説明

醸造酒の混濁安定性を予測する方法

【課題】醸造酒及びその製造工程における混濁安定性を迅速かつ正確に評価する方法、および混濁安定性に優れた酵母を選択する方法を提供する。
【解決手段】試料中の分子量約 120kDaのマンノプロテイン量をアフィノプロッティング法により測定する。培養上清中のマンノプロテイン量を測定することで、マンノプロテイン量の低い酵母を選抜し、混濁安定性に優れた酵母を選択する。酵母からのマンノプロテイン剥離量を測定し、マンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、醸造酒のマンノプロテイン、特に分子量約120kDaのマンノプロテイン(以下、「MP120」という。)を測定することにより混濁安定性を評価する方法、培養上清中のマンノプロテイン、特にMP120生成量が低い酵母を選抜することを含む混濁安定性に優れた酵母を選択する方法、および酵母からのマンノプロテイン、特にMP120剥離量の低い酵母を選抜することを含む混濁安定性に優れた酵母を選択する方法に関する。
【0002】
従来の技術
酒類には、糖類やでんぷん質を原料にし、酵母などの働きで、アルコール発酵により作られる、ワイン、ビール、清酒、ワイン等の醸造酒がある。
【0003】
例えば、ビールは麦芽を主原料として糖化によって麦汁を得、この麦汁と酵母を用いて主発酵を行い、次いで若ビールを後発酵(貯酒)工程に付し、濾過、ビン詰め工程を経て製造される。
【0004】
このようにして製造されているビール等の醸造酒(特に色のうすいもの)は、製造されてから消費されるまでの間に濁りを生じないような、いわゆる「混濁安定性」が醸造酒の品質上きわめて重要な項目である。
【0005】
例えばビール混濁の原因は、微生物の混入に起因する生物学的混濁と、ビールの成分自体の変性による混濁、つまり蛋白質成分とポリフェノールの会合によって生じるヘイズ蛋白と総称される蛋白質成分(非特許文献1)の生成による非生物学的混濁の2つに大別できる。一般に、普通に生じうる混濁とは、この非生物学的混濁である。
【0006】
非生物学的混濁の原因物質や形成メカニズムは詳細には明らかにされていないが、図1に示すように、酵母由来の細胞壁成分(マンノプロテインやβグルカン)と麦芽、ホップ由来の蛋白質成分やポリフェノールなどが結合して次第に大きな粒子が形成されていくと考えられる(図2)。
【0007】
ビールの混濁安定性を評価する場合には、強制劣化試験を実施したり、実際に20℃で長期保存して混濁安定度を測定し、評価を行なう。例えば、試料の全混濁度を1週間ごとに測定し、全混濁度の週ごとの測定値をグラフに描き、全混濁度が100Helmとなる週を読み取り、これをFTテスト値とする。そしてこのFTテスト値から換算式を用いて混濁安定度を予測していた。しかしながら、これらの方法では結果判定までに数日から数十週間を必要とし、多大な労力と時間を必要とした。
【0008】
そのため、混濁安定性を予測する方法が色々試みられてきた(非特許文献2等参照)。
【非特許文献1】K. Asano et al., ASBC Journal 40:147-154, 1982;J.A.Delcour et al., MBAA Technical Quarterly, 25:62-66, 1988
【非特許文献2】European Brewery Convention、Analytica-EBC、第4版、1987
【0009】
発明が解決しようとする課題
そこで、醸造酒最終製品及びその製造工程における混濁安定性の評価を迅速かつ正確に測定する更なる方法の開発、および混濁安定性に優れた酵母を選択する方法の開発が望まれていた。本発明は、醸造酒品質管理のひとつの項目として重要である混濁安定性を迅速かつ正確に予測・評価する新たな方法を提供すること、および混濁安定性に優れた酵母を選抜する方法を提供することを目的とする。
【0010】
課題を解決するための手段
本発明者らは、酵母からのMP120の剥落の程度とビールのヘイズの高さに良い相関性があることを見出し、その知見に基づき、醸造酒中のMP120量を測定するにより混濁安定性を評価することができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、醸造酒最終製品及びその製造工程における混濁安定性を、試料中のマンノプロテイン量を測定することにより迅速かつ正確に測定する方法である。
本発明はまた、醸造酒最終製品及びその製造工程における試料の混濁安定性を、試料中のMP120量を測定することにより評価する方法である。
【0012】
本発明はまた、醸造酒最終製品及びその製造工程における試料の混濁安定性を、試料中のMP120量をアフィノブロッティングにより測定することにより評価する方法である。尚、アフィノブロッティングそのものは、一般に知られている方法であるが(Faye L and Chrispeels MJ, Anal Biochem, 1985等)、マンノプロテインを検出する目的でこの手法を醸造酒関連サンプルに適用した例は無い。
【0013】
本発明は、酵母を培養し、培養上清中のマンノプロテイン量を測定し、相対的にマンノプロテイン量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
【0014】
本発明はさらに、酵母を培養し、培養上清中のMP120量を測定し、MP120量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
本発明はさらに、酵母を培養し、培養上清中のMP120量をアフィノブロッティングにより測定し、相対的にMP120量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
【0015】
また、本発明は、酵母からのマンノプロテイン剥離量を測定し、相対的にマンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
【0016】
本発明はさらに、細胞壁成分の剥離処理後に酵母からのマンノプロテイン剥離量を測定し、相対的にマンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
【0017】
本発明はさらに、酵母からのMP120剥離量を測定し、相対的にMP120剥離量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
本発明はさらに、酵母からのMP120剥離量をアフィノブロッティングにより測定し、相対的にMP120剥離量の低い酵母を選抜することを含む、混濁安定性に優れた酵母を選択する方法である。
【0018】
本発明はさらに、本発明の方法により混濁安定性に優れた酵母として選択されたビール酵母を用いて発酵させることを特徴とするビールの製造方法である。
【0019】
発明の実施の形態
混濁安定性の評価方法
本発明の混濁安定性の評価方法は、醸造酒中のマンノプロテイン、特に分子量MP120を測定することにより、その混濁安定性を評価する。
【0020】
本発明における「醸造酒」とは、酵母による発酵工程を経て製造される飲料を全て包含する。例えば、ビール、雑種(発泡酒)、リキュール類、低アルコール発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の麦芽発酵飲料)が含まれる。
【0021】
評価の対象は、醸造酒の最終製品に限らず、醗酵もろみや酵母の培養液であってもよい。これらサンプルは、遠心分離などの手段により酵母菌体を除き、得られた上清からマンノプロテインを含むサンプルを当業者に知られた蛋白質を回収する手段により調製することができる。
【0022】
マンノプロテインとは、蛋白(ポリペプチド鎖)にマンノースが修飾糖として結合しているもので、酵母の細胞壁表層に異なる種類のものが存在している。上述のように、例えばビールのヘイズの原因物質や形成メカニズムは詳細には明らかにされていないが、酵母由来の細胞壁成分(マンノプロテインやβグルカン)と麦芽、ホップ由来の蛋白質やポリフェノールなどが結合して次第に大きな粒子が形成されていくと考えられる。
【0023】
マンノプロテインの検出および定量は、マンノプロテインを検出および定量することができる方法であれば、いずれの方法であっても用いることができる。但し、本発明は、マンノプロテイン、特にMP120の酵母からの剥離のしやすさと、混濁の原因であるへイズ生成に高い相関がある事実に基づいており、マンノプロテインの分子量の違いにより分離する手段と共に用いる必要がある。一例を挙げれば、サンプルをSDS-電気泳動により分子量的に分離し、そのサンプルに対して、コンカナバリンAというレクチンがマンノプロテインのマンノース部分を認識し、これに結合する性質を利用して、アフィノブロッティング (Faye L and Chrispeels MJ, Anal Biochem, 1985)という手法を用いると、フィルター上でマンノプロテインのみを検出することができる(図3および図4参照)。
【0024】
混濁安定性の評価は、酵母からのマンノプロテイン、特にMP120の剥離の程度とヘイズの高さに良い相関性があることから、検出されたMP120量が低いほど混濁安定性に優れ、MP120の量が高いほど混濁安定性が劣るという評価をすることができる。
【0025】
混濁安定性に優れた酵母の選択方法
本発明の混濁安定性に優れた酵母の選抜方法は、酵母を培養し、培養上清中のマンノプロテイン、特にMP120含有量の低い酵母を選抜することを含む方法、または酵母からのマンノプロテイン、特に約120kDaのマンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜することを含む方法である。
【0026】
本発明で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して自由に選択できる。例えば、市販のビール酵母を用いることができる。

酵母の培養は、用いる酵母の培養に適した条件で有れば、いずれの条件で培養してもよい。従って、例えば、培地は合成培地であっても天然培地であってもよく、嫌気条件であっても好気条件であっても、試験菌の培養が可能な条件であればよい。
【0027】
培養上清の調製は、遠心分離などの当業者に周知な方法で調製することができる。得られた培養上清中のマンノプロテインの回収、検出および定量は、上述の方法のより実施することができる。
【0028】
混濁安定性に優れた酵母の選抜は、培養上清中のマンノプロテイン、特にMP120の量が低いほど混濁安定性に優れた酵母として選抜することができる。
また、酵母からのマンノプロテイン、特に約120kDaのマンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜することを含む方法では、試験対象酵母およびその培養条件は上述の場合と同様であるが、必要により菌体懸濁液に超音波処理などの細胞壁成分の剥離処理を行う。次に、細胞壁から剥離してくるマンノプロテインを当業者によく知られたタンパク質回収手段などで集めて、マンノプロテインを解析する。マンノプロテインの検出および定量は、上述の方法のより実施することができる。
【0029】
混濁安定性に優れた酵母の選抜は、酵母からのマンノプロテイン、特にMP120の剥落の程度とヘイズの高さの相関性に基づき、酵母からのMP120の剥離量の低い酵母ほど混濁安定性に優れた酵母として選抜することができる。
【0030】
ビールの製造方法
本発明の方法により混濁安定性に優れた酵母として選択されたビール酵母を用いてのビールの製造は、当業者に周知の方法で実施することができる。
【0031】
実施例
以下に本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0032】
実施例1.ヘイズ画分の単離・解析
製品ビール20mLを透析チューブ(カットオフ分子量300,000)に入れ、100倍体積の純水に対して4℃12時間透析した。純水を替え、これを3回繰り返した。このサンプルを300,000 x G、3時間の条件で遠心したところ、遠心管の底にゼリー状の沈殿が認められたので(図5)、これをヘイズ画分とした。
【0033】
実施例2.アフィノブロッティングを利用したマンノプロテインの検出
BH449株およびBH225株醗酵終了もろみ(図6)を1.2mLエッペンチューブにとり、15,000rpm、10分間遠心し、上清1mLを別のエッペンチューブに移した。そこへ250μLの50%トリクロロ酢酸を加え、室温で10分間放置後、15,000rpm、10分間遠心し、上清を捨てた。チューブに1mLのアセトンを加えて沈殿をリンスした後、沈殿を風乾した。
【0034】
SDS-ゲル電気泳動はLaemmli(Nature 227巻、680-685ページ)の方法に従って行った。沈殿サンプルにSDS電気泳動用サンプルバッファー100μLを加え、完全に溶かした。これを100℃、10分間熱処理し、タンパクを変成させたのち、サンプル8μLをポリアクリルアミドゲル(7.5%または9%)を用いたSDS-電気泳動で展開した。電気泳動後のゲルをトランスファーバッファー(48mM トリス、39mM グリシン、20% メタノール、1.3mM SDS、pH9.0)中で10分間浸潤させた後、ニトロセルロース製のメンブレンに転写した(16V、40分)。転写後のメンブレンを2% スキムミルクを含むTTBSバッファー(20mM トリス、137mM NaCl、0.1% Tween20、pH7.6)中で室温にて1時間ブロッキングした後、ハイブリバッグ中でセイヨウワサビ由来過酸化酵素(HRP)-コンカナバリンA複合体と室温で15分間インキュベーションした。HRP-コンカナバリンAは市販品(シグマ社L-6397)を水で1mg/mLの濃度に溶解したものをTTBSバッファーで 1/2000倍希釈して用いた。HRP-コンカナバリンAとのインキュベーション後、100mLのTTBSバッファーで5分づつ3回液を交換してメンブレンを洗い、メンブレンから余剰のHRP-コンカナバリンAを除いた。メンブレン上のマンノプロテインはAmersham Biosciences社のECL(登録商標) Western Blotting Analysis Systemを用い、ケミルミネッセンスによって検出した。
【0035】
図6の左半分の蛋白染色は、アフィノブロッティングの結果との比較のために行った。蛋白染色はCoomassie Brilliant Blue R-250を用いて行った。
図6の右図に示すように、酵母株に依存せず、ヘイズ画分にはMP120が多く含まれている一方、ビール(醗酵終了もろみ)中のMP120の割合は相対的にあまり高くなかった。従って、MP120等のマンノプロテインが選択的に不溶化し、不溶物の核となってヘイズを形成していることが示唆された。
【0036】
実施例3.MP120を用いたビール酵母の細胞壁脆弱性評価とヘイズ生成の評価
3−1.細胞壁脆弱性
表1に示した各ビール酵母を一白金耳とり、試験管中の10mL YPD培地(1% 酵母抽出物、2% ペプトン、2% グルコース)に植え、20℃で3日間静置培養した。培養液を15-mL用のコニカルチューブに移し、3,500rpm、10分間遠心し、酵母を回収した。酵母を1mLの水に懸濁し、15秒間、一定の温和な条件で各菌株に対して出力30ワットで20秒間の超音波処理を行った(BRANSON社モデル250)。次にサンプルをエッペンチューブに移し、15,000rpm、10分間遠心し、上清800μLを別のエッペンチューブに移した。200μLの50%トリクロロ酢酸を加え、15,000rpm、10分間遠心することによって蛋白を沈殿、回収した。サンプルをアセトンでリンスした後、乾燥させ、SDS電気泳動用サンプルバッファー60μLに溶解した。このようにして得られたサンプルに対して上述した方法でSDS-ゲル電気泳動及びアフィノブロッティングを行った。サイズマーカーから判断した120kDaマンノプロテイン(MP120)に相当するバンドの濃さをデンシトメーターで測定し、相対的なMP120のバンドの濃さを細胞壁の壊れやすさの指標とした。
【0037】
【表1】

【0038】
結果を図7に示す。
3−2.試験醗酵とヘイズ生成量の測定
試験醗酵はEBC(European Brewery Convention)の規格に準じた容量2Lの円筒形チューブを用いて行った。試験醗酵の投入用酵母は、各種ビール酵母を麦汁を用いて嫌気的に培養して得た。麦芽比率100%(オールモルト)の麦汁を用い、酵母の投入は15 x 106cells/mL の濃度で行った。醗酵開始時の溶存酸素濃度は10ppmであり、醗酵温度は15℃で行った。醗酵経過は糖の資化でモニターし、糖エキス濃度が2%(w/v)に達した時点でチューブから醗酵もろみを抜き取った。もろみを5,000rpm、10分の遠心をすることによって、浮遊酵母を沈殿させ、遠心上清を回収し、このサンプルを珪藻土濾過およびヘイズ測定に供した。
【0039】
上述したサンプルをポアサイズ50μmの金属製メッシュに乗せた珪藻土を用いて濾過した。濾過後、ヘイズを生じやすい環境にするため24時間氷水(0℃)で保持した。サンプルのヘイズをヘイズメーター(シグリスト社製、シグリスト光電計 KTL30)を用いて測定し、この値をT-haze(全混濁量)とした。単位はHelmを用いて表現した(1 Helm=0.1 FTU(Formazin Turbidity Unit))。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
図8は、図7に示すMP120の剥落の程度(BH449を100%とした相対値)と表2に示すヘイズの高さの相関をプロットしたものである。この両者が良い相関性を示すことから「MP120の剥離のしやすさ」を使って、ヘイズ生成の少ないビール酵母を選択することが可能であることが判った。
【0042】
発明の効果
本発明によれば、醸造酒品質管理のひとつの項目として重要である混濁安定性を迅速かつ正確に予測・評価することができる。さらに本発明によれば、混濁安定性に優れた酵母を容易に選抜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、酵母の細胞壁とマンノプロテインの模式図である。
【図2】図2は、ヘイズのモデルを示す。
【図3】図3は、アフィノブロッティングによるマンノプロテインの検出方法を示す。
【図4】図4は、アフィノブロッティングによるマンノプロテインの検出方法を示す。
【図5】図5は、超遠心によりより沈殿したヘイズを示す。
【図6】図6は、ヘイズ画分の電気泳動・アフィノブロッティングによる解析結果を示す。
【図7】図7は、各ビール酵母のアフィノブロッティングによる解析結果を示す。
【図8】図8は、各ビール酵母におけるヘイズ生成とMP120剥離量との相関を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
醸造酒のマンノプロテイン量を測定することを特徴とする、醸造酒の混濁安定性を評価する方法。
【請求項2】
分子量約120kDaのマンノプロテイン量を測定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
マンノプロテイン量をアフィノブロッティングにより測定する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
混濁安定性に優れた酵母を選択する方法であって、酵母を培養し、培養上清中のマンノプロテイン量を測定し、相対的にマンノプロテイン量の低い酵母を選抜することを含む、前記方法。
【請求項5】
分子量約120kDaのマンノプロテイン量を測定し、分子量約120kDaのマンノプロテイン量の相対的に低い酵母を選抜する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
酵母がビール酵母である、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
マンノプロテイン量をアフィノブロッティングにより測定する、請求項4ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
混濁安定性に優れた酵母を選択する方法であって、酵母からのマンノプロテイン剥離量を測定し、相対的にマンノプロテイン剥離量の低い酵母を選抜することを含む、前記方法。
【請求項9】
細胞壁成分の剥離処理後に酵母からのマンノプロテイン剥離量を測定する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
分子量約120kDaのマンノプロテイン剥離量を測定し、分子量約120kDaのマンノプロテイン剥離量の相対的に低い酵母を選抜する、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
酵母がビール酵母である、請求項8ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
マンノプロテイン剥離量の測定をアフィノブロッティングにより行う、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項6または11記載の方法によって選抜されたビール酵母を用いて発酵させることを特徴とするビールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−275751(P2006−275751A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94904(P2005−94904)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】