酸化防止装置
【課題】酸化防止室内に陰電子を放出して酸化防止室内を陰電子で満たすことにより還元により酸化を防止する。
【解決手段】マイナス高電圧発生装置1で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置30に印加し、陰電子放出装置30から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、陰電子放出装置30が、導電性を有する導電性帯10と、導電性帯10の長手方向において導電性帯10の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯10に固定された複数の電子放出細毛11とからなる陰電子放出体3を有する。
【解決手段】マイナス高電圧発生装置1で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置30に印加し、陰電子放出装置30から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、陰電子放出装置30が、導電性を有する導電性帯10と、導電性帯10の長手方向において導電性帯10の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯10に固定された複数の電子放出細毛11とからなる陰電子放出体3を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化防止室内に陰電子を放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化防止室内の内在物の酸化を防止するようにした酸化防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品に陰電子を印加して食品の鮮度を保持するようにした鮮度保持装置としては特許文献1がある。特許文献1の鮮度保持装置は、冷蔵庫のように絶縁体および電気伝導性の悪い素材で包装された容器の内部に、棚状に形成した陰電子印加器を設置すると共に、交流電源(AC)に接続された電圧調整器としてのトランス及び高圧トランスからなる電源装置を容器の外部に設け、該電源装置の二次側を前記陰電子印加器に接続して1000〜30000Vの電圧をかけるようにし、陰電子印加器上に食品を置くことにより食品に陰電子を印加し、細菌の繁殖を抑制しながら鮮度の低下や変色の進行を防止するようにしたものである。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の鮮度保持装置では、容器が絶縁体および電気伝導性の悪い素材で包装されものを対象としており、このために適用できる容器が制限される問題がある。従って、例えば導電性材料にて形成された容器や酸化防止室等に適用する場合には、棚を形成している陰電子印加器のそれぞれを壁に対して絶縁して配置する必要があるため、装置が複雑で高価になる問題がある。又、陰電子印加器は放電板を誘電用絶縁板と絶縁受け台によって構成しているため、複雑な構成を有する上に、食品を受けるためには所要の強度が必要であり重量も大きくなって装置価格が増加するという問題がある。
【0004】
更に、電源装置が交流電源(AC)から電圧調整器としてのトランス及び高圧トランスを備えて高電圧を得るようにしているため、電源装置の構成が大型化する問題がある。このように電源装置が大型化すると、電源装置を容器の外部へ別置きする必要があるため、設置スペースの問題も生じる。従って、電源装置が大型でしかも重量が重い上に、交流電源(AC)を用いているために、コンテナ、自動車、船舶、航空機等の搬送手段に対しては適用が困難であるという問題がある。
【0005】
更に、電源装置に交流電源(AC)を用いているために、電源装置による電源を停止すると、その瞬間に陰電子と陽電子の作用によって食品に帯電された陰電子が消去されてしまう場合があり、従って電源の停止後は、通常の陰電子印加器を有しない場合と同様に短い期間で食品の鮮度が低下したり変色が進行するという問題がある。従って、特許文献1の場合には、電源を供給し続ける必要があるという問題がある。
【0006】
上記したように、棚状の陰電子印加器に交流電源による電源装置によって高電圧を印可するようにしたものにおいては種々の解決しなければならない課題が存在し、そのために普及され難いという問題を有していた。
【0007】
一方、庫内の気流に電子を付与してマイナスイオンを発生させるようにした冷蔵庫が特許文献2に示されている。特許文献2の冷蔵庫は、昇圧回路により直流高電圧を発生させる高電圧発生部と、昇圧回路の正の出力端子を接地すると共に、負の出力端子に接続された陰極をマイナスイオン発生部とするマイナスイオン発生装置を、冷蔵庫の気流と接触させることにより気流に電子を付与してマイナスイオン(O2^)を発生させ、これを貯蔵室内へ送給してマイナスイオンによる生菌作用によって食品の鮮度保持能力を向上させるようにしている。
【特許文献1】特開平10−304860号公報
【特許文献2】特開平08−145545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献2では、気流に電子を付与してマイナスイオン(O2^)を発生させ、このマイナスイオンによる生菌作用を利用するようにしたものであるため、気流が存在することが条件であり、従って気流のない場所へはマイナスイオンが行き届き難いという問題がある。
【0009】
又、特許文献2では、電極として電極基盤表面にタングステン製の針状電極を多数本植設したものを用いているが、このような従来から一般に用いられている針状電極では大量の電子を放出することができず、そのために酸化防止室内を高濃度の電子で満たすようなことはできない。
【0010】
従って、特許文献2は、比較的低い濃度の電子を気流に付与してマイナスイオン(O2^)を発生させて、空中浮遊菌及び食品表面の付着菌の増殖を抑制するようにしたものであり、酸化防止室を高濃度の電子で満たして還元雰囲気を形成するようにしたものではないため、鮮度保持の効果があまり期待できない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、酸化防止室内に陰電子を放出して酸化防止室内を陰電子で満たすことにより還元により酸化防止室内の内在物の酸化を防止するようにした酸化防止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置に印加し、陰電子放出装置から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、
前記陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有することを特徴とする酸化防止装置、に係るものである。
【0013】
上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛の直径が0.1μm〜20μmであることは好ましい。
【0014】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はN型半導体細毛であってもよい。
【0015】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はカーボン系細毛であってもよい。
【0016】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は銀イオン系細毛であってもよい。
【0017】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はチタン系細毛であってもよい。
【0018】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は酸化アルミ系細毛であってもよい。
【0019】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はプラチナイオン系細毛であってもよい。
【0020】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は銅イオン系細毛であってもよい。
【0021】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は金イオン系細毛であってもよい。
【0022】
又、上記酸化防止装置において、前記導電性帯はアルミ箔であってもよい。
【0023】
又、上記酸化防止装置において、前記導電性帯は銅箔であってもよい。
【0024】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が導電性帯に導電性接着剤で固定されていてもよい。
【0025】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が折曲げられた導電性帯の圧着によって固定されていてもよい。
【0026】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を接着面により取り付ける立上り部とを有する非導電性の取付具を備えていてもよい。
【0027】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を挾持した状態に取り付ける挾持部とを有する非導電性の取付具を備えていてもよい。
【0028】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子を有することは好ましい。
【0029】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置の電源は、電池であってもよい。
【0030】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置は、タイマーを有していてもよい。
【0031】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は生鮮食品の貯蔵庫であってもよい。
【0032】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は加工食品の貯蔵庫であってもよい。
【0033】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は植物の貯蔵庫であってもよい。
【0034】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は種苗の貯蔵庫であってもよい。
【0035】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は冷蔵庫であってもよい。
【0036】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室はコンテナであってもよい。
【0037】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は人の居住室であってもよい。
【0038】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は動物の居住室であってもよい。
【0039】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は船室であってもよい。
【0040】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は飛行機室であってもよい。
【0041】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は自動車室であってもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明の請求項1〜30に記載の酸化防止装置によれば、マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を印加して陰電子を放出するようにした陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有するので、電子放出細毛からは多量の陰電子が放出されて、酸化防止室内を高濃度の陰電子で満たすことができ、よって酸化防止室内のあらゆる内在物が陰電子により高い静電圧に帯電され還元作用によって酸化が効果的に防止されるという優れた効果を奏し得る。
【0043】
前記陰電子放出体が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる簡単な構成によって多量の陰電子を放出できる効果がある。
【0044】
前記陰電子放出装置は、陰電子放出体が容易に取り付けられる非導電性の取付具を有しているので、取付具を介して陰電子放出体を被固定部材の任意の場所に容易に取り付けることができ、又、導電性を有する酸化防止室の壁等にも陰電子放出体を容易に取り付けられる効果がある。
【0045】
前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を圧電素子で昇圧してマイナス高電圧を発生するようにしているので、極めて簡単・軽量な構成で安定したマイナス高電圧を発生できる効果がある。
【0046】
前記マイナス高電圧発生装置の電源を電池とすることにより、冷蔵庫等の遮断された酸化防止室にも容易に適用できる効果がある。
【0047】
前記マイナス高電圧発生装置にタイマーを備えているので、陰電子によって帯電した帯電静電圧が低下してくるまでの時間に応じてタイマーを作動させて所定時間陰電子の放出を行うことにより、少ない電気使用量で効果的に酸化を防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0049】
図1は本発明の酸化防止装置の形態の一例を示すもので、1はマイナス高電圧を発生するマイナス高電圧発生装置であり、該マイナス高電圧発生装置1で発生したマイナス高電圧は高電圧ケーブル2を介して陰電子放出装置30の陰電子放出体3に印加されて、該陰電子放出体3から陰電子が放出されるようになっている。図1では陰電子放出装置30の陰電子放出体3に取り付けた高電圧ケーブル2aが、前記高電圧ケーブル2に備えられたクリップ4に接続されている。マイナス高電圧発生装置1からは複数の陰電子放出装置30に対してマイナス高電圧を供給することもできる。図1のマイナス高電圧発生装置1は、交流の電源5にタイマー6を介して接続されたACアダプター等のマイナス電圧発生部7と、該マイナス電圧発生部7で発生したマイナス電圧を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子8とにより構成した場合を示している。
【0050】
図2は前記マイナス高電圧発生装置1の他の形態を示したもので、この形態では電池9の直流電源からマイナス電圧だけを取り出すマイナス電圧発生部7と、該マイナス電圧発生部7にタイマー6を介して接続され、マイナス電圧を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子8とで構成した場合を示している。
【0051】
前記陰電子放出体3は、図3、図4に示すように、アルミ箔或いは銅箔のような導電性を有する導電性帯10の一側面に、該導電性帯10の長手方向において導電性帯10の幅方向外側へ向かって延びるように複数の電子放出細毛11の基端を配置し、更に該電子放出細毛11が配置された導電性帯10の面にシート状の導電性接着剤12を圧着することにより、電子放出細毛11の基端を導電性帯10と導電性接着剤12とで挾持するようにして導電性帯10に固定している。このとき、導電性接着剤12の外面(図4の左側面)は粘着面となっているため、この粘着面を剥離可能な剥離シール13で被覆している。図3、図4の陰電子放出体3は導電性帯10の幅L1が5mm、導電性帯10から露出している電子放出細毛11の長さL2が15mmとした場合を示している。
【0052】
上記電子放出細毛11には、陰電子の放出性に優れたN型半導体細毛を用いることが好ましい。また、上記電子放出細毛11は細く且つ所要の強度を保持することが必要であることから直径は0.1μm〜20μm程度であることが好ましい。
【0053】
前記電子放出細毛11としては、カーボン系細毛、銀イオン系細毛、チタン系細毛、酸化アルミ系細毛、プラチナイオン系細毛、銅イオン系細毛、金イオン系細毛等を用いることができる。
【0054】
図5は前記陰電子放出体3の製造方法の一例を示したもので、図3に示した導電性帯10の2倍の幅を有する広幅の導電性帯10’の上面に、図3の電子放出細毛11の2倍の長さを有する長い電子放出細毛11’を両端が導電性帯10から突出するように配置し、電子放出細毛11’を配置した導電性帯10’の上面に、裏面にシート状の導電性接着剤12’有する剥離シール13’を圧着することにより、電子放出細毛11’を導電性帯10’に固定し、その後、破線で示すように導電性帯10’と導電性接着剤12’の幅方向の中心位置で二分するように切断することで2つの陰電子放出体3を製造することができる。
【0055】
尚、陰電子放出体3の製造方法は上記以外に、図3の長さL2の2倍の間隔をおいて広幅の導電性帯10’を多数並べておき、その上に連続した長い長さの電子放出細毛11を配置した後、各導電性帯10’上に導電性接着剤12’を有する剥離シール13’を圧着することにより固定し、その後導電性帯10’から露出している電子放出細毛11を長さ方向中間位置で切断し(図5の状態になる)、更に、破線で示したように導電性帯10’と導電性接着剤12’を幅方向の中心位置で二分するように切断することで多数の陰電子放出体3を容易に製造することができる。
【0056】
図6は前記陰電子放出体3の他の例を示したもので、この例ではU字状に折曲げた導電性帯10aに電子放出細毛11の基端を挟み込んで導電性帯10aを圧着することによって電子放出細毛11を固定している。
【0057】
又、陰電子放出体3は図7に示すような方法によっても製造することができる。即ち、所要の平面を有する導電性シート3aの一面に、絨毯を製造する方法と同様の方法によって電子放出細毛11を植設し、続いて導電性シート3aを一点鎖線で示す切断位置で切断することによって細い帯状の陰電子放出体3を形成するようにしている。この時、図7に示す絨毯のように面状の導電性シート3aに電子放出細毛11を密集させて植設した面状の陰電子放出体では、角部からは多くの陰電子が放出されるが、面の内側からの陰電子の放出が少ないために全体としての陰電子の放出量が少ない。これに対して前記したように帯状に切断した陰電子放出体3によれば、その全体から多量の陰電子が放出されるようになるため好ましい。
【0058】
前記陰電子放出装置30は、図8に示すように、陰電子放出体3を酸化防止室の壁等の被固定部材31に容易に固定できるようにするための非電導性の取付具15を備えている。この取付具15は、被固定部材31に固定可能な取付接着面14を有する固定面15aと、該固定面15aから突出して前記陰電子放出体3の導電性帯10を導電性接着剤12の接着面により取り付けるようにした立上り部15bとを有している。
【0059】
又、図9は上記取付具15の他の例を示したもので、この取付具15は、被固定部材31に固定可能な取付接着面14を有する固定面15aと、該固定面15aから突出して前記陰電子放出体3の導電性帯10,10aを挾持した状態に取り付ける挾持部15cとを有している。
【0060】
図10は本発明を適用する酸化防止室16を示したものであり、この酸化防止室16の天井の梁部材17(被固定部材31)に前記導電性接着剤12による接着面により陰電子放出体3を固定することができ、或いは図8、図9に示した取付具15を用いることにより酸化防止室16内面の任意の位置に陰電子放出体3を取付ることができる。
【0061】
上記酸化防止室16としては、生鮮食品の貯蔵庫、加工食品の貯蔵庫、植物の貯蔵庫、種苗の貯蔵庫、冷蔵庫、コンテナ、人の居住室、動物の居住室、船室、飛行機室、自動車室等の種々のものに適用できる。
【0062】
前記陰電子放出体3は単独で設置することにより電子放出細毛11が密集して面を形成しない限り、多量の陰電子を放出することができので、複数の陰電子放出体3を所要の間隔を隔てて配置するようにすれば、ミラーボールのような球状、半球状、列状等任意の形状に配置することができる。
【0063】
次に、上記形態の作動を説明する。
【0064】
図1のマイナス高電圧発生装置1で生成したマイナス高電圧は陰電子放出装置30の陰電子放出体3に印加され、図10に示すように電子放出細毛11からは多量の陰電子が酸化防止室16内に放出される。このとき、陰電子放出体3の電子放出細毛11は直径が0.1μm〜20μmのような細径となっているため、図11に示すように電子放出細毛11は各々が陰電位の作用によって放射状に開いた状態となり、これにより陰電子は広い範囲に拡散して放出され、酸化防止室16内は短時間に高濃度の陰電子で満たされるようになる。従って、酸化防止室16内のあらゆる内在物は陰電子により高い静電圧に帯電され、還元作用により酸化が防止されるようになる。
【0065】
本発明者らは、酸化防止室16として、図12、図13に示すように半透明樹脂板とアルミ枠で構成されている航空コンテナ庫(奥行き1500×高さ1500×幅1450の容器)を用い、天井から前記陰電子放出体3を吊り下げ、該陰電子放出体3に−8KV、1mAを印加した時のコンテナ庫各部の帯電静電圧、コンテナ庫内の空間の陰電子密度の測定試験を実施した。17はコンテナ庫の側面に設けられた扉、18はコンテナ庫の底部に設けられた斜面、19はコンテナ庫の底面に設けられたプラスチック台(PPプレート)、20はコンテナ庫の底面のプラスチック台19上に置いた生花21を入れた花瓶である。又、図示しないがカットした玉葱をプラスチック台19上に置いた。コンテナ庫内の空間の陰電子密度は、コンテナ庫内を上下に下から1段目ゾーン、2段目ゾーン、3段目ゾーンに分けて測定した。
【0066】
その結果、図14に示すように、コンテナ庫の天井及び側面の帯電静電圧は、−16V〜18Vと低く、底面のプラスチック台19の帯電静電圧は−1154V〜−4530Vの範囲を示した。又、底面のプラスチック台19上に置いた花瓶20の帯電静電圧は−2040Vであり、生花21の帯電静電圧は−4153Vであった。
【0067】
一方、コンテナ庫内の空間の陰電子密度を試験した1段目ゾーンの陰電子密度(1cm3当りの陰電子数)は、図15に示す如く、385万個〜697万個の範囲であった。又、2段目ゾーンの陰電子密度は、図16に示す如く、874万個〜1112万個の範囲であった。又、3段目ゾーンの陰電子密度は、図17に示す如く、1086万個〜測定不能(測定器の測定限界値2000万個/cm3)であった。
【0068】
図15〜図16より明らかなように、陰電子放出体3に近い上部は陰電子密度が高く、陰電子放出体3から離れた下部ほど陰電子密度は低くなっている。これは、陰電子放出体3から放出された陰電子がコンテナ庫の壁等に当たって消失することによると考えられる。
【0069】
一方、底面のプラスチック台19上に置いた花瓶20の生花21の帯電静電圧は、図14に示したように、−4153Vの高い帯電静電圧を示し、又玉葱(カット)は−6000V〜−9000Vを示した。
【0070】
又、本発明者らは、段ボール箱(奥行き500×高さ250×幅1600)の内部にPPプレートと、生花と、カットした玉葱とを入れて、上記コンテナ庫と同じ条件で陰電子を放出する試験を実施したところ、PPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧は夫々−6000V〜−9000Vを示した。この場合、前記コンテナ庫に設置した場合に比して高い帯電静電圧を示したが、コンテナ庫と段ボール箱との容積の違いを考慮すると略同等の結果と言える。
【0071】
又、上記各試験において、陰電子の放出を停止したときのPPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧を測定したところ、PPプレートの帯電静電圧は−1500V台、生花の帯電静電圧は−1200V台、玉葱(カット)の帯電静電圧は−1200V台であった。
【0072】
更に、陰電子の放出を停止した後、2週間に亘りPPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧を測定する試験を実施したところ、驚くべきことに、2週間経過しても殆ど帯電静電圧は低下せず、いずれも陰電子の放出を停止した時の帯電静電圧を保持することが判明した。そして、生花、玉葱(カット)は2週間経過しても色、臭い、味等による鮮度が殆ど変化していないことが判明した。
【0073】
本発明者らが得た知見によると、食品等の対象物を陰電子に帯電した状態に保持しておくと、還元作用によって対象物の酸化が防止され、これによって、食品等を保存したときに、酸化によって味、色、臭い等による鮮度が明らかに低下したと判断されるまでの期間を大幅に延長できることが判明した。
【0074】
前記マイナス高電圧発生装置1にタイマー6を備えておき、陰電子により帯電した帯電静電圧が低下してくるまでの時間(例えば2週間)に応じてタイマーを作動させて所定時間陰電子の放出を行うように制御することにより、少ない電気使用量で効果的に対象物の酸化を防止することができる。
【0075】
上記したように、陰電子放出体3は簡単な構成によって多量の陰電子を放出することができるので、酸化防止室16内を陰電子で満たして還元により内在物の酸化を効果的に防止することができる。
【0076】
又、図8、図9に示すように、陰電子放出体3を被固定部材31に取り付ける非導電性の取付具15を備えているので、導電性を有する酸化防止室16の壁等に対して陰電子放出体3を容易に取り付けて用いることができる。
【0077】
又、図1、図2に示すように、マイナス高電圧発生装置1は、直流電源のマイナス側を圧電素子8で昇圧してマイナス高電圧を得ているので、極めて簡単・軽量な構成で安定したマイナス高電圧を得ることができ、よって、コンテナ、船室、飛行機室、自動車室等の移動する酸化防止室に対しても容易に適用できるようになる。
【0078】
更に、図2に示すように、マイナス高電圧発生装置1の電源を電池9とすることにより、密閉或いは遮断された種々の貯蔵庫や冷蔵庫、冷凍庫等の酸化防止室16にも容易に適用できるようになる。
【0079】
なお、本発明の酸化防止装置は上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の酸化防止装置の形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】マイナス高電圧発生装置の他の形態を示す概略構成図である。
【図3】陰電子放出体の詳細を示す正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】陰電子放出体の製造方法の一例を示す平面図である。
【図6】陰電子放出体の他の例を示す側面図である。
【図7】陰電子放出体の製造方法の他の例を示す斜視図である。
【図8】陰電子放出体を酸化防止室に取付るための取付具の側面図である。
【図9】取付具の他の例を示す側面図である。
【図10】本発明を適用する酸化防止室の一例を示す側面図である。
【図11】電子放出細毛が陰電位の作用によって放射状に開いた状態を示す側面図である。
【図12】酸化防止室としての航空コンテナ庫の一例を示す側面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視図である。
【図14】コンテナ庫の天井及び側面、底面のプラスチック台の帯電静電圧を示す平面図である。
【図15】コンテナ庫内の空間の1段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【図16】コンテナ庫内の空間の2段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【図17】コンテナ庫内の空間の3段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 マイナス高電圧発生装置
3 陰電子放出体
6 タイマー
7 マイナス電圧発生部
8 圧電素子
9 電池
10 導電性帯
10’ 導電性帯
10a 導電性帯
11 電子放出細毛
11’ 電子放出細毛
12 導電性接着剤
12’ 導電性接着剤
15 取付具
15a 固定面
15b 立上り部
15c 挾持部
16 酸化防止室
30 陰電子放出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化防止室内に陰電子を放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化防止室内の内在物の酸化を防止するようにした酸化防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品に陰電子を印加して食品の鮮度を保持するようにした鮮度保持装置としては特許文献1がある。特許文献1の鮮度保持装置は、冷蔵庫のように絶縁体および電気伝導性の悪い素材で包装された容器の内部に、棚状に形成した陰電子印加器を設置すると共に、交流電源(AC)に接続された電圧調整器としてのトランス及び高圧トランスからなる電源装置を容器の外部に設け、該電源装置の二次側を前記陰電子印加器に接続して1000〜30000Vの電圧をかけるようにし、陰電子印加器上に食品を置くことにより食品に陰電子を印加し、細菌の繁殖を抑制しながら鮮度の低下や変色の進行を防止するようにしたものである。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の鮮度保持装置では、容器が絶縁体および電気伝導性の悪い素材で包装されものを対象としており、このために適用できる容器が制限される問題がある。従って、例えば導電性材料にて形成された容器や酸化防止室等に適用する場合には、棚を形成している陰電子印加器のそれぞれを壁に対して絶縁して配置する必要があるため、装置が複雑で高価になる問題がある。又、陰電子印加器は放電板を誘電用絶縁板と絶縁受け台によって構成しているため、複雑な構成を有する上に、食品を受けるためには所要の強度が必要であり重量も大きくなって装置価格が増加するという問題がある。
【0004】
更に、電源装置が交流電源(AC)から電圧調整器としてのトランス及び高圧トランスを備えて高電圧を得るようにしているため、電源装置の構成が大型化する問題がある。このように電源装置が大型化すると、電源装置を容器の外部へ別置きする必要があるため、設置スペースの問題も生じる。従って、電源装置が大型でしかも重量が重い上に、交流電源(AC)を用いているために、コンテナ、自動車、船舶、航空機等の搬送手段に対しては適用が困難であるという問題がある。
【0005】
更に、電源装置に交流電源(AC)を用いているために、電源装置による電源を停止すると、その瞬間に陰電子と陽電子の作用によって食品に帯電された陰電子が消去されてしまう場合があり、従って電源の停止後は、通常の陰電子印加器を有しない場合と同様に短い期間で食品の鮮度が低下したり変色が進行するという問題がある。従って、特許文献1の場合には、電源を供給し続ける必要があるという問題がある。
【0006】
上記したように、棚状の陰電子印加器に交流電源による電源装置によって高電圧を印可するようにしたものにおいては種々の解決しなければならない課題が存在し、そのために普及され難いという問題を有していた。
【0007】
一方、庫内の気流に電子を付与してマイナスイオンを発生させるようにした冷蔵庫が特許文献2に示されている。特許文献2の冷蔵庫は、昇圧回路により直流高電圧を発生させる高電圧発生部と、昇圧回路の正の出力端子を接地すると共に、負の出力端子に接続された陰極をマイナスイオン発生部とするマイナスイオン発生装置を、冷蔵庫の気流と接触させることにより気流に電子を付与してマイナスイオン(O2^)を発生させ、これを貯蔵室内へ送給してマイナスイオンによる生菌作用によって食品の鮮度保持能力を向上させるようにしている。
【特許文献1】特開平10−304860号公報
【特許文献2】特開平08−145545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献2では、気流に電子を付与してマイナスイオン(O2^)を発生させ、このマイナスイオンによる生菌作用を利用するようにしたものであるため、気流が存在することが条件であり、従って気流のない場所へはマイナスイオンが行き届き難いという問題がある。
【0009】
又、特許文献2では、電極として電極基盤表面にタングステン製の針状電極を多数本植設したものを用いているが、このような従来から一般に用いられている針状電極では大量の電子を放出することができず、そのために酸化防止室内を高濃度の電子で満たすようなことはできない。
【0010】
従って、特許文献2は、比較的低い濃度の電子を気流に付与してマイナスイオン(O2^)を発生させて、空中浮遊菌及び食品表面の付着菌の増殖を抑制するようにしたものであり、酸化防止室を高濃度の電子で満たして還元雰囲気を形成するようにしたものではないため、鮮度保持の効果があまり期待できない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、酸化防止室内に陰電子を放出して酸化防止室内を陰電子で満たすことにより還元により酸化防止室内の内在物の酸化を防止するようにした酸化防止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置に印加し、陰電子放出装置から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、
前記陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有することを特徴とする酸化防止装置、に係るものである。
【0013】
上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛の直径が0.1μm〜20μmであることは好ましい。
【0014】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はN型半導体細毛であってもよい。
【0015】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はカーボン系細毛であってもよい。
【0016】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は銀イオン系細毛であってもよい。
【0017】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はチタン系細毛であってもよい。
【0018】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は酸化アルミ系細毛であってもよい。
【0019】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛はプラチナイオン系細毛であってもよい。
【0020】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は銅イオン系細毛であってもよい。
【0021】
又、上記酸化防止装置において、前記電子放出細毛は金イオン系細毛であってもよい。
【0022】
又、上記酸化防止装置において、前記導電性帯はアルミ箔であってもよい。
【0023】
又、上記酸化防止装置において、前記導電性帯は銅箔であってもよい。
【0024】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が導電性帯に導電性接着剤で固定されていてもよい。
【0025】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が折曲げられた導電性帯の圧着によって固定されていてもよい。
【0026】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を接着面により取り付ける立上り部とを有する非導電性の取付具を備えていてもよい。
【0027】
又、上記酸化防止装置において、前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を挾持した状態に取り付ける挾持部とを有する非導電性の取付具を備えていてもよい。
【0028】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子を有することは好ましい。
【0029】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置の電源は、電池であってもよい。
【0030】
又、上記酸化防止装置において、前記マイナス高電圧発生装置は、タイマーを有していてもよい。
【0031】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は生鮮食品の貯蔵庫であってもよい。
【0032】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は加工食品の貯蔵庫であってもよい。
【0033】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は植物の貯蔵庫であってもよい。
【0034】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は種苗の貯蔵庫であってもよい。
【0035】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は冷蔵庫であってもよい。
【0036】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室はコンテナであってもよい。
【0037】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は人の居住室であってもよい。
【0038】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は動物の居住室であってもよい。
【0039】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は船室であってもよい。
【0040】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は飛行機室であってもよい。
【0041】
又、上記酸化防止装置において、前記酸化防止室は自動車室であってもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明の請求項1〜30に記載の酸化防止装置によれば、マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を印加して陰電子を放出するようにした陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有するので、電子放出細毛からは多量の陰電子が放出されて、酸化防止室内を高濃度の陰電子で満たすことができ、よって酸化防止室内のあらゆる内在物が陰電子により高い静電圧に帯電され還元作用によって酸化が効果的に防止されるという優れた効果を奏し得る。
【0043】
前記陰電子放出体が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる簡単な構成によって多量の陰電子を放出できる効果がある。
【0044】
前記陰電子放出装置は、陰電子放出体が容易に取り付けられる非導電性の取付具を有しているので、取付具を介して陰電子放出体を被固定部材の任意の場所に容易に取り付けることができ、又、導電性を有する酸化防止室の壁等にも陰電子放出体を容易に取り付けられる効果がある。
【0045】
前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を圧電素子で昇圧してマイナス高電圧を発生するようにしているので、極めて簡単・軽量な構成で安定したマイナス高電圧を発生できる効果がある。
【0046】
前記マイナス高電圧発生装置の電源を電池とすることにより、冷蔵庫等の遮断された酸化防止室にも容易に適用できる効果がある。
【0047】
前記マイナス高電圧発生装置にタイマーを備えているので、陰電子によって帯電した帯電静電圧が低下してくるまでの時間に応じてタイマーを作動させて所定時間陰電子の放出を行うことにより、少ない電気使用量で効果的に酸化を防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0049】
図1は本発明の酸化防止装置の形態の一例を示すもので、1はマイナス高電圧を発生するマイナス高電圧発生装置であり、該マイナス高電圧発生装置1で発生したマイナス高電圧は高電圧ケーブル2を介して陰電子放出装置30の陰電子放出体3に印加されて、該陰電子放出体3から陰電子が放出されるようになっている。図1では陰電子放出装置30の陰電子放出体3に取り付けた高電圧ケーブル2aが、前記高電圧ケーブル2に備えられたクリップ4に接続されている。マイナス高電圧発生装置1からは複数の陰電子放出装置30に対してマイナス高電圧を供給することもできる。図1のマイナス高電圧発生装置1は、交流の電源5にタイマー6を介して接続されたACアダプター等のマイナス電圧発生部7と、該マイナス電圧発生部7で発生したマイナス電圧を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子8とにより構成した場合を示している。
【0050】
図2は前記マイナス高電圧発生装置1の他の形態を示したもので、この形態では電池9の直流電源からマイナス電圧だけを取り出すマイナス電圧発生部7と、該マイナス電圧発生部7にタイマー6を介して接続され、マイナス電圧を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子8とで構成した場合を示している。
【0051】
前記陰電子放出体3は、図3、図4に示すように、アルミ箔或いは銅箔のような導電性を有する導電性帯10の一側面に、該導電性帯10の長手方向において導電性帯10の幅方向外側へ向かって延びるように複数の電子放出細毛11の基端を配置し、更に該電子放出細毛11が配置された導電性帯10の面にシート状の導電性接着剤12を圧着することにより、電子放出細毛11の基端を導電性帯10と導電性接着剤12とで挾持するようにして導電性帯10に固定している。このとき、導電性接着剤12の外面(図4の左側面)は粘着面となっているため、この粘着面を剥離可能な剥離シール13で被覆している。図3、図4の陰電子放出体3は導電性帯10の幅L1が5mm、導電性帯10から露出している電子放出細毛11の長さL2が15mmとした場合を示している。
【0052】
上記電子放出細毛11には、陰電子の放出性に優れたN型半導体細毛を用いることが好ましい。また、上記電子放出細毛11は細く且つ所要の強度を保持することが必要であることから直径は0.1μm〜20μm程度であることが好ましい。
【0053】
前記電子放出細毛11としては、カーボン系細毛、銀イオン系細毛、チタン系細毛、酸化アルミ系細毛、プラチナイオン系細毛、銅イオン系細毛、金イオン系細毛等を用いることができる。
【0054】
図5は前記陰電子放出体3の製造方法の一例を示したもので、図3に示した導電性帯10の2倍の幅を有する広幅の導電性帯10’の上面に、図3の電子放出細毛11の2倍の長さを有する長い電子放出細毛11’を両端が導電性帯10から突出するように配置し、電子放出細毛11’を配置した導電性帯10’の上面に、裏面にシート状の導電性接着剤12’有する剥離シール13’を圧着することにより、電子放出細毛11’を導電性帯10’に固定し、その後、破線で示すように導電性帯10’と導電性接着剤12’の幅方向の中心位置で二分するように切断することで2つの陰電子放出体3を製造することができる。
【0055】
尚、陰電子放出体3の製造方法は上記以外に、図3の長さL2の2倍の間隔をおいて広幅の導電性帯10’を多数並べておき、その上に連続した長い長さの電子放出細毛11を配置した後、各導電性帯10’上に導電性接着剤12’を有する剥離シール13’を圧着することにより固定し、その後導電性帯10’から露出している電子放出細毛11を長さ方向中間位置で切断し(図5の状態になる)、更に、破線で示したように導電性帯10’と導電性接着剤12’を幅方向の中心位置で二分するように切断することで多数の陰電子放出体3を容易に製造することができる。
【0056】
図6は前記陰電子放出体3の他の例を示したもので、この例ではU字状に折曲げた導電性帯10aに電子放出細毛11の基端を挟み込んで導電性帯10aを圧着することによって電子放出細毛11を固定している。
【0057】
又、陰電子放出体3は図7に示すような方法によっても製造することができる。即ち、所要の平面を有する導電性シート3aの一面に、絨毯を製造する方法と同様の方法によって電子放出細毛11を植設し、続いて導電性シート3aを一点鎖線で示す切断位置で切断することによって細い帯状の陰電子放出体3を形成するようにしている。この時、図7に示す絨毯のように面状の導電性シート3aに電子放出細毛11を密集させて植設した面状の陰電子放出体では、角部からは多くの陰電子が放出されるが、面の内側からの陰電子の放出が少ないために全体としての陰電子の放出量が少ない。これに対して前記したように帯状に切断した陰電子放出体3によれば、その全体から多量の陰電子が放出されるようになるため好ましい。
【0058】
前記陰電子放出装置30は、図8に示すように、陰電子放出体3を酸化防止室の壁等の被固定部材31に容易に固定できるようにするための非電導性の取付具15を備えている。この取付具15は、被固定部材31に固定可能な取付接着面14を有する固定面15aと、該固定面15aから突出して前記陰電子放出体3の導電性帯10を導電性接着剤12の接着面により取り付けるようにした立上り部15bとを有している。
【0059】
又、図9は上記取付具15の他の例を示したもので、この取付具15は、被固定部材31に固定可能な取付接着面14を有する固定面15aと、該固定面15aから突出して前記陰電子放出体3の導電性帯10,10aを挾持した状態に取り付ける挾持部15cとを有している。
【0060】
図10は本発明を適用する酸化防止室16を示したものであり、この酸化防止室16の天井の梁部材17(被固定部材31)に前記導電性接着剤12による接着面により陰電子放出体3を固定することができ、或いは図8、図9に示した取付具15を用いることにより酸化防止室16内面の任意の位置に陰電子放出体3を取付ることができる。
【0061】
上記酸化防止室16としては、生鮮食品の貯蔵庫、加工食品の貯蔵庫、植物の貯蔵庫、種苗の貯蔵庫、冷蔵庫、コンテナ、人の居住室、動物の居住室、船室、飛行機室、自動車室等の種々のものに適用できる。
【0062】
前記陰電子放出体3は単独で設置することにより電子放出細毛11が密集して面を形成しない限り、多量の陰電子を放出することができので、複数の陰電子放出体3を所要の間隔を隔てて配置するようにすれば、ミラーボールのような球状、半球状、列状等任意の形状に配置することができる。
【0063】
次に、上記形態の作動を説明する。
【0064】
図1のマイナス高電圧発生装置1で生成したマイナス高電圧は陰電子放出装置30の陰電子放出体3に印加され、図10に示すように電子放出細毛11からは多量の陰電子が酸化防止室16内に放出される。このとき、陰電子放出体3の電子放出細毛11は直径が0.1μm〜20μmのような細径となっているため、図11に示すように電子放出細毛11は各々が陰電位の作用によって放射状に開いた状態となり、これにより陰電子は広い範囲に拡散して放出され、酸化防止室16内は短時間に高濃度の陰電子で満たされるようになる。従って、酸化防止室16内のあらゆる内在物は陰電子により高い静電圧に帯電され、還元作用により酸化が防止されるようになる。
【0065】
本発明者らは、酸化防止室16として、図12、図13に示すように半透明樹脂板とアルミ枠で構成されている航空コンテナ庫(奥行き1500×高さ1500×幅1450の容器)を用い、天井から前記陰電子放出体3を吊り下げ、該陰電子放出体3に−8KV、1mAを印加した時のコンテナ庫各部の帯電静電圧、コンテナ庫内の空間の陰電子密度の測定試験を実施した。17はコンテナ庫の側面に設けられた扉、18はコンテナ庫の底部に設けられた斜面、19はコンテナ庫の底面に設けられたプラスチック台(PPプレート)、20はコンテナ庫の底面のプラスチック台19上に置いた生花21を入れた花瓶である。又、図示しないがカットした玉葱をプラスチック台19上に置いた。コンテナ庫内の空間の陰電子密度は、コンテナ庫内を上下に下から1段目ゾーン、2段目ゾーン、3段目ゾーンに分けて測定した。
【0066】
その結果、図14に示すように、コンテナ庫の天井及び側面の帯電静電圧は、−16V〜18Vと低く、底面のプラスチック台19の帯電静電圧は−1154V〜−4530Vの範囲を示した。又、底面のプラスチック台19上に置いた花瓶20の帯電静電圧は−2040Vであり、生花21の帯電静電圧は−4153Vであった。
【0067】
一方、コンテナ庫内の空間の陰電子密度を試験した1段目ゾーンの陰電子密度(1cm3当りの陰電子数)は、図15に示す如く、385万個〜697万個の範囲であった。又、2段目ゾーンの陰電子密度は、図16に示す如く、874万個〜1112万個の範囲であった。又、3段目ゾーンの陰電子密度は、図17に示す如く、1086万個〜測定不能(測定器の測定限界値2000万個/cm3)であった。
【0068】
図15〜図16より明らかなように、陰電子放出体3に近い上部は陰電子密度が高く、陰電子放出体3から離れた下部ほど陰電子密度は低くなっている。これは、陰電子放出体3から放出された陰電子がコンテナ庫の壁等に当たって消失することによると考えられる。
【0069】
一方、底面のプラスチック台19上に置いた花瓶20の生花21の帯電静電圧は、図14に示したように、−4153Vの高い帯電静電圧を示し、又玉葱(カット)は−6000V〜−9000Vを示した。
【0070】
又、本発明者らは、段ボール箱(奥行き500×高さ250×幅1600)の内部にPPプレートと、生花と、カットした玉葱とを入れて、上記コンテナ庫と同じ条件で陰電子を放出する試験を実施したところ、PPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧は夫々−6000V〜−9000Vを示した。この場合、前記コンテナ庫に設置した場合に比して高い帯電静電圧を示したが、コンテナ庫と段ボール箱との容積の違いを考慮すると略同等の結果と言える。
【0071】
又、上記各試験において、陰電子の放出を停止したときのPPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧を測定したところ、PPプレートの帯電静電圧は−1500V台、生花の帯電静電圧は−1200V台、玉葱(カット)の帯電静電圧は−1200V台であった。
【0072】
更に、陰電子の放出を停止した後、2週間に亘りPPプレート、生花、玉葱(カット)の帯電静電圧を測定する試験を実施したところ、驚くべきことに、2週間経過しても殆ど帯電静電圧は低下せず、いずれも陰電子の放出を停止した時の帯電静電圧を保持することが判明した。そして、生花、玉葱(カット)は2週間経過しても色、臭い、味等による鮮度が殆ど変化していないことが判明した。
【0073】
本発明者らが得た知見によると、食品等の対象物を陰電子に帯電した状態に保持しておくと、還元作用によって対象物の酸化が防止され、これによって、食品等を保存したときに、酸化によって味、色、臭い等による鮮度が明らかに低下したと判断されるまでの期間を大幅に延長できることが判明した。
【0074】
前記マイナス高電圧発生装置1にタイマー6を備えておき、陰電子により帯電した帯電静電圧が低下してくるまでの時間(例えば2週間)に応じてタイマーを作動させて所定時間陰電子の放出を行うように制御することにより、少ない電気使用量で効果的に対象物の酸化を防止することができる。
【0075】
上記したように、陰電子放出体3は簡単な構成によって多量の陰電子を放出することができるので、酸化防止室16内を陰電子で満たして還元により内在物の酸化を効果的に防止することができる。
【0076】
又、図8、図9に示すように、陰電子放出体3を被固定部材31に取り付ける非導電性の取付具15を備えているので、導電性を有する酸化防止室16の壁等に対して陰電子放出体3を容易に取り付けて用いることができる。
【0077】
又、図1、図2に示すように、マイナス高電圧発生装置1は、直流電源のマイナス側を圧電素子8で昇圧してマイナス高電圧を得ているので、極めて簡単・軽量な構成で安定したマイナス高電圧を得ることができ、よって、コンテナ、船室、飛行機室、自動車室等の移動する酸化防止室に対しても容易に適用できるようになる。
【0078】
更に、図2に示すように、マイナス高電圧発生装置1の電源を電池9とすることにより、密閉或いは遮断された種々の貯蔵庫や冷蔵庫、冷凍庫等の酸化防止室16にも容易に適用できるようになる。
【0079】
なお、本発明の酸化防止装置は上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の酸化防止装置の形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】マイナス高電圧発生装置の他の形態を示す概略構成図である。
【図3】陰電子放出体の詳細を示す正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】陰電子放出体の製造方法の一例を示す平面図である。
【図6】陰電子放出体の他の例を示す側面図である。
【図7】陰電子放出体の製造方法の他の例を示す斜視図である。
【図8】陰電子放出体を酸化防止室に取付るための取付具の側面図である。
【図9】取付具の他の例を示す側面図である。
【図10】本発明を適用する酸化防止室の一例を示す側面図である。
【図11】電子放出細毛が陰電位の作用によって放射状に開いた状態を示す側面図である。
【図12】酸化防止室としての航空コンテナ庫の一例を示す側面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視図である。
【図14】コンテナ庫の天井及び側面、底面のプラスチック台の帯電静電圧を示す平面図である。
【図15】コンテナ庫内の空間の1段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【図16】コンテナ庫内の空間の2段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【図17】コンテナ庫内の空間の3段目ゾーンの陰電子密度を示す平面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 マイナス高電圧発生装置
3 陰電子放出体
6 タイマー
7 マイナス電圧発生部
8 圧電素子
9 電池
10 導電性帯
10’ 導電性帯
10a 導電性帯
11 電子放出細毛
11’ 電子放出細毛
12 導電性接着剤
12’ 導電性接着剤
15 取付具
15a 固定面
15b 立上り部
15c 挾持部
16 酸化防止室
30 陰電子放出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置に印加し、陰電子放出装置から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、
前記陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有することを特徴とする酸化防止装置。
【請求項2】
前記電子放出細毛は直径が0.1μm〜20μmである請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項3】
前記電子放出細毛はN型半導体細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項4】
前記電子放出細毛はカーボン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項5】
前記電子放出細毛は銀イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項6】
前記電子放出細毛はチタン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項7】
前記電子放出細毛は酸化アルミ系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項8】
前記電子放出細毛はプラチナイオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項9】
前記電子放出細毛は銅イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項10】
前記電子放出細毛は金イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項11】
前記導電性帯はアルミ箔である請求項1〜10のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項12】
前記導電性帯は銅箔である請求項1〜10のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項13】
前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が導電性帯に導電性接着剤で固定されている請求項1〜12のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項14】
前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が折曲げられた導電性帯の圧着によって固定されている請求項1〜12のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項15】
前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を接着面により取り付ける立上り部とを有する非導電性の取付具を備えている請求項1〜14のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項16】
前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を挾持した状態に取り付ける挾持部とを有する非導電性の取付具を備えている請求項1〜14のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項17】
前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子を有する請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項18】
前記マイナス高電圧発生装置の電源は、電池である請求項1又は17に記載の酸化防止装置。
【請求項19】
前記マイナス高電圧発生装置は、タイマーを有する請求項1又は17又は18に記載の酸化防止装置。
【請求項20】
前記酸化防止室は生鮮食品の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項21】
前記酸化防止室は加工食品の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項22】
前記酸化防止室は植物の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項23】
前記酸化防止室は種苗の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項24】
前記酸化防止室は冷蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項25】
前記酸化防止室はコンテナである請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項26】
前記酸化防止室は人の居住室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項27】
前記酸化防止室は動物の居住室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項28】
前記酸化防止室は船室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項29】
前記酸化防止室は飛行機室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項30】
前記酸化防止室は自動車室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項1】
マイナス高電圧発生装置で生成したマイナス高電圧を陰電子放出装置に印加し、陰電子放出装置から放出する陰電子を酸化防止室内に放出して酸化防止室内を陰電子で満たし還元により酸化を防止するようにした酸化防止装置であって、
前記陰電子放出装置が、導電性を有する導電性帯と、該導電性帯の長手方向において導電性帯の幅方向外側へ向かって延びるよう基端が導電性帯に固定された複数の電子放出細毛とからなる陰電子放出体を有することを特徴とする酸化防止装置。
【請求項2】
前記電子放出細毛は直径が0.1μm〜20μmである請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項3】
前記電子放出細毛はN型半導体細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項4】
前記電子放出細毛はカーボン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項5】
前記電子放出細毛は銀イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項6】
前記電子放出細毛はチタン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項7】
前記電子放出細毛は酸化アルミ系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項8】
前記電子放出細毛はプラチナイオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項9】
前記電子放出細毛は銅イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項10】
前記電子放出細毛は金イオン系細毛である請求項1又は2に記載の酸化防止装置。
【請求項11】
前記導電性帯はアルミ箔である請求項1〜10のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項12】
前記導電性帯は銅箔である請求項1〜10のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項13】
前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が導電性帯に導電性接着剤で固定されている請求項1〜12のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項14】
前記陰電子放出体は、電子放出細毛の基端が折曲げられた導電性帯の圧着によって固定されている請求項1〜12のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項15】
前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を接着面により取り付ける立上り部とを有する非導電性の取付具を備えている請求項1〜14のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項16】
前記陰電子放出装置は、被固定部材に固定可能な固定面と、固定面から突出して導電性帯を挾持した状態に取り付ける挾持部とを有する非導電性の取付具を備えている請求項1〜14のいずれか1つに記載の酸化防止装置。
【請求項17】
前記マイナス高電圧発生装置は、直流電源のマイナス側を昇圧してマイナス高電圧を得る圧電素子を有する請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項18】
前記マイナス高電圧発生装置の電源は、電池である請求項1又は17に記載の酸化防止装置。
【請求項19】
前記マイナス高電圧発生装置は、タイマーを有する請求項1又は17又は18に記載の酸化防止装置。
【請求項20】
前記酸化防止室は生鮮食品の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項21】
前記酸化防止室は加工食品の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項22】
前記酸化防止室は植物の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項23】
前記酸化防止室は種苗の貯蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項24】
前記酸化防止室は冷蔵庫である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項25】
前記酸化防止室はコンテナである請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項26】
前記酸化防止室は人の居住室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項27】
前記酸化防止室は動物の居住室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項28】
前記酸化防止室は船室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項29】
前記酸化防止室は飛行機室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【請求項30】
前記酸化防止室は自動車室である請求項1に記載の酸化防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−271808(P2008−271808A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117378(P2007−117378)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(506168934)
【出願人】(507140472)
【出願人】(506116153)
【出願人】(598090623)有限会社シーアンドシー (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(506168934)
【出願人】(507140472)
【出願人】(506116153)
【出願人】(598090623)有限会社シーアンドシー (2)
【Fターム(参考)】
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