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酸素捕捉性フィルム
説明

酸素捕捉性フィルム

ポリマー母材に混合された、よく分散された酸素捕捉性微粒子。酸素捕捉性組成物は、平均粒子サイズ1〜25μm内の鉄粉から成り、この鉄粉は少なくとも1つ以上の活性化および酸性化粉末化合物により予め被覆されている。これら粉末化合物は、通常、塩化ナトリウムや重硫酸ナトリウム等の、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の固体の有機塩および無機塩である。予め被覆された鉄微粒子は、二軸スクリュー押出等の通常の溶融加工法を用いて、ポリマー樹脂中に分散される。溶融前に、酸素捕捉性コンパウンドが、固体のポリマーペレットと混合される。好ましくは、ポリマー樹脂ペレットと被覆鉄粉が、乾燥状態の界面活性剤で処理され、鉄/塩粉末が樹脂ペレットに分散するのを助ける。溶融押出されたコンパウンドはペレット化され、早発活性化を防ぐために乾燥状態で保存される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散を最大化するために樹脂ペレットまたは被覆鉄粉(coated iron powder)を処理するために有用な界面活性剤に関する。この界面活性剤は、鉱物油等の潤滑剤、ステアリン酸等の脂肪酸、およびワックス等の低分子量化合物を含む。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,503,587号(三菱瓦斯化学株式会社)は、鉄を含む酸素捕捉性粒子を層間に挟んだ多層ラミネートを開示している。この方法は、層間の接着に関する問題を引き起こしかねず、パッケージの力学的性質および消費者から見た性質に不可避的影響を与えかねない。
【0003】
米国特許第6,821,594号(三菱瓦斯化学株式会社)は、突出構造を有する酸素吸収性ラベルの方法を開示している。
【0004】
米国特許第6,559,205号および第7,056,565号(シェブロンフィリップス社)は、環状オレフィン懸垂基を有する有機ベースの多層容器用酸素捕捉剤を開示している。
【0005】
米国特許第7,494,605号(クリオバック社)は、高分子酸素捕捉剤を備えた酸素捕捉性フィルムを開示している。
【0006】
米国特許第6,746,772号(三菱瓦斯化学株式会社)は、フィルム内にエポキシ硬化剤を含んだ多層フィルムを開示している。これは、硬く脆弱な構造をもたらす。
【0007】
米国特許第6,063,503号(三菱瓦斯化学株式会社)は、酸素吸収性多層フィルムを開示している。このフィルムの層構造と酸素捕捉性粒子のサイズは、本発明の開示内容とは異なっている。
【発明の概要】
【0008】
本発明において、要件を満たし先行技術との識別される多層酸素捕捉性フィルムの製造方法を発見した。本方法は、細かい酸素捕捉性粒子(米国特許第6,899,822号、米国特許公開公報第2005/0205841号および米国特許公開公報第2007/020456号等で開示。これらの特許/特許出願はすべてマルチソーブ・テクノロジーズ社が権利者/出願人であり、参照により、その全内容がここに組み入れられる)をポリマー母材中に押出し、多層フィルムを形成するものである。このフィルムは、パッケージ材(packaging material)の一部として形成することが出来、またはラベルまたはパッケージ内の仕切りとして、またはトレイ等のパッケージ内で商品を支持する硬い支持体の一部として用いることが出来る。このフィルムは、直接パッケージ材と共に押し出すか、あるいは、押出加工後の工程で、貼合わせ(lamination)、接着、テーピング等によりパッケージと一体化させることが出来る。本発明は、とくに平均粒子サイズ1〜25μmの鉄ベースの粉末に焦点を当て、鉄粒子が活性化および酸化反応促進粒子で予め被覆され、均質な粉末を形成することを特徴とする。このような酸素捕捉性粒子が細かく分散されたフィルムまたはシートは、透明度が高く、酸素との反応性が高く、より大きな粒子(透明度および反応性が低い)および小さなナノスケールの粒子(透明度が低い)と比較して有利である。
【0009】
本発明の第一の目的は、ポリマー母材によく分散して混合された(compounded)酸素捕捉性微粒子を提供することである。酸素捕捉性組成物は、平均粒子サイズ1〜25μm内で、少なくとも1つ以上の活性化および酸性化粉末化合物を予め被覆された鉄粉から成る。これら粉末化合物は、通常、塩化ナトリウムや重硫酸ナトリウム等の、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の固体の有機塩および無機塩である。予め被覆された鉄微粒子を、二軸スクリュー押出等の通常の溶融加工法を用いて、ポリマー樹脂中に分散させる。溶融の前に、酸素捕捉性コンパウンドを、固体のポリマーペレットと混合する。好ましくは、ポリマー樹脂ペレットおよび被覆鉄粉を、乾燥状態の界面活性剤で処理し、鉄/塩粉末が樹脂ペレット中に分散するのを助ける。溶融押出されたコンパウンドをペレット化し、早発活性化を防ぐために、乾燥状態で保存する。
【0010】
本発明の第二の目的は、鉄含有コンパウンドとポリマーを共押出した、多層押出フィルムまたはシートの提供である。フィルムまたはシートは、同一の基礎材料(base material)から成る三層から成り、層厚さ比は、5/90/5〜25/50/25の幅があり、中間(活性)層が、樹脂中に分散された鉄ベースの酸素捕捉剤を含んでいる。この多層フィルムは非配向(未延伸)であってもよく、処理中または処理後に、一軸方向または二軸方向に延伸してもよい。活性層の厚さ、多層構造における配置および活性層中の酸素捕捉性微粒子の割合を微調整して、所望の機能性(酸素吸収率、能動バリア保護の持続時間、過渡バリア(transient barrier)の改善、またはこれらの組み合わせ)を提供する。
【0011】
本発明の第三の目的は、ダイ打抜き、パウチ形成、製袋、ラミネート加工、熱成形等の加工工程により、押出フィルムまたはシートから最終製品形状の物品を提供することである。物品は、製品の要求に合わせて、接着または挿入されたラベルの形態であってもよく、あるいはパウチフィルムの一部であってよい。とくに、酸素捕捉性フィルムは、パウチの内表面の1つにラミネート、テープ付けまたは接着され、または単にパウチの中に挿入物として入れられる。任意選択として、押出フィルムまたはシートに図柄を施し、パウチの図柄と整合性を持たせる。
【0012】
本発明の第四の目的は、ポリマー母材中によく分散して混合(compounded)された酸素捕捉剤を含む、印刷またはコーティングされた物の提供である。この物は、酸素捕捉性コンパウンドが印刷またはコーティングされたポリマーまたは金属の基材であってもよい。特に、ポリマー母材中の鉄ベースの酸素捕捉剤は、パウチ、袋、または食品パッケージ用のフレキシブルな包囲体の形成前に、ポリマーフィルム上に押出コーティングまたは溶液印刷することが出来、特に、印刷または被覆された模様がパッケージの図柄の一部を構成していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】FreshBlendナイロンフィルムの酸素吸収特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、細かく分散した酸素捕捉性微粒子を含有する、酸素捕捉性ポリマーフィルムの押出方法に関する。この酸素捕捉性フィルムは高い透明度を有し、調節可能な酸素吸収率を有する。本発明はまた、上記のような酸素捕捉性フィルムをプラスチック製のパウチ、袋、フレキシブルな包囲体および容器の構造(construction)に使用する方法に関する。この使用により、ヘッドスペースの酸素吸収及び/又は酸素透過に対する能動バリアを提供し、パッケージ内に封入された食品等の消費材の鮮度を保つ。
【0015】
プラスチック製のパウチに用いられるようなフレキシブルな食品パッケージ材は、通常、高い酸素バリア特性を必要とする。これは、微生物の成長を妨げ、食品の鮮度を保つためである。例として、ビーフジャーキー、ソーセージ、加工肉等のパッケージを挙げることができる。一般的には、ヘッドスペースの酸素を吸収し、パッケージの壁を通って侵入した酸素を吸収するために、酸素捕捉剤を含有する小袋が食品用パウチに入れられて用いられる。小袋は、インスタント食品のパッケージにおいて、長年用いられてきた。しかし、小袋の使用には、以下を含む、潜在的な不利益と限界がある。
(a)消費者が小袋を食品の内容物と誤認して、食べてしまうことがある。
(b)小袋が食品パウチまたはパッケージに封入または固定されているとき、偶発的に切り開けられ、内容物がこぼれ出し、製品を汚染することがある。
(c)小袋は食品パッケージの審美性および外観を損なうため、邪魔物と見られることがある。
(d)小袋は酸素捕捉を必要とする液体製品のパッケージには使用出来ない。
【0016】
本発明によれば、樹脂に組み込まれる酸素捕捉性微粒子のサイズが1〜25μm内、最も好ましくは2〜5μm内の時に、フィルムまたはシートのポリマー基材の、接触透明度や可視光線透過率等の光学的特性が有利に改善されることが発見された。このような微粒子は、ヒトが肉眼では見えないほど小さく、同時に、可視光の波長に相当するサイズ(0.4〜0.8μm)の粒子による光拡散を最小化するのに十分な程度大きい。その結果、これら微粒子が組み込まれるプラスチック製品の曇りが減少される。
【0017】
加えて、有効な酸化に必要な全成分を備えた複合の(composite)酸素捕捉微粒子がより小さなサイズのとき(フィルムに相当な光拡散と曇りをもたらす小さな粒子サイズを限界とする)、透過酸素との有効反応性のより高い酸素捕捉性フィルムが製造され、バリア構造のより効果的な設計が出来ることが発見された。バリアフィルムの反応性は、多層構造設計によりさらに有利に改善される。この多層構造設計において、酸素捕捉層は、同じ母材樹脂から作られた3層構造の中間層を形成する。具体的な最適層厚さ比は、全体のフィルム厚および活性化された捕捉剤の酸化速度に依存する。
【0018】
分散を最大化するために、樹脂ペレットまたは被覆鉄粉を処理するのに有用な界面活性剤は、鉱物油等の潤滑剤、ステアリン酸等の脂肪酸、およびワックス等の低分子量化合物を含む。
【0019】
還元鉄粉の平均粒子サイズは、好ましくは1〜25μm、より好ましくは平均1〜10μm、最も好ましくは、平均2〜5μmである。鉄微粒子に被覆される活性化および酸性化の成分の組み合わせおよび相対的割合は、米国特許第6,899,822号、米国特許公開公報第2005/0205841号および米国特許公開公報第2007/020456号の教示に従って選定され、これらの教示内容は、参照により、ここに組み入れられる。被覆技術としては、上記引例に記載されているように、ドライコーティングが好ましい。
【0020】
フィルム構造は、好ましくは、3層以上の構造で、層比は25/50/25〜1/98/1の範囲内とする。最適比は設計目標(ヘッドスペース酸素吸収速度等)に依存し、例えば、15/70/15である。被覆された鉄は、好ましくは、3層のうち中間層に配置される。
【0021】
パウチのためのラベル、ラミネート、または挿入物(insert)として使用されるフィルムは、単層構造であっても、多層構造であってもよく、被覆された鉄が、フィルムまたは選択された層内で均一に分配されている。多層構造の場合、被覆された鉄は、好ましくは、中間層に配置される。吸収を促進するため、外層に隣接して配置してもよい。
【0022】
被覆鉄組成物を基材に印刷またはコーティングするために、被覆鉄は、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ワックス、乳剤等の一般的な押出被覆(extrusion coating)ポリマー中に配合(formulate)してよい。
【0023】
以下の例を用いて、本発明の一部を説明する。
【0024】
実施例1.FreshBlend酸素捕捉剤を含有する押出ナイロンフィルム
【0025】
平均粒子サイズ4〜5μmの鉄微粒子を重硫酸ナトリウムと塩化ナトリウムで被覆し、均一に被覆された複合粉末(composite powder)を形成することによって、ひとまとまり(package)の酸素捕捉剤を用意した。この複合粉末("FreshBlend"酸素捕捉剤と略称する)を用いて、ナイロン6樹脂(特注樹脂Nylene3411)と共に押出した。コペリオン社製の二軸スクリュー押出コンパウンド機を用いて、FreshBlendを樹脂に混合(compounding)した。計量フィーダを用いて、溶融前にFreshBlend 粉末をポリマー樹脂とともに精密に供給した。押出機に供給する前に、樹脂ペレットに0.2重量%の鉱物油(小売薬局の品質等級)を混ぜ合わせた。押出機を全加熱ゾーンについて250℃に設定し、ダイ温度を260度に設定した。FreshBlendは押出速度と同程度の速度で供給し、その結果、重量比を5/95〜20/80の範囲にした。押し出されたストランドを、ペレット化前に空冷、または任意選択で水冷した。
【0026】
実施例2.酸素捕捉性フィルムの押出
【0027】
例1で用意したFreshBlendコンパウンドを用いて酸素捕捉性フィルムを作成した。三層フィルムを共押出インフレートフィルムの製造ラインから押し出した。この製造ラインは、3台の押出機、共押出フィードブロック、2インチ(5.08cm)の環状ダイ、および0.060インチ(0.1524cm)のダイギャップから成る。ブローアップ比は2とし、さまざまなドローダウン比でフィルムを作成し、フィルム厚さを1.5〜4ミル(38〜102μm)にした。フィルムは濁りがなく透明で、眼に見える凝塊はほとんど含まれていなかった。フィルムの層比は、ナイロン/FreshBlendナイロンブレンド/ナイロンの材料各層について、約15/70/15であった。酸素捕捉剤の正味含有量は、酸素捕捉性コンパウンドのレットダウンにより、1〜3重量%の範囲であった。
【0028】
実施例3.酸素捕捉性フィルムのパウチ内における性能
【0029】
パウチ内でラベルフィルムまたは挿入フィルムとして働くFreshBlendナイロンフィルムの酸素吸収性能を評価するため、押出フィルムを切って細長い片とし、プラスチックパウチに入れて、酸素吸収性能試験を行った。選択された重量の押出標本フィルムを切って、サイズ6インチx6インチ(15.24cm×15.24cm)のパウチに入れた。酸素捕捉剤の酸素吸収能を活性化させるため、相対湿度92%を提供する加湿剤もパウチに入れた。そして、パウチを密封し、次にO/N2=20/80の混合ガス300ccをパウチに注入した。モコン社の450型ヘッドスペース分析装置を用いて、定期的に酸素濃度を測定した。酸素吸収特性を図1に示す。酸素濃度が時間とともに徐々に減少すること、および2重量%のフィルムの方が1重量%のフィルムよりも減少速度が速いことが分かる。この例は、パウチ等の包囲体内における酸素捕捉性フィルムの有用性を示した。
【0030】
特定の実施例に関して本発明を描写し、記載してきたが、本発明は記載した詳細事項に限定されるものではない。本発明から逸脱することなく、請求項の範囲および均等物の範囲内で、詳細事項にさまざまな変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内であれば、かかる変形をすべて含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー母材に細かく分散された鉄/塩粒子を製造する方法であって、平均粒子サイズ1〜25μmの鉄を少なくとも1またはそれ以上の活性化および酸性化粉末成分で予め被覆する工程と、溶融押出してコンパウンドにする前に、上記酸素捕捉剤を固体のポリマーと混合する工程とを備え、混合前にペレットまたは鉄/塩粉を界面活性剤で処理することを特徴とする方法。
【請求項2】
3層またはそれ以上の層から成る酸素捕捉性フィルムであって、請求項1に記載の方法によって製造された酸素捕捉性粒子が他の層の間に配置され、高い透明度を有し、目に見える凝塊が存在しないことを特徴とする酸素捕捉性フィルム。
【請求項3】
パウチ、袋、フレキシブルな包囲体または容器であって、ラベル、挿入物、ラミネートまたは多層構造の一部として、請求項1に記載の酸素捕捉性フィルムを備え、上記酸素捕捉性フィルムが上記包囲体内の酸素吸収性能を提供することを特徴とするパウチ、袋、フレキシブルな包囲体または容器。
【請求項4】
パウチ、袋、またはフレキシブルな包囲体であって、請求項1に記載の酸素捕捉剤を、パッケージ材または図柄の一部として、パッケージ中に備えたことを特徴とするパウチ、袋、フレキシブルな包囲体または容器。
【請求項5】
ポリマー母材に細かく分散された鉄/塩粒子であって、平均粒子サイズ1〜25μmの鉄を含み、この鉄が、溶融押出してコンパウンドにする前に固体のポリマーと混合するに先立ち、少なくとも1またはそれ以上の活性化および酸性化粉末成分で予め被覆され、界面活性剤で処理されることを特徴とするポリマー母材に細かく分散された鉄/塩粒子。
【請求項6】
3層またはそれ以上のプラスチック層を備え、請求項5に記載の酸素捕捉性粒子が他の層の間に配置されることを特徴とする可視的な凝塊が最小限の高い透明度。
【請求項7】
パウチ、袋、フレキシブルな包囲体または容器であって、請求項5に記載の酸素捕捉性フィルムを、挿入物、ラミネートまたは多層構造の一部の形態で備え、上記酸素捕捉性フィルムが上記包囲体内の酸素吸収性能を提供することを特徴とするパウチ、袋、フレキシブルな包囲体または容器。
【請求項8】
パウチ、袋、またはフレキシブルな包囲体であって、請求項5に記載の酸素捕捉剤を、パッケージ材または図柄の一部として、パッケージ中に備えたことを特徴とするパウチ、袋、またはフレキシブルな包囲体。

【図1】
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【公表番号】特表2012−522869(P2012−522869A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503486(P2012−503486)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/028102
【国際公開番号】WO2010/120435
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(509196903)マルチソーブ テクノロジーズ インク (9)
【Fターム(参考)】