING SOLID PARTICLES ENTRAPPED IN COLLAPSED POLYMERIC MICROSPHERES, AND METHODS OF MAKING THE SAME」)に、より詳細に記載され、その全体は参照により本明細書中に組み込まれる。
【0017】
コア粒子により放出される反応性酸素種(ROS)を効果的に減少させる、または除去するために、第1酸化防止剤(ROS捕捉剤)をコア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化するか、または取り込む。このようにして、第1酸化防止剤はコア粒子に近接して局在化または固定化されるようになり、したがって、コア粒子の近くで発生したROSを著しく改善された有効性でクエンチまたは捕捉できる。
【0018】
任意の好適なROS捕捉剤を本発明の第1酸化防止剤として使用でき、これには一重項酸素捕捉剤、スーパーオキシド捕捉剤、ヒドロキシルラジカル捕捉剤またはその混合物もしくは組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、第1酸化防止剤は以下の広範な類から選択できる:(A)トコフェロール(例えばビタミンE)、トコトリエノールおよびその誘導体(例えば酢酸エステルおよびコハク酸エステル);(B)カロテノイド、例えばα-カロテン、β-カロテン(ビタミンAとしても知られる)、γ-カロテン、リコピン、ルテイン、β-クリプトキサンチン、ゼアキサンチンおよびアスタキサンチン;(C)ミネラル、例えば亜鉛、セレンおよびマグネシウム、(さらに、セレン含有化合物にはセレノタンパク質も含まれる);(D)ポリフェノール、例えばフラボノイド、フェノール酸および非酸性フェノール化合物、例えばエラジタンニン、ガロタンニンおよび縮合タンニン;(E)リポ酸、例えばα-リポ酸およびジヒドロリポ酸;(F)遷移金属イオン結合タンパク質、例えばセルロプラスミン、ラクトフェリンおよびトランスフェリン;(G)メラトニン;(H)ホルモンおよびホルモン関連化合物、例えばエストロゲン、チロキシンおよびデヒドロエピアンドロステロン;(I)ポリアミン、例えばカダベリン、プトレッシン、スペルミジンおよびスペルミン;(J)タモキシフェンおよびその代謝物、例えば4-ヒドロキシタモキシフェン;(K)プロポフォール;(L)桂皮酸およびその誘導体;(M)クマリン;(N)スチルベン、例えばレスベラトロール;(O)タンパク質、例えばアルブミンおよびアミノ酸、例えばクレアチン。さらに、第1酸化防止剤として本発明のコンポジット粒子に使用できるその他の酸化防止剤はテルペノイド、有機硫黄化合物、インドール、リグナン、コエンザイムQ、尿酸、銅およびピクノジェノールを含む。
【0019】
さらに具体的には、本発明の第1酸化防止剤はアカシア・カテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール(bakuchiol)、バンブー(bamboo)抽出物、バンブー(bamboo)葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カテキン、クロロゲン酸、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール(cocoa polyphenol)、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン(diethylhexyl syringylidenel maloneate)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(EUK-134)、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル(hydroxy dimethoxybenzyl malonate)、ヒポクシスヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ペンタガロイルグルコース(PGG)、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、ケルセチン、ケルセチン水和物、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびその誘導体、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント(blackcurrent)抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート)抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド、トコフェロールおよびそのエステル、バニラ抽出物、クルミポリフェノールならびにその混合物または組み合わせからなる群から選択できる。前記酸化防止剤の中で、N-アセチルシステイン(NAC)、γ-オリザノールおよびテトラヒドロクルクミノイドが第1酸化防止剤として特に好ましく、さらにγ-オリザノールが最も好ましい。
【0020】
コア粒子の近くで発生したROSは、本発明のコンポジット粒子のポリマーシェルの内側の第1酸化防止剤により完全に除去されるか、あるいは著しく減少させることができるが、人間の皮膚は他の環境要因(例えば紫外線(UV)光、喫煙、強い化学薬品等)により引き起こされる酸化的ストレスの影響をいまだ受ける可能性があり、これらの要因は皮膚細胞中の脂質、タンパク質およびDNAに酸化的損傷をもたらす可能性がある。脂質は通常、かかる酸化的攻撃の最初のターゲットであり、したがって、脂質過酸化反応のレベルは通常、皮膚への酸化的損傷を示す生物学的マーカーとして使用される。「脂質過酸化反応」の用語は細胞損傷をもたらす、細胞外脂質または細胞膜内脂質の酸化的減成を示す。このプロセスは、例えば、フリーラジカル連鎖反応で進行することができ、ROSは最初に水素原子と反応し、脂肪酸ラジカルと水を形成し、その後、脂肪酸ラジカル(単独では安定でない)は速やかに酸素分子と反応し、ペルオキシ脂肪酸ラジカルを形成し、ペルオキシ脂肪酸ラジカル(単独では安定でない)はその後、別の遊離の脂肪酸と反応して別の脂肪酸ラジカルおよび過酸化水素を形成するか、あるいはそれ自身で反応して環状過酸化物を形成する。この連鎖反応は、脂肪酸ラジカルが互いに反応して非ラジカル種を生成するか、あるいは脂肪酸ラジカルが周辺環境中の酸化防止剤により除去されるまで、各サイクルで形成された新しい脂肪酸ラジカルを介して進行する。この連鎖反応が十分に速く終結しない場合には、細胞膜を著しく損傷させることにつながる可能性がある。第2の経路は内因性光増感剤による一重項酸素の発生を経るものであり、これにより過酸化脂質の形成を開始させることができる。さらに、酸化最終生成物は変異原性、または発癌性であり得る。例えば、最終生成物であるマロンジアルデヒドはDNAと反応し、それによってDNA損傷および変異につながり得る。
【0021】
前記の皮膚への酸化的損傷の前記悪影響に対し皮膚を保護するため、皮膚の脂質過酸化反応を含む、皮膚への酸化的損傷を防止または減少させることができる第2酸化防止剤が提供される。かかる第2酸化防止剤は、経時的に周辺環境へと放出されて酸化的ストレスに対抗し、かつ潜在的な酸化的損傷に対し皮膚を保護することができるように、本発明のコンポジット粒子のポリマーシェルをさらに被覆する。皮膚の脂質過酸化反応を含む、皮膚への酸化的損傷を防止する、または減少させることができる任意の好適な酸化防止剤を本発明の第2酸化防止剤として使用でき、それらは、パルミチン酸アルコルビル、ステアリン酸アルコルビル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カエサルピニア・パラエンシス(カエサルピニア・パラエンシス(Caesalpinia paraensis)抽出物、クロロゲン酸、ポリポジウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos)抽出物、アカシア・カテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル(2-CME)、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール(bakuchiol)、バンブー抽出物、バンブー葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カモミラ・レクティタ(Chamomilla recutita)(マトリカリア)花油、カテキン、クロロゲン酸、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンガル(diethylhexyl syringal malonate)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ガルシニア・マンゴスターナ(Garcinia mangostana)皮抽出物、グルコシルルチン、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル(hydroxy dimethoxybenzyl malonate)、ヒポクシス・ヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、ヘリアンサス・アナス(ヒマワリ)種子抽出物、甘草抽出物、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、ミモザテヌイフローラ(Mimosa tenuiflora)樹皮抽出物、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ニンフェア・アルバ(Nymphea alba)(スイレン)花抽出物、メマツヨイグサ(月見草)種子抽出物、オリザ・サティバ(Oryza sativa)(米)抽出物、ペンタガロイルグルコース(PGG)、ペリラ・オキモイデス(Perilla ocymoide)種子抽出物、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、ピンピネラ・アニスム(Pimpinella anisum)(アニス)果実抽出物、ピヌス・ピナステル(Pinus pinaster)(フレンチマリタイムパイン)樹皮抽出物、ソラリア・コリリホリア(Psoralea corylifolia)種子抽出物、プニカ・グラナツム(Punica granatum)(ザクロ)抽出物、ケルセチン、ケルセチン水和物、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびそのエステル、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント(blackcurrent))抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート(golden root))抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、ルチン水和物、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、アジ化ナトリウム、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophillus)酵素、トコフェロールおよびそのエステル、トコトリエノール、ユビキノン、バクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillis)(ビルベリー)抽出物、バニラ抽出物、クルミポリフェノール、ワサビ抽出物、キサントフィルならびにその混合物または組み合わせを含むが、これらに限定されない。前記酸化防止剤の中で、マレイン酸アスコルビルトコフェリル(「2-CMETM」の名でSenju Pharmaceutical Co.Ltd.(日本)から市販されている)が第2酸化防止剤として特に好ましい。
【0022】
前記第2酸化防止剤は、好ましくは化学または物理的結合によりポリマーシェルに結合する。例えば、第2酸化防止剤は、共有結合、水素結合またはファンデルワールス力によりポリマーシェルに結合することができる。または、第2酸化防止剤を最初にポリマー材料と混合し、その後ポリマーシェルに被覆して第2ポリマー層をその上に形成することができる。結合方法に関わらず、潜在的な酸化的損傷(例えば脂質過酸化反応)に対し皮膚を保護するため、第2酸化防止剤は皮膚への適用後にコンポジット粒子から速やかに脱離することができ、かつ周囲環境へと放出できることが好ましい。
【0023】
図1は本発明の1つの実施形態によるコンポジット粒子の例の概略断面図を示す。具体的には、コンポジット粒子10はポリマーシェル12を含み、ポリマーシェル12はその中に、ROSを放出することができるコア粒子14、およびコア粒子14により放出されるROSを捕捉または減少させることができる第1酸化防止剤16をカプセル化するか、または取り込んで含んでいる。皮膚の脂質過酸化反応を防止または減少させることができる第2酸化防止剤18はポリマーシェル12上に被覆されている。好ましくは、第2酸化防止剤18は共有結合、水素結合またはファンデルワールス力によりポリマーシェル12の外面に結合している。
【0024】
図2は本発明の別の実施形態によるコンポジット粒子の別の例の概略断面図を示す。具体的には、コンポジット粒子20はポリマーシェル22を含み、ポリマーシェル22はその中に、ROSを放出することができるコア粒子24、およびコア粒子24により放出されるROSを捕捉または減少させることができる第1酸化防止剤26をカプセル化するか、または取り込んで含んでいる。皮膚の脂質過酸化反応を防止または減少させることができる第2酸化防止剤28を含む第2ポリマー層27がポリマーシェル22上に被覆されている。第2ポリマー層27は任意の好適なポリマー材料から形成することができ、ポリマー材料はポリマーシェル22を形成するポリマー材料と同一または異なることができる。第2ポリマー層27を形成する好適な材料は塗膜形成材料(例えば天然または、エチレン性不飽和モノマー(アクリル酸、メタクリル酸もしくはそのC1-C10アルキルエステル、エチレン、プロピレンまたはビニルピロリドンを含む)からなる合成ホモポリマーもしくはコポリマー、シリコーンゴム(一般に、室温で約200,000〜10,000,000センチポアズの範囲の粘度を有するオルガノシロキサンである)、動物、植物、シリコーンまたはミネラルワックス、有機エステル、炭化水素油またはシリコーン樹脂(例えばトリメチルシロキシケイ酸またはポリメチルシルセスキオキサン)、セルロースポリマー、脂肪酸(例えば、室温で液体、固体または半固体であることができる、約6〜40個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸)、脂肪族アルコール(例えば、室温で液体、固体または半固体であることができる、6〜50個の炭素原子を有するアルコール)ならびに無機材料を含む。好ましくは、必須ではないが、塗膜形成材料はアルキルシリコーンポリマー、さらに具体的には脂肪族アルキルメチルシロキサン(例えばセチルジメチコーン、ステアリルジメチコーンもしくはベヘニルジメチコーン)または他の変性シロキサン、例えばポリオキシアルキレン化(alkylenated)シリコーン(一般にジメチコーンコポリオールと呼ばれる)またはセチルジメチコーンコポリオールを含む。例えば、ポリメチル水素シロキサン(Dow Corning Corporation(Midland, MI)からDow Corning(登録商標) MH 1107 fluidの商品名で市販されている)を本発明の塗膜形成材料として使用できる。このポリメチル水素シロキサン材料は無色のシリコーン液体であり、触媒(例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄、ジラウリン酸ジブチルスズおよびオクチル酸スズ)の存在下で熱的に硬化して架橋ジメチコーンからなる固体で液体不浸透性の膜を本発明のミクロスフェア上に形成することができる。別の例としては、Dow Corningより「BIO-PSA」の商品名で市販されているシリコーンコポリマー(シロキサン樹脂をジオルガノシロキサン(diorganosiloxane)と反応させることにより形成される)を本発明の塗膜形成材料として使用してポリマーシェル22の上に第2ポリマー層27を形成させることもできる。Dow Corningから市販されている種々の種類のBIO-PSA材料の中で、Dow Corning(登録商標)7-4404、7-4405および7-4411液体(ジメチルシロキサンで処理され、化粧品として許容される溶媒(例えばオクタメチルトリシロキサン、イソドデカンまたはデカメチルテトラシロキサン)に分散されたトリメチル化シリカを含む)が特に好ましい。
【0025】
前記の本発明のコンポジット粒子は約1〜約100ミクロン、さらに好ましくは約1〜50ミクロン、さらに好ましくは約1〜約15ミクロン、最も好ましくは約5〜約8ミクロン(Malvern Particle Size Analyzer(Malvern Instrument(Worcestershire, UK)から市販されている)により測定される)の範囲の平均粒径を有することができる。コア粒子は得られるコンポジット粒子の全重量の約5〜約90%、さらに好ましくは10%〜約75%、最も好ましくは約30%〜約60%の割合を占めることができる。ポリマーシェルは得られるコンポジット粒子の全重量の約5%〜約75%、さらに好ましくは約10%〜約60%、最も好ましくは約30%〜約50%の割合を占めることができる。第1酸化防止剤は得られるコンポジット粒子の全重量の約0.1%〜約30%、さらに好ましくは約0.2%〜約15%、最も好ましくは約1%〜約5%の割合を占めることができる。第2酸化防止剤は得られるコンポジット粒子の全重量の約0.1%〜約30%、さらに好ましくは約0.2%〜約15%、最も好ましくは約1%〜約5%の割合を占めることができる。図2の前記任意の第2ポリマー層は得られるコンポジット粒子の全重量の約1%〜約30%、さらに好ましくは約5%〜約20%、最も好ましくは約10%〜約15%の割合を占めることができる。
【0026】
本発明のコンポジット粒子は任意の医薬品上または化粧品上許容できる担体に直接加え、化粧品または局所組成物を形成することができる。本発明において、医薬品上または化粧品上許容できる担体は人間の皮膚と生物学的に適合し、かつ前記および/または後記活性成分を局所適用可能なクリーム、ゲル、エマルション、液体、懸濁液、粉末剤、ネイルコーティング、スキンオイルまたはローションに製剤化するのに使用することができる物質である。化粧品上許容できる担体がエマルションの形態である場合には、全組成物の約0.1〜99重量%、好ましくは約0.5〜95重量%、さらに好ましくは約1〜80重量%の水、および全組成物の約0.1〜99重量%、好ましくは約0.1〜80重量%、さらに好ましくは約0.5〜75重量%の油を含むことができる。組成物が無水である場合には、約0.1〜90重量%の油、および約0.1〜75重量%のその他の成分(例えば顔料、粉末剤、非水溶媒(例えばモノ、ジまたは多価アルコール等)を含むことができる。組成物が水性ゲル、溶液または懸濁液の形態である場合には、約0.1〜99重量%の水、および約0.1〜75重量%のその他の成分(例えば植物成分、非水溶媒等)を含むことができる。
【0027】
医薬品上または化粧品上許容できる担体は本発明の局所または化粧品組成物中に、局所または化粧品組成物の全重量に対して約0.1%〜約99.9%、好ましくは約5%〜約99.5%、さらに好ましくは約10%〜約99%、最も好ましくは約10%〜90%の範囲の量で存在することができる。
【0028】
局所または化粧品組成物は1種以上のスキンケア活性物質(active)(局所組成物の物理的または美的特徴を単に改善させるというよりむしろ、皮膚に利益をもたらす薬剤である)を含むことができる。存在する場合には、かかるスキンケア活性物質は全組成物の約0.01〜50重量%、好ましくは約0.05〜35重量%の範囲であることができる。本発明の局所または化粧品組成物に使用できるスキンケア添加剤の例は、化学的または物理的日焼け防止剤、セルフタンニング剤(例えばジヒドロキシアセトン)、抗座瘡剤(例えばレゾルシノール、サリチル酸、過酸化ベンゾイル等)、酵素阻害剤、コラーゲン生成促進剤(collagen-stimulating agent)、しみおよび角質繊維の根絶(eradication)用の薬剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗微生物剤(例えば、抗バクテリア剤、抗酵母剤、抗菌剤および抗ウィルス剤)、フケ防止剤、抗皮膚炎剤、抗掻痒剤、制吐剤、抗炎症剤、抗過角質溶解剤、制汗剤、抗乾癬剤、抗脂漏剤、抗ヒスタミン剤、皮膚美白剤、脱色剤、皮膚鎮痛(soothing)/治癒(healing)剤(例えば、アロエベラ抽出物、アラントイン等)、コルチコステロイド、ホルモン、タンパク質またはペプチド、ビタミンおよびその誘導体(例えば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB3、ビタミンB5等)、剥離剤(exfoliant)、レチノイド(例えば、レチノイン酸およびレチノール)、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン)、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロサイクリン、ミノサイクリン、ヒドロキノン、ナプロキセン、イブプロフェン、テオフィリン、クロモリン、アルブテロール、局所ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、21-酢酸ヒドロコルチゾン、17-吉草酸ヒドロコルチゾンおよび17-酪酸ヒドロコルチゾン)、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸(diproprionate)ベタメタゾン、過酸化ベンゾイル、クロタミトン、プロプラノロール、プロメタジンならびにその混合物または誘導体を含むが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態において、必須ではないが、局所組成物は日焼け防止剤、セルフタンニング剤、老化防止剤、抗しわ剤、抗座瘡剤、抗微生物剤、抗炎症剤、皮膚美白剤、タンパク質またはペプチド、ビタミンおよびその誘導体、剥離剤、DNA修復促進成分、免疫防御を提供する成分、細胞再生促進成分、皮膚膜修復促進成分、保湿剤(moisturizer)ならびにその混合物からなる群から選択される、1種以上のスキンケア活性物質を含む。
【0029】
本発明の特に好ましい実施形態において、局所または化粧品組成物は酸化亜鉛、二酸化チタンまたはその両方からなるコア粒子を含むコンポジット粒子を含む日焼け防止組成物である。前記のように、酸化亜鉛または二酸化チタン粒子は光防護性を有することが知られており、したがって、物理的日焼け防止剤として使用できるが、その光活性(すなわち、UV光に曝露されると反応性酸素種の発生を引き起こす傾向)により、酸化的分解または減成の影響を受け易いある種の有機化粧品成分またはスキンケア活性物質を劣化させたり、あるいはその他の意味で阻害する可能性があるので、局所または化粧品組成物における使用が制限される。本発明に記載される酸化亜鉛および/または二酸化チタン粒子の処理または変性により、UV曝露された際にかかる粒子の近くで発生する反応性酸素種は、かかる粒子の日焼け防止特性に悪影響を与えることなく、効果的に除去または減少される。
【0030】
したがって、酸化亜鉛および/または二酸化チタンを含む本発明のコンポジット粒子は酸化的分解または減成の影響を受け易いことが知られている有機化粧品成分またはスキンケア添加剤と共に容易に製剤化することができ、著しく改善された全体的安定性および延長された保存期間を有する安定な日焼け防止組成物を形成することができる。例えば、酸化亜鉛および/または二酸化チタンを含むコンポジット粒子は酸化的分解または減成の影響を受け易い1種以上の有機染料と共に製剤化して、日焼け防止性も有するカラー(color)化粧品組成物を形成することができる。別の例として、酸化亜鉛および/または二酸化チタンを含むコンポジット粒子は酸化的分解または減成の影響を受け易い1種以上の有機日焼け防止剤と共に製剤化することができ、それによって、高いSPF値(例えば、SPF30以上)により特徴付けられるだけでなく、驚くべきで、かつ予期せずに、全体的安定性を改善し、かつ保存期間を延長させた日焼け防止組成物を形成する。存在する場合には、かかる有機日焼け防止剤は全組成物の約0.1〜45重量%の範囲であることができる。
【0031】
本発明のTiO2および/またはZnO含有コンポジット粒子と組み合わせて使用することができる有機日焼け防止剤の例は、UVAおよびUVB日焼け防止剤、例えばベンゾフェノンおよびその誘導体(例えば、ベンゾフェノン-3、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、オクタベンゾン、ヒドロキシおよび/またはメトキシ置換ベンゾフェノンならびにベンゾフェノンスルホン酸およびその塩);サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチルおよびサリチル酸フェニル);ウロカニン酸およびその誘導体(例えば、ウロカニン酸エチル);p-アミノ安息香酸(PABA)およびその誘導体(例えば、そのエチル/イソブチル/グリセリルエステルおよびp-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル(ジメチルPABAオクチルとも呼ばれる);アントラニル酸エステルおよびその誘導体(例えば、o-アミノ安息香酸エステルおよび種々のアミノ安息香酸エステル);ベンザルマロネート(benzalmalonate)誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;ビスベンズアゾリル誘導体;ジベンゾイルメタンおよびその誘導体(例えば、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(通常「アボベンゾン(avobenzone)」と呼ばれる)および4-イソプロピル-ジベンゾイルメタン);ベンゾアゾール/ベンゾジアゾール/ベンゾトリアゾールおよびその誘導体(例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよびメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(通常「チノソーブ(Tinosorb)M」と呼ばれる);ジフェニルアクリル酸エステルおよびその誘導体(例えば、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(通常「オクトクリレン」と呼ばれる)および2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸エチル(通常「エトクリレン」と呼ばれる);ジフェニレンメチレンまたは9H-フルオレン置換基を含むジエステルまたはポリエステル;2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-スルホン酸(PBSA);4,4-ジアリールブタジエン;ケイ皮酸エステルおよびその誘導体(例えば、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、p-メトキシ桂皮酸オクチル、ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセトウンベリフェロン、エスクレチン、メチルエスクレチンおよびダフネチン);ショウノウ(camphor)およびその誘導体(例えば、3-ベンジリデンショウノウ、4-メチルベンジリデンショウノウ、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸およびテレフタリリデンジショウノウスルホン酸(通常「Encamsule」と呼ばれる);トリアジンおよびその誘導体(例えば、2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(通常「チノソーブ(Tinosorb)S」と呼ばれる);ナフタレートおよびその誘導体(例えば、ジエチルヘキシル-2,6-ナフタレート);ナフトールスルホン酸塩およびその誘導体(例えば、2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸および2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸のナトリウム塩);ジベンザルアセトンおよびベンザルアセトフェノン(benzalacetonephenone);ジフェニルブタジエンおよびその誘導体;ジヒドロキシナフトエ酸およびその塩;o-およびp-ヒドロキシビフェニルジスルホン酸塩(disulfonate);クマリン誘導体(例えば、その7-ヒドロキシ、7-メチルおよび3-フェニル誘導体);アゾール/ジアゾール/トリアゾールおよびその誘導体(例えば、2-アセチル-3-ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾールおよび種々のアリールベンゾトリアゾール);キニーネおよびその誘導体(例えば、その重硫酸、硫酸、塩化物、オレイン酸およびタンニン酸塩);キノリンおよびその誘導体(例えば、2-フェニルキノリンおよび8-ヒドロキシキノリン塩);タンニン酸およびその誘導体(例えば、そのヘキサエチルエーテル誘導体);ヒドロキノンおよびその誘導体;尿酸およびその誘導体;ビロウリック(vilouric)酸およびその誘導体ならびにその混合物または組み合わせを含むが、これらに限定されない。前記の特定の酸性日焼け防止剤の塩およびその他の中和された形態も本発明で有用である。これらの有機日焼け防止剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、その他の公知の、UV光吸収力を有する動物または植物抽出物を単独でまたは組み合わせて適切に使用できる。
【0032】
本発明の実施に特に有用な有機日焼け防止剤は、4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ビス-{4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、トリオレイン酸ジガロイル、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセロール、アンスラニル酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸またはアミノ安息香酸エステル、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、2-(p-ジメチルアミノフェニル)-5-スルホニオベンゾオキサゾン酸(sulfoniobenzoxazoic acid)ならびにその混合物または組み合わせである。好ましくは、4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンがTiO2含有コンポジット粒子もしくはZnO含有コンポジット粒子またはその両方と一緒に本発明の日焼け防止組成物に提供される。さらに、より好ましくは、本発明の日焼け防止組成物は前記のリストから選択される第2有機日焼け防止剤も含む。
【0033】
さらに、化粧品上許容できる担体はシリコーン、有機物(organic)またはその混合物であることができる1種以上の油を含むこともできる。存在する場合には、かかる油は全組成物の約0.1〜99重量%の範囲であることができ、揮発性または不揮発性シリコーン、例えばシクロメチコーン、メチルトリメチコーン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ジメチコーン、フェニルトリメチコーン、トリメチルシロキシフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーン、セチルジメチコーン、ジメチコーンコポリオール、セチルジメチコーンコポリオール、グリセロール化シリコーン、例えばラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコーンまたはその混合物を含むことができる。好適なエステルはC4-C30脂肪酸とC1-C20モノ、ジまたは多価アルコールのモノ、ジまたはトリエステル、例えばグリセリンの脂肪酸(例えば、ステアリル、ベヘニルおよびイソステアリル)エステル、またはα-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、リンゴ酸または乳酸)の脂肪酸エステル等を含む。好適な炭化水素はモノマーもしくはポリマーオレフィン、α-オレフィン(例えばポリイソブテン、ポリデセン、ポリブテン)またはその水素化誘導体を含む。
【0034】
さらに、化粧品上許容できる担体は1種以上の保湿剤を含むこともできる。存在する場合には、それらは全組成物の約0.1〜20重量%の範囲であることができ、C1-C4アルキレングリコール(例えばブチレン、プロピレン、エチレングリコール)、グリセリン等を含むことができる。
【0035】
さらに、化粧品上許容できる担体は、好ましくは約30〜150℃の範囲の融点を有する1種以上のワックスを含むこともできる。存在する場合には、かかるワックスは全組成物の約0.1〜45重量%の範囲であることができ、動物、植物、ミネラルまたはシリコーンワックスを含むことができる。例として、アルキルジメチコーン、ステアリルジメチコーン、キャンデリラ(candelilla)、ポリエチレン、オゾケライト、蜜ろうワックス等を含む。
【0036】
さらに、化粧品上許容できる担体は1種以上の乳化性または非乳化性のオルガノシロキサンエラストマーを含むこともできる。存在する場合には、かかるエラストマーは全組成物の約0.1〜30重量%の範囲であることができる。好適なエラストマーの例はジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーン/ジメチコーンPEG/PPG10/15クロスポリマー等を含む。
【0037】
さらに、化粧品上許容できる担体は1種以上の顔料もしくは粉末剤(powder)またはその混合物を含むこともできる。存在する場合には、かかる顔料または粉末剤の推奨される範囲は全組成物の約0.1〜85重量%である。かかる顔料または粉末剤の粒径は約0.05〜200ミクロンの範囲であることができるが、好ましくは約50〜100ミクロンである。顔料の例は有機顔料、例えばD&C、FD&C着色剤(color)もしくはそのレーキ(ブルー、ブラウン、レッド等を含む)、または無機酸化鉄(例えばブラウン、イエロー、グリーン、レッド酸化鉄)を含む。好適な粉末剤は二酸化チタン、ナイロン、PMMA、窒化ホウ素、雲母等を含む。
【0038】
さらに、化粧品上許容できる担体は(特に、本発明の局所または化粧品組成物がエマルションの形態で提供される場合には)、1種以上のノニオン性界面活性剤を含むこともできる。存在する場合には、かかる界面活性剤は全組成物の約0.1〜20重量%の範囲であることができる。好適な界面活性剤はエトキシ化C6-C30脂肪族アルコール、例えばステアレス(steareth)、ベヘネス(beheneth)、セテス(ceteth)(それぞれの界面活性剤の次に来る数字は繰り返しエチレンオキシド基の数を示し、2〜250の範囲であることができる)、例えばステアレス-2、ベヘネス-30等を含む。
【0039】
本発明は上記で、特定の実施形態、特徴および態様に関して記載されているが、本発明はそれらに限定されず、その他の修正、変形、適用および実施形態に有用に拡張することが認められ、したがって、かかるその他の全ての修正、変形、適用および実施形態は本発明の趣旨および範囲に含まれると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品上または医薬品上許容できる媒体中のコンポジット粒子の分散物を含む局所組成物であって、前記コンポジット粒子のそれぞれが、ポリマーシェルの中にカプセル化された1種以上のコア粒子を含み、少なくとも一部のコア粒子が反応性酸素種を放出することができる材料を含み、反応性酸素種をクエンチまたは捕捉できる第1酸化防止剤がコア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化されているか、または取り込まれており、皮膚への酸化的損傷を防止または減少させることができる第2酸化防止剤がポリマーシェルを覆って被覆されている前記組成物。
【請求項2】
少なくとも一部のコア粒子が金属酸化物を含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項3】
少なくとも一部のコア粒子がTiO2またはZnOを含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項4】
一部のコア粒子がTiO2を含み、その他がZnOを含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項5】
第1酸化防止剤が一重項酸素捕捉剤、スーパーオキシド捕捉剤、ヒドロキシルラジカル捕捉剤およびその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項6】
第1酸化防止剤がアカシア・カテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン類、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール(bakuchiol)、バンブー(bamboo)抽出物、バンブー(bamboo)葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カテキン類、クロロゲン酸類、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ類皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール類、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、没食子酸エピガロカテキン (EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(EUK-134)、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル、ヒポクシス・ヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ペンタガロイルグルコース(PGG)、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、プニカ・グラナツム(Punica granatum)(ザクロ)抽出物、ケルセチン、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびその誘導体、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント)抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート)抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド類、トコフェロールおよびそのエステル、バニラ抽出物、クルミポリフェノール類ならびにその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項7】
第1酸化防止剤がγ-オリザノールを含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項8】
第2酸化防止剤がパルミチン酸アルコルビル、ステアリン酸アルコルビル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カエサルピニア・パラエンシス(Caesalpinia paraensis)抽出物、クロロゲン酸、ポリポジウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos)抽出物、アカシア・カテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン類、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル(2-CME)、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール、バンブー抽出物、バンブー葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カモミラ・レクティタ(Chamomilla recutita)(マトリカリア)花油、カテキン類、クロロゲン酸類、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ類皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール類、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンガル(diethylhexyl syringal malonate)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ガルシニア・マンゴスターナ(Garcinia mangostana)皮抽出物、グルコシルルチン、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル、ヒポクシス・ヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、ヘリアンサス・アナス(ヒマワリ)種子抽出物、甘草抽出物、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、ミモザ・テヌイフローラ(Mimosa tenuiflora)樹皮抽出物、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ニンフェア・アルバ(Nymphea alba)(スイレン)花抽出物、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)(月見草)種子抽出物、オリザ・サティバ(Oryza sativa)(米)抽出物、ペンタガロイルグルコース(PGG)、ペリラ・オキモイデス(Perilla ocymoides)種子抽出物、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、ピンピネラ・アニスム(Pimpinella anisum)(アニス)果実抽出物、ピヌス・ピナステル(Pinus pinaster)(フレンチマリタイムパイン)樹皮抽出物、ソラリア・コリリホリア(Psoralea corylifolia)種子抽出物、プニカ・グラナツム(Punica granatum)(ザクロ)抽出物、ケルセチン、ケルセチン水和物、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびその誘導体、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント)抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート)抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、ルチン水和物、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、アジ化ナトリウム、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophillus)酵素、トコフェロールおよびそのエステル、トコトリエノール類、ユビキノン、バクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillis)(ビルベリー)抽出物、バニラ抽出物、クルミポリフェノール類、ワサビ抽出物、キサントフィルならびにその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項9】
第2酸化防止剤がマレイン酸アスコルビルトコフェリルを含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項10】
さらに、酸化的分解または減成の影響を受け易い少なくとも1種の有機化合物を含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項11】
有機化合物が酸化的分解または減成の影響を受け易い有機染料である、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項12】
有機化合物が酸化的分解または減成の影響を受け易い有機日焼け防止剤である、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項13】
ポリマーシェルの中にカプセル化された1種以上のコア粒子であって、少なくとも一部のコア粒子が酸素フリーラジカルを放出することができる材料を含む前記コア粒子を含むコンポジット粒子であって、反応性酸素種をクエンチまたは捕捉できる第1酸化防止剤がコア粒子と共にポリマーシェルの内側にカプセル化されているか、または取り込まれており、皮膚への酸化的損傷を防止または減少させることができる第2酸化防止剤がポリマーシェルを覆って被覆されている、前記コンポジット粒子。
【請求項14】
少なくとも一部のコア粒子が金属酸化物を含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項15】
少なくとも一部のコア粒子がTiO2またはZnOを含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項16】
一部のコア粒子がTiO2を含み、その他がZnOを含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項17】
第1酸化防止剤が一重項酸素捕捉剤、スーパーオキシド捕捉剤、ヒドロキシルラジカル捕捉剤およびその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項18】
第1酸化防止剤がアカシア・カテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン類、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール、バンブー抽出物、バンブー葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カテキン類、クロロゲン酸類、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ類皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール類、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(EUK-134)、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル、ヒポクシス・ヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ペンタガロイルグルコース(PGG)、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、プニカ・グラナツム(Punica granatum)(ザクロ)抽出物、ケルセチン、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびその誘導体、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント)抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート)抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド類、トコフェロールおよびそのエステル、バニラ抽出物、クルミポリフェノール類ならびにその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項19】
第1酸化防止剤がγ-オリザノールを含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項20】
第2酸化防止剤がパルミチン酸アルコルビル、ステアリン酸アルコルビル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カエサルピニア・パラエンシス(Caesalpinia paraensis)抽出物、クロロゲン酸類、ポリポジウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos)抽出物、アカシアカテキュー(Acacia catechu)樹皮抽出物、α-トコフェロール、アントシアニン類、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)葉抽出物、アロニア(チョークベリー)抽出物、アスコルビン酸およびそのエステル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル(2-CME)、アスパラトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis)(ルイボス)抽出物、バイカリン、バクチオール、バンブー抽出物、バンブー葉抽出物、ベンフォチアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)抽出物、カモミラ・レクティタ(Chamomilla recutita)(マトリカリア)花油、カテキン類、クロロゲン酸類、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(カラギーナン)抽出物、かんきつ類皮抽出物、ココア抽出物、ココアポリフェノール類、クランベリー抽出物、デカルボキシカルノシンHCl、マロン酸ジエチルヘキシルシリンガル、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、フェルラ酸、フェルラ酸一リン酸、フィクス・カリカ(Ficus carica)(イチジク)抽出物、γ-オリザノール、ガルシニア・マンゴスターナ(Garcinia mangostana)皮抽出物、グルコシルルチン、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮抽出物、4-ヒドロキシ-イソロイシン抽出物、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸およびそのリン酸エステル、マロン酸ヒドロキシジメトキシベンジル、ヒポクシス・ヘメロカリデア(Hypoxis hemerocallidea)(アフリカポテト)抽出物、イデベノン、ケンフェロール、キーウィー種子抽出物、コーラナッツ(コラノキ)粉末、L-エルゴチオネイン、L-ヒスチジン、ヘリアンサス・アナス(ヒマワリ)種子抽出物、甘草抽出物、リポ酸およびそのエステル、ライチ種子抽出物、L-2-オキソ-チアゾリジン(OTZ)、ルテイン、ルテオリン、グルコン酸マンガン、マンニトール、ミモザ・テヌイフローラ(Mimosa tenuiflora)樹皮抽出物、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)(ノニ)葉抽出物、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、ミリセチン、N-アセチルシステイン(NAC)、ニンフェア・アルバ(Nymphea alba)(スイレン)花抽出物、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)(月見草)種子抽出物、オリザ・サティバ(Oryza sativa)(米)抽出物、ペンタガロイルグルコース(PGG)、ペリラ・オキモイデス(Perilla ocymoides)種子抽出物、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)(インディアングーズベリー)抽出物、ピンピネラ・アニスム(Pimpinella anisum)(アニス)果実抽出物、ピヌス・ピナステル(Pinus pinaster)(フレンチマリタイムパイン)樹皮抽出物、ソラリア・コリリホリア(Psoralea corylifolia)種子抽出物、プニカ・グラナツム(Punica granatum)(ザクロ)抽出物、ケルセチン、ケルセチン水和物、クエルシトリン、赤ワイン抽出物、レスベラトロールおよびその誘導体、リベス・ニグラム(Ribes nigrum)(ブラックカラント)抽出物、ロディオラ・ロゼア(Rhodiola rosea)(ゴールデンルート)抽出物、ロサ・ルクスブルギー(Rosa roxburghii)(十六夜バラ)果実抽出物、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、ルチン、ルチン水和物、サリチル酸、サリチロイル環状リン酸エステル、アジ化ナトリウム、スクテラリア抽出物、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicaleszsis)根抽出物、シリンガ・ブルガリス(Siringa vulgaris)(ライラック)抽出物、ホウレンソウ抽出物、テトラヒドロクルクミノイド類、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophillus)酵素、トコフェロールおよびそのエステル、トコトリエノール類、ユビキノンン、バクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillis)(ビルベリー)抽出物、バニラ抽出物、クルミポリフェノール類、ワサビ抽出物、キサントフィルならびにその混合物または組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項21】
第2酸化防止剤がマレイン酸アスコルビルトコフェリルを含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項22】
さらに、酸化的分解または減成の影響を受け易い少なくとも1種の有機化合物を含む、請求項13に記載のコンポジット粒子。
【請求項23】
有機化合物が酸化的分解または減成の影響を受け易い有機染料である、請求項22に記載のコンポジット粒子。
【請求項24】
有機化合物が酸化的分解または減成の影響を受け易い有機日焼け防止剤である、請求項22に記載のコンポジット粒子。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−530603(P2011−530603A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523041(P2011−523041)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/052683
【国際公開番号】WO2010/019413
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】