説明

酸素でアルコールを酸化する、アルデヒド或いはケトンの製造方法

本発明は、室温で有機溶媒において硝酸鉄(Fe(NO3)3 .9H2O)と2, 2,6, 6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と無機塩化物とを触媒とし、酸素又は空気を酸化剤とし、1〜24時間の反応時間で、アルコールをアルデヒド或いはケトンに酸化させ、前記のアルコールと2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と硝酸鉄と無機塩化物との比はモル比で100:1〜10:1〜10:1〜10であることを特徴とする、アルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法を提供する。本発明は収率が高く、反応条件が温和で、操作が簡単で、分離精製が便利で、溶媒の再利用が可能で、原料が汎用で、工程全体が環境に優しく、汚染が無い等の色々のメリットが有り、産業化生産に適する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素でアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法に関する。特に、本発明は、鉄で促進して、酸素でアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルデヒドやケトンは精製化学用の重要な原料であり、化学品の生産と開発等の分野で汎用されている。酸化反応は基本的な、また重要な化学反応タイプであり、工業において、アルデヒドやケトンは主として酸化の方法で得られる。従って、コストダウンでき、条件が温和で、環境にやさしい、効率的な触媒酸化システムは良好な応用の将来性が有る。従来から、アルデヒドやケトンの合成として、少なくとも当量の酸化剤を使って相応的なアルコールを酸化することによって得られる。この方法はアルデヒド又はケトンを合成する目的を達成できるが、酸化クロム、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化剤を使用するため、反応過程において酸化剤由来の副産物のような環境に悪いものが発生することから、大規模な工業生産に適用できない(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。よって、酸素を酸化剤として、遷移金属、例えば、Pd、Ru、Mo-Co、Co、Pt、Os-Cu、Os、Ni、Cu、Fe等で、一価アルコール或いは二価アルコールから相応的なアルデヒド及びケトンまでの生成反応を酸化し促進する合成方法が注目されている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。TEMPOは安定的な酸素ラジカル基として、Fe又はCuと共に一価アルコール或いは二価アルコールから相応的なアルデヒド及びケトンを生成する反応において酸化と触媒に協力することに肝要な作用を発揮する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】シュプリンガー(Springer)著、「クロム・オキシデーション・イン・オーガニック・ケミストリー(Chromium Oxidations in Organic Chemistry)」、ベルリン(Berlin)、1984年
【非特許文献2】レーゲン、エス.エル(Regen,S.L.)、コティール、シー.(koteel,C)著、「米国化学会誌(J. Am. Chem.Soc)」、第99巻、1977年、p.3837-3838
【非特許文献3】グリフィス、ダブリュ.ピー.(Griffith,W.P.)著、「ケミカルソサイエティレビュー(Chem. Soc. Rev)」、1992年、第21巻、p.179-185
【非特許文献4】ブラックバーン、ティー.エフ.(Blackburn、T.F.)、シュワルツ、ジェイ.(Schwartz、J.)著、「ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ、ケミカル・コミュニケーションズ(J. Chem. Soc. Chem. Commun.)」、1977年、p.157-158
【非特許文献5】ピエラ、ジェイ.(Piera、J.)、バックボール、ジェイ.イー.(Backvall,J.-E.)著、「アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angew. Chem. Int. Ed.)」、2008年、第47巻、p.3506
【非特許文献6】シェルドン、アール.エー.(Sheldon、R. A.)、アレンズ、アイ.ダブリュ.シー.イー.(Arends、I. W. C. E.)、ブリンク、ジー.ジェイ.ティー.(Brink、G.-J.T.)、ディックスマン、エー.(Dijksman、A.)著、「アカウンツ・オブ・ケミカル・リサーチ(Acc. Chem.Res.)」、2002年、第35巻、p.774
【非特許文献7】マラット、ティー.(Mallat、T.)、バイカー、エー.(Baiker、A.)著、「ケミカル・レビュー(Chem. Rev.)」、2004年、第104号、p.3037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術における不備、例えば、重金属を触媒とし、反応条件がより厳しい、反応時間がより長い、触媒できる基剤のタイプに制限があり、反応温度が高い、高圧を使用する等、を解消でき、大気圧酸素による酸化でアルデヒド或いはケトンを生成する方法を提供する。この方法としては、硝酸鉄、TEMPO、無機塩化物を共同触媒とし、酸素を酸化剤とし、化学反応の廃棄物と汚染を削減し、コストを削減し、原料の種類が多く、そして、反応が温和で、効率的で、大規模な生産に適し、コストダウンでき、環境に優しい等の有益な効果が有る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、反応条件が温和で、効率的で、コストダウンでき、エコである(環境に優しい)、酸素でアルコールを酸化しアルデヒド又はケトンを製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明が提供する、酸素でアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法において、室温で有機溶媒において酸素又は空気を酸化剤とし、硝酸鉄と2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物(TEMPO)と無機塩化物とを触媒とし、1〜24時間の反応時間で、アルコールをアルデヒド或いはケトンに酸化させ、前記のアルコールと2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と硝酸鉄と無機塩化物との比はモル比で100:1〜10:1〜10:1〜10であることを特徴とするアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【0007】
本発明に記載のアルコールは、R1R2CHOH(ただし、前記のR1は水素、炭素数1〜16のアルキル基、R3及び/又はR4で置換されたアルケニル基、R5及び/又はR6で置換されたアルケニル基、R7で置換されたアルキニル基、アリール基、トリフルオルメチルフェニル基、ニトロフェニル基、ハロゲン化フェニル基、或いは炭素数1〜4のアルコキシフェニル基であって、前記のR2は水素、炭素数1〜16のアルキル基、アリール基、トリフルオルメチルフェニル基、ハロゲン化フェニル基或いはメトキシフェニル基であって、前記のR3は炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、前記のR4は水素、炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、前記のR5は水素、炭素数1〜9のアルキル基、アリールフェニール基又はベンジル基であって、前記のR6は水素、炭素数4〜9のアルキル基、アリール基又はベンジル基であって、前記のR7は水素、炭素数1〜12のアルキル基、トリメチルシリコン、アリール基、ハロゲン化フェニル基、ニトロフェニル基又はメトキシフェニル基である)或いはC5〜C8の環状アルコールである。前記のアリール基は、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシフェニル又はナフチル基である。
【0008】
本発明に記載のC5-C8の環状アルコールは、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール又はシクロオクタノールである。
【0009】
本発明に記載の有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエタン、1、2−ジクロロプロパン、1、3−ジクロロプロパン、ニトロメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又は酢酸エチルから選ばれる一種或いは多種の混合物である。
【0010】
本発明に記載の無機塩化物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ルビジウム又は塩化セシウムである。好ましくは塩化ナトリウムである。
【0011】
本発明において、アルコールと2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と硝酸鉄と無機塩化物とのモル比は好ましく100:5:10:10である。
【0012】
本発明は、室温で有機溶媒において、Fe(NO3)3 .9H2Oと、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物)と無機塩化物(NaCl)とを触媒とし、酸素を酸化剤とし、アルコールを酸化し相応的なアルデヒド又はケトンを生成する方法である。本発明の方法としては、常圧で空気中の酸素或いは純粋の酸素によって、炭素―炭素単結合、炭素―炭素二重結合、炭素―炭素三重結合等の官能基を含有するアルコールを選択的に酸化でき、一価アルコール又は二価アルコールを酸化し相応的なアルデヒド又はケトンに生成する。本発明は、収率が高い、反応条件が温和で、操作が簡単で、分離と精製が便利で、溶媒の再生が可能で、基剤に汎用性が有り、工程全体が環境にやさしい、汚染が無い等の有益な効果が有り、工業化生産に適した方法である。
【0013】
本発明は基剤に汎用性が有るというメリットがあり、FeとTEMPOと無機塩化物とを共触媒とし、普通のアルコール、ベンジルアルコール、エノール(enol)及び環状アルコール等を触媒の存在下で酸化でき、構造の複雑なアルコール、例えば、プロパルギルアルコール(Propargyl alcohol)、アルケノール(alkenols)等、も触媒の存在下で酸化できる。本発明は反応条件が温和で、操作が簡単で、分離と精製が便利で、溶媒の再利用が可能である等のメリットがある。本発明の方法は、収率が高く、触媒の効率が高く、例えば、触媒の使用量を1mol%まで低くしても効率的な反応が起こる。本発明は、重金属を触媒とし、反応条件が厳しく、反応時間が長く、基剤のタイプに制限がある、等の従来技術における不備を解消できる。本発明の方法は、小さい規模のラボラトリーにおける合成でも、大規模の工業生産でも適合に用いられる。
【0014】
本発明は、従来の酸化剤系に用いられる化学酸化剤の代わりに、値段が安く、種類が多く、豊富にある酸素或いは空気を酸化剤とする。本発明の触媒と酸化条件は非常に温和であるので、室温、常圧、中性の条件においても行われ、操作は非常に便利で、かつ制御し易い。室温において、例えば、1大気圧という酸素の圧力で、反応は進む。反応の過程に用いられる酸化剤は酸素であり、副産物は水であるので、反応過程全体は環境に何ら汚染をもたらさなく、エコ(環境に優しい)化学合成方法である。本発明の後処理は簡単であり、製品の収率が高く、生産のコストを効率的に下げる。
【0015】
本発明をよく理解するために、以下の実施例を例示するが、本発明は実施例の内容に限られるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例1]2-ベンジル-2,3-ブタジエンアルデヒドの合成
【0017】
【化1】

【0018】
このうち、それぞれ、atmは大気圧、balloonはバルーン、rtは室温を指す。
【0019】
Fe(NO3)3.9H2O (20.3mg、0.05mmol)と、1,2-ジクロロエタン(DCE、4mL)と、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物(TEMPO 、15.6mg、0.10mmol)とNaCl(5.8mg、0.10mmol) とを10mL の三口フラスコに加える。酸素雰囲気において、室温で5分間攪拌する。2-ベンジル-2,3-ブタジエノール(butadienol)(160.6mg、1.0mmol)とをDCE(1mL)に溶解させてから反応液に滴下し、反応が完成するまでにTLCで監視する。反応液はエチルエーテル(30mL)で希釈し、無水MgSO4で乾燥し、積層されたシリカゲルで濾過し、濃縮、粗製品が得られる。この粗製品に対してシリカゲルコラムクロマトグラフィー(石油エーテル(petro):酢酸エチル=20:1)を行い、相応的な2-ベンジル-2,3-ブタジエンアルデヒド(114.5mg、72%)が得られる。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.61(s、1H)、7.31-7.15 (m、5H)、5.28(t、J=2.4Hz、2H)、3.52(t、J=2.6Hz、2H); 13CNMR(75.4MHz、 CDCl3)δ222.50、191.41、138.52、128.84、128.35、126.41、110.62、80.83、30.84;IR (neat)2827、2728、1955、1928、1677、1602、1495、1454、1426、1227、1144、1071、1030cm-1;MS(EI)m/z 158(M+、5.25)、129(100);HRMS計算値C11H10O (M+):158.0732;実測値:158.07333。
【0020】
[実施例2]2,3-トリデカジエナール(2,3-Tridecadienal)の合成
【0021】
【化2】

【0022】
原料を2,3-トリデカジエノールとし、反応時間を5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、2,3-トリデカジエナールが得られ、合計収率は80%である。1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ9.44(d、J=7.2Hz、1H)、5.84-5.71(m、2H)、2.25-2.10(m、2 H)、1.55-1.42(m、2H)、1.42-1.20(m、12H)、0.84(t、J=6.6Hz、3H);13CNMR(75.4MHz、CDCl3)δ218.94、192.00、98.47、96.19、31.73、29.38、29.17、29.15、28.82、28.71、27.36、22.53、 13.94;MS(EI)m/z194(M+、0.79)、 81 (100); IR (neat) 2924、2854、1943、1690、1465、1107、1081cm-1;HRMS計算値C13H22O(M+):194.1671;実測値:194.1671。
【0023】
[実施例3]1,2-トリデカンジエン-4-オン(1,2-tridecane-diene-4-one)の合成
【0024】
【化3】

【0025】
原料を1,2-トリデカンジエン-4-オール(1,2-tridecane-diene-4-ol)(196.2 mg、1.0 mmol) とし、反応時間を10.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1,2-トリデカンジエン-4-オン(161.7mg、84%)が得られた。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ5.74(t、J=6.5Hz、1H)、5.20(d、J=6.3Hz、2H)、2.57(t、J=7.4Hz、2H)、1.63-1.50(m、2 H)、1.35-1.17(m、12H)、0.85(t、J=6.3Hz、3H);13CNMR(75.4MHz、CDCl3) δ216.57、200.88、96.62、79.16、39.19、31.81、29.37、29.33、29.19、29.14、24.53、22.59、14.00;IR(neat)2955、2854、1961、1934、1681、1465、1410、1365、1157、1105、1068cm-1;MS(EI)m/z194(M+、1.37)、41(100);HRMS計算値C13H22O(M+):194.1671;実測値:194.1673。
【0026】
[実施例4]2-ヘキシル-1-フェニル‐2,3-ブタジエノン(butadienone)の合成
【0027】
【化4】

【0028】
原料を2-ヘキシル-1-フェニル‐2,3-ブタジエノール(229.4 mg、1.0 mmol)とし、反応時間を23時間にし、他の操作は実施例1を参考し、2-ヘキシル-1-フェニル‐2,3-ブタジエノン(123.1 mg、54%)が得られた。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ7.76(d、J=7.8Hz、2H)、7.49 (t、J=7.1Hz、1H)、7.38(t、J=7.7Hz、2H)、5.04 (t、J=2.7Hz、2H)、2.45-2.35(m、2H)、1.58-1.25(m、8H)、0.90(t、J=6.5Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ216.95、194.78、138.34、131.85、128.97、127.73、106.88、79.26、31.56、28.85、27.83、27.80、22.53、13.98;IR(neat)3059、2955、2856、1932、1650、1598、1579、1447、1315、1269、1177、1072cm-1;MS(EI)m/z228(M+、1.69)、105(100);HRMS計算値C16H20O(M+):228.1514;実測値:228.1512。
【0029】
[実施例5]1-パラクロロフェニル-2,3-ブタジエノン(butadienone)の合成
【0030】
【化5】

【0031】
原料を1-パラクロロフェニル-2,3-ブタジエノール(180.1 mg、1.0 mmol)とし、反応時間を4時間にし、他の操作は実施例1を参考し、(蒸発すると、不安定になる、NMR収率(yield)84%の)1-パラクロロフェニル-2,3-ブタジエノンが得られた。1H NMR(300MHz、 CDCl3) δ7.83 (d、J=8.1Hz、2H)、7.41(d、J=7.8Hz、2H)、6.38(t、J=6.5Hz、1H)、5.26 (d、J=6.3Hz、2H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ216.38、188.88、138.41、134.99、129.38、127.95、92.46、78.76;IR(neat):1961、1931、1652、1588、1277、1212、1091cm-1;MS(EI)m/z 180(M(37Cl)+、2.53)、178(M(35Cl)+、10.29)、139(100);HRMS計算値C10H735ClO(M+):178.0185;実測値:178.0185。
【0032】
[実施例6]3-ヘキシル-1,2-オクタジエン-4-オンの合成
【0033】
【化6】

【0034】
原料を3-ヘキシル-1,2-オクタジエン-4-オール(211.3 mg、1.0 mmol)とし、反応時間を4時間にし、他の操作は実施例1を参考し、3-ヘキシル-1,2-オクタジエン-4-オン(156.1mg、75%)が得られた。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ5.16(t、J=2.9Hz、2H)、2.64(t、J=7.7Hz、2H)、2.20-2.10(m、2H)、1.61-1.49(m、2H)、1.42-1.21(m、10H)、0.93-0.82(m、6H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ216.25、201.38、108.62、79.35、38.94、31.61、28.88、27.82、27.21、26.27、22.58、22.37、14.02、13.82;IR(neat):2957、2928、2858、1934、1677、1464、1410、1379、1349、1259、1175、1086、1020cm-1;MS(EI)m/z 208 (M+、0.48)、85(100);HRMS計算値C14H24O(M+):208.1827;実測値:208.1826。
【0035】
[実施例7]2-ノニナール(Nonynal)の合成
【0036】
【化7】

【0037】
原料を2-ノニノール(Nonynol)(140.1mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、2-ノニナール(119.9 mg、87%)が得られた。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.18(s、1H)、2.41(t、J=7.1Hz、2H)、1.66-1.50(m、2H)、1.48-1.24 (m、6H)、0.90(t、J=6.6Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ176.86、 99.20、81.61、31.07、28.39、27.41、22.34、19.00、13.86;IR(neat)2930、2859、2237、2200、1716、1670、1458、1380、1278、1225、1137cm-1;MS(EI)m/z 138 (M+、0.40)、137(M+-H、1.57)、41(100)。
【0038】
[実施例8]3-フェニルプロピナール(3-Phenyl propynal)の合成
【0039】
【化8】

【0040】
原料をプロピオリック アルコール(propiolic alcohol)(132.0mg、1.0mmol)とし、反応時間を2.3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、3-フェニルプロピナール(111.9mg、86%)が得られた。1H NMR (300MHz、CDCl3) δ9.41 (s、1H)、7.59 (d、J=7.8Hz、2H)、7.48(t、J=6.9Hz、1H)、7.39(t、J=6.9 Hz、2H);13C NMR (75.4MHz、CDCl3) δ176.61、133.16、131.19、128.65、119.34、94.96、88.35;IR(neat)2854、2738、2240、2185、1654、1489、1443、1387、1260、1070cm-1;MS(EI)m/z130(M+、64.02)、102(100)。
【0041】
[実施例9]3-パラニトロフェニルアクラルデヒド(acraldehyde)の合成
【0042】
【化9】

【0043】
原料を3-パラニトロフェニルプロパルギルアルコール(propargyl alcohol;Propynol)(177.5mg、1.0mmol)とし、反応時間を1.7時間にし、他の操作は実施例1を参考し、3-パラニトロフェニルアクラルデヒドが得られた(125.5 mg、72%)。1H NMR(300 MHz、CDCl3) δ9.43 (s、1H)、8.24(d、J=8.4Hz、2H)、7.75(d、J=8.7Hz、2H);13C NMR (75.4 MHz、CDCl3) δ176.03、148.70、133.78、125.87、123.71、90.67、90.49;IR(neat)2924、2854、2195、1655、1592、1511、1342、1103cm-1
【0044】
[実施例10]3-パラメトキシフェニルアクラルデヒド(acraldehyde)の合成
【0045】
【化10】

【0046】
原料を3-パラメトキシフェニルアクラルデヒド(161.9 mg、1.0mmol)とし、反応時間を3.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、3-パラメトキシフェニルアクラルデヒドが得られた(110.8 mg、69%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.38 (s、1H)、7.54 (d、J=8.7Hz、2H)、6.90(d、J=8.7Hz、2H)、3.83(s、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ176.32、161.78、135.03、114.14、110.67、96.15、88.37、55.07;IR(neat)2178、1643、1598、1507、1303、1254、1175、1022cm-1;MS(EI)m/z(%)160(M+、100)。
【0047】
[実施例11]1-パラトリフルオルメチルフェニル-2-ヘキシノンの合成
【0048】
【化11】

【0049】
原料を1-パラトリフルオルメチルフェニル-2-ヘキシノール(256.3mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1-パラトリフルオルメチルフェニル-2-ヘキシノンが得られた(201.0 mg、79%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ8.24(d、J=8.1Hz、2H)、7.74(d、J=8.1Hz、2H)、2.54(t、J=6.9 Hz、2H)、1.75-1.61(m、2H)、1.58-1.44 (m、2H)、0.98(t、J=7.4Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ176.78、139.45、134.91(q、J=32.3Hz)、129.70、125.60-125.40(m)、123.54(q、J=272.6Hz)、98.27、79.38、29.70、22.02、18.85、13.37;IR(neat)2962、2936、2875、2239、2201、1650、1583、1509、1466、1411、1322、1261、1170、1128、1108、1064、1016cm-1;MS(EI)m/z 254(M+、3.14)、173(100);HRMS計算値C14H13OF3(M+):254.0918;実測値:254.0919。
【0050】
[実施例12]1-フェニルヘプチン-3-オン(1-phenylheptyne-3-one)の合成
【0051】
【化12】

【0052】
原料を1-フェニルヘプチン-3-ノール(1-phenylHeptyne-3-ol)(187.8mg、1.0mmol)とし、反応時間を2.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1-フェニルヘプチン-3-オンが得られた(161.3mg、87%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ7.56 (d、J=7.5Hz、2H)、7.47-7.30 (m、3H)、2.66(t、J=7.4Hz、2H)、1.78-1.64(m、2H)、1.46-1.31(m、2H)、0.95(t、J=7.4Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ188.01、132.87、130.50、128.50、119.97、90.37、87.77、45.14、26.14、22.05、13.70;IR(neat)3063、2958、2872、2201、1666、1489、1443、1272、1158、1125、1067cm-1;MS(EI)m/z 186(M+、1.67)、129 (100)。
【0053】
[実施例13]1-t-ブチルジメチルシロキサン-2-ウンデシン-4-オンの合成
【0054】
【化13】

【0055】
原料を1-t-ブチルジメチルシロキサン-2-ウンデシン-4-オール(21-97.5mg、1.0mmol)とし、反応時間を3.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1-t-ブチルジメチルシロキサン-2-ウンデシン-4-オンが得られた(267.1 mg、90%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ4.46(s、2H)、2.54(t、J=7.4Hz、2H)、1.74-1.62(m、2H)、1.38-1.22(m、8H)、0.96-0.86(m、 12H)、0.13(s、6H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ187.71、90.19、83.88、51.50、45.33、31.59、28.95、28.90、25.70、23.97、22.55、18.22、14.0、-5.23;IR(neat)2929、2857、2216、1679、1464、1364、1255、1153、1098cm-1;MS(EI)m/z 296(M+、0.15)、239(M+-But、67.49)、75(100);HRMS計算値C17H32O2Si(M+):296.2172;実測値:296.2174。
【0056】
[実施例14]1-フェニル-3-トリメチルシリコン-2‐プロピノンの合成
【0057】
【化14】

【0058】
原料を1-フェニル-3-トリメチルシリコン-2プロピノール(204.9 mg、1.0 mmol)とし、反応時間を1.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1-フェニル-3-トリメチルシリコン-2-プロピノンが得られた(191.0 mg、94%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ8.14(d、J=8.1Hz、2H)、7.61(t、J=7.4Hz、1H)、7.48(t、J=7.7Hz、2H)、0.32(s、9H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ177.64、136.48、134.11、129.60、128.54、100.84、100.49、-0.73; IR(neat)2153、1643、1598、1579、1450、1312、1243、1173、1035、1016cm-1;MS(EI)m/z 202(M+、16.37)、187(100)。
【0059】
[実施例15]1-パラメトキシフェニル-2-ヘプチノン(heptynone)の合成
【0060】
【化15】

【0061】
原料を1-パラメトキシフェニル-2-ヘプチノール(218.7mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、1-パラメトキシフェニル-2-ヘプチノンが得られた(195.0mg、90%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ8.10(d、J=8.4Hz、2H)、6.94(d、J=8.7Hz、2H)、3.87(s、3H)、2.48(t、J=6.9Hz、2H)、1.71-1.58(m、2H)、1.57-1.42(m、2H)、0.96(t、J=7.2Hz、3H); 13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ176.74、164.12、131.70、130.23、113.57、95.69、79.50、55.38、29.76、21.91、18.71、13.35;IR(neat)2958、2934、2872、2238、2199、1635、1594、1573、1508、1460、1421、1316、1251、1164、1113、1026cm-1;MS(EI)m/z 216(M+、63.27)、135 (100)。
【0062】
[実施例16]6−デシン-5-オン(6-Decyne-5-one)の合成
【0063】
【化16】

【0064】
原料を6−デシン-5-オール(6-Decyne-5-ol)(168.4mg、1.0mmol)とし、反応時間を4時間にし、他の操作は実施例1を参考し、6−デシン-5-オンが得られた(151.8mg、91%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ2.52(t、J=7.4Hz、2H)、2.37(t、J=6.9Hz、2H)、1.71-1.60(m、4H)、1.60-1.28(m、4H)、0.97-0.89(m、6H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ188.43、94.10、80.87、45.20、29.71、26.19、22.08、21.89、18.57、13.72、13.40;IR(neat)2959、2933、2873、2213、1672、1465、1243、1168cm-1;MS(EI)m/z 165(M+-H、0.07)、151(M+-CH3、4.57)、109(M+-Bu-n、100)。
【0065】
[実施例17]ドデシン-3-オン(dodecyne-3-one)の合成
【0066】
【化17】

【0067】
原料をドデシン-3-オール(3-ドデシノール)(182.2mg、1.0mmol)とし、反応時間を5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、ドデシン-3-オンが得られた(156.5 mg、87%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ3.20(s、1H)、2.58(t、J=7.4Hz、2H)、1.75-1.60(m、2H)、1.37-1.20(m、12H)、0.88(t、J=6.3Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ187.51、81.49、78.18、45.44、31.82、29.33、29.26、29.20、28.87、23.77、22.63、14.04;IR(neat):2925、2855、2093、1681、1465、1404、1377、1205、1132、1089、1051cm-1;MS(EI)m/z 180(M+、0.22)、179(M+-H、0.85)、53(100)。
【0068】
[実施例18]トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(3,7-Dimethyl-2, 6-octadienal)の合成
【0069】
【化18】

【0070】
原料をトランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノール(3,7-Dimethyl-2,6-Octadienol)(154.7mg、1.0mmol),反応時間を8時間にし,他の操作は実施例1を参考し、トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールが得られた(141.3 mg、93%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.98(d、J=7.5 Hz、1H)、5.87(d、J=7.2Hz、1H)、5.07(s、1H)、 2.30-2.10(m、7H)、1.68(s、3H)、1.61(s、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ191.18、163.70、132.82、127.34、122.52、40.52、25.67、25.54、17.60、17.47;IR(neat)2968、2917、2856、1671、1632、1611、1442、1379、1193、1120、1044cm-1;MS(EI)m/z(%) 152(M+、2.55)、69(100)。
【0071】
[実施例19]トランス-4-メチル-1-フェニルペンテン-3-オンの合成
【0072】
【化19】

【0073】
原料をトランス-4-メチル-1-フェニルペンテン-3-オール(176.6 mg、1.0 mmol)とし、反応時間を4時間にし、他の操作は実施例1を参考し、トランス-4-メチル-1-フェニルペンテン-3-オンが得られた(102.8mg、59%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ7.61(d、J=16.2Hz、 1H)、7.57-7.52(m、2H)、7.41-7.34(m、3H)、6.82(d、J=7.8Hz、1H)、2.93(hept、J=6.9Hz、1H)、1.19(s、3H)、1.17(s、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ203.62、142.27、134.59、130.21、128.79、128.16、124.36、39.14、18.37;IR(neat)3028、1687、1662、 1610、1576、1495、1465、1449、1383、1348、1301、1201、1147、1120、1087、1054cm-1;MS(EI)m/z159(M+-CH3、7.13)、41(100)。
【0074】
[実施例20]2-フェニル-2-シクロヘキセン-1-オン(2-Cyclohexen-1-one)の合成
【0075】
【化20】

【0076】
原料を2-フェニル-2-シクロヘキセンノール(cyclohexenol)(175.0mg、1.0mmol)とし、反応時間を4時間にし、他の操作は実施例1を参考し、2-フェニル-2-シクロヘキセン-1-オンが得られた(149.2mg、86%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ7.34-7.20(m、5H)、6.95(t、J=4.1Hz、1H)、2.56-2.40(m、4H)、2.08-1.96(m、2H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ197.47、147.75、139.92、136.32、128.31、127.61、127.16、38.73、26.22、22.57; IR (neat)2948、2930、1661、1553、1491、1443、1427、1357、1315、1279、1261、1208、1155、1119、1071、1032cm-1;MS(EI)m/z 172(M+、59.46)、115(100)。
【0077】
[実施例21]パラクロロベンズアルデヒドの合成
【0078】
【化21】

【0079】
原料をパラクロロベンジルアルコール(142.3mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、パラクロロベンズアルデヒドが得られた(122.2mg、87%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.98(s、1H)、7.82(d、J=7.5Hz、2H)、7.51(d、J=7.8Hz、2H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ190.75、140.91、134.72、130.85、129.42;IR(neat):2856、1699、1588、1575、1485、1385、1295、1264、1205、1165、1092、1012cm-1;MS(EI)m/z 142(M+(37Cl)、10.04)、140(M+(35Cl)、35.62)、41(100)。
【0080】
[実施例22]パラメトキシベンズアルデヒドの合成
【0081】
【化22】

【0082】
原料をパラメトキシベンジルアルコール(137.8 mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、パラメトキシベンズアルデヒドが得られた(122.4mg、90%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ9.87(s、1H)、7.82(d、J=8.4Hz、2H)、6.99(d、J=8.4Hz、2H)、3.87(s、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ190.24、164.13、131.45、129.49、113.84、55.09;IR(neat)2840、2739、1680、1595、1576、1510、1460、1426、1393、1314、1255、1214、1182、1157、1108、1021cm-1;MS(EI)m/z 136(M+、69.21)、135 (100)。
【0083】
[実施例23]パラニトロベンズアルデヒドの合成
【0084】
【化23】

【0085】
原料をパラニトロベンジルアルコール(153.1mg、1.0mmol)とし、反応時間を2.5時間にし、他の操作は実施例1を参考し、パラニトロベンズアルデヒドが得られた(141.6mg、94%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ10.16(s、1H)、8.39(d、J=8.4Hz、2H)、8.07(d、J=8.4Hz、2H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ190.23、140.07、130.45、124.28;IR(neat)2852、1707、1606、1539、1382、1346、1325、1287、1198、1105、1008cm-1;MS(EI)m/z 151(M+、73.95)、51(100)。
【0086】
[実施例24]アセチルフェノン(acetylphenone)の合成
【0087】
【化24】

【0088】
原料を1-フェニルエチルアルコール(1-phenyl ethyl alcohol)(121.4mg、1.0mmol)とし、反応時間を3時間にし、他の操作は実施例1を参考し、アセチルフェノンが得られた(106.9mg、89%)。1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.96(d、J=7.8Hz、2H)、7.56(t、J=7.4Hz、 1H)、7.46(t、J=7.7Hz、2H)、2.60(s、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3)δ198.09、137.15、133.05、128.54、128.27、26.53;IR(neat)1681、1598、1582、1448、1358、1263、1180、1078、1024cm-1;MS(EI)m/z 120(M+、33.35)、77(100)。
【0089】
[実施例25]ヘキサデカナール(hexadecanal)の合成
【0090】
【化25】

【0091】
原料をセチルアルコール(1-ヘキサデカノール)(242.7mg、1.0mmol)とし、反応時間を11時間にし、他の操作は実施例1を参考し、ヘキサデカナールが得られた(168.5mg、70%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ9.76(s、1H)、2.41(t、J=7.4Hz、2H)、1.68-1.56(m、2H)、1.36-1.18(m、24H)、0.88(t、J=6.2Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ202.82、43.89、31.91、29.64、29.56、29.40、29.33、29.16、22.66、22.08、14.06;IR(neat)2912、2849、1729、1704、1470、1411、1392、1373cm-1;MS(EI)m/z 240(M+、2.20)、57(100)。
【0092】
[実施例26]トリデカン-2-オンの合成
【0093】
【化26】

【0094】
原料を2-トリデカノール(201.1mg、1.0mmol)とし、反応時間を7時間にし、他の操作は実施例1を参考し、トリデカン-2-オンが得られた(186.4mg、94%)。1H NMR(300MHz、CDCl3) δ2.31(t、J=7.4Hz、2H)、2.02(s、3H)、1.53-1.42(m、2H)、1.27-1.10(m、16H)、0.78(t、J=6.3Hz、3H);13C NMR(75.4MHz、CDCl3) δ208.60、43.52、31.71、29.47、29.42、29.29、29.22、29.14、28.99、23.66、22.47、13.84;IR(neat)2923、2853、1717、1465、1411、1358、1260、1226、1162cm-1;MS(EI)m/z 198(M+、2.18)、43(100)。
【0095】
[実施例27]シクロヘキサノンの合成
【0096】
【化27】

【0097】
Fe(NO3)3.9H2O(2.0681g、5.0mmol)と、TEMPO781.3mg、5.0mmol)と、NaCl(299.0 mg、5.0mmol)とDCE(50mL)とを100mLの三口フラスコに加えた。酸素の雰囲気において、室温で5分間攪拌した。シクロヘキサノール(10.0718g、100.0mmol)を反応液に滴下し、反応によって熱が生じるため、温度を50℃以下に維持し、反応が終了するまでTLCで監視した。減圧の蒸留(20mmHg、68-71℃)で産物のシクロヘキサノン8.33g、85%)が得られた。 1H NMR(300MHz、CDCl3)δ2.33(t、J=6.6Hz、4H)、1.90-1.80(m、4H)、1.77-1.63(m、2H);13CNMR(75.4MHz、CDCl3) δ212.13、41.64、26.73、25.22。
【0098】
[実施例28]アセトフェノン(Acetophenone)の合成
【0099】
【化28】

【0100】
Fe(NO3)3.9H2O(16.1607g、40.0mmol)と、TEMPO6.2510g、40.0mmol)と、NaCl(2.3377g、40.0mmol)、とDCE(400mL)とを2Lの三口フラスコに加えた。酸素の雰囲気において、室温に10分間攪拌した。1-フェニルアルコール(488.64g、4.0mol)を反応液に滴下し、反応によって熱が生じるため、温度を50℃以下に維持し、反応が終了するまでTLCで監視した。常圧で反応液における溶媒DCEを蒸発させた(350mL、回収率 88%)。減圧の条件で(b.p.98〜100℃/20mmHg )、製品のアセチフェノンを蒸発させ、製品436.6414gが得られた、収率は91%であった。
【0101】
[実施例29−34]
【0102】
【化29】

【0103】
Fe(NO3)3.9H2O(0.05mmol)と、1,2-ジクロロエタン(DCE、4mL)と、TEMPO(0.05mmol) と添加剤(0.05mmol)とを10mLの三口フラスコに加えた。酸素雰囲気において、室温で5分間攪拌した。2-ヘキシル-1-フェニル‐2,3-ブタジエノール(butadienol )(0.5mmol)をDCE(1mL)に溶解させてから反応液に滴下し、反応が終了するまでTLCで監視した。反応液をエチルエーテル(30mL)で希釈し、無水MgSO4で乾燥し、積層されたシリカゲルで濾過し、濃縮し、メシチレン(46uL)を加え、核磁気共鳴(1H NMR、300MHz)で転化率と収率を分析した。
【0104】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温で有機溶媒において酸素又は空気を酸化剤とし、硝酸鉄と2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と無機塩化物とを触媒とし、1〜24時間の反応時間で、アルコールをアルデヒド或いはケトンに酸化させ、前記アルコールと2,2,6,6-テトラメチルピペリジン窒素酸化物と硝酸鉄と無機塩化物との比はモル比で100:1〜10:1〜10:1〜10であることを特徴とする、アルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【請求項2】
前記アルコールは、R1R2CHOH(ただし、前記R1は水素、炭素数1〜16のアルキル基、R3及び/又はR4で置換されたアルケニル基、R5及び/又はR6で置換されたアルケニル基、R7で置換されたアルキニル基、アリール基、トリフルオルメチルフェニル基、ニトロフェニル基、ハロゲン化フェニル基、或いは炭素数1〜4のアルコキシフェニル基であって、前記R2は水素、炭素数1〜16のアルキル基、アリール基、トリフルオルメチルフェニル基、ハロゲン化フェニル基或いはメトキシフェニル基であって、前記R3は炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、前記R4は水素、炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、前記R5は水素、炭素数1〜9のアルキル基、アリールフェニール基又はベンジル基であって、前記R6は水素、炭素数4〜9のアルキル基、アリール基又はベンジル基であって、前記R7は水素、炭素数1〜12のアルキル基、トリメチルシリコン基、アリール基、ハロゲン化フェニル基、ニトロフェニル基又はメトキシフェニル基である)或いはC5〜C8の環状アルコールであることを特徴とする、請求項1に記載のアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【請求項3】
前記アリール基は、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシフェニル又はナフチル基であることを特徴とする、請求項2に記載のアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【請求項4】
前記C5〜C8の環状アルコールは、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール又はシクロオクタノールであることを特徴とする、請求項2に記載のアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【請求項5】
前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエタン、1、2−ジクロロプロパン、1、3−ジクロロプロパン、ニトロメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又は酢酸エチルから選ばれる一種或いは多種の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。
【請求項6】
前記無機塩化物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ルビジウム又は塩化セシウムであることを特徴とする、請求項1に記載のアルコールを酸化してアルデヒド或いはケトンを製造する方法。

【公表番号】特表2013−518064(P2013−518064A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550299(P2012−550299)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075608
【国際公開番号】WO2012/012952
【国際公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(512198970)華東師範大学 (1)
【出願人】(512198659)中国科学院上海有机化学研究所 (1)
【Fターム(参考)】