説明

重力送り装置を用いた液体の脱ガス方法

【課題】液体が膜接触器に重力により供給される液体の脱ガスのための装置および方法を提供する。
【解決手段】液体入口14、液体出口16および真空ポート18を有するシェル側液体流路膜接触器12、近位端24および遠位端26を有し、前記近位端24は前記膜接触器12の前記液体入口14に接続されている第1の管22、および前記第1の管22の前記遠位端26に接続される容器接続具34、近位端30および遠位端32を有し、前記近位端30は前記膜接触器12の前記液体出口16に接続されている第2の管28を含み、使用の間、前記第1の管22の前記遠位端26は前記膜接触器12の上に位置され、前記第2の管28の前記遠位端32は前記膜接触器12の下に位置され、液体は重力により前記膜接触器12を通る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜接触器を含む重力送り装置を使用する脱ガス方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膜接触器を使用する液体の脱ガス方法は公知である。例えば、米国特許第6790262号、第6558450号、第6503225号、第6402818号、第6267926号、第6616841号、第5695545号、第5352361号、第5284584号、第5264171号および第5186832号明細書、米国特許公開第20050194305号、第20050218064号および第20060081524号、および米国特許出願第11/043351号(2006年1月26日出願)、第11/447188号(2005年6月5日出願)参照。
【0003】
しかしながら、液体が重力により膜接触器に供給される液体の脱ガス方法は知られていない。通常、液体はポンプにより接触器に供給される。
【0004】
米国特許6503225においては、管内の液体が膜接触器に重力により供給される内腔側還流型膜接触器を使用して管内の液体が脱ガスされている。
【特許文献1】米国特許6503225号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体が膜接触器に重力により供給される液体の脱ガスのための装置および方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
液体が重力によって装置を通過する、膜接触器を含む装置によって、液体が脱ガスされる。
【0007】
図面の参照において、同じ番号は同じ構成要素を示している。図1には、液体が重力によって供給される本発明の液体の脱ガス装置の第1の実施態様10が示されている。
【0008】
装置10は、通常、膜接触器12、第1の管22および第2の管28を含む。図1に示される実施態様において、この装置は、第2の管28に作動可能に(operatively)結合される随意的な流量調節機構36を更に含む。図2に示される実施態様において、装置10’は第1の管22に作動可能に結合される随意的な流量調節機構36を更に含む。
【0009】
膜接触器12は、液体を脱ガスするために使用される膜接触器であってもよい。このような膜接触器は、平坦なシート状の膜または中空繊維膜を有してもよい。図1および2に示される実施態様において、膜接触器はシェル側液体流中空繊維接触器(shell−side liquid flow hollow fiber contactor)である。図1において、中空繊維は接触器12の径方向(radial direction)に方向付けられている(すなわち、横断流(transverse flow))。例えば、本明細書に引用文献として組み込まれる2006年1月26日付け出願の米国特許出願第11/043351号および2005年6月5日付け出願の米国特許出願11/447188号参照。図2において、中空繊維は接触器12’の長手方向(longitudinal direction)に方向付けられている(すなわち、放射状の流れ(radial flow))。例えば、引用文献として本明細書に組み込まれる、米国特許第6790262号、第6558450号、第6503225号、第6402818号、第6267926号、第6616841号、第5695545号、第5352361号、第5284584号、第5264171号および第5186832号明細書、米国特許公開第20050194305号、第20050218064号および第20060081524号参照。
【0010】
膜接触器12および12’は、液体入口14、液体出口16、真空ポート18および補助ポート20をさらに含む。一般的に、膜接触器は「シェル側(shell−side)」および「内腔側(lumen−side)」(図示しない)を有する。このシェル側および内腔側は、膜によって互いに分離される接触器内の区別されたチャンバーである。脱ガスの操作においては、液体はシェル側に閉じ込められ、真空または真空/掃引ガス(sweep gas)が内腔側に閉じ込められる。液体の成分(例えばガス)が、拡散によって定量化される原理により膜を横切って駆動されるように、拡散駆動力(例えば圧力差または濃度勾配)が、これらチャンバー間に発生する。入口14および出口16はシェル側に作動可能に結合されていてもよい。真空ポート18および補助ポート20は、作動可能に内腔側に結合されていてもよい。
【0011】
第1の管22は、近位端(proximal end)24と遠位端(distal end)26を有する。近位端は接触器12の入口14に接続されている。接続は、永久接続であっても、または管22および接触器12が容易に分離できるように分離可能な接続であってもよい。このような接続は周知である。管22は柔軟性であっても堅固であってもよい。柔軟な管は従来公知のプラスチック管を含む。
【0012】
容器接続具34は第1の管の遠位端に位置する。容器接続具34は、装置12または12’を、同伴ガス(entrained gas)(図示しない)を有する液体の容器(reservoir)に接続する。接続具34は従来技術のものである。容器はどんな液体貯蔵装置でもよい。容器は、タンク、漏斗またはシリンダーであってもよい。
【0013】
第2の管28は近位端30および遠位端32を有する。近位端30は接触器12の出口16に接続されている。接続は、永久接続または管28および接触器12が容易に分離できるように分離可能な接続であってもよい。このような接続は周知である。管28は柔軟性であっても堅固であってもよい。柔軟な管は従来公知のプラスチック管を含む。
【0014】
第1の管22または第2の管28に作動可能に結合されてもよい流量調節機構36は、接触器からのまたは接触器への液体の流れを制御するように適用される。流量調節機構36はオリフィスまたはバルブであってもよい。バルブは従来のどんなバルブであってもよい。バルブは、ゲートバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、グローブバルブ、ダイヤフラムバルブおよびバタフライバルブであってもよい。
【0015】
作動中、装置10は、装置が容器に含有された液体の下になるように、容器(図示しない)に接続される。この配置は、液体が装置10の膜接触器12/12’を通過するのに十分な圧力を得るために、必要である。膜接触器12/12’は、真空ポート18またはポート18/20により、真空の供給源または真空/掃引ガスの供給源に接続される。使用される場合には、流量調節機構36(例えば、バルブ)は開かれる。次いで、真空または真空/掃引ガスが供給される間、ガスを同伴する液体が、接触器12/12’を通って流れる。次いで、同伴ガスが液体から除去される。脱ガスされた液体は、第2の管の遠位端より装置から排出される。
【0016】
本発明は、本発明の精神および本質的な属性を逸脱せずに、他の特定な形で実施されてもよく、従って、本発明の範囲を示すものとして、明細書よりも特許請求の範囲を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明を例示する目的で、現在好ましい形を図面で示す。しかし、本発明は、図示した配置と機器に限定されるものでないことは理解される。
【図1】本発明の第1の実施態様を示す。
【図2】本発明の第2の実施態様を示す。
【符号の説明】
【0018】
10 液体脱ガス装置
10’ 液体脱ガス装置
12 膜接触器
12’ 膜接触器
14 液体入口
16 液体出口
18 真空ポート
20 補助ポート
22 第1の管
24 近位端
26 遠位端
30 近位端
32 遠位端
34 容器接続具
36 流量調節機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の脱ガスのための装置であって、
液体入口、液体出口および真空ポートを有するシェル側液体流膜接触器(shell−side liquid flow hollow fiber contactor)、
近位端および遠位端を有し、前記近位端は前記膜接触器の前記液体入口に接続されている第1の管、
前記第1の管の前記遠位端に接続される容器接続具、および
近位端および遠位端を有し、前記近位端は前記膜接触器の前記液体出口に接続されている第2の管
を含み、
使用の間、前記第1の管の前記遠位端は前記膜接触器の上に位置され、前記第2の管の前記遠位端は前記膜接触器の下に位置され、液体が重力により前記膜接触器を通る、
装置。
【請求項2】
前記第1の管または前記第2の管に作動可能に結合されている流量調節機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流量調節機構が前記第1の管に作動可能に結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流量調節機構が前記第2の管に作動可能に結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記流量調節機構は、ゲートバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、グローブバルブ、ダイヤフラムバルブおよびバタフライバルブからなる群より選択されるバルブである、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記容器接続具に接続される容器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記容器は、タンク、漏斗およびシリンダーからなる群より選択される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記膜接触器は横断流または放射状流を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
液体の脱ガスのための方法であって、
液体を脱ガスするための装置であってシェル側液体流膜接触器を有する装置に、同伴ガスを含む液体を重力により供給する工程、
前記装置の膜を横切って前記同伴ガスが拡散することによって、前記同伴ガスを含む液体を脱ガスする工程、および
前記装置から、前記同伴ガスを含む液体と比べて少ない同伴ガスを含む液体を放出する工程
を含む方法。
【請求項10】
脱ガスする工程は前記装置に真空を供給する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
脱ガスする工程は前記装置に真空および掃引ガスを供給する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記液体を脱ガスするための装置は、
液体入口、液体出口および真空ポートを有する膜接触器、
近位端および遠位端を有し、前記近位端は前記膜接触器の前記液体入口に接続されている第1の管、
前記第1の管の前記遠位端に接続される容器接続具、および
近位端および遠位端を有し、前記近位端は前記膜接触器の前記液体出口に接続されている第2の管
を含み、
使用の間、前記第1の管の前記遠位端は前記膜接触器の上に位置され、前記第2の管の前記遠位端は前記膜接触器の下に位置される、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記装置は、前記第1の管または前記第2の管に作動可能に結合される流量調節バルブをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記装置は横断流または放射状流を有する、請求項13に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−143758(P2012−143758A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−63205(P2012−63205)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2007−265721(P2007−265721)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(598064680)セルガード エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】