説明

酸素捕捉剤を含むスフェンタニル固形剤形及びその使用方法

スフェンタニルを含む固形剤形中の酸化的分解生成物の存在を最小限に抑え、又は解消するのに有効な組成物及び方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、全体として参照により援用される2008年11月21日に出願された米国特許出願第12/275,485号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、スフェンタニルを含む固形剤形中の酸化的分解生成物の存在を最小限に抑え、又は解消するのに有効な組成物、方法及びシステムに関する。スフェンタニルを含む固形剤形は、少なくとも1つの酸素捕捉材料を含む実質的に酸素不透過性の容器にパッケージされる。
【背景技術】
【0003】
診断的評価に使用される多くの医薬製剤及び試薬は、酸素及び/又は水分に敏感である。かかる医薬製剤及び試薬が酸素又は水分に曝露されると、医薬薬剤又は試薬の安定性及び有効性は損なわれ得る。
【0004】
スフェンタニルの酸化的分解は、液体形態のスフェンタニル(Sufenta)についても乾燥粉末形態のスフェンタニル(Janssen Pharmaceuticals, Johnson Matthey, Inc., Covidien)についても報告されていない。
【0005】
フェンタニルバッカル錠のFentoraについて、耐湿性パッケージングが重要な要件であることが示されている(CephalonによるEuropean Medicines Agency(EMEA)に対するFentoraの医薬品販売承認申請;2007年2月21日、4頁)。同様に、Abstral(以前は「Rapinyl」として知られていた、2008年6月にEuropean Medicines Agency(EMEA)のCommittee for Medicinal Products for Human Use(CHMP)によって承認されたフェンタニル舌下錠)についての製品特性の概要には、錠剤を水分から保護するため、錠剤はオリジナルのブリスターパッケージに保管しなければならないことが記載されている(英国認可医薬品についてのElectronic Medicines Compendium(eMC)、最終更新日2009年8月1日)。
【0006】
スフェンタニル同族体のフェンタニルの酸化的分解は、乾燥粉末形態の薬物についても固形フェンタニル剤形についても報告されていない。
【0007】
本発明者らは、固形スフェンタニル剤形(錠剤)を開発しており、意外にも、製剤化、錠剤化(tabulating)及び保管後に分解が起こることを観察した。本発明者らはまた、意外にも、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤を製剤に含めると、及び/又は、低用量の固形スフェンタニル剤形のパッケージングに乾燥剤を使用すると、分解が抑制されないことを発見した。スフェンタニルの分解は、水性溶媒及び/又は有機溶媒を使用して調製した固形スフェンタニル剤形において、様々な条件下での製剤化、錠剤化及び保管後に観察された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スフェンタニルなどの薬物を、分解が最小限に抑えられ、かつ、活性薬物の完全性が維持される様式で低用量固形剤形で確実に製剤化及び保管することができる特定の医薬製剤及びパッケージングシステムの開発が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
固形スフェンタニル薬物剤形が酸素捕捉剤を含む一次パッケージ中に提供され、ここではスフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、酸素捕捉剤と共にパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形と比べて最小限に抑えられ、又は解消される。
【0010】
パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形は、5℃及び周囲湿度、25℃、60%相対湿度、ならびに40℃、75%相対湿度からなる群から選択される条件下で少なくとも6ヶ月間保管することができ、保管後、スフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、酸素捕捉剤と共にパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形と比べて最小限に抑えられ、又は解消される。
【0011】
パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形は、約5mg〜約25mgの質量、約5mcl〜約25mclの容積、約2mg〜約10mgの質量又は約2mcl〜約10mclの容積を有する。
【0012】
パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形は、約0.7mm〜約1.0mm又は約0.75mm〜約0.95mmの厚さを有し、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg又は100mcgのスフェンタニルを含んでもよい。
【0013】
パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形は、カートリッジ又は単回用量アプリケーターなどの薬物送達ディスペンサに収容されてもよく、一次パッケージはホイルパウチ(foil pouch)であってもよい。
【0014】
固形スフェンタニル薬物剤形の酸化的分解の防止方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】HDPEボトル単独中(5ug)又は酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標);Multisorb Technologies)を含むHDPEボトル中(5ug−R)で5℃及び周囲湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)のグラフ図を提供する。「%合計RS」(%合計類縁物質(% total related substance))との呼称は、本明細書では、用語「%SDP」(パーセントスフェンタニル分解生成物)と同義的に用いられる。双方の用語とも、例えばHPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析後におけるスフェンタニルの総ピーク面積に対する「類縁物質」(スフェンタニル分解生成物)のピーク面積の百分率を表すのに用いられる。
【図2】HDPEボトル単独中(5ug)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル中(5ug−R_Stabilox、HDPE中)で25℃及び60%相対湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)のグラフ図を提供する。
【図3】HDPEボトル単独中(5ug)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル中(5ug−R_Stabilox、HDPE中)で40℃及び75%相対湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)のグラフ図を提供する。
【図4】乾燥剤を含むHDPEボトル中(5ug−乾燥剤、HDPE中)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル中(5ug−R_Stabilox、HDPE中)で5℃及び周囲湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2、3及び6ヶ月)のグラフ図を提供する。
【図5】乾燥剤を含むHDPEボトル中(5ug−乾燥剤、HDPE中)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル中(5ug−R_Stabilox、HDPE中)で25℃及び60%相対湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2、3及び6ヶ月)のグラフ図を提供する。
【図6】乾燥剤を含むHDPEボトル中(5ug−乾燥剤、HDPE中)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル中(5ug−R_Stabilox、HDPE中)で40℃及び75%相対湿度で保管した後の標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形の%合計RS対時間(0、0.5、1、2、3及び6ヶ月)のグラフ図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
I.序論
【0017】
本明細書には、スフェンタニルを含む固形剤形中の酸化的分解生成物の存在を最小限に抑え、又は解消するのに有効な組成物、方法及びシステムが提供される。
【0018】
以下の開示は、本発明を構成する組成物、方法及びシステムについて記載する。本発明は、本明細書に記載される具体的な剤形、装置、方法論、システム、キット又は医学的状態に限定されるものではなく、従って、当然ながら異なってもよい。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を記載することを目的としているに過ぎず、本発明の範囲を限定する意図はないことも理解されなければならない。
【0019】
本明細書で使用されるとき、及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈上特に明確に指示されない限り、複数形に対する参照を含むことに留意しなければならない。従って、例えば、「薬物製剤(a drug formulation)」が参照されるとき、複数のそのような製剤を含み、「薬物送達装置(a drug delivery device)」が参照されるとき、薬物剤形及びそのような剤形を含有、保管、及び送達するための送達装置を含むシステムを含む。
【0020】
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、概して、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施又は試験においては、本明細書に記載されるものと同様の、又は等価な任意の方法、装置及び材料を用いてもよいが、ここでは、好ましい方法、装置及び材料を記載する。
【0021】
本明細書において考察する刊行物は、本願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書のいかなる事項についても、先願発明であることを理由に本発明がかかる開示に先行する権利を有しないことを認めるものと解釈されてはならない。
【0022】
本明細書で使用される「鎮痛性の」との用語は、痛みを緩和(鎮痛を実現)するために使用される多数の薬物のいずれかを指して用いられる。
【0023】
「鎮痛薬」との用語は、本明細書では、対象への投与後に鎮痛をもたらす薬物、例えば、スフェンタニル、又はアルフェンタニル、フェンタニル、ロフェンタニル、カーフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、若しくはミルフェンタニルなどのスフェンタニル同族体を指して使用される。語句「鎮痛薬」は、スフェンタニル、スフェンタニル同族体、又はスフェンタニル若しくはスフェンタニル同族体を含む製剤に限定されない。
【0024】
「抗酸化剤」との用語は、本明細書で使用されるとき、他の分子の酸化を遅延させ、又は防止する能力を有する分子又は分子の組み合わせを指す。酸化は、電子がある物質から酸化剤に移動する化学反応である。酸化反応では遊離基が生じ得る。抗酸化剤は、典型的には遊離基中間体を除去することによりこれらの連鎖反応を停止させ、自ら酸化することにより他の酸化反応を抑制する。
【0025】
「カートリッジ」との用語は、本明細書では、1つ又は複数の薬物剤形、典型的には1〜5日分の供給量を保持するように構成された交換式の単回使用ディスポーザブルカートリッジを指して用いられる。例示的な一実施形態において、カートリッジは、1〜5日間の治療に十分な薬物剤形、例えば、48〜72時間の治療に有用な40錠を保持する。
【0026】
カートリッジは、カートリッジ上の物理的なキー付き機構、カートリッジ上のバーコード、カートリッジ上の磁気タグ、カートリッジ上のRFIDタグ、カートリッジ上の電子マイクロチップ、又はそれらの組み合わせを備えたスマートカートリッジ認識システムを含んでもよい。カートリッジは1つ又は複数のシッピングタブレット(shipping tablet)を含んでもよく、薬物剤形が吐出される前に少なくとも1個のシッピングタブレットが吐出される。
【0027】
「交換式(replaceable)カートリッジ」又は「ディスポーザブルカートリッジ」との用語は、薬物剤形を収容するためのカートリッジを指して用いられ、典型的には1〜5日分の供給量の薬物剤形を保持するように構成され、ここで、カートリッジは、ディスペンス装置において使用され、使用後廃棄されるように設計される。
【0028】
本明細書で使用される「分解」との用語は、「薬物」、「医薬品」、又は「薬理活性剤」(スフェンタニル含有固形剤形中のスフェンタニルなど)の保管中の、例えば、薬物又は製剤中に含まれる他の成分/賦形剤の加水分解及び/又は酸化による任意の変化を指す。
【0029】
本明細書で使用される「分解作用物質」との用語は、「薬物」、「医薬品」、又は「薬理活性剤」(スフェンタニル含有固形剤形中のスフェンタニル)に曝露されて望ましくない副生成物を生じる作用物質、例えば、酸化剤又は水分(水)を指す。
【0030】
本明細書で使用される「分解防止剤」との用語は、「薬物」、「医薬品」、又は「薬理活性剤」(スフェンタニル含有固形剤形中のスフェンタニルなど)の分解を防ぐ任意の材料、例えば、酸素捕捉剤、乾燥剤、抗酸化剤又はそれらの組み合わせを指す。
【0031】
「乾燥剤」との用語は、本明細書では、水に対して親和性を有し、かつその周囲から水分を吸収又は吸着し、近接環境の水分を制御する、固体、液体、又はゲルの形態の収着剤(sorbant)を指して用いられる。
【0032】
「薬物」、「医薬品」、「薬理活性剤」、「治療剤」などの用語は、本明細書では同義的に用いられ、概して、動物の生理機能を変化させる、経口経粘膜経路によって有効に投与可能な任意の物質を指す。
【0033】
「製剤」及び「薬物製剤」との用語は、本明細書で使用されるとき、少なくとも1つの薬学的に活性な物質を含む物理的組成物を指し、これは、対象に送達するための多数の剤形のいずれかで提供されてもよい。剤形は、患者に対し、ロゼンジ、丸剤、カプセル、フィルム、ストリップ、液体、パッチ、フィルム、ガム、ゲル、スプレー又は他の形態として提供されてもよい。
【0034】
「ハイドロゲル形成調製剤」との用語は、ほとんど水を含まず、水溶液、例えば体液、特に口腔粘膜の体液と接触すると、インサイチュで水和ゲルを形成する形で水を吸収する固形製剤を意味する。ゲルの形成は、時間の経過に伴い治療剤を放出させる一方での固有の崩壊(又は浸食)動態に付随する。加えて、「ハイドロゲル形成調製剤」との用語は、、体液、特に口腔内の体液と接触すると、薬物を放出するフィルムに変わる、ほとんど水を含まない固形製剤を表す。そのようなフィルムは、薬物の放出及び吸収に利用可能な表面積が増加し、従ってより速い薬物吸収が可能となる。
【0035】
本明細書で使用される「酸素捕捉剤」との用語は、不要な酸化生成物の発生を低減又は解消するために薬物製剤又は試薬に添加される化学物質を指す。一般に、「酸素捕捉剤」は、酸素の吸収に有効である。用語「酸素捕捉剤」との用語は、「酸素捕捉元素」及び「酸素吸収剤」との用語と同義的に用いられ得る。
【0036】
本明細書で使用される「薬物送達ディスペンサ」との用語は、薬物、医薬品、又は薬理活性剤を直接収容する容器を意味する。例としては、カートリッジ、単回用量アプリケーター、複数回用量アプリケーター、熱可塑性トレー、ブリスターパック、可撓性容器、及び剛性の容器が含まれる。
【0037】
本明細書で使用される「薬物剤形」との用語は、対象に送達するための少なくとも1つの薬物、医薬品、又は薬理活性剤を含有する物理的実体を指す。これは、ロゼンジ、丸剤、錠剤、カプセル、フィルム、ストリップ、粉末、パッチ、フィルム、ゲル、スプレー、ガムの形態又は他の形態であってもよい。
【0038】
本明細書で使用される「一次パッケージング」との用語は、薬物、医薬品、又は薬理活性剤を直接収容する容器を意味する。例としては、ホイルパウチ、プラスチック容器、プラスチックフィルム容器、ブリスターパック、ガラス容器などが含まれる。
【0039】
例示的なホイルパウチは、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、スズ、鉄、銅、クロム、コバルト、銀、金、マグネシウム、マンガン、鉛、亜鉛めっき鉄、及び金属酸化物のうちの1つ又は複数を含む。
【0040】
「低容量のスフェンタニル含有薬物剤形」との用語は、本明細書では、約2マイクログラム(mcg)〜約200mcgのスフェンタニル、例えば、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg、90mcg、又は100mcg又はそれ以上のスフェンタニルの量のスフェンタニルを含有する低容量剤形を指して用いられる。
【0041】
「固形剤形」又は「固形薬物剤形」との用語は、本明細書では、例えば、ロゼンジ、丸剤、錠剤、フィルム又はストリップといった、固形である剤形を指して用いられる。
【0042】
「対象」との用語は、スフェンタニル含有固形剤形による治療が望ましい任意の対象、概して、成体又は子供の、哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、有蹄動物等)を含む。用語「対象」及び「患者」は、本明細書では同義的に用いられ得る。
【0043】
「実質的に酸素不透過性の材料」との用語は、本明細書では、材料にほとんど又は全く酸素を通過させない材料を指して用いられる。
【0044】
酸化的分解の阻害
多くの薬物は、酸化的分解を受けやすい。特に、薬物が薬物製剤全体のうち低い割合で存在する場合に、これは問題となり得る。易酸化性活性薬物を含む薬物製剤中、及びかかる製剤から作製される、例えば固形スフェンタニル剤形などの剤形中の不純物の存在を最小限に抑えるため、又は解消するために、製剤中に防腐剤及び抗酸化剤を用いてこの問題に対処することが多い。ほとんどの場合、酸化的分解生成物の発生を最小限に抑え、又は解消するには、これで十分である。
【0045】
スフェンタニルの酸化的分解が、液状形態のスフェンタニル(Sufenta)、乾燥粉末形態のスフェンタニル(Janssen Pharmaceuticals, Johnson Matthey, Inc., Covidien)、または経口経粘膜形態のフェンタニルで報告されていないことを考慮すると、本発明者らが、固形スフェンタニル剤形において、製剤化、錠剤化(tabulating)及び保管後に分解が起こることを発見したことは意外である。発明者らはまた、意外にも、製剤中にBHTなどの抗酸化剤を含めると、かつ/又はパッケージングにおいて乾燥剤を使用すると、分解が抑制されないことも見出した。スフェンタニルの分解は、水性溶媒及び/又は有機溶媒を使用して調製した低用量固形スフェンタニル剤形において、様々な条件下での製剤化、錠剤化及び保管後に観察された。
【0046】
固形薬物剤形中のスフェンタニルなどの易酸化性活性薬物を酸化的分解から保護するための方法及び組成物が開示される。ある場合には、これらの方法は、薬物剤形用のパッケージングに酸素捕捉剤を含めることを伴う。このようにして、薬物剤形、例えばスフェンタニル錠は、活性薬物が酸化的分解から保護される条件下で生産及び保管され、ひいては薬物剤形の長期間にわたる保管が促進される。
【0047】
活性薬物の酸素及び/又は水分に対する曝露を最小限に抑えるよう設計されたパッケージング技法を用いることにより、酸素曝露からのさらなる保護を提供してもよい。例示的なパッケージング技法としては、2つ以上の酸素捕捉材料が単独で、又は乾燥剤の使用と組み合わせて用いられる一次パッケージングの使用が含まれる。
【0048】
例示的な一手法では、BHTなどの抗酸化剤が薬物製剤中に含まれ、薬物送達ディスペンサ(例えば、カートリッジ)が1つ又は複数の薬物剤形を収容し、酸素捕捉剤が薬物送達ディスペンサ用の一次パッケージングに含まれ、ここで、薬物送達ディスペンサと一次パッケージ内の酸素捕捉剤との間はガス交換が可能である。
【0049】
別の例示的な手法では、BHTなどの抗酸化剤が薬物製剤中に含まれ、乾燥剤が1つ又は複数の薬物剤形を収容する薬物送達ディスペンサ(例えば、カートリッジ)に含まれ、酸素捕捉剤が一次パッケージングに含まれ、ここで、薬物送達ディスペンサと一次パッケージとの間はガス交換が可能である。
【0050】
関連する手法では、少なくとも1つの酸素捕捉材料を含むホイルパウチなどの酸素不透過性の一次パッケージに薬物を提供することにより、スフェンタニルなどの薬物の酸化的分解が低減され、又は解消される。
【0051】
さらに別の実施形態では、抗酸化剤及び/又は乾燥剤が、薬物送達ディスペンサ又は一次パッケージングの作製に用いられる材料中に組み込まれる。別の実施形態では、薬物送達ディスペンサ又は一次パッケージング材料が、抗酸化剤パッケージング材料から構成される。
【0052】
好ましい実施形態において、薬物送達ディスペンサは、スフェンタニルなどの薬学的に活性な薬剤を含有する固形剤形に曝露されても分解生成物を発生させない材料から構成される。パッケージングに使用される例示的な材料としては、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ACLAR(登録商標)などのフルオロポリマー、エチレンコビニルアルコール(EVOH)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、それらの共重合体、又はそれらのブレンドが含まれる。
【0053】
単回用量アプリケーターの製造に使用される例示的な材料としては、限定はされないが、TecoFlex EG 80A、ポリイソプレン、Zylar 220;NAS 30(NEOS NOVA)、Versaflex、CL2242(GLS Corp)、KR01(Chevron Phillips)、ハウジングポリマー(Housing Polymer)、Delrin(登録商標)アセタール(DuPont)、ポリエステル(Valox;Celanex)、ポリプロピレン、Pro Fax PD702(Basell)などが含まれる。
【0054】
抗酸化剤
医薬製剤に一般に用いられる抗酸化剤としては、限定はされないが、ビタミンE、アスコルビン酸、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、ビフラボノイドなどが含まれる。抗酸化剤は、スフェンタニルなどの易酸化性薬物の製剤中に、特にそれが低用量固形剤形として提供される場合に、含まれてもよい。
【0055】
酸素捕捉剤
好適な酸素捕捉剤としては、酸素を吸収することのできる任意の有機又は無機材料、例えば、酸化鉄粉末、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄などの第一鉄塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ジチオン酸などの還元性(reducing)硫黄化合物、アスコルビン酸及び/又はそれらの塩、エリソルビン酸及び/又はそれらの塩、カテコール及びヒドロキノンなどの還元性有機化合物、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が含まれる。例えば米国特許出願公開第20060076536号、同第20070084144号、同第20060260967号を参照のこと。
【0056】
多数の酸素捕捉剤及び吸湿剤が市販されており、例えば、StabilOx(登録商標)(Multisorb Technologies)、シクロヘキセンメチルアクリル化(EMCM)ポリマー(Chevron-Phillips Chemical Company)又はCiba's Specialty ChemicalのSHELFPLUS(商標)などを、単独で又はパッケージとして購入してもよい。
【0057】
酸素捕捉剤は、ペレット、キャニスター、小包装、カプセル、粉末、固形材料、錠剤の形態のパッケージングに、又はパッケージング材料それ自体の一部として含まれてもよい。
【0058】
乾燥剤
任意の市販の乾燥剤が、例えば固形スフェンタニル剤形のパッケージングにおいて用いられ得る。乾燥剤は、ペレット、キャニスター、小包装、カプセル、粉末、固形材料、紙、板材、錠剤、粘着性パッチ及びフィルムとして提供されてもよく、射出成形用プラスチックを含め、特定の用途向けに形成することができる。例示的な固形乾燥剤としては、シリカゲル(ケイ酸ナトリウム)、アルミノケイ酸塩、活性アルミナ、ゼオライト、分子篩、モンモリロナイトクレイ、酸化カルシウム及び硫酸カルシウムが含まれる。
【0059】
いくつかの実施形態では、薬物送達ディスペンサにおいて、例えば、薬物剤形を含むカートリッジ又は単回用量アプリケーター内に、又は薬物を含有する薬物送達ディスペンサ用の一次パッケージング内部に、固形薬物剤形を水分から保護する手段として1つ又は複数の乾燥剤が用いることができる。例示的な場所としては、剤形又は送達経路内又はそれに隣接したところ、錠剤マガジン又はカートリッジ内又はそれに隣接したところ、ディスペンス装置の射出成形部品として形成されたディスペンス装置の他の構成要素内又はそれに隣接したところ、及び乾燥剤が水分を取り込むのに十分に薬物剤形に近接している装置内又は装置外の任意の他の場所が含まれる。
【0060】
固形剤形
概して、約2mcg〜約200mcgのスフェンタニルを含有する低容量の固形剤形が提供される。例示的な一実施形態において、各剤形は、約2mcg〜約100mcgのスフェンタニル、約4mcg〜約50mcgのスフェンタニル、約6mcg〜約40mcgのスフェンタニル、約8mcg〜約30mcgのスフェンタニル、又は約10mcg〜約20mcgのスフェンタニルを含有する。剤形はスフェンタニルを単独で、又は別の薬物、例えばトリアゾラムなどのベンゾジアゼピンとの組み合わせで含有する。
【0061】
スフェンタニルを含む固形剤形、例えば、錠剤、丸剤、カプセル、ストリップ、フィルム、粉末、ロゼンジ、膜、パッチ、フィルム又は他の形態の製造法には、典型的には水性溶媒及び/又は有機溶媒の使用が関わる。
【0062】
スフェンタニル含有固形剤形は、約1mg〜約100mgの質量又は約1mcL〜約100mcLの容積を有する。より具体的には、剤形は、約1mg〜約:100mg、90mg、80mg、70mg、60mg、50mg、40mg、30mg、29mg、28mg、27mg、26mg、25mg、24mg、23mg、22mg、21mg、20mg、19mg、18mg、17mg、16mg、15mg、14mg、13mg、12mg、11mg、10mg、9mg、8mg、7mg、6mg又は5mgの質量;又は約1mcL〜約:100mcL、90mcL、80mcL、70mcL、60mcL、50mcL、40mcL、30mcL、29mcL、28mcL、27mcL、26mcL、25mcL、24mcL、23mcL、22mcL、21mcL、20mcL、19mcL、18mcL、17mcL、16mcL、15mcL、14mcL、13mcL、12mcL、11mcL、10mcL、9mcL、8mcL、7mcL、6mcL又は5mcLの容積を有する。
【0063】
より具体的には、スフェンタニル含有固形剤形は、約1〜約8mg、約2〜約10mg、約3〜約15mg、約4〜約20mg、約5〜約25mgの質量、又は約1〜約8mcl、約2〜約10mcl、約3〜約15mcl;約4〜約20mcl、又は約5〜約25mclの容積を有する。例示的な一実施形態において、錠剤は5.85mgの質量を有する。
【0064】
スフェンタニル含有固形剤形、錠剤又はNanoTabs(商標)は、約0.25〜約5.0mm;約0.5〜約2.5mm、約0.6〜約2.0mm、約0.7〜約1.0mm、約0.75〜約0.95mm、例えば約0.85mmの厚さ;及び約1.0〜約10.0mm、約2.0〜約5.0mm、約2.5〜約4.0mm、約3.0〜約3.5mm、例えば約3.0mmの直径を有する。
【0065】
スフェンタニルなどのオピオイドの組み合わせの経口経粘膜送達用の錠剤は、典型的には、約2分〜約40分、約3分〜約30分、約4分〜約25分、約5分〜約20分、約5分〜約15分、約30秒〜約15分、約1分〜約15分、又は約6分〜約12分の浸食時間を有する。
【0066】
固形剤形は本質的にいかなる形状を有してもよく、その例としては、平坦面、凹状面、又は凸状面を備える円形ディスク、楕円形状、球形状、3辺以上の縁端と平坦面、凹状面、又は凸状面とを備える多角形が含まれる。固形剤形は対称的又は非対称的であってもよく、制御され、簡便で、かつ容易な保管、取扱い、包装又は投薬を可能にする特徴又は幾何構造を有し得る。
【0067】
剤形は、典型的には生体接着特性を有し、水溶液と接触するとハイドロゲルを形成し得る。
【0068】
スフェンタニル含有固形剤形を調製するための典型的な製剤及びそれらの作製方法は、米国特許出願公開第20080166404号及び同第20070207207号に記載されている。例示的な製剤は生体接着性であり、約0.04%〜約4%のスフェンタニル、約0.08%〜約1.7%のスフェンタニル又は約0.1%〜約2.0%のスフェンタニル、例えば約0.04%、0.08%、0.1%、0.2%、2.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.2%、2.2%、2.4%、2.5%、2.6%、2.8%、3.0%、3.2%、3.5%又は4%のスフェンタニルを含む。概して、製剤は、スフェンタニル、生体接着剤、結合剤、ハイドロゲル形成賦形剤、増量剤、潤滑剤、並びに溶解時間及び/又は薬物安定性に影響を及ぼす他の賦形剤及び因子のうちの1つ又は複数を含む、実質的に均質な組成物として提供される。薬物製剤及び固形剤形は発泡性ではなく、また、薬物の微粒子より実質的に大きい担体粒子の表面に付着した薬物微粒子の秩序化された混合物も含まない。
【0069】
製剤を含む剤形の溶解は、概してpHに依存せず、例えば約4〜8のpH範囲にわたる。
【0070】
スフェンタニル含有固形剤形に使用される数多くの好適な非毒性の薬学的に許容可能な担体を、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, 1985の中に見出すことができる。
【0071】
スフェンタニルを含有する製剤は、直接圧縮、湿式造粒等の当業者により日常的に用いられている手順を用いて、対象に送達するためのスフェンタニル含有固形剤形に変換されることは理解されるであろう。スフェンタニル含有固形剤形の調製法は、典型的には水性溶媒及び/又は有機溶媒の使用を伴い、高度な含有用量均一性が達成されるように、各製剤について最適化される。
【0072】
カートリッジ及び単回用量アプリケーター
薬物剤形を収容するためのカートリッジは、円筒形、ディスク形状、螺旋形、直線的な形、不規則な形であってもよく、薬物ディスペンス装置が薬物剤形を制御された形で吐出することが可能となる薬物剤形の任意の集合形態をとってもよい。
【0073】
本発明の一実施形態において、カートリッジは、1〜5日間の治療に十分な薬物剤形、例えば48〜72時間の治療に有用な40錠を保持し得る。
【0074】
未使用の薬物剤形が水分を吸収したり、又は他の形で使用前に水分に曝露されたりすることを防止するため、カートリッジ又は他の薬物ディスペンス装置は、薬物剤形を水分に曝露させないよう密封する手段を提供してもよい。これは、乾燥剤又は他の吸収若しくは吸着材料を含むカートリッジを使用して、使用前又は通常の使用中にカートリッジに浸透する水分を吸収又は吸着することにより、達成してもよい。
【0075】
乾燥剤は、水に対して親和性を有し、かつ周囲から水分を吸収又は吸着し、ひいては近接環境の水分を制御する固体、液体、又はゲルの形態の収着剤である。任意の市販の乾燥剤が使用され得る。そのような市販の乾燥剤は、典型的には、ペレット、キャニスター、小包装、カプセル、粉末、固形材料、紙、板材、錠剤、粘着性パッチ、及びフィルムの形態をとり、射出成形用プラスチックを含め、特定の用途向けに形成することができる。シリカゲル(ケイ酸ナトリウム、これは固形であり、ゲルではない)、アルミノケイ酸塩、活性アルミナ、ゼオライト、分子篩、モンモリロナイトクレイ、酸化カルシウム及び硫酸カルシウム、又は他のものを含めて、多くのタイプの固形乾燥剤が存在し、本発明の実施においてはそのいずれを使用することもできる。
【0076】
一実施形態では、固形スフェンタニル薬物剤形用の薬物送達ディスペンサとして単回用量アプリケーター(SDA)が使用される。この実施形態において、SDAは、酸素不透過性の一次パッケージに含有される。別の実施形態において、SDAは、酸素透過性の一次パッケージに含有される。さらに別の実施形態において、一次パッケージが、酸素不透過性の二次パッケージに含有される。
【0077】
SDAは、その中に剤形を含んでもよく、それに取り付けられるか、若しくは固着された薬物剤形を有してもよく、及び/又は水分、湿気、及び光に対する遮蔽を提供してもよい。単回用量アプリケーターは、患者、医療従事者、又は他の使用者によって、剤形を薬物送達に適した位置に置くよう手動で操作され得る。
【0078】
SDAは、一対の鉗子、シリンジ、スティック又はロッド、ストロー、パッド、カプセル、カップ、スプーン、ストリップ、チューブ、アプリケーター、点滴器(dropper)、パッチ、粘着性パッド、粘着性フィルム、噴射器(sprayer)、噴霧器(atomizer)、又は対象の口腔粘膜、例えば舌下空間内の口腔粘膜に単一の薬物剤形を適用するのに好適な任意の他の形態として提供されてもよい。当業者は理解するであろうとおり、SDAの設計は、それが錠剤などの薬物剤形を例えば舌下空間内の所望の場所に、吐出過程において薬物剤形の完全性が維持される形式で置くのに有効である限り、様々であってよい。使用後、SDAは処分される。
【0079】
剤形は、本明細書において「ブリスターパック」と称される、剤形が入れられる窪み(「ブリスター」)を有する成形プラスチック又はラミネートからなる薬物送達ディスペンサ中に提供されてもよい。ブリスターパックは、予形成又は成形された部品を有しても、又は有しなくともよく、任意のタイプのSDAのパッケージに使用されてもよい。
【0080】
SDAは、その中に収容されている剤形を吐出する働きをするか又は複数のSDAの保管に使用することができるチャイルドプルーフの多薬物ディスペンサ(MDD)中に提供されてもよい。
【0081】
一実施形態において、SDAが薬物送達ディスペンサとして機能し、MDDが一次パッケージとして機能する。
【0082】
SDA及びMDD内部の剤形は、薬物剤形の吐出前は乾燥した状態に保たれる。
【0083】
乾燥剤は、薬物送達ディスペンサに含まれても含まれなくてもよく、酸素捕捉剤は、典型的には一次パッケージに含まれる。
【0084】
有用性
活性医薬成分(API)と共に残留したり、製剤化の間に発生したり、又はAPI若しくは製剤化された薬物剤形のいずれかの経年に伴い発生したりする医薬製剤中の不純物の存在は、問題となり得る。かかる不純物の存在は、少量であっても、医薬生成物の有効性及び安全性に影響を及ぼし得る。医薬生成物中の不純物は、分析して同定する必要がある。活性薬物(例えば、スフェンタニル)の分解生成物の総量は、所与の薬物剤形中の活性薬物物質の量の5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%を超えないか、又はそれ未満であることが好ましい。International Conference on Harmonization(ICH)が、不純物制御に関する指針を提供している。
【0085】
例えばスフェンタニルを含む固形剤形などの薬物剤形における酸化的分解生成物の低減又は解消は、薬物剤形用のパッケージングに酸素捕捉剤を含めることにより達成することができる。
【0086】
上記は、単に本発明の原理を例示しているに過ぎない。本明細書には明示的に記載及び図示されないが、本発明の原理を具体化し、かつその趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を考案可能であることは、当業者に理解されるであろう。さらに、本発明の原理、態様、及び実施形態を説明する本明細書のあらゆる記載並びにその具体例は、その構造上及び機能上の双方の均等物を、現在公知の均等物及び将来開発される均等物の双方ともに、包含することが意図される。従って、本発明の範囲が、本明細書に図示及び記載される例示的な実施形態に限定されることは意図されない。
【実施例】
【0087】
実施例1:酸素捕捉剤の存在下及び不在下における固形スフェンタニル剤形による安定性試験
5mcgのスフェンタニルを含む質量5.85mgの錠剤について、酸素捕捉剤を含む又は含まない種々の環境条件下で高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルに0.5ヶ月間、1ヶ月間、2ヶ月間及び3ヶ月間保管した後の安定性を評価するため、試験を行った。
【0088】
保管条件は以下のとおりであった:
(1)5℃、周囲湿度
(2)25℃及び60%相対湿度(RH)
(3)40℃及び75%相対湿度(RH)
【0089】
5mcgスフェンタニル製剤は、以下のとおり、マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム及びブチル化ヒドロキシルトルエン(butylated hydroxyl toluene)(BHT)のマトリックス中に0.128%のクエン酸スフェンタニルを含むものとした。
【0090】
【表1】

【0091】
酸素捕捉剤(StabilOx(登録商標);Multisorb)と共に、又はそれなしに保管した固形スフェンタニル剤形のHPLCプロファイルを、HDPEボトルに保管した後、T=0並びに2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月において評価した。スフェンタニルの安定性を、以下に示す条件下でHPLC分析により評価した。当業者は理解するであろうとおり、以下に示す条件はHPLC分析の例示的な条件であり、他の可能な分析方法に関して限定することを意図するものではない。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
スフェンタニル分解生成物について分析した試料は、溶液中に約50ug/mL(のスフェンタニル)を提供するNanoTabs(商標)の複合体であった。方法の実施において、約50μg/mLの公称濃度を実現するのに必要なNanoTabs(商標)の数及び容積を計算し、次に試料容積の約30%に等価な抽出溶液の量を容器にピペットで移し、混合物を15分間超音波処理し、続いて20mMのリン酸アンモニウム緩衝液でよく混合しながら一定容積に希釈した。ガラスシリンジを使用して、0.45μmのMillipore Millex Nylonシリンジフィルタにより上清溶液をろ過した。最初の1mLのろ液は廃棄し、残りを使用してHPLC 9mm TFE/SIL/TFE青色キャップ容器を充填し、続いてHPLC分析を行った。
【0095】
表1Aは、5℃及び周囲湿度で保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形のHPLC分析結果を、HDPEボトルに2週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0096】
【表4】

【0097】
表1Bは、5℃及び周囲湿度で保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形のHPLC分析結果を、酸素捕捉剤を含むHDPEボトルにT=0、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0098】
【表5】

【0099】
図1は、標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形について、HDPEボトル単独(5ug)又は酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標);Multisorb Technologies;5ug−R)を含むHDPEボトル中で5℃及び周囲湿度で保管した後の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)を示す。「%合計RS」(%合計類縁物質)との呼称は、本明細書では、スフェンタニルの総ピーク面積に対する「類縁物質」(スフェンタニル分解生成物)のピーク面積の百分率である用語「%SDP」(パーセントスフェンタニル分解生成物)と同じものを意味し、それと同義的に用いられる。
【0100】
表2Aは、25℃及び60%RHで保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形のHPLC分析結果を、HDPEボトルにT=0、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50、0.54及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0101】
【表6】

【0102】
表2Bは、25℃及び60%RHで保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形のHPLC分析結果を、酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標))を含むHDPEボトル中でT=0、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0103】
【表7】

【0104】
図2は、標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形について、HDPEボトル単独(5ug)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル(5ug−R)中で25℃及び60%湿度で保管した後の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)を示す。
【0105】
表3Aは、40℃及び75%RHで保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形の分析結果を、HDPEボトル中にT=0、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50、0.54及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0106】
【表8】

【0107】
表3Bは、40℃及び75%RHで保管した後の分解生成物の存在についての固形スフェンタニル剤形のHPLC分析結果を、酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標))を含むHDPEボトル中にT=0、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月間保管した後の0.37、0.50及び0.56の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0108】
【表9】

【0109】
図3は、標準的な製剤を用いて作製した5mcgスフェンタニル剤形について、HDPEボトル単独(5ug)又は酸素捕捉剤を含むHDPEボトル(5ug−R)中で40℃及び75%湿度で保管した後の%合計RS対時間(0、0.5、1、2及び3ヶ月)を示す。
【0110】
表4は、酸素捕捉剤を含む又は含まないHDPEボトル中に5℃及び周囲湿度で保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、%合計RS対時間として報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0111】
【表10】

【0112】
表5は、酸素捕捉剤を含む又は含まないHDPEボトル中に25℃及び60%RHで0、0.5、1、2、3及び6ヶ月間HDPEボトルに保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、%合計RS対時間として報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0113】
【表11】

【0114】
表6は、HDPEボトル+Stabilox(登録商標)又はStabilox(登録商標)なしのHDPEボトル中に40℃及び70%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、%合計RS対時間として報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0115】
【表12】

【0116】
実施例1に提示する結果は、固形スフェンタニル薬物剤形(例えば、錠剤)を酸素捕捉剤の存在下で保管することにより、固形スフェンタニル剤形を保管した後のスフェンタニル分解生成物の発生が低減又は解消されることを示す。
【0117】
実施例2:乾燥剤又は酸素捕捉剤の存在下における固形スフェンタニル剤形による安定性試験
5mcgのスフェンタニルを含む質量5.85mgの錠剤について、酸素捕捉剤又は乾燥剤の存在下での種々の環境条件下において高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中で0.5ヶ月間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間保管した後の安定性を評価するため、試験を行った。使用した乾燥剤は、1gのsilica gel sachet(登録商標)であった。
【0118】
保管条件は以下の通りとした:
5℃、周囲湿度;
25℃及び60%相対湿度(RH);及び
40℃及び75%相対湿度(RH)。
【0119】
スフェンタニル製剤及びHPLC手順の詳細は、上記の実施例1に提供される。
【0120】
StabilOx(登録商標)又は乾燥剤と共に保管した固形スフェンタニル剤形のHPLCプロファイルを、HDPEボトルに0.5ヶ月間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間保管した後に評価した。
【0121】
表7は、HDPEボトルに5℃及び周囲湿度で保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、酸素捕捉剤(5ug−R_Stabilox(登録商標))又は乾燥剤(5ug−乾燥剤)の存在下におけるT=0並びに0.5ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月での%合計SDPとして報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0122】
【表13】

【0123】
表8は、HDPEボトルに25℃及び60%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、酸素捕捉剤(5ug−R)又は乾燥剤(5ug−乾燥剤)の存在下におけるT=0並びに0.5ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月での%合計SDPとして報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0124】
【表14】

【0125】
表9は、HDPEボトルに40℃及び75%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形の分解生成物の存在について、酸素捕捉剤(5ug−R_Stabilox(登録商標))又は乾燥剤(5ug−乾燥剤)の存在下におけるT=0並びに0.5ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月での%合計SDPとして報告されるHPLC分析の結果を示す。
【0126】
【表15】

【0127】
実施例3:酸素捕捉剤の存在下におけるカートリッジ内の固形スフェンタニル剤形による安定性試験
40錠及びStabilOx(登録商標)を含むカートリッジに保管した後の固形スフェンタニル剤形の安定性に関して、別の試験を行った。10mcgのスフェンタニルを含む質量5.85mgの錠剤について、酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標))の存在下における種々の保管条件下でカートリッジに1ヶ月間、2ヶ月間、及び3ヶ月間保管した後の安定性を評価するため、試験を行った。
【0128】
保管条件は以下のとおりであった:
25℃及び60%相対湿度(RH);及び
40℃及び75%相対湿度(RH)。
【0129】
スフェンタニル製剤は以下のとおりであった:マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム及びブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)のマトリックス中、0.256%のクエン酸スフェンタニル。
【0130】
酸素捕捉剤(Stabilox(登録商標)と共に保管した固形スフェンタニル剤形のHPLCプロファイルを、上記の実施例1に提供される条件を使用して、カートリッジにT=0、1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月間保管した後について評価した。
【0131】
表10A及び表10Bは、様々な材料で作製され、かつ酸素捕捉剤を含むHDPEボトル又はカートリッジ中で25℃及び60%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形を分解生成物の存在についてHPLC分析した結果を、T=0、1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月での、0.36、0.49/0.50及び0.54/0.55の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0132】
【表16】

【0133】
【表17】

【0134】
表11A及び表11Bは、様々な材料で作製され、かつ酸素捕捉剤を含むHDPEボトル又はカートリッジ中で40℃及び75%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形を分解生成物の存在についてHPLC分析した結果を、T=0、1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月での0.36、0.49/0.50及び0.54/0.55の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従い示す。
【0135】
【表18】

【0136】
【表19】

【0137】
実施例4:酸素捕捉剤の存在下における単回用量アプリケーター(SDA)中の固形スフェンタニル剤形による安定性試験
SDAに保管した後の固形スフェンタニル剤形中のスフェンタニルを安定性に関して、別の試験を行った。20mcgのスフェンタニルを含む質量5.85mgの錠剤について、酸素捕捉剤の存在下における種々の保管条件下でSDAに1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間保管した後の安定性を評価するため、試験を行った。
【0138】
保管条件は以下のとおりであった:
5℃、周囲湿度;
25℃及び60%相対湿度(RH);及び
40℃及び75%相対湿度(RH)。
【0139】
スフェンタニル製剤は、上記の実施例3に提供される。酸素捕捉剤の存在下で保管した固形スフェンタニル剤形のHPLCプロファイルを、上記の実施例1に提供される条件を使用して、SDA中に1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間保管した後、評価した。
【0140】
表12A及び表12Bは、SDA及び酸素捕捉剤を含むパッケージング中で25℃及び60%RHで保管した後の固形スフェンタニル剤形について、分解生成物の存在についてHPLC分析した結果を、T=0、1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月での、0.36、0.49/0.50及び0.54/0.55の相対保持時間(RRT)におけるピークから明らかなところに従って示す。
【0141】
【表20】

【0142】
【表21】

【0143】
【表22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約5mg〜約25mgの質量又は約5mcl〜約25mclの容積を有する固形スフェンタニル薬物剤形と、前記錠剤が含む;
(b)前記固形スフェンタニル薬物剤形と酸素捕捉剤とを含む一次パッケージと、
を含む、パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形であって、スフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、前記酸素捕捉剤と共にパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形と比べて最小限に抑えられるか、又は解消される、パッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項2】
前記薬物剤形が、約2mg〜約10mgの質量又は約2mcl〜約10mclの容積を有する、請求項1に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項3】
前記薬物剤形が、約0.7mm〜約1.0mm又は約0.75mm〜約0.95mmの厚さを有する、請求項1に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項4】
前記固形スフェンタニル薬物剤形中のスフェンタニルの量が、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg及び100mcgのスフェンタニルからなる群から選択される、請求項1に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項5】
前記固形スフェンタニル薬物剤形中のスフェンタニルの量が、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg及び100mcgのスフェンタニルからなる群から選択される、請求項2に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項6】
前記固形スフェンタニル薬物剤形中のスフェンタニルの量が、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg及び100mcgのスフェンタニルからなる群から選択される、請求項3に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項7】
前記固形スフェンタニル薬物剤形が、5℃及び周囲湿度、25℃及び60%相対湿度、ならびに40℃及び75%相対湿度からなる群から選択される条件下で少なくとも6ヶ月間保管されるとき、前記スフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、前記酸素捕捉剤と共にパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形と比べて最小限に抑えられ、又は解消される、請求項4に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項8】
前記固形スフェンタニル薬物剤形が、5℃及び周囲湿度、25℃及び60%相対湿度、ならびに40℃及び75%相対湿度からなる群から選択される条件下で少なくとも6ヶ月間保管されるとき、前記スフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、前記酸素捕捉剤と共にパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形と比べて最小限に抑えられ、又は解消される、請求項5に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項9】
前記固形スフェンタニル薬物剤形を収容するための薬物送達ディスペンサをさらに含む、請求項4に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項10】
前記薬物送達ディスペンサがカートリッジである、請求項9に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項11】
前記薬物送達ディスペンサが単回用量アプリケーターである、請求項9に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項12】
前記一次パッケージがホイルパウチである、請求項9に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項13】
前記固形スフェンタニル薬物剤形を収容するための薬物送達ディスペンサをさらに含む、請求項5に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項14】
前記薬物送達ディスペンサがカートリッジである、請求項13に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項15】
前記薬物送達ディスペンサが単回用量アプリケーターである、請求項13に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項16】
前記一次パッケージがホイルパウチである、請求項13に記載のパッケージされた固形スフェンタニル薬物剤形。
【請求項17】
(a)約5mg〜約25mgの質量又は約5mcl〜約25mclの容積を有する固形スフェンタニル薬物剤形を薬物送達ディスペンサに提供することと、
(b)酸素捕捉剤をさらに提供することと、
(c)前記薬物送達ディスペンサと前記酸素捕捉剤とを、実質的に酸素不透過性の材料で作製された一次パッケージに入れることと、
を含む、固形スフェンタニル薬物剤形の酸化的分解の防止方法であって、スフェンタニル酸化的分解生成物の割合が、酸素捕捉剤の存在下でパッケージした場合の保管後の前記固形スフェンタニル薬物剤形において、酸素捕捉剤なしにパッケージされたときの保管後の固形スフェンタニル薬物剤形におけるスフェンタニル酸化的分解生成物の割合と比べて最小限に抑えられ、又は解消される、方法。
【請求項18】
前記固形薬物剤形が、約2mg〜約10mgの質量又は約2mcl〜約10mclの容積を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記固形薬物剤形が、約0.7mm〜約1.0mm又は約0.75mm〜約0.95mmの厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記固形薬物剤形中のスフェンタニルの量が、5mcg、10mcg、15mcg、20mcg、30mcg、40mcg、50mcg、60mcg、70mcg、80mcg及び100mcgのスフェンタニルからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記固形スフェンタニル薬物剤形が、5℃及び周囲湿度、25℃及び60%相対湿度、ならびに40℃及び75%相対湿度とからなる群から選択される条件下で少なくとも6ヶ月間保管される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記薬物送達ディスペンサがカートリッジである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記カートリッジが乾燥剤を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記薬物送達ディスペンサが単回用量アプリケーターである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記一次パッケージがホイルパウチである、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−509325(P2012−509325A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537511(P2011−537511)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/064232
【国際公開番号】WO2010/059504
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511115701)エーセルリクス ファーマシューティカルズ,インク. (2)
【Fターム(参考)】