酸素富化機
【課題】リラックス状態で常に快適に使用できる使用性の良い酸素富化機を提供する。
【解決手段】空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段2と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段7と、前記酸素富化手段2を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段7に送出する吸引手段5と、音を出力する発音手段24とを備え、前記吐出手段7からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段24からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【解決手段】空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段2と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段7と、前記酸素富化手段2を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段7に送出する吸引手段5と、音を出力する発音手段24とを備え、前記吐出手段7からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段24からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素富化空気を使用者に提供する酸素富化機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素富化機として、商用電源に接続され空気中の酸素を濃縮して酸素富化空気を発生させる装置本体と、酸素富化空気を送出する空気経路と、これに接続され酸素富化空気を吐出する酸素吐出部と、音声を発生する発生源と、ヘッドホンタイプの音声出力部等を備え、前記酸素吐出部と前記音声出力部とを一体にすると共に、前記酸素吐出部を使用者の口の部分に位置させることで、音声を聞きながら酸素富化空気を吸入することができるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−63067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の酸素富化機の構成においては、酸素富化空気の供給と、音声発生源の動作が、必ずしも連動していない事から、酸素富化空気の供給中に、音声が停止したり、また、音声が供給されているのに、酸素富化空気の供給が停止したりして、使用者のリラックス状態を阻害し、使用性が悪いという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、酸素富化空気の供給と、音声の出力を連動させる事で、使用者がリラックス状態で快適に使用できる使用性の良い酸素富化機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の酸素富化機は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0006】
また、本発明の酸素富化機は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、音楽や効果音等の音声を聞くことでリラックスを高めながら、同時に酸素富化空気も摂取できるので、音楽や効果音等の音のみを単独で聞く時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の酸素富化機は、使用者が酸素富化空気と音声出力を、常に同時に楽しむ事ができるため、常にリラックスした状態で使用でき、使用性の高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0009】
第2の発明は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、音楽や効果音等の音声を聞くことでリラックスを高めながら、同時に酸素富化空気も摂取できるので、音楽や効果音等の音のみを単独で聞く時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0010】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の吸引手段の駆動により発生する音と逆位相の音を発音手段から出力させるようにしたもので、前記吸引手段が発生する騒音が発音手段から出る逆位相の音により大きく低減するので、使用者に対し、騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音の提供ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第3の発明の吸引手段の駆動により発生する音を検出する音検知手段と、前記音検出手段で検出された音の位相を解析する位相解析手段を備え、前記位相解析手段の解析結果から、前記音検出手段で検出した音と逆位相の音信号を生成するようにしたもので、吸引手段が発生する騒音を、精度良く大きく低減させることができるので、使用者に対し、より騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音の提供ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1又は第2の発明の吸引手段の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有し、前記吸引手段の動作状況に応じた消音用の音声パターンの音を発音手段から出力するようにしたもので、吸引手段が発生する騒音を、簡易的に低減させることができるので、使用者に対し、安価でかつ、騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供ができるので、高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の酸素富化機に、音楽や効果音といった音を録音する録音手段と、前記録音手段によって録音された音をデータとして蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積されたデータを、再び音として再生する再生手段とを備えたもので、使用者は、自分で録音した自分好みの音楽や効果音を再生しながら、酸素富化空気を吸引する事ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用性が向上できる。
【0014】
第7の発明は、特に、第6の発明のデータ蓄積手段を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カードで構成したもので、汎用性が増し、他の機器やインターネットを介して記録した記憶媒体を使用することができるので、より使用性が向上できる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転開始時に、発音手段から出力する音の音量を、略ゼロから、予め設定された音量まで、徐々に増加させるようにしたもので、急な大音量でリラックス感を阻害されることなく、酸素富化空気と、リラックス感を損なわない音楽または、効果音の提供ができ、より使用性が向上する。
【0016】
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転終了時に、発音手段から出力する音の音量を、発音停止するまで、徐々に減少させるようにしたもので、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0017】
第10の発明は、特に、第1〜9のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転開始時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させるようにしたもので、前記吸引手段の動作音が徐々に増していくので、急激な動作音により、リラックス感を阻害されることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音が得られ、より使用性が向上する。
【0018】
第11の発明は、特に、第1〜10のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転終了時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に減少させるようにしたもので、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0019】
第12の発明は、特に、第1〜11のいずれか1つの発明の酸素富化機に、人体の頭部に装着可能で吐出手段を備えたヘッドセットと、前記ヘッドセットの頭部に接触する部分に発音手段を設け、前記発音手段を骨伝導振動を発生させる骨伝導スピーカで構成したもので、使用者は、周囲への音の影響を気にすることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音を得ることができるので、使用性が向上する。
【0020】
第13の発明は、特に、第1〜12のいずれか1つの発明の発音手段から発生させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段を設けたもので、使用者が、自分の好みの音量に調整する事できるので、よりリラックス感を高め、使用性を向上できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態における酸素富化機について図1〜9を用いて説明する。
【0023】
図1〜図9において、酸素富化機の酸素富化機本体(以下、本体と称す)1の内部には、前記本体1内に吸引された空気の酸素濃度を高め、いわゆる酸素富化空気を発生させる酸素富化膜ユニット(図示せず)から構成された酸素富化手段2が配設されている。前記酸素富化膜ユニットは有機高分子の平膜(図示せず)から構成されており、空気が酸素富化膜ユニットを通過することで空気の酸素濃度が、通過前の通常の約21%(窒素約79%)から、約30%(窒素約70%)まで高められる。
【0024】
また、本体1の内部に設けられた吸引手段5は、高圧力タイプのポンプから構成され、本体1の背面に設けた吸気口3から前記本体1内の酸素富化手段2内に外気を吸引し、さらに、酸素富化手段2を通じて生成された酸素富化空気を、本体1に設けた本体吐出口6からチューブ4を介して、人体の頭部に装着可能なヘッドセット13の先端に設けられた吐出手段7に送り込んでいる。この吸引手段5はマイクロコンピュータなどから構成された制御手段8によって制御駆動されている。また、酸素富化手段2が有する酸素富化膜(図示せず)を通過しない空気、すなわち窒素濃度の高い窒素富化空気は、送風手段10により本体1の側面に設けられた排気口12から外部へ排出される。
【0025】
また、本体1の内部には、音を入力する音声入力手段20と、音声入力手段20より入力される音を音声データとして録音する録音手段21と、その録音した音楽や効果音などの音声データを蓄積するデータ蓄積手段22を有する。そして、そのデータ蓄積手段22に蓄積される音声データを読み取って再生する再生手段23を有し、発音手段24より、音として発音する構成としている。
【0026】
また、吸引手段5を形成する高出力タイプのポンプの動作による騒音を低減する手段として、吸引手段5が出している音を検知する音検知手段25と、検出した音の位相を解析する位相解析手段26を有し、制御手段8は、この位相解析手段26で解析した位相の逆位相を、消音用の発音手段27より、音として発音することで、吸引手段5が発する騒音を低減するように制御している。
【0027】
また、本体1には、操作手段28が備えてあり、制御手段8は、使用者が操作する操作手段28からの情報に基づいて本体1の運転動作を制御するようにしている。
【0028】
以上のように構成された酸素富化機について、以下その動作、作用を説明する。
【0029】
まず、使用者が吐出手段7を備えたヘッドセット13を、図5のように装着して操作手段28を操作して本体1の運転を開始すると、制御手段8が吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成された酸素富化空気をチューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設した吐出手段7から使用者の鼻元に酸素富化空気を吐出する。
【0030】
このとき、制御手段8は、上記動作に連動させて、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、音として発音手段24より発音する。この状態で予め設定されている所定時間を継続して運転した後、吸引手段5の駆動を停止し、吐出手段7からの酸素富化空気の吐出を終了させ、それに連動して、発音手段24による音の出力も停止させるようにする。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、使用者に、リラックス効果のある酸素富化空気と音楽や効果音とを同時に提供でき、かつ、運転の開始と終了において、使用者のリラックス感を阻害することのない使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0032】
また、運転開始時、制御手段8は、発音手段24から発生させる音の音量を、図6に示すように、運転開始時には、略ゼロから開始し、時間の経過と共に徐々に音量を増加させるフェードインを行い、予め設定された音量に到達した時、音量を一定に保持する。これにより、急な大音量でリラックス感を阻害されることなく、使用者をスムースにリラックス状態に導くことになり、酸素富化空気と、リラックス感を損なわない音楽または、効果音の提供ができ、使用者の使用性を向上することができる。
【0033】
また、運転終了時には、制御手段8は、発音手段24から発生させる音の音量を、図6に示すように、運転時の一定レベルから、時間の経過と共に、発音が停止するまで、徐々に音量を減少させるフェードアウトを行うことにより、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0034】
また、音声入力手段20と録音手段21を備えた事により、使用者が、好みの音楽や効果音を、音声入力手段20より入力して、録音手段21により、音声データとして録音し、データ蓄積手段22に蓄積することができるので、使用者は、好みの音楽や効果音を聞きながら、酸素富化空気を楽しむことができ、使用性を向上する事ができる。
【0035】
尚、データ蓄積手段22を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カード等の一般の記憶媒体で構成すれば、他の機器やインターネットを介して録音した音楽や効果音を、再生することができるので、使用性を一層向上させる事ができる。
【0036】
また、使用者に対して、使用性を良くするために、制御手段8は、吸引手段5の駆動開始と共に、吸引手段5の近傍に設けた音検知手段25により、吸引手段5の駆動により発生する音を検出し、位相解析手段26により、音検知手段25で検知された音の位相を解析し、解析した位相と逆位相の音を生成し、それを吸引手段5の近傍に設けた消音用の発音手段27より発音することで、図7に示すように、吸引手段5が発する動作音の騒音を、精度良く大きく低減させることができ、使用者は、騒音が少ない快適な環境で、酸素富化空気と音楽や効果音を楽しむことができる酸素富化機を提供できる。
【0037】
上記実施の形態では、本体1の運転を開始すると、制御手段8が吸引手段5を駆動して酸素富化運転を開始すると共に、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、発音手段24より発音するようにしたが、以下に述べるように、使用者が操作手段28で再生指示29の操作を行い、その操作に連動して吸引手段5が駆動するようにしても良い。
【0038】
まず、使用者が吐出手段7を支持するヘッドセットを、図5のように装着して、音楽又は、効果音を聞く為に、図8に示すように、操作手段28の再生指示29の操作を行なうと、制御手段8は、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り、再生手段23で再生を行い、発音手段24より発音を開始する。
【0039】
そして、制御手段8は、この動作に連動させて、吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成される酸素富化空気を、チューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設された吐出手段7に送り、その吐出手段7から使用者の鼻元への酸素富化空気の吐出を開始する。そして、使用者が、音楽や効果音の再生を終了させた時に、その終了に連動させて、吸引手段5の運転も停止させる。このように構成することにより、使用者に、好みの音楽や効果音を提供すると共に、リラックス効果のある酸素富化空気を同時に提供でき、かつ、運転の開始と終了において、使用者のリラックス感を阻害することのない使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0040】
また、吸引手段5の運転開始時には、制御手段8は、吐出手段7から吐出する酸素富化空気の吐出量を、図9に示すように、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させ、予め設定された吐出量に到達した時、吐出量を一定に保持すると良い。これにより、吸引手段5の急激な動作音により、リラックス感が阻害されることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供することができ、より使用性が向上する。
【0041】
また、運転終了時には、同図に示すように制御手段8は、吐出手段7から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に吐出量を減少させることにより、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0042】
また、音声入力手段20と録音手段21を備えた事により、使用者が、好みの音楽や効果音を、音声入力手段20より入力して、録音手段21により、音声データとして録音し、データ蓄積手段22に蓄積することができるので、使用者は、好みの音楽や効果音を聞きながら、酸素富化空気を楽しむことができるので、使用性を向上する事ができる。
【0043】
(実施の形態2)
図10は、本発明の第2の実施の形態における酸素富化機の全体斜視図、図11は、同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図である。なお、上記第1の実施の形態における酸素富化機と同一部分については同一符号を付与し、その説明を省略する。
【0044】
図10、11に示すように、本実施の形態における酸素富化機は、位相解析手段26及び音検知手段25を搭載しておらず、代わりに、制御手段8は、吸引手段5の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有している。また、発音手段24が、本体1に搭載されておらず、代わりに、ヘッドセット13の人体の頭部に接触する部分に、骨伝導スピーカで構成された発音手段24と、使用者が発音手段24で発生させる音の音量を自由に調整する事ができる音量調整手段31とを備えている。また、この発音手段24は、チューブ4と一体型となっている信号ケーブル30を介して、再生手段23に接続されている。そして、制御手段8により、発音手段24が制御されている。
【0045】
まず、使用者が吐出手段7を支持するヘッドセット13を、図5のように装着して操作手段28を操作して運転を開始すると、制御手段8が、吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成される酸素富化空気をチューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設された吐出手段7から使用者の鼻元に酸素富化空気を吐出する。そして、制御手段8は、この動作に連動させて、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、信号ケーブル30を通じてヘッドセット13の人体頭部と接触する部分に配置された発音手段24を動作させて、振動音として使用者の骨組織に伝達させることにより音を提供する。
【0046】
また、発音手段24が出力する振動音として、骨組織に伝達させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段31を備えたことにより、使用者が好みの音量に調整する事ができるので、リラックス感を高め、使用性を向上できる。
【0047】
これらにより、使用者は、周囲に気を使う事無く、音楽や効果音を楽しむことができ、かつ、リラックス効果のある酸素富化空気を同時に楽しむことができるので、使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0048】
また、使用者に対して、使用性を良くするために、制御手段8は、吸引手段5を駆動開始すると共に、吸引手段5の動作状況に対応して予め備えられた複数の消音用の音声パターンの中から、消音用に発音手段27から音を出力する音声パターンを選択するという簡単な構成にしたことにより、吸引手段5が発生する騒音を、簡易的に低減させることができるので、使用者に対し、安価でかつ騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供ができるので、高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0049】
言うまでも無く、上記発音手段24を構成した骨伝導スピーカを、第1の実施の形態における酸素富化機に応用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる酸素富化機は、使用者にリラックスできる音楽や効果音等の音と、酸素富化空気を同時に提供することができるもので、家庭で用いるだけでなく、疲労回復など高濃度酸素を効果的に利用する施設、設備などにおける機器にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素富化機の全体斜視図
【図2】同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図
【図3】同酸素富化機の本体の上断面図
【図4】同本体の側断面図
【図5】同酸素富化機のヘッドセットの使用状態を示す図
【図6】同酸素富化機の制御手段による音量制御の概念図
【図7】同酸素富化機の吸引手段が発する動作音の騒音レベルを低減させる概念図
【図8】同酸素富化機の操作手段を示す外観図
【図9】同酸素富化機の制御手段による酸素富化空気の吐出量制御の概念図
【図10】本発明の実施の形態2における酸素富化機の全体斜視図
【図11】同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図
【符号の説明】
【0052】
1 本体
2 酸素富化手段
5 吸引手段
7 吐出手段
8 制御手段
20 音声入力手段
21 録音手段
22 データ蓄積手段
23 再生手段
24 発音手段
25 音検知手段
26 位相解析手段
27 消音用発音手段
28 操作手段
31 音量調整手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素富化空気を使用者に提供する酸素富化機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素富化機として、商用電源に接続され空気中の酸素を濃縮して酸素富化空気を発生させる装置本体と、酸素富化空気を送出する空気経路と、これに接続され酸素富化空気を吐出する酸素吐出部と、音声を発生する発生源と、ヘッドホンタイプの音声出力部等を備え、前記酸素吐出部と前記音声出力部とを一体にすると共に、前記酸素吐出部を使用者の口の部分に位置させることで、音声を聞きながら酸素富化空気を吸入することができるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−63067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の酸素富化機の構成においては、酸素富化空気の供給と、音声発生源の動作が、必ずしも連動していない事から、酸素富化空気の供給中に、音声が停止したり、また、音声が供給されているのに、酸素富化空気の供給が停止したりして、使用者のリラックス状態を阻害し、使用性が悪いという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、酸素富化空気の供給と、音声の出力を連動させる事で、使用者がリラックス状態で快適に使用できる使用性の良い酸素富化機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の酸素富化機は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0006】
また、本発明の酸素富化機は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、音楽や効果音等の音声を聞くことでリラックスを高めながら、同時に酸素富化空気も摂取できるので、音楽や効果音等の音のみを単独で聞く時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の酸素富化機は、使用者が酸素富化空気と音声出力を、常に同時に楽しむ事ができるため、常にリラックスした状態で使用でき、使用性の高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、酸素富化空気を摂取しリラックスしながら、同時に音楽や効果音等の音を聞くことで、酸素富化空気のみを単独で摂取する時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0009】
第2の発明は、空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにしたもので、使用者は、音楽や効果音等の音声を聞くことでリラックスを高めながら、同時に酸素富化空気も摂取できるので、音楽や効果音等の音のみを単独で聞く時より、よりリラックス感を高めることができ、使用性が向上する。
【0010】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の吸引手段の駆動により発生する音と逆位相の音を発音手段から出力させるようにしたもので、前記吸引手段が発生する騒音が発音手段から出る逆位相の音により大きく低減するので、使用者に対し、騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音の提供ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第3の発明の吸引手段の駆動により発生する音を検出する音検知手段と、前記音検出手段で検出された音の位相を解析する位相解析手段を備え、前記位相解析手段の解析結果から、前記音検出手段で検出した音と逆位相の音信号を生成するようにしたもので、吸引手段が発生する騒音を、精度良く大きく低減させることができるので、使用者に対し、より騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音の提供ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1又は第2の発明の吸引手段の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有し、前記吸引手段の動作状況に応じた消音用の音声パターンの音を発音手段から出力するようにしたもので、吸引手段が発生する騒音を、簡易的に低減させることができるので、使用者に対し、安価でかつ、騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供ができるので、高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の酸素富化機に、音楽や効果音といった音を録音する録音手段と、前記録音手段によって録音された音をデータとして蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積されたデータを、再び音として再生する再生手段とを備えたもので、使用者は、自分で録音した自分好みの音楽や効果音を再生しながら、酸素富化空気を吸引する事ができるので、より高いリラックス状態を提供することができ、より使用性が向上できる。
【0014】
第7の発明は、特に、第6の発明のデータ蓄積手段を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カードで構成したもので、汎用性が増し、他の機器やインターネットを介して記録した記憶媒体を使用することができるので、より使用性が向上できる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転開始時に、発音手段から出力する音の音量を、略ゼロから、予め設定された音量まで、徐々に増加させるようにしたもので、急な大音量でリラックス感を阻害されることなく、酸素富化空気と、リラックス感を損なわない音楽または、効果音の提供ができ、より使用性が向上する。
【0016】
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転終了時に、発音手段から出力する音の音量を、発音停止するまで、徐々に減少させるようにしたもので、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0017】
第10の発明は、特に、第1〜9のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転開始時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させるようにしたもので、前記吸引手段の動作音が徐々に増していくので、急激な動作音により、リラックス感を阻害されることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音が得られ、より使用性が向上する。
【0018】
第11の発明は、特に、第1〜10のいずれか1つの発明の酸素富化機の運転終了時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に減少させるようにしたもので、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0019】
第12の発明は、特に、第1〜11のいずれか1つの発明の酸素富化機に、人体の頭部に装着可能で吐出手段を備えたヘッドセットと、前記ヘッドセットの頭部に接触する部分に発音手段を設け、前記発音手段を骨伝導振動を発生させる骨伝導スピーカで構成したもので、使用者は、周囲への音の影響を気にすることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音を得ることができるので、使用性が向上する。
【0020】
第13の発明は、特に、第1〜12のいずれか1つの発明の発音手段から発生させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段を設けたもので、使用者が、自分の好みの音量に調整する事できるので、よりリラックス感を高め、使用性を向上できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態における酸素富化機について図1〜9を用いて説明する。
【0023】
図1〜図9において、酸素富化機の酸素富化機本体(以下、本体と称す)1の内部には、前記本体1内に吸引された空気の酸素濃度を高め、いわゆる酸素富化空気を発生させる酸素富化膜ユニット(図示せず)から構成された酸素富化手段2が配設されている。前記酸素富化膜ユニットは有機高分子の平膜(図示せず)から構成されており、空気が酸素富化膜ユニットを通過することで空気の酸素濃度が、通過前の通常の約21%(窒素約79%)から、約30%(窒素約70%)まで高められる。
【0024】
また、本体1の内部に設けられた吸引手段5は、高圧力タイプのポンプから構成され、本体1の背面に設けた吸気口3から前記本体1内の酸素富化手段2内に外気を吸引し、さらに、酸素富化手段2を通じて生成された酸素富化空気を、本体1に設けた本体吐出口6からチューブ4を介して、人体の頭部に装着可能なヘッドセット13の先端に設けられた吐出手段7に送り込んでいる。この吸引手段5はマイクロコンピュータなどから構成された制御手段8によって制御駆動されている。また、酸素富化手段2が有する酸素富化膜(図示せず)を通過しない空気、すなわち窒素濃度の高い窒素富化空気は、送風手段10により本体1の側面に設けられた排気口12から外部へ排出される。
【0025】
また、本体1の内部には、音を入力する音声入力手段20と、音声入力手段20より入力される音を音声データとして録音する録音手段21と、その録音した音楽や効果音などの音声データを蓄積するデータ蓄積手段22を有する。そして、そのデータ蓄積手段22に蓄積される音声データを読み取って再生する再生手段23を有し、発音手段24より、音として発音する構成としている。
【0026】
また、吸引手段5を形成する高出力タイプのポンプの動作による騒音を低減する手段として、吸引手段5が出している音を検知する音検知手段25と、検出した音の位相を解析する位相解析手段26を有し、制御手段8は、この位相解析手段26で解析した位相の逆位相を、消音用の発音手段27より、音として発音することで、吸引手段5が発する騒音を低減するように制御している。
【0027】
また、本体1には、操作手段28が備えてあり、制御手段8は、使用者が操作する操作手段28からの情報に基づいて本体1の運転動作を制御するようにしている。
【0028】
以上のように構成された酸素富化機について、以下その動作、作用を説明する。
【0029】
まず、使用者が吐出手段7を備えたヘッドセット13を、図5のように装着して操作手段28を操作して本体1の運転を開始すると、制御手段8が吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成された酸素富化空気をチューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設した吐出手段7から使用者の鼻元に酸素富化空気を吐出する。
【0030】
このとき、制御手段8は、上記動作に連動させて、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、音として発音手段24より発音する。この状態で予め設定されている所定時間を継続して運転した後、吸引手段5の駆動を停止し、吐出手段7からの酸素富化空気の吐出を終了させ、それに連動して、発音手段24による音の出力も停止させるようにする。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、使用者に、リラックス効果のある酸素富化空気と音楽や効果音とを同時に提供でき、かつ、運転の開始と終了において、使用者のリラックス感を阻害することのない使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0032】
また、運転開始時、制御手段8は、発音手段24から発生させる音の音量を、図6に示すように、運転開始時には、略ゼロから開始し、時間の経過と共に徐々に音量を増加させるフェードインを行い、予め設定された音量に到達した時、音量を一定に保持する。これにより、急な大音量でリラックス感を阻害されることなく、使用者をスムースにリラックス状態に導くことになり、酸素富化空気と、リラックス感を損なわない音楽または、効果音の提供ができ、使用者の使用性を向上することができる。
【0033】
また、運転終了時には、制御手段8は、発音手段24から発生させる音の音量を、図6に示すように、運転時の一定レベルから、時間の経過と共に、発音が停止するまで、徐々に音量を減少させるフェードアウトを行うことにより、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0034】
また、音声入力手段20と録音手段21を備えた事により、使用者が、好みの音楽や効果音を、音声入力手段20より入力して、録音手段21により、音声データとして録音し、データ蓄積手段22に蓄積することができるので、使用者は、好みの音楽や効果音を聞きながら、酸素富化空気を楽しむことができ、使用性を向上する事ができる。
【0035】
尚、データ蓄積手段22を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カード等の一般の記憶媒体で構成すれば、他の機器やインターネットを介して録音した音楽や効果音を、再生することができるので、使用性を一層向上させる事ができる。
【0036】
また、使用者に対して、使用性を良くするために、制御手段8は、吸引手段5の駆動開始と共に、吸引手段5の近傍に設けた音検知手段25により、吸引手段5の駆動により発生する音を検出し、位相解析手段26により、音検知手段25で検知された音の位相を解析し、解析した位相と逆位相の音を生成し、それを吸引手段5の近傍に設けた消音用の発音手段27より発音することで、図7に示すように、吸引手段5が発する動作音の騒音を、精度良く大きく低減させることができ、使用者は、騒音が少ない快適な環境で、酸素富化空気と音楽や効果音を楽しむことができる酸素富化機を提供できる。
【0037】
上記実施の形態では、本体1の運転を開始すると、制御手段8が吸引手段5を駆動して酸素富化運転を開始すると共に、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、発音手段24より発音するようにしたが、以下に述べるように、使用者が操作手段28で再生指示29の操作を行い、その操作に連動して吸引手段5が駆動するようにしても良い。
【0038】
まず、使用者が吐出手段7を支持するヘッドセットを、図5のように装着して、音楽又は、効果音を聞く為に、図8に示すように、操作手段28の再生指示29の操作を行なうと、制御手段8は、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り、再生手段23で再生を行い、発音手段24より発音を開始する。
【0039】
そして、制御手段8は、この動作に連動させて、吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成される酸素富化空気を、チューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設された吐出手段7に送り、その吐出手段7から使用者の鼻元への酸素富化空気の吐出を開始する。そして、使用者が、音楽や効果音の再生を終了させた時に、その終了に連動させて、吸引手段5の運転も停止させる。このように構成することにより、使用者に、好みの音楽や効果音を提供すると共に、リラックス効果のある酸素富化空気を同時に提供でき、かつ、運転の開始と終了において、使用者のリラックス感を阻害することのない使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0040】
また、吸引手段5の運転開始時には、制御手段8は、吐出手段7から吐出する酸素富化空気の吐出量を、図9に示すように、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させ、予め設定された吐出量に到達した時、吐出量を一定に保持すると良い。これにより、吸引手段5の急激な動作音により、リラックス感が阻害されることなく、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供することができ、より使用性が向上する。
【0041】
また、運転終了時には、同図に示すように制御手段8は、吐出手段7から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に吐出量を減少させることにより、使用者のリラックス感を阻害することなく、自然に運転を終了させることができ、より使用性が向上できる。
【0042】
また、音声入力手段20と録音手段21を備えた事により、使用者が、好みの音楽や効果音を、音声入力手段20より入力して、録音手段21により、音声データとして録音し、データ蓄積手段22に蓄積することができるので、使用者は、好みの音楽や効果音を聞きながら、酸素富化空気を楽しむことができるので、使用性を向上する事ができる。
【0043】
(実施の形態2)
図10は、本発明の第2の実施の形態における酸素富化機の全体斜視図、図11は、同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図である。なお、上記第1の実施の形態における酸素富化機と同一部分については同一符号を付与し、その説明を省略する。
【0044】
図10、11に示すように、本実施の形態における酸素富化機は、位相解析手段26及び音検知手段25を搭載しておらず、代わりに、制御手段8は、吸引手段5の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有している。また、発音手段24が、本体1に搭載されておらず、代わりに、ヘッドセット13の人体の頭部に接触する部分に、骨伝導スピーカで構成された発音手段24と、使用者が発音手段24で発生させる音の音量を自由に調整する事ができる音量調整手段31とを備えている。また、この発音手段24は、チューブ4と一体型となっている信号ケーブル30を介して、再生手段23に接続されている。そして、制御手段8により、発音手段24が制御されている。
【0045】
まず、使用者が吐出手段7を支持するヘッドセット13を、図5のように装着して操作手段28を操作して運転を開始すると、制御手段8が、吸引手段5を駆動して酸素富化手段2で生成される酸素富化空気をチューブ4を介して、ヘッドセット13の先端に配設された吐出手段7から使用者の鼻元に酸素富化空気を吐出する。そして、制御手段8は、この動作に連動させて、データ蓄積手段22より、音声データを読み取り再生手段23で再生を行い、信号ケーブル30を通じてヘッドセット13の人体頭部と接触する部分に配置された発音手段24を動作させて、振動音として使用者の骨組織に伝達させることにより音を提供する。
【0046】
また、発音手段24が出力する振動音として、骨組織に伝達させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段31を備えたことにより、使用者が好みの音量に調整する事ができるので、リラックス感を高め、使用性を向上できる。
【0047】
これらにより、使用者は、周囲に気を使う事無く、音楽や効果音を楽しむことができ、かつ、リラックス効果のある酸素富化空気を同時に楽しむことができるので、使用性の高い酸素富化機を提供することができる。
【0048】
また、使用者に対して、使用性を良くするために、制御手段8は、吸引手段5を駆動開始すると共に、吸引手段5の動作状況に対応して予め備えられた複数の消音用の音声パターンの中から、消音用に発音手段27から音を出力する音声パターンを選択するという簡単な構成にしたことにより、吸引手段5が発生する騒音を、簡易的に低減させることができるので、使用者に対し、安価でかつ騒音が少ない環境で、酸素富化空気と、音楽や効果音を提供ができるので、高いリラックス状態を提供することができ、より使用者の快適性を向上できる。
【0049】
言うまでも無く、上記発音手段24を構成した骨伝導スピーカを、第1の実施の形態における酸素富化機に応用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる酸素富化機は、使用者にリラックスできる音楽や効果音等の音と、酸素富化空気を同時に提供することができるもので、家庭で用いるだけでなく、疲労回復など高濃度酸素を効果的に利用する施設、設備などにおける機器にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素富化機の全体斜視図
【図2】同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図
【図3】同酸素富化機の本体の上断面図
【図4】同本体の側断面図
【図5】同酸素富化機のヘッドセットの使用状態を示す図
【図6】同酸素富化機の制御手段による音量制御の概念図
【図7】同酸素富化機の吸引手段が発する動作音の騒音レベルを低減させる概念図
【図8】同酸素富化機の操作手段を示す外観図
【図9】同酸素富化機の制御手段による酸素富化空気の吐出量制御の概念図
【図10】本発明の実施の形態2における酸素富化機の全体斜視図
【図11】同酸素富化機の構成を示すシステムブロック図
【符号の説明】
【0052】
1 本体
2 酸素富化手段
5 吸引手段
7 吐出手段
8 制御手段
20 音声入力手段
21 録音手段
22 データ蓄積手段
23 再生手段
24 発音手段
25 音検知手段
26 位相解析手段
27 消音用発音手段
28 操作手段
31 音量調整手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにした酸素富化機。
【請求項2】
空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにした酸素富化機。
【請求項3】
吸引手段の駆動により発生する音と逆位相の音を発音手段から出力させるようにした請求項1又は2に記載の酸素富化機。
【請求項4】
吸引手段の駆動により発生する音を検出する音検知手段と、前記音検出手段で検出された音の位相を解析する位相解析手段を備え、前記位相解析手段の解析結果から、前記音検出手段で検出した音と逆位相の音信号を生成するようにした請求項3に記載の酸素富化機。
【請求項5】
吸引手段の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有し、前記吸引手段の動作状況に応じた消音用の音声パターンの音を発音手段から出力するようにした請求項1又は2に記載の酸素富化機。
【請求項6】
音楽や効果音といった音を録音する録音手段と、前記録音手段によって録音された音をデータとして蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積されたデータを、再び音として再生する再生手段とを備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項7】
データ蓄積手段を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カードで構成した請求項6に記載の酸素富化機。
【請求項8】
運転開始時に、発音手段から出力する音の音量を、略ゼロから、予め設定された音量まで、徐々に増加させるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項9】
運転終了時に、発音手段から出力する音の音量を、発音停止するまで、徐々に減少させるようにした請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項10】
運転開始時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させるようにした請求項1〜9のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項11】
運転終了時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に減少させるようにした請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項12】
人体の頭部に装着可能で吐出手段を備えたヘッドセットと、前記ヘッドセットの頭部に接触する部分に発音手段を設け、前記発音手段を骨伝導振動を発生させる骨伝導スピーカで構成した請求項1〜11のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項13】
発音手段から発生させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段を設けた請求項1〜12のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項1】
空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了に連動させて、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了を行うようにした酸素富化機。
【請求項2】
空気中の酸素濃度を高める酸素富化手段と、使用者に酸素富化空気を供給するための吐出手段と、前記酸素富化手段を通して空気を吸引し得られた酸素富化空気を前記吐出手段に送出する吸引手段と、音を出力する発音手段とを備え、前記発音手段からの音の出力の開始及び/又は終了に連動させて、前記吐出手段からの前記酸素富化空気の吐出の開始及び/又は終了を行うようにした酸素富化機。
【請求項3】
吸引手段の駆動により発生する音と逆位相の音を発音手段から出力させるようにした請求項1又は2に記載の酸素富化機。
【請求項4】
吸引手段の駆動により発生する音を検出する音検知手段と、前記音検出手段で検出された音の位相を解析する位相解析手段を備え、前記位相解析手段の解析結果から、前記音検出手段で検出した音と逆位相の音信号を生成するようにした請求項3に記載の酸素富化機。
【請求項5】
吸引手段の動作状況に対応した複数の消音用の音声パターンを有し、前記吸引手段の動作状況に応じた消音用の音声パターンの音を発音手段から出力するようにした請求項1又は2に記載の酸素富化機。
【請求項6】
音楽や効果音といった音を録音する録音手段と、前記録音手段によって録音された音をデータとして蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積されたデータを、再び音として再生する再生手段とを備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項7】
データ蓄積手段を、MDやCD等の磁気記憶媒体又は、SDカード等の汎用フラッシュメモリ−カードで構成した請求項6に記載の酸素富化機。
【請求項8】
運転開始時に、発音手段から出力する音の音量を、略ゼロから、予め設定された音量まで、徐々に増加させるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項9】
運転終了時に、発音手段から出力する音の音量を、発音停止するまで、徐々に減少させるようにした請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項10】
運転開始時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、略ゼロから、予め設定された吐出量まで、徐々に増加させるようにした請求項1〜9のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項11】
運転終了時に、吐出手段から吐出する酸素富化空気の吐出量を、吐出が停止するまで、徐々に減少させるようにした請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項12】
人体の頭部に装着可能で吐出手段を備えたヘッドセットと、前記ヘッドセットの頭部に接触する部分に発音手段を設け、前記発音手段を骨伝導振動を発生させる骨伝導スピーカで構成した請求項1〜11のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【請求項13】
発音手段から発生させる音の音量を、使用者が好みに応じて調整できる音量調整手段を設けた請求項1〜12のいずれか1項に記載の酸素富化機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−37612(P2007−37612A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222363(P2005−222363)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
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