説明

酸素及び水分遮断用樹脂組成物及びそれを利用したシート

本発明は、二酸化炭素と互いに異なる2種のエポキシド化合物を反応させたポリカーボネートターポリマー(terpolymer)を含む酸素及び水分遮断用樹脂組成物及びそれを利用した酸素及び水分遮断用シートに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装などに用いられるフィルムまたはシートを製造するための樹脂組成物に関し、酸素及び水分遮断の効果に優れた樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品包装などの包装材として用いられているナイロン、エチレンビニルアルコール(EVOH)などは、ガス遮断性は優れるが水分遮断性が劣っており、特に、湿度によってガス遮断性も急激に低下するという問題点があった。
【0003】
脂肪族ポリカーボネートは、生分解されやすい高分子であり、ガス及び水分遮断性に優れるため、包装材またはコーティング材として有用に用いられることができる。脂肪族ポリカーボネートはエポキシド化合物及び二酸化炭素から製造されるが、有毒な化合物であるホスゲンを使用しないという点、また二酸化炭素が安価であるという点から、環境にやさしく価値が高い。
【0004】
米国特許4142021号には、ポリエチレンカーボネート(PEC)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)の酸素遮断性を利用して多層フィルムの一層として適用する発明が開示されている。しかし、このようなポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート樹脂は、ガラス転移温度が夫々25℃、40℃であって、フィルムを成形する際に寸法安定性が維持されないという問題と、フィルムやシートをロールに巻取して保管する際、表面の粘着性(Sticky)により互いにくっ付くという問題があるため、単層フィルムでは使用できず、寸法安定性に優れた他のポリマーと積層した構造で使用されている。また、ガラス転移温度以上の温度で、酸素及び水分遮断性が急激に低下するという問題点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許4142021号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、上記の問題点を解消するための本発明は、多様なエポキシドをコモノマー(comonomer)として共重合してガラス転移温度を調節することにより、酸素及び水分遮断の効果に優れ、寸法安定性及び粘着性が改善されたフィルムまたはシートを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ガラス転移温度を調節して酸素及び水分遮断性を向上させ、寸法安定性及び表面粘着性を改善した脂肪族ポリカーボネートを用いる樹脂組成物に関する。本発明の樹脂組成物は、通常のフィルムまたはシートを製造するための組成物を意味するものであって、その組成は限定されず、フィルムまたはシートを製造するための方法によって液状、ペレット、マスターバッチなど多様な製造が可能である。特に、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤(slip agent)などのフィルムまたはシートの製造に用いられる通常の添加剤が加えられることができ、これらの種類は制限されない。
【0008】
より具体的には、本発明は、二酸化炭素と互いに異なる2種のエポキシド化合物を反応させたポリカーボネートターポリマー(terpolymer)を含む酸素及び水分遮断用樹脂組成物に関する。
【0009】
本発明者らは、互いに異なる2種のエポキシド化合物を利用してポリカーボネートターポリマーを製造すると、前記エポキシドのガラス転移温度が相違するためポリカーボネートターポリマーの物性の調節が容易であることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、従来のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを二酸化炭素と反応させて製造されたポリカーボネートコポリマーの場合、ガラス転移温度が25〜40℃で、常温で寸法安定性が維持されず、ロールに巻取する際にフィルム同士がくっ付くという問題があるが、本発明は、このようなガラス転移温度を非常に高い範囲、即ち、40〜110℃に調節して用いることができる。
【0010】
また、本発明による樹脂組成物を用いたシートも、本発明の範囲に含まれる。本発明において前記シートはフィルムを含むものであり、より具体的には、厚さが0.2mm以下の場合はフィルムを意味し、0.2mm以上の場合はシートを意味して、本発明はこのようなフィルムとシートを全て含む。また、本発明のフィルムは延伸または無延伸フィルムを含む。
【0011】
本発明において、前記エポキシド化合物は、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシドからなる群から選択されることができる。
【0012】
前記アルコキシは、具体的に、アルキルオキシ、アリールオキシ、アラルキル(aralkyl)オキシなどが挙げられ、前記アリールオキシは、フェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフチルオキシなどが挙げられる。前記アルコキシ、アルキル及びアリールは、ハロゲン元素またはアルコキシ基から選択される置換基を有するものであることができる。
【0013】
より具体的には、本発明のポリカーボネートターポリマー(terpolymer)は、下記化学式1で表される化合物である。
【0014】
[化学式1]

前記化学式1中、mは2〜10であり、nは1〜3であり、Rは水素、(C1−C4)アルキルまたは−CH−O−R´(R´は(C1−C8)アルキル)であり、x:yは5:95〜95:5である。
【0015】
本発明において、前記エポキシド化合物は具体的に、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、オクテンオキシド、デセンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、ヘキサデセンオキシド、オクタデセンオキシド、ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシド−7−オクテン、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシド、α−ピネンオキシド、2,3−エポキシドノルボルネン、リモネンオキシド、ディルドリン、2,3−エポキシドプロピルベンゼン、スチレンオキシド、フェニルプロピレンオキシド、スチルベンオキシド、クロロスチルベンオキシド、ジクロロスチルベンオキシド、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、ベンジルオキシメチルオキシラン、グリシジル−メチルフェニルエーテル、クロロフェニル−2,3−エポキシドプロピルエーテル、エポキシプロピルメトキシフェニルエーテル、ビフェニルグリシジルエーテル、グリシジルナフチルエーテルなどが挙げられる。
【0016】
前記化学式1のポリカーボネートターポリマーは、ガラス転移温度(T)が40〜110℃であることが、酸素及び水分遮断性に優れ、表面粘着性が改善されるため好ましい。
【0017】
前記化学式1のポリカーボネートターポリマーを重合する方法としては、溶液重合または塊状重合が可能であり、より具体的には、有機溶媒を反応媒質として用いて、触媒の存在下で互いに異なる2種のエポキシド化合物と二酸化炭素を投入して重合する。前記溶媒としては、ペンタン、オクタン、デカン及びシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどのような芳香族炭化水素、クロロメタン、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、エチルクロライド、トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロロベンゼン及びブロモベンゼンなどのようなハロゲン化炭化水素から選択されるものを単独または二つ以上を組み合わせて用いることができる。二酸化炭素の圧力は、常圧で100気圧まで可能であり、5気圧〜30気圧がより好ましい。前記共重合反応時の重合温度は、20〜120℃まで可能であり、50〜90℃がより好ましい。さらに好ましくは、モノマー自体を溶媒として用いる塊状重合を行うことができる。
【0018】
前記触媒は、本出願人が出願した韓国特許登録第10−0853358号に記載の下記化学式2〜4の構造を有する官能基のうち一つ以上を含み、中心金属がルイス酸基を有する錯化合物を触媒として用いることも可能である。また、韓国特許出願第10−2008−0074435号に記載の下記化学式5で表される錯化合物を触媒として用いるか、または下記化学式6で表される錯化合物を触媒として用いることができる。しかし、これらに制限されるものではない。
【0019】
[化学式2]

【0020】
[化学式3]

【0021】
[化学式4]

前記化学式2〜4中、
Zは、窒素またはリン原子であり、
Xは、ハロゲン原子;窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数6〜20のアリールオキシ、炭素数1〜20のカルボキシ、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルキルスルホネート(alkylsulfonate)、アミド(amide)であり、Xはルイス酸基を有する中心金属 に配位されることができ、
11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、及びR25は、夫々独立してまたは同時に、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり、R11、R12、及びR13のうち二つまたはR21、R22、R23、R24、及びR25のうち二つが互いに連結されて環を形成することができ、
31、R32、及びR33は、夫々独立してまたは同時に、水素ラジカル;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり、R31、R32、及びR33のうち二つは互いに連結されて環を形成することができ、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはN−R(ここで、Rは水素ラジカル;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル)である。
【0022】
[化学式5]
[LMX]X
前記化学式5中、
Mは、金属原子であり、
Lは、L型またはX型配位子であり、
aは、1、2、または3であり、aが1である場合、Lはプロトングループを二つ以上含み、aが2または3である場合、夫々のLは互いに同一であるかまたは異なることができ、また、互いに連結されて二座(bidentate)または三座(tridentate)配位子で金属にキレートすることができ、少なくとも一つのLはプロトンを一つ以上含み、Lが含んでいるプロトンの総数は二つ以上であり、Xは夫々独立してまたは同時に、ハロゲンアニオン;BF;ClO;NO;PF;HCO;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数6〜20のアリールオキシアニオン、炭素数1〜20のカルボキシアニオン;炭素数1〜20のアルコキシアニオン;炭素数1〜20のカーボネートアニオン;炭素数1〜20のアルキルスルホネート(alkylsulfonate)アニオン;炭素数1〜20のアミド(amide)アニオン;炭素数1〜20のカルバメートアニオンであり、
bとcは、「(b+c)=(Lが含んでいるプロトンの総数)+[(金属の酸化数)−(LのうちX型配位子の数)]」の関係式を満たす。
【0023】
[化学式6]
[LM][X...H...X]
前記化学式6中、
Mは、3価のコバルトまたは3価のクロムであり;
Lは、アニオン性のX型配位子であり、夫々のLは互いに同一であるかまたは異なることができ、また、連結されて二座、三座、または四座配位子となることができ、四つのLのうち少なくとも一つは4級アンモニウムカチオンを含み、Lが含むアンモニウムカチオンの総数は1+a+bで、錯化合物は全体的に中性であり;
Xは、夫々独立してまたは同時に、ハロゲンアニオン;HCO;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数6〜20のアリールオキシアニオン、炭素数1〜20のカルボキシアニオン;炭素数1〜20のアルコキシアニオン;炭素数1〜20のカーボネートアニオン;炭素数1〜20のアルキルスルホネート(alkylsulfonate)アニオン;炭素数1〜20のアミド(amide)アニオン;炭素数1〜20のカルバメートアニオンであり、
Zは、BF、ClO、NOまたはPFである。
【0024】
より具体的には、前記触媒は下記化学式7〜10で表される化合物である。
【0025】
[化学式7]

前記化学式7中、
Mは、遷移金属または典型金属であり、
X´は、中性またはアニオン1価の配位子であり、
Aは、酸素または硫黄原子であり、
Qは、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、リン原子を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数3〜20のシクロアルキルジラジカル、炭素数6〜30のアリールジラジカル、または炭素数1〜20のジオキシラジカルであり、R〜R10は、夫々独立してまたは同時に、ハロゲン原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり、R〜R10のうち二つが互いに連結されて環を形成することができ、R〜R10のうち少なくとも一つ以上は、前記化学式2、化学式3及び化学式4の官能基のうち一つ以上を含み、化学式2、化学式3及び化学式4のXは、ルイス酸基を有する中心金属に配位されることができる。
【0026】
[化学式8]

前記化学式8中、
M´は、コバルトであり、
X″は、ハロゲン原子、ニトロ基置換または非置換の炭素数1〜20のアリールオキシ、またはハロゲン置換または非置換の炭素数1〜20のカルボキシであり、Aは酸素原子であり、Qは、トランス−1,2−シクロヘキシレン、エチレン、または置換されたエチレンであり、R、R、R、R、R、及びRは水素であり、RとR10はtert−ブチル、メチル、またはイソプロピルであり、RとRのうち少なくとも一つ以上は、−[YR413−m{(CR4243444546]X″、または−[PR5152=N=PR535455]X″であり、この際、Yは炭素またはケイ素であり、X″はハロゲン原子、ニトロ基置換または非置換の炭素数1〜20のアリールオキシ、またはハロゲン置換または非置換の炭素数1〜20のカルボキシであり、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R51、R52、R53、R54、及びR55は、夫々独立してまたは同時に、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり、R44、R45及びR46のうち二つまたはR51、R52、R53、R54及びR55のうち二つが互いに連結されて環を形成することができ、mは1〜3のうち一つの整数であり、nは1〜20のうち一つの整数である。
【0027】
[化学式9]

前記化学式9中、
Xは、夫々独立してまたは同時に、ハロゲンアニオン;BF;ClO;NO;PF;HCO;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数6〜20のアリールオキシアニオン、炭素数1〜20のカルボキシアニオン;炭素数1〜20のアルコキシアニオン;炭素数1〜20のカーボネートアニオン;炭素数1〜20のアルキルスルホネート(alkylsulfonate)アニオン;炭素数1〜20のアミド(amide)アニオン;炭素数1〜20のカルバメートアニオンであり、
41、R42、R43、R44、R45、R46は、水素、tert−ブチル、メチル、エチル、イソプロピル、−[YR513−m{(CR5253545556]から選択されたものであり、R41、R42、R43、R44、R45、そしてR46のうち少なくとも一つは、−[YR513−m{(CR5253545556]である。(ここで、Yは炭素またはケイ素原子であり、R51、R52、R53、R54、R55、そしてR56は、夫々独立してまたは同時に、水素ラジカル;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数1〜20のアルキルラジカル、炭素数2〜20のアルケニルラジカル、炭素数7〜20のアルキルアリールラジカル、または炭素数7〜20のアリールアルキルラジカル;ヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり、R54、R55及びR56のうち二つが互いに連結されて環を形成することができ、mは1〜3のうち一つの整数であり、nは1〜20のうち一つの整数であり、b+c−1の値は、前記化学式9の錯化合物が含む総−[YR513−m{(CR5253545556]のmの和と同一の整数値である。
【0028】
[化学式10]

前記化学式10中、
Xは、夫々独立してまたは同時に、ハロゲンアニオン;HCO;ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子のうちの一つ以上を含むかまたは含まない炭素数6〜20のアリールオキシアニオン、炭素数1〜20のカルボキシアニオン;炭素数1〜20のアルコキシアニオン;炭素数1〜20のカーボネートアニオン;炭素数1〜20のアルキルスルホネート(alkylsulfonate)アニオン;炭素数1〜20のアミド(amide)アニオン;炭素数1〜20のカルバメートアニオンであり、
aは、1または0であり、
Zは、BF、ClO、NOまたはPFであり、
12とR14は、メチル、エチル、イソプロピル、または水素から選択されたものであり、R11とR13は、−[CH{(CHBu]または−[CMe{(CHBu]であり、
Qは、二つの窒素原子を連結するジラジカルである。
【0029】
より具体的には、前記化学式10中、Qはトランス−1,2−シクロヘキシレンまたはエチレンであり、Xは、2,4−ジニトロフェノレート、4−ニトロフェノレート、2,4,5−卜リクロロフェノレート、2,4,6−卜リクロロフェノレート、またはペンタフルオロフェノレートであり、ZはBFである。
【0030】
より具体的には、前記触媒としては下記化学式11〜13で表される錯化合物が用いられる。
【0031】
[化学式11]

前記化学式11中、Xは、2,4−ジニトロフェノレートである。
【0032】
[化学式12]

前記化学式12中、Xは、2,4−ジニトロフェノレートである。
【0033】
[化学式13]

【0034】
また、本発明の樹脂組成物は、二酸化炭素と、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシド;からなる群から選択されるエポキシド化合物を反応させた一つ以上のポリカーボネートコポリマー(copolymer)をさらに含むことができる。前記ポリカーボネートコポリマーは、ポリカーボネートターポリマーの柔軟性(flexibility)と靭性(Toughness)を強め、また、熱接着開始温度(Heat seal initiation temperature)を低める機能をする。そのガラス転移温度(T)は0〜40℃であることが好ましい。この際、前記ポリカーボネートターポリマーとポリカーボネートコポリマーとは、5:95〜95:5の重量比であることが好ましい。
【0035】
また、本発明の樹脂組成物は、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤(slip agent)などのフィルムまたはシートの製造に用いられる通常の添加剤が加えられることができ、これらの種類は制限されない。
【0036】
本発明は、前記樹脂組成物を用いるフィルムまたはシートも本発明の範囲に含まれる。
【0037】
本発明によるフィルムまたはシートは、単層または二層以上で積層して用いることができ、熱成形などの方法を利用して食品包装用容器に適用することができる。
【0038】
本発明によるフィルムまたはシートを成形する方法としては、溶液流延法(solvent casting)、溶融押出法(melt extrusion)、共押出法(co−extrusion)、押出コーティング法(extrusion coating)、ウェットラミネーション(wet lamination)、ドライラミネーション(dry lamianation)、上/下向き式のブローン(blown)などの方法により単層または多層に製造することができる。また、多層に積層する場合、他の樹脂層との接着性を向上させるために、必要に応じて接着剤層(tie layer)を形成することができる。
【0039】
また、本発明のフィルムまたはシートが一層以上含まれる多層フィルムまたは多層シートも本発明の範囲に含まれる。即ち、前記多層フィルムまたは多層シートは、本発明の樹脂組成物を利用して製造されたフィルムまたはシートを一層以上含み、他の層は異なる樹脂からなることも可能である。また、多層フィルムまたは多層シートは、本発明による樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートの片面または両面に、二酸化炭素と、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシド;からなる群から選択されるエポキシド化合物を反応させたポリカーボネートコポリマー(copolymer)を含むフィルムまたはシートをさらに積層させた、酸素及び水分遮断用多層フィルムも本発明の範囲に含まれる。この際、前記ポリカーボネートコポリマーは、ガラス転移温度(T)が0〜40℃であることが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によるポリカーボネートコポリマー(copolymer)を含む樹脂組成物は、酸素及び水分遮断性に優れており、寸法安定性及び表面粘着性が改善されて、食品包装などの包装材として用いるのに有利である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明は、本発明を具体的に説明するための一例にすぎず、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
【0042】
[製造例1]3−メチル−5−[{BFBu(CHCH}]− サリチルアルデヒド化合物の合成
下記構造の配位子を加水分解して標題化合物を製造した。化合物は、既に公知された方法(Angew.Chem.Int.Ed.、2008,47,7306−7309)により合成した。
【0043】
[構造式1]

【0044】
構造式1の化合物(0.500g、0.279mmol)をメチレンクロライド(4mL)に溶かした後、ヨウ化水素水溶液(2N、2.5mL)を入れて3時間70℃で撹拌した。水層を除去し、メチレンクロライド層を水で洗浄した後、無水マグネシウムクロライドで水分を除去した後、溶媒を減圧下で除去した。メチレンクロライド/エタノール(10:1)の混合溶液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.462gの3−メチル−5−[{IBu(CHCH}]−サリチルアルデヒドを得た(収率95%)。この化合物をエタノール(6mL)に溶かし、これにAgBF(0.225g、1.16mmol)を加えた。1.5時間常温で撹拌した後、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、メチレンクロライド/エタノール(10:1)の混合溶液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.410gの3−メチル−5−[{BFBu(CHCH}]−サリチルアルデヒド化合物を得た(100%)。
【0045】
H NMR(CDCl):δ11.19(s,1H,OH),9.89(s,1H,CHO),7.48(s,1H,m−H),7.29(s,1H,m−H),3.32−3.26(m,4H,−NCH),3.10−3.06(m,12H,−NCH),2.77(septet,J=6.8Hz,1H,−CH−),2.24(s,3H,−CH),1.76−1.64(m,8H,−CH),1.58−1.44(m,16H,−CH),1.34−1.29(m,8H,−CH),0.90(t,J=7.6Hz,18H,CH)ppm。13C{H}NMR(CDCl):δ197.29,158.40,136.63,133.48,130.51,127.12,119.74,58.23,40.91,32.51,23.58,19.48,18.82,15.10,13.45ppm。
【0046】
[製造例2]錯化合物1の合成
前記製造例1の3−メチル−5−[{BFBu(CHCH}]−サリチルアルデヒド化合物から、下記化学式13で表される錯化合物1を合成した。
【0047】
[化学式13]

【0048】
エチレンジアミンジハイドロクロライド(10mg、0.074mmol)、ナトリウム t−ブトキシド(14mg)、及び製造例1により製造された3−メチル−5−[{BFBu(CHCH}]−サリチルアルデヒド化合物(115mg)の質量を測定してドライボックスの中でバイアルに入れ、これにエタノール(2mL)を入れた後、常温で一晩中撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を取ってエタノールを減圧下で除去した。メチレンクロライドにさらに溶かし、濾過をさらに行った。溶媒を減圧下で除去した後、Co(OAC)(13mg、0.074mmol)とエタノール(2mL)を加えた。反応混合物を常温で3時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた化合物をジエチルエーテル(2mL)で二回洗浄し、固形の化合物を得た。この固形の化合物をメチレンクロライド(2mL)にさらに溶かし、2,4−ジニトロフェノール(14mg、0.074mmol)を加えた後、酸素存在下で3時間撹拌した。反応混合物にナトリウム 2,4−ジニトロフェノレート(92mg、0.44mmol)を入れ、一晩中撹拌した。セライトを利用して濾過して溶媒を除去し、黒茶色の固体化合物を得た(149mg、100%)。
【0049】
H NMR(dmso−d,40C):δ8.84(br,2H,(NOO),8.09(br,2H,(NOO),8.04(s,1H,CH=N),7.12(s,2H,m−H),6.66(br,2H,(NOO),4.21(br,2H,ethylene−CH),3.35−2.90(br,16H,NCH),2.62(s,3H,CH),1.91(s,1H,CH),1.68−1.42(br,20H,CH),1.19(br,12H,CH),0.83(br,18H,CH)ppm。H NMR(THF−d,20C):δ8.59(br,1H,(NOO),8.10(br,1H,(NOO),7.93(s,1H,CH=N),7.88(br,1H,(NOO),7.05(s,1H,m−H),6.90(s,1H,m−H),4.51(s,2H,ethylene−CH),3.20−2.90(br,16H,NCH),2.69(s,3H,CH),1.73(s,1H,CH),1.68−1.38(br,20H,CH),1.21(m,12H,CH),0.84(t,J=6.8Hz,18H,CH)ppm。H NMR(CDCl,20C):δ8.43(br,1H,(NOO),8.15(br,1H,(NOO),7.92(br,1H,(NOO),7.79(s,1H,CH=N),6.87(s,1H,m−H),6.86(s,1H,m−H),4.45(s,2H,ethylene−CH),3.26(br,2H,NCH),3.0−2.86(br,14H,NCH),2.65(s,3H,CH),2.49(br,1H,CH),1.61−1.32(br,20H,CH),1.31−1.18(m,12H,CH),0.86(t,J=6.8Hz,18H,CH)ppm。13C{H}NMR(dmso−d,40C):δ170.33,165.12,160.61,132.12(br),129.70,128.97,127.68(br),124.51(br),116.18(br),56.46,40.85,31.76,21.92,18.04,16.16,12.22ppm。15N{H}NMR(dmso−d,20C):δ−156.32,−159.21ppm。15N{H}NMR(THF−d,20C):δ−154.19ppm。19F{H}NMR(dmso−d,20C):δ−50.63,−50.69ppm。
【0050】
[製造例3]二酸化炭素/プロピレンオキシドを利用したコポリマー (PPC)の合成
3Lのオートクレイブ反応器(autoclave reactor)に、錯化合物0.454g(モノマー/触媒の比によって計算された量)が溶解されたプロピレンオキシド(1162g、20.0mol)をカニュラーを用いて注入した。錯化合物は、製造例2により製造された錯化合物1を用いた。反応器に二酸化炭素を17barの圧力で注入し、予め温度を80℃に合わせた循環式恒温水槽(Circulation Water Bath)で反応器の温度を上げながら撹拌を始めた。30分後、二酸化炭素の圧力が下がり始める時点の時間を測定及び記録し、その時点後に2時間反応させた後、二酸化炭素ガスの圧力を除去し、反応を終了した。得られた粘液性の溶液にプロピレンオキシド830gをさらに投入して溶液の粘度を低めた後、シリカゲル(50g、メルク株式会社製、0.040〜0.063mm粒径(230〜400メッシュ))パッドを通過させて無色の溶液を得た。モノマーを真空減圧して除去し、白色の固体283gを得た。得られた高分子の質量平均分子量(Mw)は290,000、多分散指数(PDI、Polydispersity Index)は1.30であった。得られた高分子の質量平均分子量と多分散指数は、GPCを利用して測定した。
【0051】
[製造例4]二酸化炭素/プロピレンオキシド/シクロヘキセンオキシドを利用したCO/PO/CHOターポリマー (Terpolymer)の合成
3Lのオートクレイブ反応器(autoclave reactor)に、錯化合物0.406g(モノマー/触媒の比によって計算された量)が溶解されたプロピレンオキシド(622.5g、10.72mol)、シクロヘキセンオキシドをカニュラーを用いて注入した。錯化合物は、製造例2により製造された錯化合物1を用いた。反応器に二酸化炭素を17barの圧力で注入し、予め温度を80℃に合わせた循環式恒温水槽(Circulation Water Bath)で反応器の温度を上げながら撹拌を始めた。30分後、二酸化炭素の圧力が下がり始める時点の時間を測定及び記録し、その時点後に2時間反応させた後、二酸化炭素ガスの圧力を除去して反応を終了した。得られた粘液性の溶液にプロピレンオキシド830gをさらに投入して溶液の粘度を低めた後、シリカゲル(50g、メルク株式会社製、0.040〜0.063mm粒径(230〜400メッシュ))パッドを通過させ、無色の溶液を得た。モノマーを真空減圧により除去し、白色の固体283gを得た。
【0052】
得られた高分子の質量平均分子量(Mw)は210,000、多分散指数(PDI、Polydispersity Index)は1.26であり、高分子内のシクロヘキセンカーボネートの比率は25mol%であった。得られた高分子の質量平均分子量と多分散指数はGPCを利用して測定し、高分子内のシクロヘキセンカーボネートの比率はH NMRスペクトルを分析して計算した。
【0053】
[製造例5]
前記製造例4と同様の方法により製造するが、プロピレンオキシド(PO)とシクロヘキセンオキシド(CHO)の含量比が異なるように調節し、ターポリマーを製造した。製造されたターポリマーのガラス転移温度を測定し、下記表1に示した。
【0054】
表1
【表1】

【0055】
前記表1に示すように、ターポリマー内のCHO含量の増加に比例して、Tが高くなることが分かった。
【0056】
[実施例1]
前記製造例4の製造方法により製造されたCO/PO/CHOのターポリマーでフィルム(Film)を成形し、フィルムの寸法安定性、酸素透過度を測定した。
【0057】
ターポリマー内のPO/CHOは75:25(mol%)、Mwは210,000、Tは60℃であった。
【0058】
フィルムの成形は、スクリュー直径19mm、スクリューL/D=28:1の一軸押出機(Single screw extruder)を用いてキャスティングフィルムを製造し、ダイは、ダイ幅15cmのT−ダイを用いた。圧出温度は、バレル温度は120℃、160℃、160℃に、ダイ温度は160℃に設定し、スクリューRPMは40L/minであった。
【0059】
フィルムは、幅12cm、厚さ50μmに成形した。
【0060】
前記寸法安定性、酸素透過度は次の方法を利用して測定し、その結果を下記表2及び表3に示した。
【0061】
寸法安定性の測定:フィルムを一定の温度に維持しながら、時間による寸法の変化を測定した。寸法は、フィルムの長さ方向(MD、Machine Direction)と幅方向(TD、Transverse Direction)の寸法変化を夫々測定し、初期におけるMD、TD方向の長さ10cmを夫々表示した後、時間による長さ変化を測定した。常温(23℃)実験は、恒温、恒湿が維持される恒温室でフィルムを保管して測定し、高温(55℃)実験は、コンベクションオーブン(Convection Oven)を利用した。
【0062】
酸素透過度の測定:東洋精機製のGas transmission Rate Testerを用いて、23℃で測定した。
【0063】
表2 常温での寸法安定性(23℃)
【表2】

【0064】
表3 寸法安定性(55℃)
【表3】

【0065】
前記表2及び表3に示すように、常温と55℃で寸法安定性が維持されることが分かった。
【0066】
また、酸素透過度(50μm)は、95cc/matm dayであることが分かった。
【0067】
[実施例2]
前記製造例3により製造されたPPCと、製造例4により製造されたCO/PO/CHOのターポリマーを混合してフィルムを成形した。成形したフィルムの寸法安定性、酸素透過度のデータを実施例1と同様の方法で測定し、その結果を下記表4及び表5に示した。
【0068】
この際、ターポリマー:PPCは5:5の重量比で混合し、ターポリマーのMwは210,000(PO:CHO=75:25mol%)、Tgは60℃であって、PPCのMwは290,000、Tgは33℃であった。
【0069】
フィルムの成形は、ターポリマーとPPCを5:5の重量比で混合してツイン圧出機(Twin extruder)でコンパウンディング(compounding)した後、一軸押出機でキャスティングフィルムを製造した。ツイン圧出機のコンパウンディング条件は、スクリュー直径40mm、スクリューL/D=7:1の異方向(Counter−rotating)の二軸押出機(Twin screw extruder)を用い、圧出機のバレル温度は120℃、160℃、160℃、160℃に設定した。フィルムの成形は、スクリュー直径19mm、スクリューL/D=28:1の一軸押出機を用いてキャスティングフィルムを製造し、ダイは、ダイ幅15cmのT−ダイを用いた。圧出温度は、バレル温度は120℃、160℃、160℃ に、ダイ温度は160℃に設定し、スクリューRPMは40L/minであった。
【0070】
フィルムは、幅12cm、厚さ55μmに成形した。
【0071】
表4 常温での寸法安定性(23℃)
【表4】

【0072】
表5 寸法安定性(55℃)
【表5】

【0073】
前記表4及び表5に示すように、常温と55℃で寸法安定性が維持されることが分かった。
【0074】
酸素透過度(55μm)は、72cc/matm dayであった。
【0075】
[比較例1]
製造例3により製造されたPPCを利用してフィルムを製造した。PPCは、Mwは290,000、Tgは33℃であり、フィルムの厚さが100μmであることを除き、前記実施例1と同様の方法によりフィルムを製造した。
【0076】
製造されたフィルムの寸法安定性及び酸素透過度を、実施例1と同様の方法で測定し、その結果を下記表6及び表7に示した。
【0077】
表6 寸法安定性(23℃)
【表6】

【0078】
表7 寸法安定性(55℃)
【表7】

【0079】
前記表6及び表7に示すように、フィルムを成形する際、配向が主にMD方向にのみ起こるため、TD方向は収縮が起こらないが、MD方向にのみ収縮が起こることが分かった。また、55℃での収縮速度及び収縮程度が常温でより大きいことが分かった。尚、酸素透過度(100μm)は、21cc/m atm dayであった。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る酸素及び水分遮断性が向上し、寸法安定性及び表面粘着性が改善したポリカーボネートを含む樹脂組成物は、食品包装用容器やそのような物に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素と互いに異なる2種のエポキシド化合物とを反応させたポリカーボネートターポリマー(terpolymer)を含む酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項2】
エポキシド化合物が、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシドからなる群から選択される二つ以上である、請求項1に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項3】
ポリカーボネートターポリマー(terpolymer)が、以下の化学式1で表される請求項2に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
[化学式1]


前記化学式1中、mは2〜10であり、nは1〜3であり、Rは水素、(C1−C4)アルキルまたは−CH−O−R´(R´は(C1−C8)アルキル)であり、x:yは5:95〜95:5である。
【請求項4】
化学式1で示されるポリカーボネートターポリマーのガラス転移温度(T)が40〜110℃である請求項3に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項5】
前記樹脂組成物が二酸化炭素と、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシドからなる群から選択されるエポキシド化合物を反応させ製造された一つ以上のポリカーボネートコポリマー(copolymer)をさらに含む請求項4に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項6】
ポリカーボネートコポリマーのガラス転移温度(T)が0〜40℃である請求項5に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項7】
ポリカーボネートターポリマーとポリカーボネートコポリマーが5:95〜95:5の重量比である請求項6に記載の酸素及び水分遮断用樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7から選択される何れか一項に記載の樹脂組成物を利用した酸素及び水分遮断用シート。
【請求項9】
請求項8に記載のシートが一層以上含まれた酸素及び水分遮断用多層シート。
【請求項10】
請求項8に記載のシートが二層以上積層された酸素及び水分遮断用多層シート。
【請求項11】
請求項8に記載のシートの片面または両面に、二酸化炭素と、ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C2−C10)アルキレンオキシド;ハロゲンまたはアルコキシ置換または非置換の(C4−C20)シクロアルキレンオキシド;及びハロゲン、アルコキシ、アルキルまたはアリール置換または非置換の(C8−C20)スチレンオキシドからなる群から選択されるエポキシド化合物を反応させ製造されたポリカーボネートコポリマー(copolymer)を含むシートをさらに積層させた、酸素及び水分遮断用多層シート。
【請求項12】
ポリカーボネートコポリマーのガラス転移温度(T)が0〜40℃である請求項11に記載の酸素及び水分遮断用多層シート。

【公表番号】特表2012−530794(P2012−530794A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515981(P2012−515981)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003892
【国際公開番号】WO2010/147396
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(508171000)エスケー イノベーション  シーオー., エルティーディー. (19)
【Fターム(参考)】