説明

酸素バリヤ処方物

ポリマー材料のための酸素バリヤ組成物は、金属および添加剤化合物を含む。この酸素バリヤ組成物はさらに、ホストポリマーを含んでもよい。酸素バリヤ組成物を含む構造を、完全パッケージとして、パッケージの一部として、および/またはパッケージのための前駆体として成形することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
ポリマー材料は、パッケージング用途において、ガラスおよび金属などの慣用の材料にますます迫っている。ポリマー材料を使用することにより、重量およびコストの低減、耐久性の向上およびパッケージングデザインのより高い多様性を含む、ガラスおよび金属を上回る顕著な利点が得られる。しかしながら、多くのポリマーは、慣用の材料よりも酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)および水(H2O)などの物質に対して高い透過性を有する。ポリマーパッケージを透過するこれらの、または他の物質は、パッケージの内容物の品質を劣化させうる。歴史的に、少なくとも部分的には、その小さい物理的サイズにより、酸素は、ポリマーパッケージングの内容物からバリヤすることが難しい物質である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
酸素バリヤは、ポリマーであってもよいし、低分子量の添加剤であってもよい1種または複数の試剤を含んでよい。試剤として作用しうるポリマーは、通常高価であるので、往々にして、様々なポリマーをブレンドするか、ポリマーの層構造を生じさせることにより、比較的低コストの慣用のポリマーと組み合わせて、ポリマーパッケージングを生じさせる。さらに、パッケージングのコストに加えて、ポリマー試剤を含有するパッケージングの製造は往々にして、複雑かつ困難である。ポリマーに試剤として低分子量の添加剤を導入することは、それ自体が挑戦である。これらの添加剤は、プラスチックパッケージングを製造する際に通常使用される熱加工条件下に揮発する傾向を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1態様は、ポリマー、金属および構造(II)を有する化合物を有する酸素バリヤ組成物である。
【0005】
【化1】

【0006】
成分−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;ここで、R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。
【0007】
本発明の他の態様は、第1のポリマーを有する第1の相;ならびに第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物を有する第2の相を有する多相組成物である。
【0008】
【化2】

【0009】
成分=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを含む基からなる群から選択される。成分−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;この際、R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。
【0010】
本発明のさらに他の態様は、第1のポリマーを有する第1の相ならびに第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物を有する第2の相を有するパッケージのための壁体である。
【0011】
【化3】

【0012】
成分=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを有する基からなる群から選択される。成分−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;この際、R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。前記の第2の相での前記化合物の濃度は、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントである。前記の第2の相での前記金属の濃度は、約30ppmから約5000ppmである。
【0013】
本発明のさらに他の態様は、ポリマー、金属および構造(II)有する化合物を混合するステップを含む、酸素バリヤ組成物を製造する方法である:
【0014】
【化4】

【0015】
成分−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;この際、R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。
【0016】
本発明のさらに他の態様は、第1のポリマーを有する第1の相および第2の相を有する多相組成物を形成させるステップと;多相組成物を加工して、パッケージにするステップとを含む、酸素バリヤ特性を有するパッケージを製造する方法である。前記の第2の相は、第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物を有する。
【0017】
【化5】

【0018】
成分=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを有する基からなる群から選択される。成分−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;この際、R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。
【0019】
本発明のさらに他の態様は、パッケージに物質をシーリングするステップを含む、物質の酸素含分を低減する方法であり、この際、前記のパッケージは、ポリマー、金属および構造(II)を有する化合物を有する。
【0020】
【化6】

【0021】
成分−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;この際、R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する。
【0022】
(定義)
「活性酸素バリヤ」との用語は、化学的および/または物理的手段を介して酸素を消費しうる材料に関する。物質の「酸素バリヤ活性」とは、所定の環境設定下での材料の酸素消費レベルに関する。「活性組成物」とは、活性酸素バリヤ材料として使用することができる物質に関する。「バリヤ材料」は、他の材料に比較して、酸素または二酸化炭素などの個々の物質に関して低い透過率を示す材料である。
【0023】
「アルキル」(またはアルキル−またはアルク−)との用語は、好ましくは1から20個の炭素原子を含む置換または非置換の直鎖、分枝鎖または環式炭化水素鎖に関する。アルキル基には例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0024】
「置換(されている)」との用語は、少なくとも1個、好ましくは1から5個の置換基をさらに含む化学成分に関する。置換基の例には、ヒドロキシ(−OH)、アミノ(−NH2)、オキシ(−O−)、カルボニル(>C=O)、チオール、アルキル、ヘテロアルキル、ハロ、ニトロ、アリールおよび複素環基が含まれる。これらの置換基は、1から5個の置換基でさらに置換されていてもよい。置換されている置換基の例には、カルボキサミド、アルキルメルカプト、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルヒドロキシ、カルボキシレート、アルコキシカルボニル、アルキルアリール、アラルキルおよびアルキルへテロシクリルが含まれる。
【0025】
「ハロゲン」(またはハロ−)との用語は、フッ素、塩素、ヨウ素または臭素、好ましくは、フッ素または塩素に関する。
【0026】
「アルケニル」(またはアルケニル−またはアルケン−)との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、好ましくは2から20個の炭素原子を含む置換または非置換の直鎖、分枝鎖または環式炭化水素鎖に関する。アルケニル基には例えば、エテニル(またはビニル、−CH=CH2);1−プロペニル;2−プロペニル(またはアリル、−CH2−CH=CH2);1,3−ブタジエニル(−CH=CHCH=CH2);1−ブテニル(−CH=CHCH2CH3);ヘキセニル;ペンテニル;1,3,5−ヘキサトリエニル;シクロヘキサジエニル;シクロヘキセニル;シクロペンテニル;シクロオクテニル;シクロヘプタジエニル;およびシクロオクタトリエニルが含まれる。
【0027】
「アルキニル」(またはアルキニル−またはアルキン−)との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、好ましくは2から20個の炭素原子を含む置換または非置換の直鎖、分枝鎖または環式炭化水素鎖に関する。アルキニル基には例えば、エチニル(またはアセチレニル、−C≡CH);2−メチル−3−ブチニル;およびヘキシニルが含まれる。
【0028】
「ヘテロアルキル」との用語は、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)またはリン(P)などの1個または複数のヘテロ原子を含むアルキル基に関する。ヘテロアルキル基の例には、エーテル、エステル、カルボネート、アミン、アミド、カルバメート、イミン、ニトリル、スルホン、チオエーテル、チオエステル、チオカルバメート、ホスフェート、ホスホネートおよびホスフィンが含まれる。ヘテロアルキル基は、1個または複数のヘテロ原子を介して、他の化学基に結合していてもよい。
【0029】
「アリール」との用語は、好ましくは5から20個の炭素原子を含む置換または非置換芳香族炭素環基に関する。アリール基は、単環式または多環式であってよい。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ベンジル、トリル、キシリル、フェニルエチル、クミルフェニル、アニリンおよびN−アルキルアニリノが含まれる。
【0030】
「複素環」との用語は、1個または複数のヘテロ原子を含み;好ましくは5から10個、さらに好ましくは5から6個の環原子を含む置換または非置換の飽和、不飽和または芳香環に関する。「環原子」との用語は、環構造に導入されている原子に関し、環に懸垂している他の原子は除外する。環は、単−、二−または多環式であってよい。複素環基は、炭素原子ならびに窒素、酸素およびイオウからなる群から独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含む。置換または非置換であってもよい複素環基の例には、ベンザチアゾリン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェニル、カルバゾール、シノリン、フラン、イミダゾール、1H−インダゾール、インドール、イソインドール、イソキノリン、イソチアゾール、モルホリン、オキサゾール(即ち、1,2,3−オキサジアゾール)、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタラジン、ピペラジン、プテリジン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、チオフェン、1,3,5−トリアジンおよびトリアゾール(即ち、1,2,3−トリアゾール)が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、ポリマー材料に活性酸素バリヤをもたらす添加剤の使用を含む。本発明の添加剤は、低い揮発性を有し、添加剤含分を著しく低減すること無く、慣用のポリマー加工技術および装置を使用して、前記の添加剤を含有する組成物を加工することができる。本発明は、添加剤として該化合物を含有するポリマー組成物、さらに、これらのポリマー組成物から製造されたパッケージングを含む。
【0032】
添加剤として使用することができる本発明の化合物には、構造(I)を有する化合物が含まれる:
【0033】
【化7】

【0034】
[上式中、=Aは、3から20個の炭素原子を有するアルケニル基、5から20個の炭素原子を有するシクロアルケニル基または=CH−Eであってよく、ここで、−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1または−CHR1R2であってよく;R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、R2は、−O−R5−R6または−O−R6であるか;R1およびR2はそれらが結合している原子と共に、環を形成する]。
【0035】
=Aがアルケニル基である場合の「A」成分の例には、プロペニル;メチルプロペニル;ブテニル;メチルブテニル;ペンテニル;メチルペンテニル;ジメチルペンテニル;エチルペンテニル;ヘキセニル;メチルヘキセニル;ジメチルヘキセニル;エチルヘキセニル;ジエチルヘキセニル;ヘキサジエニル;メチルヘキサジエニル;ジメチルヘキサジエニル;エチルヘキサジエニル;およびジエチルヘキサジエニルが含まれる。例えば、構造(1)を有し、Aとして4−メチル−3,5−ヘキサジエニルを有する化合物は一般に、「ファルネセン」と称される。=Aがシクロアルケニル基である「A」成分の例には、シクロペンテニル;メチルシクロペンテニル;エチルシクロペンテニル;シクロヘキセニル;メチルシクロヘキセニル;エチルシクロヘキセニル;シクロヘキサジエニル;メチルシクロヘキサジエニル;エチルシクロヘキサジエニル;シクロヘプタジエニル;シクロオクテニル;およびシクロオクタジエニルが含まれる。例えば、構造(I)を有し、Aとして4−メチル−3−シクロヘキセニル基を有する化合物は一般に、「ビサボレン」と称される。
【0036】
=Aが=CH−Eであり、−Eが−CH2R1または−CHR1R2である化合物では、R1は、−O−R3−R4または−O−R4であってよく、R2は、−O−R5−R6または−O−R6であってよいか;またはR1およびR2はそれらが結合している原子と共に、環を形成する。基R3、R4、R5およびR6は独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールまたは複素環であってよい。好ましくは、R1およびR2を含む環は、5から20個の環原子、さらに好ましくは5から10個の環原子を有する。これらの環は、炭化水素環または複素環であってよく、置換または非置換であってよく、他の環に縮合していてもよく、飽和(即ち、シクロアルキル)、不飽和(即ち、シクロアルケニル)または芳香族(即ち、フェニル)であってよい。
【0037】
好ましくは、本発明の化合物は、=Aが=CH−Eである構造(I)を有する化合物を含む。例えば、好ましい化合物は、構造(II)を有する化合物を含む:
【0038】
【化8】

【0039】
式中、−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1または−CHR1R2であってよく、ここで、R1は、−O−R3−R4または−O−R4であってよく、R2は、−O−R5−R6または−O−R6であってよいか;またはR1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、環を形成する。基R3、R4、R5およびR6は独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールまたは複素環であってよい。好ましくは、R1およびR2を含む環は、5から20個の環原子、さらに好ましくは、5から10個の環原子を有する。これらの環は、炭化水素環または複素環であってよく、置換または非置換であってよく、他の環に縮合していてもよく、飽和(即ち、シクロアルキル)、不飽和(即ち、シクロアルケニル)または芳香族(即ち、フェニル)であってよい。
【0040】
−O−R4および−O−R6の例はそれぞれ独立に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロポキシおよびシクロへキソキシ基などのアルコキシ基(R4またはR6はC1〜C20アルキル)を含み、置換されていてもよい。−O−R4および−O−R6の例は独立に、フェノキシ、クレソキシ、エチルフェノキシ、クミルオキシおよびナフトキシ基などのアリールオキシ基(R4またはR6はC5〜C20アリール)を含み、置換されていてもよい。−O−R3−R4および−O−R5−R6の例はそれぞれ独立に、ベンジルオキシ、2−エトキシフェニルおよびイソプロポキシフェニル基などのアリール−アルコキシ基(R3またはR5は、C1〜C20アルキルであり、R4またはR6はC5〜C20アリールである)を含み、アリールおよび/またはアルコキシ基の上で置換されていてもよい。−O−R3−R4および−O−R5−R6の例はそれぞれ独立に、クミルフェノキシ、ビフェノキシおよびベンジルフェノキシ基などのアリール−アリールオキシ基(R3またはR5ならびにR4またはR6は独立に、C5からC20アリールである)を含み、アリールおよび/またはアリールオキシ基で置換されていてもよい。−O−R4および−O−R6の例は独立に、2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、2−エトキシアセテート基などのヘテロアルコキシ基(R4またはR6はC1〜C20ヘテロアルキルである)を含み、置換されていてもよい。−O−R4および−O−R6の例は独立に、プロペノキシ、ブテノキシ、イソプロペノキシ、ペンタジエノキシ、シクロペンテンオキシ、シクロヘキセノキシ、オレイルオキシ、ウンデシレンオキシ、ゲラニルオキシ、ファルネソキシおよびネロリドキシ基などのアルケノキシ基(R4またはR6はC2からC20アルケノキシである)を含み、置換されていてもよい。
【0041】
R1およびR2が、これらが結合している原子と共に、環を形成している構造(II)を有する本発明の化合物では、化合物は、構造(III)として表すことができる。
【0042】
【化9】

【0043】
R1およびR2の間に位置する3級炭素原子は本発明では、「橋頭」炭素と称される。閉環は、R1とR2との間の橋頭炭素、R1、R2および他の原子により形成される。R1およびR2の両方を含む環の例は、基−R1−R2に結合している橋頭炭素を含む環を含み、ここで、−R1−R2は、ブチル(−C4H8)またはフェニル(−C5C10−)などのアルキル基;ブテニルまたはペンテニルなどのアルケニル基;1,4−ブチル−ジ−オキシ(−O−C4H8−O−)、1,4−ブチル−ジ−オキシ(−O−C5H10−O−)、エチレングリコキシ(−O−C2H4−O−)およびジエチレングリコキシ(−O−C2H4−O−C2H4−O)などの複素環基;およびカテコール(−O−(オルト−C6H4)−O−)などのアリール基であってよく、置換されていてもよい。例えば、橋頭炭素および基−R1−R2を含む環は、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基および複素環基であってよい。例えば、−R1−R2が複素環基である場合、この環は、1から5個の酸素原子、好ましくは2から3個の酸素原子を含み;3から9個の炭素原子または2から6個の炭素原子を含むクラウンエーテルと類似していてよい。
【0044】
ポリマー材料中の添加剤として、1種または複数の本発明の化合物が存在することにより、活性酸素バリヤ特性が組成物に付与されうる。活性組成物または活性組成物を含む材料が接触する密閉環境においては、分子酸素の消費により、その環境への酸素の正味進入が除外されうるか、かなり低減されうる。さらに、分子酸素の消費によって、分子酸素の全密閉量が低減されうる。
【0045】
本発明の化合物の例は、式中の−Eが−CHR1(−O−R6)である構造(II)を有する化合物を含み、ここで、R6は、1から20個の炭素原子を含むアルキル基であり;R6は、2から20個の炭素原子を含むアルケニル基であり;R6は、4から20個の炭素原子およびさらに2またはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含むアルケニル基である。
【0046】
本発明の化合物の例は、式中の−Eが−CHR1(−O−R5−R6)である構造(II)を有する化合物を含み、ここで、R5は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり;R5は、2から20個の炭素原子を有するアルキル基であり;R5は、2から20個の炭素原子を含むアルケニル基であり;R5は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である。これらの例はさらに、式中のR6が1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり;R6が2から20個の炭素原子を含むアルキル基であり;R6が2から20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;R6が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。これらの例はさらに、式中のR5が1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R6が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。これらの例はさらに、式中のR5が5から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R6が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。
【0047】
本発明の化合物の例は、式中の−Eが−CH2(−O−R4)である構造(II)を有する化合物を含み、ここで、R4は、1から20個の炭素原子を含むアルキル基であり;R4は、2から20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;R4は、4から20個の炭素原子および2個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である。
【0048】
本発明の化合物の例は、式中の−Eが−CH2(−O−R3−R4)である構造(II)を有する化合物を含み、ここで、R3は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり;R3は、2から20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;R3は、および5から20個の炭素原子を有するアリール基である。これらの例はさらに、式中のR4が1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり;R4が2から20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;R4が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。これらの例はさらに、式中のR3が1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R4が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。これらの例はさらに、式中のR3が3から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R4が5から20個の炭素原子を有するアリール基である化合物を含む。
【0049】
本発明の化合物の例は、式中の−Eが−CH2R1または−CH−R1R2である構造(II)を有する化合物を含み、ここで、R1および/またはR2は、−OCH3;−OCH2CH3;−OCH2CH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;および−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2などの基である。
【0050】
添加剤として使用することができる本発明の化合物の個々の例は、次を含む:
シトラール 構造(II)、Eは、C(=O)Hである;
ゲラニオール 構造(II)、Eは、CH2OHである;
シトラールジメチルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OCH3)2である;
シトラールジエチルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OCH2CH3)2である;
シトラールジプロピルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OCH2CH2CH3)2である;
シトラールジゲラニルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OCH=C(CH3(CH2)2CH=C(CH3)2)2である;
ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール(UADA) 構造(II)、Eは、CH2[OCH(CH=CH(CH2)7CH3)(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2)]である;
シトラールエチレングリシルアセタール 構造(II)、Eは、(−R1−R2)と称される環であり、これは、−O−(CH2)2−Oである;
シトラールジエチレングリシルアセタール 構造(II)、Eは、(−R1−R2)と称される環であり、これは、−O−(CH2)2−O−(CH2)2−O−である;
シトラールジベンジルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OCH2−C6H5)2である;
シトラールジクミルフェニルアセタール 構造(II)、Eは、CH(OC6H4−C(CH3)2−C6H5)2である;
ファルネセン 構造(I)、Aは、=CHCH2CH=C(CH3)CH=CH2である;および
ビサボレン 構造(I)、Aは、4−メチル−3−シクロヘキセンである。
【0051】
本発明の好ましい化合物は、式中のEがアルデヒド(−C(=O)H)であるか、−CH2R1または−CHR1R2である構造(II)を有する化合物であり、この際、R1またはR2の少なくとも1個は、少なくとも2個の炭素原子を有するエーテル基である。これらの好ましい化合物は、R1およびR2が前記のエーテル含有環を形成している化合物を含む。好ましくは、Eが−CH2R1または−CHR1R2である場合には、R1またはR2はどちらも、カルボニル官能基(>C=O)または3級ヒドロキシル官能基(−CH2OH)を含有しない。本発明の特に好ましい化合物は、式中のEがアルデヒド(−C(=O)H)であるか、−CH2R1または−CHR1R2である構造(II)を有する化合物であり、この際、R1またはR2の少なくとも1個は、少なくとも3個の炭素原子を有するエーテル基である。本発明の好ましい化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、UADA、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタールおよびビサボレンを含む。本発明の特に好ましい化合物は、シトラール、シトラールジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールを含む。
【0052】
本発明の添加剤化合物およびポリマーと共に使用することができる金属は、遷移金属を含む。遷移金属の例は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、マンガンおよび亜鉛を含む。金属は、他の元素または化学基との塩または錯体として添加することができる。例えば、金属は、カルボキシレート、アミンまたはアルケンなどの有機リガンドとの錯体として加えることができる。前記の遷移金属と錯体を形成しうるリガンドの例は、ナフテネート、オクトエート、タレート、レシネート、3,5,5−トリメチルヘキソエート、ステアレート、パルミテート、2−エチルヘキサノエート、ネオデカノエート、アセテート、ブチレート、オレエート、バレレート、シクロヘキサンブチレート、アセチルアセトネート、ベンゾイルアセトネート、ドデシルアセチルアセトネート、ベンゾエート、オキサレート、シトレート、タルトレート、ジアルキルジチオカルバメート、ジサリチラルエチレンジアミンキレートおよびフィタロシアニンを含む。使用することができる個々の金属錯体の例は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)を含む。
【0053】
ポリマー材料をホストポリマーとして使用して、本発明の化合物および金属と組み合わされた形態の活性酸素バリヤ組成物を得ることができる。ホストポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびポリ(ビニルアルコール)などのポリオレフィン;ポリスチレンおよびポリ(4−メチルスチレン)などのスチレン系ポリマー;ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)およびポリ(メタクリル酸エチル)などのポリアクリレート;ナイロン−6,6、ナイロン6、ナイロン11およびポリカプロラクタムなどのポリアミド;ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルおよびポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)などの他の窒素含有ポリマー;ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)およびポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン化ポリマー;ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)およびポリ(グリコール酸)などのポリエステル;ポリ(炭酸4,4'−イソプロピリジン−ジフェニル)などのポリカーボネート;ポリ(酸化エチレン)、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(エピクロロヒドリン)およびポリ(ビニルブチラール)などのポリエーテル;ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾールおよびポリ(ビニルピロリドン)などの複素環ポリマー;ポリスルホン、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(酸化フェニレン)およびポリ(硫化フェニレン)などの他の工業用ポリマー;ポリシロキサン、ポリシランおよびポリホスファゼンなどの無機ポリマー;デキストラン、セルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどの天然ポリマーおよびその誘導体;ならびにスルホン化ポリマー(即ち、スルホン化ポリスチレン)およびカルボン酸含有ポリマー(即ち、アクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー)などのイオノマーを含む。ホストポリマーの例はさらに、これらか、他のポリマーの繰り返し単位のコポリマーを含み、これらのポリマーの混合物(即ち、ブレンド)を含む。
【0054】
好ましいホストポリマーは、単独で、または他のポリマーと組み合わせて、パッケージングのために慣用的に使用されるポリマーを含む。パッケージングのために使用されるポリマーの例は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)(EVOH)、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸メチル)(EMAC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)(SAN)、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(塩化ビニリデン)(PVDC)、ポリ(テレフタル酸エチレン)(PET)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)(PBT)、ポリ(ナフタル酸エチレン)(PEN)、ポリ(乳酸)およびポリ(グリコール酸)を含む。これらか、他のポリマーのうちの数種を、特に多層パッケージでのバリヤ材料として使用することができる。バリヤ材料の例は、EVOH、PEN、PVOH、PVDC、PANおよびポリ(グリコール酸)を含む。
【0055】
様々な方法により、本発明の添加剤化合物を、金属およびホストポリマーと混合することができる。例えば、化合物、金属およびホストポリマーを、一般的な溶剤に溶かし、キャスティングしてフィルムにするか、コーティングとして他のポリマーに噴霧することができる。溶剤を蒸発させると、固体材料を得ることができる。化合物を、溶剤を用いずにホストポリマーに加えることもでき、2種の成分を機械的に混合することもできる。さらに、当技術分野の専門家に知られている熱加工技術により、機械的な混合を高温で実施することができる。ホストポリマーと添加剤とを接触させる前に、金属を添加剤化合物と混合することもできるし、金属を別々にホストポリマーと混合することもできる。例えば、ホストポリマーと添加剤化合物とを接触させる前に、金属をホストポリマーに加えることもできるし、金属を、組み合わされたホストポリマーおよび添加剤化合物に加えることもできる。添加剤化合物および金属を一緒に混合し、この混合組成物を、ホストポリマーに加えることもできる。
【0056】
場合によってホストポリマーを含む、本発明の添加剤化合物と金属との組み合わせによって、活性酸素バリヤ組成物が得られ、本発明では、これを、「活性組成物」と称する。例えば、本発明の化合物および金属を含有し、ホストポリマーを含有しない活性組成物を、ポリマー基材に施与することもできる。他の例では、本発明の化合物、金属およびホストポリマーを含有する活性組成物を成形して、単層パッケージにすることもできる。他の例では、本発明の化合物、金属およびホストポリマーを含有する活性組成物を、パッケージの一部または1層として成形することもできる。活性組成物を単独で使用して、ポリマーベースの生成物を製造することもできるし、これを、他のポリマーと組み合わせて使用することもできる。本発明の化合物および金属を含有するホストポリマーを様々なポリマーとブレンドして、全体活性組成物を生じさせることもできる。第2のポリマーは、添加剤を含有しなくてもよいし、本発明の化合物および/または金属を含有してもよく、本発明の化合物および/または金属は、本来のホストポリマーに存在するものと同じでも異なってもよい。パッケージング材料でのポリマーブレンドの使用は、例えば、米国特許第6,399,170B1号明細書および同第6,395,865B2号明細書に記載されており、これらは、参照により本発明に援用される。
【0057】
ホストポリマーが活性組成物中に存在する場合、本発明の添加剤化合物は好ましくは、活性組成物中に0.001重量パーセント(重量%)から約5重量%の濃度で存在する。さらに好ましくは、化合物は、約0.01重量%から約4重量%の濃度で存在する。いっそう好ましくは、化合物は、約0.05重量%から約3重量%の濃度で存在する。活性酸素バリヤポリマー中に金属が存在する場合、これは好ましくは、少なくとも約30ppmの濃度で存在する。さらに好ましくは、金属が存在する場合、その濃度は、約30ppmから約5000ppm、さらに好ましくは約100ppmから約3000ppm、いっそう好ましくは約200ppmから約2500ppmである。
【0058】
本発明の化合物および金属を含有する活性組成物を成形して、パッケージ、パッケージのための前駆体またはパッケージの構成部品にすることができる。活性組成物をさらに、ペレット、パウダー、フレークまたはシートまたはフィルムなどの貯蔵に適した形態で提供することもできる。これらの形態を貯蔵するか、加工装置に輸送して、パッケージング材料で使用するために適した形態にさらに加工することができる。活性組成物のさらなる加工は例えば、パッケージ形態に押し出すことによる、本発明の添加剤化合物および金属を含有するホストポリマーの溶融加工を含む。
【0059】
活性組成物は、パッケージングのための多相組成物中の1種または複数の成分として含まれていてもよい。活性組成物を含む多相構造は例えば、パッケージ、パッケージのための構成部品またはパッケージのための前駆体であってよい。多相組成物の例は、2つまたはそれ以上の相を含むポリマーブレンドを含む。相は、共連続(co-continuous)であってよいか、相のうちの1相は、他の相を有するマトリックス相またはマトリックス内に分散している相であってよい。ブレンド組成物では、活性組成物を含む相は、「活性相」または「活性組成物相」と称される。多相組成物の例は、層状組成物および多層構造も含む。多層構造の一部として存在する活性組成物は本発明では、「活性バリヤ層」または、より簡単には「活性層」と称される。活性層は、本発明の化合物および金属を単独で含有してもよいし、本発明の化合物および金属をホストポリマー中に含有してもよい。
【0060】
パッケージの構成部品またはパッケージのための前駆体の構成部品への活性組成物の加工は好ましくは、熱加工を必要とする。熱加工の概観は、例えば、Introduction to Polymer Science and Technology:An SPE Textbook,H.S.Kaufman,ed.,Wiley-Interscience,1977、特に9〜11章に示されている。熱加工の様々な態様は例えば、押出、射出成形、ブロー成形、回転成形、熱成形、熱硬化成形、圧縮成形、発泡およびスピンライニングを含む。これらの熱加工技術および他の熱加工技術は、当技術分野の専門家によく知られている。
【0061】
ポリマー材料の熱加工は、本発明では、周囲温度を上回る温度を必要とする加工と定義される。熱加工のための通常の温度は、50℃を上回り、往々にして、100℃、150℃、200℃、250℃または300℃を上回る。ポリマーの加工タイプはこれら高温で、様々であってよい。例えば、加熱されたポリマーを、圧縮するか、延伸するか、他の成分と混合するか、他のポリマーにコーティングするか、金型に射出成形するか、線維、シートまたは管へと延伸することができる。本発明の添加剤化合物および金属とホストポリマーとの混合を好ましくは、これらの標準的な技術を使用して高温で行う。高温でのポリマーと他のポリマーとの、または非ポリマー添加剤との混合を通常、押出により行う。押出は、ポリマー組成物の成分を同時に加熱および混合することを必要とし、この際、バレル内での回転スクリューにより、混合を行う。スクリューの回転により、押出機の末端へと、組成物を押し、次いで、混合されている生成物を成形して、所望の形態にする。ポリマー組成物が混合を必要としない場合にも通常は、押出を、熱加工での第1のステップとして使用する。
【0062】
活性層を含む多層パッケージの1例では、層のためのポリマー組成物を、同時押出し、直接、パッケージの形態にブロー成形することができる。この押出ブロー成形のプロセスは例えば、米国特許第5,851,479号明細書;同第3,737,275号明細書;同第3,873,661号明細書;同第4,523,904号明細書;同第4,549,865号明細書および同第4,648,831号明細書に記載されており、これらは、参照により本発明に援用される。押出ブロー成形プロセスを、「パリソン」と称される溶融ポリマーの中空管の押出で開始する。パリソンを、ブロー金型の2個の相補的部品の間に押し出す。これらのブロー金型部品を、パリソンを囲むように閉じ、パリソンに刺されている針を介して注入される空気により、パリソンをブロー成形して、金型の形態にする。ブロー金型部品は、金型の形態へのパリソンの膨張を容易にするためのベントを備えていてもよい。金型ベントは、パリソンのブロー成形の間に作動しうる真空源に取り付けることもできる。同時押出は、2種またはそれ以上のポリマーを層状構造へと押し出すプロセスであり、当技術分野の専門家に知られている様々な方法により行うことができる。
【0063】
押出ブロー成形により、活性組成物を多層構造中の1つまたは複数の層に存在させることができる。このプロセスにより、リサイクル材料を構造内部に導入することもできる。リサイクル材料は、パッケージ、パッケージの一部またはパッケージのための前駆体を成形する際に以前に使用された材料である。本発明で使用する場合の「リサイクル」との用語は、粉砕再生材料(regrind)と消費者使用後(post-consumer)材料の両方を含む。通常、リサイクル材料はもっぱら、粉砕再生材料または使用後材料を含む。粉砕再生材料は、製品を製造する間に、トリミングされたか処分され、消費者によって使用されていない材料である。消費者使用後材料は、消費者により使用され、続いてリサイクルされた製品に由来する。リサイクル材料とは異なり、通常、「未使用」材料は、パッケージ、パッケージの一部またはパッケージの前駆体を形成する際に予め使用されていない材料であるが、この材料は、様々な加工ステップに掛けられていてもよい。
【0064】
活性組成物の層を含む多層パッケージの別の例では、層のためのポリマー組成物を、一定の順序で金型に射出することができる。連続射出によるポリマー加工は、例えば、米国特許第6,063,325号明細書;同第4,550,043号明細書;同第4,609,516号明細書および同第4,781,954号明細書に記載されており;これらは、参照により本発明に援用される。連続射出プロセスの1例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層、慣用のパッケージングポリマーからなる中心核層ならびに第1および第2中間層を有する5層容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物が中心核層に、および/または中間層に存在することが望ましい。中間層は、0.01〜0.15mmの規模の非常に薄い層で製造されていてよい。このプロセスでは、慣用のパッケージングポリマーの溶融物の第1の秤量ショットを、構造のための金型に射出する。次いで、中間層ポリマーの溶融物の第2の秤量ショットを、慣用のパッケージングポリマーの第1のショットを有する金型に射出する。最後に、内側および外側ポリマー層(第1のショットに由来)と、2つの中間層の間の溶融核層(第3のショットに由来)とに隣接する2つの薄い中間層を形成する中間層ポリマーに、第1のショットのために使用された材料と同じであっても、同じでなくてもよい慣用のパッケージングポリマーの溶融物の第3の秤量ショットをプッシュする。
【0065】
活性組成物の層を含む多層パッケージの他の例では、層のためのポリマー組成物を、金型に同時に押し出すことができる。同時の共射出成形によるポリマー加工は例えば、米国特許第4,990,301号明細書に記載されており、これは、参照により本発明に援用される。同時の共射出成形プロセスの1例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層ならびに中心核層を有する3層容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物は、核層に存在することが望ましい。3層溶液が全部で2種または3種の異なる材料を含むように、内側および外側層は、同一の組成を有してもよいし、異なる組成を有してもよい。
【0066】
同時共射出成形プロセスの他の例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層、慣用のパッケージングポリマーからなる中心核層ならびに第1および第2中間層を有する5層容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物が中心核層に、および/または中間層に存在することが望ましい。内側および外側層ならびに中心核層は、同一の組成を有してもよいし、異なる組成の組み合わせを有してもよい。即ち、5層容器は、全部で2種の異なる材料、3種の異なる材料、4種の異なる材料または5種の異なる材料を含んでよい。同時共射出成形プロセスのさらに他の例では、3種の異なる材料を含む4層の容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物は、容器の外側表面ではない層に存在することが望ましい。
【0067】
活性組成物からなる層を含む多層パッケージの他の例では、第1の層のためのポリマー組成物を金型に射出成形して、硬化させることができる。次いで、硬化した物品を、他の金型に入れ、第2の層のためのポリマー組成物をその金型に射出し、第1の層の少なくとも一部をコーティングする。この技術は、オーバーモールディングまたはスリーブモールディングと称される。オーバーモールディングによるポリマー加工は、例えば、米国特許第6,428,737B1号明細書に記載されており、これは、参照により本発明に援用される。各モールディングステップは、単一層の射出成形に関してもよいし、複数層の射出成形を関してもよい。例えば、1つまたは複数の成形ステップは、連続射出または同時共射出などによる多層構造の形成を必要とする。さらに、2つを上回る成形ステップを、全体多層構造を製造する際には行うことができる。オーバーモールディングプロセスの1例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層、慣用のパッケージングポリマーからなる中心核層ならびに第1および第2中間層を有する5層容器を形成する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物は中心核層に、および/または中間層に存在することが望ましい。
【0068】
オーバーモールディングプロセスの他の例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層ならびに慣用のパッケージングポリマーからなる中心核層を有する3層容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、これらのどの層に存在してもよい。本発明の化合物は、中心核層に存在することが望ましい。オーバーモールディングプロセスのさらに他の例では、慣用のパッケージングポリマーからなる内側および外側層を有する2層容器を成形する。組み合わされた本発明の化合物および金属は、どちらの層に存在してもよい。
【0069】
連続射出成形、同時共射出成形およびオーバーモールディングの技術により、活性組成物を、多層構造中の1つまたは複数の薄層として存在させることができる。さらに、これらのプロセスにより、リサイクル材料を構造の内部に導入することができる。これらのプロセスを使用すると、ボトルまたはクロージャーなどのパッケージを成形することができ、さらに、このようなパッケージへの前駆体を成形することもできる。パッケージのための前駆体は、「プリフォーム」と称される。プリフォームの開放中心部にガスを注入することにより、および/またはプリフォームの外側表面に真空を適用することにより、プリフォームを膨張させることができる。この技術は通常、ブロー成形として知られている。多層プリフォーム構造の形成および容器へのプリフォームの後続のブロー成形の例は例えば、米国特許第5,804,016号明細書に記載されており、これは、参照により本発明に援用される。例えば、ストレッチブロー成形装置を使用して、プリフォームをパッケージに成形することができる。ストレッチブロー成形装置を使用する方法では、プリフォームを各層のガラス転移温度を上回る温度まで再加熱し、次いで、ブロー金型に入れる。ストレッチロッドにより、ブロー金型内のプリフォームを延伸して、完全な軸方向伸張およびプリフォームのセンタリングを保証する。圧縮空気などのブローガスを導入して、軸方向ストレッチングの間にプリフォームを放射方向に膨張させ、ブロー金型の内部の形態に適合させる。この方法を使用して成形される容器は、実質的に透明であるが、ひずみ誘起結晶化により高い強度も有する。
【0070】
図1は、下部ボディ形成部分12と一体になっている「フィニッシュ」と称される上部ネック部分11を含む円柱形プリフォーム10の例を示している。ネック部分11は、上部シーリング面14を含み、これが、プリフォームの開放頂部末端ならびにスレッド15および最下部フランジ16を有する外部表面を画定している。ネックフィニッシュの下では、ボディ形成部分12が、頂部から底部へと壁厚が増大する(放射状に内部方向へ)フレア状のショルダー形成部分17;実質的に均一の壁厚を有する円柱状パネル形成部分18;およびパネル形成部分よりも厚い厚化ベース形成部分19を含む。プリフォームの底部末端13は、実質的に半球形であり、通常、上部ベース形成部分よりも薄い。図1に示されているプリフォームは、3層で2種の異なる材料を含む。例えば、外側層101および内側層103はそれぞれ、PETまたはポリオレフィンなどの慣用のパッケージングポリマーであってよく、核層102は、活性バリヤ組成物からなる層であってよい。
【0071】
図2は、多層飲料用ボトル20の例を示している。示されている多層ボトルは、連続射出成形および後続のブロー成形を含み、押出ブロー成形を含む様々な標準的な加工技術により製造することができる。このボトルは、開放頂部末端21を有し、ねじ式クロージャーを受ける。膨張させた容器ボディ22は、外側に突出しているプロファイルを伴う上部フレア状ショルダー部分24を含み、このプロファイルは通常、直径において、ネックフィニッシュフランジ23下方から、円柱パネル部分25へと増大している。加圧(即ち炭酸ガス飽和)飲料のために使用することができる飲料用ボトルおよび/または低温殺菌に掛けられうるボトルでは、丸みを帯びているか、半球型ショルダー24を備えていることが好ましい。それというのも、この形態は、二軸延伸を最大化し、適用される応力レベルを最低化するためである。膨張された容器ボディ22は、足付きベース26を含んでもよく、これは、実質的に半球形の底部壁27を有する。底部壁はさらに、底部壁から下方に伸びるレッグ28を有して、容器がそこで留まる足パッド29を形成する。
【0072】
図3は、これらに限られないが、慣用のパッケージングポリマーから製造された内側層301および外側層303を含むパネル壁25ならびに活性バリヤ組成物の核層302を含む多層壁の断面の例を示している。これらの「2材料3層」パッケージ壁の具体的な例では、構造は、未使用ポリエステルからなる内側および外側層ならびに本発明の化合物および金属を含むリサイクルポリエステルからなる核層を有する。これらの「2材料3層」パッケージ壁の他の具体的な例では、構造は、未使用PETからなる内側および外側層ならびに本発明の化合物および金属を含むリサイクルPETからなる核層を有する。これらの「2材料3層」パッケージ壁のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用ポリエステルからなる内側および外側層ならびに本発明の化合物および金属を含むEVOHからなる核層を有する。
【0073】
図4は、3種の異なる材料を5層に有する多層壁の例を示している。例えば、外側層405および内側層401はそれぞれ、PETまたはポリオレフィンなどの慣用のパッケージングポリマーであってよく、これらのポリマーは好ましくは、未使用材料である。核層403ならびに中間層402および404は、全体パッケージの所定の使用に応じて様々な異なる材料であってよい。例えば、核層は、活性バリヤ層であってよく、中間層は、外側および内側層から核が剥離することを防ぐための接着層である。他の例では、核層は、活性バリヤ層であってよく、中間層は、他のバリヤ材料から製造される。さらに他の例では、核層は、バリヤ材料であってよく、中間層は、活性バリヤ組成物から製造される。さらに他の例では、核層は、慣用のリサイクルパッケージングポリマーであってよく、中間層は、活性バリヤ層である。
【0074】
これらの「3材料5層」パッケージ壁の具体的な例では、構造は、未使用ポリエステルからなる内側および外側層、本発明の化合物および金属を含むEMACからなる中間層ならびにリサイクルポリエステルからなる核層を有する。これらの「3材料5層」パッケージ壁の他の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンからなる内側および外側層、接着組成物からなる中間層ならびに本発明の化合物および金属を含むポリオレフィンからなる核層を有する。これらの「3材料5層」パッケージ壁のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用PETからなる内側および外側層、本発明の化合物および金属を含むEMACからなる中間層ならびにリサイクルPETからなる核層を有する。これらの「3材料5層」パッケージ壁のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用PETからなる内側および外側層、EVOHからなる中間層ならびに本発明の化合物および金属を含むリサイクルPETからなる核層を有する。これらの「3材料5層」パッケージ壁のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用PETからなる内側および外側層、本発明の化合物および金属を含むEVOHからなる中間層ならびに未使用またはリサイクルPETからなる核層を有する。これらの「3材料5層」パッケージ壁のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用PETからなる内側および外側層、本発明の化合物および金属を含むEVOHからなる中間層ならびにPETからなる核層を有する。
【0075】
図5は、4種の異なる材料を6層に有する多層壁の例を示している。例えば、外側層506および内側層501はそれぞれ、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの慣用のパッケージングポリマーであってよく、これらのポリマーは好ましくは、未使用材料である。接着層503および505は、リサイクル層502および外側層506からのバリヤ層504の剥離を防ぐために役立つ。バリヤ層504は、活性バリヤ組成物であってよい。リサイクルポリマーを含むリサイクル層502は、活性バリヤ層であってもよい。リサイクル層およびバリヤ層の一方または両方は、活性バリヤ層であってよい。
【0076】
これらの「4材料6層」パッケージ壁の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンからなる内側および外側層、EVOHからなるバリヤ層ならびに本発明の化合物および金属を含有するリサイクルポリオレフィンからなる層を有する。これらの「4材料6層」パッケージ壁体の他の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンの内側および外側層、本発明の化合物および金属を含有するEVOHからなるバリヤ層ならびにリサイクルポリオレフィンからなる核層を有する。これらの「4材料6層」パッケージ壁体のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンの内側および外側層、本発明の化合物および金属を含有するEMACからなる活性バリヤ層ならびにリサイクルポリオレフィンからなる核層を有する。これらの「4材料6層」パッケージ壁体のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンの内側および外側層、塩素化ポリマーからなるバリヤ層ならびに本発明の化合物および金属を含有するリサイクルポリオレフィンからなる核層を有する。これらの「4材料6層」パッケージ壁体のさらに他の具体的な例では、構造は、未使用ポリオレフィンからなる内側および外側層、本発明の化合物および金属を含有する塩素化ポリマーからなるバリヤ層ならびにリサイクルポリオレフィンからなる核層を有する。
【0077】
これらの多様なパッケージ壁体の例では、「4材料4層」構造は、EVOHからなる内側層、ポリオレフィンからなる外側層、EVOHと外側ポリオレフィンとの間のリサイクルポリオレフィンからなる層ならびにEVOHとリサイクルポリオレフィンとの間の接着層を有する。本発明の化合物および金属は、EVOHおよび/またはリサイクルポリオレフィン層に存在してよい。これらの多様なパッケージ壁体の他の例では、「5材料6層」壁体は、4材料6層壁体の構造と同一の構造を有するが、ただし、ポリオレフィンからなる内側層が、ポリオレフィンからなる外側層の材料とは異なる材料である。
【0078】
活性組成物を含む多相パッケージの他の例では、構造は、ねじ式クロージャーまたはスナップオン式クロージャーなどのボトルのためのクロージャーである。クロージャー構造は通常、それらが使用されるボトルよりも硬度が高く、その壁は、より厚い厚さを有してもよい。クロージャー構造は、前記のような標準的な熱加工技術により製造することができる。クロージャーは通常、ブロー成型などのプロセスにより膨張させることはなく、射出成形または圧縮成型技術で通常は十分である。多層クロージャーの断面は、図3〜図5により表すことができる。
【0079】
活性組成物を含む多相パッケージの他の例では、構造は、クロージャーのためのライナーである。クロージャーライナーの1例では、例えば、参照により本発明に援用される米国特許第4,807,772号明細書;同第4,846,362号明細書;同第4,984,703号明細書;同第6,371,318号明細書;および同第6,399,170号明細書に記載されているように、ホストポリマー、金属および本発明の化合物を含有する活性組成物を、クロージャーの内側に圧縮成型することができる。クロージャーライナーの他の例では、活性組成物は、慣用のパッケージングポリマーであってよく、他のバリヤ材料を含んでもよい1種または複数のポリマーと共に同時押出することができる。次いで、層加工装置により、同時押出物を成形して、多層ペレットにすることができる。同時押出物を、多相ペレットがブレンドであるように非層状形態で使用することもできる。このペレットを、クロージャーの平面内部に置き、圧縮成型に掛けることにより、ライナーを生じさせる。手動で、または参照により本発明に援用される米国特許第5,451,360号明細書に開示されている装置により、この成形を行うことができる。クロージャーライナーの他の例では、ホストポリマー、金属および本発明の化合物を含有する活性組成物を、金型に射出成形して、ライナーの形態にすることができるか、クロージャーの内側にオーバーモールディングすることができる。
【0080】
クロージャーライナーの他の例では、ホストポリマー、金属および本発明の化合物を含有する活性組成物を、スピンライニングプロセスにより、クロージャーに施与することができる。スピンライニングのために使用することができる材料は通常、ホストポリマーが室温で柔軟であるプラスチゾル組成物である。活性組成物であるか、活性組成物からなる1層または複数層を含むプラスチゾル組成物は、ガスケットおよび/またはシーラント化合物として使用することもできる。活性組成物を含有するプラスチゾルは例えば、金属缶のボディとリッドとの間のシーラント化合物として、またはガラスまたはプラスチックパッケージとクロージャーとの間のガスケットとして使用することができる。
【0081】
クロージャーの内側表面に生じさせたライナーは、活性組成物および1種または複数の他のポリマーからなる個々の層を多層構造で有することもできる。分離可能なライナーを、活性層を含む多層構造として製造することもできる。クロージャーと、クロージャーを使用すべき容器との間に適切なシーリングが得られるように、上部層が、エラストマー材料および/または特殊な可塑剤を含有することが、望ましいことがある。クロージャーからライナーが剥離することを防ぐために、底部層が、接着剤を含むことが望ましいこともある。クロージャーのためのライナーの断面は、図3〜図5により示すことができる。ライナーが内部シール部材および再利用部材を有するように、多層を有するクロージャーを構成することもできる。これらの2部ライナーにより、使用者がクロージャーを開けた後にも、シールを容器開口部の上に留めることができる。これは特に、医薬品などのいたずら防止シールを必要とする製品のために役立つ。ライナーの再利用可能な部材は、クロージャーに付着したままであり、使用者によって内側シールが除去された後にも、クロージャーと容器との間にシールをもたらす。活性組成物は、除去可能な内側シールに、および/またはクロージャーに留まる再利用可能なライナーに層として存在してもよい。
【0082】
活性組成物の層を含む多層パッケージの他の例では、多層構造は、材料からなるシートである。様々な技術により、多層シート構造を製造することができる。例えば、制御温度キャスティングロールの上に層を同時押出することを含むシートキャスティングプロセスにより、多層シートを生じさせることができる。押出物を第1ロールに、次いで、通常は第1のロールよりも低温である第2制御温度ロールに通過させる。押出機からシートが排出された後、制御温度ロールは、シートの冷却速度を制御するために役立つ。冷却し、硬化した後、生じたフィルムは好ましくは、透明である。他の例では、多層シートを、ブローンフィルム技術により生じさせることができる。ブローンフィルム成形装置は、押出物が押し出されるサーキュラーダイヘッドを含み、材料のバブルを生じさせることができる。このバブルを最後にしぼませて、多層シートを生じさせる。
【0083】
シート構造を、例えば、ラッピングのためのフィルムとして、開放型パッケージのためのシールとして、バッグとして、またはクロージャー構造のためのライナーとして使用することができる。例えば、層材料を平坦なシートの形態に同時押出することにより、シート材料を製造することができる。次いで、シートをトリミングして、ロールに巻き付けるか、折り畳んでスタックにして、貯蔵するか、さらに加工することもできる。例えば、多層シート材料のスプールを、他の製品をラッピングするために使用者にそのまま供給することができる。他の例では、多層シートから、ディスクをパンチし、これらのディスクを、クロージャー構造の内部に挿入することができる。さらに他の例では、多層シートを切り取り、バッグまたはパウチが生じるように付着させることができる。バッグまたはパウチを、再利用可能なシールを含むようにさらに変更することができる。さらに他の例では、材料を軟化温度以上に加熱し、金型にシートをプレスするか、金型へとシートを真空延伸することにより、多層シートをパッケージに熱成形することができる。熱成形を使用して、トレイ、カップおよびボトルの部品などのパッケージング材料を成形することができる(例えば、Introduction to Polymer Science and Technology:An SPE Textbook,H.S.Kaufman,ed.,pp.573-580参照)。多層シート材料から製造された多層シート材料およびパッケージ壁体の断面は、図3〜図5により示すことができる。
【0084】
これらか、他のパッケージングフォーマットでは、パッケージング製品は、1個または複数の壁体として存在してもよい。「壁体」との用語は、パッケージの一部である構造に関し、単層構造、多層構造または多層構造内の単一層であってよい。壁体の厚さは、単一層の厚さか、多層の全厚である。例えば、壁体は、柔軟なバッグパッケージングのために使用される材料などの材料からのシートであってよく;壁体は、ボックスパッケージングで見られるパネルなどの実質的に直角のパネルであってよく;壁体は、ボトルの中心部品などの実質的に円柱構造であってよい。正確な幾何学的形態として壁体を記載することが簡便ではあるが、壁体構造は、複雑な形態を有してもよい。ボトルパッケージの例では、ボトルの部品は、中心部品、開口部付近の上部部品および底部付近の底部部品を含む壁体と見なされる。加えて、ボトルのためのクロージャーは、1個または複数の壁体構造を含み、クロージャーライナーは、単独か、クロージャーと組み合わせた壁体と見なされる。シーラント化合物のガスケットおよび層も、パッケージ壁体と見なすことができる。
【0085】
活性組成物を含むパッケージング材料は、酸素を消費する能力により特徴づけることができる。活性組成物を含むパッケージが密閉された物質の酸素含分の正味増大を防ぐことができることが望ましい。活性組成物を含むパッケージが密閉された物質の酸素含分を低減することができることが、さらに望ましい。密閉されている酸素含分は、パッケージ内の雰囲気の酸素濃度と内容物の酸素濃度の両方を含む。容器内に密閉されている酸素含分は、ポリマーパッケージングを通しての透過以外の因子にも左右されうる。例えばボトルでは、クロージャーとボトルとの間の接続を介して、漏洩が生じうる。
【0086】
パッケージに物質をシーリングし、物質中またはパッケージに密閉された雰囲気中でのO2濃度を決定することにより、パッケージの活性酸素バリヤ性能を測定することができる。例えば、測定方法は、ボトルに水などの液体容量を充填し、ボトルをシーリングし、一定期間にわたってこのボトル中で液体を貯蔵し、酸素含分を監視して、液体中で酸素含分が低減する量および/または速度を決定することを含む。好ましくは、密閉された酸素含分の低減は、少なくとも16週間維持される。
【0087】
好ましくは、活性組成物を、周囲雰囲気でかなりの期間にわたって貯蔵することができ、その際、活性酸素バリヤ性能が著しく低減することもない。「周囲雰囲気」との用語は、酸素21%(空気)および23℃で相対湿度50%の雰囲気に関する。周囲条件に対するこのような安定性により、パッケージ製造の前に活性組成物を加工および貯蔵することができる。周囲条件に対する安定性を欠いていると、活性組成物を加工および貯蔵するために、酸素欠乏環境を使用することが必要であることがある。1例では、液体物質と接触するまで、活性組成物は、その活性酸素バリヤ性能の最小限の低下を示す。
【0088】
組成物からなるか、組成物からなる層を含むパッケージを成形せずに、活性組成物の性能を予測する際には、様々なスクリーニング試験が役立つ。使用することができるスクリーニング試験の1つは、「固体スクリーニング試験」である。この試験は、活性ポリマーの射出成形プラークで行うことができ、その際、各プラークは、長さ6.25インチ(158.75mm)×幅1.75インチ(44.45mm)の寸法を有し、0.04インチ(1mm)、0.07インチ(1.78mm)、0.10インチ(2.54mm)、0.13(3.3mm)、0.16インチ(4.06mm)の段階的に厚くなる5つの均等な断片を有する。7個のプラークを、32オンスガラスジャーに密閉し、水1オンスを、周囲空気下に加える(23℃で酸素21%)。プラークを、ジャー内の水の上にあるプラットフォームに置く。30〜60個のペレットが1グラムの質量を有するようなサイズを有するペレットの形態である活性ポリマーで、この試験を行うこともできる。ペレット約100〜150グラムを、水の上にあるプラットフォームに置く。ジャーを、ゴム膜を有する標準的なキャンニングジャーリッドで蓋をする。膜を介して、シリンジを挿入して、ジャーからガス試料を取り出し;ガス試料を、MOCONモデルPACCHECK 450 Head Space Analyzer(MOCON(7500 Boonen Ave.North,Minneapolis,Minnesota 55428 USA)から入手可能)に注入し、酸素含分を測定する。当初酸素含分(通常21.3%)を測定した後、数週間にわたって、後続の測定を行う。時間を関数とする密閉された酸素含分のグラフの勾配を測定することにより、密閉された酸素含分の低減速度を決定することができる。勾配が急なほど、酸素の低減速度は速い。
【0089】
他の使用可能なスクリーニング試験は、液体スクリーニング試験であり、この際、該当する添加剤を、そのままの液体として、またはn−プロパノール中の混合物として容器にシーリングする。この試験では、化合物または化合物を含有する混合物を、清潔なガラスジャーに入れ、ゴム膜を有する金属クロージャーでシーリングする。適切な濃度の金属を含む溶液を、膜を介して容器に注入し、次いで、酸素含分を、固体スクリーニング試験に関して記載したように監視する。
【0090】
構造(I)、(II)または(III)を有する本発明の添加剤化合物は、これらの構造を有さない他の添加剤に比べて、意外で、予期されなかった活性酸素バリヤ特性を示す。次の実施例を参照すると、様々な化合物の液体スクリーニングにより、構造(I)、(II)または(III)を有する化合物(実施例1〜10)は、100日以内は19%未満への酸素含分の低減をもたらしうることが証明された。これらの化合物のうちの数種は、50日以内、その他の数種は、7日内は19%未満への酸素含分の低減をもたらした。構造(I)、(II)または(III)を有しなかった化合物(実施例11〜22)は、雰囲気レベル未満への酸素含分の低減はもたらさなかった。構造(I)、(II)または(III)を有する本発明の化合物の具体的な例には、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、UADA、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタール、ファルネセンおよびビサボレンが含まれた。
【0091】
活性バリヤ組成物に処方された場合、本発明の化合物の酸素バリヤ特性は、組成物中のホストポリマーの特性に左右されうる。PET、EVOH、PEおよびEMACなどのポリマーマトリックス中での添加剤の固体スクリーニング試験は、これらの化合物のうちの数種は、これらのポリマーのうちの1種または複数中では、望ましい活性バリヤ特性を示すことができるが、他のものの中では、示せないことを証明した。特に、測定された酸素含分の低減は、添加剤がEVOHなどのバリヤ材料中に存在する場合、同じほどには高くはないようである。作用理論に結びつけることは望まないが、バリヤポリマーは、固体スクリーニング試験の条件下では、添加剤化合物と分子酸素との接触を阻害し、酸素消費の不足をもたらしうると考えられる。バリヤ材料のホストポリマーを有する活性バリヤ層を含むパッケージでは、実際の使用条件は、固体スクリーニング試験の条件とはかなり異なりうる。例えば、内容物が、雰囲気含分よりも低い酸素濃度を有する密閉パッケージは、外部雰囲気とパッケージ内部との間に存在する酸素濃度勾配により、酸素がパッケージへと進入するための駆動力をもたらす。パッケージ含分が密閉酸素をほとんど有さないか、有さない場合には、この勾配および駆動力は特に、顕著になりうる。したがって、ホストポリマーとしてのバリヤ材料の使用は、パッケージング材料を製造する際に使用可能なオプションと見なされる。具体的な例としては、構造(I)を有する2種の化合物であるファルネセンおよびビサボレンは、それぞれPETおよびEMACに導入して、固体スクリーニング試験により測定すると、低い酸素含分低下を示した。これらの化合物は、実際の使用条件では、活性酸素バリヤ組成物中で役立つと考えられる。したがって、これらの添加剤のバリヤ特性は、固体スクリーニング試験により必ずしも明らかにすることができず、これらの添加剤をパッケージに導入すると、判明しうることを理解すべきである。
【0092】
実施例
実施例1〜22: 化合物の液体スクリーニング
様々な化合物を、密閉容器内の雰囲気の酸素含分を低減するその能力に関して試験した。各化合物を別々に、n−プロパノール中の溶液として、またはそのままの形態で(シトラールおよびウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタールのみ)清潔なガラスジャーに加えた。次いで、各ジャーに金属クロージャーおよびゴム膜を備えさせ、これにより、シリンジ針を介してのジャーの内部へのアクセスを可能にした。次いで、金属クロージャーおよびゴム膜の周りのシールをエポキシ接着剤で処理して、気密シールを得た。ネオデカン酸コバルトのn−プロパノール溶液を、各ジャーに注入した。シーリング前にn−プロパノールと混合された化合物では、加えられたネオデカン酸コバルト溶液の量により、1000ppmのジャー中の錯体最終濃度を得た。そのままのシトラールおよびウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタールでは、錯体0.2グラムを加えた。実施例の組成を、表Aに示す。
【0093】
「ヘッドスペース」とも称される各ジャー内の雰囲気を、長期間サンプリングし、酸素含分を、PAC−CHECKヘッドスペース酸素分析装置(MOCON,Minneapolis,MN,モデル♯450)を使用して分析した。各サンプルで長期にわたって測定された酸素含分を、表Bに示す。ヘッドスペース酸素含分の低下が長期にわたって、実施例1〜10で観察された。
【0094】
【表1】




【0095】
【表2】

【0096】
実施例23〜46:ホストポリマー中の添加剤としての化合物の試験
ゲラニオールおよび液体スクリーニング分析でヘッドスペース酸素含分を低下させた化合物からの選択物質を別々に、ネオデカン酸コバルトと共にホストポリマーと混合した。生じた配合ポリマーをペレットまたはプラークに成形した。前記のように、150グラムのポリマー全質量を使用して、これらのポリマーを別々に、固体スクリーニング試験に掛けた。試験に使用された容器は、液体スクリーニングで使用された容器と同じであった。実施例の組成を表Cに示し、長期にわたって測定された酸素含分を、表Dに示す。
【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
実施例47:多層ポリオレフィンボトル
R&Bツール(Saline,MI)により設計された4材料6層ユニットキャビティ装置で慣用の装置技術を使用して、同時押出ブロー成形により、内部容量8オンスを有する多層ボトルを調製した。ボトルの部品を同時押出することにより:
HDPE−1/HDPE−2/接着剤/EVOH/接着剤/HDPE−3
からなる多層構造を有するパリソンを得た。続いて、この層状パリソン含有をブロー成形して、8オンスボトルにした。HDPE−1と記載される高密度ポリエチレン層を、ボトルの内部に、即ち、パッケージの内容物と接触するように設けた。この場合、3つのHDPE層は全て、未使用HDPEであった。リサイクルされた(即ち、消費者使用後)か、またはHDPEベースの製品からトリミングされた(即ち、「粉砕再生材料」)HDPEを使用することもできる。この場合の接着層はそれぞれ、無水マレイン酸改質ポリエチレンであったが、どのような適切な接着剤を使用することもできた。このボトルは、本発明の添加剤化合物を含有しなかったので、これは、酸素バリヤ分析のための対照として役立った。
【0100】
ブロー成形により、ボトルを成形した後に、パッケージに、窒素パージされた水を充填し、アルミニウムフォイルベースのシールで、誘導フォイルシーリングした。充填され、シーリングされたボトルを、華氏72度および相対湿度50%の周囲条件で貯蔵した。
【0101】
実施例48〜51: 活性組成物層を含む多層ポリオレフィンボトル
多層ボトルを、実施例47に記載されているように調製したが、ただし、EVOH層は、ネオデカン酸コバルト(II)2500ppmおよび本発明の活性化合物を含有する活性層であった。先行するステップで、ネオデカン酸コバルト(II)をEVOH(EVALCA F101)に5000ppmの濃度で加え、二軸スクリュー押出機で溶融配合した。押出物をペレット化し、マスターバッチとして利用した。この材料を、未使用EVOH(EVALCA F101)と1:1の比で物理的に混合して、2500ppmの全ネオデカン酸コバルト(II)濃度を有するEVOHを得た。次いで、このブレンドを十分に乾燥させた。このブレンドに、添加剤化合物を液体として、押出機の供給口帯域で加え、この帯域を、乾燥窒素でブランケット処理した。次いで、ネオデカン酸コバルト(II)および添加剤化合物を含有するEVOHの押出物を成形して、実施例47に示されているようにHDPEおよび接着剤からなる層と共に、パリソン中の層にし、続いて、容器の形態にブロー成形した。
【0102】
実施例48では、添加剤化合物は、EVOH中0.125重量%のレベルのシトラールジベンジルアセタール(CDBA)であった。実施例49では、添加剤化合物は、EVOH中0.0625重量%のレベルのシトラールジゲラニルアセタール(CDGA)であった。実施例50では、添加剤化合物は、EVOH中0.1重量%のレベルのシトラールであった。実施例51では、添加剤化合物は、EVOH中0.2重量%のレベルのシトラールであった。
【0103】
ボトルをブロー成形により成形した後、各パッケージに、窒素パージされた水を充填し、アルミニウムフォイルベースのシールで、誘導フォイルシーリングした。充填され、シーリングされたボトルを、華氏72度および相対湿度50%の周囲条件で貯蔵した。
【0104】
実施例52:多層ポリオレフィンボトルの酸素含分の分析
実施例47〜51の充填され、シーリングされた多層ポリオレフィンボトル内の水を、長期にわたって溶解酸素含分に関して分析した。水中の酸素を、ORBISPHERE3600計器で測定した。図6は、各パッケージタイプに関する、時間を関数とする溶解酸素含分のグラフである。本発明の化合物伴わないEVOHを含む対照ボトル(実施例47)内の溶解酸素は、約3週間の貯蔵後に上昇し始めた。17週間後には、この同じボトルは、充填およびシーリングした時よりも高い溶解酸素含分を有し、その酸素含分は、少なくとも40週間貯蔵するまで、一定に上昇し続けた。これに対して、ネオデカン酸コバルト(II)および本発明の化合物を伴うEVOHの活性組成物を含むボトルは、溶解酸素の低減を示し、これは、少なくとも40週間持続した。これらのボトルはそれぞれ、検出不可能な少なくとも1回の溶解酸素含分測定を示した。
【0105】
実施例53〜56: 活性組成物層を含む多層PETボトル
HUSKY225射出成形装置を使用して、連続同時射出により、多層プリフォームを調製した。成分の同時射出成形により:
PET/EMAC/PET/EMAC/PET
からなる多層構造を有するプリフォームが得られた。次いで、この層状プリフォームを、SIDEL SBO−1でブロー成形して、16オンスボトルにした。PET層は、未使用PET(M&G8006)であり、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸メチル)からなる中間層は、EMAC2207(EASTMAN)であった。EMAC層は、パッケージの重量に対して2%のみであった。ボトルをブロー成形により成形した後に、パッケージに窒素パージされた水を充填し、アルミニウムフォイルベースシールで誘導フォイルシーリングした。同一のパッケージに、タップ水を充填し、アルミニウムフォイルベースシールで誘導フォイルシーリングした。充填され、シーリングされたボトルの両方のタイプを、華氏72度および相対湿度50%の周囲条件で貯蔵した。
【0106】
EMAC層は、ネオデカン酸コバルト(II)2500ppmおよび本発明の添加剤化合物を含有する活性組成物であった。二軸スクリュー押出機中で、ネオデカン酸コバルト(II)をEMACに10000ppmの濃度で加えた。この材料を、未使用EMACと物理的に混合して、2500ppmの全ネオデカン酸コバルト(II)濃度を有するEMACを得た。次いで、この組成物を十分に乾燥させた。このEMACに、添加剤化合物を液体として、押出機の供給口帯域で加え、この帯域を、乾燥窒素でブランケット処理した。次いで、ネオデカン酸コバルト(II)および添加剤化合物を含有するEMACの溶融物をPETと共に同時射出成形して、層状プリフォーム構造を成形した。
【0107】
実施例53では、添加剤化合物は、EMAC中3.0重量%のレベルのシトラールであった。実施例54では、添加剤化合物は、EMAC中3.0重量%のレベルのシトラールジエチルアセタール(CDEA)であった。実施例55では、添加剤化合物は、EMAC中3.0重量%のレベルのシトラールジメチルアセタール(CDMA)であった。実施例56では、添加剤化合物は、EMAC中2.5重量%のレベルのウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール(UADA)であった。
【0108】
実施例57: PETボトルの酸素含分の分析
実施例53〜56の充填され、シーリングされた多層PETボトル内の水を、長期にわたって溶解酸素含分に関して分析した。実施例53〜56のプロセスを使用して製造されたが、コバルトを有さず、添加剤化合物を有さないボトルを、対照として使用した。対照ボトルに、窒素パージされた水を充填し、アルミニウムフォイルベースのシールで誘導フォイルシーリングした。水中の酸素を、ORBISPHERE3600計器で測定した。
【0109】
図7は、各パッケージタイプに関する、時間を関数とするタップ水中の溶解酸素含分のグラフである。対照ボトル内の溶解酸素は、少なくとも9週間は安定を維持した。これに対して、ネオデカン酸コバルト(II)および本発明の化合物を伴うEMACの活性組成物を含有する多層ボトルは、これと同じ期間にわたって、溶解酸素の低減を示した。これらのグラフは、これらのボトルがシーリングされた容器の既存酸素含分を低減する相対的能力を示している。
【0110】
図8は、各パッケージタイプに関する、時間を関数とする窒素パージされた水中の溶解酸素含分のグラフである。対照ボトル内の溶解酸素は、少なくとも26週間は一定に上昇し、5ppmを上回る濃度に達した。添加剤化合物としてUADAを含有する多層ボトルでも、このようなことが観察された。UADAを含有するボトルでは、相対的に高い酸素進入速度は、極端な酸素濃度勾配に基づくようであり、これは、化合物と分子酸素との相互作用の効果を圧倒しうると考えられる。本発明の添加剤化合物を含有する他の多層ボトルは、僅か3ppmまでの溶解酸素含分の上昇を示した。添加剤化合物としてCDEAを含有する多層ボトルにより、溶解酸素の最も低い上昇が示された。これらのグラフは、容器へと酸素が進入することをブロックするこれらのボトルの相対的な能力を示している。
【0111】
本発明には、本発明のいくつかの実施形態が具体的に示されているが、添付の請求項に定義されている本発明の意図および範囲から逸脱することなく、本発明の実施に、変更を加えることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の1実施形態に従い容器を製造する際に使用することができる多層プリフォームの垂直断面図を示す図である。
【図2】多層容器の側面図を示す図である。
【図3】図2の線A−Aでの水平断面図であり、多層構造の例を示す図である。
【図4】図2の線A−Aでの水平断面図であり、多層構造の例を示す図である。
【図5】図2の線A−Aでの水平断面図であり、多層構造の例を示す図である。
【図6】多層ポリオレフィン容器での、長期にわたる溶解酸素測定のグラフである。
【図7】ポリ(テレフタル酸エチレン)(PET)ベースの容器での、長期にわたる溶解酸素測定のグラフである。
【図8】PETベースの容器での、長期にわたる溶解酸素測定のグラフである。
【符号の説明】
【0113】
10 円柱形プリフォーム
11 上部ネック部分
12 下部ボディ形成部
20 多相飲料用ボトル
301 内側層
302 核層
303 外側層
402 中間層
404 中間層
503 接着層
505 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素バリヤ組成物であって、
ポリマー;
金属;および
構造(II)を有する化合物
【化1】

[上式中、
−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を含有する酸素バリヤ組成物。
【請求項2】
−Eは、−CHR1(−O−R6)であり、R6は、2から20個の炭素原子を有するアルキル基および2から20個の原子を有するアルケニル基からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R6は、4から20個の原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
−Eは、−CHR1(−O−R5−R6)であり、R5は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
R6は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基、5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
R5は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R6は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
R5は、5から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R6は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
−Eは、−CH2(−O−R4)であり、R4は、2から20個の炭素原子を有するアルキル基および2から20個の原子を有するアルケニル基からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
R4は、4から20個の原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
−Eは、−CH2(−O−R3−R4)であり、R3は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
R4は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
R3は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R4は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
R3は、5から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R4は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒に、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールおよび複素環からなる群から選択される環を形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
R1およびR2は合わせて、1から5個の酸素原子を有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
R1およびR2は合わせて、2から9個の炭素原子を有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物中での前記化合物の濃度は、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物中での前記化合物の濃度は、約0.01重量パーセントから約4重量パーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物中での前記化合物の濃度は、約0.05重量パーセントから約3重量パーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記の金属は、遷移金属を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記の金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、マンガンおよび亜鉛からなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記の金属は、コバルトである、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記の金属は、錯体として存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記の金属は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)からなる群から選択される錯体として存在する、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物中での前記金属の濃度は、約30ppmから約5000ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物中での前記金属の濃度は、約200ppmから約2500ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
−Eは、−CHR1R2であり、R1およびR2は独立に、−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;および−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
−Eは、−CH2R1であり、R1は、−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;および−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
多相ポリマー組成物であって、
第1のポリマーを有する第1の相ならびに
第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物を有する第2の相
【化2】

[上式中、
=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを有する基からなる群から選択され;
−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を有する多相ポリマー組成物。
【請求項37】
=Aは、3から20個の炭素原子を有するアルケニル基である、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項38】
=Aは、4から20個の炭素原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である、請求項37に記載の多相組成物。
【請求項39】
=Aは、5から20個の炭素原子を有するシクロアルケニル基である、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項40】
=Aは、=CH−CHR1(−O−R6)であり、R6は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基および2から20個の原子を有するアルケニル基からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項41】
R6は、4から20個の原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である、請求項40に記載の多相組成物。
【請求項42】
=Aは、=CH−CHR1(−O−R5−R6)であり、R5は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項43】
R6は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項42に記載の多相組成物。
【請求項44】
R5は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R6は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項42に記載の多相組成物。
【請求項45】
R5は、5から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R6は、5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項42に記載の多相組成物。
【請求項46】
=Aは、=CH−CH2(−O−R4)であり、R4は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基および2から20個の原子を有するアルケニル基からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項47】
R4は、4から20個の原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するアルケニル基である、請求項46に記載の多相組成物。
【請求項48】
=Aは、=CH−CH2(−O−R3−R4)であり、R3は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項49】
R4は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、2から20個の原子を有するアルケニル基および5から20個の炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される、請求項48に記載の多相組成物。
【請求項50】
R3は、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、R4は5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項48に記載の多相組成物。
【請求項51】
R3は、5から20個の炭素原子を有するアリール基であり、R4は5から20個の炭素原子を有するアリール基である、請求項48に記載の多相組成物。
【請求項52】
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒に、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールおよび複素環からなる群から選択される環を形成する、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項53】
R1およびR2は合わせて、1から5個の酸素原子を有する、請求項52に記載の多相組成物。
【請求項54】
R1およびR2は合わせて、2から9個の炭素原子を有する、請求項53に記載の多相組成物。
【請求項55】
=Aは、−CH−CHR1R2であり、R1およびR2は独立に、−OCH3;−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;および−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項56】
=Aは、−CH−CH2R1であり、R1は、−OCH3;−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2および−OC6H4−C(CH3)2−C6H5からなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項57】
前記の化合物は、シトラール、ゲラニオール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタール、ファルネセンおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項58】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタールおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項59】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項60】
前記の第1のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項61】
前記の第1のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項62】
前記の第1のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項63】
前記の第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項64】
前記の第1のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項65】
前記の第2のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項66】
前記の第2のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項67】
前記の第2のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項68】
前記の第2のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項69】
前記の第2のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項70】
前記の第2の相中の前記の化合物の濃度は、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントである、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項71】
前記の第2の相中の前記の化合物の濃度は、約0.01重量パーセントから約4重量パーセントである、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項72】
前記の第2の相中の前記の化合物の濃度は、約0.05重量パーセントから約3重量パーセントである、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項73】
前記の金属は、遷移金属を含む、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項74】
前記の金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、マンガンおよび亜鉛からなる群から選択される、請求項73に記載の多相組成物。
【請求項75】
前記の金属は、コバルトである、請求項73に記載の多相組成物。
【請求項76】
前記の金属は、錯体として存在する、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項77】
前記の金属は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)からなる群から選択される錯体として存在する、請求項76に記載の多相組成物。
【請求項78】
前記の第2の相中での前記金属の濃度は、約30ppmから約5000ppmである、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項79】
前記の第2の相中での前記金属の濃度は、約200ppmから約2500ppmである、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項80】
前記の多相組成物は、ブレンドであり、第1のポリマーは、第2のポリマーとは異なる、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項81】
前記の多相組成物は、クロージャーライナーである、請求項80に記載の多相組成物。
【請求項82】
前記の多相組成物は、シーラントである、請求項80に記載の多相組成物。
【請求項83】
前記の多相組成物は、ガスケットである、請求項80に記載の多相組成物。
【請求項84】
前記の第1の相および第2の相は、層として配置されている、請求項36に記載の多相組成物。
【請求項85】
パッケージのための壁体であって、
第1のポリマーを有する第1の相ならびに
第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物を有する第2の相
【化3】

[上式中、
=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを含む基からなる群から選択され;
−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を含み、この際、前記の第2の相での前記化合物の濃度は、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントであり;前記の第2の相での前記金属の濃度は、約30ppmから約5000ppmである、壁体。
【請求項86】
前記の第1の相および前記の第2の相は、ブレンドとして存在し、前記の第1のポリマーは、前記の第2のポリマーとは異なる、請求項85に記載の壁体。
【請求項87】
前記の第1の相および前記の第2の相は、層として配置されている、請求項85に記載の壁体。
【請求項88】
前記の化合物は、シトラール、ゲラニオール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタール、ファルネセンおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項89】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタールおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項90】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項91】
前記の金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、マンガンおよび亜鉛からなる群から選択される、請求項85に記載の壁体。
【請求項92】
前記の金属は、コバルトである、請求項85に記載の壁体。
【請求項93】
前記の金属は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)からなる群から選択される錯体として存在する、請求項85に記載の壁体。
【請求項94】
前記の第1のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項95】
前記の第1のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項96】
前記の第1のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項97】
前記の第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項98】
前記の第1のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項99】
前記の第2のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項100】
前記の第2のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項101】
前記の第2のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項102】
前記の第2のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項103】
前記の第2のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項85に記載の壁体。
【請求項104】
ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される第3のポリマーを有する第3の相をさらに有し;ここで、前記の第1、第2および第3の相は、層として配置されている、請求項87に記載の壁体。
【請求項105】
ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される第4のポリマーを有する第4の相をさらに有し;ここで、前記の第1、第2、第3および第4の相は、層として配置されている、請求項104に記載の壁体。
【請求項106】
ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される第5のポリマーを有する第5の相をさらに有し;ここで、前記の第1、第2、第3、第4および第5の相は、層として配置されている、請求項105に記載の壁体。
【請求項107】
少なくとも1つの接着層をさらに有する、請求項87に記載の壁体。
【請求項108】
バリヤポリマーを有するバリヤ層をさらに有する、請求項87に記載の壁体。
【請求項109】
前記のパッケージは、ボトルである、請求項85に記載の壁体。
【請求項110】
前記のパッケージは、材料シートである、請求項85に記載の壁体。
【請求項111】
前記のパッケージは、バッグである、請求項85に記載の壁体。
【請求項112】
前記のパッケージは、トレイである、請求項85に記載の壁体。
【請求項113】
前記の壁体は、プリフォームの一部である、請求項85に記載の壁体。
【請求項114】
前記の壁体は、ライナーである、請求項85に記載の壁体。
【請求項115】
前記の壁体は、クロージャーの一部である、請求項85に記載の壁体。
【請求項116】
酸素バリヤ組成物を製造する方法であって、ポリマー、金属および構造(II)を有する化合物:
【化4】

[上式中、
−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか又は;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を混合するステップを含む、方法。
【請求項117】
前記の混合は、前記の金属および前記の化合物と前記のポリマーとを押出機中で混合するステップを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記の混合は、前記の金属、前記の化合物および前記のポリマーを溶剤中で混合して、液体混合物を生じさせるステップと、前記の液体混合物を基材に施与するステップとを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項119】
前記の施与は、液体混合物をキャスティングするステップと、溶剤を蒸発させるステップとを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記の施与は、噴霧を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記の化合物とポリマーとを、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントの濃度で混合する、請求項116に記載の方法。
【請求項122】
前記の金属とポリマーとを、約30ppmから約5000ppmの濃度で混合する、請求項116に記載の方法。
【請求項123】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項124】
前記の金属は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)からなる群から選択される錯体として存在する、請求項116に記載の方法。
【請求項125】
前記のポリマーは、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項126】
前記のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルアルコール)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項127】
前記のポリマーは、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリアクリレートを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項128】
前記のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択される塩素化ポリマーを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項129】
前記のポリマーは、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)、ポリ(ナフタル酸エチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドからなる群から選択されるポリエステルを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項130】
酸素バリヤ特性を有するパッケージを製造する方法であって、
第1のポリマーを有する第1の相および第2の相を有する多相組成物を形成させるステップと;
多相組成物を加工して、パッケージにするステップとを含み、ここで、
前記の第2の相は、第2のポリマー、金属および構造(I)を有する化合物:
【化5】

[上式中、
=Aは、3から20個の炭素原子からなるアルケニル基、5から20個の炭素原子からなるシクロアルケニル基および構造=CH−Eを含む基からなる群から選択され;
−Eは、−CH2OH、−CH(OH)2、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、−O−R3−R4または−O−R4であり、ここで、R3およびR4は、カルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、−O−R5−R6または−O−R6であり、ここで、R5およびR6はカルボニル基を含まず、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を有する、方法。
【請求項131】
前記の形成は、前記の第1のポリマーおよび第2の相を同時押出成形するステップを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記の多相組成物は、ブレンドである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記の第1の相および第2の相を、多相組成物中で層として配置する、請求項131に記載の方法。
【請求項134】
前記の形成は、第1の相の層を第2の相でコーティングすることを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
前記の形成は、
前記の第2のポリマー、前記の金属および前記の化合物を加熱することにより、第2の相の溶融物を生じさせるステップと;
前記の第1のポリマーの溶融物を金型に射出するステップと;
前記の第2の相の溶融物を前記の金型に射出して、多層構造を形成させるステップとを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記の多層構造は、プリフォームを含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記の加工は、プリフォームを容器の形態にブロー成形するステップを含む、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
第3のポリマーの溶融物を前記の金型に注入するステップをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記の形成は、
前記の第1のポリマーを加熱することにより、第1のポリマー溶融物を生じさせるステップと;
前記の第2のポリマー、前記の金属および前記の化合物を加熱することにより、第2の相溶融物を生じさせるステップと;
前記の第1のポリマー溶融物と前記の第2の相の溶融物とを金型に同時に射出して、多層構造を形成させるステップとを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項140】
前記の多層構造は、プリフォームを含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記の加工は、前記のプリフォームを容器の形態にブロー成形することを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記の多層構造は、パリソンを含む、請求項139に記載の方法。
【請求項143】
前記の加工は、パリソンをブロー成形用金型に封入するステップと、パリソンを膨張させて、前記のブロー成形用金型の形態にするステップとを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記の多相組成物は、第3のポリマーを有する第3の相をさらに有し、前記の形成は、
前記の第1のポリマーを加熱することにより、第1のポリマー溶融物を生じさせるステップと;
前記の第2のポリマー、前記の金属および前記の化合物を加熱することにより、第2の相溶融物を生じさせるステップと;
前記の第3のポリマーを加熱することにより、第3のポリマー溶融物を生じさせるステップと;
前記の第1のポリマー溶融物と前記の第2の相の溶融物と前記の第3のポリマー溶融物とを金型に同時に射出して、多層構造を形成させるステップとを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項145】
前記の多相組成物は、第4のポリマーを有する第4の相をさらに有し、前記の形成は、前記の第4のポリマーを加熱することにより、第4のポリマー溶融物を生じさせるステップと、前記の第4のポリマー溶融物を前記の第1のポリマー溶融物、前記の第2の相の溶融物および前記の第3のポリマー溶融物と共に金型に同時に射出して、多層構造を形成させるステップとを含む、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記のパッケージは、ボトルである、請求項130に記載の方法。
【請求項147】
前記のパッケージは、材料シートである、請求項130に記載の方法。
【請求項148】
前記のパッケージは、バッグである、請求項130に記載の方法。
【請求項149】
前記のパッケージは、トレイである、請求項130に記載の方法。
【請求項150】
前記の第1のポリマーおよび第2のポリマーを独立に、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、塩素化ポリマー、スチレン系ポリマー、イオノマーおよびポリカーボネートからなる群から選択する、請求項130に記載の方法。
【請求項151】
=Aは、−CH−CHR1R2であり、R1およびR2は独立に、−OCH3;−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;および−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2からなる群から選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項152】
=Aは、−CH−CH2R1であり、R1は、−OCH3;−OCH2CH3;−OCH2−C6H5;−OCH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2;−OC6H4−C(CH3)2−C6H5;および−OCH(CH=CH(CH2)7CH3)−(OCH2CH=C(CH3)(CH2)2CH=C(CH3)2からなる群から選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項153】
前記の化合物は、シトラール、ゲラニオール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタール、ファルネセンおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項154】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジゲラニルアセタール、ウンデシレン酸アルデヒドジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタール、シトラールジクミルフェニルアセタールおよびビサボレンからなる群から選択される員を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項155】
前記の化合物は、シトラール、シトラールジゲラニルアセタール、シトラールエチレングリシルアセタール、シトラールジエチレングリシルアセタール、シトラールジベンジルアセタールおよびシトラールジクミルフェニルアセタールからなる群から選択される員を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項156】
前記の第2の相での前記化合物の濃度は、約0.001重量パーセントから約5重量パーセントである、請求項130に記載の方法。
【請求項157】
前記の金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、マンガンおよび亜鉛からなる群から選択される遷移金属を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項158】
前記の金属は、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)およびオレイン酸コバルト(II)からなる群から選択される錯体として存在する、請求項130に記載の方法。
【請求項159】
前記の第2の相での前記金属の濃度は、約30ppmから約5000ppmである、請求項130に記載の方法。
【請求項160】
前記の多相組成物は、層として配置されている前記の第1の相および第2の相を有し、第3の相からなる層をさらに有する、請求項130に記載の方法。
【請求項161】
前記の多相組成物は、第4の相からなる層をさらに有する、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記の多層構造は、少なくとも1つの接着層をさらに有する、請求項160に記載の方法。
【請求項163】
前記の多層構造は、バリヤポリマーを有するバリヤ層をさらに有する、請求項160に記載の方法。
【請求項164】
物質の酸素含分を低減する方法であって、
パッケージ内に前記の物質をシーリングするステップを含み、この際、前記のパッケージは、ポリマー、金属および構造(II)を有する化合物:
【化6】

[上式中、
−Eは、−C(=O)H、−CH2R1および−CHR1R2からなる群から選択され;
R1は、R1が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R3−R4または−O−R4であり、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択され;
R2は、R2が少なくとも2個の炭素原子を有し、カルボニル基を含有しないような−O−R5−R6または−O−R6であり、R5およびR6はそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリールおよび複素環からなる群から選択されるか又は;
R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、5から20個の環原子を有する環を形成する]
を有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−504349(P2007−504349A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533155(P2006−533155)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/015451
【国際公開番号】WO2004/106426
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505429957)コンチネンタル ペット テクノロジーズ, インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】